JPH1036511A - 高分子光学材料及びこれを用いた光導波路 - Google Patents

高分子光学材料及びこれを用いた光導波路

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JPH1036511A
JPH1036511A JP9070860A JP7086097A JPH1036511A JP H1036511 A JPH1036511 A JP H1036511A JP 9070860 A JP9070860 A JP 9070860A JP 7086097 A JP7086097 A JP 7086097A JP H1036511 A JPH1036511 A JP H1036511A
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尚一 林田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1.3μm及び1.55μm波長帯において
低損失であり、かつ耐熱性、耐湿性、耐溶剤性及び耐ク
ラック性に優れた高分子光学材料、及びそれを用いた光
導波路を提供する。 【解決手段】 式(I)、(II) の各単位を構成分とす
る一般式(化1):−(R1 )(−O1/2 )Si−O−
(I)、−(R1 )(HO−)Si−O−(II)
(R1 :シクロヘキシル基又はシクロペンチル基)の繰
り返し単位、及び式(III)、式(IV) を構成分とする一
般式(化2):−(R2 )(−O1/2 )Si−O−(II
I)、−(R2 )(HO−)Si−O−(IV) 〔R2 :C
6 5 (Y:H又はD)〕の繰り返し単位からなる共重
合体である高分子光学材料。該材料をコア又はクラッド
とする高分子光導波路。該材料は、他の成分、特にポリ
イソシアネートを含んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料及びそれ
を用いた光導波路に関するものであり、それらは、一般
光学や微小光学分野で、また、光通信や光情報処理の分
野で用いられる種々の光学部品、光集積回路又は光配線
板等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】高分子材料はスピンコート法やディップ
法等による薄膜形成が容易であり、大面積の光部品を作
製するのに適している。また、成膜に際して高温での熱
処理工程を含まないことから、石英等の無機ガラス材料
を用いる場合に比べて、半導体基板やプラスチック基板
等、高温での熱処理が困難な基板上に光導波路を作製で
きるという利点がある。更に、高分子の柔軟性や強じん
性を活かしたフレキシブルな光導波路の作製も可能であ
る。こうしたことから、光通信の分野で用いられる光集
積回路や、光情報処理の分野で用いられる光配線板等の
光導波路部品を、高分子光学材料を用いて大量・安価に
製造できることが期待されている。従来、高分子光学材
料は、耐熱性又は耐湿性といった耐環境性、あるいは光
通信波長帯(可視域から近赤外域)における透明性の点
で問題があるとされてきたが、近年、これを大幅に改善
した材料が発明され報告されるに至っている〔例えば、
特開平3−43423号公報〕。当該材料はシルセスキ
オキサン構造を分子骨格とする高分子材料であるために
優れた耐熱性を有する。また、側鎖のフェニル基やアル
キル基が疎水性であるために耐湿性が高い。更に、側鎖
に含まれるC−H結合の水素がハロゲン又は重水素に置
換されているために、C−H結合の伸縮又は変角振動の
倍音又は結合音に起因する近赤外域における吸収が、大
幅に低減されている。このような高分子光学材料を用い
て、コア/クラッド構造からなる光導波路を作製する場
合、コア/クラッド材料として、精密に制御された屈折
率差を有する少なくとも2種の材料が必要となる。これ
は、周囲のクラッド部より屈折率の高いコア部に導波光
を閉じ込めて伝搬させるためである。屈折率差の大きさ
は導波すべき光のモードとコアの寸法に応じて決定され
るが、一般的には0.1%〜5%の範囲である。例え
ば、シングルモード光ファイバと導波光のモード径を合
