【発明の詳細な説明】
化粧用メイキャップ組成物
発明の分野
本発明は、化粧用メイキャップ組成物、更に詳しくは、改善された製
品安定性、油っぽさ/光沢制御、しっとりとした潤い付与[給湿(moisturisatio
n)]効果を有する着色ファンデーションメイキャップ組成物及び頬紅に関するも
のである。この組成物は液晶を形成可能な両親媒性物質を含む。
発明の背景
ファンデーション組成物は顔や体の他の部位に塗布して皮膚の色合い
や手触りを一様としたり、毛穴、欠点、小じわ等を隠したりすることができる。
また、ファンデーション組成物は、皮膚にしっとりとした潤いを与えたり(給湿)
、皮膚の油っけを保ったり、日光、風及び苛酷な環境の悪影響から保護すること
ができる。
メイキャップ組成物は通常液体またはクリームサスペンジョン類、エ
マルジョン類、ゲル類、押型粉類または無水油及びワックス組成物類の形態で利
用できる。
米国特許第3,444,291号明細書は、65〜75重量部の微晶ろう及び
約25〜35重量部の鉱油を含有する組成物を塗布することによって皮膚のくぼ
みを充填またはカモフラージュする方法を開示している。この組成物は、ユーザ
ーの皮膚の色と釣り合った着色剤、好ましくはコールタール染料例えばD&CR
edNo.17を含有している。
米国特許第4,486,405号明細書には、塗り広げることができ、流動性
があり、且つグリース不在の化粧用カバーアップ組成物が教示されている。この
組成物は実質上同じ濃度で存在する第1及び第2のアルコキシル化界面活性剤の
存在により特徴付けられる。
米国特許第4,804,532号明細書は、結晶性シリカを従来の組成物に使
用されているより非常に低い濃度で使用する美顔化粧用粉末を記載している。頬
紅または美顔塗布剤として使用されるこの粉末は、皮膚のひだ、しわ及び毛穴を
隠すのに有効であると言われている。この粉末組成物は、着色相と希釈剤相の混
合物である。着色相は結晶性シリカと着色剤を混合することにより形成される。
得られた着色相を実質上タルク及びマイカのような真珠光沢の物質から形成され
た希釈剤相と混合して組成物を形成する。
非常に高濃度の真珠光沢の物質を有するファンデーション組成物の使
用は、米国特許第3,978,207号明細書に教示されている。このファンデーション
、即ち、押型粉組成物は、マイカのような真珠光沢の物質及び結合剤油の存在に
より特徴付けられ、この組成物はフォルステドパール光(frosted pearl effect)
、即ち、光沢のある外観を与える。このファンデーションの色は、真珠光沢の物
質により提供される。
米国特許第4,659,562号明細書は、結合剤として5〜95重量%のシ
リカ微粉混合物と、約5〜95重量%の微細ポリエチレン繊維との均質混合物か
らなる化粧用メイキャップ組成物を開示している。この組成物は塗布した皮膚面
全面にわたり組成物の均一性を保持すると記載されている。即ち、この組成物は
、防しわ性であると述べられている。米国特許第4,659,562号明細書の組成物は
、真珠光沢剤と混合された着色剤を含む。
1986年にバルセロナで開催されたI.F.S.C.C.第14回大会
における中村らの予講刷り[I.F.S.C.C.第1巻、51〜63(1986)]
は、球状シリカ及びポリジメチルシロキサンを使用する新規なメイキャップ組成
物を記載している。この組成物はファンデーション組成物より皮膚のしわを顕著
に見えにくくするファンデーションであると述べられている。このしわを見えに
くくすることは、球状シリカとポリジメチルシロキサンの新規な使用により光学
的なぼかし効果(blurring)が増大したことによって生ずる。
米国特許第5,143,772号明細書は、ポリシロキサンで被覆された顔料
、シリコーン相、水相及びポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共
重合体界面活性剤よりなる油中水形エマルジョンからなる化粧用メイキャップ組
成物を開示している。
水中油形エマルジョン形態のファンデーションは業界において既知で
ある。しかしながら、これらはしっとりとした潤い(給湿性)と、光沢/油っけ制
御の点で好結果が得られていない。
過去に、水溶性ポリグリセリルメタクリレート潤滑剤及びグリセリン
のような保湿剤が、給湿剤として皮膚及び毛髪用ゲル組成物へ混合されている。
これらの組成物は慣用の化粧用クリーム及びローション組成物と比較して給湿性
、吸収性、皮膚感触、残留性及びスキンケア特性を改善したが、短期間及び長期
間における給湿性の強化及びエマルジョン安定性及び油っけ/光沢の制御の増大
が依然として要求されている。
液晶は物質の特別な相である。液晶相は固相と等方性液相とのそれぞ
れの境界の間(即ち、三次元の規則的配列をもつ結晶状態と不規則配列の溶解状
態との中間)に存在する。液晶状態においては、固相分子の規則的配列特性の若
干は、分子の会合構造と分子間の規則的配置距離が長いために液体状態で保持さ
れる。若干の化合物が液晶質中間相を形成する能力があることは、ほぼ一世紀前
に発見されている。その時以来、液晶質特性を示す多くの化合物が合成され、薬
品類、香料類、栄養剤類及び他の化合物類を封入するために、また、搬送基剤と
して機能するために使用されている。
従って、本発明の第1の目的は、液晶を形成可能な両親媒性物質より
なる水中油形エマルジョン形態のメイキャップ組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、給湿性の改善並びに良好な製品安定性、
及び光沢の低減を示す水中油形形態の着色メイキャップ組成物を提供することに
ある。
発明の概要
本発明によれば、(a)約1重量%〜約30重量%の揮発性シリコーン
オイル及び/または揮発性炭化水素油;(b)約0重量%〜約20重量%の不揮発
性油;(c)約5重量%〜約25重量%の顔料;及び(d)約0.1重量%〜約20
重量%の製品中でまたは皮膚上でスメクティックリオトロピック液晶を形成可能
である有機両親媒性物質を含有し、且つ(a):(d)の比が少なくとも約1.5:
