JPH1043160A - 医用画像診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検者の意思による自由なタイミングで息を
止めても、息が止められた状態での画質の優れた画像を
安定に得る。 【解決手段】 被検者１０に呼吸検出器４１を取り付
け、それからの呼吸信号をＡ／Ｄ変換器４２を介して微
分回路４３に送り、その微分出力により息止め判定回路
４４が息止めを判定して、シーケンスコントローラ２５
に撮像開始指令を出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば核磁気
共鳴イメージング装置などの医用画像診断装置に関し、
とくに被検者が息を止めた状態で撮像する医用画像診断
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】核磁気共鳴イメージング装置やＸ線ＣＴ
装置などの医用画像診断装置で被検者を撮像する場合、
胸部や腹部を撮像部位とするときは、呼吸運動によって
撮像部位が動いてしまうと良好な画像を撮像することが
できなくなるため、被検者に息を一時的に止めてもらっ
て、その息止め期間中に撮像することがある。

【０００３】この場合、従来では、たとえばオペレータ
などがマイクを用いて被検者に息止め前の予備呼吸を指
示し、その後、息止め開始を指示する。そして、オペレ
ータが被検者における息止めを確認し、撮像開始ボタン
を押すなどの手動操作を行なう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、被検者はオペレータからの指示で呼吸を止めなけれ
ばならず、本来のリズムで呼吸することができない。そ
のため、不要な緊張を招くなど、被検者に負担がかか
る。被検者によっては指示通りに呼吸停止できないこと
もあり、その場合には画質の劣化した画像しか得られな
いことになる。

【０００５】この発明は、上記に鑑み、被検者の意思に
よる自由なタイミングで呼吸を止めることを許容し、か
つ、オペレータ等による確認なしに、呼吸が止められた
ことを検出して自動的に撮像を開始するように改善し
た、医用画像診断装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明による医用画像診断装置においては、撮像
手段と、呼吸運動に対応した呼吸信号を得る呼吸検出手
段と、該呼吸信号の波形より呼吸が停止されたことを判
定して撮像開始指令を上記撮像手段に与える呼吸停止判
定手段とが備えられることが特徴となっている。

【０００７】呼吸検出手段により呼吸運動に対応した呼
吸信号が得られる。この呼吸信号波形をモニターすれば
呼吸の状態がわかる。そこで、この波形の変化量や、変
動幅や、規則性などを捉えて呼吸停止を判定することが
できる。この呼吸停止判定に応じて撮像開始指令を撮像
手段に与えれば、呼吸停止に応じて自動的に撮像を開始
することができる。そのため、被検者は、その意思で自
由なタイミングで呼吸を停止することができ、負担が軽
減される。また、オペレータ等による、呼吸停止を確認
する作業が不要となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。図１は、こ
の発明を核磁気共鳴イメージング装置に適用した実施の
形態を示すブロック図である。この図において、核磁気
共鳴イメージング装置は、主磁場（静磁場）発生装置２
１と、傾斜磁場発生装置２２とを備え、これらの磁場中
に被検者１０が挿入される。被検者１０には送信コイル
２３と受信コイル２４とが取り付けられる。

【０００９】傾斜磁場発生装置２２は、直交３軸の各方
向の傾斜磁場をそれぞれ発生するもので、シーケンスコ
ントローラ２５によってその各軸の傾斜磁場のパルス波
形およびタイミングが制御される。また、シーケンスコ
ントローラ２５は、ＲＦ送信装置２６を制御して、共鳴
周波数のキャリアを所定の波形で振幅変調したＲＦ電力
を発生させ、これを送信コイル２３に送る。これにより
被検者１０に対するＲＦ照射が行われる。

【００１０】被検者１０において発生したＮＭＲ信号は
受信コイル２４で受信されて受信装置２７に送られ、検
波回路２８で検波され、Ａ／Ｄ変換器２９でデジタルデ
ータに変換されてホストコンピュータ３０に取り込まれ
る。ホストコンピュータ３０では収集したデータの２次
元フーリエ変換などの画像再構成処理が行われる。ホス
トコンピュータ３０とシーケンスコントローラ２５とは
データや指令のやり取りを行なっている。

