JPH10504879A - 穴部への固着用固定装置およびその固定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、媒体材における穴部への固着用固定装置およびその固定方法であって、この固定装置は、互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第１のフィンガー部（１５）を有する第１の一般的に中空な円筒状結合部材（１０）と、互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第２のフィンガー部（１５）を有する第２の一般的に中空な円筒状結合部材（２０）と、を有する。これら第１および第２の結合部材は、それぞれのフィンガー部が他のフィンガー部に堅くかみ合うように互いに対向させてこれを配置する。これら第１および第２の結合部材を相対的に互いの方向に向かうように圧縮力（６０）を作用させることにより、少なくとも前記フィンガー部のいくつかが外方に変形し、これら結合部材を媒体材（５０）における穴部（４０）に固着する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 穴部への固着用固定装置およびその固定方法 本発明の背景 本発明は、固定装置およびその固定方法の分野に関するもので、とくに第１ の部材における穴部への固着用の固定装置であって、この第１の部材に第２の部 材を取り付けることができるようにする穴部への固着用固定装置およびその固定 方法に関する。つまり、本発明は、あるひとつの第２の部材、すなわち、円筒状 あるいは管状の部材を、あるひとつの第１の部材における穴部に結合させる装置 に関するものである。また本発明はとくに、医療の分野において応用可能である が、たとえば留め具の一般的な分野、および組立て産業の分野など他の分野にお いてもこれを応用することができる。 単純な操作および迅速な組付け操作により、第１の部材における穴部に第２ の部材を結合させるという装置が要請されている。とくに、医療および外科の分 野においてこうした装置が望まれている。とくに要請されているのは、組織ある いは骨を他の組織あるいは骨に結合するための装置である。さらに要請されてい るのは、人造材料を組織あるいは骨に結合し、とくに、円筒状のあるいは棒状の 物体たとえば人工装具を骨あるいは他の組織における穴部に取り付けるための装 置である。さらに要請されているのは、縫合部を組織に固定あるいは固着し、こ れらの縫合部を他の対象物たとえば他の組織などに結合することができるような 操作容易な装置である。 医療および外科の分野でとくに要請されているのは、第１の対象物に結合し ておき、ついで第２の対象物における穴部にこれを挿入することにより、第１お よび第２の対象物を速やかに固定し一体化する装置である。たとえば、人工装具 を骨に、あるいは骨を骨に結合することができる装置が要請されている。さらに 、その内側が基本的に中空であって、組織や骨の一部、あるいは棒材、ピン、バ ルブ、縫合材など人造材料の一部をその中に配置することができる結合装置が要 請されている。 また、要請されている装置としては、ふたつの対象物をたとえば圧縮操作な どにより、速やかに、かつ簡単な操作で一体に固着することにより、構成要素を 装置の内部に固着し、かつ同時に、たとえば骨などの媒体材に固着する装置であ る。要請されているのは、たとえば骨と骨、組織と骨、あるいは組織と組織など 、ふたつの構成要素を一体に固着する装置であり、この装置はこれを中空として 、挿入した装置を通して流体が通過可能であるようにしたものである。さらに、 要請されているのは、その中を流体が通過することを制御あるいは抑制すること ができる装置である。こうした装置は、医療分野において骨と骨とを連結するた めに利用することができ、たとえば骨折の治療、あるいは背骨の手術などに用い られる。また、こうした装置は、他の材料を骨に、たとえば人工装具を骨に結合 させるために用いることができる。これらの装置はまた、腰部の人工装具、ある いは膝の人工装具に用いることができ、あるいは骨用充填物および歯科用植込み 材としても利用可能である。 さらに、組織を骨に結合することができる結合装置についても要請がある。 この装置は、靭帯の治療、関節間軟骨の治療、および柔組織の治療などに用いる ことができる。