JPH1036963A - スパッタ装置及びこれを用いた軟磁性膜の成膜方法 - Google Patents

スパッタ装置及びこれを用いた軟磁性膜の成膜方法

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JPH1036963A
JPH1036963A JP19333296A JP19333296A JPH1036963A JP H1036963 A JPH1036963 A JP H1036963A JP 19333296 A JP19333296 A JP 19333296A JP 19333296 A JP19333296 A JP 19333296A JP H1036963 A JPH1036963 A JP H1036963A
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Hisashi Kudo
久 工藤
Yoshihiro Sugano
佳弘 菅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタ法により薄膜を形成するに際して、
磁気異方性のない保磁力の小さい軟磁性膜を成膜するこ
とができるスパッタ装置及びこれを用いた軟磁性膜の成
膜方法を提供する。 【解決手段】 カソード部3に配置されたターゲット5
と、このターゲット5に対向して配置された基板6と、
上記ターゲット5と上記基板6との間に配置された膜厚
補正板7とを備え、上記膜厚補正板7は、膜厚分布を考
慮した形状の開口部7aを有するとともに、その開口部
7aが基板面に対して略直交方向の壁により仕切られた
複数のスリットよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
を用いた薄膜磁気ヘッドを構成する軟磁性膜の成膜方
法、及びそれに用いる成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体からの信号磁界によって抵
抗が変化する磁気抵抗素子膜(以下、MR素子と称す
る。)の抵抗変化を再生出力として検出する磁気抵抗効
果型薄膜磁気ヘッド(以下、MRヘッドと称する。)
は、その再生出力が媒体速度に依存せず、媒体速度が遅
くても高出力が得られるという特徴を有しており、例え
ばハードディスク装置の小型大容量化を実現する磁気ヘ
ッドとして注目されている。
【0003】このMRヘッドは、軟磁性膜からなる下層
シールドと、下層シールド上に形成された非磁性材料か
らなる再生下層ギャップ層と、再生下層ギャップ層上に
形成されたMR素子と、MR素子上に形成された第1の
絶縁層と、MR素子の後端部に一部が重なるように形成
されたセンス電流用導体層と、MR素子の上を横切るよ
うに第1の絶縁層上に形成されたバイアス電流用導体層
と、バイアス電流用導体層とを覆うように形成された第
2の絶縁層と、MR素子との先端部において接続するよ
うに形成された非磁性材料からなる再生上層ギャップ層
と、再生上層ギャップ層上に形成された軟磁性膜からな
る上層シールドとから構成される。
【0004】このようなMRヘッドで磁気記録媒体から
の信号を再生する際には、バイアス電流導体層に流れる
電流によってMR素子にバイアス磁界が印加されるとと
もに、センス電流用導体層及び上層シールドを介して、
MR素子にセンス電流が供給される。そして、磁気記録
媒体からMR素子に引き込まれる信号磁界の大きさに依
存するMR素子の抵抗変化に基づいて、磁気記録媒体か
らの信号が再生される。
【0005】ところで、上記MR素子は、一般にスパッ
タ法により成膜される。スパッタ装置は、カソードに配
置されたターゲット板にイオン化されたArガスなどが
スパッタリングし、ターゲット板から飛び出したスパッ
タ原子をアノードに配置された基板上に堆積させること
により、基板上に薄膜を成膜する装置である。
【0006】すなわち、スパッタ装置においては、高真
空チャンバー内にスパッタガスとしてArガスを導入し
て、カソード即ちターゲット板に負電荷を負荷する。す
ると、一対の電極であるカソード−アノード間に電界が
生じ、グロー放電が起こってプラズマ中のイオン化した
Arガスがターゲット板をスパッタリングする。その結
果、ターゲット板からスパッタ原子が叩き出され、この
スパッタ原子がターゲット板と対向して配置された基板
表面上に堆積して薄膜が形成される。
【0007】ここで、ターゲット板から飛び出したスパ
ッタ原子は、その発散の仕方が不均一となりがちであ
り、その結果として、上記基板に対する分布に偏りが生
