JPH1042519A - 電動機 - Google Patents

電動機

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JPH1042519A
JPH1042519A JP20788396A JP20788396A JPH1042519A JP H1042519 A JPH1042519 A JP H1042519A JP 20788396 A JP20788396 A JP 20788396A JP 20788396 A JP20788396 A JP 20788396A JP H1042519 A JPH1042519 A JP H1042519A
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JP
Japan
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rotor
bobbin
gear
output shaft
sun gear
Prior art date
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Withdrawn
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JP20788396A
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English (en)
Inventor
Katsuo Hashimoto
勝夫 橋元
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の大幅な削減を図り、組立を容易な
ものとし、低コスト化を実現でき、さらに、耐久性に優
れ、かつ低速回転、高トルクを可能とする。 【解決手段】 この電動機1は、回転軸21を挿入する
挿入孔を中心に有し巻き線11を巻回したボビン12
と、このボビン12を軸方向から挟持し、このボビン1
2の外周に互いに入り組むように配設される極歯13
a,14aを有する一対のコア13,14と、極歯13
a,14aに対向配置される駆動用マグネット25およ
び回転軸21を有するロータ20と、回転軸21と同軸
上に設けられ太陽歯車31と出力軸32を有する出力軸
部30と、ロータ20に回転自在に保持され太陽歯車3
1に噛合する遊星歯車22a,22b,22cと、この
遊星歯車22a,22b,22cに噛合するとともに太
陽歯車31の歯数と異なる数の固定歯を周方向に形成し
た固定部材40とを備え、ロータ20と太陽歯車31と
遊星歯車22a,22b,22cと固定部材40とによ
り、遊星歯車機構を構成し、ロータ20の回転を出力軸
32に伝えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、減速歯車機構付き
の電動機に関し、特に、低速回転、高トルクを必要とす
る機器に用いられる電動機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】従来、減速歯車機構を有する小型モータ
(以下、単にモータという)の一例として図7および図
8に示すようなものがある。このモータ50は、小型A
C同期電動機となっている。そして概略的には、ロータ
51と、このロータ51の外周に設けられ、コイル52
が巻回されたボビン53と、ロータ51の中心軸51a
に設けられたピニオン54を介してロータ51の回転力
を受けて、その回転速度を減速してトルクを増大させた
のち、出力軸55に伝える減速歯車列(この場合、1番
車56、2番車57、3番車58、4番車59、5番車
60により構成されている)と、さらに、コイル52に
給電する端子部61とから構成されている。なお、図7
および図8においては、図面が繁雑とならないように、
主要な構成要素のみが図示されており、ここでの説明に
必要のない部分についての図示は省略されている。
【0004】このような構成のモータ50は、ロータ5
1の回転力を減速歯車列により十分減速して出力軸55
に伝え、出力軸55から低速回転、高トルクの出力を得
るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】しかしながら、従来のモータ50は、図7
からもわかるように、ロータ51の外周にボビン53を
配置し、このボビン53にコイル52を巻く構造となっ
ている。また、ロータ51の回転力をその中心軸51a
から取り出して、この場合、1番車56〜5番車60で
構成される減速歯車列を介して出力軸55に伝える構造
となっている。さらに、出力軸55は必然的にモータ5
