JPH104269A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JPH104269A
JPH104269A JP8156574A JP15657496A JPH104269A JP H104269 A JPH104269 A JP H104269A JP 8156574 A JP8156574 A JP 8156574A JP 15657496 A JP15657496 A JP 15657496A JP H104269 A JPH104269 A JP H104269A
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epoxy resin
circuit
printed wiring
wiring board
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JP8156574A
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Shigeru Ekusa
繁 江草
Kunio Iketani
国夫 池谷
Yoshiyuki Takahashi
良幸 高橋
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内層回路に黒処理を施さなくとも、アンダー
コート剤と銅箔との密着性が強固にし、十分な積層板特
性を発現すること。 【解決手段】 回路加工された銅張積層板に、熱硬化性
樹脂を基材に含浸、乾燥させたプリプレグを重ね合わせ
て積層プレスする多層プリント配線板の製造方法におい
て、前記パターン加工された銅張積層板に、(1)エポ
キシ樹脂、(2)硬化剤としてエーテル結合またはエー
テル結合とスルフォン結合を有する芳香族ポリアミン、
及び(3)無機充填材として、その表面が、飽和脂肪
酸、カップリング剤等で疎水化処理された炭酸カルシウ
ムを必須成分とするアンダーコート剤を塗布し、内層回
路の銅箔段差をなくすかあるいは減少せしめた後乾燥
し、更にエポキシ樹脂を基材に含浸、乾燥したプリプレ
グを重ね合わせて積層プレスする多層プリント配線板の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内層回路銅箔とア
ンダーコート剤との密着性に優れ、黒処理(酸化処理)
を不要とすることができる多層プリント配線板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでの多層プリント配線板の製造方
法としては、一般的には、両面又は片面に回路加工を施
された内層回路板の回路面にいわゆる黒処理と呼ばれる
酸化処理を施し、回路表面を粗化した後、熱硬化型の樹
脂を基材に塗布・含浸・乾燥させたプリプレグを1枚以
上重ね、さらにその上面に金属箔を重ね合わせて、加熱
加圧するものであった。黒処理の目的は、プリプレグと
の良好な密着性を得るためであり、黒処理を施していな
い内層回路とプリプレグは、全くといっていいほど密着
性がなかったために、黒処理は必須の技術であった。と
ころが、この技術は、内層回路板の外層銅箔の化学処理
による酸化現象を応用したものであり、基本的には、工
程の管理が非常に難しく、更に、多大な設備投資とラン
ニングコストが要求される。更に、酸化銅は耐酸性が弱
く、また、物理的な強度も弱いため多層成形時、ドリル
加工時、スルーホールメッキ時に、トラブルが発生しや
すいといった問題点も指摘されていた。
【0003】本発明に示される回路加工された内層銅張
積層板の回路表面に樹脂層を形成する多層プリント配線
板の製造方法として、特開昭53−132772公報、
特開昭60−62194公報、特開昭63−10879
6公報等があげられるが、いずれの技術においても、成
形時のボイドを減少せしめることにより、耐電圧性の向
上、耐ハロー性の向上、熱放散性の向上、絶縁層厚みの
向上をその目標とするものであり、本発明とは全く異な
った目的のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、内層回路銅
箔とアンダーコート剤との密着力を向上させることがで
き、これにより黒処理を不要とすることができる多層プ
リント配線板に関するものであり、多層プリント配線板
において、内層回路銅箔、特に黒処理を施していない内
層回路銅箔との密着性、及び吸湿耐熱性、耐メッキ液性
と層間剥離の問題を解決すべくアンダーコート剤の組成
について鋭意検討をすすめた結果、本発明をなすに到っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、回路加工され
た銅張積層板の片面又は両面に、熱硬化性樹脂を基材に
含浸、乾燥させたプリプレグを重ね合わせて積層プレス
する多層プリント配線板の製造方法において、前記回路
加工された銅張積層板の回路面に、(1)エポキシ樹
脂、(2)硬化剤としてエーテル結合またはエーテル結
合とスルフォン結合を有する芳香族ポリアミン、及び
(3)無機充填材として、その表面が飽和脂肪酸、カッ
プリング剤等で疎水化処理された炭酸カルシウムを必須
成分とするアンダーコート剤を塗布し、更にエポキシ樹
脂を基材に含浸、乾燥したプリプレグを重ね合わせて積