1である水中油形形態のメイキャップ組成物が提供される。
本発明の水中油形エマルジョンは、改善された給湿性と共に優れた製
品安定性と、低減された光沢とを与える。
他に特記しない限り、全ての量及び割合は組成物の合計重量を基準と
するものである。また、アルコキシル化の鎖長、即ち、程度は、重量平均基準で
記載する。
発明の詳細な記載
本発明のメイキャップ組成物は、揮発性シリコーンオイル及び/また
は炭化水素油、顔料、製品中でまたは皮膚上でスメクティックリオトロピック液
晶を形成可能である有機両親媒性物質、及び適宜不揮発性油を含有してなるもの
である。該組成物は、水中油形エマルジョンの形態である。
本発明の水中油形エマルジョンの第1の必須成分は、揮発性シリコー
ンオイルまたは炭化水素油である。シリコーンオイルまたは炭化水素油は、約0
.1重量%〜約30重量%、好ましくは少なくとも約20重量%、特に好ましく
は少なくとも約25重量%の量で存在する。適当な揮発性シリコーンオイル類は
環状または鎖状揮発性ポリオルガノシロキサン類を包含する。本明細書に使用す
る述語「揮発性」は、25℃でセチルアルコールの蒸気圧より高い蒸気圧をもち
、好ましくは100℃またはそれ以下、好ましくは60℃またはそれ以下で少な
くとも1mmHgの蒸気圧をもつ物質をいうものとする。述語「不揮発性」は、
25℃でセチルアルコールと少なくとも等しい蒸気圧を有する物質をいうものと
する[トッド(Todd)らのボラティル・シリコーン・フルーズ・フォー・コスメテ
ィックス(Volatile Silicone Fluids for Cosmetics)、91コスメティックス・
アンド・トイレタリース(Cosmetics and Toiletries)第27〜32頁(1976)
中の種々の揮発性シリコーン類の記載を参照されたい]。
好適な環状シリコーン類は、約3個〜約9個の珪素原子を含む、好ま
しくは約4個〜約5個の珪素原子を含むポリジメチルシロキサン類を包含する。
好適な鎖状シリコーンオイル類は、約3個〜約9個の珪素原子を含むポリジメチ
ルシロキサン類を包含する。これらの鎖状揮発性シリコーン類は通常25℃で約
5センチストークス以下の粘度をもつが、一方、環状物質は約10センチストー
クス以下の粘度をもつ。本発明に有用であるシリコーンオイル類の具体例は、ダ
ウ・コーニング344、ダウ・コーニング21330、ダウ・コーニング345
及びダウ・コーニング200[ダウ・コーニング・コーポレーション(Dow Corni
ng Corporation)により製造されている]:シリコーン7207及びシリコーン
7158[ユニオン・カーバイド・コーポレーション(Union Carbide Corporati
on)により製造されている]:SF202[ゼネラル・エレクトリック(General
Electric)により製造されている]:及びSWS−03314[スタフアー・ケ
ミカル(Stauffer Chemical)により製造されている]、好ましくはダウ
・コーニング21330(CTFA名称:シクロメチコン)を包含する。
本発明に使用するために適当な揮発性炭化水素油類は、イソドデカン
、イソヘキサデカン、イソエイコサン、イソデカン、デカン、ヘキサデカン、ド
デカン、テトラデカン及びオクタデカンを包含する。本発明で使用するのに特に
好適な揮発性炭化水素油は、商品名パーメチル(Permethyl)(RTM)として販売され、
プレスパース・インコーポレーテッド(Presperse Inc.)(米国、ニュージャージ
ー州、サウス・プレインフィールド、P.0.Box 735)から工業的に入手できる分岐
鎖脂肪族炭化水素類である。
本発明の組成物に好適に配合される第2成分は、不揮発性油である。
適当な不揮発性油類は、炭化水素ワックス類及び炭化水素油類、微晶ろう(ミク
ロワックス)類、シリコーンワックス類、脂肪酸の脂肪アルコールとのエステル
類、脂肪アルコール類のポリアルキレングリコールエーテル類、及びこれらの混
合物から選択することができる。本発明に使用することが適当である炭化水素類
は、パラフィン油、軟質パラフィンワックス及びペトロラタムを包含する。本発
明に使用するために好適な不揮発性油類は、脂肪酸の脂肪アルコール類とのエス
テル類及び脂肪アルコール類のポリアルキレングリコールエーテル類である。本
発明に使用するために適した前記エステル類のアルコール部位は、メタノール、
イソブタノール、2−エチルヘキサノール、イソプロパノール、エチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、キシリトール
、エリスリトール、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトールまたは
ソルビタンを包含する。本発明に使用するために適した前記エステル類の脂肪酸
部位はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及
びベヘン酸を包含する。給湿性の点から特に好適なものは、適宜ヒドロキシル基
で置換されているC8〜C50不飽和脂肪酸類またはそれらのエステル類、例えば
セチルリシノレエート及びPPG−2ミリスチルエーテルプロピオネート及びこ
れらの混合物である。不揮発性油は約0重量%〜約20重量%、好ましくは約0
.1重量%〜約10重量%、より好適には約2重量%〜約6重量%の量で組成物
中に存在する。
好適な実施態様において、不揮発性油類はワックス類またはワックス
類と少なくとも約30℃の溶融完了温度をもつ液体油類の混合物よりなる。
本発明の組成物の更なる必須成分は、製品中でまたは製品を環境温度
または昇温下で皮膚へ塗布する時に、スメクティックリオトロピック液晶を形成
可能である有機両親媒性物質である。好適な有機両親媒性物質は約20℃〜約4
0℃の範囲内の温度でスメクティックリオトロピック液晶を形成することができ
る。有機両親媒性物質は、約0.1重量%〜約20重量%、好適には約0.1重量
%〜約15重量%の量で存在する。
本発明に使用するのに適した液晶形成性有機両親媒性物質は、親水基