じて当該基板に付着される薄膜の膜厚が不均一になるこ
とが多い。そのため、基板に成膜される薄膜の膜厚分布
を均一化するために、ターゲット板と基板との間には、
膜厚補正板が配置されている。この膜厚補正板100
は、図16(a)(b)に示すように、膜厚分布を考慮
した形状の開口部100aが形成される。そして、この
膜厚補正板100は、図17に示すように、カソード部
101に配置されたターゲット板102の一部を遮断す
るようにして、ターゲット板102と、基板ホルダー1
03に収納された基板104との間に設置される。そし
て、基板104の表面上にスパッタ原子が堆積して薄膜
が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような膜厚補正板100を備えたスパッタ装置におい
て、一般にターゲット板102から飛び出したスパッタ
原子は、成膜速度を上げて安定した成膜を行うために、
ターゲット板102に装備されたエロージョンマグネッ
トから発生する磁束によって軌道が与えられている。そ
のため、ターゲット板102から飛び出して膜厚補正板
100の開口部100aを通過するスパッタ原子の飛散
する方向は一定になっておらず、スパッタ原子が基板1
04に付着するときの角度はスパッタ原子毎に異なって
いる。これにより、成膜された磁性膜の磁気異方性の分
散が起こり、保磁力の大きい磁性膜が形成されるという
問題点が発生している。
【0009】特に、薄膜磁気ヘッドを構成する軟磁性薄
膜は、磁性膜の磁気異方性の分散が少なく、保磁力の小
さいものが要求されている。薄膜磁気ヘッドの磁性膜の
保磁力が大きい場合には、薄膜磁気ヘッドが帯磁するこ
とによって記録された磁気テープを消磁してS/Nが悪
くなったり、テープノイズが多くなったり、再生信号の
歪が多くなったりする虞がある。
【0010】磁性膜の磁気異方性の分散を抑えるため
に、上記成膜工程において、成膜時のArガス圧を極力
小さくし平均自由工程をなるべく長くすることにより、
基板104への付着角度を一定にすることも考えられて
いたが、成膜効率が悪く、充分な効果が得られていなか
った。
【0011】そこで、本発明は、上述のような問題点に
鑑みてなされたものであり、スパッタ法により薄膜を形
成するに際して、磁気異方性のない保磁力の小さい軟磁
性膜を成膜することができるスパッタ装置及びこれを用
いた軟磁性膜の成膜方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスパッタ装
置は、上述した課題を解決するために提案されたもので
あり、カソードに配置されたターゲットと、このターゲ
ットに対向して配置された基板と、上記ターゲットと上
記基板との間に配置された膜厚補正板とを備え、上記膜
厚補正板は、膜厚分布を考慮した形状の開口部を有する
とともに、その開口部が基板面に対して略直交方向の壁
により仕切られた複数のスリットよりなることを特徴と
する。
【0013】また、本発明に係る軟磁性膜の成膜方法
は、スパッタ法により軟磁性膜を形成するに際して、カ
ソードに配置されたターゲットと、このターゲットに対
向して配置された基板との間に、膜厚分布を考慮した形
状の開口部を有するとともに、その開口部が基板面に対
して略直交方向の壁により仕切られた複数のスリットよ
りなる膜厚補正板を配置し、上記ターゲット板から飛び
出したスパッタ原子を上記開口部を通過させることによ
って基板面に軟磁性膜を成膜することを特徴とする。
【0014】本発明に係るスパッタ装置、及びこれを用
いた軟磁性薄膜の成膜方法によれば、ターゲット板から
飛び出したスパッタ原子の飛散方向が膜厚補正板のスリ
ットにより限定され、スパッタ原子が一定の角度で基板
面に付着することから、成膜された軟磁性膜の膜厚分布
を簡便かつ正確に均一化させることができるとともに、
磁気異方性の分散を抑えて保磁力の小さい軟磁性膜を得
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した好適な実
施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】本発明を適用したスパッタ装置は、図1に
示すように、成膜室である高真空チャンバー1と、高真
空チャンバー1内の真空状態を制御する真空制御部(図
示せず)と、プラズマ放電用の電源(図示せず)と、高
真空チャンバー1内にスパッタガスであるAr等を供給
するスパッタガス導入口2とを備える。高真空チャンバ
ー1には、電源と電源ラインにて接続されているカソー