層プレスする多層プリント配線板の製造方法、に関する
ものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
目的は、前述のように、内層回路銅箔面とアンダーコー
ト剤との密着性を向上させ、これにより内層回路銅箔の
黒処理を不要とすることができる多層プリント配線板の
製造方法を提供することにある。本発明者は、アンダー
コート剤の組成について鋭意検討を行った結果、黒処理
を行った場合はもちろん、黒処理を施していなくとも、
エポキシ樹脂、特に一定の分子量の末端2官能性直鎖状
エポキシ樹脂、特定の芳香族ポリアミン及び疎水化処理
された炭酸カルシウムの組み合わせにより、内層回路銅
箔との充分な密着性と耐熱性を確保できることを見いだ
した。
【0007】エポキシ樹脂としては、通常の積層板に使
用されるものであればいかなるものも使用できるが、内
層回路銅箔との充分な密着性が得られ、黒処理を不要と
するためには、好ましくは、平均エポキシ当量が450
以上6000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂
であり、代表的には、2官能フェノールとエピハロヒド
リンとを反応して得られる2官能直鎖状エポキシ樹脂、
2官能エポキシ樹脂と2官能フェノールの交互共重合反
応によって得られる末端2官能直鎖状エポキシ樹脂等が
あり、これらは数種類のものを併用することも可能であ
る。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、プロピレンオキサイドビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、2、6ーナフトール型
ジグリシジルエーテル重合物、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂とテトラブロモビスフェノールA共重合物、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェ
ノールA共重合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂と
テトラブロモビスフェノールA共重合物等が例示され
る。難燃化のために、臭素化エポキシ樹脂を使用するこ
とができる。
【0008】芳香族ポリアミンについては、黒処理をし
ていない生銅との密着性を考慮した場合、エーテル結合
または、エーテル結合とスルフォン結合を有する芳香族
ポリアミンを硬化剤として使用した場合、それ以外の芳
香族ポリアミンの場合と比較し、約10〜20%程度密
着性が向上する。これは、いずれの結合も、酸化数0の
銅元素と直接化学結合をすることはないものの、化学的
親和性が高いためと考えられる。上記の芳香族ポリアミ
ンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)]スルフォ
ン等が例示される。
【0009】配合する芳香族アミンの量は、エポキシ樹
脂に対する当量比で0.1〜2.0の範囲で使用可能で
あるが、耐熱性(特に、吸湿後の半田耐熱性)と層間密
着性を両立するために0.5〜1.5が好ましい範囲で
ある。通常エポキシ樹脂に対する芳香族アミンの当量比
は概ね1であるが、本発明においてはこれより大きな値
でも小さな値でも使用することができる。但し、この当
量比が上記0.5〜1.5の範囲より大きくても小さく
ても耐熱性及び密着性において低下する傾向がある。
【0010】エポキシ樹脂の分子量について言及する。
黒処理がされていない銅との密着性を考えた場合、分子
量が大きいほうが密着性が高い傾向にあるものの、吸湿
後の半田耐熱性は逆に劣化しやすくなることを見いだし
た。エポキシ樹脂のベース骨格、芳香族ポリアミンのベ
ース骨格によって多少の絶対値上の差異はあるものの、
この傾向についてはほとんど変りなかった。エポキシ樹
脂系多層プリント配線板に実用上必要とされる内層回路
ピール強度は一般的に0.5kN/mといわれており、
平均エポキシ当量450のものの使用で、黒処理を施し
ていない内層ピール強度が実用上最小限のレベルであっ
た。また、平均エポキシ当量が6000を越えてしまう
と、黒処理を施していない内層ピール強度は1.1kN
/mと充分なレベルであるにもかかわらず、必要な吸湿
耐熱性が十分に発現しないことがある。これは架橋部位
であるエポキシ基間が離れ過ぎてしまうためと考えられ
る。本発明においては、充填材として、その表面が、飽
和脂肪酸、カップリング剤等で疎水化処理された炭酸カ
ルシウムを配合していることにより半田耐熱性と層間密
着性が向上するので、エポキシ樹脂はより分子量の小さ
いものまで使用可能である。
【0011】アンダーコート剤の硬化性向上のための硬
化促進剤としては,特に限定するものではないが、イミ
ダゾール系化合物とホスフィン系化合物が好ましく使用
される。イミダゾール系化合物としては、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2
−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4’−ジア
ミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル
−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−メチルイミ
ダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾ
ール・トリメリット酸付加物等が、また、ホスフィン系
化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィンフェノール塩等があり、さらに好ましく
は、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−ウンデシルイミダゾール又は2,4−ジアミノ−6
−{2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)}エチル
−s−トリアジンを各々単独もしくは併用使用すること
ができる。エポキシ樹脂100重量部に対する硬化促進
剤の量は0.2〜0.9重量部が好ましい。0.9重量
部を越える添加量になると、硬化が速過ぎて成形性が悪
くなるとともに、吸湿後の半田耐熱性及び層間密着性が
両立しないか、あるいは両方の特性が低下するようにな
る。一方、0.2重量部未満の添加量では、硬化不足に
より耐熱性が不十分となり、密着性も低下するようにな
る。
【0012】本発明において使用する、表面が飽和脂肪
酸、カップリング剤等で疎水化処理された炭酸カルシウ
ムは、半田耐熱性と密着性を共に向上させることができ
る。疎水化処理は、回路加工工程中に行われるエッチン
グやメッキ等の酸に解け出さないために必要である。エ
ポキシ樹脂100重量部に対する配合量は30〜160
重量部が好ましい。30重量部未満では耐熱性向上の効
果が不十分であり、160重量部を越えると密着性が低
下するようになり、特に吸湿処理後の外観が悪化し剥離
が生じることがある。特に40〜100重量部の範囲で
最も良好な特性が得られる。平均粒子径については、
0.7〜1.8μmの範囲が好ましい。0.7μm未満
では製造にコストがかかり、通常のグレードには無いこ
とと、アンダーコート剤の粘度が上がり溶剤の配合量が
増え、回路加工された基板に塗布乾燥後の外観が悪くな
る傾向にあるために通常は使用しない。また、1.8μ
mを越える平均粒子径の場合半田耐熱性と密着性の向上
効果が小さくなる。
【0013】上記配合物を内層回路板に塗布する際、溶
剤により粘度調整を行うことは可能である。溶剤種とし
ては、アセトン、メチルエチルケチン、トルエン、キシ
レン、エチレングリコールモノエチルエーテル及びその
アセテート化合物、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル及びそのアセテート化物、ジメチルホルムアミ
ド、メチルジグリコール、エチルジグリコール、メタノ
ール、エタノール等が挙げられる。
【0014】塗布方法によっては、疎水化処理されてた
炭酸カルシウム以外にも、さらにチクソトロピー性や半
田耐熱性を付与する目的で無機充填材を配合することも
可能である。例えば、水酸化アルミニウム、水和シリ
カ、アルミナ、酸化アンチモン、チタン酸バリウム、コ
ロイダルシリカ、硫酸カルシウム、マイカ、シリカ、シ
リコンカーバイド、タルク、酸化チタン、石英、酸化ジ
ルコニウム、珪酸ジルコニウム、窒化ボロン、炭素、グ
ラファイト等が例示されるが、疎水化処理されたものが
更に良好である。
【0015】銅との密着性あるいは無機充填材との密着
性の向上のため、カップリング剤の添加も可能である。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタ
ネート系カップリング剤、アルミキレート系カップリン
グ剤等が使用可能であり、例えば、クロロプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルトリメタクリル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフィロフォ
スフェート)チタネート、イソプロピルイソステアロイ
ルジ(4−アミノベンゾイル)チタネート等が例示され
る。
【0016】また、消泡あるいは破泡のためにシリコー
ン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系界面活性剤等
の添加も可能である。更に、銅箔とのピール強度の向上
のためには強靭性の付与が非常に効果があることが一般
に知られている。例えば、末端カルボキシル変性ブタジ
エンアクリルニトリルゴム(宇部興産(株)製CTB
N)、エポキシ変性ポリブタジエンゴム等の添加が可能
であるが、多量の配合は耐熱特性が低下する傾向がある
ので注意する必要がある。
【0017】アンダーコート剤の塗布方法としては、ロ
ールコーター、カーテンコーター、キャステイング法、
スピンナーコーター、スクリーン印刷等の方法があり、
いずれの方法でも塗布は可能である。また、内層回路面
をもれなく塗布出来る方法であれば上述の塗布方法に限
定されない。いずれの方法においても、アンダーコート
剤に必要な最適粘性があるため、塗布方法により、反応
性希釈剤、溶剤の種類、無機充填材の種類、粒径、配合
量の調整は必要になってくる。
【0018】アンダーコート剤の硬化状態について言及
する。硬化状態は、一般的に全くの未硬化状態であるA