0の中心部から外れた位置に配置され、また、端子部6
1もモータ50の外周部に設けられる構造となってい
る。
【0007】従来のモータ50は、以上のような構造と
なっているため、次に示すような様々な欠点がある。
【0008】まず、ボビン53においてコイル51が巻
かれる中心軸の径(ここではボビン軸径という)は、少
なくとも、ロータ51の直径以上が必要となるため、ボ
ビン軸径が大きなものとなる。ボビン軸径が大きいと、
所定の巻き数を得るために線材を多く必要とすることに
なり、巻き線コストが大きくなる。すなわち、モータ5
0のトルクは、A(アンペア)×T(巻き数)に比例す
るから、アンペアを一定とした場合、大きなトルクを得
るためには巻き数を多くすればよいが、ボビン53のボ
ビン軸径が大きくなるほど、所定の巻き数を得るにため
には、長い線材が必要となり、巻き線コストが高くな
る。
【0009】また、ロータ51の外周にボビン53を配
置する構造であると、ロータ径を大きく取ることはでき
ない。ロータ径が小さいと、表面の着磁幅が狭くなるた
め、隣同士のN極とS極が打ち消しあって、所望のトル
クが得られないことになる。すなわち、小型AC同期電
動機であるこのモータ50の回転数Rは、R=120f
/n(ただし、fは周波数、nはモータの極数である)
で表されるため、nが小さいと回転数が大きくなり高速
回転になる。したがって、このモータ50を低速回転、
高トルクなモータ50とするには、極数を多くした方が
有利であるが、限られたロータ径で極数を大きくする
と、先に述べたように、着磁幅が狭くなるため、隣同士
のN極とS極が打ち消しあって、所望のトルクが得られ
ないことになる。
【0010】このように、ロータ径が小さいと、極数を
多くすることはできないので、結局は高回転となり、出
力として十分減速した高トルクの回転を得ようとした場
合、減速歯車列の減速段数を大きくする必要が生じ、歯
車が増えることになる。これにより、コストや組立工程
数の面での問題、さらにスペース的な問題、ロータ51
が高速回転することによるノイズや耐久性の問題などさ
まざまな問題が発生してくる。
【0011】また、出力軸55がモータ50の中心位置
でないため、このモータ50を何らかの機器に取り付け
ようとするとき、機器におけるモータ取り付け位置の自
由度が減り、モータ50の取り付け位置によっては、取
り付け面積を余分に取る必要が生じることもある。さら
に、端子部61の位置もこれと同様に、モータ50の外
周部に設けられているため、取り付けスペースの面で同
じような問題が生じることもある。
【0012】本発明は、部品点数の大幅な削減を図り、
組立を容易なものとし、低コスト化を実現でき、さら
に、耐久性に優れ、かつ、低速回転、高トルクを可能と
した電動機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の電動機では、回転軸を挿入する挿入
孔を中心に有し巻き線を巻回したボビンと、このボビン
を軸方向から挟持し、このボビンの外周に互いに入り組
むように配設される極歯を有する一対のコアと、極歯に
対向配置される駆動用マグネットおよび回転軸を有する
ロータと、回転軸と同軸上に設けられ太陽歯車と出力軸
を有する出力軸部と、ロータに回転自在に保持され太陽
歯車に噛合する遊星歯車と、この遊星歯車に噛合すると
ともに太陽歯車の歯数と異なる数の固定歯を周方向に形
成した固定部材とを備え、ロータと太陽歯車と遊星歯車
と固定部材とにより、遊星歯車機構を構成し、ロータの
回転を出力軸に伝えるようにしている。
【0014】また、請求項2記載の電動機では、回転軸
を挿入する挿入孔を中心に有し巻き線を巻回したボビン
と、このボビンを軸方向から挟持し、このボビンの外周
に互いに入り組むように配設される極歯を有する一対の
コアと、極歯に対向配置される駆動用マグネットおよび
回転軸を有するとともに、その回転軸の周方向に太陽歯
車となる歯車部を有したロータと、回転軸と同軸上に設
けられる出力軸と、この出力軸の外周部に回転自在に保
持されロータの歯車部に噛合する遊星歯車と、この遊星
歯車に噛合するとともにロータの歯車部の歯数と異なる
数の固定歯を周方向に形成した固定部材とを備え、ロー
タと太陽歯車と遊星歯車と固定部材とにより、遊星歯車
機構を構成し、ロータの回転を出力軸に伝えるようにし
ている。
【0015】また、請求項3記載の発明では、請求項1
または2記載の電動機において、ボビンへ給電する端子
を軸方向に形成するようにしている。さらに、請求項4
記載の発明では、請求項1、2または3記載の電動機に
おいて、ボビンの挿入孔にロータの軸受けを設けてい
る。さらにまた、請求項5記載の発明では、請求項1、
