JPH1046521A - アスファルト合材の敷均し機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下層路面に対する乳剤の浸透を良くする。 【解決手段】 噴出ノズル１０，２０から熱風を路盤６
に向けて噴出しながら走行車両を走らせ、スプレーノズ
ル４から乳剤Ｎを路盤６上に散布するとともに、その散
布乳剤Ｎの上にアスファルト合材Ａをスプレッデングス
クリュ３ｂで送り出してスクリード５で敷き均す。乳剤
未散布の路盤６とスプレーノズル４で散布された乳剤Ｎ
とを、噴出ノズル１０，２０から噴出された熱風が加熱
するので、気温が低かったり、風が強かったりしても、
乳剤Ｎは冷やされることなく路盤６とアスファルト合材
Ａに良好に浸透して両者を一体に結合する。このため、
外気温度や風の影響を受けることなく所定の品質を保っ
て舗装することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルト合材
を下層路面上に敷き均すアスファルトフィニッシャやリ
ペーバ或いはリミキサ等の敷均し機械に関する。

【０００２】

【従来の技術】アスファルト合材を、未舗装の路盤、ア
スファルト舗装体やその切削面、コンクリート舗装体等
の下層路面の上に敷き均す敷均し機械として、走行車両
に、アスファルト合材を収容するホッパと、アスファル
ト合材の送出し装置と、乳剤のスプレーノズルと、スク
リードが設けられ、乳剤をスプレーノズルで下層路面上
に散布しながら、ホッパからアスファルト合材を送出し
装置で下層路面の散布乳剤の上に送り出してスクリード
で敷き均すものが知られている（特開平４−２０３００
６号公報、米国特許第５，０６９，５７８号）。

【０００３】上記の敷均し機械によれば、乳剤の専用散
布車であるアスファルトディストリビュータ（例えば、
実公平１−１１７７５号公報）を使用せずに、総合的に
コスト安にアスファルト舗装することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
アスファルト合材の敷均し機械は、乳剤のスプレーノズ
ルと、該ノズルに乳剤を圧送するポンプや乳剤タンク等
の付属機器しか備えておらず、散布した乳剤の分解速度
が外気温や風などの影響を受け、結果的に乳剤の接着力
を左右されるという問題点がある。

【０００５】本発明は、乳剤の分解速度を制御して一定
品質の舗装を行うことができるアスファルト合材の敷均
し機械を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るアスファルト合材の敷均し機械は、
走行車両に、乳剤を下層路面に散布するスプレーノズル
と、該スプレーノズルで散布された乳剤の上にアスファ
ルト合材を送出し部から送り出す送出し装置と、該送出
し装置によって乳剤の上に送り出されたアスファルト合
材を敷き均すスクリードが設けられたアスファルト合材
の敷均し機械において、上記スプレーノズルと送出し部
との間に、下層路面に散布された乳剤を加熱する加熱手
段を設けた構成とした。

【０００７】下層路面を加熱する加熱手段をスプレーノ
ズルの直前にも設けることが好ましい。加熱手段を、熱
風を噴出する噴出ノズルや輻射熱によって乳剤又は下層
路面を加熱する加熱器とすることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。図１ないし図４は本発明に
係るアスファルト合材の敷均し機械の一実施例を示す。
この敷均し機械はアスファルトフィニッシャであり、自
走式の走行車両１に、アスファルト合材Ａを収容するホ
ッパ２と、アスファルト合材の送出し装置３と、乳剤
（アスファルト）Ｎのスプレーノズル４と、スクリード
５が設けられ、乳剤Ｎをスプレーノズル４で未舗装の路
盤６上に散布しながら、ホッパ２からアスファルト合材
Ａを送出し装置３で路盤６の散布乳剤Ｎの上に送り出し
てスクリード５で敷き均す構成となっている。

