JPH1045434A - 自動車用電波透過型断熱ガラス - Google Patents

自動車用電波透過型断熱ガラス

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JPH1045434A
JPH1045434A JP20199496A JP20199496A JPH1045434A JP H1045434 A JPH1045434 A JP H1045434A JP 20199496 A JP20199496 A JP 20199496A JP 20199496 A JP20199496 A JP 20199496A JP H1045434 A JPH1045434 A JP H1045434A
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JP
Japan
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glass
film
radio wave
wave transmission
thin film
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Application number
JP20199496A
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English (en)
Inventor
Takao Tomioka
孝夫 冨岡
Hiroshi Nakajima
弘 中嶋
Itaru Shibata
格 柴田
Riichi Nishide
利一 西出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1045434A publication Critical patent/JPH1045434A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿性、耐摩耗性、耐食性並びに耐久性に優
れ、通常のフロ−トガラス並に電波を透過し、熱線遮蔽
性で熱暑感なく冷暖房効果を向上し、自動車用窓材とし
て単板で少なくとも使用できるものを得る。 【構成】 透明なガラス基板表面に、ガラス面側から第
1層として膜厚が1nm以上10nm以下のアルミシリコン酸
化物薄膜、第2層として膜厚が5nm以上50nm以下のタン
グステンシリコン酸化物薄膜、第3層として膜厚が10nm
以上100nm 以下のアルミシリコン酸化物薄膜を、Arガス
とO2ガスの比率が95%:5 %ないしは70%:30%の範囲
の雰囲気ガスにある真空系装置内でアルミシリコンター
ゲットまたはタングステンシリコンターゲットに印加し
スパッタすることで積層成膜し、表面抵抗値が 60MΩ/
口以上 10GΩ/口以下の高抵抗である自動車用電波透過
型断熱ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌用等の被膜付
きの断熱ガラスとして使用するものであって、とりわけ
熱暑感を防止し、冷暖房効果を向上せしめるとともに、
比較的高い可視光線透過率を有するものであり、特にグ
リ−ンガラスを用いることで紫外線も遮断できて居住性
をも高め、しかもAM電波、FM電波等の放送における受信
障害などの低減、あるいはゴ−スト現象等の電波障害を
低減でき、通常のフロ−トガラス並の電波透過性能を必
要とするガラス、ことに単板ガラスとして使用可能な自
動車用電波透過型断熱ガラスを提供するものである。
【0002】特に自動車用窓材、例えばフロントウイン
ドーやリヤウインドーあるいはサイドウインドー、また
はサンルーフ等、なかでもガラスアンテナ(アンテナ導
体)を備えるガラスに有用な自動車用電波透過型断熱ガ
ラスに関する。
【0003】
【従来の技術】近年、車輌用ガラスを通して車内に流入
する太陽輻射エネルギーを遮蔽し、車内の温度上昇、冷
房負荷を低減させる目的から熱線遮蔽ガラスが車輌用に
採用されている。また最近は特に該車輌用ガラスにおい
て、高熱線遮蔽性能に加えて、比較的高い可視光透過率
で各種電波の透過性が要求されるようにもなってきてい
る。
【0004】また、従来の熱線吸収ガラスは可視光等の
透過率が適宜選択できかつ電波透過性を高くすることが
できるが、熱線反射率が低く熱線遮断性に劣り、しかも
ハイマウントランプ用のパタ−ンニングができないもの
であり、またオンライン熱線反射ガラスは熱線遮断性お
よび電波透過性が高いが、ハイマウントランプ用のパタ
−ンニングができないものであった。
【0005】該車輌用の熱線遮蔽ガラスについては、例
えば特開平1-145351号公報には、赤外線遮断ガラスが記
載されており、ガラス基板上に、基板側から順に透明誘
電体膜、窒化物膜、及び透明誘電体膜の少なくとも3層
構成膜を形成してなる赤外線遮断ガラスにおいて、少な