また、要請があるのは、たとえば肝臓、肺および脾臓の切除部な ど、組織間の結合を実現することができる装置である。 また、要請があるのは、材料を組織に結合することができる装置である。こ うした装置は、各種の狭窄症に対する応用技術に用いることにより、装置の中空 な中央部を通して、障害物がない通路を食道、前立腺および冠状血管に確保し、 またフィルター、せき止めるバルブ、あるいは塞栓として、さらにたとえば膵臓 のブロック材のように、堰止め材として、用いることができる。 さらに要請があるのは、迅速に結合することができる装置である。こうした 装置は、留め具、および組立て業において用いられ、第２の対象物に位置してい る穴部に第１の対象物を結合することができるものである。 各種の固定装置、迅速な結合装置、およびめくら穴部における固着装置が知 られている。たとえば米国特許第２，１４３，０８６号、第２，１００，５７０ 号、第５，１６１，９１６号、などにおいては、たとえば円錐状の部材により広 げた管状部材など、拡開可能な部材の作用により穴部の内部にネジを固定してい る。米国特許第１，２４７，６２１号では、拡開可能な翼部を有する拡開可能な 部材の作用により穴部の内部にネジを固定している。米国特許第４，２９３，２ ５９号では、下部カットに取り付ける拡開可能な留め部材により固定を行ってい る。 上述のそれぞれの特許において、ネジの一部あるいはネジとは独立した円錐 部材という中間部材を一般的には介して、ネジ部材により拡開部材が広がって穴 部の内部表面に食い込み、取付け作用を行う。 他の米国特許第５，０９４，５６３号においては、ふたつのかみ合うスペー サーが、中空構造を有する壁材に、ある構成要素を固着させている。この特許に おいては、かみ合うフィンガー部材を用いて、中空壁材の表面間を支持して、壁 材の破壊を回避している。 米国再発行特許第３４，２９３号は、靭帯連結方法を開示しており、この方 法は、上述のような組立て用留め具の場合と同様の原理により実行するもので、 すなわち、ネジによって操作される円錐部材により拡開される拡開可能な構成要 素を用いている。米国特許第５，０３７，４２２号は縫合部を骨に固着する骨固 定装置を開示している。この装置は、外表面を鋸歯状とした円錐状にこれを形成 してある。この装置を骨の凹部に圧入すると、円錐形状部分および鋸歯状部分に より骨に固着される。 しかしながら、上述の公知技術のどれも、医療の分野において、骨、組織あ るいは外部の対象物など、ふたつの対象物を一体に固着するために応用すること ができる、単純で、迅速、かつ確実な固定装置を提供するものではない。 発明の概要 本発明の目的は、媒体材における穴部に固着するための固定装置を提供する ことである。 また本発明の目的は、第２の対象物における穴部に第１の対象物を結合する ための固定装置、とくに使用に際して単純で、速やかに作動する装置を提供する ことである。 また本発明の目的は、医療および外科の分野に適している結合装置を提供す ることである。 また本発明の目的は、骨、組織、あるいはたとえば人工装具などの外部の対 象物、さらにはこれらの任意の組み合わせに用いて好適な装置を提供することで ある。 また本発明の目的は、一般的な組立て産業および留め具産業用の迅速な結合 留め具を提供することである。 また本発明の目的は、縫合部を、組織あるいは骨、さらには当該縫合部が直 接に取り付けることできないような他の生体に植え込むことを可能とした、速や かな作動の結合装置を提供することである。 本発明に関する上述のおよび他の目的は、媒体材における穴部に固着するた めの固定装置により達成可能であり、この固定装置は、互いに離れているととも に長さ方向に延びる複数個の第１のフィンガー部を有する第１の一般的に中空な 円筒状結合部材と、互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第２の フィンガー部を有する第２の一般的に中空な円筒状結合部材と、を有し、これら 第１および第２の円筒状結合部材は、それぞれのフィンガー部が他のフィンガー 部に堅くかみ合うように互いに対向させてこれを配置するとともに、これら第１ および第２の結合部材を相対的に互いの方向に向かうように圧縮力を作用させる ことにより、少なくとも前記フィンガー部のいくつかが外方に変形し、これら結 合部材を媒体材における穴部に固定する。 