せる場合、コア部の形状は8μm角の正方形、屈折率差
は0.3%であることが望ましい。前記発明にかかる高
分子光学材料においては、側鎖の異なる繰り返し単位を
共重合することにより、屈折率の制御を行っている。例
えば、高屈折率の側鎖としてフェニル基、低屈折率の側
鎖としてメチル基等の直鎖状アルキル基が知られてい
る。すなわち、フェニル基側鎖のポリフェニルシルセス
キオキサンをコア材料とした場合、フェニルシルセスキ
オキサンとメチルシルセスキオキサンとの共重合体をク
ラッド材料として用いることができる。こうして得られ
るコア/クラッド材料を積層することによって光導波路
が作製されるが、その際に、インターミキシングを防止
する必要がある。ここで、インターミキシングとは、高
分子薄膜上に別の高分子溶液を塗布して成膜する場合
に、下層の表面が上層形成用の塗布溶液に溶解されて界
面が不均一になることをいう。このようなインターミキ
シングを回避するために、低分子量のオリゴマー又はプ
レポリマーを熱架橋又は光架橋等により硬化させる型の
高分子光学材料を用いることができる。このような熱架
橋型材料は、架橋により硬化した後は、優れた耐溶剤性
を有し、一般に有機溶媒に対して不溶となる。このよう
な架橋型材料を用いて光導波路を作製する場合の問題点
は、クラックの発生である。架橋型材料は架橋の際に体
積変化を伴うので、内部応力が発生しクラックを引き起
こす場合がある。クラックは膜厚が厚くなるほど発生確
率が高くなるが、光導波路を作製する際には、ある程度
以上の膜厚を有する薄膜を形成することが必須である。
例えば、コア部が8μm角の正方形であるシングルモー
ド光導波路をシリコン基板上に形成する場合、メタルク
ラッディングの影響を回避するためには、下部クラッド
として15μm程度以上の膜厚が必要となる。ここで、
メタルクラッディングとは下部クラッドの厚さが薄い場
合にコア部を導波する光がシリコン基板へ引き込まれ
て、導波損失が顕著に大きくなることをいう。また、上
部クラッドに関しても表面の塵又は汚れ、外部からの応
力等の影響がコア部を導波する光に及ばないようにする
ためには、上部クラッドとしてコア上面から8μm程度
以上の膜厚が必要となる。実際、側鎖がすべてフェニル
基であるポリフェニルシルセスキオキサンを用いた場合
には、硬化後の薄膜が硬いためにクラックが入り易く、
15μm程度以上の膜厚を信頼性良く得るのは困難であ
った。しかし、フェニル基以外の側鎖を導入することに
より、硬化後の薄膜の柔軟性を向上し、クラックの発生
率を大幅に低減することができる。そのための側鎖とし
て、従来、メチル基等の直鎖状アルキル基が知られてい
た。すなわち、フェニル基に代えて側鎖の一部にメチル
基等の直鎖状アルキル基を導入した場合、側鎖のアルキ
ル基の含有量が増えるにつれて、硬化後の薄膜はより柔
軟となりクラックの発生率が大幅に低減する。すなわ
ち、側鎖にメチル基等の直鎖状アルキル基を導入するこ
とは、ポリシルセスキオキサン系の架橋型高分子光学材
料に、前記の屈折率制御性を与えると同時に、耐クラッ
ク性を与えるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の直鎖
状アルキル基側鎖を含む架橋型高分子光学材料において
は、光通信に用いられる波長帯のうち、1.3μm波長
帯に関しては導波損失が低いものの、1.55μm波長
帯に関しては導波損失が大きいという問題があった。こ
れは直鎖状アルキル基に含まれるC−H結合の伸縮振動
の2倍音と変角振動との結合音が、1.55μm波長帯
に現われるためである。C−H結合の伸縮振動又は変角
振動の現われる波長は、分子構造によって異なる。幸運
なことに、1.3μm波長帯に関しては、ほとんどすべ
ての有機高分子材料において、C−H結合の伸縮又は変
角振動の倍音又は結合音に起因する光吸収が現われるこ
とはない。しかし、1.55μm波長帯に関しては、C
−H結合の伸縮又は変角振動の倍音又は結合音に起因す
る光吸収が現われる場合があり、導波損失に大きな影響
を及ぼす。例えば、メチル基の場合は、C−H結合の伸
縮振動の2倍音と横揺れ変角振動との結合音が波長1.