くとも透明誘電体膜が酸化タンタルよりなることが開示
され、窒化物膜が窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化
ハフニウム、窒化タンタル、及び窒化クロムのうち少な
くとも1種からなることが開示されている。
【0006】一方、電波透過性能と熱線遮蔽性能を備え
る車輌用ガラスについては、例えば、特開平2-177601号
公報には、電波透過性能を有する車輌用窓ガラスが記載
されており、熱線反射膜とアンテナ導体とを設けてなる
ものであって、熱線反射膜の表面抵抗率が20kΩ/口未
満の膜では、本来のガラスアンテナ性能を発揮できなく
なるものであり、熱線反射膜がアンテナ導体と接触状態
にある場合には、熱線反射膜の表面抵抗率は500KΩ/口
以上、望ましくは1MΩ/口以上が好ましいことが開示さ
れている。
【0007】また例えば、本出願人が既に出願提案した
特開平8-12378 号公報には、熱線遮断ガラス及びその製
造方法を記載しており、透明なガラス基板上に、基板側
より第1層として第1の誘電体膜を設け、該第1層上に
第2層として酸化タングステン膜を設け、該第2層上に
第3層として第2の誘電体膜を設けてなるものを記載し
た。
【0008】また例えば、第2層として周期律表のII
Ia族、IVa族、Vb族、VIb族及びVIIb族か
ら成る群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を含有
する複合酸化タングステン膜を設けたこと、あるいは/
および第1及び第2の誘電体膜としてシリコン、チタ
ン、アルミニウム、錫、ジリコニウム、タンタル、クロ
ム、ステンレス、ニクロム及びニオブから成る群から選
ばれた少なくとも1種の酸化物、又はそれらの複合酸化
物を使用したことを記載した。
【0009】さらに、これらにより例えば、可視光透過
率が約70%程度以上で充分な可視光透過率で視認性をも
ち、日射透過率が約60%程度以下で太陽光の熱線を充分
効果的に遮断し、膜のシ−ト抵抗値が500KΩ/口〜200M
Ω/口の範囲にあって、携帯電話が支障なく使用できる
とともに、ラジオではFMやAM電波を良好に受信すること
ができ充分な電波透過性を有する等、有用な建築用ある
いは自動車用の窓ガラスとなることを開示した。
【0010】さらに例えば、本出願人が既に出願提案し
た特開平8-59298 号公報には、断熱膜を記載しており、
透明なガラス基板上に、タングステンと周期律表のIV
a族、IIIa族、VIIb族、VIb族及びVb族か
ら成る群から選ばれた少なくとも1種の元素とからなる
複合酸化物膜を形成した断熱膜を開示した。
【0011】さらにまた例えば、本出願人が既に出願提
案した特開平8-59300 号公報には、断熱膜を記載してお
り、透明なガラス基板/複合酸化タングステン膜/透明
誘電体膜/複合酸化タングステン膜であり、かつ透明誘
電体膜の屈折率が複合酸化タングステン膜の屈折率より
も低い熱線遮断ガラスを開示した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述したような、例え
ば特開平1-145351号公報等に記載されたものは、熱線遮
蔽性能を得るために窒化チタン等の窒化物を膜厚が通常
5〜60nmであり、また酸化タンタルとしては膜厚が比較
的厚い40〜90nmが好ましく、より好ましくは55〜75nmで
あり、その結果必ずしも電波透過性能に優れるものとは
言い難く、自動車に搭載のテレビ、ラジオ、携帯電話の
ためのガラスアンテナの受信性能が低下することとな
り、高い可視光透過率と低い可視光反射率、膜色調、刺
激純度、熱線遮蔽性能および電波透過性能が充分バラン
スよく有するような所期の自動車用窓材としての特性を
得難いという問題がある。
【0013】一方、例えば特開平2-177601号公報に記載
されたものは、仮に熱線反射膜がアンテナ導体と接触状
態にある場合、熱線反射膜の表面抵抗率が500KΩ/口以
上、例えば1〜8MΩ/口程度のものでは、一応アンテナ
の受信性能を満たすものの、少々の性能の低下は避けら
れず、また例えば無限大の表面抵抗率すなわち絶縁膜を
なし得てアンテナの受信性能は充分であるものとして
も、各種光学特性が不十分および膜厚ムラが生じる等各
種性能を満足するものではなくなり、到底充分に優れた
電波透過性能を有しかつバランスよく各種光学特性およ
び各種性能を備えていて、充分満足できる所期の自動車
用窓材等とは言い難いものである。
【0014】また、例えば本出願人が既に出願提案した
特開平8-12378 号公報等に記載したものは、前述したよ
うに、可視光透過率が約70%程度以上で充分な可視光透
過率で視認性をもち、日射透過率が約60%程度以下で太
陽光の熱線を充分効果的に遮断し、膜のシ−ト抵抗値が
500KΩ/口〜200MΩ/口の範囲にあって、携帯電話が支
障なく使用できるとともに、ラジオではFMやAM電波を良
