JPH10508341A - 銅合金製飲用水搬送用水管取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 金属、とりわけ銅、銅合金（亜鉛、鉛を含む）で形成された飲用水搬送用水管取付具１０。少なくとも、その内表面に錫ライニングまたは被覆１８が付されている。

Description

【発明の詳細な説明】 銅合金製飲用水搬送用水管取付具 発明の分野 本発明は、水と接触する錫被覆された内表面を有する、飲用水を供給する栓口 （コック）のような、銅、銅合金（例えば、黄銅）から成る水管取付具に関する ものである。 発明の背景 通過水中への各種金属の浸出または離脱を防ぐために、内部ライニングすなわ ち被覆を有する水管取付具は公知である。例えば、ドイツ公開特許明細書ＤＳ− ＯＳ−３５１５７１８で、混合・計量弁を有する水栓について説明がなされてい る。この取付具では、水栓の内孔がプラスチックで被覆されている。このプラス チック被覆によって、例えば鉛、亜鉛が黄銅製取付具から水中に浸出または洗出 されないように防止され、または銅製取付具から銅が水中に離脱しないように防 止される。しかしながら、プラスチック・ライニングの塗布は極めて経費高であ る。 ドイツ特許明細書ＤＳ−ＰＳ−１４１９２に、その内側に錫めっきが施された 固定胴が記載されている。しかしながら、この内側錫めっきは、通過して流れる 液体と接触する金属胴の内側に対して後に行われる鉛ライニングの鋳造を可能に するために施されたに過ぎない ドイツ特許明細書ＤＳ−ＰＳ−２２８０２に、とりわけ化学薬剤による化学的 攻撃に対処するために、錫から成る保護被覆を有する弁、栓、ポンプ胴、その他 の機械部品が開示されている。しかしながら、鋳造中子が、保護のために鉄製中 子内に挿入され、鉄製中子と共に鋳型を形成している。この鋳型は、錫ライニン グが施されており、そのため錫から成る多量の鋳造保護体が形成される。この錫 製鋳造保護体の厚さのために、ねじ付取付具には適用できない。生理学的に安全 であると考えられる成分の合金から成る取付具を利用することも可能である。し かしながら、そのような合金は比較的高価である。 鉛を含まない黄銅合金、またはその成分からして錫の浸出を防ぐ合金も公知で ある。しかしながら、そのような黄銅合金は切削性に劣り、切削の際に長い削り 屑が生じて切削工具に詰まる。砒素またはアンチモンも、いわゆる脱亜鉛に対抗 するために使用可能である。しかしながら、かかる合金の性質は変化し、リサイ クルに困難をもたらす。 本発明によれば、前記欠点を避け、高価ではない在来黄銅合金から成る水管取 付具が提供される。本発明の水管取付具では、その内部を通過して流れる水中に 、金属が浸出または離脱して出ることはない。 発明の概要 本発明は、銅、銅合金から成り、錫から成る内部ライニングまたは被覆を付さ れた、栓口（コック）のような飲用水搬送用水管取付具を含む。水管取付具を形 成する銅合金は、亜鉛および鉛を含む銅合金、例えば黄銅を包含する。 錫ライニングまたは被覆は非常に薄く、厚さ約２〜約４μｍである。錫被覆す なわち錫層は、少なくとも、水管取付具のねじ部分を含む内表面に付される。し たがって、水管取付具中を流れる水は、比較的不活性である錫ライニングのみと 接触する。このことによって、鉛等の金属の飲用水中への浸出問題をなくすこと ができる。さらに、錫被覆の全厚さ量「最大４μｍ」は、メートル法またはイン チ法による仕上げ水管取付具における慣用螺旋ねじの公差範囲０．０２５から０ ．０５mmまでの範囲内にある。このことは、被覆付き水管取付具には、その他の 加工または仕上げ作業が必要でないことを意味する。 図面の簡単な説明 第１図は、水管取付具の断面図である。 第２図は、第１図に示された水管取付具の内部ねじの部分拡大断面図であり、 錫被覆を示す。 好適実施例の説明 水管取付具１０の内側に、厚さ約２〜約４μｍの錫被覆（すなわちライニング ）１８が付されている。錫被覆は、取付具の少なくとも内表面（とりわけ、水と 接触する表面）に化学的に付されている。錫被覆１８は概ね均一な厚さである。 錫被覆は、温度５０℃〜８０℃の錫浴から化学的に付与される。 錫化学浴は従来公知である。使用可能な錫浴の一例は以下のものを含む： 水１リットル当たり、２０グラムの錫II 水１リットル当たり、１グラムの錫IV 水１リットル当たり、酸濃度１５０グラム この種の浴組成によれば、複雑な方法で形成されて、多数の異なる内室が与え られた取付具であっても、均一かつ完全な化学的錫めっきが可能であり、通過し て流れる液体による洗出または離脱は、事実上検出できない。かかる錫浴で処理 された黄銅合金製水管取付具は、飲用水搬送用として適する。 本発明における化学めっき法の錫析出速度が大きいことにより、取付具本体の 十分な洗浄を行なった後に、均一かつ割れのない錫被覆を、僅か２０〜４０分以 内で全表面に施すことができる。該錫被覆すなわちライニングは、飲用水搬送用 取付具（とりわけ、黄銅合金から成る取付具）からの有害成分の洗出または離脱 を確実かつ永久的に防ぐ。 錫付着処理を施す前に、水管取付具の内外表面（とりわけ、内表面）が、とり わけ粒子について清浄化される。 本発明の他の例では、錫の無電解（すなわち、化学的）付与に先立って、取付 具の表面に厚さ約１μｍの下地錫被覆が電気化学的に付与される。