2、3または4記載の電動機において、遊星歯車を12
0度間隔で3個設けるようにしている。
【0016】本発明の電動機は、低速回転で、かつ、高
トルクを必要とする機器に用いられるものである。この
電動機は、ロータの外周にボビンを設けるといった構成
ではなく、ボビン外周にロータのマグネットが配置され
る構成であるため、ボビンはそのボビン軸径を小さくす
ることができ、同じ長さの線材であっても巻き数を大き
くすることができる。
【0017】このように、巻き数が多くなれば、モータ
トルクを大きくすることができ、同じモータトルクを得
ようとした場合、線の長さが短くて済むので、線材コス
トの削減を図ることができる。また、ロータも、その径
を大きく取れるので、着磁幅を大きく取れ、モータトル
クを大きくすることができる。さらに、同じ着磁幅であ
れば、モータ極数を多くすることができ、ロータの回転
速度を抑えることができるため、ノイズを小さくするこ
とができ、寿命も長くすることができる。
【0018】さらに、本発明の電動機は、遊星歯車機構
を有し、この遊星歯車機構を差動歯車として動作させる
ことにより、ロータの回転を一気に減速して、その減速
した回転を出力軸から出力するようにしたので、減速機
構として多段の歯車列が不要となり、部品点数を大幅に
減らすことができ、小型化、低コスト化が図れるととも
に、組立工程数の大幅な削減が図れ、高トルクで低速回
転を必要とする機器に最適な電動機とすることができ
る。
【0019】加えて、出力軸が電動機の中心軸上に設け
られた構造となっているので、電動機の取り付け位置の
自由度が広がり、この電動機が取り付けられる機器全体
の小型化、あるいは機器のスペースの有効利用が図れ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
の例を図1および図2に基づき説明する。なお、ここで
は、小型AC同期モータに適用した例について説明す
る。
【0021】この電動機となる小型AC同期モータ1
は、大きく分けると、電磁マグネット部10と、ロータ
20と、出力軸部30と、固定部材となるケース40と
で構成されている。
【0022】電磁マグネット部10は、巻き線となるコ
イル11が巻回されたボビン12と、このボビン12を
軸方向から挟持し、このボビン12の外周に互いに入り
組むように配設される複数の極歯13a,14aをそれ
ぞれ有する一対のコア13,14と、これらボビン1
2、一対のコア13,14を固定し、ロータ20の回転
軸21が挿入される挿入孔15aを有するボス15と、
コイル11に給電する端子16とで構成されている。
【0023】ボビン12は、図1からもわかるように、
コイル11の巻かれる巻径部12aとしては、ボス15
の大径部15dを挿入できる内径を持てばよいので、ボ
ビン軸径となる外径wを極めて小さなものとすることが
できる。
【0024】また、コア13にはその側面部に、端子1
6を外部に突出するための孔13bを設け、端子16を
その孔13bから外部に突出させ、この端子16を介し
てコイル11に給電するようにしている。さらに、この
コア13の中心部には、ボス15の一方側の小径部15
bを挿入して、ボス15を固定するためのボス取り付け
孔13cが設けられるとともに、端部付近にはケース4
0の爪41を固定するためのケース取り付け孔13dが
設けられている。
【0025】また、コア14にも、ボス15の他方側の
小径部15cを挿入して、ボス15を固定するためのボ
ス取り付け孔14bが設けられる。
【0026】このような構成の電磁マグネット部10
は、次のようにして組み立てられる。まず、コア13の
ボス取り付け孔13cにボス15の小径部分15bを挿
入して固定する。次に、コイル11が巻かれ、かつ、端
子16が取り付けられたボビン12の中心軸にボス15
の大径部分15dを嵌入して固定する。そして、コア1
4のボス取り付け孔14bにボス15の小径部15cを
挿入して固定する。
【0027】ロータ20は、軸方向の端面形状が円形を
なし、その外周部には軸方向に突出した円筒状の突出部
24が形成され、断面がほぼコの字形をなしている。そ
して、ロータ20の軸方向端面の中心部には、軸方向両
側に突き出た回転軸21が設けられ、さらに、遊星歯車
となるピニオン22a,22b,22cを回転自在に支
持するための支持軸23a,23b,23cが同一円周
上に120度ごとの間隔で設けられている。また、ロー
タ20の突出部24の内周面にはマグネット25が装着
されている。
【0028】このような構成のロータ20は、ロータ2
0の回転軸21をボス15の挿入孔15aに挿入するこ
とにより、電磁マグネット部10に回転自在に取り付け
られる。このようにして、ロータ20を電磁マグネット
