JPH1049244A - 基準電流・電圧回路及び差動増幅装置 - Google Patents

基準電流・電圧回路及び差動増幅装置

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JPH1049244A
JPH1049244A JP8198817A JP19881796A JPH1049244A JP H1049244 A JPH1049244 A JP H1049244A JP 8198817 A JP8198817 A JP 8198817A JP 19881796 A JP19881796 A JP 19881796A JP H1049244 A JPH1049244 A JP H1049244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MOS-FET を用いた増幅装置に関し、増幅利得
の変動を抑圧した増幅装置の提供を図ることを目的とす
る。 【解決手段】 第1MOF-FET と、このFET とほぼ同じ特
性で、ソースとドレインのうち、何れか一方に基準抵抗
が接続された第2のMOS-FET を有し、これらのMOS-FET
のソース同士、または、第1のMOS-FET のソースと第2
のMOS-FET のソースに接続した基準抵抗を共通接続する
と共に、これらのMOS-FET に流れる電流比率が予め設定
された値を保ち、且つ、第1のMOS-FET のゲート・ソー
ス間電圧と第2のMOS-FET のゲート・ソース間電圧の差
電圧とほぼ同じ電位が、基準抵抗の両端に印加する様に
これらのMOS-FET を流れる電流の合成電流を制御する制
御手段を設け、制御した合成電流を基準電流として、及
び上記共通接続としたこれらのMOS-FET のソース側端子
に現れる電圧を基準電圧として使用するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属−酸化膜−半
導体−電界効果トランジスタ(MOS-FET)を用いた増幅器
の増幅利得安定化の為に使用する、基準電流・電圧回路
及び差動増幅装置に関するものである。
【0002】近年、低消費電力化の観点から、低い電源
電圧で動作する電子回路が望まれている。ディジタル回
路の低電圧化は進んでいるが、それに合わせてアナログ
回路も同じ電源電圧で動作させることが必要である。
【0003】しかし、アナログ回路用として広く用いら
れてきたバイポーラ・トランジスタ回路は、本質的にバ
ンドギャップ電圧以上のベース・エミッタ間電圧(例え
ば、0.7 〜0.8V位) 、コレクタ・エミッタ間電圧が必要
である為、低い電源電圧では出力振幅がとれず、直流バ
イアス条件が合わない等の問題が生ずる。
【0004】これに対して、MOS-FET を使用した回路で
はドレイン・ソース間電圧は小さくてもよく( 例えば、
0.5V位) 、必要なゲート・ソース間電圧のしきい値は制
御可能なパラメータである為( チャネルの不純物濃度の
変化に対応してしきい値が変化する) 、バイポーラ・ト
ランジスタよりも低い電圧で動作が可能である。また、
ディジタル回路との集積化の点からも有利である。
【0005】しかし、従来のMOS-FET を使用した回路で
は、温度や製造プロセスの変動による増幅利得の変動を
制御する制御回路がなく、増幅利得変動が大きいと云う
問題を生じていた。そこで、増幅利得変動の低減を図る
ことが必要である。
【0006】
【従来の技術】図10は従来例の要部構成図である。図
中、61は定電流源, 62は定電流源として働くNch MOS-FE
T, 63 は差動増幅回路の定電流源として働くNch MOS-FE
T, 64aと64b は差動対を構成するNch MOS FET, 65a, 65
b は負荷抵抗である。また、定電流源62, 63でカレント
ミラー回路を構成している。
【0007】なお、図10の信号の流れは下記の様であ
る。定電流源61からの定電流I0がNch MOS-FET(以下、MO
S-FET と省略する)62 に流れると、これに対応してMOS-
FET 63にI1=(M0/M1)I0の電流が流れる。
【0008】これにより、MOS-FET 64a, 64bのゲートに
印加した電圧V1,V2 の差電圧(V1-V2) の増幅利得倍の電
圧が、MOS-FET 64a, 64bのドレイン間に得られる。ここ
で、1991.9.10 に培風館が発行した、R.R.グレイ/ R.G.