【０００９】送出し装置３は、ホッパ２からアスファル
ト合材Ａを運び出すバーフィーダ３ａと、バーフィーダ
３ａによって運ばれてきたアスファルト合材を走行車両
１の幅方向に広げて路盤６上に送り出すスプレッデング
スクリュ（送出し部）３ｂとから成る。スプレーノズル
４とスクリード５とはそれぞれ左右一対、伸縮自在に前
後に分けて設けられており、乳剤Ｎの散布幅とアスファ
ルト合材Ａの敷均し幅を任意に調節することができるよ
うになっている。図の走行車両１はクローラ式となって
いるが、車輪式のものもある。

【００１０】スプレーノズル４はダクト構造で、スプレ
ッデングスクリュ３ｂの前に設けられ、またスプレーノ
ズル４とスプレッデングスクリュ３ｂの間、及びスプレ
ーノズル４の直前に、熱風の噴出ノズル（加熱手段）１
０，２０が設けられている。熱風噴出ノズル１０は、ス
プレーノズル４で路盤６上に散布された乳剤Ｎを加熱す
るものであり、他の熱風噴出ノズル２０は、乳剤Ｎが散
布されていない路盤６を加熱するものである。

【００１１】熱風噴出ノズル１０，２０はダクト構造と
され、導管１１によってバーナ１２に接続されている。
バーナ１２にはブロア１３が連絡されており、バーナ１
２で生じた熱風を導管１１を介して噴出ノズル１０，２
０に圧送し、下面の噴出孔１０ａ，２０ａから下に噴出
させることにより、路盤６上の散布乳剤Ｎ又は乳剤未散
布の路盤６を加熱することができるようになっている。
符号１４はバーナ１２の燃料タンクである。

【００１２】熱風噴出ノズル１０，２０は、スプレーノ
ズル４と同様に、それぞれ左右一対前後に分けて伸縮自
在に設けられている。そして、スプレーノズル４と熱風
噴出ノズル１０，２０とは、互いの外側をスクリード５
のサイドプレート８（図１では省略）に直接的或いはア
ーム等を介して間接的に支持されており、スクリード５
と一緒に伸縮する構造となっている。

【００１３】上記の構成とされたアスファルトフィニッ
シャにおいては、噴出ノズル１０，２０から熱風を路盤
６に向けて噴出しながら走行車両１を走らせ、スプレー
ノズル４から乳剤Ｎを路盤６上に散布するとともに、そ
の散布乳剤Ｎの上にアスファルト合材Ａをスプレッデン
グスクリュ３ｂで送り出してスクリード５で敷き均す。

【００１４】上記の敷均し作業において、乳剤未散布の
路盤６とスプレーノズル４で散布された乳剤Ｎとを、噴
出ノズル１０，２０から噴出された熱風が加熱するの
で、気温が低かったり、風が強かったりしても、乳剤Ｎ
は冷やされることなく路盤６とアスファルト合材Ａに良
好に浸透して両者を一体に結合する。このため、外気温
度や風の影響を受けることなく所定の品質を保って舗装
することができる。

【００１５】なお、噴出ノズル２０から噴出された熱風
は、路盤６から水分を除去するので、舗装が一層良くな
る。路盤６を加熱しないで水分だけを除去する場合は、
バーナ１２を止めてブロア１３だけを作動させ、噴出ノ
ズル２０の噴出孔２０ａから常温の空気を噴出させる。

【００１６】図５は他の加熱手段（加熱器）１８を示
す。この加熱器は、輻射熱で路盤６等を加熱するもので
あり、熱風をダクトや加熱盤に流すものや、電熱器、或
いはバーナ等が用いられる。なお、スプレーノズル４の
前に設備する加熱手段は、炎を路盤６に直接触れさせる
構造のものであってもよい。

【００１７】また、スプレーノズル４の前後に設備され
る加熱手段は同種でも異種でもよく、一方を熱風噴出ノ
ズルとし、他方を加熱器とすることができる。

【００１８】ノズル４、１０，２０と加熱器１８の具体
的な構造は任意であり、また図の実施例の２段式伸縮構
造に限らず、３段以上の伸縮構造とすることができ、場
合によっては伸縮できない構造であってもよい。ノズル
４，１０，２０を伸縮自在とした場合は、縮小状態にお
いて重合させられる一方のノズル口（噴出孔１０ａ，２
０ａ）を、通常、シャッタやバルブ等で開閉自在とし、
重合部分の一方のノズル口を閉じることにより乳剤Ｎの
散布と路盤６等の加熱をノズル４、１０，２０の全幅に
わたって均一にする。以上、下層路面としての未舗装の
路盤６にアスファルト合材を敷き均す場合について説明
したが、アスファルト舗装体やその切削面、コンクリー
ト舗装体等の下層路面に対しても同様に敷き均しを実施
することができる。

