JPH10411A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH10411A
JPH10411A JP15116396A JP15116396A JPH10411A JP H10411 A JPH10411 A JP H10411A JP 15116396 A JP15116396 A JP 15116396A JP 15116396 A JP15116396 A JP 15116396A JP H10411 A JPH10411 A JP H10411A
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coating
slit
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magnetic
die
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JP15116396A
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Jiyunichirou Hisamichi
純一郎 久道
Noboru Numaoka
昇 沼岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料がスリット内に滞留化することなく吐出
されて、塗布ムラや筋の発生を抑えて高品質な塗膜を形
成する塗布装置を提供する。 【解決手段】 塗料4が供給される塗料溜まり5を有し
てなるダイ2を備え、連続的に走行する支持体1上に、
ダイ2の先端に設けられたスリット3より塗料4を押し
出しながら塗布するエクストルージョン型の塗布装置に
おいて、上記スリット3の内壁面に、無電解ニッケル被
膜中に四フッ化エチレンの微粒子が均一に分散共析され
た複合メッキ被膜による表面処理が施されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布装置に関する
ものであり、特に磁気記録媒体を製造する際に磁性塗料
等を塗布するために使用される塗布装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、塗布型の磁気記録媒体を製造する
際、磁性塗料や非磁性塗料の塗布装置としては、グラビ
アロールやリバースロール等のロールを用いた塗布装置
が主流となっており、特に幅広い構造粘性(チクソ性)
の高いものを塗布することができるダイレクトグラビア
方式が一般的である。
【0003】しかし、上記グラビアロールにおいて、磁
性塗料の構造粘性によっては、非磁性支持体であるベー
スフィルム上への染料転写性が損なわれ、塗布厚みにム
ラが生じたり、塗料拡散が起こり易くなる。このような
厚みムラが磁性塗膜に生じると、これが出力変動を誘起
する。また、塗料拡散はドロップアウトの原因となる。
このような塗料の転写不良は、構造粘性の高い磁性塗
料、例えばメタル系の磁性塗料が用いられる場合に顕著
に現れ、また高速塗布の場合にもグラビアロールのセル
溝と支持体との間に空気層ができやすくなることから、
転移不良が生じやすくなる問題がある。
【0004】一方、これら問題を解決し得る塗布装置と
して、エクストルージョン(ダイ)型の塗布装置が注目
され、既に実用化されている。このエクストルージョン
型の塗布装置は、先端面に臨んで幅広のスリットを有す
るとともに、先端部の近傍がドクターエッジ化されてい
るダイを備え、走行している支持体の表面に向けて上記
スリットから連続的に磁性塗料が押し出され、この磁性
塗料がドクターエッジによって滑らされることで均一な
厚さをもって支持体上に塗布されるような構成になって
いる。
【0005】このようなエクストルージョン型の塗布装
置は、均一な厚さを有する塗膜を容易に形成することが
できるとともに、大径を有するロールを用いないため装
置の低価格化や小型化の点で有利であり、これまで写真
フィルムや印画紙などの分野において使用されている。
【0006】ところで、このエクストルージョン型の塗
布装置は、ダイの先端面が上下一対のリップによって構
成され、このリップの間にスリットが形成されている。
そして、スリットの背面側に該スリットの幅と略等しい
長さを有するオリフィス状のポケットが設けられてい
る。塗料は、このポケットに溜められるとともに、この
ポケットから所定の圧力をもってスリットへ押し出さ
れ、スリットの先端部から支持体表面に安定して供給さ
れる。なお、支持体は、この塗布装置の上リップ側から
下リップ側に向かって走行される。
【0007】しかしながら、このエクストルージョン型
の塗布装置において高速化が進むと、上リップ側にエア
フィルムが侵入したり、ビード形成が大きくなって、塗
膜形成が不安定なものとなっていた。
【0008】そこで、このエクストルージョン型の塗布