メイヤー共著、永田譲監訳の「超LSI のためのアナログ
集積回路設計技術 (下巻) 」の282 頁の(12.9)にソース
結合ペア回路の伝達コンダクタンス Gm を求める式が下
記の様に示してある。
【0009】 Gm = (ISS)(μn ・C OX・W / L ) 1/2 一方、上記文献 (上巻) の59頁の(1.169) と(1.174) に
は Coxox/tox k´= μn ・ (εox/tox ) が示してあり、更に、利得係数β = k´W / L を導入す
ると、上記伝達コンダクタンス Gm の中の( μn ・ COX
・ W/L )の部分は、これらの式を用いてβとなる。
【0010】従って、MOS-FET 64a,64b の小信号増幅利
得G は近似的に G =Gm ×R= R×( β×I )1/2 (1) で表される。
【0011】但し、R は負荷抵抗値、I は定電流源の電
流値で Gm 中の ISSと同じ、βはMOS-FET のトランジス
タ利得係数である。ここで、(1) 式中の負荷抵抗値R や
利得係数βは製造プロセスの条件や、温度等の環境条件
によって変動するので、これらの要因によって増幅利得
が大きく変化する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、MOS-FET
の利得係数βは、製造プロセス毎に異なり、また温度が
高くなると大幅に低下することが知られている。
【0013】更に、負荷抵抗は低コスト化・広帯域化の
為にLSI チップ内に集積することが多いが、抵抗値R は
不純物濃度のバラツキ、寸法精度のバラツキなどによ
り、製造プロセス毎に異なり、精度は悪い。
【0014】例えば、抵抗値の変動が30 %程度、MOS-FE
T の利得係数の変動が30 %程度あるとすると、小信号増
幅利得は50% 程度、変動することになる。この様に、様
々な条件の変動によって小信号増幅利得G が大きく変化
する。
【0015】一方、バイポーラ・トランジスタを用いた
増幅回路でも、同様に利得の変動は起きるが、利得安定
化の為にバンドギャップ・リファレンス(BGR) 回路を用
いることが従来から知られていた。
【0016】しかし、これは増幅回路の抵抗及びバイポ
ーラ・トランジスタとそれぞれほぼ同じ特性を持つ、抵
抗とpn接合ダイオードを用いて利得の補償を行うもので
あり、pn接合の特性を用いないMOS-FET 回路には適用す
ることができない。
【0017】この様に、従来のMOS-FET 増幅回路では環
境条件の変動や作成プロセス条件の変動に対して利得を
安定化することが困難であった。本発明は、MOS-FET 増
幅回路の素子とほぼ同じ特性を持つ抵抗と、MOS-FET と
を用いて、利得係数の変動を抑圧する様に電流値を変え
ることにより、MOS-FET増幅回路の増幅利得変動の低減
を図ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は第1、第3の本発
明の原理説明図で、(a) は第1の本発明の原理説明図、
(b)は第3の本発明の原理説明図である。
【0019】先ず、 第1のMOS-FET と、該第1のMOS-
FET とほぼ同じ特性を具備し、ソースとドレインのう
ち、何れか一方に基準抵抗が接続された第2のMOS-FET
を有し、第1のMOS-FET と第2のMOS-FET のソース同
士、または、該第1のMOS-FET のソースと第2のMOS-FE
T のソースに接続した基準抵抗を共通接続する。
【0020】また、該第1のMOS-FET と該第2のMOS-FE
T に流れる電流比率が予め設定された値を保ち、且つ、
該第1のMOS-FET のゲート・ソース間電圧と該第2のMO
S-FET のゲート・ソース間電圧の差電圧とほぼ同じ電位
が、該基準抵抗の両端に印加する様に第1,第2のMOS-
FET を流れる電流を合わせた合成電流を制御する制御手
段を設ける。
【0021】そして、制御した合成電流を基準電流とし
て、及び上記共通接続とした第1のMOF-FET と第2のMO
S-FET のソース側端子に現れる電圧を基準電圧として使
用する構成にした。
【0022】請求項2の発明は、ソースが共通の定電流
源に接続された上記第1,第2のMOF-FET のうち、第1
のMOS-FET のドレインが直接に、第2のMOS-FET のドレ
インが上記基準抵抗を介してそれぞれ接続された差動入
力端子を有し、該差動入力端子間の電位がほぼ等しくな
る様に上記定電源の合成電流の値を制御する差動増幅器