したがって、 化学的に付与された厚さ約２〜約４μｍの錫層は、電気化学的に付与された下地 被覆上の表層被覆である。 この電気化学的錫めっき層は非常に薄く、最大約１μｍであり、そのため取付 具の表面は化学錫めっきの開始時点で同質の接触能を有し、該電気化学的錫めっ き層は均一な化学的錫付着を行うための、とりわけ良好な下地になる。電気化学 的錫めっき層は、錫表層被覆の均一性に有効であるだけでなく、性能上の利点も ある。 従来の電気化学的錫めっき浴は、水１リットル当たり０．０６８リットルの硫 酸と、水１リットル当たり１５グラムの錫IIを含み、さらに、通常、基本添加剤 と光沢剤（ブライトナー）が浴中に添加される。 既述の処理段階に加えて、電気化学的錫めっきの過程で、都合のよい方法によ り浴を撹拌し、または適当な器具をもって被覆すべき水管取付具を浴中で動かす こともできる。この方法で、錫めっきの均一性が向上する。 最後に、本発明による方法では、電気化学的錫めっきを行う間の電流密度が１ ．５〜２Ａ／ｄｍ²であれば、とりわけよい結果が得られる。 図面を参照すると、取付具全体が符号１０で示されている。 取付具１０は、水管取付具の部品としての遮断弁であり、弁ハウジング１１を 有する。弁ハウジング１１は、入口接続部１２、出口接続部１３、および弁上部 １５用受承接続部１４を有する。弁上部１５は、外ねじ突出部16にて、受承接続 部１４の内ねじ部１７に取着されている。 取付具１０は、鉛と亜鉛を有する黄銅製であり、前述のように内外表面に錫被 覆が化学的に施されている（錫被覆については、第１図に示されていない）。 受承接続部１４の内ねじ部１７の拡大部分が第２図に示されている。取付具に は、ねじ表面領域にも、符号１８で指示される均一な錫被覆が付されている。 ねじ領域にも錫被覆１８が付された、かかる取付具１０では、錫被覆１８の全 厚さが、内ねじ部１７のそれと同様に、仕上げ取付具１０の公差範囲内にあり、 そのため、錫めっきの後に再加工を行う必要がない。しかしながら、後に、例え ば取付具本体の外側に、外観上の理由からクロムめっきを施し得ることは勿論で ある。 以上、好適例について本発明の説明を行なったが、請求の範囲で説明され定義 された本発明の精神を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正を行い得る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも、水と接触する内表面に錫被覆が付された銅または銅合金から 成る飲用水搬送用水管取付具。 ２．前記錫被覆の厚さが約２〜約４μｍである請求の範囲第１項に記載された 飲用水搬送用水管取付具。 ３．前記錫被覆が化学的に施されている請求の範囲第２項に記載された飲用水 搬送用水管取付具。 ４．前記錫被覆が無電解錫である請求の範囲第３項に記載された飲用水搬送用 水管取付具。 ５．前記錫被覆が概ね均一な厚さである請求の範囲第３項に記載された飲用水 搬送用水管取付具。 ６．前記取付具が、前記無電解錫被覆と前記取付具との間に設けられた電気め っきされた下地錫層を含む請求の範囲第４項に記載された飲用水搬送用水管取付 具。 ７．前記電気めっきされた下地錫層の最大厚さが約１μｍである請求の範囲第 ６項に記載された飲用水搬送用水管取付具。 ８．前記取付具が、亜鉛と鉛を含む銅合金から成る請求の範囲第１項に記載さ れた飲用水搬送用水管取付具。 ９．前記銅合金が黄銅である請求の範囲第８項に記載された飲用水搬送用水管 取付具。 10．前記取付具の内外表面が、その上に付された錫被覆を有する請求の範囲第 １項に記載された飲用水搬送用水管取付具。 11．飲用水を搬送する黄銅製水管取付具の少なくとも内表面に実質的に不活性 の被覆を施す方法において、少なくとも前記被覆が施される表面を清浄化するこ と、前記表面に、厚さ約２〜約４μｍの無電解錫被覆を化学的に施すために有効 な時間の間、前記表面を錫浴に接触させることを含む被覆を施す方法。 12．前記錫被覆が、温度約50℃〜約80℃で化学錫被覆浴によって施される請求 の範囲第１１項に記載された被覆を施す方法。 13．前記錫浴が、水１リットル当たり２０グラムの錫II、水１リットル当たり １グラムの錫IV、および水１リットル当たり酸濃度１５０濃縮酸を含む請求の範 囲第１１項に記載された被覆を施す方法。 14．前記錫被覆が、均一厚さの被覆として施される請求の範囲第11項に記載さ れた被覆を施す方法。 15．前記取付具の前記表面に、最大厚さ約１μｍの下地錫層の電気めっきを施 し、次いで電気めっきされた下地錫層の上に無電解錫被覆を施すことを含む請求 の範囲第１１項に記載された被覆を施す方法。 16．前記電気めっきされた下地錫層が、錫電気めっき浴によって施される請求 の範囲第１５項に記載された被覆を施す方法。 17．前記錫電気めっき浴が、水１リットル当たり０．０６８リットルの硫酸と 、水１リットル当たり１５グラムの錫IIとを含む請求の範囲第１６項に記載され た被覆を施す方法。 18．前記電気めっき浴が、錫めっき過程で撹拌される請求の範囲第１６項に記 載された被覆を施す方法。 19．電気めっき過程における電流密度が、約１．５〜約２Ａ／ｄｍ²である請 求の範囲第１６項に記載された被覆を施す方法。