また、本発明の上述の目的は、媒体材における穴部に固着するための固定方 法により達成可能であり、この固定方法では、互いに離れているとともに長さ方 向に延びる複数個の第１のフィンガー部を有する第１の一般的に中空な円筒状結 合部材と、互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第２のフィンガ ー部を有する第２の一般的に中空な円筒状結合部材と、を設け、これら第１およ び第２の円筒状結合部材は、それぞれのフィンガー部が他のフィンガー部に堅く かみ合うように互いに対向させてこれを配置するとともに、これら第１および第 ２の結合部材を相対的に互いの方向に向かうように圧縮力を作用させることによ り、少なくとも前記フィンガー部のいくつかが外方に変形し、これら結合部材を 媒体材における穴部に固定する。 以下、本発明を添付の図面にもとづいて説明し、本発明の他の特徴および効 果について明確にする。 図面の簡単な説明 添付の図面を参照して、本発明をより具体的に以下説明する。 第１図は、本発明による迅速な結合装置の第１の実施の形態を示す斜視図で あって、この装置は、穴部におけるその固着動作を行う前の状態を示す。 第２図は、同、媒体材（図示せず）における穴部にその固着動作を実施した のちの第１図の装置を示す斜視図である。 第３図は、第１図の３−３線断面図であって、スリーブ部材を追加した状態 を示す。 第４図は、第２図の４−４線断面図であっで、同じく、スリーブ部材を追加 した状態を示す。 第５図は、第１図に示した装置の一部の正面図である。 第５Ａ図は、第５図に示した装置の平面図である。 第６図は、本発明による装置の第２の実施の形態の正面図である。 第７図は、第６図の７−７線断面図である。 第８図は、第６図の装置を穴部（図示せず）において動作させた状態を示す 斜視図である。 第９図は、本発明による他の実施の形態の斜視図である。 第１０図は、本発明によるさらに他の実施の形態の斜視図である。 第１１図は、本発明による、生体に縫合部を固定する装置の、またさらに他 の実施の形態の斜視図である。 第１２図は、生体（図示せず）に挿入する前の状態の、第１１図の装置を示 す斜視図である。 第１３図は、生体（図示せず）における穴部に挿入した後の状態の、第１１ 図および第１２図の装置を示す斜視図である。 第１４図は、第１図に示した装置を、物体における穴部に実際に配置した状 態の図面であって、この穴部に円筒状の対象物を固着するためにどのように利用 するかを示している。 発明の詳細な説明 つぎに各図を参照すると、第１図は、本発明による固着装置の第１の実施の 形態の使用前の状態を示す。この装置は、ふたつの結合部材１０、２０を有する 。第１図の装置においては、これらふたつの結合部材１０、２０は同一構造をし ているが、同一構造である必要はない。図示した他の実施の形態においても、こ れらふたつの結合部材は必ずしも同一である必要はない。 ふたつの結合部材１０、２０は、一群のフィンガー部１５を有し、各フィン ガー部１５は他の結合部材のフィンガー部と堅くかみ合うことになる。結合部材 １０、２０は、応用する場合に応じて硬材あるいは軟材など、任意の適当な材料 からこれを構成することができる。ただし、この材料は、必要な程度の柔軟性あ るいは変形可能性を有していなければならない。なぜならば、フィンガー部１５ は以下により詳細に説明するように、固着機能を達成するために変形する必要が あるからである。適当な材料としては、医療の分野において使用する場合には、 生体との適合性を有する金属とすることができ、一般的な組立て用の留め具とし て用いる場合には、プラスチックあるいは任意の金属、さらには必要な柔軟性あ るいは変形可能性を有するプラスチックなどを用いることができる。 この装置を使用するためには、第１の対象物、たとえば第１４図に示すよう な、円筒部材あるいはロッド部材３０を結合部材１０の開口部２２の内部に配置 するとともに、結合部材２０の開口部２２に固定する。第１の対象物３０は、応 用分野、ならびに結合部材２０および対象物３０の構造にもよるが、任意の適当 な手段によりこれを結合部材２０に固着することができる。適当な取付け手法と しては、たとえば接着剤による方法、あるいは溶接による方法などがある。結合 部材１０の大きさとしては、好ましくは、固着する対象物３０をその開口部２２ 内においてぴったりと固定可能であるサイズがよい。