JPH10504239A - シートに塗布材料を塗布する方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 個別シート（例えば、ペーパー）は、該シートを重ね合わせることによってリポジッショナル接着剤が塗布されてシートの疑似ウェブが形成され、該疑似ウェブの片面に連続ストリップ状に接着剤が塗布される。その後、シートは積層されて整形され、リポジッショナルノートのパッドが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 シートに塗布材料を塗布する方法及び装置 技術分野 本発明は、塗布材料（例えば感圧接着剤）を複数の個別シート（例えば複数の 用紙）に塗る方法に関する。 発明の背景 特定の分野では、用紙に塗布材料を塗布する必要がある。また、従来、この塗 布材料は、個別シートよりもむしろロールから繰り出されたペーパーウェブに塗 布されている。例えば、いわゆるリポジッショナルノート（貼り替え可能なノー ト）の場合、ペーパーウェブの一方の面にプライマー材料を他方の面に低接着性 のバックサイズ（又は離型）材料を塗布した後、上記プライマー材料の上にリポ ジショナルな接着剤を塗布することが知られている。上記ウェブは塗装と巻き戻 しの間に乾燥され、その後塗装されたロールが上記ノートを製造するために使用 するシートに切断される。 塗布材料がペーパーウェブに連続的に塗布される、リポジッショナルノートを 製造する方法が、ＷＯ−Ａ−８７／０５３１５に記載されている。 ペーパーウェブよりもカットシートに塗布材料を塗布するのが望ましい場合が ある。例えば、リポジッショナルノートを製造する場合、製造プロセスの融通性 を増すために、無地のペーパーウェブを使用する代わりに、予め印刷された用紙 を供給源として使用することが望ましい。しかしながら、個別のリポジッショナ ルノートに所定の塗布材料を塗布する場合に困難を生じ、個別シートにリポジッ ショナルな接着剤を塗布することに問題を生じることがある。そこで、これらの 問題を解消するために、「シートに塗布材料を塗布する方法及び装置」と題した １９９４年２月１５日に出願された係属中の米国特許出願番号０８／１９６，４ ９０号に、個別シートの端部と端部を重ね合わせてウェブ状（すなわち、疑似ウ ェ ブ）にし、リポジッショナルな接着剤を含む塗布材料を重ね合わされたそれぞれ のシートに塗布することが提案されている。塗布材料の塗布後、上記シートは積 層され切断されてリポジッショナルノートが形成される。 しかしながら、シートに塗布材料を塗布する既存の装置（上述の米国特許出願 ０８／１９６，４９０号を含む）はそれ自体有用なものであるが、特定のシート 材料上にある材料を塗布する場合に有効でないし効率的でないことが知られてい る。したがって、塗布材料を塗る新たな方法と装置が望まれている。 発明の概要 本発明は、対向する端部及び側部並びに面を有する複数のシート部材に水系塗 布材料を塗布する方法を提供するものである。この方法は、（ａ）複数のシート 部材を端部と端部を重ねて配置し、（ｂ）上記重ね合わせたシート部材を通路に 沿って搬送し、（ｃ）上記通路に沿って、重ね合わせたシート部材に接触する転 写面を有し且つ高周波に対して反応しない中間キャリアを設け、（ｄ）上記シー ト部材の通路から離れた位置で上記中間キャリアの転写面に水系塗布材料を塗布 し、（ｅ）上記塗布材料の水分を所望のレベルまで減少するために、工程（ｄ） の後であって工程（ｆ）の前に、上記水系塗布材料を高周波放射に晒し、（ｆ） 上記中間キャリアとシート部材との間の接触部を通じて、重ね合わされた各シー ト部材の面の一方に塗布材料を漸次塗布するために上記中間キャリアを前進させ る、工程を含む。 一つの実施形態では、上記方法はさらに、工程（ｆ）の後に、（ｇ）中間キャ リアから塗布材料の塗布されたシート部材を連続して分離する工程を含む。 本発明の他の実施形態では、工程（ｇ）は、大気圧よりも低い圧力をシート部 材の中間キャリアと反対側に作用させて、中間キャリアからシート部材を分離す る工程を含む。 別の実施形態では、上記シート部材がペーパーで、上記工程（ａ）が、（ｈ） 上記シート部材のカールと皺を減少するために、ペーパーシートの機械方向を上 記通路に整列させる工程を含む。 本発明はまた複数のシート部材に水系塗布材料を塗布する装置を含む。一つの 実施形態では、装置は、通路に沿って複数のシート部材を端部と端部を重ねて搬 送するコンベヤを含む。この装置はまた、所定量の水系塗布材料を所望の割合で 制御可能に分配するディスペンサと、上記ディスペンサの近傍に支持された中間 キャリアを含む。