ステージ状態、半硬化状態であるBステージ状態、さら
に硬化をすすめたゲル状態、そして、完全硬化状態であ
るCステージ状態に分けることができる。本目的のため
にはいずれの状態であっても使用可能であるが、タック
フリーの状態又はそれ以上反応を進めることにより取り
扱いが容易になる。
【0019】本発明のアンダーコート剤を用いることに
より、従来多層プリント配線板に必要とされてきた黒処
理を不要とすることができる。従って、黒処理工程の品
質管理に費やす工数の削減、生産コストの削減が期待さ
れ、黒処理のないことによりハロー現象が生じないの
で、容易に高密度配線とすることができる。更に、回路
加工された銅張積層板の上面にアンダーコート層を形成
するため、回路パターン間隙をあらかじめ樹脂で充填さ
せておくことができ、そのためプリプレグを重ね合わせ
て積層しても、気泡を残存させることなく成形すること
ができる。従って、従来内層回路の銅箔残存率によっ
て、プリプレグの樹脂量、加熱時の流動性を変えていた
が、その必要がなくなった。即ち、板厚精度が内層回路
の銅箔残存率に依存することがないため、数少ない種類
のプリプレグにて対応することが可能になる。
【0020】更に、プリプレグの内層銅箔エッチング部
を埋めるのに要していた時間が不要となる。従来は脱泡
のための時間を確保する必要から昇温速度を2〜5℃/
分としていたため、1回のプレス時間が140分間以上
であったが、本発明では、昇温速度を6〜15℃/分と
大きくすることができるので、プレス時間を80分間程
度以下にまで短縮することが可能となり、製造コストが
大幅に削減され、品質管理,在庫管理に費やす工数も大
幅に削減されるようになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0022】(実施例1)ジグリシジルエーテルビスフ
ェノールA(エポキシ当量475)100重量部をエチ
ルカルビトール120重量部に溶解した。そこに4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル5.9重量部(エポ
キシ樹脂に対して1倍当量)を添加し、撹拌したところ
容易に溶解した。更に2−ウンデシルイミダゾール0.
5重量部、平均粒径1.2μmの飽和脂肪酸により疎水
化処理された炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)製N
CC−1010)80重量部、疎水性超微粒子シリカR
−972(日本アエロジル(株)製)20重量部、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部を添
加した後、三本ロールにより混錬した。真空脱泡器によ
り3mmHgの真空度で5分間脱泡を行い、アンダーコ
ート剤を得た。
【0023】次に、基材厚0.1mm、銅箔厚35μm
のガラスエポキシ両面銅張積層板を表面研磨、ソフトエ
ッチングし防錆処理を除いた後、エッチングにより回路
加工した。通常は回路加工後に黒処理を行うが、この黒
処理を施さず、内層回路板の片面に上記アンダーコート
剤をスクリーン印刷し、しかる後乾燥器内において13
0℃で5分間加熱し、タックフリー状態にした後、同じ
ようにして反対面にもアンダーコート剤を塗布し、13
0℃20分間加熱乾燥した。
【0024】更に、エポキシ樹脂を基材に含浸、乾燥処
理したFR−4プリプレグ100μm厚(住友ベークラ
イト(株)製EI−6765)を上記の乾燥されたアン
ダーコート剤の両面にそれぞれ1枚ずつ重ね合わせ、そ
の上面に厚さ18μmの銅箔を1枚ずつ重ね、真空圧プ
レスにて材料の最高到達温度が170℃、昇温、冷却含
め80分間で加熱硬化し、多層プリント配線板を得た。
特性を評価し、その結果を表1に示す。なお、内層回路
板に酸化処理を施していないため、スルーホールメッキ
を行ったときにハロー現象は生じていない。
【0025】(実施例2〜10)アンダーコート剤の組
成を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様
の方法により多層プリント配線板を作製し、特性の評価
を行った。それぞれの組成及び評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にハロー現象は生じていない。
【0026】
【表1】 ・C11Z:2−ウンデシルイミダゾール
【0027】(比較例1〜8)アンダーコート剤の組成
を表2に示すように変更した以外は前記各実施例と同様
の方法により積層板を作製し、評価を行った。それぞれ
の組成及び評価結果を表2に示す。
【0028】(比較例9)アンダーコート剤を塗布しな
いこと、及び酸化処理を施したことを除いて、実施例及
び比較例と同様にして内層回路板を作製し、多層プリン
ト配線板を作製した。特性の評価結果を表2に示す。酸
化処理を施したため、ハロー現象が生じている。
【0029】(比較例10)内層回路板に回路表面に酸
化処理(黒処理)を施した以外は比較例3と同様にして
多層プリント配線板を作製した。特性の評価結果を表2
に示す。酸化処理を施したため、ハロー現象が生じてい
る。
【0030】
【表2】 ・DDDDM:4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−