と、電源と接地面のうち、何れか一方と該差動入力端子
間にそれぞれ接続され、第1,第2のMOS-FET に流れる
電流比率を決定する第1,第2の抵抗を設ける。
【0023】そして、制御した合成電流を基準電流とし
て、及び電源、或いは接地面と上記共通ソース側端子と
の両端に現れる電圧を基準電圧として使用する構成にし
た。請求項3の発明は、上記第1のMOF-FET のドレイン
をゲートに、第2のMOS-FET のゲートを第1のMOS-FET
のゲートに、あるいは、第1のMOS-FET のゲートを第2
のMOS-FET のゲートに、第2のMOS-FET のドレインをゲ
ートにそれぞれ接続する。
【0024】また、第1のMOS-FET のソースと第2のMO
S-FET のソースに接続した基準抵抗を共に共通の定電流
源に、第1のMOS-FET と第2のMOS-FET のドレインをカ
レントミラー回路にそれぞれ接続する。
【0025】そして、カレントミラー回路で、第1のMO
S-FET と該第2のMOS-FET に流れる電流比率が予め設定
された値を保つ様に制御を行い、制御した合成電流を基
準電流として使用する構成にした。
【0026】請求項4の本発明は、MOS-FET を用いた差
動増幅装置において、請求項1〜3記載の第1、第2の
MOS-FET 及び基準抵抗とほぼ等しい特性変動要因を持つ
のMOS-FET 及び抵抗をそれぞれ差動対及び負荷抵抗とし
て用いる。
【0027】また、上記基準電流・電圧回路の電流、ま
たはカレントミラー回路を用いて基準電流・電圧回路の
電流とほぼ等しい電流を、差動増幅回路の電流源とする
構成にした。
【0028】請求項5の本発明は、請求項4記載のカレ
ントミラー回路を、カスコード接続して構成した。請求
項6の本発明は、請求項4、5記載の基準電流・電圧回
路と差動増幅回路を、同一LSI チップ上に集積する構成
にした。
【0029】次に、図1を参照して本発明の原理を説明
するが、図1(a) 中の第1のMOS-FET のゲート・ドレイ
ン間と、図1(b) の第1,第2のMOS-FET のゲート・ド
レイン間を接続する場合があるが、この場合は図示して
いない。また、図1(b) の原理は(a)の原理とほぼ同一
の為に(a) のみの原理説明を行う。
【0030】さて、第1のMOS-FET の利得係数はβであ
り、第2のMOS-FET の利得係数は、例えば、ゲート幅を
N 倍にして第1のMOS-FET の利得係数のN 倍の Nβとな
っている。なお、N は正数である。
【0031】一方、上記参考文献上巻61頁の(1.175) に
示す ID = (k´/2) (W /L) ( VGS− Vt )2 と、上記のβ = k´W / L を利用して第1のMOS-FET 、
第2のMOS-FET を流れる電流I1, I2を求めると、近似的
に下記の式で表される。即ち、 I1 =(β/2) ・(VGS1 − Vt )2 (2) I2 =( Nβ/2) ・(VGS2 − Vt )2 (3) 但し、 VGS1 ,V GS2 :第1,2 のMOS-FET のMOS-FET のゲ
ート・ソース間電圧 Vt : MOS-FETのしきい値電圧 ここで、第1、2のMOS-FET の両端に印加される電圧が
等しくなる様に制御を行うと、 VGS1 ,VGS2 の電位差が
基準抵抗R1の両端にかかるので、以下の関係が成り立
つ。
【0032】 R1 × IS = VGS1 − VGS2 (4) = (2・I1 / β)1/2−(2・I2 /Nβ)1/2 なお、簡単の為に I1 = M ×I2 とすると、電流は以下
の式で表される。
【0033】I2 = 2・ A2 / (R1)2β (5) 但し、 A= M1/2 −(1/ N1/2) この様に、電流 I2 は基準抵抗値R1の2乗に反比例し、
利得係数βに反比例する様な基準電流が得られる。
【0034】ここで、増幅器の抵抗及びMOS-FET の特性
が充分揃っており、特性の相対的変動量がほぼ等しいと
仮定する。増幅器の抵抗値R 及び利得係数βが、それぞ
れ上記 R1,βの P倍, Q 倍に等しい時、基準電流 I2
値を増幅器の電流として用い、電流値 I2 を小信号利得
の式 (1)に代入すると、 G= P・R1・Q1/2・β1/2 ・ 21/2・A ・(1 / R1)・ 1/(β)1/2 = P・Q1/2・21/2・A = 一定 (6) となって、小信号利得G が基準抵抗値R1や利得係数値β
に依存しない特性が得られる。
【0035】また、第1のMOS-FET の両端に生じる電