及び親油基の両方を含み、表面または界面で顕著な吸着傾向を示し、即ち、該物
質は表面活性である。表面活性物質は、該物質を水性媒体中でイオン化するか、
否かに基づいて非イオン性(電荷なし)、アニオン性(負電荷)、カチオン性(陽電
荷)または両性(負、陽両電荷)へ区別される。
また、文献において、液晶は異方性流体、物質の第4状態、界面活性
剤会合構造または中間相として記載されている。これらの述語はしばしば入れ替
えて使用される。本明細書に使用する述語「液晶」は、他に特記しない限り「ス
メクティックリオトロピック液晶類」を意味するものである。本明細書に使用す
る述語「リオトロピック」は、溶媒を含む液晶系を意味するものである。本発明
の好適な実施態様において、極性溶剤は水または保水剤の水溶液である。スメク
ティックリオトロピック液晶類は、サーモトロピック液晶、高温液晶、誘磁液晶
またはコレスティック液晶から区別される。本発明に使用される液晶は好適には
板晶、六角晶、棒状または小泡状構造またはそれらの混合物である。
本発明の組成物に利用される液晶相は、種々の方法により同定するこ
とができる。液晶相は剪断下で流動し、等方性溶液相の粘度と顕著に異なる粘度
によって特徴付けられる。硬質ゲル類は、剪断下で液晶類のように流動すること
はない。また、偏光顕微鏡で観察した時、液晶は例えば平面板晶複屈折のような
同定可能な複屈折を示すが、等方性溶液類及び硬質ゲル類を偏光下で観察すると
、両方共暗い視野を示す。
液晶を同定するための他の適当な手段は、X線回折法、NMR分光分
析法及び透過電子顕微鏡法を包含する。
通常、本発明に使用するために好適な有機両親媒性物質は、式X−Y
(式中、Xは親水性、特に非イオン性成分を表し、Yは親油性成分を表す)をもつ
液体、半固体または蝋質水分散性物質として記載することができる。
本発明に使用するために適した有機両親媒性物質は、約2〜約15、
好適には約8〜約15の範囲内の重量平均HLB(親水性親油性バランス)をもつ
ものを包含する。
本発明に使用される好適な有機両親媒性物質は、オレイン鎖、ラノリ
ン(lanolic)鎖、テトラデシル鎖、ヘキサデシル鎖、イトステアリン鎖、ラウリ
ル鎖またはアルキルフェニル鎖のような約12〜約30の炭素原子をもつ長い飽
和または不飽和分岐または線状親油鎖をもつ。液晶相を形成する両親媒性物質の
親水性基が非イオン性基である場合、オキシアルキル化されていても、いなくて
もよいポリオキシエチレン、またはポリグリセロールまたはポリオールエステル
、例えばポリオキシアルキル化ソルビトールまたは糖エステルを使用することが
できる。液晶相を形成する両親媒性物質の親水基がイオン性基である場合、親水
性基としてレシチンに見られるようなホスファチジルコリン残基を有利に使用す
ることができる。
本発明に使用することが好適な非イオン性両親媒性成分は以下のもの
から選択される:
(1) 下記の式をもつ線状または分岐ポリグリセロールのエーテル類:
R−(Gly)n−OH
(式中、nは1〜6の間の整数であり、Rは炭素数12〜30の脂肪族、線状ま
たは分岐、飽和または不飽和鎖、ラノリンアルコール類の炭化水素基及び長鎖α
−ジオール類の2−ビドロキシルアルキル残基から選択され、Glyはグリセロ
ール残基を表す);
(2) ポリエトキシレート化脂肪アルコール類、例えば式R1(C2R4O)xO
H(式中、R1はC12〜C30の直鎖状または分岐アルキルまたはアルケニル基であ
り、xは約0〜約20、好ましくは約0.1〜約6、より好ましくは約1〜約4
の範囲内の平均値を表す)のものである;
(3) ポリオールエステル類、ポリアルコキシル化ポリオールエステル類、
及びそれらの混合物であり、ポリオール類は糖類、C2〜C6アルキレングリコー
ル類、グリセロール、ポリグリセロール類、ソルビトール、ソルビタン、ポリエ
チレングリコール類及びポリプロピレングリコール類が好ましく、また、ポリア
ルコキシル化ポリオールエステル類はポリオールエステル1モル当たり約2〜約
20モル、好ましくは約2〜約4モルのアルキレンオキサイド(特にエチレンオ
キサイド)を含有する;
(4)天然及び合成ホスホグリセリド類、糖脂質類、スフィンゴ脂質、例えばセレ
ブロシド類、セラミド類及びレシチン。
本発明に適した他の有機両親媒性の例は、以下に記載するようなC8
〜C30アルキル基及びアシル基含有両性、アニオン性、カチオン性及び非イオン
性界面活性剤である:
両性
N−アルキルアミノ酸(例えばN−アルキルアミノ酢酸ナトリウム)
N−ラウロイルグルタミン酸コレステロールエステル(例えば味の素社製EldewCL
-301)
アニオン性
アシルグルタメート類(例えばジソジウムN−ラウロイルグルタメート);
サルコシネート類(例えばソジウムラウリルサルコシネート、Grace,Seppic)タ
ウレート類(例えばソジウムラウリルタウレート、ソジウムメチルココイルタウ
レート);
カルボン酸類及びその塩類[例えばオレイン酸カリウム;ラウリン酸カリウム;
10−ウンデセン酸カリウム;11−(p−スチリル)−ウンデカン酸カリウム]
;
エトキシル化カルボン酸塩類(例えばソジウムカルボキシメチルアルキルエトキ
シレート);
エーテルカルボン酸類;
燐酸エステル類及び塩類[例えばレシチン;DEA−オレス(oleth)−10ホス
フェート];
アシルイセチオネート類(例えばソジウム2−ラウロイルオキシエタンスルホネ
ート);
アルカンスルホネート類[例えば分岐ソジウムx−アルカンスルホネート(x/1
)];
スルホスクシネート類例えば
ソジウムジブチルスルホスクシネート、
ソジウムジ2−ペンチルスルホスクシネート、
ソジウムジ2−エチルブチルスルホスクシネート、
ソジウムジヘキシルスルホスクシネート、
ソジウムジ2−エチルヘキシルスルホスクシネート(AOT)、
ソジウムジ2−エチルドデシルスルホスクシネート、
ソジウムジ2−エチルオクタデシルスルホスクシネート、
ジオクチルソジウムスルホスクシネート、
ジソジウムラウレススルホスクシネート(MacKanate El,MaIntyre
Group Ltd.)