52μmに現われ、1.55μm波長帯の導波損失に大
きな影響を及ぼす。実際、重水素化フェニルシルセスキ
オキサンとメチルシルセスキオキサンとの共重合体(モ
ル比1:1)は、波長1.3μmにおいては導波損失が
0.2dB/cm程度に低いものの、波長1.55μm
においては導波損失が0.6dB/cm程度に大きい。
メチル基の代りにエチル基を用いた場合でも、C−H結
合の伸縮振動の2倍音と横揺れ変角振動との結合音が波
長1.57μmに現われてしまい、1.55μm波長帯
での導波損失はメチル基の場合と同程度である。また、
メチル基の水素を重水素に置換した場合でも、1.55
μm波長帯にはやはりC−D結合の伸縮振動の3倍音が
現われてしまい、1.55μm波長帯で導波損失が大き
いという欠点は解決できなかった。更に、アルキル基の
水素の一部をフッ素化する方法もあるが、側鎖のフッ素
化によって表面エネルギーが低下するために、コア/ク
ラッド間の密着性が低下するといった問題が生じる。な
お、アルキル基の水素をすべてフッ素に置換すること
は、フッ素原子の電気陰性度が高いために分子の熱安定
性の低下を招くので、骨格のケイ素に隣接する少なくと
も2つのメチレン基の水素はフッ素化することが困難で
ある。本発明はこのような現状にかんがみてなされたも
のであり、その目的は、1.3μm波長帯のみならず、
1.55μm波長帯においても低損失であり、かつ耐熱
性、耐湿性、耐溶剤性及び耐クラック性に優れた高分子
光学材料、及びそれを用いた光導波路を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は高分子光学材料に関する発明であっ
て、式(I)、式(II)の各単位を構成分とする下記一
般式(化1):
【0005】
【化1】
【0006】(式中、R1 はシクロヘキシル基又はシク
ロペンチル基である)で表される繰り返し単位、及び式
(III)、式(IV) の各単位を構成分とする下記一般式
(化2):
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R2 はC6 5 (Yは水素又は重
水素を表す)で表されるフェニル基又は重水素化フェニ
ル基である〕で表される繰り返し単位からなる共重合体
であることを特徴とする。本発明の第2の発明は、他の
高分子光学材料に関する発明であって、上記第1の発明
の共重合体と、ポリイソシアネートとを含む混合物であ
ることを特徴とする。本発明の第3の発明は、高分子光
導波路に関する発明であって、上記第1又は第2の発明
の高分子光学材料をコア又はクラッドとして用いること
を特徴とする。
【0009】本発明者らは、前記の屈折率の制御及びク
ラック発生の抑制のために導入する側鎖を、従来のよう
な直鎖状のアルキル基ではなく、後述するように環状の
シクロヘキシル基又はシクロペンチル基に改良すること
により、1.55μm波長帯での透明性を損なわずに、
屈折率の制御性を与え、かつ耐クラック性を向上させる
ことができることを見出し、更に、当該材料を用いて作
製した光導波路は1.3μm波長帯のみならず1.55
μm波長帯においても低導波損失であり、かつ高い耐熱
性と耐湿性を有していることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、従来の架橋型ポリシ
ルセスキオキサン系の高分子光学材料が、屈折率の制御
及びクラック発生の抑制を、1.55μm波長帯での透
明性を損なう原因となる直鎖状のアルキル基を側鎖に導
入することにより行うのに対して、1.55μm波長帯
での透明性を損なうことのない環状のシクロヘキシル基
又はシクロペンチル基を側鎖に導入することによって、
屈折率の制御性を与え、かつ耐クラック性を向上させる
ものである。ここで、環状のシクロヘキシル基又はシク
ロペンチル基が1.55μm波長帯での透明性を損なう
ことがないのは、以下のような理由による。シクロヘキ
シル基又はシクロペンチル基は、直鎖状のアルキル基に
含まれるメチレン基とは異なる空間対称性を有する。そ
のため、メチレン基に含まれるC−H結合の横揺れ変角
振動が、波数600cm-1〜800cm-1の領域に現わ
れるのに対して、シクロヘキシル基又はシクロペンチル
基に含まれるC−H結合の横揺れ変角振動は850cm
-1より高波数側に現われる。したがって、その横揺れ変
角振動とC−H結合の伸縮振動の2倍音との結合音は、
1.55μm波長帯より短波長側に現われることにな
る。このため、環状のシクロヘキシル基又はシクロペン
チル基が1.55μm波長帯での透明性を損なうことが
ない。また、近赤外域での透明性を向上させるために、
直鎖状アルキル基の水素を重水素あるいはハロゲンに置
換するという方法もあるが、それに対してシクロヘキシ
ル基又はシクロペンチル基を用いる本発明の方法は、置
換反応が不要で材料が容易に得られるため、光学材料を
安価で供給することを可能とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を具体的に説
明する。本発明の第1の発明における光学材料を用いる
際には、一般式(化1)及び(化2)で表される共重合
体以外の成分として、溶媒又は触媒を含有することがで
きる。溶媒を含有することにより、該光学材料は薄膜の
形成工程に対応した適当な粘性を有する流動体となる。
この際に用いられる溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、メシチレン、クロロベンゼン等の芳香族類、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミ
ルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸
エチル等のエステル類、2−エトキシエタノール、2−
ブトキシエタノール等のセロソルブ類、酢酸2−エトキ
シエチル、酢酸2−ブトキシエチル等のセロソルブアセ
テート類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル等のエーテル類、テトラヒド
ロフラン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン
等の複素環類等が挙げられる。該光学材料は、溶媒の種
類の選択と溶液濃度の調整により、薄膜の形成工程に対
応した適当な粘性を得ることができる。更に、均質で平
坦性の高い薄膜を作製するためには、一般式(化1)及
び(化2)で表される共重合体との相溶性が良く、高沸
点の溶媒を用いることが望ましい。
【0011】該光学材料の硬化は、一般式(化1)中の
式(II)及び(化2)中の式(IV)で表される成分中に
含まれる水酸基末端の縮合反応によって三次元架橋構造
を形成することで行われる。硬化温度と硬化時間は、側
鎖又は末端の種類に依存するが、一般的には、150℃
〜300℃の温度で1時間から数時間程度、電気炉中で
加熱して行う。なお、該光学材料が溶媒を含む場合に
は、硬化反応の前に硬化温度より低温度、例えば、60
℃〜100℃の温度で予め溶媒を除去することが望まし
い。更に、該光学材料を用いる際には、硬化反応を促進
するための触媒を添加することができる。例えば、水酸
化テトラメチルアンモニウム等の添加により、硬化温度
を低下又は硬化時間を短縮することができる。このよう
にして得られた光学材料は、直鎖状アルキル基側鎖を含
まずシクロヘキシル基又はシクロペンチル基側鎖を含ん
でいるために1.3μm波長帯のみならず1.55μm
波長帯においても低導波損失であり、かつ耐熱性、耐湿
性、耐溶剤性、耐クラック性に優れている。
【0012】本発明の第2の発明における光学材料を構
成する混合物は、前記以外の成分として、溶媒又は触媒
を含有することができる。この場合の溶媒としては、第
1の発明の説明において述べたような溶媒を用いること
ができる。ただし、均質で平坦性の高い薄膜を作製する
ためには、一般式(化1)及び(化2)で表される共重
合体及びポリイソシアネートとの相溶性が良く、高沸点
の溶媒を用いることが望ましい。該光学材料の硬化は、
一般式(化1)中の式(II) 及び(化2)中の式(IV)
で表される成分中に含まれる水酸基とポリイソシアネー
トのイソシアネート基との付加反応によって、ウレタン
結合を介して三次元架橋構造を形成することで行われ
る。ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシア
ネート又は脂肪族ポリイソシアネートを用いることがで
きる。しかし、芳香族ポリイソシアネートは比較的黄変
しやすいため、脂肪族ポリイソシアネートを用いる方が
より望ましい。また、芳香族ポリイソシアネートに比べ
て、脂肪族ポリイソシアネートは分子鎖が柔軟であるた
めに、ポリシルセスキオキサンの架橋剤として用いた場
合にクラックの発生を抑制するという効果がある。更
に、脂肪族ポリイソシアネートの中でも、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートのようなアルキル基を多数含むポリ
イソシアネートよりは、イソホロンジイソシアネート、
1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、
ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート
のようなシクロヘキシル基を含むポリイソシアネートを
用いる方がより好ましい。これは、前述したように、ア
ルキル基に含まれるC−H結合が、1.55μm波長帯
の透明性に影響を及ぼすためである。該光学材料の硬化
温度と硬化時間は、ポリイソシアネートの種類にも依存
するが、一般的には、100℃〜200℃の温度で1時
間から数時間程度、電気炉中で加熱して行う。該光学材
料が溶媒を含む場合には、硬化反応の前に硬化温度より
低温度、例えば、60℃〜100℃の温度で予め溶媒を
除去することが望ましい。また、常温下で数日間放置し
て硬化させることも可能であるが、溶媒や未反応成分を
完全に除去するためには更に加熱乾燥することが望まし
い。更に、該光学材料は、硬化反応を促進するための触
媒を含むことができる。例えば、ジブチルスズジラウレ
ート等の添加により、硬化温度を低下又は硬化時間を短
縮することができる。このようにして得られた光学材料
は、直鎖状のアルキル基の含有量が従来の材料に比べて
少ないために1.3μm波長帯のみならず1.55μm
波長帯においても低導波損失であり、かつ耐熱性、耐湿
性、耐溶剤性、耐クラック性に優れている。
【0013】本発明の第3の発明に従って、前記した第
1又は第2の発明にかかる高分子光学材料を用いて光導
波路を作製する場合、その工程は以下のように行うこと
ができる。まず、光導波路に要求される導波モード条件
に応じて、材料の屈折率調整を行い、コア/クラッド材
料として精密に制御された屈折率差を有する少なくとも
2種の材料を準備する。屈折率差の大きさは導波すべき
光のモードとコアの寸法に応じて決定されるが、一般的
には0.1%〜5%の範囲である。例えば、シングルモ
ード光ファイバと導波光のモード径を合せる場合、コア
部の形状は8μm角の正方形、屈折率差は0.3%であ
ることが望ましい。該光学材料においては、一般式(化
1)で表される成分が、一般式(化2)で表される成分
に比べて低い屈折率を有するために、共重合の比率を変
えることによって屈折率の調整が可能である。次に、屈
折率調整をしたクラッド材料を基板の上に下部クラッド