上記中間キャリアは、上記シート部材の通路に伸びる転写面を 有し、上記転写面は上記通路に沿って、重ね合わされたシート部材に接触するよ うにしてある。上記転写面は重ね合わされたシート部材との横断方向の接触部か ら離れた場所で塗布材料を受けるために上記ディスペンサに提供される。上記中 間キャリアは上記ディスペンサから重ね合わされたシート部材に塗布材料を転写 するために前進可能である。上記キャリアは高周波放射に対して反応しない。高 周波放射源は、上記中間キャリアから重ね合わされたシート部材に塗布材料を転 写する前に塗布材料の水分を減少するために、中間キャリアの転写面上の水系塗 布材料に向けられている。 本発明の他の実施形態では、通路に沿って複数のシート部材を端部と端部を重 ねて搬送するコンベヤと、所定量の水系塗布材料を所望の割合で分配可能なダイ とを含む。中間キャリアは上記シート部材の通路に伸びる転写面を有し、上記転 写面は通路に沿って重ね合わされたシート部材に接触するようにしてある。転写 面は重ね合わされたシート部材から離れた場所で塗布材料を受けるためにディス ペンサに提供される。中間キャリアは、上記ディスペンサから重ね合わされたシ ート部材に塗布材料を転写するために前進可能である。装置はまた、中間キャリ ア上の塗布材料の水分を所望のレベルに低下させるために、中間キャリアの転写 面上の水系塗布材料に向けられた乾燥機を含む。 本発明の他の実施形態では、装置は複数のシート部材の水系塗布材料を塗布す る装置と共に使用される。この装置は、通路に沿って複数のシート部材を端部と 端部を重ねて搬送するコンベヤと、所定量の水系塗布材料を所望の割合で制御可 能に分配するディスペンサと、上記ディスペンサの近傍に支持されたキャリアで あって、該キャリアはシート部材の通路に伸びる転写面を有し、上記転写面は上 記通路に沿って重ね合わされたシート部材に接触するようにしてある中間キャリ アを含む。転写面は重ね合わされたシート部材との横断方向の接触部から離れた 場所で塗布材料を受けるためにディスペンサに提供される。中間キャリアはディ スペンサから重ね合わされたシート部材に塗布材料を転写するために前進可能で ある。本発明のこの実施形態は、上記シートの通路の近傍に配置され且つ塗布材 料の塗布後にシート部材と接触するようにしてある分離ローラを含む。分離ロー ラは真空源に接続され且つ中間キャリアからシートを分離するためにシート部材 に真空を作用させるようにしてある。 図面の簡単な説明 添付図面を参照して具体例により本発明の実施形態を説明する。ここで、複数 の図面において、同一の構成は同一の符号が参照されている。 図１は、本発明にかかる塗布部を含む装置の概略側面図である。 図２は、図１に示す装置の概略平面図である。 図３は、図１に示す装置の部分側面図である。 図４は、図３における矢印４の方向から見た部分拡大図である。 図４Ａは、図４の塗布ローラと平坦なストリップの側面図である。 図５は、図４の一部を大きく拡大した図である。 図６は、図１に示す装置の改良版の側面図である。 図７は、図６に示す装置の部分詳細図である。 図８は、図６の矢印８方向から見た、図４に類似の部分拡大図である。 図９は、図１と６に示す装置の要素の一部の断面図である。 図１０は、図１又は図６に示す装置の転写ベルトにマニアル塗布されたリポジ ッショナル接着剤の顕微鏡写真である。 発明の詳細な説明 図１と２に概略を示す装置は、特に、任意の適当な基材〔例えば、紙、高分子 フィルム（限定的ではないが、ポリプロピレン、ポリエステル、ピリエチレンな どを含むもの）〕、又は金属薄膜のシートから作られたリポジッショナルノート の製造に用いられるものである。特に、当該装置は、プライマー材料、低接着性 のバックサイズ（ＬＡＢ）材料、及びその後のリポジッショナル接着剤を個別シ ートに塗布するのに使用され、これにより上記使用はリポジッショナルノートを 形成するために使用できる、ものである。米国特許第４，５９８，１１２号及び ４，８２２，６７０号に記載されているプライマーと同様に、酸化亜鉛系プライ マーが、本発明の方法及び装置に有効である。本発明の方法及び装置に用いられ るＬＡＢは、１９９４年３月３１日に出願され且つ本発明の譲受人に譲渡された 係属中の米国特許出願第０８／０４０，８７６号に記載されている。以下の説明 において、シート（これは予め印刷されていてもよい）はペーパーとする。 図１に示す装置はペーパー通路入口１を有し、これは任意の適当な供給源（例 えば、図示しない積層部）から連続して送られるペーパーシートを受け入れる。 