好に受信することができ充分な電波透過性を有する等、
優れた有用な建築用あるいは自動車用の窓ガラスとなる
なかで、さらなる過酷な条件あるいは/ならびに長期的
な期間に耐えるものとすることが望まれるところであっ
た。
【0015】また、近年車輌用窓ガラスとして室内の居
住性向上のために熱線遮断ガラスが有用になってきてお
り、最近ではこの特性に加えて各種電波をバックウイン
ド−のプリントアンテナ(ガラスアンテナ)で受信する
傾向にあり、ことにこれまでのホイップアンテナで受信
していたAM電波もガラスアンテナで受信するようになっ
てきた、ことに携帯電話、カ−ナビ等の普及はめざまし
いものがある。
【0016】このため、電波透過性としては従来より高
い例えば約60M Ω/口程度以上の表面抵抗値が必要とな
ってきており、また安全性と居住性の点から比較的高い
可視光透過率、熱線遮断性のものが所望されてきてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のこのよ
うな点に鑑みてなしたものであり、透明なガラス基板上
に、特定したアルミシリコン酸化物薄膜とタングステン
シリコン酸化物薄膜とを、スパッタリング法により、特
定の膜厚で組み合わせ積層した積層成膜とし、比較的高
い可視光透過率と熱線遮断性で表面抵抗値を 60MΩ/口
以上であるものとしたことにより、耐湿性を向上する等
より耐久性に優れ、視認性を高め、熱線遮断性に優れ、
しかもバランスよくその特性を発揮し、さらにより優れ
た電波透過特性を有する電波透過型の断熱ガラスをうる
ことができ、単板でかつガラスアンテナを備えるような
ものを含む各種自動車用窓材にも充分使用でき、より過
酷な条件・環境でもその優れた性能を維持するような最
近のニーズにより適応可能なものとなる有用な自動車用
電波透過型断熱ガラスを提供するものである。
【0018】すなわち、本発明は、透明なガラス基板表
面に、ガラス面側から第1層として膜厚が1nm以上10nm
以下のアルミシリコン酸化物薄膜、第2層として膜厚が
5nm以上50nm以下のタングステンシリコン酸化物薄膜、
第3層として膜厚が10nm以上100nm 以下のアルミシリコ
ン酸化物薄膜を、ArガスとO2ガスの比率が95%:5 %な
いしは70%:30%の範囲の雰囲気ガスにある真空系装置
内でアルミシリコンターゲットまたはタングステンシリ
コンターゲットに印加しスパッタすることで積層成膜
し、表面抵抗値が 60MΩ/口以上 10GΩ/口以下の高抵
抗であることを特徴とする自動車用電波透過型断熱ガラ
ス。
【0019】ならびに、前記3層の積層成膜の反射色
が、ニュ−トラル色系色調であることを特徴とする上述
した自動車用電波透過型断熱ガラス。また、前記自動車
用電波透過型断熱ガラスが、単板であることを特徴とす
る上述した自動車用電波透過型断熱ガラス。
【0020】さらに、前記自動車用電波透過型断熱ガラ
スが、少なくともアンテナ導体と前記3層でなる積層成
膜とを備えることを特徴とする上述した自動車用電波透
過型断熱ガラスを提供するものである
【0021】
【発明の実施の形態】ここで、前記したように、ガラス
面側から第1層として膜厚が1nm以上10nm以下のアルミ
シリコン酸化物薄膜、第2層として膜厚が5nm以上50nm
以下のタングステンシリコン酸化物薄膜、第3層として
膜厚が10nm以上100nm 以下のアルミシリコン酸化物薄膜
を、ArガスとO2ガスの比率が95%:5 %ないしは70%:
30%の範囲の雰囲気ガスにある真空系装置内でアルミシ
リコンターゲットまたはタングステンシリコンターゲッ
トに印加しスパッタすることで積層成膜してなるものと
したのは、先ず、膜厚が5nm以上50nm以下のタングステ
ンシリコン酸化物薄膜については、タングステンシリコ
ン酸化物薄膜は比抵抗が高くしたがって比較的高い電波
透過性を示すことはもちろん優れた断熱性能も有するも
のであるが、やや耐湿性が優れるものとは言い難いとこ
ろがあり、該タングステンシリコン酸化物薄膜を第2層
としてアンダ−コ−トおよびオ−バ−コ−トをすること
で保護し耐湿性が向上するようにした。
【0022】また、該タングステンシリコン酸化物薄膜
の膜厚が5nm未満で薄い場合であれば断熱性能が劣り、
50nmを超え厚すぎる場合には可視光透過率が低くなり可
視光反射率が高くなるため、膜厚としては5nm 以上50nm
以下とした。
【0023】次に、上記アンダ−コ−トとしてガラス面
側から第1層目に膜厚が1nm以上10nm以下のアルミシリ
コン酸化物薄膜を、また上記オ−バ−コ−トとして第3
層目に膜厚が10nm以上100nm 以下のアルミシリコン酸化
物薄膜をそれぞれ選んだことについては、第2層である
タングステンシリコン酸化物薄膜を密着性よく保護し、
各種自動車用窓材にも充分使用でき、耐湿性を向上する
等より耐久性に優れ、視認性を高め、熱線遮断性に優