10に取り付けた状態とすると、ロータ20の駆動用マ
グネット25が、1対のコア13,14の極歯13a,
14aに対向配置されることとなる。
【0029】出力軸部30は、太陽歯車となる歯車部3
1とその歯車部31の中心から突出した出力軸32から
構成される。そして、歯車部31(以下、太陽歯車31
という)の中心部は、ロータ20の端面中心から突き出
た回転軸21に回転自在に支持され、この太陽歯車31
とロータ20に取り付けられた3つのピニオン22a,
22b,22c(以下、遊星歯車22a,22b,22
cという)とが噛合する。なお、遊星歯車22a,22
b,22cのギア部分の有効長さhは、太陽歯車の厚み
tよりも2倍程度大きくとってある。したがって、ロー
タ20に出力軸部30を取り付け、遊星歯車22a,2
2b,22cと太陽歯車31を歯合させた状態とする
と、遊星歯車22a,22b,22cは、その長さhの
1/2程度が太陽歯車31よりさらに突出した状態とな
る。
【0030】ケース40は、以上説明した電磁マグネッ
ト部10にロータ20と出力軸部30を取り付けた全体
を覆うような構造となっており、複数の爪41をコア1
3のケース取り付け孔13dにそれぞれ挿入してコア1
3に対して固定することにより取り付けられる。
【0031】このケース40の軸方向端面には、出力軸
32を回転自在に支持する軸受け部42が設けられると
ともに、ケース40の内部には、軸受け部42と同心軸
上に複数の固定歯を有する固定歯車43が設けられ、さ
らに、機器本体にビスなどで取り付けられる取り付け孔
44が設けられている。
【0032】ケース40に設けられた固定歯車43の径
は、出力軸部30の太陽歯車31の径と同じ大きさとな
っているが、その歯数は、太陽歯車31の歯数と異なら
せ、太陽歯車31の歯数に対して、固定歯車43の歯数
を1または2個少なくしてある。なお、逆に1または2
個多くしても良い。
【0033】そして、このケース40がコア13のケー
ス取り付け孔13dに、その爪41を挿入して固定され
た状態となると、出力軸部30の出力軸32は、ケース
40の軸受け部42から貫通して外部に突出し、さら
に、固定歯車43と遊星歯車22a,22b,22cと
が噛合する状態となる(図2参照)。
【0034】このようにして組み立てられると、電磁マ
グネット部10、ロータ20、出力軸部30、ケース4
0は、それぞれの中心軸が同軸上に配置された構造とな
る。また、遊星歯車22a,22b,22cを有するロ
ータ20と、太陽歯車31を有する出力軸部30と、固
定歯車42を有するケース40とにより遊星歯車機構が
構成され、遊星歯車22a,22b,22c,太陽歯車
31、固定歯車43が差動歯車として動作する。
【0035】次に、以上のように構成される小型AC同
期モータ1の動作について説明する。
【0036】端子16を介してコイル11に給電される
と、ロータ20が回転する。これにより、ロータ20に
取り付けられた遊星歯車22a,22b,22cは、太
陽歯車31の周上を回転する。つまり、これら遊星歯車
22a,22b,22cは、太陽歯車31と固定歯車4
3に歯合しているので、それぞれの取り付け軸23a,
23b,23cを中心に回転可能な状態で、太陽歯車3
1と固定歯車43の周上を回転する。
【0037】このとき、太陽歯車31と固定歯車43は
歯数がわずか異なっており、また、固定歯車43はケー
ス40に固定されているので、遊星歯車22a,22
b,22cが、太陽歯車31と固定歯車43の周上を1
回転すると、その間に、太陽歯車31はわずかな量だけ
回転する。
【0038】具体的例として、太陽歯車31の歯数を3
1個とし、固定歯車43の歯数を30個とした場合、遊
星歯車22a,22b,22cがそれぞれ太陽歯車31
と固定歯車42の周上を1回転すると、つまり、ロータ
が1回転すると、太陽歯車31は歯1個分だけ動くこと
になる。結局、ロータ20の1/30の回転速度とする
ことができる。したがって、ロータ20が高速回転して
も、太陽歯車31は十分減速された状態でゆっくり回転
することになり、出力軸32からは十分減速された回転
速度を得ることができる。
【0039】以上のような第1の実施の形態では、ボビ
ン12とロータ20は、ロータ20の外周にボビン12
を設けるといった構成ではなく、同心軸上にそれぞれが
独立して設けられる構成であるため、ボビン12はその
ボビン軸径を十分小さくすることができ、同じ長さの線
材であっても巻き数を大きくすることができる。巻き数
が多くなれば、モータトルクを大きくすることができ
(モータトルクは、アンペア×巻き数に比例する)、こ
れにより、同じモータトルクを得ようとした場合、線の