装置においては、安定した塗膜形成ができるように、リ
ップの突き出しや面取りなどの種々なる構造が検討され
ている。例えば、押し出された塗料が支持体の裏側に回
り込んで走行ロールが汚染されたり、塗膜の乾燥後に磁
気記録媒体の幅方向の両端部が膨れたような状態になっ
て形状不良が発生したりする等の不都合な点を解消する
ために、スリットの幅方向の両端側にスペーサーを介在
させて、スリットの幅を実質的に狭めて、安定した塗膜
形成ができるようにしたものがあり、様々な改良が進め
られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな塗布装置の構造の改良だけでは、十分な効果が得ら
れず、得られる磁気記録媒体の品質特性も十分であると
は言えなかった。
【0010】特に、非磁性層のバック塗料の塗布工程に
おいては、磁性塗料より含まれる粒子が粗いため、スリ
ットから吐出中に目詰まりが生じやすく、スリット内壁
に塗料が滞留化しやすくなっていた。特に、1.0μm
以下の薄膜層を形成するのは、非常に困難な塗布状態で
あった。
【0011】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、塗料がスリット内に滞留化する
ことなく吐出され、塗布ムラや筋の発生を抑えて高品質
な塗膜を形成する塗布装置を提供することを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らが上
述の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、磁性
塗料や非磁性塗料の塗布工程において、塗布ムラや筋を
発生させる大きな要因としてスリット内の吐出ムラがあ
るという知見を得た。
【0013】本発明に係る塗布装置は、このような知見
に基づいて完成されたものであり、塗料が供給される塗
料溜まりを有してなるダイを備え、連続的に走行する支
持体上に、ダイの先端に設けられたスリットより塗料を
押し出しながら塗布するエクストルージョン型の塗布装
置において、上記スリット内壁面に、無電解ニッケル被
膜中に四フッ化エチレンの微粒子が均一に分散共析され
た複合メッキ被膜による表面処理が施されていることを
特徴とする。
【0014】本発明に係る塗布装置においては、適度な
接触角を有している複合メッキ被膜による表面処理がス
リット内壁面に施されていることから、塗料がスリット
内に滞留化することなく全幅に亘って均一にスムーズに
吐出される。したがって、支持体に対して塗布ムラや筋
を発生させることなく、高品質な塗膜を形成することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したエクスト
ルージョン型塗布装置の好適な実施例を図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0016】この塗布装置においては、図1に示すよう
に、支持体1が巻出し側から巻取り側に亘って順次走行
される中途部に所定の幅を持った略直方体の金属ブロッ
クからなるダイ(エクストルーダ)2が配設される。こ
のダイ2は、図1中上方から下方に向かって走行する支
持体1の側方に配設され、ダイ2の先端面を構成する上
下一対のリップ2a、2bが上記支持体1の表面に対向
するように配設される。
【0017】このダイ2は、図2に示すように、先端面
近傍が直線的に斜めに削り取られ、所謂くさび型とされ
るとともに、そのリップ2a、2bが超硬合金等によっ
て形成されドクターエッジ化されている。また、この上
リップ2aと下リップ2bとの間には、塗布幅に応じた
スリット3が形成されている。このスリット3は、塗料
4が押し出される隙間となるものであって、通常0.0
1〜2.0mm程度の非常に狭い隙間とされる。
【0018】上記スリット3の背面側には、スリット3
と通じるポケット(塗料溜まり)5が形成され、スリッ
ト3の幅と略等しい長さを持つオリフィス状の空間とし
て形成されている。このポケット5の両端部には、図示
しない塗料供給口が設けられ、塗料4を導入するための
塗料供給管6が接続されている。この塗料供給管6の中
途部にはポンプ7が取り付けられており、このポンプ7
により上記塗料4が塗料供給管6からポケット5内に所
定の圧力で圧送される。ポケット5は、圧送される塗料
4を受け取る空間となり、アキュームレータの機能を持
つことになる。このポケット5内に圧送された塗料4
は、スリット3内に供給され、上下一対リップ2a、2
bに対向して走行する支持体の表面に押し出されて、塗
膜8として掲載される。
【0019】なお、巻き出し側から巻取り側に亘って移
動走行される支持体1は、ガイドロール9a、9bによ
って支持され、適当なテンションがかけられて、円滑な
走行が行われるようになっている。従って、この塗布装