硫酸エステル類(例えばソジウム2−エチルヘプト−6−エニルサルフェート;
ソジウム11−ヘネイコシルサルフェート;ソジウム9−ヘプタデシルサルフェ
ート);
アルキルサルフェート類(例えばMEA−ラウリルサルフェートのようなMEA
アルキルサルフェート)。
カチオン性
アルキルイミダソリン類[例えばアルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステ
アリルヒドロキシエチルイミダゾリン(供給者Akzo、Finetex及びHoechst);
エトキシル化アミン類[例えばPEG−nアルキルアミン、PEG−nアルキルア
ミノプロピルアミン、ポロクッスアミン(Poloxamine)、PEG−ココポリアミン
、PEG−15タローアミン);
アルキルアミン類(例えばジメチルアルキルアミン;ジヒドロキシエチルアルキ
ルアミンジオレート)
4級化合物
アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩類(例えばステアラルコニウムクロラ
イド);
アルキルベタイン類(例えばドデシルジメチルアンモニオアセテート、オレイル
ベタイン);
複素環式アンモニウム塩類(例えばアルキルエチルモルホリニウムエトサルフェ
ート);
テトラアルキルアンモニウム塩類[例えばジメチルジステアリルクオータナリー
アンモニウムクロライド(Witco)];
ビス−イソステアラミドプロピルヒドロキシプロピルジアンモニウムクロライド
[Schercoquat 21AP(Scher Chemicals)];
1,8−ビス(デシルジメチルアンモニオ)−3,6−ジオキサオクタンジトシレ
ート
非イオン性界面活性剤
エトキシル化グリセリド類;
モノグリセリド類(例えばモノオレイン;モノリノレイン;モノラウリン;1−
ドデカノイルグリセロールモノラウリン;1,13−ドコセノイル−グリセロー
ルモノエルシン);
ジグリセリド脂肪酸(例えばジグリセロールモノイソステアレート、NisshinOil
Mills Ltd.により精留されたCosmol 41);
ポリグリセリンエステル類[例えばトリグリセロールモノオレエート(Grindsted
TS-T122)]、ジグリセロールモノオレエート(Grindsted TST-T101)];
多価アルコールエステル類及びエーテル類[例えばサッカロースモノオレエート(
Ryoto,Mitsubishi-Kasei Food Corporation)、セトステアリルグルコサイド(Mo
ntanol,Seppic)、βオクチルグルコフラノサイドエステル類、C10〜C16(Henk
el)のようなアルキルグルコサイド];
リン酸のジエステル類(例えばソジウムジオレイルホスフェート);
アルキルアミドプロピルベタイン(例えばココアミドプロピルベタイン);
アミド[例えばN−(ドデカノイルアミノエチル)−2−ピロリドン];
アミドオキシド:例えば
1,1ジハイドロパーフルオロオクチルジメチルアミンオキシド、
ドデシルジメチルアミンオキシド、
2−ヒドロキシドデシルジメチルアミンオキシド、
2−ヒドロキシドデシル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシ
ド、
2−ヒドロキシ−4−オキサヘキサデシルジメチルアミンオキシド;
エトキシル化アミド類(例えばPEG−nアシルアミド);
アンモニオホスフェート類(例えばジデカノイルレシチン);
アミン(例えばオクチルアミン);
オンモニオアミド類:例えば
N−トリメチルアンモニオデカナミデート、
N−トリエチルアンモニオドデカナミデート;
アンモニオカルボキシレート類:例えば
ドデシルジメチルアンモニオアセテート、
6−ジドデシルメチルアンモニオヘキサノエート;
ホスホン酸及び燐酸のエステル類及びアミド類:例えば
メチル−N−メチル−ドデシルホスホナミデート、
ジメチルドデシルホスホネート、
ドデシルメチルメチルホスホネート、
N,N−ジメチルドデシルホスホン酸ジアミド;
エトキシル化アルコール類;
ポリオキシエチレン(C8):例えば
ペンタオキシエチレングリコールp−n−オクチルフェニルエーテル
、
ヘキサオキシエチレングリコールp−n−オクチルフェニルエーテル
、
ノナオキシエチレングリコールp−n−オクチルフェニルエーテル;
ポリオキシエチレン(C10):例えば
ペンタオキシエチレングリコールp−n−デシルフェニルエーテル、
デシルグリセリルエーテル、4−オキサテトラデカン−1,2−ジオ
ール、ノナオキシエチレングリコールp−n−デシルフェニルエーテ
ル;
ポリオキシエチレン(C11):例えば
テトラオキシエチレングリコールウンデシルエーテル;
ポリオキシエチレン(C12):例えば
3,6,9,13−テトラオキサペンタコサン−1,11−ジオール
、3,6,10−トリオキサドコサン−1,8−ジオール、3,6
,9,12,16−ペンタオキサオクタコサン−1,14−ジオール
、3,6,9,12,15−ペンタオキサノナコサン−1,17−ジ
オール、3,7−ジオキサノナデカン−1,5−ジオール、3,6,
12,15,19−ヘキサオキサヘントリアコンタン−1,16−
ジオール、ペンタオキシエチレングリコールドデシルエーテル、モノ
オキシエチレングリコールp−n−ドデシルフェニルエーテル;
ポリオキシエチレン(C14):例えば
3,6,9,12,16−ペンタオキサオクタコサン−1,14−ジ
オール、3,6,9,12,15,19−ヘラオキサトリアコンタン
−1,17−ジオール;
スルホンジイミン類:例えば
デシルメチルスルホンジイミン;
スルホキシド類:例えば
3−デシロキシ−2−ヒドロキシプロピルメチルスルホキシド、
4−デシロキシ−3−ヒドロキシブチルメチルスルホキシド;
スルホキシイミン類:例えば
N−メチルドデシルメチルスルホキシイミン;
本発明に使用することが非常に好ましい有機両親媒性物質は、糖エス
テル類及びポリアルコキシル化糖エステル類及びレシチンのような燐脂質類から
選択される。
本発明に使用される糖エステル類は、環状多価サッカリドのハイドロ
カルビルまたはアルキルポリオキシアルキレンエステル類(サッカリド成分の1
個またはそれ以上のヒドロキシル基がアシル基またはポリオキシアルキレン基に
より置換されている)として分類できる。ハイドロカルビル糖エステル類は、酸
または酸ハロゲン化物と糖を加熱することにより、即ち、単純なエステル化反応
により既知の方法で調製できる。