【００１９】スプレーノズル４で散布されて防水・接着
層（結合層）を形成する乳剤Ｎには、主としてアスファ
ルトを溶隔状態で用いるが、本発明においては、乳剤の
種類や配合比、或いは散布量等は任意である。また、本
発明は、アスファルトフィニッシャ以外の、例えばリペ
ーバやリミキサ等の敷均し機械にも実施することができ
る。スプレーノズル４の前には加熱手段を設けなくても
よい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアス
ファルト合材の敷均し機械は、走行車両に、乳剤を下層
路面に散布するスプレーノズルと、該スプレーノズルで
散布された乳剤の上にアスファルト合材を送出し部から
送り出す送出し装置と、該送出し装置によって乳剤の上
に送り出されたアスファルト合材を敷き均すスクリード
が設けられたアスファルト合材の敷均し機械において、
上記スプレーノズルと送出し部との間に、下層路面に散
布された乳剤を加熱する加熱手段が設けられた構成とさ
れているので、外気温度が低かったり、風が強いような
場合でも、それらの悪影響を受けることなく舗装を良好
に行うことができる。

【００２１】下層路面を加熱する加熱手段をスプレーノ
ズルの直前にも設けた構成とすると、下層路面が乳剤の
散布前に加熱させるだけでなく、雨水等の水分で湿って
いるような場合でも加熱によって水分が除去されるの
で、舗装が一層良好になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るアスファルト合材の敷均し機械
の一実施例を示す側面図である。

【図２】 図１の敷均し機械の平面図である。

【図３】 スプレーノズルと噴出ノズル等の関係を示す
図である。

【図４】 噴出ノズルとバーナ等の関係を示す一部破断
の図である。

【図５】 加熱器の図である。

【符号の説明】

１ 走行車両 ３ 送出し装置 ３ｂ スプレッデングスクリュ（送出し部） ４ スプレーノズル ５ スクリード ６ 路盤（下層路面） １０ 噴出ノズル（加熱手段） １０ａ 噴出孔 １８ 加熱器（加熱手段） ２０ 噴出ノズル（加熱手段） ２０ａ 噴出孔 Ａ アスファルト合材 Ｎ 乳剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和良 群馬県群馬郡群馬町棟高730番地 株式会 社新潟鉄工所高崎工場内 (72)発明者 内藤 光顯 東京都中央区京橋１−19−11 日本鋪道株 式会社内 (72)発明者 斉藤 徹 東京都中央区京橋１−19−11 日本鋪道株 式会社内 (72)発明者 宮崎 一郎 東京都中央区京橋１−19−11 日本鋪道株 式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行車両に、乳剤を下層路面に散布する
   スプレーノズルと、該スプレーノズルで散布された乳剤
   の上にアスファルト合材を送出し部から送り出す送出し
   装置と、該送出し装置によって乳剤の上に送り出された
   アスファルト合材を敷き均すスクリードが設けられたア
   スファルト合材の敷均し機械において、上記スプレーノ
   ズルと送出し部との間に、下層路面に散布された乳剤を
   加熱する加熱手段が設けられたことを特徴とするアスフ
   ァルト合材の敷均し機械。
2. 【請求項２】 下層路面を加熱する加熱手段がスプレー
   ノズルの直前にも設けられたことを特徴とする請求項１
   記載のアスファルト合材の敷均し機械。
3. 【請求項３】 加熱手段は、熱風を噴出する噴出ノズル
   であることを特徴とする請求項１又は２記載のアスファ
   ルト合材の敷均し機械。
4. 【請求項４】 加熱手段は、輻射熱によって乳剤又は下
   層路面を加熱する加熱器であることを特徴とする請求項
   １又は２記載のアスファルト合材の敷均し機械。