ド部3と、このカソード部3に所定距離をもって対向配
置されている基板ホルダー4とが配置される。
【0017】カソード部3には、ターゲット板5が配置
され、このターゲット板5の背面にエロージョンマグネ
ット(図示せず)が設置されている。基板ホルダー4に
は、被成膜体である基板6が配置される。カソード部3
と基板ホルダー4の間には、プリスパッタ時にターゲッ
ト板5を遮断するシャッター(図示せず)と、膜厚分布
を補正するための膜厚補正板7とが配置されている。
【0018】上記カソード部3と上記基板ホルダー4と
により一対の電極が構成され、ターゲット板5から飛び
出したスパッタ原子は、エロージョンマグネットから発
生する磁束によって軌道が与えられ、膜厚補正板7の開
口部7aを通過したスパッタ原子が基板6の表面に付着
する。
【0019】ここで、上記膜厚補正板7は、図2(a)
に示すように、膜厚分布を考慮した形状の開口部7aを
有し、図2(b)に示すように、側面からみるとその開
口部7aが基板面と略直交方向の壁に仕切られた複数の
スリットよりなり、例えば幅7mm×7mm、長さ10
mm程度のスリットの集合体として格子状に形成され
る。開口部7aの形状、スリットの形状、スリット集合
形態は特に限定されるものではなく、ターゲット板5か
ら飛び出したスパッタ原子の飛散方向を限定できるもの
であればよい。
【0020】したがって、図3に示すように、ターゲッ
ト板5から飛び出したスパッタ原子は、複数のスリット
仕切られた開口部7aにより飛散方向が限定され、一定
の角度で基板6の表面に堆積する。すなわち、基板6の
表面に対して略直交方向に飛散したスパッタ原子のみが
基板6表面に付着する。上記膜厚補正板7を備えたスパ
ッタ装置は、成膜された磁性膜の膜厚分布を簡便かつ正
確に均一化させることができるとともに、磁気異方性の
分散を抑えて保磁力の小さい軟磁性膜を得ることができ
る。
【0021】次に、上記スパッタ装置を用いて、薄膜磁
気ヘッドを作製した実施例について説明する。
【0022】先ず、図4に示すように、アルチック材
(Al23/Ti/C)からなる基板11を用意し、こ
の基板11に対し、絶縁と表面性の改善を目的として、
アルミナ膜12をスパッタにて成膜する。その上に、再
生用の磁路としてFe−Ni等の軟磁性材料からなる下
層シールド13をスパッタやメッキにより成膜する。
【0023】次に、図5に示すように、先に成膜した下
層シールド13と重ならない部分の配線パターンをCu
のパターンめっきにて形成し、これをリード電極14と
する。さらに、図6、図7に示すように、その上にアル
ミナ膜15をスパッタにより成膜し、その後機械研磨法
を使用して平坦化研磨を行い、下層シールド13及びリ
ード電極14を露出させる。
【0024】次に、下層シールド13上にアルミナ等の
電気的に非導体である非磁性材料からなる再生下層ギャ
ップ層16をスパッタにて成膜し、面粗度の向上とエッ
ジのさらなる緩和を目的としたケミカル研磨を行い、リ
ード電極14上にコンタクトホールを形成する。そし
て、図8に示すように、この再生下層ギャップ層16上
に、MR素子17としてFe−Ni等の軟磁性材料から
なるMR膜をスパッタにて成膜する。再生下層ギャップ
層16は、MR素子17の下部を電気的に絶縁するとと
もに、MR素子17の下部に磁気ギャップを形成する。
一方、MR素子17は、MRヘッドの感磁部となるもの
であり、磁気抵抗効果を有する材料からなる。この工程
により、所定のギャップ長を有し、かつデプス”0”以
降のMR素子17から下層シールド13間の距離が相互
作用を低減させるのに充分である構造を形成できる。
【0025】次に、図9に示すように、MR素子17上
にSiO2等からなる第1の絶縁層18をスパッタにて
成膜し、図10に示すように、MR素子17の後端部1
7a及びリード電極14上にコンタクトホールを形成す
る。第1の絶縁層18は、MR素子17と後述する導体
層との絶縁のために形成される。
【0026】そして、図11に示すように、MR素子1
7と電気的に接続するように、MR素子17の後端部1
7a上にセンス電流用導体層19を形成するとともに、
MR素子17上を横切るように第1の絶縁層18上にバ
イアス電流用導体層20を形成する。センス電流用導体
層19及びバイアス電流用導体層20は、Ti/Cu/
Ti等からなる電極材をスパッタにて成膜し、所定の形
状に加工されることによって形成される。ここで、セン
ス電流用導体層19は、MR素子17にセンス電流を供
給するためのものであり、バイアス電流用導体層20
は、MR素子17にバイアス磁界を印加するためのもの