としてスピンコート法等により塗布し、これを上記の方
法により硬化する。次いで、この上に屈折率調整をした
コア材料をスピンコート法等により塗布し、これを上記
の方法により硬化する。ここで、下部クラッド層は硬化
されているために、コア材料を塗布する際にインターミ
キシングが発生することはない。続いて、コア層の上に
エッチングマスクとなる層を形成し、フォトリソグラフ
ィー等により導波路パタンに加工する。エッチングマス
クの材料としては、有機フォトレジスト又は金属等が用
いられる。更に、コア層を反応性イオンエッチングによ
り所望の導波路パタンに加工し、最後に上部クラッド層
を塗布し、硬化する。ここで、下部クラッド層及びコア
層は硬化されているために、上部クラッド材料を塗布す
る際にインターミキシングが発生することはない。こう
して作製された光導波路は、用いた材料がアルキル基の
代りにシクロヘキシル基又はシクロペンチル基を含んで
いるために、1.3μm波長帯のみならず1.55μm
波長帯においても低導波損失であり、かつ耐熱性、耐湿
性に優れている。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0015】実施例1 フェニルトリクロロシラン(236.9g)とシクロヘ
キシルトリクロロシラン(191.4g)を脱水処理し
たテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここに3当
量の水(108g)を液温が上昇しないようにゆっくり
と滴下した。続いて、反応液をかくはんしながら、ここ
に3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を加えた。
炭酸ガスの発生が終了後、更に1時間かくはんを続け
た。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポレータ
でろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、無色透
明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾燥する
ことによりポリマーAを得た。本材料の分子量をGPC
で測定したところ、Mw=3300、Mn=1500で
あった。上記ポリマーA50g及び溶媒メチルイソブチ
ルケトン(MIBK)50gからなる組成物Bを調製し
た。本組成物は200℃で1時間加熱処理することによ
り硬化し、溶媒に対して不溶となった。硬化した組成物
の屈折率は波長1.3μmにおいて1.5100であっ
た。また、フェニルトリクロロシラン(211.5g)
とシクロヘキシルトリクロロシラン(217.5g)を
脱水処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、
ここに3当量の水(108g)を液温が上昇しないよう
にゆっくりと滴下した。続いて、反応液をかくはんしな
がら、ここに3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)
を加えた。二酸化炭素の発生が終了後、更に1時間かく
はんを続けた。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエ
バポレータでろ液のテトラヒドロフランを留去したとこ
ろ、無色透明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真
空乾燥することによりポリマーCを得た。本材料の分子
量をGPCで測定したところ、Mw=3300、Mn=
1500であった。上記ポリマーC50g及び溶媒MI
BK50gからなる組成物Dを調製した。本組成物は2
00℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に
対して不溶となった。硬化した組成物の屈折率は波長
1.3μmにおいて1.5055であった。
【0016】上記ポリマーAをコア、ポリマーCをクラ
ッドとして用いる光導波路は、以下のようにして作製し
た。まず、シリコン基板上に組成物Dをスピンコート法
により塗布して成膜した。この際、膜厚が15μmとな
るようにスピンコータの回転数を調整した。形成した薄
膜は、60℃で2時間加熱して溶媒を除去した後、20
0℃で1時間加熱することにより硬化し、下部クラッド
層とした。次いで、この上に組成物Bを用いて、コア層
をスピンコート法により形成した。スピンコータの回転
数は、コア層の膜厚が8μmとなるように調整した。こ
の際、下部クラッド層とコア層との間でインターミキシ
ングは全く見られなかった。形成したコア層は、60℃
で2時間加熱して溶媒を除去した後、200℃で1時間
加熱することにより硬化した。続いて、この上にフォト
レジストを塗布し、フォトリソグラフィーにより直線状
の導波路マスクパタンを形成した。更に、反応性イオン
エッチングにより、マスクパタン以外の部分のコア層を
除去し、幅8μm、高さ8μmの矩形のコアリッジを形
成した。この上に組成物Dを塗布し、下部クラッドを形
成した場合と同様に硬化して、コア/クラッド構造から
なる埋め込み型チャネル光導波路を作製した。上部クラ
ッドの厚さはコアの上面から8μmとなるようにした。
以上の光導波路作製工程において、クラックの発生は見
られなかった。この光導波路をダイシングソーによって
5cmの長さに切り出し、導波損失を測定したところ、
波長1.3μmのみならず波長1.55μmでも0.3
dB/cm以下であった。また、この光導波路の損失は
75℃/90%RHの条件下においても1箇月以上変動
しなかった。
【0017】実施例2 重水素化フェニルトリクロロシラン(346.4g)と
シクロヘキシルトリクロロシラン(87.0g)を脱水