長さが短くて済むので、線材コストの削減を図ることが
できる。
【0040】また、ロータ20は、その径を大きく取れ
るので、着磁幅を大きく取れ、モータトルクを大きくす
ることができる。さらに、同じ着磁幅であれば、モータ
極数を多くすることができ、回転数を小さくすることが
できる。つまり、回転数Rは、R=120f/n(nは
極数)で表されるため、極数が多くなれば回転数は小さ
くなる。また、ロータ径が大きければ、着磁幅をある程
度大きくとって、なおかつ、極数を多くすることも可能
であり、一定のモータトルクを保持した状態で、さら
に、回転数を小さく抑えることができる。
【0041】このように、ロータ径を大きく取れるとい
うことは、ロータ20の回転速度が抑えられるというこ
とであり、減速段数を減らすことができ、また、ノイズ
を小さくすることができ、寿命も長くすることができ
る。
【0042】さらに、この第1の実施の形態による小型
AC同期モータ1は、遊星歯車22a,22b,22c
を有するロータ20と、太陽歯車31を有する出力軸部
30と、固定歯車43を有するケース40とにより遊星
歯車機構が構成され、遊星歯車22a,22b,22
c、太陽歯車31、固定歯車43が差動歯車として動作
することにより、ロータ20の回転を一気に減速して、
その減速した回転を出力軸32から出力するようにした
ので、減速機構としての多段の歯車列が不要となり、部
品点数を大幅に減らすことができ、小型化、低コスト
化、組立工数の削減が図れ、高トルクで低速回転を必要
とする機器に最適な電動機とすることができる。
【0043】特に、遊星歯車機構を構成するに際して、
ロータ20やケース40も、その機構の一要素として用
いるため、従来の構造(図7および図8参照)に比べて
部品点数の大幅な削減が図れ、組立時間も工程数も大幅
に削減できる。
【0044】さらに、電磁マグネット部10、ロータ2
0、出力軸部30、ケース40のそれぞれの中心軸が同
心軸上に設けらた構造、つまり、出力軸32が小型AC
同期モータ1の中心軸上に設けられた構造となっている
ので、小型AC同期モータ1の取り付け位置の自由度が
広がり、この小型AC同期モータ1が取り付けられる機
器全体の小型化、あるいは機器のスペースの有効利用が
図れる。
【0045】さらにまた、コイル11に給電を行う端子
16が、小型AC同期モータ1の軸方向端面側に設られ
ているので、小型AC同期モータ1の外径が大きくなら
ず、機器全体の小型化、あるいは機器のスペースの有効
利用が図れる。
【0046】なお、上述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変
形実施可能である。たとえば、差動歯車としての動作を
行う遊星歯車機構を、図3から図6に示すような第2の
実施の形態の構成とすることも可能である。
【0047】図3から図6に示す第2の実施の形態の電
動機は、遊星歯車機構以外の構成としては、図1および
図2の第1の実施の形態の電動機と同じであり、同一部
分には同一符号が付されている。図3から図6に示す遊
星歯車機構は、ロータ20の回転軸21に太陽歯車とし
ての歯車26を設け、出力軸部30に遊星歯車として、
たとえば3個の歯車33a,33b,33cを同一円周
上に120度間隔で設け、さらに、ケース40の内周面
に固定歯車45を設けた構成となっている。そして、遊
星歯車となる歯車33a,33b,33cは、ロータ2
0に設けられた歯車26と、ケース40の固定歯車45
との間に介在され、歯車26と固定歯車45にそれぞれ
噛合する。そして、ロータ20に設けられた歯車26と
ケース40に設けられた複数の固定歯を有する固定歯車
45は、その歯数を異ならせている。
【0048】このような構成であっても、ロータ20に
設けれらた歯車26、出力軸部30に設けられた歯車3
3a,33b,33c、ケース40に設けられた固定歯
車45により遊星歯車機構が構成され、かつ、その遊星
歯車機構が差動歯車としての動作を行う。
【0049】したがって、ロータ20が回転すると、ロ
ータ20に設けれらた歯車26、出力軸部30に設けら
れた歯車33a,33b,33c、ケース40に設けら
れた固定歯車45が差動歯車としての動作を行うこと
で、出力軸部30の歯車33a,33b,33cは、ロ
ータ20の中心軸21に設けられた歯車26上を、わず
かずつ移動して行く。これにより、出力軸32は、ロー
タ20の回転速度を十分減速した回転で回転することに
なる。具体的には、例えば歯車26の歯数を30個と
し、固定歯車45の歯数を120個とすると、ロータ2
0が1回転すると、出力軸部30は1/4回転すること
となる。このような構成とすることにより、第1の実施
