JPH10507636A - ラセミインデンオキシドの(1s,2r)−インデンオキシドへの生物分割 - Google Patents

ラセミインデンオキシドの(1s,2r)−インデンオキシドへの生物分割

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JPH10507636A JP8514028A JP51402896A JPH10507636A JP H10507636 A JPH10507636 A JP H10507636A JP 8514028 A JP8514028 A JP 8514028A JP 51402896 A JP51402896 A JP 51402896A JP H10507636 A JPH10507636 A JP H10507636A
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Abstract

(57)【要約】 ラセミインデンオキシド、即ちインダンのエポキシドの所望でない鏡像異性体を、ジプロジア・ゴシピナ(Diplo dia gossipinaATCC16391又はATCC10936のエポキシドヒドロラーゼの作用により加水分解する方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 ラセミインデンオキシドの(1S,2R)− インデンオキシドへの生物分割 発明の背景 本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によりコードされるプロテアーゼ を阻害する化合物の中間体、及び特に、下記の実施例に記載の化合物J及びKな どのある特定のオリゴペプチドアナログを合成する方法に関する。これらの化合 物は、HIV感染の予防、HIV感染の治療、及び結果として罹患する後天性免 疫不全症候群(AIDS)の治療において価値がある。これらの化合物はまた、 レニン及び他のプロテアーゼの阻害に有用である。 本明細書に記載する発明は、以下のスキームで説明するラセミエポキシドの生 物分割に関する。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と命名されているレトロウイルスは、免疫系 の進行的破壊(後天性免疫不全症候群;AIDS)及び中枢と末梢神経系の変性 を含む複雑な病気の病原体である。このウイルスは以前はLAV、HTLV−II I、又はARVと言われていた。レトロウイルス複製の共通の性質は、ウイルス アッセンブリと機能に必要な成熟ウイルスタンパク質を産生させる、ウイルスに よってコードされるプロテアーゼによる前駆体ポリタンパク質の広範な翻訳後プ ロセシングである。このプロセシングの阻害は正常な感染性ウイルスの産生を防 止する。例えば、Kohl,N.E.ら、Proc.Nat'l.Acad.Sci.,85,4686(1988)は、HI Vによってコードされるプロテアーゼの遺伝子的不活化により末成熟の非感染性 ウイルス粒子ができることを証明した。これらの結果は、HIVプロテアーゼの 阻害が、AIDSの治療及びHIV感染の予防又は治療の実行できる方法の一例 であることを示す。 HIVのヌクレオチド配列は一つの読み枠の中のpol遺伝子の存在を示す( Ratner,L.ら、Nature,313,277(1985))。アミノ酸配列相同性によると、pol 配列は逆転写酵素、エンドヌクレアーゼ及びHIVプロテアーゼをコードする( Toh,H.ら、 EMBO J.,4,1267(1985);Power,M.D.ら、Science,231,1567(1986);Pearl,L. H.ら、Nature,329,351(1987))。本発明の新規中間体及び方法から製造できる ある特定のオリゴペブチドアナログを含む最終化合物はHIVプロテアーゼの阻 害剤であり、1993年5月12日公開のEPO 541,168に開示されている。例えば、 下記の実施例でも説明されている、該特許出願の化合物Jを参照せよ。 本出願は、構造 を有する1(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシインダニル側鎖を実質的にエ ナンチオマー純度で製造する改良方法を開示する。上記構造は、両方ともHIV プロテアーゼの強力な阻害剤である化合物J及びKの側鎖基である。 合成によるラセミインデンオキシドからの1(+/−)−アミノ−2(+/− )ヒドロキシインダンの非効率的製造が以前に試みられた。本出願人は、ジプロ ジア・ゴシビナ(Diplodia gossipina)ATCC16391又はATCC10936の細胞懸 濁液と、 ラセミインデンオキシドをインキュベーションして、構造 を有する所望でない(1R,2S)インデンオキシドを加水分解する方法を提供 する。発明の概要 本発明は、1(S)−アミノ−2(R)−ヒドロキシインダンを生物変換で合 成する新規方法を提供する。産物である化合物は、HIVプロテアーゼ、レニン 及び他のプロテアーゼの阻害剤、例えば化合物J及びKの合成に有用な化合物の 中間体である。発明の詳細な説明 本発明は、HIVプロテアーゼを阻害する化合物の中間体を合成する方法に関 する。所望の中間体は、所望でないエナンチオマー(1R,2S)インダニルエ ポキシドを実質的に含まない(1S,2R)インダニルエポキシドである。 本発明において、 (1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダ ニルエポキシドの鏡像異性体の混合物からの実質的に100%エナンチオマー過 剰率の(1S,2R)インダニルエポキシドの合成方法であって、 (a)緩衝液中の(1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダ ニルエポキシドの鏡像異性体の相当量の混合物を提供すること; (b)実質的に全ての(1R、2S)インダニルエポキシドが消費されるまで、 上記混合物と、エポキシドヒドロラーゼを有する菌類細胞の懸濁液とをインキュ ベートすること;及び (c)得られた(1S,2R)インダニルエポキシドを単離すること; の各工程を含む上記方法を記載する。 一実施態様において、本発明の方法は、ジプロジア・ゴシピナ(Diplodia gos sipina )又はラシジプロジア・テオブロマエ(Lasidiplodia theobromae)である 菌類細胞に限定される。 別の実施態様において、本発明の方法は、ATCC16391又はATCC10936由 来であるDiplodia gossipinaに更に限定される。 別の実施態様において、本発明の方法は、約10%アセトニ トリルを含む、約0.1Mトリス、pH約7.5の緩衝液中で行われる。 別の実施態様において、本発明の方法は、 (1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダニルエポキシドの 鏡像異性体の混合物からの実質的に100%エナンチオマー過剰率の(1S,2 R)インダニルエポキシドの合成方法であって、 (a)約10%アセトニトリルを含む、約0.1Mトリス、pH約7.5中で、 上記混合物の濃度が約1g/Lである、(1R、2S)インダニルエポキシドと (1S,2R)インダニルエポキシドの鏡像異性体の相当量の混合物を提供する こと; (b)実質的に全ての(1R、2S)インダニルエポキシドが消費されるまで、 上記混合物と、Diplodia gossipinaATCC16391又はATCC10936由来の菌類 細胞の懸濁液とをインキュベートすること;及び (c)得られた(1S,2R)インダニルエポキシドを単離すること; の各工程を含む上記方法である。 