【００１１】被検者１０には、呼吸検出器４１が取り付
けられる。この呼吸検出器は、たとえば腹部に取り付け
られてその張力を検出することにより、腹部の圧力変化
に応じた信号を呼吸信号として得るものなどを使用でき
る。この呼吸信号はたとえば図２の（ａ）に示すような
ものとなる。この呼吸信号はＡ／Ｄ変換器４２でデジタ
ルデータに変換された後微分回路４３に送られる。微分
回路４３は入力されたデジタルデータの微分を求める。
微分を求めるということは、呼吸信号の変化量（変化
率）を求めることに相当する。

【００１２】被検者１０が息を止めると、呼吸信号は図
２の（ａ）の左側部分のような通常時の規則的な変化か
ら、不規則な、０付近でほとんど変化しない状態とな
る。そこで、微分回路４３で得た微分信号が一定レベル
以下となったことを息止め判定回路４４で判定すれば、
息を止めた状態を判定することができる。息止め判定回
路４４は、こうして息が止められたと判定したときに図
２の（ｂ）に示すように撮像開始指令を出して、これを
シーケンスコントローラ２５に送る。その結果、シーケ
ンスコントローラ２５は、この時から、傾斜磁場パルス
発生、ＲＦパルス送信およびＮＭＲ信号受信からなる所
定の撮像パルスシーケンスを開始する。

【００１３】このように呼吸運動に対応した呼吸信号を
得て、この呼吸信号波形から息止めを自動判定し、撮像
パルスシーケンスの開始指令を出すようにしているた
め、被検者１０に、その自由なタイミングで息を止めて
もらうことができる。すなわち、被検者１０が自由なタ
イミングで息を止めても、そのことが自動判定されて自
動的に撮像が開始する。そのため、被検者１０はオペレ
ータの指示などに従うことがなく、負担が軽減する。ま
た、オペレータは息が止められたかどうかを確認する作
業をする必要がなくなる。このように被検者１０および
オペレータの負担を軽減しながら、つねに呼吸が止めら
れた状態での失敗のない優れた画質の画像を撮像するこ
とができる。

【００１４】なお、この発明はその趣旨を逸脱しない範
囲で種々に変更できる。たとえば上記では呼吸信号の微
分をとることによりその変化量を捉え、息が止められた
ことを判定しているが、息が止められると図２の（ａ）
で示したように呼吸信号のレベルは０付近にとどまるの
で、同じ信号レベルにとどまることから判定してもよい
し、また呼吸信号の通常時の規則性を利用し、規則的な
変化が生じている期間とその後の期間との相関関係をも
って息止めを認識するように構成することもできる。

【００１５】また、上記では微分回路４３と息止め判定
回路４４とを別途構成するよう表現しているが、これは
ハードウェア的な構成に限定することを意味するもので
はなく、ソフトウェア的な構成でもよい。すなわち、別
個に設けたＣＰＵでこの機能を負担させてもよいし、シ
ーケンスコントローラ２５やホストコンピュータ３０内
でこの機能に相当する処理を行なってもよい。

【００１６】上記の撮像開始指令は、チューニングなど
の前処理的なシーケンスを含んだ全体のシーケンスの開
始を指示するものとしてもよいが、このような前処理的
なシーケンスは含まず実際の被検者１０についての本番
の撮像パルスシーケンスの開始指令とすることが好まし
い。

【００１７】さらに、上記ではこの発明を核磁気共鳴イ
メージング装置に適用した例について説明したが、Ｘ線
ＣＴ装置などの他の医用画像診断装置にも適用できるこ
とはもちろんである。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の医用画
像診断装置によれば、操作がきわめて簡単でありなが
ら、息止めに関する被検者の負担を軽減し、画質の優れ
た画像を安定に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示すブロック図。

【図２】動作を説明するためのタイムチャート。

【符号の説明】

１０ 被検者 ２１ 主磁場発生装置 ２２ 傾斜磁場発生装置 ２３ 送信コイル ２４ 受信コイル ２５ シーケンスコントローラ ２６ ＲＦ送信装置 ２７ 受信装置 ２８ 検波回路 ２９、４２ Ａ／Ｄ変換器 ３０ ホストコンピュータ ４１ 呼吸検出器 ４３ 微分回路 ４４ 息止め判定回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮像手段と、呼吸運動に対応した呼吸信
   号を得る呼吸検出手段と、該呼吸信号の波形より呼吸が
   停止されたことを判定して撮像開始指令を上記撮像手段
   に与える呼吸停止判定手段とを備えることを特徴とする
   医用画像診断装置。