5,5'−ジメチルジフェニルメタン ・充填材A:水酸化アルミニウム、充填材B:硫酸バリ
ウム、充填材C:炭酸カルシウム、充填材W:ウォラス
トナイト (いずれも疎水化処理していない)
【0031】(測定方法) 1.成形性:直径20mmの円形のエッチング部(A)
100個を有する内層回路板を使用して多層プリント配
線板を作製し、表面銅箔をエッチングした後、Aにおい
てボイドの有無を観察し、ボイドのあるAの数からボイ
ド発生率(%)を求めた。 2.外形打抜き性:多層プリント配線板の外周から内部
30〜40mmの部分を直線状に打抜き、アンダーコー
ト層の部分の剥離を測定した。 3.密着性:片面にのみ回路を有する内層回路板を使用
する点を除いて実施例又は比較例に記載した方法にて多
層プリント配線板を作製し、内層回路板とプリプレグと
を剥離してその剥離強度を求め、密着性とした。 4.吸湿半田耐熱性:多層プリント配線板をPCT処理
(125℃、0.5時間)し、260℃の半田浴に20
秒間浸漬し、ふくれの有無を観察した。
【0032】(評価基準)表3に示す評価基準に従って
評価した。
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明の多層プリント配線板の製造方法
は、銅箔とアンダーコート剤との密着力が優れている。
従って、従来の多層プリント配線板の作製に必要とされ
てきた黒処理が不要のものとなる。従って、ハロー現象
が生じないので、容易に高密度配線とすることができ、
更に、黒処理工程の品質管理に費やす工数の削減、生産
コストの削減が期待される。また、あらかじめアンダー
コート剤を塗布し、内層回路の段差を埋め込むため、回
路間の間隙に存在する気泡は皆無となり、従来のような
真空プレスによる長時間加圧を行わなくても、ボイドを
発生させず、良好な成形性を得ることができる。同時
に、内層回路の残存銅箔率によりプリプレグの種類を変
える必要がないためため、多層プリント配線板の製造時
間を大幅に削減することができる。また、現在莫大な工
数をかけ、手作業で行っているプリプレグのセットの自
動化への道が開かれるものと期待される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/38 7511−4E H05K 3/38 E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路加工された片面又は両面銅張積層板
    に、熱硬化性樹脂を基材に含浸、乾燥させたプリプレグ
    を重ね合わせて積層プレスする多層プリント配線板の製
    造方法において、前記回路加工された銅張積層板の回路
    面に、(1)エポキシ樹脂、(2)硬化剤としてエーテ
    ル結合またはエーテル結合とスルフォン結合を有する芳
    香族ポリアミン、及び(3)無機充填材として、その表
    面が飽和脂肪酸、カップリング剤等で疎水化処理された
    炭酸カルシウムを必須成分とするアンダーコート剤を塗
    布乾燥した後、エポキシ樹脂を基材に含浸、乾燥処理し
    たプリプレグを重ね合わせて積層プレスすることを特徴
    とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、平均エポキシ当量45
    0以上6000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹
    脂である請求項1記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記炭酸カルシウムが、平均粒子径0.
    7〜1.8μmであり、その配合量がエポキシ樹脂10
    0重量部に対して30〜160重量部である請求項1又
    は2記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記回路加工された両面銅張積層板が酸
    化処理されていないものである請求項1、2又は3記載
    の多層プリント配線板の製造方法。
JP8156574A 1996-06-18 1996-06-18 多層プリント配線板の製造方法 Pending JPH104269A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150520A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Dic Corp エポキシ樹脂組成物、その硬化物、ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、及び新規エポキシ樹脂

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JP2008150520A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Dic Corp エポキシ樹脂組成物、その硬化物、ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、及び新規エポキシ樹脂

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