れ、しかもバランスよくその特性を発揮し、さらにより
優れた電波透過特性を有するようにし、より過酷な条件
・環境でもその優れた性能を維持するような最近のニー
ズにより適応可能なものとするのに最適であるためであ
る。
【0024】また、該アンダ−コ−トとしてアルミシリ
コン酸化物薄膜の膜厚を1nm以上10nm以下としたのは、
1nm未満であれば膜の均一性が充分でなくガラス基板と
の密着性にムラを生じ、タングステンシリコン酸化物薄
膜に対する充分な保護膜とならず、10nmを超えると保護
膜としての効果が膜厚を厚くした割りに少なく生産性上
から効果的でない等のため、膜厚としては1nm 以上10nm
以下とした。
【0025】また、該オ−バ−コ−トとしてアルミシリ
コン酸化物薄膜の膜厚を10nm以上100nm 以下としたの
は、10nm未満で膜厚が薄い場合あれば耐湿性を満足でき
るものとすることができず、100nm を超えると保護膜と
しての効果が膜厚を厚くした割りに少なく生産性上から
効果的でないし、可視光透過率が低くなり可視光反射率
が高くなる傾向が生じるようになるためである。
【0026】しかも、該アルミシリコン酸化物薄膜およ
びタングステンシリコン酸化物薄膜を、ArガスとO2ガス
の比率が95%:5 %ないしは70%:30%の範囲の雰囲気
ガスにある真空系装置内でアルミシリコンターゲットま
たはタングステンシリコンターゲットに印加しスパッタ
することとしたのは、アルミシリコン酸化物薄膜を成膜
する際におけるArガスとO2ガスの比率においてO2ガスの
割合が5%未満であれば導電性が高くなるため電波透過
性を示さず、また30%を超えると成膜レ−トが低くなり
生産性が低下する。またタングステンシリコン酸化物薄
膜を成膜する際におけるArガスとO2ガスの比率において
O2ガスの割合が5%未満であれば導電性が高くなるため
電波透過性を示さず、また30%を超えると優れた断熱性
能を示さない。
【0027】さらに、該アルミシリコン酸化物薄膜およ
びタングステンシリコン酸化物薄膜を成膜する際におけ
る混合ガス中のArガスの比率を高くすることにより、成
膜レ−トがアップし、生産性が向上し、オ−バ−コ−ト
としての厚膜化が可能となり、さらに耐湿性が向上す
る。
【0028】さらにまた、該アルミシリコン酸化物薄膜
およびタングステンシリコン酸化物薄膜を成膜する際に
おける混合ガス中のArガスとO2ガスの比率を同一とする
ことにより当該ガスの切り替えに伴う時間が短縮でき生
産性を向上せしめることができる。
【0029】また、前記3層の積層成膜の表面抵抗値が
60MΩ/口以上10G Ω/口以下の高抵抗値であることと
したのは、60M Ω/口未満の表面抵抗値では、積層成膜
を被膜する以前のガラス板の電波透過性に比し充分安定
確実に例えば1dB(絶対値として)以内の変動差内に収
めることができないものであり、より充分安定確実に1
dB以内の変動差内、例えば0.8 dB以内の変動差内とする
ためには65M Ω/口以上、さらに電波透過性能および光
学特性ならびに物理的化学的特性を充分満足する好まし
い積層成膜の表面抵抗値としては70M Ω/口以上1G Ω
/口以下程度の範囲であり、より好ましい表面抵抗値と
しては75M Ω/口以上1G Ω/口以下程度の範囲であ
る。
【0030】またさらに、前記した構成でなる電波透過
型の熱線遮蔽ガラスは単板で使用でき、特に自動車用窓
材とて合せガラスとしてはもちろん、例えばリアガラ
ス、サイドガラスあるいはサンルーフガラス等に単板と
して使用できるものである。
【0031】さらに、前記自動車用電波透過型断熱ガラ
スは、透明なガラス基板が、例えば可視光透過率が約80
%程度、可視光反射率が約7%程度、日射透過率が約58
%程度、刺激純度が2〜3%程度で、人や環境に優しく
夜間や雨天でもギラつかない、しかも紫外線吸収性能も
付与しうるグリーン系色調ガラス基板(例えば、3.5mm
厚み程度)を用いれば、該基板とほぼ同等の電波透過性
能(積層成膜を被覆する前の着色ガラス基板のみの電波
透過性に比してその差が1dB未満内、例えば0.8 〜0dB
である)を有する前記積層成膜と特に光学特性上で巧み
に相互に絡ませ相乗効果をもたらしめるようにすること
で、電波透過性能および熱線遮蔽性能を高めたことはも
ちろん、紫外線遮蔽等格段に優れた光学的機能を備える
卓越した特に自動車用窓ガラスとして最適なものとな
る。
【0032】さらにまた、前記自動車用電波透過型断熱
ガラスは、透明なガラス基板が、例えば可視光透過率が
約79%程度、可視光反射率が約7%程度、日射透過率が
約72%程度、刺激純度が2〜3%程度で、人や環境に優
しく夜間や雨天でもギラつかないグリーン系色調ガラス
基板より同等かやや劣るブロンズ系色調ガラス基板(例
えば、3.5mm 厚み程度)を用いることで、該基板とほぼ
同等の電波透過性能(積層成膜を被覆する前の着色ガラ
ス基板のみの電波透過性に比して1dB未満内、例えば0.