このペーパーは、任意の紙−ミネソタ州セントポールのミネソタ・マイニング・ アンド・マニュファクチャリング・カンパニー（“３Ｍ”）によって販売されて いるポスト・イット（登録商標）のブランドのリポジッショナルノートを構成す るのに利用できる紙−であってもよい。このペーパーシートは、厚みだけでなく 、任意の適当な大きさ（限定的ではないが、Ａ２、Ａ４、及び８．５インチ×１ １インチのような標準的な大きさを含む）で提供し得るが、ペーパーは好ましく は単位平方メートル当たり４５グラム又は９０グラム、最も好ましくは７０グラ ムである。このようなシートは、先端縁、後端縁、及び長手方向の縁、並びに対 向する主平面を有する。 ペーパー通路入口１から、シートは、矢印２で示す方向に、両面塗布ステーシ ョン３、シート重合ステーション４、乾燥機５、シート案内部６を介して搬送さ れる。 両面塗布ステーション３は、重合ステーション４とともに、「塗布材料をシー トに塗布する方法及び装置」と題し、本発明の譲受人に譲渡された同日の係属特 許出願の主題で、その係属出願の内容は本出願に引用されている。上記係属中の 特許出願に記載されているように、複数の個別シートＳは両面塗布ステーション ３を通り、一方の面（図１の上面）にプライマー材料が塗布され、対向する他方 の面にＬＡＢが塗布される。次に、重合ステーション４で、シートは端々関係を もって（すなわち、各シートＳの一方の端部を隣接するシートＳの端部に重ねて ）ウェブ状に重合される。重合されたシートからなる疑似ウェブは乾燥機５に移 動し、そこでシート上のプライマー材料とＬＡＢから水分が除去される。次に、 乾燥したシートＳはガイド部（又は図３と６’に示す別のガイド部６’で）で側 部がレジスト調整され、これらは本発明の接着剤塗布ステーション７に入る前に 一列に整列される。 代わりに、シートは、別々に適当なＬＡＢとプライマー（又は他の好ましい塗 布材料）を適当な方法で塗布し、保管し、その後、端々関係をもって重ね合わせ た状態で、本発明の装置に提供してもよい。 接着剤塗布ステーション７は、ペーパー通路出口８ｃに通じる通路８ｂに沿っ て、入口８ａで重合されたシートＳを受ける。シートは、各シートの後端部が次 のシートの先端部に重ねるように重合されている。それぞれのステーションにお ける駆動の制御や同期は、例えばジーメンスＰＬＣ１３５のような、中央電気制 御ユニット（図示せず）で行われる。ペーパー通路８ｂには、コンベア（図１に は図示せず）又はウェブ状のシートを受ける同様のものが設けてあり、所望速度 で入口８ａから出口８ｃにシートを搬送する。 塗布ステーション７では、重合されたシートであってプライマーがすでに塗布 されている面の各露出部に塗布材料（好ましくは感圧接着剤）が塗布される。上 記接着剤は感圧接着剤や水系接着剤であり、例えば、ハワードに付与された米国 特許４，４９５，３１８号、又はシルバーに付与された米国特許３，６９１，１ ４０号に記載されているリポジッショナルな微小球形感圧接着剤が好ましい。例 えば、本発明で用いられている接着剤は、ミネソタ州セントポールのミネソタ・ マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー（“３Ｍ”）よって 販売されているポスト・イット（登録商標）のブランドのリポジッショナルノー トで使用する場合は、球形の感圧接着剤である。この接着剤の組成は、欧州特許 第４３９，９４１号、米国特許第５，０４５，５６９号、４，１６６，１５２号 、３，６９１，１４０号、３，８５７，７３１号、及び再発行特許第２４，９ ０６号に記載されており、これらの内容は本出願に引用されている。本発明で使 用する接着剤はまた、有機溶剤を含む、従来から知られているフィルム形成材料 を含む。 接着剤は、接着剤が塗布された中間キャリア２０をシートに接触させることで 塗布される。本発明の図示する実施形態では、中間キャリアは転写ベルト２０の 形をしており、これはローラ２１の周囲に巻回された無端ベルトで、少なくとも その一つはベルトが矢印２の方向に進むように駆動される。これに代えて、例え ば、ディスペンサとシート部材の両方に接触する円筒ドラムのような構成として もよい。以下の説明では中間キャリアは転写ベルトをいうが、本発明はこれに限 定されるものではない。 転写ベルト２０が移動する（シートＳを搬送するコンベア８ｂの進行速度とほ ぼ同一であるのが好ましい）と、これは塗布機構２３、乾燥機２４、及び転写ス テーション２５を通る。これらは以下に詳細に説明する。接着剤は、転写ステー ション２５で重ね合わせたシートに転写される前に、少なくとも一部を乾燥機２ ４で乾燥する（すなわち水分含有率が所望レベルに下げる）のが好ましい。