糖エステル類の調製に使用される糖類は、業界において既知のモノサ
ッカリド類、ジサッカリド類及びオリゴサッカリド類例えばグルコース、フルク
トース、マンノース、ガラクトース、アラビノース及びキシロースの右旋性及び
左旋性形態を包含する。代表的なジサッカリド類は、マルトース、セロビオース
、ラクトース及びトレハロースを包含する。代表的なトリサッカリド類は、ラフ
ィノース及びゲンチアノースを包含する。モノサッカリドは、本発明に使用する
ために適しており、特にスクロースが好適である。
スクロースは、その8個のヒドロキシル基の1個またはそれ以上をエ
ステル化して本発明に有用であるスクロースエステル類とすることができる。ス
クロースを1:1のモル比でエステル化剤と混合すると、スクロースのモノエス
テルが生成する;エステル化剤:スクロースのモル比が2:1またはそれ以上の
場合、ジ−、トリ−等、最大オクタエステルまでのエステル類が生成する。
本発明に好適な糖エステル類は、エステル化剤:糖のモル比が1:1
または1:3での糖類のエステル化により調製されたもの、即ち、モノアシル及
びジアシルまたはトリアシル糖エステル類である。特に好適なものは、アシル置
換基が約8〜約20個の炭素原子を含み且つ0個、1個または2個の不飽和成分
を有するモノ−、ジ−及びトリ−アシル糖エステル類またはそれらの混合物であ
る。モノ−アシル及びジ−アシル糖エステル類の中で、アシル基が約8〜約20
個の炭素原子を含むジ−サッカリド糖類、特にスクロースのそれぞれのエステル
類が特に好適である。本発明に好適な糖エステル類は、スクロースモノオクタノ
エート、スクロースモノデカノエート、スクロースモノラウレート、スクロース
モノミリステート、スクロースモノパルミテート、スクロースモノステアレート
、スクロースモノオレエート、スクロースモノリノレート、スクロースジオレエ
ート、スクロースジパルミテート、スクロースジステアレート、スクロースジラ
ウレート、スクロースジリノレート及びそれらの混合物である。スクロースオレ
エート類、ラウレート類及びパルミテート類、特にスクロースモノオレエート及
びスクロースジラウレートは本発明の組成物において特に有効であることが見い
だされた。モノ−アシル糖エステルと、ジ−、トリ−及びそれ以上のアシル糖エ
ステル類の混合物において、モノ−アシルエステル類及びジ−アシルエステル類
は糖エステル混合物の合計重量の少なくとも40%、好ましくは約50%〜約9
5%を構成することが好ましい。
本発明の組成物に使用するのに適した他の糖エステル類は、アルキル
ポリオキシアルキレン糖エステル類であり、ここで、1個のヒドロキシル基がC8
〜C18アルキル基と置換されており、且つ糖分子中のヒドロキシル基の1個ま
たはそれ以上が成分[(CH2)xO]y(式中、xは2〜約4の整数であり、好ましく
は2であり、yは約1〜約50の整数であり、好適には8〜30個のポリオキシ
アルキレン置換基である)を含むエステルまたはエーテル置換基により置換され
ている。特に好適なものは、ポリオキシアルキレン置換基が約8〜約30個のポ
リオキシエチレン基である糖エステル類である。ソルビタンが糖成分である上述
のような物質は、一連の商品名ツイーンとして工業的に入手可能である。上述の
混合エステル類は、まず糖をモル比1:1でハイドロカルビル酸ハライドにより
アシル化し、次に対応するポリオキシアルキレン酸ハライドまたはアルキレンオ
キサイドと反応させて所望の物質を得ることにより調製することができる。ポリ
オキシアルキレン基が約20個までのアルキレンオキシド成分を有するジ−サッ
カリド、特にスクロースの単純なポリオキシアルキレンエステルは、本発明の糖
エステル類の他の有用なクラスである。このクラスの好適な糖エステルは、20
モルのエチレンオキシドによりエトキシル化されたソルビトールトリオレエート
である。また、糖エステル類と他のポリオールエステル類例えばグリセロールエ
ステル類との混合物、例えばパーム油スクログリセリド(Rhone-Poulenc)は、本
発明に使用するために適している。
本明細書に使用する述語「レシチン」はホスファチドである物質をい
うものである。天然産または合成ホスファチドを使用することができる。ホスフ
ァチジルコリンすなわちレシチンはリン酸のコリンエステル及び2種の脂肪酸類
、通常16〜20個の炭素原子及び4個までの二重結合をもつ長鎖飽和または不
飽和脂肪酸によりエステル化されたグリセリンである。板晶状液晶または六角晶
状液晶を形成可能な他のホスファチド類をレシチンの代わりにまたはレシチンと
併用して使用することができる。これらのホスファチド類はレシチンにおけるよ
うに2種の脂肪酸類とのグリセロールエステル類であるが、コリンはエタノール
アミン(セファリン)またはセリン(アミノプロピオン酸;ホスファチジルセリン)
またはイノシトール(ホスファチジルイノシトール)により置換されている。本明
細書においては、本発明をレシチンで例示するが、上述のような他のホスファチ
ド類を使用できることを理解されたい。
種々のレシチン類を使用することができる。アメリカン・レシチン・
カンパニー(American Lecithin Company)は、ナッターマン・ホスホリピド(Nott
ermann Phospholipid)、ホスホリパン(Phospholipan)80及びホザール(Phosal)
75を供給する。単独でまたは上記レシチンと併用できる他のレシチン類は、ア
クテフラ(Actifla)シリーズ、セントロカップ(Centrocap)シリーズ、セントラル
(Central)Ca、セントロール(Centrol)シリーズ、セントロレン(Centrolene)、
セントロレックス(Centrolex)、セントロミックス(Centromix)、セントロフェー
ス(Cetrophase)及びセントロールフィル(Centrolphil)シリーズ [セントラル・
ソイヤ(Central Soya)];アルコレック(Alcolec)及びアルコレック 439−C(
アメリカン・レシチン);カナスパーサ[カナダ・パッカース(Canada Packers)];
レクシン(Lexin)K及びナチピド(Natipide)(アメリカン・レ
シチン);及びL−クリアレート(Clearate)、クリアレートLV及びクリアレー
トWD[ダブリュ・エー・クリアリー・カンパニー(W.A.Cleary Co.)]である。レ
シチン類はエタノール、脂肪酸類、トリグリセリド類及び他の溶媒類中に溶解し