8 〜0dB )を有する前記積層成膜と特に光学特性上で巧
みに相互に絡ませ相乗効果をもたらしめるようにするこ
とで、単に電波透過型熱線遮蔽ガラスとする従来とは異
なり、電波透過性能および熱線遮蔽性能を高めたことは
もちろん、格段に優れた光学的機能を備える卓越した特
に自動車用窓ガラスとして好適なものとなる。
【0033】さらにまた、前記自動車用電波透過型断熱
ガラスはアンテナ導体と少なくとも前記3層でなる積層
成膜とを備えている窓ガラス、例えば自動車用窓ガラ
ス、ことにリアガラス、リアクオウタ(サイド)ガラス
として有用であり、具体的には断面上の構成としては例
えば前記ガラス基板と前記積層成膜との間にアンテナ導
体を設け、平面上では前記積層成膜をガラス基板の全面
に被膜することを基本にし、例えばガラス基板の周辺部
の黒枠内で周縁端からある幅で全周部分または給電点部
よりやや大きめの部分を除いて被膜すること、あるいは
該給電点部と同様にしかもモール(枠体)を一体成型ま
たは後付けする部分を除き被膜すること、さらには該ア
ンテナ導体部分の全部または一部を除いて被膜すること
等とすることができるものであり、その構成は種々の構
成が自在になし得ることは言うまでもない。
【0034】さらにまた、前記被膜した断熱性能を有す
る膜の表面抵抗値を前記したように高い値としたことに
より、AM電波、FM電波等の放送における受信障害あるい
はTV映像でのゴ−スト現象等の電波障害などをより確実
に発現しないようにすることができ、充分な電波透過性
能を有するガラスが必要を得て、環境に優しいものとす
るためである。また例えば、ガラスアンテナ素子に前記
被覆した高抵抗の熱線遮蔽性能を有する膜を直接積層し
た場合においても、電波受信性能の低下には全く影響を
及ぼすことがないと言えるものとなるものである。
【0035】また、前記したようにガラス基板としては
所謂フロート法で製造された無機質で透明な無色または
着色ガラスであって、好ましくは例えばグリーン系ガラ
スやブロンズ系ガラスあり、さらに例えばグレー系ガラ
スやブルー系ガラス等にも採用可能である。また単板で
使用できることはもとより、複層ガラスあるいは合せガ
ラス(本電波透過型の熱線遮蔽ガラスはクリア同志はも
ちろんクリアと着色ガラス基板との組み合わせをも含
む)、シェ−ドバンド付きガラス、バイレイヤ−ガラ
ス、強化ガラス等、さらに平板あるいは曲げ板等各種板
ガラス製品として使用できることは言うまでもない。ま
た板厚としては例えば約1.5mm 程度以上約4.5mm 程度以
下が好ましく、より好ましくは約2.0mm 程度以上約4.0m
m 程度以下の無色または着色ガラスである。
【0036】前述したとおり、本発明の自動車用電波透
過型断熱ガラスは、透明なガラス基板上に、特異にx 値
をコントロールしたSiWOx 薄膜を特異にx 値をコントロ
ールしたAlSiOx薄膜で包み込むように被覆積層し少なく
とも3層にそれぞれ特定の膜厚で形成してなり、かつ表
面抵抗値が 60MΩ/口以上10G Ω/口以下であるものと
したことにより、該少なくとも3層の積層膜のうち、第
2層として非常に高い表面抵抗値と断熱性を持ちかつそ
の値を制御でき得、しかも目標の光学特性を前記ガラス
基板の光学特性と巧みに整合せしめてバランスさせるよ
うコントロールでき易いAlSiOx薄膜を配置し、積層膜に
充分な電波透過特性を与えるものである。さらに単板で
も耐薬品性、耐候性、耐摩耗性および耐久性で絶縁性の
性質を合わせもつAlSiOx薄膜を最外表層に配置すること
で、高耐摩耗性、高耐久性を有する膜を得ることを可能
にしたものであり、単板でも3層構成において電波透過
性、高耐摩耗性、高耐久性を保持し、可視光透過率、可
視光反射率、日射透過率ならびに反射の刺激純度とをバ
ランスよく顕著にする作用を与えるものである。
【0037】とりわけ、可視光透過率が70%以上として
クリアでき、積層成膜の反射色がニュ−トラル系であ
り、しかも日射透過率を向上し、可視光反射率等光学特
性も適宜バランスし得ることができて、特にグリ−ンガ
ラス基板を採用することで紫外線をも遮蔽でき、熱暑感
を緩和し冷暖房の効果を高め居住性を向上し、さらにAM
帯、FM帯、TV帯等での電波低反射性能が格段に優れて通
常のフロ−トガラス並の電波透過性能であることから、
車輌用のテレビ、ラジオ、携帯電話等のためのガラスア
ンテナの受信性能を低下させることなく、またゴ−スト
現象等の電波障害を低減することができ、本来のガラス
アンテナ性能を発揮させ、車輌内外での快適な環境を確
保することができ、ことにガラスアンテナでAM帯電波を
支障なく受信でき、単板で使用可能な優れた自動車用電
波透過型断熱ガラスを提供するものである。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0039】実施例1 大きさ約300mmx300mm 、厚さ約3.5mm のグリ−ン色調系