処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここ
に3当量の水(108g)を液温が上昇しないようにゆ
っくりと滴下した。続いて、反応液をかくはんしなが
ら、ここに3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を
加えた。炭酸ガスの発生が終了後、更に1時間かくはん
を続けた。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポ
レータでろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、
無色透明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾
燥することによりポリマーEを得た。本材料の分子量を
GPCで測定したところ、Mw=2400、Mn=12
00であった。上記ポリマーE50g及び溶媒MIBK
50gからなる組成物Fを調製した。本組成物は200
℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対し
て不溶となった。硬化した組成物の屈折率は波長1.3
μmにおいて1.5282であった。また、重水素化フ
ェニルトリクロロシラン(320.4g)とシクロヘキ
シルトリクロロシラン(113.1g)を脱水処理した
テトラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここに3当量
の水(108g)を液温が上昇しないようにゆっくりと
滴下した。続いて、反応液をかくはんしながら、ここに
3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を加えた。二
酸化炭素の発生が終了後、更に1時間かくはんを続け
た。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポレータ
でろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、無色透
明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾燥する
ことによりポリマーGを得た。本材料の分子量をGPC
で測定したところ、Mw=2400、Mn=1200で
あった。上記ポリマーG50g及び溶媒MIBK50g
からなる組成物Hを調製した。本組成物は200℃で1
時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対して不溶
となった。硬化した組成物の屈折率は波長1.3μmに
おいて1.5236であった。上記ポリマーEをコア、
ポリマーGをクラッドとして用いる光導波路は、実施例
1に準じて作製した。この光導波路をダイシングソーに
よって5cmの長さに切り出し、導波損失を測定したと
ころ、波長1.3μmのみならず波長1.55μmでも
0.2dB/cm以下であった。また、この光導波路の
損失は120℃の条件下においても1箇月以上変動がみ
られなかった。
【0018】実施例3 重水素化フェニルトリクロロシラン(277.1g)と
シクロヘキシルトリクロロシラン(156.6g)を脱
水処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、こ
こに3当量の水(108g)を液温が上昇しないように
ゆっくりと滴下した。続いて、反応液をかくはんしなが
ら、ここに3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を
加えた。炭酸ガスの発生が終了後、更に1時間かくはん
を続けた。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポ
レータでろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、
無色透明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾
燥することによりポリマーIを得た。本材料の分子量を
GPCで測定したところ、Mw=2400、Mn=12
00であった。上記ポリマーIの35g、1,3−ビス
(イソシアナトメチル)シクロヘキサン15g、及び溶
媒MIBK50gからなる組成物Jを調製した。本組成
物は150℃で1時間加熱処理することにより硬化し、
溶媒に対して不溶となった。硬化した組成物の屈折率は
波長1.3μmにおいて1.5240であった。実施例
2に記載のポリマーEをコア、組成物Jをクラッドとし
て用いる光導波路は、実施例1に準じて作製した。光導
波路の作製工程において、クラックの発生は見られなか
った。作製した光導波路をダイシングソーによって5c
mの長さに切り出し、導波損失を測定したところ、波長
1.3μmのみならず波長1.55μmでも0.2dB
/cm以下であった。また、この光導波路の損失は75
℃/90%RHの条件下においても1箇月以上変動しな
かった。
【0019】実施例4 実施例3に記載のポリマーIの35g、イソホロンジイ
ソシアネート15g、及び溶媒MIBK50gからなる
組成物Kを調製した。本組成物は150℃で1時間加熱
処理することにより硬化し、溶媒に対して不溶となっ
た。硬化した組成物の屈折率は波長1.3μmにおいて
1.5225であった。実施例2に記載のポリマーEを
コア、組成物Kをクラッドとして用いる光導波路は、実
施例1に準じて作製した。光導波路の作製工程におい
て、クラックの発生は見られなかった。作製した光導波
路をダイシングソーによって5cmの長さに切り出し、