て供給される。それらは通常レシチン類の混合物であり、供給される際、15〜
50%の範囲の溶液である。
天然及び合成レシチン類を使用できる。天然レシチン類はヒマワリ種
子、大豆、ベニバナ種子及び綿実のような脂肪種子から得られる。レシチン類は
精製操作中に油から分離される。
有機両親媒性化合物は、水中油形メイキャップ組成物の光沢/油っぽ
さの制御に特に有用であることが見いだされた。理論により限定されるものでは
ないが、光沢制御を改善するのは組成物中の液晶類が皮膚から脂質を固定する能
力によるものである。
本発明の組成物において、揮発性シリコーンオイル:有機両親媒性物
質の比は少なくとも約1.5:1である。
本発明における他の必須の成分は顔料である。本発明に使用すること
が適当である顔料は、無機質及び/または有機質のものである。また、述語「顔
料」の範囲内には、艶消し仕上げ剤のような低い色調または光沢をもつ物質及び
光散乱剤が包含される。適当な顔料の例は、鉄酸化物類、アシルグルタメート鉄
酸化物類、ウルトラマリンブルー、D&C染料類、カルミン及びそれらの混合物
である。メイキャップ組成物のタイプ、即ち、ファンデーションであるか、頬紅
であるかにもよるが、通常顔料の混合物が使用される。
また、ファンデーション組成物は、少なくとも1種の艶消し仕上げ剤
を含むことができる。艶消し仕上げ剤の機能は、皮膚の欠点を隠し、且つ光沢を
低減することにある。化粧品に許容できる無機質剤、即ち、シリカ、水和シリカ
、シリコーン処理シリカビード、マイカ、タルク、ポリエチレン、二酸化チタン
、ベントナイト、ヘクトライト、カオリン、チョーク、珪藻土、アタパルジャイ
ト等のようなCTFA・コスメティク・イングレジエント・デクショナリー(CTF
A Cosmetic Ingredient Dictionary)、第3版中に包含されるものを利用するこ
とができる。艶消し仕上げ剤として特に有用なものは、硫酸バリウムで被覆され
たチタネート化マイカ(二酸化チタンで被覆したマイカ)のような低光沢顔料であ
る。艶消し仕上げ剤低光沢顔料として有用である無機質成分の中で、タルク
、ポリエチレン、水和シリカ、カオリン、二酸化チタン及びそれらの混合物が特
に好適である。光散乱剤として本発明に使用することが適当である物質は、通常
約100ミクロンまでの、好ましくは約5〜約50ミクロンの粒子寸法をもつ球
状無機物質例えば球状シリカ粒子として記載することができる。
顔料の合計濃度は、組成物全体の重量の約5〜約25%であることが
でき、約5〜約20%が好適であり、正確な濃度は所望の色合いを得るためにフ
ァンデーションメイキャップまたは頬紅に使用するために選択される顔料の特定
の混合物にある程度依存する。好適な組成物は、約2重量%〜約20重量%の二
酸化チタン、最適には約5重量%〜約10重量%の二酸化チタンを含有する。
本発明に使用することが適当である顔料類は、処理済顔料類である。
これらの顔料類は、アミノ酸類、シリコーン類、レシチン及びエステル油類のよ
うな化合物で処理することができる。
本発明に使用することが好適である顔料類は、商品名ソフテックス(S
oftex)で販売されているもののような水分散性顔料類である。
本発明の組成物の好適な成分は、保湿剤である。本発明において、保
湿剤は、組成物の約0.1〜約20重量%、好ましくは約1〜5重量%の量で存
在する。適当な保湿剤は、25℃で300,000〜1,100,000cPsの
粘度;25℃で1〜1.2g/mlの比重;5.0〜5.5のpH;33〜58%
の結合水含量;及び5〜20%の遊離水含量をもつグリセリン及びポリグリセリ
ルメタクリレート潤滑剤から選択される。
好適な実施態様において、保湿剤は少なくとも1部分水中油形エマル
ジョンの油相へ配合され、それによって多相水中油中保湿剤形の分散体を形成す
る。油相は、組成物を基準として約0.1重量%〜約10重量%、より好ましく
は約0.1重量%〜約3重量%の保湿剤を含有することが好ましい。保湿剤は、
微粒状の親油性すなわち疎水性キャリア物質との混合物の形態で油相へ導入する
か、または該キャリア物質内へ配合することが適当である。また、保湿剤は、液
晶内溶媒相を介して導入することもできる。
所望の特性をもつポリグリセリルメタクリレート潤滑剤類は、商標名
「リューブラジェル(Lubrajel)」としてガルジアン・ケミカル・コーポレーショ
ン(Guardian Chemical Corporation)から販売されている。リューブラジェルD
V、リューブラジェルMS及びリューブラジェルCGとして区別されるリューブ
ラジェル類は本発明において好適である。これらの商標名で販売されているゲル
化剤は、約1%のプロピレングリコールを含有する。
他の適当な保湿剤は、ソルビトール、パンテノール類、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヒアルロン酸、グルカ
ム(Glucam)(RTM)E−20のようなアルコキシル化グルコース誘導体、ヘキサン
トリオール、グルコースエーテル類及びそれらの混合物を包含する。また、尿素
は、内部水相中の保湿剤として添加することが適当である。
パンテノール給湿剤は、D−パンテノール([R]−2,4−ジヒドロ
キシ−N−[3−ヒドロキシプロピル]−3,3−ジメチルブタナミド)、DL
−パンテノール、パントテン酸カルシウム、ロイヤルゼリー、パンテチン、パン
トテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミックアシッド、ピリドキシン、
パントイン酸ラクトース及びビタミンB錯体から選択することができる。
本発明に好適な保湿剤は、グリセリンである。化学的に、グリセリン
は、1,2,3−プロパントリオールであり、商業製品である。
本発明の組成物の残部は水である。組成物は、約10重量%〜約60
重量%、好適には約20重量%〜約50重量%の水を含むことが好適である。
本発明の組成物において、有機両親媒性物質:水の比は、好適には約
2:1〜約1:6の範囲内、より好適には約1:1〜約1:5の範囲内である。
本発明の好適な実施態様において、有機両親媒性物質:油合計量の比は、約5:
1〜約1:5、好適には約1:1〜約1:4の範囲内である。
また、本発明のメーキャップ組成物は、微粒状の架橋疎水性アクリレ
ートまたはメタクリレートコポリマーを含有することができる。このコポリマー