緩衝液系が、基質エポキシドを安定化し、このエポキシドヒ ドロラーゼの酵素活性の保持を最適化する必要性を、本出願人らは見出した。最 適の緩衝液系は、約10%アセトニトリル中約0.1Mトリス、pH約7.5で ある。他の適切な緩衝液系は、当業者によって、容易に利用でき、容易に決定さ れる。 好適な生物変換微生物は、American Type Culture Collection(ATCC1639 1)に寄託されたDiplodiagossipina(Diplodiagossypinaとも言われる)である。 他の適切な菌類微生物には、Diplodia gossipinaとして分類され、ATCC1639 1に非常に類似しているLasidiplodia theobromaeMF5215(ATCC10936)が あるが、それに限定されない。ATCC16391寄託 本出願の米国出願日前に、微生物Diplodia gossipinaのサンプルを American Type Culture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville,MD 20852 に寄託した。菌受託番号は16391である。ブダペスト条約寄託への変換の申し込 みは、1994年10月15日又はその頃になされた。この寄託はATCCで少なくとも 30年間維持され、それを開示する特許が付与されれば一般に入手できるように なる。寄託の入手可能性は、政府が授与する特許権の適用制約において本発明を 実施するライ センスを構成しないことを理解すべきである。ATCC10936寄託 本出願の米国出願日前に、微生物Diplodia gossipinaのサンプルを American Type Culture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville,MD 20852 に寄託した。菌受託番号は10936である。ブダペスト条約寄託への変換の申し込 みは、1994年10月15日又はその頃になされた。この寄託はATCCで少なくとも 30年間維持され、それを開示する特許が付与されれば一般に入手できるように なる。寄託の入手可能性は、政府が授与する特許権の適用制約において本発明を 実施するライセンスを構成しないことを理解すべきである。ATCC16391及びATCC19036の一般的特徴 形態的、培養的、生物的、生理的特徴を含む菌の特徴と分類を以下に簡単に記 載する。ATCC16391及び10936の一般的特徴は、特に記載された場合を除いて 同一である。 なされた分類学的解析に基づき、両方の微生物をDiplodia gossypina 目(Dip lodia gossipina とも言われる)に帰属させた。Jones,J.P.,Mycotaxon 6,24- 26(1977)及び (編)CMI Description of Pathogenic Fungi and Bacteria N o.519(3 頁)を参照せよ。 各培養菌は、トリプティケース大豆寒天(28℃及び37℃)、酵母麦芽エキス 寒天、グリセロールアスパラギン寒天、無機塩澱粉寒天、オートミール寒天、ツ アペックドックス(Czapek Dox)、ツアペック溶液寒天とペプトン寒天、及びベネ ット寒天(全て28℃)を含む慣用培地で良く生育する。 オート(oat)寒天上のコロニーは、灰色がかったセピア〜マウス灰色〜黒、豊 富な連続した菌糸体によりふわふわしている;裏面は暗灰色がかった黒〜黒であ る。分生子殻は、単純又は複雑、しばしば凝集、子座を有し、孔口を有し、しば しばとげだらけであり、最大5mmの幅を有する。分生子柄は、透明、単純、時 々有壁、まれに分岐した円筒状、分生子殻空洞に整列している細胞の内部層から 起る。分生子形成細胞は、透明単純、円筒状〜subobpyriform、holoblastic ann elidicである。分生子は、最初は単細胞、透明、顆粒状、ほぼ卵形〜楕円-ooblo ng、厚壁、base truncateである;成熟分生子は、単一隔壁、シナモン〜鹿毛色 、しばしば縦線のある、(18−)20−30×10−15μである。側糸が存 在するときは、それは透明、円筒状、時々有壁、長さは最大50μである。 葉、茎、果実体の分生子殻は、沈み、後に突出し、単純又はグループ分けされ 、2−4mmの幅であり、孔口を有し、しばしば有毛で、黒集団の中に突出して いる分生子を有する。宿主 :約500宿主植物に対する多数を宿主とする。潰瘍化ヒト角膜、病巣から 、爪及び皮下組織からも分離された。病気 :以下の病気の原因となる、又は関連する:立枯れ病(damping-off)、立枯 れ病(wilt)、胴枯れ病(blight)、根腐敗病(dieback root rot)、カラー(collar) 腐敗病、茎壊死、ラバーのパネル壊死(panel necrosis of rubber)、異状樹脂分 泌病、ジュートの黒帯病、切株腐敗病、幹腐敗病、サトウキビ腐敗病、葉斑点、 天狗巣病、果実腐敗病(fruit blight)、果実腐敗病(fruitrot)、カカオのさや 腐敗病、綿のさや腐敗病、種子腐敗病、カツサバ・サツマイモ・ヤマノイモの保 存腐敗病。また、カカオのさし穂の損失及びラバーの出芽不能の原因となる。木 材の青染色及びクレープゴムの青斑点の原因となる。地理的分布 :世界中、但し主に北緯40°〜南緯40°に限られる。生理学的特徴 :特異的でない毒性の腐敗病原体。一つの宿主からの分離菌は別の 宿主にも感染できる。培養で区別できる幾つ かの株が存在することが知られている。 同化できる炭素源及び窒素源を含む水性栄養培地で、好ましくは深部好気条件 下(例えば振盪培養、深部培養など)で、(1R,2S)インデンオキシド及び (1S,2R)インデンオキシドの混合物、又は他の適切な基質と共にATCC 16391株又はATCC10936株を培養して(発酵させて)、一般的に、実質的に1 00%エナンチオマー過剰率の化合物(1S,2R)インデンオキシドを生産す ることができる。好ましくは、水性培地を、発酵工程の開始及び終了(収穫)の ときにpHを約5.5に保つ。pHがより高いと産物の実質的及び/又は総計の 損失が生じる。モルホリノエタンスルホン酸(MES)、モルホリノプロパンス ルホン酸(MOPS)などの緩衝液の使用によって、又は下記の生産培地などの 緩衝化特性を固有に有する栄養物質の選択によって、所望のpHを維持すること ができる。 基質エポキシドの安定性を高めるために10%アセトニトリルを添加すること に注意されたい。あるいは、アセトニトリルの代わりに5−15%EtOH、又 はそれらの混合物を使用できる。10−15%THF、又は約5−15%の任意 のアルコ ール性溶媒などの他の安定性増強剤がある。あるいは、緩衝液にはリン酸塩があ る。 栄養培地の好適炭素源には、グルコース、キシロース、ガラクトース、グリセ リン、澱粉、デキストリンなどの炭水化物がある。含めることができる他の源に は、マルトース、ラムノース、ラフィノース、アラビノース、マンノース、サリ シン、コハク酸ナトリウムなどがある。 窒素の好適源は、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、グルテンミール、綿実ミ ール、大豆ミール、他の植物ミール(部分的又は全部の脱脂肪)、カゼイン加水 分解物、大豆加水分解物、酵母加水分解物、コーンスチープリカー、乾燥酵母、 小麦芽、フェザーミール(feather meal)、ピーナッツ粉、蒸留器可溶物など、並 びにアンモニウム塩(例えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アン モニウムなど)、尿素、アミノ酸などの無機及び有機の窒素化合物である。 