導波損失を測定したところ、波長1.3μmのみならず
波長1.55μmでも0.2dB/cm以下であった。
また、この光導波路の損失は120℃の条件下において
も1箇月以上変動しなかった。
【0020】実施例5 実施例3に記載のポリマーIの35g、ジシクロヘキシ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート15g、及び溶
媒MIBK50gからなる組成物Lを調製した。本組成
物は150℃で1時間加熱処理することにより硬化し、
溶媒に対して不溶となった。硬化した組成物の屈折率は
波長1.3μmにおいて1.5226であった。実施例
2に記載のポリマーEをコア、組成物Lをクラッドとし
て用いる光導波路は、実施例1に準じて作製した。光導
波路の作製工程において、クラックの発生は見られなか
った。作製した光導波路をダイシングソーによって5c
mの長さに切り出し、導波損失を測定したところ、波長
1.3μmのみならず波長1.55μmでも0.2dB
/cm以下であった。また、この光導波路は200℃で
30分の熱処理後においても損失の変動が見られなかっ
た。
【0021】実施例6 フェニルトリクロロシラン(236.9g)とシクロヘ
キシルトリクロロシラン(179.2g)を脱水処理し
たテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここに3当
量の水(108g)を液温が上昇しないようにゆっくり
と滴下した。続いて、反応液をかくはんしながら、ここ
に3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を加えた。
炭酸ガスの発生が終了後、更に1時間かくはんを続け
た。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポレータ
でろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、無色透
明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾燥する
ことによりポリマーMを得た。本材料の分子量をGPC
で測定したところ、Mw=3000、Mn=1400で
あった。上記ポリマーM50g及び溶媒MIBK50g
からなる組成物Nを調製した。本組成物は200℃で1
時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対して不溶
となった。硬化した組成物の屈折率は波長1.3μmに
おいて1.5070であった。また、フェニルトリクロ
ロシラン(211.5g)とシクロペンチルトリクロロ
シラン(203.6g)を脱水処理したテトラヒドロフ
ラン1リットルに溶解し、ここに3当量の水(108
g)を液温が上昇しないようにゆっくりと滴下した。続
いて、反応液をかくはんしながら、ここに3当量の炭酸
水素ナトリウム(504g)を加えた。二酸化炭素の発
生が終了後、更に1時間かくはんを続けた。次いで、反
応液をろ過し、ロータリーエバポレータでろ液のテトラ
ヒドロフランを留去したところ、無色透明で粘稠な液体
を得た。更に、この液体を真空乾燥することによりポリ
マーOを得た。本材料の分子量をGPCで測定したとこ
ろ、Mw=3000、Mn=1400であった。上記ポ
リマーOの50g及び溶媒MIBK50gからなる組成
物Pを調製した。本組成物は200℃で1時間加熱処理
することにより硬化し、溶媒に対して不溶となった。硬
化した組成物の屈折率は波長1.3μmにおいて1.5
021であった。上記ポリマーMをコア、ポリマーOを
クラッドとして用いる光導波路は、実施例1に準じて作
製した。この光導波路をダイシングソーによって5cm
の長さに切り出し、導波損失を測定したところ、波長
1.3μmのみならず波長1.55μmでも0.3dB
/cm以下であった。また、この光導波路の損失は12
0℃の条件下においても1箇月以上変動がみられなかっ
た。
【0022】実施例7 重水素化フェニルトリクロロシラン(259.8g)と
シクロペンチルトリクロロシラン(162.9g)を脱
水処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、こ
こに3当量の水(108g)を液温が上昇しないように
ゆっくりと滴下した。続いて、反応液をかくはんしなが
ら、ここに3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を
加えた。炭酸ガスの発生が終了後、更に1時間かくはん
を続けた。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポ
レータでろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、
無色透明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾
燥することによりポリマーQを得た。本材料の分子量を
GPCで測定したところ、Mw=2500、Mn=12
00であった。上記ポリマーQ50g及び溶媒MIBK
50gからなる組成物Rを調製した。本組成物は200
℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対し
て不溶となった。硬化した組成物の屈折率は波長1.3
μmにおいて1.5103であった。また、重水素化フ
ェニルトリクロロシラン(233.8g)とシクロペン
チルトリクロロシラン(187.3g)を脱水処理した
テトラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここに3当量
の水(108g)を液温が上昇しないようにゆっくりと