の形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】なお、上述の各実施の形態では、遊星歯車
を120度間隔で3個設けた例について説明したが、こ
のように、遊星歯車を120度間隔で3個設けることに
より、バランスのよい安定性の高い動作が可能となる。
ただし、遊星歯車は3個に限られるものではなく、たと
えば、1個であっても、あるいは4個以上であってもよ
い。
【0051】また、上述の各実施の形態では、小型AC
同期モータ1の例について説明したが、本発明は、他の
各種の電動機に適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の電
動機では、コイルを巻回したボビン、ロータ、出力軸、
固定部材(ケース)のそれぞれの中心軸が同一軸上に配
置される構成とし、また、ロータと太陽歯車と遊星歯車
と固定部材とにより、遊星歯車機構を構成し、この遊星
歯車機構を差動歯車として動作させる構成とし、かつボ
ビン外周にロータのマグネットを配置するようにしたの
で、ボビンはそのボビン軸径を小さくすることができ、
同じ長さの線材であっても巻き数を大きくすることがで
きる。このように、巻き数が多くなれば、モータトルク
を大きくすることができ、同じモータトルクを得ようと
した場合、線の長さが短くて済むので、線材コストの削
減を図ることができる。
【0053】また、ロータも、その径を大きく取れるの
で、N極とS極の着磁幅を大きく取ることができ、モー
タトルクを大きくすることができる。同じ着磁幅であれ
ば、極数を多くすることができ、回転数を小さくするこ
とができ、必要以上に高速回転とならないようにするこ
とができる。また、ロータ径が大きければ、着磁幅をあ
る程度大きくとって、なおかつ、極数を多くすることも
可能であり、一定のモータトルクを保持した状態で、さ
らに、回転数を小さく抑えることができる。ロータの回
転数が抑えられることにより、減速段数を大きくする必
要がなくなり、また、ノイズを小さくすることができ、
寿命も長くすることができる。
【0054】さらに、ロータと太陽歯車と遊星歯車と固
定部材(ケース)とにより遊星歯車機構を構成し、か
つ、その遊星歯車機構を差動歯車として動作させること
により、ロータの回転を一気に減速して、その減速した
回転を出力軸から出力するようにしたので、減速機構と
して多段の歯車列が不要となり、部品点数を大幅に減ら
すことができ、小型化、低コスト化が図れるとともに、
組立工程数の大幅な削減が図れ、高トルクで低速回転を
必要とする機器に最適な電動機とすることができる。
【0055】加えて、出力軸が電動機の中心軸上に設け
られた構造となっているので、電動機の取り付け位置の
自由度が広がり、この電動機が取り付けられる機器全体
の小型化、あるいは機器のスペースの有効利用が図れ
る。
【0056】また、請求項2記載の発明では、遊星歯車
機構として、ロータの回転軸に太陽歯車としての歯車を
設け、出力軸に遊星歯車としての歯車を設け、さらに、
ケースの内周面にロータの歯車の歯数とは異なる歯数の
固定歯車を設けて、ロータに設けられた歯車に出力軸の
それぞれの歯車を噛合させ、この出力軸の歯車とケース
の固定歯車とを噛合させるような構成とし、ロータ部と
太陽歯車と遊星歯車と固定部材(ケース)とにより遊星
歯車機構を構成し、かつ、その遊星歯車機構を差動歯車
として動作させるようにしている。このような構成とし
ても、請求項1記載の発明と同様の効果が得られる。
【0057】また、請求項3記載の発明では、ボビンへ
給電する端子を軸方向に形成するようにしているので、
モータの外径が大きくならず、機器全体の小型化、ある
いは機器のスペースの有効利用が図れる。
【0058】さらに、請求項4記載の発明では、ボビン
の挿入孔にロータの軸受けを設けているのでボビンの巻
径部をそのままロータの軸受け部分として利用でき、構
成がコンパクトとなり、部品点数も増加しないようにで
きる。
【0059】さらにまた、請求項5記載の発明では、遊
星歯車を120度間隔で3個設けるようにしているの
で、バランスがよく安定した動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である小型AC同期
モータを分解して示す斜視図である。
【図2】図1の小型AC同期モータを組み立てたときの
側面の一部断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である小型AC同期
モータを分解して示す斜視図である。
【図4】図3の小型AC同期モータを組み立てたときの
側面の一部断面図である。
【図5】図3に示す太陽歯車と遊星歯車と固定部材の関
係を示す部分斜視図である。