置においては、図3に示すように、上記巻き出し側から
送り出され、図1及び図3中A方向に走行する支持体1
の表面に対してダイ2の先端にある上下一対のリップ2
a、2bが当接され、この当接面にスリット3より塗料
4が押し出されて塗膜8が形成される。
【0020】この時、上記スリット3の幅を規制するこ
とにより、幅W1を有する支持体1上に形成される塗膜
8の塗布幅W2が制限される。なお、ここでは、支持体
1の幅方向の両端部に3〜10mm程度の幅を有して未
塗布部10が形成されるようになっている。これによ
り、押し出された塗料4が支持体の裏面側に廻り込むこ
とがなくなり、良好な塗膜形成を行うことができる。
【0021】以上がこの装置の基本的な構成であるが、
この塗布装置においては、上記スリット内壁面3a、3
bに、複合メッキ被膜による表面処理が施されている。
複合メッキ被膜は、ニッケル(Ni)、リン(P)の化
学組成からなる無電解ニッケル被膜中にフッ素樹脂(四
フッ化エチレン)の微粒子を均一に分散共析させて得ら
れるものである。
【0022】この複合メッキ被膜は適度な接触角を有し
ていることから、複合メッキ処理が施されたスリット内
壁面3a、3bにおいては、塗料4がスリット3内に滞
留化することなく全幅に亘って均一にスムーズに吐出さ
れ、支持体1に対して塗布ムラや筋を発生させることな
く、安定した塗膜形成が行われる。
【0023】なお、上記複合メッキ被膜は、7〜20μ
mに形成されるのが好ましい。6μm以下になると、ス
リット内壁面3aとの密着性が悪く、21μm以上にな
ると、均一性に各々問題が多くなる。
【0024】また、上記複合メッキ被膜は、若干離型性
をもち、水に対する接触角が45°前後の適度のヌレ性
をもって形成されることが好ましい。上記接触角が45
°より小さいと(ヌレ性が良すぎると)、スリット内壁
面3aに沿って吐出する塗料4の流れが悪くなって上述
した滞留化防止の効果が少ない。また、上記接触角が4
5°より大きいと(ヌレ性が悪いと)、塗料4が弾ける
撥水現象が起きて、塗料4がスリット内壁面3aで乱れ
てスムーズに吐出できなくなる。
【0025】また、図4に示すように、上下一対のリッ
プ2a、2bの幅方向全面(図4中、斜線で示す部分)
にも、上記複合メッキ被膜による表面処理が施されてい
てもよい。この部分に複合メッキ被膜による表面処理が
施されることにより、支持体1の表面に対する摩擦係数
が低減され、良好な摺動性が得られる。この結果、リッ
プ2a、2bと支持体1の表面との接触による支持体1
の表面からの塵埃の発生や、リップ2a、2bの損傷な
どが防止され、さらに安定した塗膜形成を行うことがで
きる。
【0026】なお、上述の塗布装置は、塗布型の磁気記
録媒体における磁性塗料や非磁性塗料の塗布に応用して
好適であり、その場合、非磁性支持体や磁性塗膜、非磁
性塗膜を構成する磁性粉末、結合剤等は従来公知のもの
がいずれも使用可能であり、何ら限定されるものではな
い。
【0027】例示するならば、非磁性支持体としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2等のポ
リエステル樹脂フィルムや芳香族ポリアミド樹脂フィル
ム、ポリイミド樹脂フィルム等が挙げられる。
【0028】磁性塗膜の磁性粉末としては、Fe−C
o、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe
−Co−B、Fe−Co−Cr−B、Fe−Mn−Z
n、Fe−Co−Ni−P等のFe、Co、Niを主成
分とする金属粒子が好適である。上記磁性粉末において
は、これらに種々の特性を改善する目的でAl、Si、
Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分を添加して
もよい。
【0029】さらに、磁性層には、結合剤、磁性粉末の
他に、添加剤として分散剤、内添剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が添加されてもよい。
【0030】非磁性塗膜の非磁性粉末としては、カーボ
ンブラック等の帯電防止効果や摩擦低減効果を有するも
のが使用可能である。これら非磁性層は、非磁性支持体
の磁性層が形成されている側とは反対側にバック層とし
て形成される。
【0031】これら磁性粉末や非磁性粉末を分散して結
合させておくための結合剤としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、ブタジエン等の重合体、或いはこれらを
2種以上組み合わせた共重合体、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0032】これら塗料を調製するための有機溶剤とし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリ
コールモノエチルエーテル等のエステル系溶剤、グリコ
ールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテ
ル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘ
キサン等の脂肪族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、上述した構成を有する塗布装置を用い
て、磁気テープを作製し、その効果を調べた。
【0034】内壁面の表面処理の検討 上述した塗布装置のスリット内壁面3a、3bの表面処
理の種類及びダイ2の材質を変化させて、非磁性支持体
の一方の面に磁性層となる磁性塗料を、非磁性支持体の
もう一方の面にバック層となる非磁性塗料を塗布し、磁
気テープを作製した。(以下、実施例1、実施例2、比
較例1〜3として示す。) なお、スリット内壁面3a、3bの表面処理の種類とし
ては、複合メッキ被膜、クロームメッキ被膜、四フッ化
エチレン樹脂被膜(以下、テフロン被膜と称す。)、処
理なしのうちから1種選択し、ダイ2の材質としては、
ステンレス鋼、超硬合金、炭素工具鋼のうちの1種から
選択した。なお、複合メッキ被膜、クロームメッキ被
膜、テフロン被膜、超硬合金の水に対する接触角は、そ
れぞれ約45°、約35°、約65°、約40°であ
る。
【0035】なお、非磁性支持体には、7.5μmのポ
リエステルフィルムを使用し、走行速度を、500m/
分とした。
【0036】磁性塗料としては、磁性粉末にCo被着−
γFe23、結合剤に塩化ビニル系共重合体、ポリウレ
タン樹脂、溶媒にメチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、トルエン、添加剤にレシチンをそれぞれ用い、固形
分38%、粘度3200cpsに調製されたものを使用
した。
【0037】非磁性塗料としては、カーボンブラックを
主体とし、上記磁性塗料と同じ結合剤、溶媒、添加剤を
用い、固形分15%、粘度80cpsに調製されたもの
を使用した。
【0038】そして、得られた磁気テープ(実施例1、
実施例2、比較例1〜比較例3)について、塗布状況を
調べた。この結果を表1に示す。なお、表1中、各評価
項目において、○印は筋や塗布ムラのない安定した塗布
状況を示し、×印は筋や塗布ムラが目立ち、磁気テープ
の品質に大きく影響する塗布状況を示し、△印は、磁気
テープの品質に若干の影響を与える塗布状況を示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1からわかるように、ステンレス鋼や超
硬合金からなるスリットの内壁面3a、3bに接触角が
45°である複合メッキ被膜が形成された実施例1及び
実施例2においては、磁性塗料及び非磁性塗料が共にス
リット3内に滞留化することなく全幅に亘って均一にス
ムーズに吐出され、支持体1に対して塗布ムラや筋を発
生させることがなく、高品質な塗膜(磁性層、バック
層)が得られた。
【0041】これに対し、スリットの内壁面3a、3b
に低摩擦化処理を全く施さなかった(超硬合金の接触角
は約40°)比較例1においては、特に磁性塗料より粒
子が粗い非磁性塗料が塗布される場合において、スリッ
ト3内で非磁性塗料の目詰まり、滞留が発生しやすくな
っており、塗膜(バック層)に筋や塗布ムラが発生し
た。
【0042】また、スリットの内壁面3a、3bに接触
角が約35°と小さい(ヌレ性が大きい)クロームメッ
キ被膜処理を施した比較例2においては、比較例1と同
様に、スリット3内で塗料の滞留、吐出ムラが発生しや
すく、塗膜(磁性層、バック層)に筋や塗布ムラが発生
した。
【0043】スリット内壁面に接触が約60°と大きい
(ヌレ性が小さい)テフロン被膜処理を施した比較例3
においては、塗料4が弾ける撥水現象が起きて、塗料4
がスムーズに吐出できないで塗膜に筋が発生した。
【0044】したがって、高品質な塗膜(磁性層、バッ
ク層)を得るには、スリットの内壁面3a、3bに、接
触角が45°前後になるような複合メッキ被膜による低
摩擦化表面処理を施すことが有効であることがわかっ
た。
【0045】ダイ先端面の表面処理の検討 上述した塗布装置のダイ2の先端面におけるリップ2
a、2bの表面処理の種類、表面処理幅、及びダイ2の
材質を変化させて、実施例1と同様に、非磁性支持体1
の一方の面に磁性層となる磁性塗料を、非磁性支持体1
のもう一方の面にバック層となる非磁性塗料を塗布し、
磁気テープを作製した。(以下、実験例1〜実験例7と
して示す。) そして、得られた磁気テープ(実験例1〜実験例7)に
ついて、塗布状況を調べた。この結果を表2に示す。な
お、表2中、各評価項目において、○印は、非磁性支持
体1から塵埃が発生していない状況、またはリップ2
a、2bに傷が生じていない状況、更には塗布状態が非