対象物３０を囲んで互いに 堅くかみ合う結合部材１０、２０は、つぎに対象物５０（媒体材）における穴部 ４０にこれを配置し、対象物５０内に対象物３０が固着される。結合部材１０、 ２０の外径は、好ましくは、穴部４０内にぴったりと固着可能であるサイズがよ い。詳細には示していないが、たとえば第１４図において符号６０により概略的 に示している部材が、結合部材１０、２０の内部に固着した対象物３０の外周に 位置し、この部材６０を用いて結合部材１０、２０を一体に圧接させる。すなわ ち、たとえば結合部材１０を結合部材２０の内部に堅く挿入する。本発明による 固定装置をその内部に固着する対象物５０が、軸方向の力に対抗した充分な強さ を有していないときには、部材６０が結合部材１０を結合部材２０に圧入する際 に同時に軸方向の動きに対して部材６０が対象物３０を支持するようにすること が望ましい。かくして、対象物３０内に（たとえば溶接あるいは接着などにより ）固着した結合部材２０が移動することを防止し、対象物５０に対して軸方向の 対抗力を発揮させる。第２図は、結合部材１０、２０を互いの方向に相対的に移 動させたのちの状態における装置を示す。 結合部材１０、２０のそれぞれにおいて、堅くかみ合ったフィンガー部１５ が圧縮力により外方に変形されることになる。フィンガー部１５を外方に変形さ せることにより、結合部材１０、２０を穴部４０内に固着させることができる。 フィンガー部１５の先端部が、互いに反対方向に延び、長さ方向における外方お よび内方への移動に抗して、摩擦力により装置を穴部に固着することになる。結 合部材１０、２０が穴部４０内に固着されると同時に、圧縮力による作用により 開口部２２の直径を強制的に減少させることになるため結果として、対象物３０ もまた結合部材１０に、したがって、対象物５０における穴部４０内に堅く固着 されることになる。 フィンガー部１５の外方への変形を促進するためには、第３図、第４図およ び第５図に明確に示すように、これらフィンガー部１５がテーパー状部分１７を 有することが好ましい。さらに、第５図に示すように、フィンガー部１５の間に おける部分１９（縁部）もまたこれをテーパー状に形成することにより、結合部 材１０、２０を一緒に圧接したときにフィンガー部１５の外方への変形を促進す る。 第６図は、本発明の第２の実施の形態を示す。この実施の形態においては、 ふたつの結合部材１０’、２０’が異なっている。結合部材１０’は、第１図の 結合部材１０と同様であるが、そのテーパー状部分１９’（縁部）が逆向きにな っていること、すなわち、これらが外方にではなく内方に向いている点で異なっ ている。結合部材２０’は、さらに異なっていて、たとえば第５図に示すものと は反対方向にテーパー状となっている端部１７’を有するフィンガー部１５’を 有する。さらに結合部材１０’はまた、第１図の結合部材１０とは、たとえば第 １図あるいは第５図に示すようなものとは部分１９’のテーパー方向が逆である 。このような構成とした理由は、結合部材１０’のフィンガー部１５とかみ合う フィンガー部１５’を外方ではなく内方に変形させるためである。こうすること により、たとえば対象物３０を、結合部材１０’、２０’の中心を通して開口部 ２２内にさらに強力に固着することができる。第１図の実施の形態、および第６ 図の実施の形態はいくつかの点で互いに異なってはいるが、対象物３０を他の対 象物５０における穴部４０に固着ないし固定するという同一の目的を実質的に達 成することができる。第１図の装置は、フィンガー部１５がすべで外方に変形す るため、対象物３０に対して摩擦力による係合の程度はより少ないものであるが 、それぞれのフィンガー部１５の側面が近接しているので、ねじれ剛性は、より 大きいものである。第６図の装置では、そのフィンガー部がかみ合うが、結合部 材１０’、２０’が一度一体に圧接されたのちにはそれほど大きな長さにわたっ てその側面が接触しているわけではない。この状態を第８図に示してある。 第８図は、第６図による上述の第２の実施の形態において、ふたつの結合部 材１０’、２０’が互いの方向に向かって圧接され、フィンガー部１５を外方に 、フィンガー部１５’を内方にそれぞれ変形させた状態を示している。 第３図および第４図に示すように、結合部材１０および結合部材２０と、開 口部２２に位置している対象物３０との間の内壁部２２にスリーブ部材７０を設 けることもできる。