圧、即ち VGS1 の値は上記の (2)式から下記の式とな
る。 VGS1 = (2・M1/2・A1/2 )/ ( R1・β) + VT (7) さて、(7) 式のβは温度が高くなると値が小さくなるの
で、第1項は温度が高くなると値が高くなる。また、 V
T は温度が高くなると値が小さくなる。
【0036】従って、第1項の係数を適切に設定すれ
ば、電圧の温度依存性を殆どなくす等、温度依存性を設
計することのできる基準電圧として用いることもでき
る。但し、この場合、(7) 式で基準抵抗値R1の精度依存
性は除去することはできないので、基準抵抗は精度が高
いことが必要である。
【0037】この様に本発明によれば、差動増幅回路の
電流値として、基準抵抗値や利得係数の変動を打ち消す
様に制御した基準電流を用いることで、差動増幅回路の
利得の変動を小さく抑えることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】図2は第1、第4の本発明の実施
例の要部構成図、図3は図2に示す実施例のシミュレー
ション説明図(その1)で、(a) は基準抵抗値を変化し
た時の電源電圧:電流値、(b) は温度を変化した時の電
源電圧:電流値の説明図、図4は図2に示す実施例のシ
ミュレーション説明図(その2)で、(c) は温度を変化
した時の周波数:差動増幅回路の利得の説明図、(d) は
温度を変化した時の周波数:差動増幅回路の利得の説明
図である。
【0039】図5は第1、第5の本発明の実施例の要部
構成図、図6は第2、第4の本発明の実施例の要部構成
図、図7は図6に示す実施例のシミュレーション説明図
で、(a) は温度を変化した時の電源電圧:X点の電圧
値、(b) は温度を変化した時の電源電圧:MOS-FET 33に
流れる電流値の説明図である。
【0040】図8は第3、第4の本発明の実施例の要部
構成図で、図9は図8に示す実施例のシミュレーション
説明図で、(a) は温度を変化した時の電源電圧:MOS-FE
T 43に流れる電流値、(b) は温度を変化した時の電源電
圧:MOS-FET 43に流れる電流値の説明図である。
【0041】なお、全図を通じて同一符号は同一対象物
を示す。また、従来例で詳細説明した部分については概
略説明し、本発明の部分について詳細説明する。
【0042】以下、図2〜図9の説明を行う。先ず、図
2〜図4を用いて、第1、第4の本発明の説明を行う。
図2は利得補償用バイアス回路を付加した差動増幅回路
を示す。
【0043】図中、10, 11は基準となるNch MOS-FET, 1
7 は基準抵抗、12はオペアンプ、16a, 16bは基準となる
MOS-FET に一定比率の電流を供給する抵抗、13は定電流
源として働くNch MOS-FET, 14 は差動増幅回路の定電流
源として働くNch MOS-FET, 15a, 15b は差動対のNch MO
S-FET, 18a, 18b は負荷抵抗である。
【0044】さて、Nch MOS-FET 11は、例えば、ゲート
幅をN 倍とすることで、Nch MOS-FET 10に比べて利得係
数をN 倍にしてある。また、Nch MOS-FET 10で第1のMO
S-FET を、Nch MOS-FET 11と基準抵抗17で第2のMOS-FE
T を構成する。定電流源13,14でカレントミラー回路を
構成する。
【0045】オペアンプ12は、差動入力の電位がほぼ等
しくなる様にMOS-FET 13のゲート電位を調節し、電流を
変化させる。また、抵抗16a, 16bの両端にかかる電圧は
ほぼ等しい為、基準MOS-FET 11, 10に流れる電流は抵抗
16a, 16bの抵抗比で決定される。
【0046】従って、前述の原理式により、第1のMOS-
FET,第2のMOS-FET に流れる電流の値は基準抵抗17の抵
抗値の2乗に反比例し、Nch MOS-FET 30, 31の利得係数
に反比例する特性を持つ。
【0047】MOS-FET 13の電流は、第1のMOS-FET,第2
のMOS-FET に流れる電流の和であり、それぞれの回路の
電流と同じ様な特性を持つ。また、差動増幅回路の定電
流源14に流れる電流も、カレントミラー回路によりMOS-
FET 35とほぼ同様な特性を持つ。
【0048】従って、基準抵抗17と抵抗18a, 18bの特性
変動が相対的に等しい抵抗を用い、且つ、Nch MOS-FET
10, 11とNch MOS-FET 15a, 15bの特性変動が相対的に等