ガラス基板(MFL3.5)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピ
ルアルコールで順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロ
ンスパツタリング装置の真空槽内にセットしてあるある
AlSiのターゲツトを対向して上方を往復できるようセッ
トし、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10 -6Torr以下
までに脱気した後、該真空槽内にArガスとO2ガスの混合
ガス(但し、混合ガス中のO2ガスの流量は18%である)
を導入して真空度を5x10 -3Torrに保持し、前記AlSiの
ターゲツトに約1.0kW の電力を印加し、前記混合ガスに
よるDCマグネトロン反応スパツタの中を、AlSiのターゲ
ツトの上方においてスピード約1161mm/min でガラス基
板上に第1層として約 5nm厚さのAlSiOx薄膜を成膜し
た。成膜が完了した後、AlSiターゲツトへの印加を停止
する。
【0040】次いで、前記した同装置の真空槽内にセッ
トしてあるSiW のターゲツトを対向して上方を往復でき
るようセットし、つぎに前記槽内を真空ポンプで5x10
-6Torr以下までに脱気した後、該真空槽内にArガスとO2
ガスの混合ガス(但し、混合ガス中のO2ガスの流量は18
%である)を導入して真空度を5x10 -3Torrに保持し、
前記SiW のターゲツトに約0.5kW の電力を印加し、前記
混合ガスによるDCマグネトロン反応スパツタの中を、前
記SiW のターゲツトの上方においてスピード約615mm /
min で前記ガラス基板を搬送することによって、前記第
1層目のAlSiOx薄膜上に第2層として約25nm厚さのSiWO
x (x は1.5 〜2程度である)薄膜を成膜した。成膜が
完了した後、SiW ターゲツトへの印加を停止する。
【0041】さらに次いで、第1層目の膜と同様に、前
記した同装置の真空槽内にセットしてあるAlSiのターゲ
ツトを対向して上方を往復できるようセットし、つぎに
前記槽内を真空ポンプで5x10 -6Torr以下までに脱気し
た後、該真空槽内にArガスとO2ガスの混合ガス(但し、
混合ガス中のO2ガスの流量は18%である)を導入して真
空度を5x10 -3Torrに保持し、前記AlSiのターゲツトに
約1.0kW の電力を印加し、前記混合ガスによるDCマグネ
トロン反応スパツタの中を、前記AlSiのターゲツトの上
方においてスピード約194mm /min で前記ガラス基板を
搬送することによって、前記第2層のSiWOx 薄膜上に第
3層として約30nm厚さのAlSiOx(x は1.5 〜2程度であ
る)薄膜を成膜した。成膜が完了した後、AlSiターゲツ
トへの印加を停止する。
【0042】得られた単板3層の自動車用電波透過型断
熱ガラスは表1に示す膜構成となり、該自動車用電波透
過型断熱ガラスについて下記の測定をして評価した。 (測定および評価法) 光学特性: 可視光透過率(380nm〜780nm)、可視光反射率(380nm〜780nm) ならびに日射透過率(340nm〜1800nm) 等については340 型自 記分光光度計(日立製作所製)とJISZ8722、JISR3106によっ てそれぞれの光学的特性を求めた。
【0043】 *結果は表1および2に示す。 なお、光源としては、透過率がA光源、反射率がD65光源 で実施した。
【0044】 機械的特性: (テ−バー試験) (耐摩耗性) 摩耗輪(CS-10F)、荷重500g、1000回回転後のヘ−ズ(曇り 具合)値の変化量(△H%)。
【0045】 (トラバース試験) ブロード布#40、荷重100g/cm2 、ストローク:100mm、回数 5000回後のヘ−ズ(曇り具合)値の変化量(△H%)。
【0046】 *いずれも△H%が4%以下であれば、単板で使用可能であ り、合格とした。 化学的特性: (耐酸性) (耐薬品性) 常温で3%H2SO4 溶液中に試験片を約4時間浸漬した後、外 観を目視判定。
【0047】 (耐アルカリ性) 常温で3%NaOH溶液中に試験片を約4時間浸漬した後、外観 を目視判定。
【0048】 *いずれも外観を目視し変化が見られないか許容範囲内のも のを合格とした。 電気的特性: 三菱油化製表面高抵抗計(HIRESTA HT-210)によって表面抵 抗値(点間)(M Ω/口)を測定。
【0049】 *表面抵抗値が約60M Ω/口以上(好ましくは約60M Ω/口 以上10G Ω/口以下)あれば、電波透過性を合格とした。 すなわち例えば、電波のうちAM帯(約520 〜1630kHz 程度 の範囲)において、被膜のないガラス基板の利得と本発明の 自動車用電波透過型断熱ガラスの利得を各々測定し、その差 の絶対値△dBが1以下程度となり、充分な電波透過性能を有 する。