である。
【0027】次に、図12に示すように、センス電流用
導体層19、バイアス電流用導体層20、及び第1の絶
縁層18上に、第2の絶縁層21をスパッタにて成膜
し、その後、図13に示すように、MR素子先端17b
にコンタクトホールを形成する。第2の絶縁層21は、
センス電流用導体層19、バイアス電流用導体層20、
及び後述する上層シールドとの絶縁のために形成され
る。
【0028】次に、図14に示すように、MR素子17
の先端部17b及び第2の絶縁層21上に、Ti等の金
属膜からなる再生上層ギャップ層22をスパッタにて成
膜する。その後、再生時の磁路となる上層シールド23
を、下層シールド13と同様に形成する。
【0029】以上の工程の後、所定の形状に切り出すこ
とによって、MRヘッドが完成する。しかし、MRヘッ
ドは、再生専用磁気ヘッドであるため、記録再生用磁気
ヘッドとするために、このMRヘッド上に記録用磁気ヘ
ッドを積層してもよい。そこで、図15に示すような、
上記MRヘッドの上層シールド23を記録用磁気コアと
して使用するインダクティブヘッドを、上記MRヘッド
上に形成する方法について、以下に説明する。
【0030】なお、上記MRヘッドは、上層シールド2
3が記録用磁気コアとして機能する3ポールタイプであ
る。4ポールタイプの場合には、上層シールド23上に
アルミナ膜を形成して再生用ヘッドと記録ヘッドを分離
し、その後下層コアを形成し、その上に後述の記録用磁
気ヘッドを形成してもよい。
【0031】図15に示すようなインダクティブヘッド
を形成する場合には、先ず、一方の記録用磁気コアとし
て機能する上層シールド23上に、アルミナ等からなる
記録ギャップ層24をスパッタにて成膜する。そして、
記録ギャップ層24の一部を除去して、一方の記録用磁
気コアとして機能する上層シールド23と、後工程で形
成する他方の記録用磁気コアとの磁気的結合を図るため
のコンタクトホールを形成する。
【0032】次に、上層シールド23と、後工程で形成
する記録用コイルとの絶縁を図るとともに、平坦なコイ
ル形成面を得るために、有機材料等からなる平坦化層2
5を記録ギャップ層24上に形成する。
【0033】次に、Cu等の良導体金属をパターンメッ
キして、平坦化層上に記録用コイル26をスパイラル状
に形成する。
【0034】次に、上記記録用コイル26上に、記録用
コイル26と、後工程で形成する記録用磁気コアとの絶
縁を図るととともに、平坦な磁気コア形成面を得るため
に、有機材料からなる平坦化層27を、平坦化層25及
び記録用コイル26上に形成する。
【0035】次に、平坦化層27上にFe−Ni等の軟
磁性材料からなる記録用磁気コア28をスパッタやメッ
キにて成膜し、所定の形状に加工する。
【0036】次に、記録用磁気コア上にアルミナ等から
なる保護膜(図示せず)をスパッタにて成膜し、その
後、外部回路と記録用コイル26とを接続するための端
子(図示せず)を形成する。
【0037】以上の工程により、記録用磁気コアとして
機能する上層シールド23と、記録用磁気コア28との
間に記録ギャップ24が形成されたインダクティブヘッ
ドがMRヘッド上に形成され、再生用のMRヘッドと、
記録用のインダクティブヘッドとを備えた記録再生用の
複合型薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0038】ところで、上述した工程において、上記M
R素子17のような軟磁性材料からなる薄膜を形成する
際には、上述した膜厚補正板7を備えたスパッタ装置に
より軟磁性膜を成膜することにより、磁気異方性のない
保持力の小さい軟磁性膜を成膜することができる。
【0039】例えば、上述したスパッタ装置により、M
R素子17を20μm成膜する際には、例えばターゲッ
ト板5に軟磁性材料(Ni/Fe)を用い、ターゲット
板5と基板6との距離を40mm程度とし、ターゲット
投入パワーを2kW、Arガス流量30sccm、Ar
ガス圧力1.2mTなる成膜条件よりMR膜を成膜する
ことができる。
【0040】なお、上述した工程において使用されるス
パッタ装置においては、全て膜厚補正板7を用いる必要
はなく、従来使用されているスパッタ装置と併用して使
用することができ、膜厚補正板を適宜変更するものであ
ってもよい。
【0041】上述した膜厚補正板7は、軟磁性膜の成膜
の際に用いられるとその効果が大きい。すなわち、膜厚
補正板7を備えたスパッタ装置により得られた軟磁性膜
は、ターゲット板5から飛び出した原子の飛散方向がス
リットにより限定され、一定の角度でスパッタ原子が基