常に安定した状況を示し、×印は、非磁性支持体1から
若干塵埃が発生した状況、リップ2a、2bに傷が若干
生じた状況により塗布状況に若干の影響があった状況を
示し、△印は、○印に若干劣る塗布状況を示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果から、上下一対のリップ2a、
2bの幅方向全面に複合メッキ被膜による表面処理が施
された実験例1、実験例2においては、極めて高品質な
塗膜(磁性層、バック層)が得られた。これは、リップ
2a、2bの幅方向全面に複合メッキ被膜による表面処
理を施すことにより、優れた潤滑性が得られて非磁性支
持体1に対する摩擦係数が低減され、かつその効果を長
時間持続できたためである。
【0048】これに対し、クロームメッキ被膜処理を施
した実験例3やテフロン被膜処理を施した実験例4や、
全く表面処理を施さなかった実験例5においては、やや
実験例1、実験例2に劣る結果となった。
【0049】また、非磁性支持体1の未塗布部10と直
接接することになる上下一対のリップ2a、2bの幅方
向の両端部のみに表面処理を施した実験例6、実験例7
においては、両端部の塗布状況は良かったが、中央部分
の塗布状況は満足できるものではなかった。これは、高
速塗布になるにつれて顕著に現れた。
【0050】したがって、さらに良好な塗膜(磁性層、
バック層)を得るには、ダイ2の先端面のリップ2a、
2bに接触角が45°前後であるような複合メッキ被膜
による低摩擦化表面処理を施すことが有効であり、より
好ましくは、リップ2a、2bの幅方向全面に上記表面
処理を施すことが望ましい。またリップ2a、2bに上
記表面処理を施すことにより、被膜、リップ2a、2b
の間に設けられたスリット3の精度の劣化も少なくな
り、さらに安定した塗膜形成を行うことができ、ダイ2
自体の耐久性も向上する。
【0051】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る塗布装置においては、適度な接触角を有する複
合メッキ被膜による表面処理がスリット内壁面に施され
ていることから、塗料がスリット内に滞留化することな
く全幅に亘って均一にスムーズに吐出され、支持体に対
して塗布ムラや筋を発生させることなく、高品質な塗膜
を形成することができる。
【0052】また、この塗布装置は、ダイの先端面に上
記複合メッキ被膜による表面処理を施すことにより、さ
らに安定した塗膜形成が可能となり、塗布装置の耐久性
も向上させることができる。
【0053】したがって、本発明に係る塗布装置は、高
品質な塗膜形成が可能となることから、品質特性に優れ
た磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した塗布装置の構成を示す模式的
な断面図である。
【図2】ダイの先端面近傍の構成を示す要部拡大断面図
である。
【図3】走行される支持体とダイの先端面が当接された
状態を示す要部拡大平面図である。
【図4】ダイの先端面の幅方向全面に複合メッキ被膜処
理が施された状態を示す要部拡大平面図である。
【符号の説明】
1 支持体、2 ダイ、2a 上リップ、2b 下リッ
プ、3 スリット、4塗料、5 ポケット、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料が供給される塗料溜まりを有してな
    るダイを備え、連続的に走行する支持体上に、ダイの先
    端に設けられたスリットより塗料を押し出しながら塗布
    するエクストルージョン型の塗布装置において、 上記スリット内壁面に、無電解ニッケル被膜中に四フッ
    化エチレンの微粒子が均一に分散共析された複合メッキ
    被膜による表面処理が施されていることを特徴とする塗
    布装置。
  2. 【請求項2】 上記ダイの先端面に、無電解ニッケル被
    膜中に四フッ化エチレンの微粒子が均一に分散共析され
    た複合メッキ被膜による表面処理が施されていることを
    特徴とする請求項1記載の塗布装置。
JP15116396A 1996-06-12 1996-06-12 塗布装置 Withdrawn JPH10411A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005131635A (ja) * 2003-10-07 2005-05-26 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 塗布装置及びダイコータの作製方法
JP2015182019A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 三菱マテリアル株式会社 塗布工具

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