例え ば、水系接着剤の水分含有率は乾燥前がほぼ５０％から８０％、乾燥後が０％か ら５０％である。実質的にすべての水分が乾燥工程で除去されるのが望ましい。 上述の継続中の米国特許出願第０８／１９６，４６０号に比べて、後に詳述する ように、実質的に完全に接着剤が乾燥され、効果的に転写ベルトからペーパーシ ートに転写される点が、本発明の一つの利点である。 塗布機構２３は、転写ベルトの転写面に感圧接着剤を長手方向に帯状に少なく とも一つ塗布する。塗布機構２３の一実施形態が図３に詳細に示してある。接着 剤は、逆方向に回転するグラビアローラ２８によりベルト２０上に塗布される。 グラビアローラはベルトの幅を越えて広がり、コーティングステーション７でベ ルトに接触する。セル又はキャビティを有する少なくとも一つのグラビアリング ２９（図４参照）がローラの表面に形成されており、各リングはベルトの帯状接 着剤の所望の場所でローラの回りに延在する。図４には３つのグラビアリング２ ９が示してあり、これによりベルト２０上に３つの長手方向に伸びる接着剤の帯 （ストリップ）３６が形成される。しかし、これは本質的なことではない。一つ のリング２９のセル３０の拡大図が図５に示してあり、この図から各セルがほぼ 逆ピラミッドの形をしていることが判る。一般に、リング２９の単位センチメー トル当たり、２４個のセル列３０Ａが存在する。図５に示す特定のグラビア模様 は本質的なものでなく、必要に応じてストリップ３６における接着剤の分布を変 えるために変更してもよい。 ローラ２８でベルト２０に塗布される接着剤はポンプ３１でタンク３２から塗 布機構２３のトラフ（槽）３３に供給される。計量ローラ３４がトラフ中で接着 剤に浸けてあり、この計量ローラは回転しながら接着剤を採取する。この接着剤 は次に反転グラビアローラ２８（特に、リング２９のセル）に転写される。一以 上のドクターブレード（図３の符号３５のようなもの）がローラ２８に係合し、 余分な接着剤を除去し、ローラ上のすべてのローラがセル３０内にのみ含まれる ようにしており、これによりローラがベルト２０に接触したときにストリップ３ ６に転写されるようにしてある。ベルト２０の移動方向と同一方向にローラ２８ が回転する場合、接着剤塗布プロセスは直接グラビア塗布プロセスである。ロー ラ２８がベルト２０の移動方向と逆方向に回転する場合、塗布プロセスは反転グ ラビア塗布プロセスである。いずれの方法も本発明に採用可能であるが、特定し た場合を除いて、ここで示し且つ説明するプロセスは反転グラビアプロセスであ る。また、計量ローラ３４を除いて、トラフ中の接着剤に直に接触するローラを 設けることも本発明の範囲に含まれる。その他の点に関して、本発明の方法及び 装置は以下に説明するように動作する。 本発明の一実施形態では、反転グラビアコーティングが採用されており、これ は転写ベルト２０に接着剤を転写する前にグラビアリング２９に塗布される接着 剤層を均すのに有利であると認められている。本発明の図示する実施形態（グラ ビアリングの一つが図４及び４Ａに示してある。）では、均しストリップ２９ａ が、グラビアリングの回転に従って該グラビアリング上の接着剤に摺接して接着 剤を塗布するように設けてある。特定の塗装では、接着剤に微小球形粒子を入れ ることが有効であることが認められている。すなわち、均した接着剤をペーパー シートＳに塗布すると、接着剤の露出面が一層均一になり、調節可能な均一の接 着強度を示す。ストリップ２９ａはしなやかな高分子のストリップで、より具体 的には、ストリップは約０．００１１インチの厚みを有するポリエステルのスト リップであるのが好ましい。 これに代えて、接着剤が塗布されるシートの使用目的に応じて、個別の帯状部 分以外に、ベルトの全幅において接着剤が転写塗布され得る。一般に、グラビア ローラ２８はベルト２０と同一方向にほぼ同一速度で回転し（すなわち図３の時 計回り方向）、反転ロール塗布装置と同様に塗布機構が機能する。しかし、これ は本質的なことではない。 転写ベルト２０の一実施形態の断面図が図９に示してある。図示する実施形態 では、転写ベルトは基層２０ａを備えている。この基層は、ノースカロライナ州 スチーブン、Ｊ．Ｐ．から販売されているような、ファイバーグラス繊維のベル ト（厚み０．００４インチ）が商業的に利用可能である。ベルト基層２０ａは、 その前面２０ｂと背面２０ｃが、シリコンゴム分散液Ｇ．Ｅ．ＳＥ−１００から なる厚さ０．００３インチの層２０ｄ、２０ｅで覆われている（ベルト２０の全 体の厚みは約０．０１０インチである。）。Ｇ．Ｅ．