板6の表面に付着するため、磁気異方性の分散が抑えら
れる。したがって、上述したスパッタ装置を用いた軟磁
性薄膜の成膜方法によれば、膜厚分布を簡便かつ正確に
均一化させることができるとともに、磁気異方性の分散
を抑えて保磁力を小さい軟磁性膜得ることができ、ひい
ては、薄膜磁気ヘッドの再生出力特性を向上させること
ができる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るスパッタ装置及びこれを用いた軟磁性薄膜の成
膜方法によれば、ターゲット板から飛び出したスパッタ
原子の飛散方向が膜厚補正板のスリットにより限定さ
れ、スパッタ原子が一定の角度で基板面に付着すること
から、成膜された軟磁性膜の膜厚分布を簡便かつ正確に
均一化させることができるとともに、磁気異方性の分散
を抑えて保磁力の小さい軟磁性膜を得ることができる。
また、このような軟磁性膜をMR素子等に用いることに
より、再生出力特性に優れた薄膜磁気ヘッドを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したスパッタ装置の構成を示す模
式図である。
【図2】(a)は、本発明を適用した膜厚補正板の平面
図であり、(b)は、膜厚補正板の側面図である。
【図3】本発明を適用したスパッタガス装置の要部側面
図である。
【図4】下層シールドを形成する工程を示す要部断面図
である。
【図5】リード電極を形成する工程を示す要部断面図で
ある。
【図6】アルミナ膜を形成する工程を示す要部断面図で
ある。
【図7】アルミナ膜の平坦化研磨を行った工程を示す要
部断面図である。
【図8】下層シールド上に再生下層ギャップ層とMR素
子とを形成する工程を示す要部断面図である。
【図9】第1の絶縁膜を形成する工程を示す要部断面図
である。
【図10】MR素子とのコンタクトホールを形成する工
程を示す要部断面図である。
【図11】センス電流用導体層と、バイアス電流用導体
層とを形成する工程を示す要部断面図である。
【図12】第2の絶縁膜を形成する工程を示す要部断面
図である。
【図13】MR素子とのコンタクトホールを形成する工
程を示す要部断面図である。
【図14】再生上層ギャップ層と、上層シールドを形成
する工程を示す要部断面図である。
【図15】MRヘッド上に形成されたインダクティブヘ
ッドの1構成例を示す要部断面図である。
【図16】(a)は、従来のスパッタ装置の膜厚補正板
の平面図であり、(b)は、膜厚補正板の要部側面図で
ある。
【図17】従来のスパッタ装置の要部側面図である。
【符号の説明】
1 高真空チャンバー、2 スパッタガス導入口、3
カソード部、4 基板ホルダー、5 ターゲット板、6
基板、7、膜厚補正板、11 基板、12 アルミナ
膜、13 下層シールド、14 リード電極、15 ア
ルミナ膜、16再生下層ギャップ層、17 MR素子、
18 第1の絶縁層、19 センス電流用導体層、20
バイアス電流用導体層、21 第2の絶縁層、22
再生上層ギャップ層、23 上層シールド、24 記録
ギャップ層、25 平坦化層、26 記録用コイル、2
7 平坦化層、28 記録用磁気コア

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードに配置されたターゲットと、こ
    のターゲットに対向して配置された基板と、上記ターゲ
    ットと上記基板との間に配置された膜厚補正板とを備
    え、 上記膜厚補正板は、膜厚分布を考慮した形状の開口部を
    有するとともに、その開口部が基板面に対して略直交方
    向の壁により仕切られた複数のスリットよりなることを
    特徴とするスパッタ装置。
  2. 【請求項2】 スパッタ法により軟磁性膜を形成するに
    際して、 カソードに配置されたターゲットと、このターゲットに
    対向して配置された基板との間に、膜厚分布を考慮した
    形状の開口部を有するとともに、その開口部が基板面に
    対して略直交方向の壁により仕切られた複数のスリット
    よりなる膜厚補正板を配置し、 上記ターゲット板から飛び出したスパッタ原子を上記開
    口部を通過させることによって基板面に軟磁性膜を成膜
    することを特徴とする軟磁性膜の成膜方法。
JP19333296A 1996-07-23 1996-07-23 スパッタ装置及びこれを用いた軟磁性膜の成膜方法 Withdrawn JPH1036963A (ja)

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