しいMOS-FET を用いれば、差動増幅回路の小信号利得は
一定に保たれる。
【0049】この様に、本発明によれば、増幅利得は抵
抗やNch MOS-FET の変動によらず一定となり、増幅器の
設計を容易にすることができる。一般に、集積回路にお
いて、同一LSI チップ内の抵抗、MOS-FET 等の素子は同
一の製造プロセスを経ている為、プロセス条件の変動は
ほぼ同じであり、また、距離的にも近接している為、温
度等の環境条件の変動もほぼ同じである。
【0050】従って、利得係数値βや抵抗値R 等の素子
パラメータの変動の相対的比率は、チップ内でほぼ同じ
と見なされ、抵抗や MOS-FETの特性が揃っていると云う
条件は問題なく満たすことができる。
【0051】これにより、集積回路に本発明を用いるこ
とは非常に有効である。図3は図2に示す実施例のシミ
ュレーション結果(その1)を示し、(a) は基準抵抗値
が標準値に対して±30% 変動した時の電源電圧:直流電
流特性、(b) は周囲温度が−50〜+100 ℃まで変動した
時の電源電圧:直流電流特性を示す図であるが、縦軸は
Nch MOS-FET 13に流れる電流である。
【0052】また、図4は図2に示す実施例のシミュレ
ーション結果(その2)を示し、(c) は基準抵抗値が標
準値に対して±30% 変動した時の周波数:差動増幅回路
の利得特性、(d) は周囲温度が−50度〜+100 ℃まで変
動した時の周波数:差動増幅回路の利得特性を示す図で
ある。
【0053】図3、図4に示す様に、シミュレーション
の結果、抵抗及び温度による利得係数の変動によって、
抵抗や利得係数の変動をキャンセルする様に電流が変化
し、結果として小信号利得のバラツキが非常に小さく抑
えられていることが判る。
【0054】図5を用いて第1、第5の本発明の実施例
を説明する。図に示す様に、定電流源としてカスコード
接続した回路を示す。図中、20, 21は基準となるNch MO
S-FET, 27 は基準抵抗, 22はオペアンプ, 26a, 26bは抵
抗, 23a, 23bは定電流源として働くNch MOS-FET, 24a,
24b は差動増幅回路の定電流源として働くNch MOS-FET,
25a, 25b は差動対を構成するNch MOS-FET 28a, 28bは
負荷抵抗である。
【0055】定電流源として働くNch MOS-FET 23a, 23b
と24a, 24bはカレントミラー回路を構成する。ここで、
MOS-FET の電流はドレイン・ソース間電圧 VDSに依存す
る為、MOS-FET のゲート・ソース間電圧 VGSが同じでも
VDSが異なると電流が異なると云う問題がある。
【0056】そこで、図5に示す様に、定電流源として
働くNch MOS-FET をカスコード接続すれば、より大きな
電源電圧が必要になるものの、電流の VDS依存性が小さ
くなり、定電流源23a, 23bと24a, 24bの電流値をより近
い値にすることができる。
【0057】図6を用いて第2、第4の本発明の実施例
を説明する。図2、図5に示す本発明の実施例はNch MO
S-FET を使用していたが、Pch MOS-FET を用いても同様
に構成できる。図6はPch MOS-FET を用いた回路を示
す。図6中、30, 31は基準となるPch MOS-FET, 37 は基
準抵抗, 32はオペアンプ, 36a, 36bは抵抗, 33は定電流
源として働くPch MOS-FET, 34 は差動増幅回路の定電流
源として働くPch MOS-FET, 35a,35bは差動対を構成する
Pch MOS-FET, 38a, 38b は負荷抵抗である。
【0058】Pch MOS-FET 31は、例えば、ゲート幅をN
倍にしてPch MOS-FET 30に比べて利得係数をN 倍にして
ある。Pch MOS-FET 30で第1のMOS-FET を、Pch MOS-FE
T 31と抵抗37で第2のMOS-FET をそれぞれ構成する。定
電流源33, 34でカレントミラー回路を構成する。
【0059】また、本実施例では、第1のMOS-FET ,第
2のMOS-FET の電位はアースを基準として決まり、基準
電圧として利用しやすい。基準電圧としては、例えば、
図6中の×点の電圧を用いる。×点の電圧は上記(7) 式
の電圧に抵抗36b の電圧効果が加わるが、これは(7) 式
の第1項の係数が異なるだけで定性的傾向は同様である
ので、この電圧降下分も含めた設計を行えばよい。
【0060】図7は図6に示す実施例のシミュレーショ