【0050】 耐湿性: 約50℃で相対湿度約95%RHの環境中に約2週間放置後、外観 を目視判定。 *外観を目視し変化が全く見られないか充分合格許容範囲内 であるものを◎印、合格許容範囲内でもギリギリであるもの を○印としそれぞれ合格とした。
【0051】 また合格許容範囲外であるがギリギリのものを△印、全面 に変化が見られ全く合格の許容範囲外であるものを×印とし た。
【0052】なお、各薄膜の膜厚については、それぞれ
の薄膜について被膜時に、被膜しない部分を作り、その
段差を表面粗さ計(SLOAN 社製、DEKTAK II A )で測定
した後、補足して求めた。
【0053】その結果、その一部を表1および2に示し
たようになり、可視光透過率が71.2%と優れた透視性で
例えば車内外等の安全性が確保でき、日射透過率が51.4
%と充分優れた熱線の遮蔽性を示し、可視光反射率が膜
面側で11.4%かつその刺激純度が11.1%、ガラス面側で
10.2%かつその刺激純度が12.3%となり、例えば刺激純
度が13%程度以下でニュ−トラル色調を呈する等めざす
光学特性であり、表面抵抗値が 83MΩ/口と高い表面抵
抗値であって充分な電波透過性を有し、耐湿性も◎印で
あって充分めざす耐久性を示すものであった。
【0054】また、化学的特性試験でも変化は見られず
充分安定な耐薬品性を示し、テ−バ−試験およびトラバ
−ス試験とも△Hが4%以下であり優れた耐摩耗性を示
すものであった。
【0055】したがって、各物性をバランスよく示す所
期の自動車用電波透過型断熱ガラスを得ることができ、
優れた視認性と居住性をもちかつ運転者や搭乗者あるい
は環境に優しく安全性も確保できつつしかもAM帯をはじ
め各種電波を快適に受信ができる自動車用窓ガラス、こ
とにアンテナ導体と同時に備える自動車用窓ガラスに対
しても充分採用できるものであった。
【0056】なお、耐候性(例、サンシヤインウエザー
メーターで約1000時間:外観上異常がないこと)、その
他種々の特性をも評価したところ、いずれもめざすもの
となり合格するものであった。
【0057】実施例2 実施例1と同様の大きさ、厚さのグリ−ン色調系ガラス
基板(MFL3.5)を順次洗浄し、乾燥して用いた。
【0058】実施例1と同様にしてガラス基板上に第1
層として約 5nm厚さのAlSiOx薄膜を成膜し、次いで該第
1層目のAlSiOx薄膜上に第2層として約25nm厚さのSiWO
x (x は1.5 〜2程度である)薄膜を成膜し、さらに次
いで第2層のSiWOx 薄膜上に第3層として膜厚を変更し
て約50nm厚さのAlSiOx(x は1.5 〜2程度である)薄膜
を成膜した。
【0059】上記したように、前記実施例1と同様の方
法で、表1に示す膜構成と各膜厚を得て、実施例1で示
した測定法等によって同様の評価手段で評価を行った。
その結果の一部を表1および2に示す。
【0060】得られた該自動車用電波透過型断熱ガラス
は、可視光透過率が71.8%、日射透過率が52.0%、可視
光反射率が膜面側で11.0%かつその刺激純度が 6.0%、
ガラス面側で10.6%かつその刺激純度が 7.5%となり、
ニュ−トラル色調を呈する等優れた光学特性を示し、さ
らに表面抵抗値が 99MΩ/口、耐湿性も◎印、充分安定
な耐薬品性、優れた耐摩耗性等、いずれも実施例1と同
様に優れた各物性をバランスよく示す所期のめざす自動
車用電波透過型断熱ガラスであった。
【0061】実施例3 前記実施例1あるいは2と同様の方法で、第3層におけ
る膜厚のみ約100nm に変更し、表1に示す膜構成と各膜
厚を得た。
【0062】その膜構成と各膜厚において実施例1で示
した測定法等によって同様の評価手段で評価を行った。
その結果の一部を表1および2に示す。得られた該実施
例の自動車用電波透過型断熱ガラスは、表面抵抗値が13
5MΩ/口と優れて、いずれも実施例1と同様に優れた光
学特性等の各物性をバランスよく示す所期のものであっ
た。
【0063】実施例4 前記実施例1におけるガラス基板をブロンズ色調系に変
更したのみであり、表1に示す膜構成と各膜厚を得た。
【0064】その膜構成と各膜厚において実施例1で示
した測定法等によって同様の評価手段で評価を行った。
その結果の一部を表1および2に示す。得られた該実施
例の自動車用電波透過型断熱ガラスは、日射透過率が6
4.6%と多少遮蔽性が下がるものの表面抵抗値が135MΩ
/口と優れて、いずれも実施例1と同様に優れた光学特
性等の各物性をバランスよく示す所期のものであった。
【0065】実施例5 前記実施例1と同様の方法で、第3層における膜厚のみ
約20nmに変更し、表1に示す膜構成と各膜厚を得た。
【0066】その膜構成と各膜厚において実施例1で示
した測定法等によって同様の評価手段で評価を行った。
その結果の一部を表1および2に示す。得られた該実施
例の自動車用電波透過型断熱ガラスは、いずれも実施例
1と同様に優れた光学特性等の各物性をバランスよく示
す所期のものであった。