は、光沢を低減し、油っぽさを抑制するために特に有効であり、また、有効な給
湿効果を提供するのを助勢する。架橋疎水性ポリマーは、少なくとも1種の活性
成分がコポリマーの格子全体にわたり均一に分散し且つ該格子内に閉じ込められ
ている状態にあるコポリマー格子の形態であることが好ましい。別法として、架
橋疎水性ポリマーは、約50〜500m2/g、好ましくは100〜300m2/
gの範囲内の表面積(N2−BET)をもつ多孔質粒子であって気孔中に活性成分
を吸収している多孔質粒子の形態となすこともできる。
架橋疎水性ポリマーを使用する場合、該ポリマーの量は約0.1重量
%〜約10重量%であり、内部シリコーン含有油相に配合することが好ましい。
活性成分は、皮膚適合性油類、皮膚適合性保湿剤類、皮膚軟化剤類、給湿剤類及
び日焼け止め類の1種または2種以上または混合物であることができる。ポリマ
ー物質は、粉末形態であるが、粉末は粒子の混合系である。この粉末粒子混合系
は、平均径約1ミクロン以下の単位粒子、溶融した単位粒子の平均径約20〜1
00ミクロンの範囲内の凝集体、及び溶融した凝集体のクラスターの平均径約2
00〜1,200ミクロンの範囲内の凝集体を含む格子を形成する。
活性成分用のキャリアとして使用することができる本発明の粉末物質
は、吸着後の架橋疎水性ポリマー格子として広く記載することができる。好適に
は、このキャリア粉末は、固体、液体またはガスの形態であることができる活性
成分をその中に封じ込め且つ分散しているものである。この格子は活性物質を充
填すると自由に流動する離散した固体粒子を構成する微粒子状のものであり、予
め設定した量の活性物質を含有することができる。ポリマーは、下記の構造式を
有する:
[式中、x:yの比は、80:20であり、R’は−CH2CH2−で、R”は−
(CH2)11CH3である]
疎水性ポリマーは、高度に架橋したポリマーであり、より詳細には高
度に架橋したポリメタクリレートコポリマーである。この物質は、米国、ミシガ
ン州、ミッドランドのダウ・コーニング・コーポレーションにより製造されてお
り、商標名ポリトラップ(POLYTRAP)(RTM)として市販されている。この物質は、
非常に軽質の流動性白色粉末であり、多量の親脂性液体を吸収することができ、
また、若干の疎水性液体を吸収することができるが、同時に、流動性粉末特性を
維持することができる。粉末構造は、1ミクロン以下の単位粒子が20〜100
ミクロンの凝集体へ溶融され、また、この凝集体が約200〜約1,200ミク
ロン寸法のマクロ粒子すなわち凝集体へゆるく集合した単位粒子の格子からなる
。このポリマー粉末は、その重量の4倍程の流体類、エマルジョン類、分散液類
または溶融固体類を含有することができる。
活性物質のポリマー粉末上への吸着は、ステンレス鋼製混合用ボール
及びスプーンを使用し、活性物質をポリマー粉末へ添加し、スプーンを使用して
ポリマー粉末へ活性物質を穏やかに混ぜ合わせることによって行うことができる
。また、低粘度流体の場合、ポリマー粉末を入れた密閉可能な容器に前記流体を
添加して均一となるまで転動することによって、低粘度流体を吸着させることが
できる。リボンブレンダーまたはツインコーンブレンダーのようなより精密な混
合装置を使用することもできる。本発明に使用するために好適な活性成分は、グ
リセリンである。好適には、保湿剤:キャリアの重量比は、約1:4〜約3:1
である。
また、高度に架橋したポリメタクリレートコポリマーとしてマイクロ
スポンジス(Microsponges)5647も適当である。これは通常約0.01〜約0.
05μmの気孔径及び200〜300m2/gの表面積をもつ架橋疎水性ポリマ
ーの球状粒子形態で得られる。また、上述のレベルで保湿剤を担持していること
が好適である。
また、本発明の組成物はまた親水性ゲル化剤を好ましくは約0.01
%〜約10%、より好ましくは約0.02%〜約2%、特に約0.02%〜約0.
5%の量で含有することができる。ゲル化剤は少なくとも4000mPa・秒、
より好ましくは少なくとも10,000mPa・秒、特に少なくとも50,000
mPa・秒の粘度(1%水溶液、20℃、ブルックフィールドRVT)をもつこと
が好ましい。
適当な親水性ゲル化剤は通常水溶性またはコロイド状水溶性ポリマー
として記載することができ、セルロースエーテル類(例えばヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリクォータニウム−10(polyquate
rnium-10)、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム及びキサンタンガム(xa
nthan gum)を包含する。
これらの中で適当な親水性ゲル化剤は、ビー・エフ・グッドリッチ・
カンパニー(B.F.Goodrich Company)から商標名カーボポール・レジン(Carbopol
resin)として販売されているアクリル酸/エチルアクリレートコポリマー類及び
カルボキシビニルポリマー類である。これらの樹脂は、0.75%〜2.00%の
例えばポリアルリルスクロースまたはポリアルリルペンタエリスリトールのよう
な架橋剤により架橋されたアクリル酸のコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエ
ーテル架橋ポリマーから実質上なる。具体的には、カーボポール934、カーボ
ポール940、カーボポール950、カーボポール980、カーボポール951
及びカーボポール981を包含する。カーボポール934は、個々のスクロース
分子当たり平均約5.8個のアルリル基を有するスクロースのポリアルリルエー
テル約1%により架橋されたアクリル酸の水溶性ポリマーである。また、本発明
に使用することが適当であるものは、商品名カーボポール1382、カーボポー
ル1342及びペムレン(Pemulen)TR−1[CTFA名称:アクリレーツ/1
0−30アルキルアクリレートクロスポリマー(Acrylates/10-30Alkyl Acrylate
Crosspolymer)として入手可能な両親媒性を有する架橋アクリル酸ポリマーの疎
水性変性体である。ポリアルケニルポリエーテル架橋アクリル酸ポリマー及び疎
水性に変性された架橋アクリル酸ポリマーの併用は、本発明において適当である
。本発明に使用することが適当である他の適当なゲル化剤類は、トリヒドロキシ
ステアリン及びアルミニウムマグネシウムヒドロキシステアレートのような含油