ＳＥ−１００は、触媒とし て過酸化ベンゾイル７８％を含む固形分６％のもので、ニューヨーク州ウォータ ーフォードのゼネラルエレクトリックのシリコーン製造部門から入手可能である 。これらの層２０ｄ，２０ｅはナイフコーテイングされ、３６０°Ｆ、６０（ヤ ード／時間）の割合で加熱乾燥される。シリコン層は、接着剤がベルトからシー トＳを剥離するのを促進する。シリコン層２０ｄ，２０ｅの外面２０ｇ，２０ｈ は接着剤を受け取る転写表面を形成している。 平滑な転写表面を用いてもよいが、転写表面は触感を持たせてたり、複雑な形 にするのが好ましい。最も好ましいのは、転写ニップ部２５Ａでベルトからペー パーシートに転写される接着剤の帯に対応する模様を付ける窪み模様の形とする のがよい。 窪み模様の好適な形が図１０に拡大して示してあり、これは窪み２０ｊの列を 備えている。これらの窪み２０ｊは、層２０ａの表面２０ｂ，２０ｃに設けた窪 み２０ｇにほぼ対応している。基層の窪み２０ｇの模様は支持層の表面に浮き出 ししてもよいし、付けてもよい。 感圧接着剤は微小球状接着剤である場合、図１０に示す模様中では微小球状物 が極めて均一に分布していることが認められ、これにより接着性がよくなる。そ れぞれの窪み２０ｊには、グラビアローラから一以上の微小球状物が入る。窪み ２０ｊは、好ましくは４０から２００ミクロン、最も好ましくは幅約１００ミク ロン、深さ５０から１００ミクロンである。上述の窪み２０ｊは約１０〜３０ミ クロンの間隔をもって格子状に配置するのが好ましい。接着剤はシリコン層２０ ｄ、２０ｅにより表面２０ｈ、２０ｉ上で湿潤傾向にあり、微小球状物を窪み２ ０ｇに保持する。したがって、図１０に示すパターンを維持しながら、シートに 転写される。 転写ベルト２０を反転して面２０ｃを用いることでベルトの利用を拡大するた めに、表面２０ｃを反転層２０ｄ、２０ｅは同一の厚さとし、面２０ｈ、２０ｉ が窪み２０ｊを設けるのが好ましい。当然のことながら、コスト等の理由から、 一方の面だけにシリコン層及び窪みを設けた転写ベルト２０を用いてもよい。 図３、４に示すように、上述のようにしてベルトに接着剤の帯を塗布するため にグラビアローラを使用する場合、接着剤の帯における模様はグラビア模様の形 に左右されるので、グラビア模様は微小球状物の均一分布を促進するように選択 すべきである。 上記説明はシートがペーパーの場合であるが、既に説明したように、その他の 材料（例えば、高分子フィルム又は金属フィルム）で形成することもできる。シ ートがペーパーの場合、機械処理方向（すなわち、ペーパー通路８ｂに沿った矢 印２とほぼ平行な方向）に整列され、ペーパーの“マシンディレクション”とし て当業者に知られているものを備えた装置を介して好適に供給される。そのよう な方法では、シートがカールしたり皺を生じたりする傾向が少なくできる。必要 ならば異なる重さや手触りを有するペーパーを使用することができる。一般に、 Ａ２サイズで重量７０ｇｓｍのペーパーが使用されるが、Ａ４サイズで７０ｇｓ ｍから９０ｇｓｍの重さを有するシートを扱うように容易に適合可能で、重量４ ５ｇｓｍのようなシートＳも扱うことができる。 一般に、ペーパーは、ペーパー繊維をワイヤメッシュ又はスクリーン上に蓄積 し、蓄積した繊維をスクリーンと該スクリーン層の反対側の“フェルト”又は布 の層との間で圧縮して形成される。これにより、“ワイヤ”サイドと“フェルト ”サイドを有するペーパーが製造される。また、本発明にかかる装置を通じてシ ートＳを搬送し、“ワイヤ”サイドに離型材料を塗布し、“フェルト”サイドに プライマーを塗布すると共に最終的に接着剤を塗布するのが好都合であると知ら れている。 接着剤の帯３６を有するベルト２０は次に乾燥機２４を通り、そこでは接着剤 の帯が少なくとも一部（すなわち、０％から５０％）乾燥される。この処理は接 着剤のシートに対する接着性を促進するために行われる。本発明の一実施形態で は、例えば、通常は約２７Ｍｈｚ又は約３０Ｍｈｚで運転される、英国バークシ ャー州のプロクトール・ストレイフィールド社で製造された型式番号ＳＰＷ１２ −７３版の高周波乾燥機が好適に採用される。乾燥機は、ベルトの移動方向に約 ２．５ｍの長さを有する。また、排気口５０を有し、これを介して乾燥機の内部 がファン５１により換気される。乾燥機には制御装置（図示せず）が設けてあり 、これは乾燥機の電力を塗布装置のライン速度に応じて調節する。制御装置とし ては、例えば、全体装置の電気制御装置に接続されるジーメンスＰＬＣ５５−９ ５Ｕがある。 