炭素源及び窒素源は、組合せて使用するのが有利であるけれども、純粋形態で 使用する必要はない。微量の生長因子及び相当量の無機栄養物を含む、より純粋 でない物質はまた使用に適しているからである。所望ならば、培地に、炭酸ナト リウム、 炭酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カ リウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト 塩などの無機塩を加えてもよい。必要ならば、特に培養培地がかなり泡立つとき 、脱泡剤、例えば液体パラフィン、脂肪油、植物油、無機油又はシリコーンを加 えてもよい。 (1S,2R)インダニルエポキシドの大量製造の条件に関しては、深部好気 培養条件が好ましい。小量製造の場合は、フラスコ又は瓶での振盪又は表面培養 を使用する。更に、大タンクで生育させる場合には、製造過程での生育ラグを避 けるために、製造タンクへの植菌のために生物の増殖型を使用するのが好ましい 。故に、“スラント”で産生された生物の胞子又は菌糸を比較的小量の培養培地 に植菌し、“シード培地”とも言われる植菌された培地を培養して生物の増殖型 植菌材料を最初に製造し、その後培養された増殖型植菌材料を無菌的に大タンク に移すことが好ましい。植菌材料が製造される発酵培地は一般的にオートクレー ブされ、植菌前に滅菌される。一般的に、培地のpHを、オートクレーブ段階の 前に約5.5に調整する。 培養混合物の撹拌及び通気は種々の方法で達成されることが できる。撹拌は、プロペラ又は同様の機械的撹拌装置により、又は発酵槽を回転 又は振盪することにより、又は種々のポンプ装置又は培地への滅菌空気の通気に より行うことができる。通気は、発酵混合物に滅菌空気を通過させて行うことが できる。 発酵は通常、温度約20〜40℃、好ましくは25〜35℃、約10〜64時 間、行われるが、発酵条件と規模に応じて異なりうる。好ましくは、生産培養液 は220rpmのロータリーシェイカー上で約48時間28℃でインキュベート する。 発酵を行う好適な培養/生産培地には次の培地がある。YME g/L 麦芽エキス 20 酵母エキス 3 グルコース 3CFM g/L ポテトデキストロースブロス 24 酵母エキス 3 CFM微量元素溶液 1ml MOPS緩衝液、及びpHを7.0にするための水酸化ナトリウム 20 微量元素溶液は以下のものを含む: KH2PO4 0.8 CuSO4・5H2O 0.64 FeSO4・7H2O 0.11 MnCl2・4H2O 0.8 ZnSO4・7H2O 0.15 産物(1S,2R)インデンオキシドは、他の公知の物質の回収に通常使用さ れる通常の方法によって培養培地から回収されることができる。製造された物質 は、培養菌糸及び濾液に存在するので、培養ブロスの濾過又は遠心により得られ る菌糸及び濾液から、減圧下濃縮、凍結乾燥、塩化メチレン又はメタノールなど の通常の溶媒による抽出、pH調整、通常の樹脂による処理(例えば、アニオン 又はカチオン交換樹脂、非イオン性吸着樹脂など)、通常の吸着剤による処理( 例えば、活性炭、ケイ酸、シリカゲル、セルロース、アルミナなど)、結晶化、 再結晶化などの通常の方法により単離精製できる。好適な方法は溶媒抽出、特に 塩化メチレンを使用する溶媒抽出である。組成物 本発明の中間体から合成される産物化合物を、通常の非毒性 の医薬として許容可能な担体、アジュバント及びベヒクルを含む投与単位組成物 の形態で、経口的、非経口的(皮下注射、静脈注射、筋肉内注射、胸骨内注射、 又は輸液技術を含む)、吸入噴霧、又は直腸内に投与できる。 本発明の方法及び中間体は、HIVプロテアーゼの阻害、ヒト免疫不全ウイル ス(HIV)の感染の予防又は治療、AIDSなどの結果として起こる病理学的 状態の治療に有用である最終産物である化合物の製造に有用である。AIDSの 治療又はHIV感染の予防もしくは治療は、HIV感染の広範な状態、即ちAI DS、症状の有るものと無いもののARC(AIDS関連症候群)、HIVとの 実際の接触又は接触の可能性、を治療することを含むがそれらに限定されないも のとして定義される。例えば、本発明の方法及び中間体から製造できる最終産物 である化合物は、例えば輸血、器官移植、体液交換、かみ傷、注射針を刺す事故 、又は手術中の患者血液との接触などによる過去にHIVと接触した可能性の後 のHIV感染を治療するのに有用である。 最終産物であるHIVプロテアーゼ阻害剤はまた、対照としての使用を含む、 抗ウイルス化合物のスクリーニングアッセイ の調製及び実行に有用である。例えば、最終産物である化合物は、より強力な抗 ウイルス化合物の優れたスクリーニングの道具である酵素の変異体を単離するの に有用である。更に、このような化合物は、例えば競合阻害によって、HIVプ ロテアーゼへの他の抗ウイルス剤の結合部位を確立又は決定することにおいて有 用である。したがって、本発明の方法及び中間体から製造される最終産物である 化合物は、これらの目的のために販売されるはずの市販品である。 本発明の中間体及び方法から製造できるHIVプロテアーゼ阻害化合物は、E PO 541,168に開示されている。HIVプロテアーゼ阻害化合物は、医薬担体 と治療上有効量の化合物又は医薬として許容可能なその塩を含む医薬組成物とし て、このような治療の必要のある患者に投与されることができる。EPO 541, 168は、適切な医薬組成物、投与経路、化合物の塩形態及び投与量を開示する。 本発明の化合物は、不斉中心を有しうるし、ラセミ化合物、ラセミ混合物、及 び個々のジアステレオマー又は鏡像異性体として存在しうるが、すべての異性体 形態は本発明に含まれるものとする。鏡像異性体の混合物には1:1混合物、及 び例えば 1:4、4:3、2:1などの任意の他の混合物がある。 新規方法を利用する代表的実験方法を以下に詳述する。これらの方法は例とし てだけであり、本発明の新規方法に限定を置くものではない。 実施例1 A.化学試薬及び培地 KF培地をシード培地として、YMEを生産培地として使用した。使用したす べての組成を表1に列挙する。Tris緩衝液[Tris(ヒドロキシメチル) アミノメタン]を生物変換のために使用した。B.シード工程 YME/寒天スラントからの一白金耳の細胞を、シード培地50mlを含む2 50mlのエルレンマイヤーフラスコに植菌した。培養液を、ロータリーシェイ カー(220rpm)上で28℃で48時間好気的にインキュベートした。C.生産工程 シード培養液3mlを、生産培地50mlを含む邪魔板のある250mlのエ ルレンマイヤーフラスコに植菌した。培養液を、ロータリーシェイカー(220 rpm)上で28℃で48時間 好気的にインキュベートした。D.スクリーニング法 菌類培養液を、上記条件下に培養した。細胞を、遠心により得て、0.1MT ris緩衝液pH7.5で2度洗浄した。更に、10%アセトニトリルを含む0 .1MTris/pH7.5で一度細胞を洗浄し、パックされた細胞容積:緩衝 液/溶媒比を1.5:1にして、同一の緩衝液/溶媒系に再懸濁した。ラセミエ ポキシド(アセトニトリルに溶解)1g/Lを細胞懸濁液に加え、生物変換を開 始させた。反応を、振動シェーカー(oscillatory shaker)上、室温で行い、一定 の間隔でのサンプリングよりモニターした。サンプルを2部に分け、一部を、エ ナンチオマー過剰率(ee)分析のためにヘプタンで抽出し、もう一部をエポキ シドの濃度測定のために直接希釈した。E.逆相アッセイ サンプル中のエポキシドの濃度を測定するために、逆相HPLCカラム(4. 6mm×25cm)、UV検出器、溶媒デリバリー用に装着した2個のポンプを 使用した。