ゲル類である。本発明において、これらのゲル類は通常の温度範囲及び昇温下に
おいて優れた安定性を提供するために特に有用である。
酸基を含む親水性ゲル化剤の中和に使用するのに適当した中和剤には
、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが含まれる。
更に、本発明のメーキャップ組成物は皮膚軟化剤を更に含むことがで
きる。本発明の組成物に適した皮膚軟化剤は、鉱物質、植物質、動物質の油類、
脂肪類及びワックス類、脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類、アルキレングリ
コール及びポリアルキレングリコールのエーテル類及びエステル類、脂肪酸、及
びそれらの混合物から選択される天然油類または合成油類を包含する。
本発明に使用するのに適した皮膚軟化剤は、例えばイソプロピルミリ
ステート、セチルパルミテート及びオクチルドデシルミリステート[ウイッケノ
ール142(Wickenol 142)]のようなC8〜C30飽和脂肪酸のC1〜C24エステル
類、密蝋、ベヘニルアルコール及びセチルアルコールのような飽和または不飽和
脂肪アルコール類、鉱油、ペトロラタム及びスクアレンのような炭化水素類、脂
肪ソルビタンエステル類[1976年10月26日に発布されたセイデン(Seiden
)の米国特許第3,988,255号を参照されたい]、ラノリン、エトキシ化ラノリンア
ルコール、ヒドロキシル化ラノリン及びアセチル化ラノリンのようなラノリン誘
導体類、コレステロール及びその誘導体類、アーモンド油、ピーナッツ油、麦芽
油、亜麻仁油、ホホバ油、杏核の油、クルミ油、ヤシ油、ピスタチオ油、ゴマ油
、ナタネ油、杜松油、トウモロコシ油、桃核の油、ケシ油、松油、ヒマシ油、大
豆油、アボカド油、ベニバナ油、ココナッツ油、榛果油、オリーブ油、ブドウ種
子油、及びヒマワリ種子油のような動物性及び植物性トリグリセリド類、及びジ
ィソプピルダイメーレート、ジイソステアリルマレート、ジイソステアリルダイ
メーレート及びトリイソステアリルトリメーレートのようなダイマー酸またはト
リマー酸のC1〜C24エステル類を包含する。また、皮膚軟化剤として使用する
のに適したものには、少なくとも4:1のエステル化剤:糖類のモル比で糖類の
エステル化により調製された糖エステル類、即ち、高アシル糖エステル類を包含
する。
好適な皮膚軟化剤は、ステアリルイソノナエート、イソプロピルパル
ミテート、イソプロピルイソステアレート、セチルオクタノエート、セチルアセ
テート、トリオクチルシトレート、PEGイソセテス−3アセテート、ジオクチ
ルマレエート、プロピレングリコールジカプリレエート/ジカプレート、カプリ
ル/カプリントリグリセリド、鉱油、PPG−20メチルグルコースエーテル、
ラノリンアルコール、及びそれらの混合物から選択される。上述の皮膚軟化剤は
、別個にまたは混合物で使用することができ、約1重量%〜約30重量%の量で
本発明の組成物中に存在することができ、好適には、組成物合計量の約5重量%
〜約15重量%の量で存在する。
また、組成物はコレステロールを含有していても良い。コレステロー
ルが存在する場合、コレステロールは約0.1重量%〜約5重量%の量で配合す
ることができる。
また、組成物は、例えば芳香剤類、ナイロンのような充填剤類、日焼
け止め類、防腐剤類、タンパク質類、酸化防止剤類、キレート剤類及び水中油形
エマルジョンのような付加的な物質を適宜含有することができる。
メーキャップ組成物の他の任意成分は、1種または2種以上の紫外線
吸収剤類である。紫外線吸収剤類は、しばしは日焼け止め剤と記載されるが、こ
れは組成物の合計重量を基準として約1%〜約12%の範囲内の濃度で存在でき
る。好適には、UV吸収剤類は、約2〜8重量%を構成する。より好適には、U
V吸収剤類は、約4〜6重量%の濃度範囲で組成物中に存在する。本発明に使用
するのに適当した紫外線吸収剤の中で、ベンゾフェノン−3、オクチルジメチル
PABA[パジメート(Padimate)O]及びそれらの混合物が特に好適である。
また、キレート剤をメーキャップ組成物に配合することができる。キ
レート剤は、組成物の合計重量を基準として約0.02〜約0.10重量%の範囲
内の濃度で組成物中に存在することが好適である。好適には、キレート剤は、組
成物の合計重量を基準として約0.03〜約0.07重量%の範囲内の濃度で存在
する。組成物に混合することができるキレート剤はEDTA三ナトリウムである
。
ファンデーション組成物の任意成分ではあるが、好適な他の成分は、
1種またはそれ以上の防腐剤である。ファンデーション組成物の合計重量を基準
とするファンデーション組成物中の防腐剤濃度は、約0.2〜約0.8重量%の範
囲内であり、好適には約0.4〜約0.6重量%の範囲内である。本発明に使用す
るのに適した防腐剤は、ジアゾリジニルウレア、メチルパラベン、エチルパラベ
ン、及びそれらの混合物である。
本発明のメーキャップ組成物は、ファンデーション、頬紅、コンシア
ラー、押型パウダー等の形態、好ましくはファンデーション及び頬紅の形態であ
ることができる。
以下の表は、本発明のメーキャップ組成物の組成を説明するものであ
る。
実施例1〜5
第1工程において、相Aの成分と相Bの成分を均一になるまで高速剪
断混合機で混合する。次に、相Cの成分及び相Dの成分を相A及びBの混合物へ
添加して分散するまで混合する。相Eの成分を添加して均一になるまで混合する
。
得られたバッチを混合しながら70℃に加熱する。相Fの成分を約7
0℃に加熱し、次に、水性混合物(A+B+C+D+E)へ添加する。バッチを均
一になるまで混合する。次に、混合物をゆっくり撹拌しながら室温へ冷却する。
得られたメーキャップ組成物を直ぐに包装する。
実施例の組成物は、改善された安定性、改善された油っぽさ/光沢抑
制及び給湿(しっとりとした潤い)効果を示すものであった。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 7/48 A61K 7/48
C09K 19/02 C09K 19/02
(72)発明者 ジャカボヴィック,デイヴィッド アンド
リュー
イギリス国ミドルセックス、ティダブリュ
18、2ディイー、ステインズ、チェリー、
オーチャード 35
(72)発明者 ヴァター,マイケル リー
アメリカ合衆国オハイオ州、オキアナ、カ
リフォルニア、ロード 4159