高周波乾燥機では、上述し図９及び１０に示す転写ベルトの実施形態のように 、転写ベルト２０が高周波放射に対して反応しないものであること（すなわち、 透明であるとか、そうでなくても本発明の方法と装置の操業に悪影響を与えない 程度の高周波放射によって影響を受けないこと）が必要である。この装置は転写 ベルトを著しく加熱しなくても接着剤は乾燥できる点で有利であり、これにより 、ベルト２０に塗布される前に接着剤を固まらせる、ベルトから塗布機構２３、 さらに接着剤への熱転写が減少する。高周波乾燥機はまた比較的簡単で且つエネ ルギー消費が少ないという点で有利である。また、転写ベルト２０は所定の操業 温度まで長時間予備加熱する必要がなく、接着剤は塗布ステーションでベルトか ら 容易に剥離されてシートに転写される。 しかし、高周波乾燥機と両立し難い他の形式の転写ベルト（すなわち、透明で ないもの、または高周波に対して不活性のもの）も利用可能である。例えば、転 写ベルトは、両側にシリコンゴムのコーティングを有する金属基板を備えていて もよい。本発明に利用できる他の形式の乾燥機には、例えば、赤外線ヒータ又は 暖気乾燥機が含まれる。しかし、乾燥機でベルト２０さらに塗布機構２３を加熱 する場合、接着剤と転写ベルトを冷却して接着剤の固化を防止する必要がある。 転写ステーション２５（図３にも図示）では、接着剤が塗布されたベルト２０ は、転写ローラ３７と対向する圧力又はニップローラ３８を有する転写ニップ２ ５Ａを通過する。装置のガイド部６（又は図３及び図６に示すガイド部６’）か ら送られる重ね合わされたシートは転写ニップ２５Ａを介して送られ、転写ロー ラ３７及びベルト２０に対向する圧力ローラ３８によって支持され、接着剤がベ ルトからシートに転写される。転写ニップ２５Ａのすぐに下流側では、シートが 真空ローラ３９のようなものでベルト２０から分離され、真空コンベヤ上で転写 ニップからペーパー通路出口８ｃに運ばれる。本発明では、“真空”の用語は大 気圧よりも低いものをいい、転写ベルトと反対側の面上でシート部材に加えたと きに、転写ベルトからシートを分離できるのに十分なものである。当然のことな がら、必要ならば、転写ベルトからシートを分離するために、機械式のグリッパ を含む他の手段を採用してもよい。分離されると、シートは収容されてリポジッ ショナルノートのパッドを形成するために調整される。 分離装置は任意の好適な形式のものでよい。例えば、真空コンベヤ４０は金属 ベルトでよく、これは回転し、フランス国ムルハウスのハニーコム・システムズ から販売されている薄層化転写装置のような真空ローラ３９を備えた単一の完成 品を構成している。これに代えて、ベルト２０からシートを取り除く真空ローラ ３９は、図６、７に示し以下に説明するように、真空コンベヤ４０から完全に分 離してもよい。図面に示すように、真空コンベヤ４０は、転写ベルト２０から所 定角度を持って伸びている。コンベヤを真空ローラ３９と共に使用する場合、図 ３、６、７に示すように、その角度は３又は４度で、真空ローラ３９が無い場合 には、さらに小さな角度（約２度）が採用される。 図１に示す装置の改良版７’が図６に示してある。装置の対応する部分には図 １と同一の符号が付してある。図６に示すような両面塗布ステーション３は、下 部ステーション１２が上部ステーション１１のすぐ下流に配置されてプライマー とＬＡＢ材料が完全に同時に塗布されないという点で、図１に示すものと僅かに 相違している。両面塗布ステーションの下流では、図１に示すように、シートＳ は、重合ステーション４（重なり方向を切り替えるためのエアナイフ４１を含む ）、乾燥機５、及びガイドステーション６を、接着剤塗布ステーション７’に到 達する前に通過する。 図６と詳細な図７に示す接着剤塗布ステーション７’は、グラビアローラ２８ に代えて塗布機構２３が少なくとも一つの塗布ダイ４２を使用して感圧接着剤を ベルト２０に塗布するという点を除いて、図１に示すものとほぼ同一である。各 塗布ダイはベルトに向けたダイスロット（図示せず）を有し、そこから接着剤の 帯４４がベルトに直接塗布される。ダイは接着剤の帯の所望位置でベルトから離 間している。各ダイ４２はそれぞれ供給ライン４５を有し、この供給ラインには 任意の好適な形式のポンプ４６とフィルタ４７が設けてあり、これを通じて接着 剤が容器４８からダイに供給される。ベルトに対する接着剤の塗布速度は、装置 のライン速度に基づいて装置の中央電気制御装置の制御により駆動されるポンプ ４６の速度を変更することで容易に調節される。 接着剤の帯のダイコーティングにより、図６と７に示すように、ベルト２０上 での接着剤の帯の位置やペーパーシート上での接着剤の帯の位置が簡単に調節で き、塗布プロセスの柔軟性が増す。