このスリーブ部材７０には、突出片７２を形成することがで き、この突出片７２により結合部材１０、２０を互いの方向に向かって相対的に 移動させることができ、かくして装置の固着を行わせることができる。 第９図は、本発明の他の実施の形態を示し、この場合には、それぞれの結合 部材１０’’、２０’’に、より多くのかみ合わせ用フィンガー部１５を形成し てある。この装置は、他の構成に関しては、第１図に示したものと同様であるが 、摩擦による固着の程度、およびねじり作用に対する抵抗力の程度をより強化し ている。 第１０図は、本発明によるさらに他の実施の形態を示し、この場合には、三 つの結合部材１００、１１０、１２０を有している。これらの結合部材１００、 １１０、１２０をひとつに組み合わせて一緒に圧縮すると、フィンガー部１０２ 、１１２、１１４、１２２が、すべて外方あるいは内方に変形し、あるいは組み 合わせによっては固着の程度を所望のものとすることができる。たとえば、フィ ンガー部１２２、１０２が外方に変形し、他のフィンガー部１１２、１１４が内 方に変形するようにすることができる。すでに第１図の実施の形態に関して説明 しているように、それぞれのフィンガー部の特定の変形は、これらフィンガー部 の端部、およびフィンガー部の間の領域がどのようにテーパー形状とされている かによって実現することができる。 第１１図、第１２図および第１３図は、本発明によるまたさらに他の実施の 形態を示しており、この場合には、縫合部を、たとえば生体組織など通常は他の 方法では簡単に固着することができない対象物に固定することができる。第１１ 図、第１２図および第１３図による装置は、結合部材１５０、１６０を有する。 結合部材１５０、１６０は、互いにかみ合うフィンガー部１５５、１６５をそれ ぞれ有している。縫合部１７０を、符号１７２に示すように結合部材１６０の下 端部に固着する。この縫合部を結合部材１６０の中央部および結合部材１５０の 中央部を通して挿通する。挿入用チューブ１８０を設け、これを結合部材１５０ の中央部を通して配置することができる。縫合部は、チューブ１８０の中空な中 央部を通してこれを供給する。使用に先立って、第１２図に示すように、ふたつ の結合部材１５０、１６０を配置する。この際、それぞれのフィンガー部１５５ 、１６５が互いにぴったり当接するように、ただし、円筒状の結合部材１５０、 １６０により規定される容積から、どのフィンガー部も外方に変形しないように する。チューブ１８０が、結合部材１５０の少なくとも内部にすべりばめを形成 する。ただし、このすべりばめは結合部材１６０の内部であってもよい。しかし ながら、このことは必ずしも必要ではない。なぜならば、堅くかみ合うフィンガ ー部１５５が、結合部材１６０を結合部材１５０に固着した状態を保持するから であり、かくして結合部材１５０、１６０を開口部に挿入することができるから である。 つぎに、第１２図に示すような状態に縫合部が連結されるべき物体中の開口 部に結合部材１５０、１６０を挿入する。この開口部への挿入ののち、縫合部に 対してハンドル１９０を引くようにすることにより、縫合部に適宜の引っ張り力 を発生させる。この引張り力により、結合部材１６０が結合部材１５０の方向に 向かって移動し、第１３図に示すように、フィンガー部１５５、１６５が、外方 に変形することにより、生体における開口部に結合部材１０、２０を固着する。 これに代わって、チューブ１８０の外径のまわりに係合する他の部材２００を結 合部材１５０に向かって圧接することも可能で、他の部材２００を下方に押し、 その一方て縫合部１７０を引っ張り上げることにより、ふたつの結合部材１５０ 、１６０を互いの方向に向かって相対的に移動させる。 ふたつの結合部材１５０、１６０を互いの方向に向かって相対的に移動させ たのち、たとえば、部材２００への圧力を維持して結合部材１５０をその位置に 保持したまま、結合部材１５０からチューブ１８０を取り除く。かくして縫合部 １７０が生体における開口部に固定ないし固着されることになる。この固着され た状態は、開口部に固着している結合部材１５０、１６０のフィンガー部１５５ 、１６５の作用により達成されている。したがって縫合部１７０は、たとえば、 池の組織など、他の対象物を生体に固着するためにもこれを使用することができ る。 