【0067】比較例1 実施例1と同様にして処理し、表1に示すように、実施
例1の第2層目において、成膜時における雰囲気中のO2
ガス量を4%として膜厚のみ約20nmに変更し、表1に示
す膜構成と各膜厚を得た。
【0068】その膜構成と各膜厚において実施例1で示
した測定法等によって同様の評価手段で評価を行った。
その結果の一部を表1および2に示す。得られた該比較
例の膜付きガラスは、日射透過率は45.4%と熱線の遮蔽
性を示し耐湿性が◎印であるものの、可視光透過率が6
4.9%と透視性が比較的劣り、可視光反射率が膜面側で1
5.8%かつその刺激純度が12.9%、ガラス面側で13.7%
かつその刺激純度が16.5%となり、例えば刺激純度が13
%程度以上でニュ−トラル色調を呈しているとは言い難
く、表面抵抗値が2MΩ/口と低い表面抵抗値であって充
分な電波透過性とは言えず、到底めざす所期の自動車用
電波透過型断熱ガラスではないものであった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定の膜構成で特定の各膜厚で少なくとも3層に
被膜した自動車用電波透過型断熱ガラスであって、耐湿
性、耐摩耗性、耐食性ならびに耐久性に優れ、かつバラ
ンスよく優れる光学特性を有し、しかも電波透過の良好
な通常のフロ−トガラス並の電波低反射率であって、電
波障害を発現するようなこともなく、該断熱ガラスに配
備したアンテナ導体の利得がフロ−トガラス並を示し、
合わせガラスあるいは複層ガラス等はもちろん単板ガラ
スとして使用し得る、建築用窓ガラスはもちろん、特に
自動車用窓ガラスとして有用な自動車用電波透過型断熱
ガラスを効率よく提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/08 C23C 14/08 N (72)発明者 柴田 格 神奈川県横浜市神奈川区宝町2 日産自動 車株式会社内 (72)発明者 西出 利一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2 日産自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なガラス基板表面に、ガラス面側か
    ら第1層として膜厚が1nm以上10nm以下のアルミシリコ
    ン酸化物薄膜、第2層として膜厚が5nm以上50nm以下の
    タングステンシリコン酸化物薄膜、第3層として膜厚が
    10nm以上100nm 以下のアルミシリコン酸化物薄膜を、Ar
    ガスとO2ガスの比率が95%:5 %ないしは70%:30%の
    範囲の雰囲気ガスにある真空系装置内でアルミシリコン
    ターゲットまたはタングステンシリコンターゲットに印
    加しスパッタすることで積層成膜し、表面抵抗値が 60M
    Ω/口以上 10GΩ/口以下の高抵抗であることを特徴と
    する自動車用電波透過型断熱ガラス。
  2. 【請求項2】 前記3層の積層成膜の反射色が、ニュ−
    トラル色系色調であることを特徴とする請求項1記載の
    自動車用電波透過型断熱ガラス。
  3. 【請求項3】 前記自動車用電波透過型断熱ガラスが、
    単板であることを特徴とする請求項1乃至2記載の自動
    車用電波透過型断熱ガラス。
  4. 【請求項4】 前記自動車用電波透過型断熱ガラスが、
    少なくともアンテナ導体と前記3層でなる積層成膜とを
    備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の自動車用
    電波透過型断熱ガラス。
JP20199496A 1996-07-31 1996-07-31 自動車用電波透過型断熱ガラス Pending JPH1045434A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2355273A (en) * 1999-10-12 2001-04-18 Pilkington Plc Coating glass
CN1330598C (zh) * 2005-08-22 2007-08-08 钱中良 用真空镀膜机制作镀膜装饰玻璃的方法
TWI411527B (zh) * 2010-12-14 2013-10-11 Manufacture method of insulating film and its application method
CN109824274A (zh) * 2019-03-27 2019-05-31 台玻安徽玻璃有限公司 一种耐磨型高透光浮法玻璃及其制备方法
WO2020071202A1 (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 セントラル硝子株式会社 車両用窓ガラス、及びその製造方法

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