【図6】図3に示す出力軸部の構成を示す斜視図であ
る。
【図7】従来の小型モータの側断面図である。
【図8】図7の従来の小型モータの各歯車と出力軸との
関係を示す平面図で、図7の矢示VIII方向から見た図で
ある。
【符号の説明】
1 小型AC同期モータ(電動機) 10 電磁マグネット部 11 コイル(巻き線) 12 ボビン 12a 巻径部 13 コア 13a コア13の極歯 14 コア 14a コア14の極歯 15 ボス 16 端子 20 ロータ 21 回転軸 22a,22b,22c 遊星歯車となるピニオン 23a,23b,23c 支持軸 25 駆動用マグネット 30 出力軸部 31 歯車部(太陽歯車) 32 出力軸 40 ケース(固定部材) 42 軸受け部 43 固定歯車

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を挿入する挿入孔を中心に有し巻
    き線を巻回したボビンと、このボビンを軸方向から挟持
    し、このボビンの外周に互いに入り組むように配設され
    る極歯を有する一対のコアと、上記極歯に対向配置され
    る駆動用マグネットおよび上記回転軸を有するロータ
    と、上記回転軸と同軸上に設けられ太陽歯車と出力軸と
    を有する出力軸部と、上記ロータに回転自在に保持され
    上記太陽歯車に噛合する遊星歯車と、この遊星歯車に噛
    合するとともに上記太陽歯車の歯数と異なる数の固定歯
    を周方向に形成した固定部材とを備え、上記ロータと上
    記太陽歯車と上記遊星歯車と上記固定部材とにより遊星
    歯車機構を構成し、上記ロータの回転を上記出力軸に伝
    えることを特徴とする電動機。
  2. 【請求項2】 回転軸を挿入する挿入孔を中心に有し巻
    き線を巻回したボビンと、このボビンを軸方向から挟持
    し、このボビンの外周に互いに入り組むように配設され
    る極歯を有する一対のコアと、上記極歯に対向配置され
    る駆動用マグネットおよび上記回転軸を有するととも
    に、その回転軸の周方向に太陽歯車となる歯車部を有し
    たロータと、上記回転軸と同軸上に設けられる出力軸
    と、この出力軸の外周部に回転自在に保持され上記ロー
    タの歯車部に噛合する遊星歯車と、この遊星歯車に噛合
    するとともに上記ロータの歯車部の歯数と異なる数の固
    定歯を周方向に形成した固定部材とを備え、上記ロータ
    と上記太陽歯車と上記遊星歯車と上記固定部材とによ
    り、遊星歯車機構を構成し、上記ロータの回転を上記出
    力軸に伝えることを特徴とする電動機。
  3. 【請求項3】 前記ボビンへ給電する端子を軸方向に形
    成したことを特徴とする請求項1または2記載の電動
    機。
  4. 【請求項4】 前記ボビンの前記挿入孔に前記ロータの
    軸受けを設けたことを特徴とする請求項1、2または3
    記載の電動機。
  5. 【請求項5】 前記遊星歯車を120度間隔で3個設け
    たことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の電
    動機。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007044690A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Vecoplan Maschinenfabrik Gmbh & Co Kg 三相同期モーター及びそれと一体化した遊星歯車伝動装置を備えた粉砕設備
KR100817294B1 (ko) 2007-11-30 2008-03-27 박응식 소형모터
KR100876941B1 (ko) 2007-02-27 2009-01-09 (주)시대전기 소프트 기동수단을 구비한 모타
JP2012016200A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Namiki Precision Jewel Co Ltd 円筒型モータ
PL423112A1 (pl) * 2017-10-09 2019-04-23 Glowa Jerzy Elektryczny silnik krokowy
US11946532B2 (en) * 2020-04-02 2024-04-02 American Axle & Manufacturing, Inc. Drive unit for automotive vehicle

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