本発明について、その特定の実施の形態にもとづいて説明してきたが、他の 変形ないし修正構造および他の使用方法などは、当業者には明白である。したが って、本発明は図示および既述の内容に限定されるものではなく、添付のクレー ムの既述によってのみその範囲を限定される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＭ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，Ｂ Ｒ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 媒体材における穴部への固着用固定装置であって、 互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第１のフィンガー部を 有する第１の一般的に中空な円筒状結合部材と、 互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第２のフィンガー部を 有する第２の一般的に中空な円筒状結合部材と、を有し、 これら第１および第２の円筒状結合部材は、それぞれのフィンガー部が他の フィンガー部に堅くかみ合うように互いに対向させてこれを配置するとともに、 これら第１および第２の円筒状結合部材を相対的に互いの方向に向かうよう に圧縮力を作用させることにより、少なくとも前記フィンガー部のいくつかが外 方に変形し、これら円筒状結合部材を媒体材における穴部に固定することを特徴 とする穴部への固着用固定装置。 ２ 前記圧縮力に応じて、前記両方の複数個のフィンガー部が外方に変形す ることを特徴とする請求項１記載の穴部への固着用固定装置。 ３ 前記圧縮力に応じて、一方の前記複数個のフィンガー部が外方に変形す るとともに、他方の前記複数個のフィンガー部が内方に変形することを特徴とす る請求項１記載の穴部への固着用固定装置。 ４ 前記複数個のフィンガー部のそれぞれは、先端部を有し、 これらの先端部をテーパー状に形成することにより、当該フィンガー部の外 方あるいは内方への変形を促進するようにしたことを特徴とする請求項１記載の 穴部への固着用固定装置。 ５ 前記それぞれの結合部材は、前記フィンガー部の間に縁部を有し、 この縁部をテーパー状に形成することにより、当該フィンガー部の外方ある いは内方への変形を促進するようにしたことを特徴とする請求項４記載の穴部へ の固着用固定装置。 ６ 前記フィンガー部の前記先端部は、前記それぞれの結合部材の中空の中 央部に向かって、あるいはこの中央部から離れるように、これをテーパー状に形 成してあることを特徴とする請求項５記載の穴部への固着用固定装置。 ７ 前記圧縮力を作用させるための手段をさらに有することを特徴とする請 求項１記載の穴部への固着用固定装置。 ８ 前記圧縮力を作用させるための手段は、前記ふたつの結合部材の内側に はめ込むスリーブ部材を有し、 このスリーブ部材は、前記ふたつの結合部材のいずれかに係合するための外 方に向かう当接部を有し、 前記結合部材の方向に沿った力がこのスリーブ部材に加わったときに、この 当接部が前記ふたつの結合部材を互いの方向に相対的に移動させることを特徴と する請求項７記載の穴部への固着用固定装置。 ９ 前記媒体材における穴部に固着するための、前記ふたつの結合部材の中 央部に挿入する部材を有することを特徴とする請求項１記載の穴部への固着用固 定装置。 １０ 前記ふたつの結合部材は、これを金属により構成したことを特徴とする 請求項１記載の穴部への固着用固定装置。 １１ 前記金属は、生体との適合性を有する金属であることを特徴とする請求 項１０記載の穴部への固着用固定装置。 １２ 前記結合部材は、これをプラスチックにより構成したことを特徴とする 請求項１記載の穴部への固着用固定装置。 １３ 前記プラスチックは、生体との適合性を有するプラスチックであること を特徴とする請求項１２記載の穴部への固着用固定装置。 １４ 前記ふたつの結合部材の少なくとも一方に結合させる縫合部をさらに有 することを特徴とする請求項１記載の穴部への固着用固定装置。 １５ 前記ふたつの結合部材の少なくとも一方の中央部に挿入する中空のチュ ーブをさらに有し、 前記縫合部を前記ふたつの結合部材のそれぞれの中央部およびこのチューブ の中空の内部に通し、 さらに、このチューブ、および前記ふたつの結合部材の少なくとも一方の結 合部材と協動することにより、前記結合部材を互いの方向に相対的に移動させ、 前記圧縮力を発生させる手段を有することを特徴とする請求項１４記載の穴部へ の固着用固定装置。 １６ 前記チューブにハンドルをさらに設け、このハンドルを使用者が握って 操作し、前記縫合部を引っ張ることにより、前記圧縮力を発生させるようにした ことを特徴とする請求項１５記載の穴部への固着用固定装置。 １７ 前記圧縮力を発生させる手段は、前記ふたつの結合部材の少なくとも一 方と係合するように前記チューブのまわりに配置するとともに前記圧縮力を作用 させることができるようにした対象物を有することを特徴とする請求項１５記載 の穴部への固着用固定装置。 １８ 前記チューブは、前記圧縮力を作用させたのちに、前記ふたつの結合部 材の少なくとも一方からこれを取り除くことができるようにしたことを特徴とす る請求項１５記載の穴部への固着用固定装置。 １９ 前記第１の結合部材および第２の結合部材の間に、少なくともひとつの 中間結合部材をさらに有し、 この中間結合部材は、長さ方向に延びる第１および第２の複数個のフィンガ ー部を有し、 これらのフィンガー部は、前記第１の結合部材および第２の結合部材のそれ ぞれの前記複数個のフィンガー部に係合するようになっていることを特徴とする 請求項１記載の穴部への固着用固定装置。 ２０ 前記ふたつの結合部材の中央部に、そのいずれか一方から最も遠い位置 に挿入した前記部材を固着する手段をさらに有することを特徴とする請求項９記 載の穴部への固着用固定装置。 ２１ 前記固着する手段は、溶接手段あるいは接着手段を有することを特徴と する請求項２０記載の穴部への固着用固定装置。 ２２ 前記圧縮力を発生させる手段をさらに有し、 この手段は、前記ふたつの結合部材の最も近い一方を、最も遠い他方に向か わせる部材を有することを特徴とする請求項２０記載の穴部への固着用固定装置 。 ２３ 前記圧縮力が作用したときに、軸方向の移動に対して前記ふたつの結合 部材の最も遠い一方を固着する手段をさらに有することを特徴とする請求項２２ 記載の穴部への固着用固定装置。 ２４ 媒体材における穴部への固定装置の固定方法であって、 互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第１のフィンガー部を 有する第１の一般的に中空な円筒状結合部材を設ける工程と、 互いに離れているとともに長さ方向に延びる複数個の第２のフィンガー部を 有する第２の一般的に中空な円筒状結合部材を設ける工程と、 これら第１および第２の結合部材を、それぞれのフィンガー部が他のフィン ガー部に堅くかみ合うように互いに対向させて配置する工程と、 これら第１および第２の結合部材を相対的に互いの方向に向かうように圧縮 力を作用させることにより、少なくとも前記フィンガー部のいくつかが外方に変 形し、これら結合部材を前記媒体材における穴部に固定する工程と、 を有することを特徴とする穴部への固定装置の固定方法。 ２５ 前記圧縮力に応じて、前記両方の複数個のフィンガー部が外方に変形す ることを特徴とする請求項２４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ２６ 前記前記圧縮力に応じて、一方の前記複数個のフィンガー部が外方に変 形するとともに、他方の前記複数個のフィンガー部が内方に変形することを特徴 とする請求項２４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ２７ 前記複数個のフィンガー部のそれぞれは、先端部を有し、 これらの先端部をテーパー状に形成する工程を設けることにより、当該フィ ンガー部の外方あるいは内方への変形を促進するようにしたことを特徴とする請 求項２４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ２８ 前記それぞれの結合部材は、前記フィンガー部の間に縁部を有し、 この縁部をテーパー状に形成する工程を設けることによって、当該フィンガ 一部の外方あるいは内方への変形を促進するようにしたことを特徴とする請求項 ２７記載の穴部への固定装置の固定方法。 ２９ 前記フィンガー部の前記先端部を、前記それぞれの結合部材の中空の中 央部に向かって、あるいはこの中央部から離れるように、テーパー状に形成する 工程を有することを特徴とする請求項２８記載の穴部への固定装置の固定方法。 ３０ 前記圧縮力を作用させるための工程は、前記ふたつの結合部材の内側に スリーブ部材をはめ込む工程を有し、 このスリーブ部材は、前記ふたつの結合部材のいずれかに係合するための外 方に向かう当接部を有し、 前記結合部材の方向に沿った力をこのスリーブ部材に加えることにより、こ の当接部が前記ふたつの結合部材を互いの方向に相対的に移動させることを特徴 とする請求項２４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ３１ 前記媒体材における穴部に固着するための、前記ふたつの結合部材の中 央部に挿入する部材を設ける工程をさらに有することを特徴とする請求項２４記 載の穴部への固定装置の固定方法。 ３２ 前記ふたつの結合部材を設ける工程は、該結合部材を金属により構成し て設ける工程を有することを特徴とする請求項２４記載の穴部への固定装置の固 定方法。 ３３ 前記金属からなる前記結合部材を設ける工程は、該結合部材を生体との 適合性を有する金属により構成して設ける工程を有することを特徴とする請求項 ３２記載の穴部への固定装置の固定方法。 ３４ 前記結合部材を設ける工程は、該結合部材をプラスチックにより構成し て設ける工程を有することを特徴とする請求項２４記載の穴部への固定装置の固 定方法。 ３５ 前記プラスチックからなる前記結合部材を設ける工程は、該結合部材を 生体との適合性を有するプラスチックにより構成して設ける工程を有することを 特徴とする請求項３４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ３６ 前記ふたつの結合部材の少なくとも一方に縫合部を結合させる工程をさ らに有することを特徴とする請求項２４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ３７ 前記ふたつの結合部材の少なくとも一方の中央部に中空のチューブを挿 入する工程をさらに有し、 前記縫合部を前記ふたつの結合部材のそれぞれの中央部およびこのチューブ の中空の内部に通し、 さらに、前記結合部材を互いの方向に相対的に移動させ、前記圧縮力を発生 させるようにする工程を有することを特徴とする請求項３６記載の穴部への固定 装置の固定方法。 ３８ 前記結合部材を互いに相対的に移動する工程は、前記縫合部を引っ張る ことにより、前記圧縮力を発生させるようにした工程を有することを特徴とする 請求項３７記載の穴部への固定装置の固定方法。 ３９ 前記圧縮力を発生させる工程は、前記ふたつの結合部材の少なくとも一 方と係合するように前記チューブのまわりに配置するとともに前記圧縮力を作用 させることができるようにした対象物を設ける工程を有することを特徴とする請 求項３７記載の穴部への固定装置の固定方法。 ４０ 前記圧縮力を作用させたのちに、前記ふたつの結合部材の少なくとも一 方から前記チューブを取り除く工程をさらに有することを特徴とする請求項３７ 記載の穴部への固定装置の固定方法。 ４１ 前記第１の結合部材および第２の結合部材の間に、少なくともひとつの 中間結合部材をさらに設ける工程を有し、 この中間結合部材は、長さ方向に延びる第１および第２の複数個のフィンガ ー部を有し、 これらのフィンガー部は、前記第１の結合部材および第２の結合部材のそれ ぞれの前記複数個のフィンガー部に係合するようになっていることを特徴とする 請求項２４記載の穴部への固定装置の固定方法。 ４２ 前記ふたつの結合部材の中央部に、そのいずれか一方から最も遠い位置 に挿入した前記部材を固着する工程をさらに有することを特徴とする請求項３１ 記載の穴部への固定装置の固定方法。 ４３ 前記ふたつの結合部材のいずれか一方から最も遠い位置に挿入した前記 部材を固着する前記工程は、溶接あるいは接着剤を用いる工程を有することを特 徴とする請求項４２記載の穴部への固定装置の固定方法。 ４４ 前記ふたつの結合部材の最も近い一方を、最も遠い他方に向かわせるこ とにより、前記圧縮力を発生させる工程をさらに有することを特徴とする請求項 ４２記載の穴部への固定装置の固定方法。 ４５ 前記圧縮力が作用したときに、軸方向の移動に対して前記ふたつの結合 部材の最も遠い一方を固着する工程をさらに有することを特徴とする請求項４４ 記載の穴部への固定装置の固定方法。