しかし、これに代えて、転写ロールの幅方向 の所望位置に接着剤を塗布するように分割されたスロットを有する単一のダイを 用いてもよい。 上述のように、転写イップ２５Ａで接着剤の帯４４を転写した後に、ベルト２ ０からシートを取り除く真空ローラ３９は、図６に示す装置では、真空コンベヤ ４０から分離されている。しかし、図１を参照して上述のように、真空コンベヤ と共に完全なアセンブリを構成することもできる。重ね合わせたシートからなる 疑似ウェブに塗布材料を塗布するために、例えば同時係属の米国特許出願番号０ ８／１９６，４９０号に開示されている上述の装置を含めて、真空コンベヤ４０ と共に又は真空コンベヤの無い真空ローラ３９を独立に設けることも本発明の精 神及び範囲に含まれる。 本発明をいくつかの実施形態に関して説明した。当業者にとって、本発明の精 神及び範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多くの変更を加えることが できるのは明らかである。かくて、本発明の範囲は、ここに記載された構造及び 方法に限定されるべきではなく、請求の範囲の用語及びそれらの均等物に限定さ れるべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ツジモト，キム・ケイ アメリカ合衆国55133−3427ミネソタ州 セント・ポール、ポスト・オフィス・ボッ クス 33427（番地の表示なし) (72)発明者 スティフター，グレゴリー・エフ アメリカ合衆国55133−3427ミネソタ州 セント・ポール、ポスト・オフィス・ボッ クス 33427（番地の表示なし) (72)発明者 ピアー，バーナード・アール アメリカ合衆国55133−3427ミネソタ州 セント・ポール、ポスト・オフィス・ボッ クス 33427（番地の表示なし) (72)発明者 レリチェ，フレデリック・ピー・エイ アメリカ合衆国55133−3427ミネソタ州 セント・ポール、ポスト・オフィス・ボッ クス 33427（番地の表示なし)

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 対向する端部及び側部並びに面を有する複数のシート部材に水系塗布材料 を塗布する方法であって、 （ａ） 複数のシート部材を、端部と端部を重ねて配置し、 （ｂ） 上記重ね合わせたシート部材を通路に沿って搬送し、 （ｃ） 上記通路に沿って、重ね合わせたシート部材に接触する転写面を有し且 つ高周波に対して反応しない中間キャリアを設け、 （ｄ） 上記シート部材の通路から離れた位置で上記中間キャリアの転写面に水 系塗布材料を塗布し、 （ｅ） 上記塗布材料の水分を所望のレベルまで減少するために、工程（ｄ）の 後であって工程（ｆ）の前に、上記水系塗布材料を高周波放射に晒し、 （ｆ） 上記中間キャリアとシート部材との間の接触部を通じて、重ね合わされ た各シート部材の面の一方に塗布材料を漸次塗布するために上記中間キャリアを 前進させる、工程を含む塗布方法。 ２． 上記工程（ｆ）の後に、（ｇ）上記中間キャリアから塗布材料の塗布され たシート部材を連続して分離する工程を含む、請求項１の方法。 ３． 上記工程（ｇ）は、大気圧よりも低い圧力をシート部材の中間キャリアと 反対側に作用させて、中間キャリアからシート部材を分離する工程を含む、請求 項２の方法。 ４． 上記シート部材がペーパーで、上記工程（ａ）が、（ｈ）上記シート部材 のカールと皺を減少するために、ペーパーシートの搬送方向を上記通路に整列さ せる工程を含む、請求項１の方法。 ５． 複数のシート部材に水系塗布材料を塗布する装置であって、 （ａ） 通路に沿って複数のシート部材を端部と端部を重ねて搬送するコンベヤ と、 （ｂ） 所定量の水系塗布材料を所望の割合で制御可能に分配するディスペンサ と、 （ｃ） 上記ディスペンサの近傍に支持されたキャリアであって、該キャリアは 上記シート部材の通路に伸びる転写面を有し、上記転写面は上記通路に沿って、 重ね合わされたシート部材に接触するようにしてあり、上記転写面は重ね合わさ れたシート部材との横断方向の接触部から離れた場所で塗布材料を受けるために 上記ディスペンサに提供され、上記キャリアは上記ディスペンサから重ね合わさ れたシート部材に塗布材料を転写するために前進可能で、上記キャリアは高周波 放射に対して反応しない、中間キャリアと、 （ｄ） 上記中間キャリアから重ね合わされたシート部材に塗布材料を転写する 前に塗布材料の水分を減少するために、中間キャリアの転写面上の水系塗布材料 に向けられた高周波放射源と、を含む塗布装置。 ６． 