60%(v/v)0.01Mリン酸カリウム/pH7.5及び40% (v/v)アセトニトリルからなる移動相を用いるアイソクラティッ ク方法により、流速1.0ml/分で、エポキシド濃度を分析した。検出を22 0nmのUV吸収で行った。2種のエポキシド鏡像異性体(1S,2R及び1R ,2S)がクロマトグラムで単一のピークとして出現し、そのためサンプル中の 総エポキシドが測定可能となった。F.エポキシドキラルアッセイ 本アッセイには、1S,2R及び1R,2S鏡像異性体を良好に分離する正常 相カラムを用いた。自動サンプラー、UV検出器、溶媒デリバリー用の2個のポ ンプを装着したHPLCカラム(4.6mm×25cm)を、コンピューター制 御プログラムによるHPLC分析のために使用した。移動相は、97%ヘキサン 及び3%イソプロパノールからなっており、流速は1.0ml/分であった。溶 出液を230nmでモニターした。 実施例2 菌スクリーニング 文献(J.Org.Chem.,58,5533-5536,(1993))に基づき、菌類株を選択し、所 望の酵素を求めてスクリーニングした。8種の培養液を試験し、それらの10% が所望でない1R,2Sエポキシドを優先的に加水分解し、1S,2R鏡像異性 体 含量を高めることが知見された(表1)。Diplodia gossipinaATCC16391及 びLasiodiplodia theobromae MF5215は最強の活性のエポキシドヒドロラーゼ を有し、4時間の反応の間100%エナンチオマー過剰率を与えた。 実施例3 エポキシドの生物分割での培養齢の影響 培養齢はATCC16391の生物分割活性に影響するようには考えられなかった 。何故ならば、2〜9日培養から収穫した細 胞は全て、4時間反応後、ラセミエポキシドを完全に分割できたからであった。 しかし、培養齢は、表2に示すようにいくつかの他の菌による生物分割に影響を 与えた。AspergillusnigerMF1909の場合、2日培養は最高の酵素活性を有した が、より古い培養では確実に減少した。Aspergillus caespitosur MF1664は、 生育4日後最高酵素活性を有した。MF1667の活性は大きく培養齢に依存したが 、最高ee%は4−5日齢細胞によってのみ達成されることができた。 実施例4 エポキシドの生物分割への培養培地の影響 6種の別の培養培地をATCC16391を用いて試験した。すなわち、最小、ペ プトン、KF、CSL、CFM、YME(表3)であった。最小培地では最小の 生物変換であり、YME及びCFMでは最良であった。 実施例5 N−(2(R)−ヒドロキシ−1(S)−インダニル)−2(R)−フェニルメ チル−4(S)−ヒドロキシ−5−(1−(4−(3−フロ[2,3−b]−ピ リジルメチル)−2(S)−N′−(t−ブチルカルボキサミド)ピペラジニル ))−ペンタンアミドの製造 ジメチルホルムアミド12mL中に溶解したN−(2(R)−ヒドロキシ−1 (S)−インダニル)−2(R)−フェニルメチル−4(S)−ヒドロキシ−5 (−2(s)−N′−(t−ブチルカルボキサミド)ピペラジニル))ペンタン アミド(6.50g,12.48mmol)の溶液に、アルゴン下、3−クロロ メチルフロ−[2,3−b]ピリジン塩酸塩(2.80g,13.72mmol )とトリエチルアミン(5.21mL,37.44mmol)を加えた。18時 間後、反応混合液を酢酸エチル400mLに希釈し、飽和NaHCO3(1×2 5mL)、水(5×20mL)、ブライン(1×25mL)で洗浄した。溶液を MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮し、油状物を得た。残渣をフラッシュカラム クロマトグラフィー(60×150mmカラム、グラジエント溶出、CH2Cl2 :NH3飽和CH2Cl2:MeOH 60:39: 1.0(1000mL)、60:38:2(1500mL)、60:37:3( 1500mL)、60:36:4(1500mL))で精製した。得られた泡状 物を酢酸エチル中で滴定し、所望の産物を濾過し、65℃で高真空下一晩乾燥さ せ、白色結晶固体5.30gを得た。カラムクロマトグラフィーからの画分を一 緒にし、再精製して、より多くの産物を得ることができた。m.p.183.5 −184.5℃。1 H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.25(d,J=2.2Hz,1 H),7.85(d,J=2.0Hz,1H),7.75(s,1H),7.7 3(d,J=2.4Hz,1H),7.32−7.10(m,9H),6.75 (d,J=2.4Hz,1H),5.95(d,J=8.6Hz,1H),5. 27(dd,J=8.5,4.8Hz,1H),4.27−4.26(m,1H ),4.12(br s,1H),3.89−3.83(m,1H),3.51 (s,2H),3.29(dd,J=17.5,4.0Hz,1H),3.16 (dd,J=3.66,3.48Hz,1H),3.15(dd,J=6.6, 5.1Hz,1H),2.94−2.50(m,11H),2.36−2.34 (m,1H),1.66(s,1H), 1.62−1.47(m,1H),1.35(s,9H)。 分析 C384755として計算値C,69.81;H,7.25;N,10. 71 実測値C,69.46;H,7.22;N,10.69。 実施例6 A.フロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸の製造 キノリン3ml中のフロ[2,3−b]ピリジン−2,5−ジカルボン酸(0 .36g,1.484mmol)の溶液に、Ar下、Cu粉(180mg,2. 82mmol)を加え、1.5時間210℃に暖めた。反応液を室温に冷却し、 塩化メチレン50mLで希釈し、セライトで濾過した。有機層を飽和NaCO3 で抽出し(2×40mL)、3N HClでpH3に調整し、濾過し、黄褐色の 固体80mgを得た。水層をエーテル/メタノール(85/15)(3×50m L)で抽出し、ブラインで洗浄し(1×10mL)で洗浄し、MgSO4で脱水 し、濾過し、濃縮して産物を更に35mg得た。1H NMR (400MHz,CD3OD)δ8.89(s,1H),8.67(d,J=2 .0Hz,1H),7.97(d,J=2.5Hz,1H),7.01(d,J =2.4Hz,1H)。B.メチルフロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレートの製造 メタノール40mLに溶解したフロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸 (3.0g,18.40mmol)に、クロロホルム160mL、次にトリメチ ルシリルジアゾメタン(42mL,ヘキサン中10%溶液)をゆっくりと加えた 。0.5時間後、4滴の氷酢酸を加え、反応混合物を濃縮した。これにより、オ フホワイトの固体として3.20gを得た。1H NMR(400MHz,CDC l3)δ9.02(d,J=2.0Hz,1H),8.60(d,J=2.0H z,1H),7.79(d,J=2.5Hz,1H),6.87(d,J=2. 5Hz,1H),3.98(s,3H)。C.5−ヒドロキシメチルフロ[2,3−b]ピリジンの製造 フレーム乾燥の500mLの丸底フラスコに、THF90mL中に溶解したメ チルフロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(3.20g,18. 08mmol)をチャージし、0℃に冷却した。この液に水素化ジイソブチルア ルミニウム(46mL,46.1mmol,ヘキサン中の1M溶液)を10分か けて加え、冷却浴を取除いた。4時間後、反応混合液を0℃に冷却し、ロシェル 塩でゆっくりと反応を止めた(100mL)。