ン結果を示す。図7(a) は温度が−50〜100 ℃まで変化
した時の直流電圧特性、図7(b) は温度が−50〜+100
℃まで変化した時の直流電流特性である。なお、図7の
横軸は電源電圧、縦軸は(a)が×点の電圧、(b) がPch M
OS-FET 33に流れる電流である。
【0061】シミュレーションの結果によると、電源電
圧が2V 以上の場合、×点の電圧は電源変動や温度変動
によらず安定な電圧となっており、基準電圧として有効
であることが分かる。
【0062】図8を用いて第3、第4の本発明の実施例
を説明する。図8において、40, 41は基準となるNch MO
S-FET, 46 は基準抵抗, 42a,42b はカレントミラー回路
を構成するPch MOS-FET, 43 は定電流源として働くNch
MOS-FET, 44 は差動増幅回路の定電流源として働くNch
MOS-FET, 45a, 45b は差動対を構成するNch MOS-FET, 4
7a, 47b は負荷抵抗である。
【0063】また、Nch MOS-FET 41は、例えば、ゲート
幅をN 倍にして、Nch MOS-FET 40に比べて利得係数をN
倍にする。そして、Nch MOS-FET 40は第1のMOS-FET
を、Nch MOS-FET 41と抵抗46で第2のMOS-FET を、定電
流源43, 44でカレントミラー回路をそれぞれ構成する。
【0064】そして、第1のMOS-FET ,第2のMOS-FET
の電流値はカレントミラー回路42a,42bにより一定比率
に制御され、且つ、Nch MOS-FET 40とNch MOS-FET 41の
ゲート電位は同じであるのて、Nch MOS-FET 40とNch MO
S-FET 41の VGSの電位差が抵抗46に印加する。
【0065】この為、上記(5) 式により、電流値は抵抗
46の抵抗値の2乗に反比例し、NchMOS-FET 41の利得係
数に反比例する。図9は図8に示す実施例のシミュレー
ション結果を示す。図9(a) 抵抗値が±30% 変動した時
の直流電流特性、(b) は温度が−50〜+100 ℃まで変化
した時の直流電流特性である。また、図9の横軸は電源
電圧、縦軸はMOS-FET 43に流れる電流である。
【0066】シミュレーションの結果、抵抗及び温度に
よる利得係数の変動によって、電流が抵抗や利得係数の
変動を補償する様に変化することが分かる。図8に示す
実施例は、図2、図5、図6に示す実施例に比べると、
オペアンプが省略されているので回路構成が簡単になっ
ている。
【0067】しかし、図3と図9の比較から判る様に、
図8に示す実施例の方が傾きを持っている点で電源電圧
変動に若干弱くなっているが、回路規模が小さい点で有
利である。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に本発明によれ
ば、MOS-FET を用いた増幅装置の増幅利得変動を補正す
る基準電流・基準電圧回路の提供が行えると云う効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1、第3の本発明の原理説明図で、
(a) は第1の本発明の原理説明図、(b)は第3の本発
明の原理説明図である。
【図2】第1、第4の本発明の実施例の要部構成図であ
る。
【図3】図2に示す実施例のシミュレーション説明図
(その1)で、(a) は基準抵抗値を変化した時の電源電
圧:電流値、(b) は温度を変化した時の電源電圧:電流
値の説明図である。
【図4】図2に示す実施例のシミュレーション説明図
(その2)で、(c) は温度を変化した時の周波数:差動
増幅回路の利得、(d) は温度を変化した時の周波数:差
動増幅回路の利得の説明図である。
【図5】第1、第5の本発明の実施例の要部構成図であ
る。
【図6】第2、第4の本発明の実施例の要部構成図であ
る。
【図7】図6に示す実施例のシミュレーション説明図
で、(a) は温度を変化した時の電源電圧:X点の電圧
値、(b) は温度を変化した時の電源電圧:MOS-FET 33に
流れる電流値の説明図である。
【図8】第3、第4の本発明の実施例の要部構成図であ
る。
【図9】図8に示す実施例のシミュレーション説明図
で、(a) は温度を変化した時の電源電圧:MOS-FET 43に
流れる電流値、(b) は温度を変化した時の電源電圧:MO
S-FET 43に流れる電流値の説明図である。
【図10】従来例の要部構成図である。
【符号の説明】