上記ディスペンサは、塗布材料源に接続されるダイを含む、請求項５の装 置。 ７． 上記ディスペンサは、塗布材料源に接続される回転自在なグラビアロール を含む、請求項５の装置。 ８． 上記中間キャリアへの転写前に塗布材料を平滑化するためにグラビアロー ルに摺接するしなやかな一以上のストリップを含む、請求項７の装置。 ９． 上記中間キャリアは、 （ｉ） 高周波放射に反応せず且つ第１の面を有する支持層と、 （ii） 上記塗布材料の離型を容易にするために第１の面に塗布され、上記転写 面を形成する支持層の第１面を覆う最外面を有するシリコン層とを有し、 （iii） 上記シリコン層の第１面は、上記転写面がディスペンサから塗布材料を 受け取るように処理されている、請求項５の装置。 １０． 上記シリコン層の処理された第１面は複数の所定の大きさを有し且つ間 隔を置いた窪みを有し、上記窪みはそれぞれ所定量の塗布材料をディスペンサか ら受けるようにしてある、請求項９の装置。 １１． 上記塗布されたシート部材を中間キャリアとの接触部から分離するのを 容易にするための手段を含む、請求項５の装置。 １２． 上記分離手段は、シート部材の通路近傍に配置されて塗布材料の塗布後 にシート部材と接触するようにした分離ローラを有し、上記分離ローラは真空源 に接続されて中間キャリアからシート部材を分離するためにシート部材に真空を 作用させるようにしてある、請求項１１の装置。 １３． 上記分離ローラの近傍に分離ベルトを有し、上記分離ベルトは中間キャ リアからシート部材の分離を容易にするためにシート部材の通路に対して下方に 傾斜させてある、請求項１２の装置。 １４． 上記分離ベルトはシート部材の通路に対して約２°から４°の間で傾斜 させてある、請求項１３の装置。 １５． 上記通路上で中間キャリアの反対側に配置され、塗布材料がシート部材 に塗布される時にシート部材を支持するニップローラを含む、請求項５の装置。 １６． 上記ディスペンサは、、中間キャリアの幅に対して一以上の長手方向の 帯として、重ね合わされたシート部材に整列転写するために、塗布材料を分配す るようにしてある、請求項５の装置。 １７． 複数のシート部材に水系塗布材料を塗布する装置であって、 （ａ） 通路に沿って複数のシート部材を端部と端部を重ねて搬送するコンベヤ と、 （ｂ） 所定量の水系塗布材料を所望の割合で分配可能なダイと、 （ｃ） 上記シート部材の通路に伸びる転写面を有するキャリアであって、上記 転写面は上記通路に沿って重ね合わされたシート部材に接触するようにしてあり 、上記転写面は重ね合わされたシート部材から離れた場所で塗布材料を受けるた めに上記ディスペンサに提供され、上記キャリアは上記ディスペンサから重ね合 わされたシート部材に塗布材料を転写するために前進可能な中間キャリアと、 （ｄ） 上記中間キャリア上の塗布材料の水分を所望のレベルに低下させるため に、中間キャリアの転写面上の水系塗布材料に向けられた乾燥機と、を有する塗 布装置。 １８． 上記乾燥機が赤外エネルギー源である、請求項１７の装置。 １９． 上記乾燥機が加熱空気源である、請求項１７の装置。 ２０． 上記中間キャリアは高周波放射に反応せず、上記乾燥機は中間キャリア の転写面上の水系塗布材料に向けた高周波放射源を有する、請求項１７の装置。 ２１． 複数のシート部材に水系塗布材料を塗布する装置と共に使用する装置で 、この装置は、通路に沿って複数のシート部材を端部と端部を重ねて搬送するコ ンベヤと、所定量の水系塗布材料を所望の割合で制御可能に分配するディスペン サと、上記ディスペンサの近傍に支持されたキャリアであって、該キャリアはシ ート部材の通路に伸びる転写面を有し、上記転写面は上記通路に沿って重ね合わ されたシート部材に接触するようにしてあり、上記転写面は重ね合わされたシー ト部材との横断方向の接触部から離れた場所で塗布材料を受けるためにディスペ ンサに提供され、上記キャリアはディスペンサから重ね合わされたシート部材に 塗布材料を転写するために前進可能な中間キャリアとを備えた装置において、 上記シートの通路の近傍に配置され且つ塗布材料の塗布後にシート部材と接触 するようにしてある分離ローラを設け、上記分離ローラは真空源に接続され且つ 中間キャリアからシートを分離するためにシート部材に真空を作用させるように してある装置。 ２２． 上記分離ローラの近傍に分離ベルトを有し、上記分離ベルトは、中間キ ャリアからシートを分離するのを容易にするために、シート部材の通路に対して 下方に傾斜させてある、請求項２１の装置。 ２３． 上記分離ベルトは、シート部材の通路に対して約２°から４°の間で傾 斜させてある、請求項２２の装置。