更なる18時間後、層を分離し、 水層を酢酸エチルで抽出した(4×40mL)。一緒にした有機層を、ブライン (1×20mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣を、 フラッシュカラムクロマトグラフィー(40×150mmカラム、グラジエント 溶出、CH2Cl2:NH3飽和CH2Cl2:MeOH 60:39:1.0(1 000mL)、60:38:2(1000mL)、60:37:3(1000m L)、60:36:4(1000mL)) により精製した。これにより、白色固体2.16gを得た。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ8.19(d,J=2.0Hz,1H),7.92(d ,J=2.0Hz,1H),7.64(d,J=2.5Hz,1H),6.69 (d,J=2.4Hz,1H),4.78(d,J=3.8Hz,2H),4. 69(br s,1H)。D.3−クロロメチルフロ[2,3−b]ピリジン塩酸塩の製造 0℃に冷却した塩化メチレン9mLに溶解した5−ヒドロキシメチルフロ[2 ,3−b]ピリジンの溶液に、塩化チオニル(4.23mL,57.99mmo l)を加えた。氷浴を取除き、1時間後反応混合液を濃縮し、オフホワイトの固 体2.86gを得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.40(d ,J=2.0Hz,1H),8.13(d,J=2.2Hz,1H),7.80 (d,J=2.4Hz,1H), 6.86(d,J=2.4Hz,1H),4.74(s,2H)。 実施例7 アミド9の製造 熱電対プローブ、機械的攪拌子、窒素入口アダプター、バブラーを備えた50 Lの丸底フラスコ中、乾燥THF(KF=55mg/mL)(KFは水のカール フィシャー滴定を表す)17.8L中の(−)−シス−1−アミノインダン−2 −オ−ル(884g,5.93mol)とトリエチルアミン(868mL,6. 22mol)の溶液を15℃に冷却した。それから、塩化3−フェニルプロビオ ニル(1000g,5.93mol)を75分間かけて加えた。その間、氷−水 冷却浴で内部温度を14−24℃に保った。添加後、混合液を30分間18−2 0℃に放置し、(−)−シス−1−アミノインダン−2−オールの消失を見るた めにHPLC分析でチェックした。 反応の進行を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析でモニターする。 25cm DupontC8−RXカラム、60:40アセトニトリル/10m M(KH2PO4/K2HPO4)、1.0mL/分、注入量=20mL、検出=2 00nm、サンプル調製=500倍希釈。およその保持時間: 保持時間(分) 同定 6.3 シス−アミノインダノール 反応液を、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(241g,0.96mo l,0.16当量)で処理し、10分間攪拌した(サンプル1mLの等量の水で の希釈後の混合液のpHは4.3−4.6である)。その後、2−メトキシプロ ペン(1.27L,13.24mol,2.2当量)を加え、反応液を2時間3 8−40℃に加熱した。反応混合液を20℃に冷却し、酢酸エチル(12L)と 5%NaHCO3水溶液(10L)で分配した。混合液を攪拌し、両層を分離し た。酢酸エチル抽出液を5%NaHCO3水溶液(10L)と水(4L)で洗浄 した。酢酸エチル抽出液を大気圧蒸留で乾燥させ、溶媒をシクロヘキサンに変換 した(総量約30L)。蒸留と濃縮の終わりに(酢酸エチル抽出液容量の20容 量%)、熱シクロヘキ サン溶液をゆっくりと25℃に冷却し産物を結晶化させた。得られたスラリーを 更に10℃に冷却し、1時間放置した。産物を濾過で分離し、湿ったケーキを冷 (10℃)シクロヘキサン(2×800mL)で洗浄した。洗浄したケーキを4 0℃で真空下(Hg26″)乾燥させ、アセトニド9を1.65kg得た(86 .4%、HPLCで98エリア%)。1H NMR(300.13MHz,CDC l3,主要回転異性体)δ7.36−7.14(m,9H),5.03(d,J =4.4,1H),4.66(m,1H),3.15(m,2H),3.06( br s,2H),2.97(m,2H),1.62(s,3H),1.37( s,3H);13C NMR(75.5MHz,CDCl3,主要回転異性体)δc 168.8,140.9,140.8,140.6,128.6,128.5, 128.4,127.1,126.3,125.8,124.1,96.5,7 8.6,65.9,38.4,36.2,31.9,26.5,24.1。 分析 C2123NO2として計算値C,78.47;H,7.21;N,4.3 6実測値C,78.65;H,7.24; N,4.40。 実施例8 エポキシド11製造、トシレート方法 熱電対、機械的攪拌子、更なる漏斗、窒素入口アダプター、を備えた50Lの 4首丸底フラスコ中、THF(KF=22mg/mL)15.6L中のアセトニ ド9(1000g,3.11mol)と2(S)−グリシジルトシレート10( 853g,3.74mol,1.2当量)の溶液を真空−窒素パージにより3回 脱気して、−56℃に冷却した。それから、リチウムヘキサメチルジシラジド( LiN[CH33Si]2)(2.6L,1.38M,1.15当量)を2時間 かけて加えた。その間、内部温度を−50〜−45℃に保った。反応混合液を− 45〜−40℃で1時間攪拌し、それから1時間 −25℃に暖めた。混合液を−25〜−22℃で4時間攪拌する(又は出発アセ トニドが3.0エリア%になるまで)。 反応の進行をHPLC分析でモニターする。25cm×4.6nm Zorb ax Silicaカラム、ヘキサン中20%酢酸エチル、2.0mL/分、注 入量=20mL、検出=254nm、サンプル調製=100倍希釈。およその保 持時間: 保持時間(分) 同定 5.5 アミド9 6.5 グリシジルトシレート10 13.5 エポキシド11 反応液の反応を、−15℃の脱イオン水(6.7L)で止め、酢酸エチル(1 0L)で分配した。混合液を攪拌し、層を分離した。酢酸エチル抽出液を、1% NaHCO3水溶液(5L)と飽和NaCl(0.5L)の混合液で洗浄した。 酢酸エチル抽出液(28.3L)を真空蒸留し(Hg28″)濃縮し、更なる酢 酸エチルを加え、酢酸エチルへの溶媒交換を完全に行った(最終容量11.7L )。酢酸エチル濃縮液を更にMeOHへ溶媒交換を行い、産物を結晶化させ、最 終容量3.2Lまで 濃縮した。メタノール10Lをチャージし、蒸留液を10L集めて、残った酢酸 エチル溶媒を除去した。残渣のスラリーを22℃で攪拌し、それから5℃に冷却 し、0.5時間放置した。産物を濾過により分離し、湿ったケーキを冷メタノー ルで洗浄した(2×250mL)。洗浄したケーキを真空(Hg26″)乾燥し 、エポキシド11を727g得た(61.2%、HPLCでの主要エポキシド9 8.7エリア%)。13C NMR(300MHz,CDCl3)δ171.1,1 40.6,140.5,139.6,129.6,128.8,128.2,1 27.2,126.8,125.6,124.1,96.8,79.2,65. 8,50.0,48.0,44.8,39.2,37.4,36.2,26.6 ,24.1。 実施例9 ペナルチメート14の製造 機械的攪拌子、還流コンデンサー、蒸気浴、テフロンでコートされた熱電対、 窒素流入口を備えた4口の72Lの丸底フラスコ中、イソプロパノール(2−プ ロパノール,18.6L)中の2(s)−t−ブチルカルボキサミド−4−N− Boc−ピペラジン12(1950g,6.83mol,>99.5%ee)( ee=エナンチオマー過剰率)とエポキシド11(2456g,4S/Rエポキ シドの97.5:2.5混合物)のスラリーを加熱還流した(内部温度は84− 85°Cであった)。