10,11 基準となるNch MOS-FET 17 基準抵抗 12 オペアンプ 16a,16b 抵抗 13,14 定電流源 15a,15b 差動対 18a,18b 負荷抵抗 20,21 基準となるNch MOS-FET 27 基準抵抗 22 オペアンプ 26a,26b 抵抗 23a,23b 定電流源 25a,25b 差動対 28a,28b 負荷抵抗

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のMOS−FETと、該第1のMO
    S−FETとほぼ同じ特性を具備し、ソースとドレイン
    のうち、何れか一方に基準抵抗が接続された第2のMO
    S−FETを有し、 第1のMOS−FETと第2のMOS−FETのソース
    同士、または、該第1のMOS−FETのソースと第2
    のMOS−FETのソースに接続した基準抵抗を共通接
    続すると共に、該第1のMOS−FETと該第2のMO
    S−FETに流れる電流比率が予め設定された値を保
    ち、且つ、該第1のMOS−FETのゲート・ソース間
    電圧と該第2のMOS−FETのゲート・ソース間電圧
    の差電圧とほぼ同じ電位が、該基準抵抗の両端に印加す
    る様に第1、第2のMOS−FETを流れる電流を合わ
    せた合成電流を制御する制御手段を設け、 制御した合成電流を基準電流として、及び上記共通接続
    とした第1のMOS−FETと第2のMOS−FETの
    ソース側端子に現れる電圧を基準電圧として使用する構
    成にしたことを特徴とする基準電流・電圧回路。
  2. 【請求項2】 ソースが共通の定電流源に接続された上
    記第1、第2のMOS−FETのうち、第1のMOS−
    FETのドレインが直接に、第2のMOS−FETのド
    レインが上記基準抵抗を介してそれぞれ接続された差動
    入力端子を有し、該差動入力端子間の電位がほぼ等しく
    なる様に上記定電源の合成電流の値を制御する差動増幅
    器と、 電源と接地面のうち、何れか一方と該差動入力端子間に
    それぞれ接続され、第1、第2のMOS−FETに流れ
    る電流比率を決定する第1、第2の抵抗を具備し、 制御した合成電流を基準電流として、及び電源、あるい
    は接地面と上記共通ソース側端子との両端に現れる電圧
    を基準電圧として使用する構成にしたことを特徴とする
    請求項1の基準電流・電圧回路。
  3. 【請求項3】 上記第1のMOS−FETのドレインを
    ゲートに、第2のMOS−FETのゲートを第1のMO
    S−FETのゲートに、あるいは、第1のMOS−FE
    Tのゲートを第2のMOS−FETのゲートに、第2の
    MOS−FETのドレインをゲートにそれぞれ接続する
    と共に、 第1のMOS−FETのソースと第2のMOS−FET
    のソースに接続した基準抵抗を共に共通の定電流源に、
    第1のMOS−FETと第2のMOS−FETのドレイ
    ンをカレントミラー回路にそれぞれ接続し、 該カレントミラー回路で、第1のMOS−FETと該第
    2のMOS−FETに流れる電流比率が予め設定された
    値を保つ様に制御を行い、制御した合成電流を基準電流
    として使用する構成にしたことを特徴とする請求項1の
    基準電流回路。
  4. 【請求項4】 MOS−FETを用いた差動増幅装置に
    おいて、 請求項1〜3記載の第1、第2のMOS−FET及び基
    準抵抗とほぼ等しい特性変動要因を持つのMOS−FE
    T及び抵抗をそれぞれ差動対及び負荷抵抗として用いる
    と共に、 上記基準電流・電圧回路の電流、またはカレントミラー
    回路を用いて基準電流・電圧回路の電流とほぼ等しい電
    流を、差動増幅回路の電流源とする構成にしたことを特
    徴とする差動増幅装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のカレントミラー回路を、
    カスコード接続して構成したことを特徴とする差動増幅
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項4、5記載の基準電流・電圧回路
    と差動増幅回路を、同一LSI チップ上に集積したことを
    特徴とする差動増幅装置。
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