滴下した。続いて、反応液をかくはんしながら、ここに
3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を加えた。二
酸化炭素の発生が終了後、更に1時間かくはんを続け
た。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバポレータ
でろ液のテトラヒドロフランを留去したところ、無色透
明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真空乾燥する
ことによりポリマーSを得た。本材料の分子量をGPC
で測定したところ、Mw=2500、Mn=1200で
あった。上記ポリマーS50g及び溶媒MIBK50g
からなる組成物Tを調製した。本組成物は200℃で1
時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対して不溶
となった。硬化した組成物の屈折率は波長1.3μmに
おいて1.5054であった。上記ポリマーQをコア、
ポリマーSをクラッドとして用いる光導波路は、実施例
1に準じて作製した。この光導波路をダイシングソーに
よって5cmの長さに切り出し、導波損失を測定したと
ころ、波長1.3μmのみならず波長1.55μmでも
0.2dB/cm以下であった。また、この光導波路の
損失は75℃/90%RHの条件下においても1箇月以
上変動しなかった。
【0023】実施例8 重水素化フェニルトリクロロシラン(190.5g)と
シクロペンチルトリクロロシラン(228.0g)を脱
水処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、こ
こに3当量の水(108g)を液温が上昇しないように
ゆっくりと滴下した。続いて、反応液をかくはんしなが
ら、ここに3当量の炭酸水素ナトリウム(504g)を
加えた。二酸化炭素の発生が終了後、更に1時間かくは
んを続けた。次いで、反応液をろ過し、ロータリーエバ
ポレータでろ液のテトラヒドロフランを留去したとこ
ろ、無色透明で粘稠な液体を得た。更に、この液体を真
空乾燥することによりポリマーUを得た。本材料の分子
量をGPCで測定したところ、Mw=2500、Mn=
1200であった。上記ポリマーU35g、1,3−ビ
ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン15g、及び
溶媒MIBK50gからなる組成物Vを調製した。本組
成物は150℃で1時間加熱処理することにより硬化
し、溶媒に対して不溶となった。硬化した組成物の屈折
率は波長1.3μmにおいて1.5050であった。実
施例7に記載のポリマーQをコア、組成物Vをクラッド
として用いる光導波路は、実施例1に準じて作製した。
光導波路の作製工程において、クラックの発生は見られ
なかった。作製した光導波路をダイシングソーによって
5cmの長さに切り出し、導波損失を測定したところ、
波長1.3μmのみならず波長1.55μmでも0.2
dB/cm以下であった。また、この光導波路の損失は
200℃で30分の熱処理後においても損失の変動がみ
られなかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光学
材料を用いることにより、1.3μm波長帯のみならず
1.55μm波長帯においても低損失で、耐熱性、耐湿
性が高く、かつ耐クラック性に優れたポリシルセスキオ
キサンが実現できる。また、本発明にかかる光学材料を
用いた光部品は、耐熱性、耐湿性が高く、また1.3μ
m波長帯のみならず1.55μm波長帯においても低損
失であるので、特に、光導波路型部品への適用が有利で
ある。したがって、本発明は、一般光学、微小光学、光
通信、光情報処理等の分野に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/12 G02B 6/12 N (72)発明者 今村 三郎 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)、式(II)の各単位を構成分と
    する下記一般式(化1): 【化1】 (式中、R1 はシクロヘキシル基又はシクロペンチル基
    である)で表される繰り返し単位、及び式(III)、式
    (IV) の各単位を構成分とする下記一般式(化2): 【化2】 〔式中、R2 はC6 5 (Yは水素又は重水素を表す)
    で表されるフェニル基又は重水素化フェニル基である〕
    で表される繰り返し単位からなる共重合体であることを
    特徴とする高分子光学材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の共重合体と、ポリイソ
    シアネートとを含む混合物であることを特徴とする高分
    子光学材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高分子光学材料
    をコア又はクラッドとして用いることを特徴とする高分
    子光導波路。
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US7863391B2 (en) 2004-10-04 2011-01-04 Dow Corning Toray Company, Ltd. Organopolysiloxane and curable silicone composition that contains aforementioned organopolysiloxane
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