40分後、均一な溶液を得た。混合液を28時間加熱還流 した。 還流の間、内部温度は84−85℃であった。反応の進行をHPLC分析でモ ニターした。25cmDupontC8−RXカラム、60:40アセトニトリ ル/10mM(KH2PO4/K2HPO4)、1.0mL/分、検出=220nm 、サンプル調製物=2μL,反応混合液をアセトニトリル中1mLに希釈した。 およその保持時間: 保持時間(分) 同定 4.8 ピペラジン12 8.9 エポキシド11 15.2 結合産物13 28時間後、残余のエポキシド11と結合産物13は、HPLC分析でそれぞ れ1.5エリア%、91−93エリア%であった。混合液を0−5℃に冷却し、 6NHCl20.9Lを、温度を15℃末満に保ちながら加えた。添加を終えた 後、混合液を22℃に暖めた。ガスの発生がこの時点で起こる(イソブチレン) 。混合液を6時間20−22℃で放置した。 反応の進行をHPLC分析でモニターした。上記と同一の条件。およその保持 時間: 保持時間(分) 同定 7.0 シス−アミノインダノール 11.9 ペナルチメート14 15.1 結合産物13 混合液を0℃に冷却し、50%NaOH7.5Lをゆっくりと加え、混合液の pHを11.6に調整した。添加の間、温度を25℃未満に保った。混合液を酢 酸エチル(40L)と水(3L)の間で分配した。混合液を攪拌し、層を分離し た。有機層(60L)を減圧下(Hg29″)濃縮し、溶媒をDMFに交換し、 最終容量10.5L(KF=1.8mg/mL)に濃縮した。HPLC分析によ る酢酸エチル中の14の収率は 86.5%であった。DMF中のペナルチメート(penultimate)化合物14を、 更に精製せすに次の工程で直接使用した。単離された14について:13C NM R(75.4MHz,CDCl3)δ175.2,170.5,140.8,1 40.5,139.9,129.1,128.5,127.9,126.8,1 26.5,125.2,124.2,73.0,66.0,64.8,62.2 ,57.5,49.5,47.9,46.4,45.3,39.6,39.3, 38.2,28.9。 実施例10 化合物Jの一水和物の製造 DMF(10.5L,KF=10mg・mL)中の、前記工程からの14の溶 液に、分子ふるいで乾燥したDMF(KF30mg/L末満)8Lを加え、混合 液を真空(Hg30″)下蒸気浴で加熱し、主に水及び/又は残りのイソプロパ ノール又は酢酸エチル溶媒を蒸留で除去した。最終濃縮容量は13.5L(KF =1.8mg/mL)であり、それから、トリエチルアミン(2.86L,20 .51mol)、次に塩化3−ピコリル塩酸塩(96%,1287g,7.84 mol)を25℃の溶液に加えた。得られたスラリーを68℃に加熱した。 反応の進行をHPLC分析で、上記工程と同一の条件を用いて追跡した。およ その保持時間: 保持時間(分) 同定 2.7 DMF 4.2 塩化3−ピコリル 4.8 化合物J 9.1 ペナルチメート14 HPLC分析で残りのペナルチメート化合物14が0.3エリア%末満になる まで、混合液を68℃で放置した。 混合液を68℃で4時間攪拌し、その後25℃に冷却し、酢酸エチル(80L )と飽和NaHCO3水溶液24L及び蒸留水(14L)の混合液で分配した。 混合液を55℃で攪拌し、層を分離した。酢酸エチル層を、55℃で水(20L )で3回洗浄した。洗浄した酢酸エチル層を、最終ポット容量30Lまで大気圧 下濃縮する。大気圧濃縮の終わりに、水(560mL)を熱溶液に加え、混合液 を55℃に冷却し、化合物J一水和物の種を入れた。混合液を4℃に冷却し、濾 過し、産物を集めた。産物を冷酢酸エチル(2×3L)で洗浄し、25℃でハウ ス(house)真空下で乾燥し、化合物J一水和物を白色固体として2905g(7 0.7%)を得た。実施例11 ピラジン−2−tert−ブチルカルボキサミド17 2−ピラジンカルボン酸(8):3.35Kg(27mol)塩化オキサリル: 3.46kg(27.2mol) tert-ブチルアミン(KF=460μg/ml):9.36L (89mol) EtOAc(KF=56μg/ml):27L DMF:120mL 1−プロパノール:30L 72Lの3首フラスコ中の、EtOAc27LとDMF120mL中のカルボ ン酸16をN2下機械的に攪拌しながら懸濁し、懸濁液を2℃に冷却した。温度 を5〜8℃に保ちながら、塩化オキサルを加えた。 添加を5時間で終えた。発熱添加の間、COとCO2が発生した。生成したH Clは溶液に大部分残った。恐らくピラジン酸クロリドのHCl塩である沈殿物 が存在した。酸クロリドの生成のアッセイを、t−ブチルアミンとの反応の無水 サンプルをクエンチすることで行った。反応の終わった後、酸16の0.7%未 満が残った。 酸クロリド生成の終わりのアッセイは重要である。何故ならば、不完全な反応 により、不純物であるビス-tert-ブチルオキサミドが生成されるからである。反 応をHPLCでモニターできる:25cm Dupont Zorbax RXC 8カラム、流速1mL/分、検出250nm;0.1%H3PO4水溶液が 98%と2%CH3CN〜50%H3PO4水溶液と50%CH3CNの30分間の リニアグラジエント、保持時間:酸16=10.7分、アミド17=28.1分 。 反応混合液を5℃で1時間放置した。得られたスラリーを0℃に冷却し、tert −ブチルアミンを、内部温度が20℃末満に保つ速度で加えた。 反応が非常に発熱性であるので、添加には6時間を要した。生成したtert-ブ チルアンモニウム塩酸塩の小部分を、ふわふわした白色固体として反応液から除 いた。 混合液を更に30分18℃で放置した。沈殿したアンモニウム塩を濾過で除去 した。フィルターケーキをEtOAc12Lで洗浄した。一緒にした有機層を3 %NaHCO36Lと飽和NaCl水溶液(2×2L)で洗浄した。有機層をD arcoG60炭素200gで処理し、Solka Flokでろ過し、ケーキ をEtOAc4Lで洗浄した。 炭素処理で効率的に産物のやや紫色を除去した。 17のEtOAc溶液を10mbarで最初の容量の25%に濃縮した。1− プロパノール30Lを加え、20Lの最初の容量になるまで、蒸留を続けた。 この時点で、EtOAcは1H NMRの検出限界以下であった(1%未満)。 この溶媒交換の内部温度は30℃未満であった。3の1−プロパノール/EtO Ac溶液は、数日間大気圧還流で安定であった。 アリコートの蒸発により、黄褐色の固体を得た。m.p.87−88℃。13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)161.8,146.8,145. 0,143.8,142.1,51.0,28.5。 実施例12 rac−2−tert−ブチル−カルボキサミド−ピペラジン18 原料 1−プロパノール溶液12L中のピラジン−2−tert−ブチルカルボキサミド1 7(2.4kg,13.4mol)、20%Pd(OH)2/C16wt%,水 144g。 ピラジン−2−tert−ブチルカルボキサミド17/1−プロ パノール溶液を5galのオートクレーブに入れた。触媒を加え、混合液を、H2 40psi(3気圧)、65℃で水素化した。 24時間後、反応液は水素の理論量を取り込んでおり、GCは17が1%未満 であることを示した。混合液を冷却し、N2でパージし、Solka Flocで 濾過して触媒を除去した。触媒を暖かい1−プロパノール2Lで洗浄した。 フィルターケーキ洗浄の間、暖かい1−プロパノールを使用することによって、 濾過は改良され、フィルターケーキ上の産物の損失は低減された。 反応をGCでモニターした。30m Megaboreカラム、100〜16 0℃、10℃/分、5分保持、それから10℃/分で250℃まで、保持時間: 17=7.0分、18=9.4分。溶媒としてEtOAc/MeOH(50:5 0)、発色剤としてニンヒドリンを用いるTLCによっても反応をモニターでき た。 アリコートの蒸発によって、アミド化と水素化にわたる収率は88%であり、 18の濃度は133g/Lであることが分かった。 アリコートを蒸発させて、18を白色固体として得た。m.p.150−15 1℃;13C NMR(75MHz,D2O,ppm)173.5,59.8,52 .0,48.7,45.0,44.8,28.7。実施例13 (S)−2−tert−ブチル−カルボキサミド−ピペラジン ビス(S)−カンフ ルスルホン酸塩(S)−19 原料 rac−2−tert−ブチル−カルボキサミド−ピペラジン18:4.10kg( 22.12mol) 1−プロパノール中:25.5kg溶媒中 (S)−(+)−10−カンフルスルホン酸:10.0kg(43.2mol) 1−プロパノール:12L アセトニトリル:39L 水:2.4L 1−プロパノール中のアミン18の溶液を、付属のバッチ濃縮器を備えた10 0Lフラスコに加えた。溶液を10mbar、温度25℃末満で、約12Lまで 濃縮した。 この時点で、産物は溶液から沈殿し、混合液を50℃まで加熱すると、溶解し た。 均一なアリコートの分析により、18の濃度は341g/Lであることが分か った。濃度をHPLCで測定した。25cmDupont Zorbax RXC 8カラム、流速1.5mL/分、検出210nm,アイソクラティック(98/ 2)CH3CN/0.1%H3PO4水溶液。18の保持時間2.5分。 アセトニトリル(39L)と水(2.4L)を加え、清澄なわずかに茶色の溶 液を得た。 KF滴定による水含量の測定と1H NMRによるCH3CN/1−プロパノー ル比の測定によって、CH3CN/1−プロパノール/H2O比は、26/8/1 .6であることが分かった。溶液の濃度は72.2g/Lであった。 (S)−10−カンフルスルホン酸を20℃で4部に分けて 30分かけて加えた。CSAの添加後、温度は40℃に上がった。数分後、厚い 白色沈殿が生じた。白色スラリーを76℃に加熱し、全ての固体を溶解させた。 それから、わずかに茶色の溶液を8時間にわたって21℃に冷却した。 産物は62℃で沈殿した。産物を21℃で直ちに濾過し、フィルターケーキを CH3CN/1−プロパノール/H2O26/8/1.6溶媒混合液5Lで洗浄し 、N2供給下真空オーブンで35℃に乾燥させ、19を白色結晶性固体として5 .6kg(39%)を得た。m.p.288−290℃(分解)。[α]D25= 18.9°(c=0.37,H2O)。13C NMR(75MHz,D2O,pp m)222.0,164.0,59.3,54.9,53.3,49.0,48 .1,43.6,43.5,43.1,40.6,40.4,28.5,27. 2,25.4,19.9,19.8。 以下のキラルHPLCアッセイによれば、産物のeeは95%であった。19 のアリコート(33mg)を、EtOH4mLとEt3N1mLに懸濁した。B oc2O(11mg)を加え、反応混合液を1時間放置した。溶媒を、完全に真 空除去し、残渣をEtOAc約1mLに溶解し、SiO2入りのパス ツールピペット、溶離液としてEtOAcを用いて濾過を行った。蒸発させた産 物分画を約1mg/mLの濃度でヘキサン中に溶解させた。ヘキサン/IPA( 97:3)溶媒系、流速1mL/分、検出228nmのDaicel Chir acellASカラム上で鏡像異性体を分離した。保持時間:S対掌体=7.4 分、R=9.7分。 実施例14 塩19からの(S)−2−tert−ブチルカルボキサミド−4−tert−ブトキシカ ルボニル−ピペラジン12 原料 (S)−2−tert−ブチル−カルボキサミド−ピペラジン ビス(S)−(+ )−CSA塩19,95%ee:5.54kg(8.53mol) ジ−tert−ブチルジカーボネート:1.86kg(8.53mol) Et3N:5.95L(42.6mol) EtOH純度200プルーフ:55L EtOAc:2L N2下、更なる漏斗を備えた100Lの3首フラスコ中の(S)−CSA塩1 9に、25℃でEtOH、次にトリエチルアミンを加えた。Et3Nの添加で固 体は容易に溶解した。Boc2OをEtOAcに溶解させ、更なる漏斗に加えた 。EtOAc中のBoc2O溶液を、温度を25℃未満に保つ速度で加えた。添 加には3時間を要した。Boc2O溶液の添加が終わった後、反応混合液を1時 間放置した。 反応をHPLCでモニターできる。25cm Dupont Zorbax R XC8カラム、流速1mL/分、検出228nm、アイソクラティック(50/ 50)CH3CN/0.1MKH2PO4(NaOHでpH=6.8に調整)。1 2の保持時間=7.2分。キラルアッセイを、前記工程と同一の系を用いて行っ た。溶媒として100%EtOAcを用いるTLCでも反応をモニターできた( Rf=0.7)。 その後、真空下(10mbar)バッチタイプの濃縮器で、内部温度20℃末 満で、溶液を約10Lに濃縮した。EtOA c20L中にゆっくりと流れ出させ、約10Lに再濃縮させて、溶媒交換を行っ た。反応混合液を、EtOAc60Lの入った抽出器で洗浄した。有機層を、5 %NaCO3水溶液16L、脱イオン水(2×10L)、飽和塩化ナトリウム水溶液 (2×6L)で洗浄した。一緒にした水層をEtOAc20Lで逆抽出し、有機層 を、水(2×3L)、飽和塩化ナトリウム水溶液(2×4L)で洗浄した。一緒に したEtOAc抽出液を、100Lのバッチタイプ濃縮器で、10mbar真空 下、20℃未満の内部温度で濃縮し、約8Lにした。シクロヘキサンへの溶媒交 換を、シクロヘキサン約20L中にゆっくりと流出させ、約8Lに再濃縮するこ とで行った。スラリーに、シクロヘキサン5LとEtOAc280mLを加え、 混合液を加熱還流し、全てを溶解させた。溶液を冷却し、種(10g)を58℃ で加えた。スラリーを4時間で22℃に冷却し、22℃で1時間放置の後、産物 を濾過により分離した。フィルターケーキをシクロヘキサン1.8Lで洗浄し、 N2供給下35℃での真空オーブンで乾燥し、12をわずかに黄褐色の粉として 1.87kgを得た(77%,HPLCで99.9エリア%を超える、R−異性 体は検出限界末満)。[α]D25=22.0°(c=0.20, MeOH),m.p.107℃;13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm )170.1,154.5,79.8,58.7,50.6,46.6,43. 6,43.4,28.6,28.3。 実施例15 フレーム乾燥の50mLの丸底フラスコ中に、ヨウ化物2b(6.82mmo l)、続いてPd(OAc)2(0.0682mmol)、トリフェニルホスフ ィン(0.137mmol)、CuI(0.137mmol)を加えた。全ての 固体を逐次的に加え、わずかにN2圧力下、THF(11.0mL)に懸濁した 。フェニルアセチレン(7.64mmol)、n−BuNH2(13.7mmo l)を加え、緑色の均一溶液を得た。それから、N2圧力下反応混合液を密封し 、+40℃で22−24時間加熱した。この時点で出発物質エチルエステルの消 費とアセチレン付加物の生成が観察された。反応混合液をそれか ら+63℃に44−48時間加熱し、その時点でアセチレン付加物は所望のフロ ピリジンに変換した。その後、反応混合液を塩化メチレン(50ml)とEDT A二ナトリウム(5%水溶液,50ml)で分配した。その後、有機抽出液を、 重亜硫酸ナトリウム(10%水溶液,50mL)、続いて0.1NHCl(50 ml)、飽和NaHCO3水溶液(50mL)で洗浄した。その後、有機抽出液 を、MgSO4で脱水し、濾過し、真空濃縮した。その後、粗物質を、12:1 ヘキサン−EtOAcを使用して、SiO2上のフラッシュクロマトグラフィー にかけ、単離収率78%で所望の産物を得た。 実施例16 ヨウ化物(1.76g,6mmol)、Pd(OAc)2(13.5mg,0.06 mmol)、PPh3(31.5mg,0.1mmol)、CuI(22.9m g,0.12mmol)を、N2下、丸底フラスコ中に固体として加え、続いて n−BuNH2(1.2mL,12.0mmol)、プロパニルメチルエーテル (0.56mL,6.6mmol)を加え、緑色の均一溶液を得、それを45− 50℃に48時間加熱した。HPLC分析により、出発物質が存在しなくなった とき、混合液をCH2Cl2とEDTA二ナトリウム(5%水溶液)で分配し、有 機層を、重亜硫酸ナトリウム水溶液、0.5NHCl、NaHCO3(水溶液) で逐次洗浄した。有機層を、MgSO4で脱水し、濾過し、真空濃縮し、それか らクラマトグラフィーを行い(フラッシュ−グレードのSiO2、3:1ヘキサ ン−EtOAc)、産物1.07gを得た(76%)。 実施例17 乾燥THF12.9L中に、エステル(547.6g, 2.87mol)を溶解し、−7℃に冷却し、純粋の水素化ジイソブチルアルミ ニウム(DIBAL)1.11Lで処理した。このとき、温度が−5〜−6℃を 超えないようにする。TLCにより、出発物質が完全に消費されたことが判明し たとき(約35分)、飽和Na,K酒石酸(H2O20L中のNa,K酒石酸1 0kg)を、温度が−4℃未満に維持されるように加えた(“塩”溶液約8Lを 加えた)。冷却を止め、混合液の脱気ができるように、混合液を40℃に2時間 加熱した。層を分離し、酢酸イソプロピルエステル12Lを加え、更なるNa, K酒石酸2Lで洗浄し、層を分離し、有機層をH2O2Lで洗浄する。有機層を MgSO4で脱水し、濾過し、ヘキサン−1PACから再結晶化し、アルコール 780.3gを得る。 実施例18 アルコール(780g,4.81mol、純度により補正)を、CH2Cl216 Lに溶解し、溶液を−2℃に冷却した。SOC l2を15分かけて加えた。このとき、温度が0℃を超えないようにした。溶液 を2時間15℃に暖めた。このとき、HPLCアッセイによると出発物質は残っ ていなかった。NaHCO3水溶液16Lをゆっくりと加えると、二相性混合液 を得た。有機相を分離し、活性炭(Darco G−60)40gと無水Na2S O41kgで処理し、濾過し、真空濃縮し、所望の塩化物850.7gを得た。 実施例19 ラセミインデンオキシドの製造 インデン(95%,122mL)を、メタノール(812mL)とアセトニト リル(348mL)に溶解し、濾過した。濾液を0.05M二塩基性リン酸ナト リウム(116mL)で希釈し、それから1M水酸化ナトリウム水溶液でpH1 0.5に調整した。過酸化水素水溶液(35%,105mL)を水(53mL) で希釈し、3時間かけて加えた。この間温度を25℃に保ち、1M水酸化ナトリ ウム水溶液(合計120mL)で内部pHを10.5に維持した。 6時間後、1Mメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(26mM)を加えた。その間 1MNaOH水溶液の添加(39mL)によ りpHを8.3を超えるように保った。水(700mL)を加え、混合液を塩化 メチレンで抽出した(580mL及び300mL)。インデンオキシド(117 g)を含む一緒にした有機抽出液を600mLの容量まで濃縮した。 上述の明細書は本発明の原則を教示し、実施例は例示を示すが、本発明の実務 は、以下の請求の範囲及びその等価物の範囲内にある、通常の変化、適用、又は 改変の全てを包含することを理解するであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 セナナヤケ,クリス・エイチ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、リンカーン・アベニ ユー・126 (72)発明者 ロサツザ,ジヨン・ピー・エヌ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ザン,ジンユー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダニルエポキシ ドの鏡像異性体の混合物からの実質的に100%エナンチオマー過剰率の(1S ,2R)インダニルエポキシドの合成方法であって、 (a)緩衝液中の(1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダ ニルエポキシドの鏡像異性体の相当量の混合物を提供する; (b)実質的に全ての(1R、2S)インダニルエポキシドが消費されるまで、 上記混合物と、エポキシドヒドロラーゼを有する菌類細胞の懸濁液とをインキュ ベートする;及び (c)得られた(1S,2R)インダニルエポキシドを単離する; 工程を含む上記方法。 2.菌類細胞がジプロジア・ゴシピナ(Diplodia gossipina)又はラシジプロジ ア・テオブロマエ(Lasidiplodia theobromae)であることを特徴とする請求項1 に記載の方法。 3.上記細胞がATCC16391又はATCC10936由来である ことを特徴とする請求項2に記載の方法。 4.上記緩衝液が、約10%アセトニトリルを含む、約0.1Mトリス、pH約 7.5であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.(1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダニルエポキシ ドの鏡像異性体の混合物からの実質的に100%エナンチオマー過剰率の(1S ,2R)インダニルエポキシドの合成方法であって、 (a)約10%アセトニトリルを含む、約0.1Mトリス、pH約7.5中で、 上記混合物の濃度が約1g/Lである、(1R、2S)インダニルエポキシドと (1S,2R)インダニルエポキシドの鏡像異性体の相当量の混合物を提供する ; (b)実質的に全ての(1R、2S)インダニルエポキシドが消費されるまで、 上記混合物と、ジプロジア・ゴシピナ(Diplodia gossipina)ATCC16391由来 の菌類細胞の懸濁液とをインキュベートする;及び (c)得られた(1S,2R)インダニルエポキシドを単離する; 工程を含む上記方法。 6.(1R、2S)インダニルエポキシドと(1S,2R)インダニルエポキシ ドの鏡像異性体の混合物からの実質的に100%エナンチオマー過剰率の(1S ,2R)インダニルエポキシドの合成方法であって、 (a)約10%アセトニトリルを含む、約0.1Mトリス、pH約7.5中で、 上記混合物の濃度が約1g/Lである、(1R、2S)インダニルエポキシドと (1S,2R)インダニルエポキシドの鏡像異性体の相当量の混合物を提供する ; (b)実質的に全ての(1R、2S)インダニルエポキシドが消費されるまで、 上記混合物と、ジプロジア・ゴシピナ(Diplodia gossipina)ATCC10936由来 の菌類細胞の懸濁液とをインキュベートする;及び (c)得られた(1S,2R)インダニルエポキシドを単離する; 工程を含む上記方法。
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