JPH1036494A - 熱可塑性ポリエステル系フィルム - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系フィルム

Info

Publication number
JPH1036494A
JPH1036494A JP21500996A JP21500996A JPH1036494A JP H1036494 A JPH1036494 A JP H1036494A JP 21500996 A JP21500996 A JP 21500996A JP 21500996 A JP21500996 A JP 21500996A JP H1036494 A JPH1036494 A JP H1036494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
ppm
mol
film
naphthalate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21500996A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Yamada
浩二 山田
Tadashi Tahoda
多保田  規
Juji Konagaya
重次 小長谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP21500996A priority Critical patent/JPH1036494A/ja
Publication of JPH1036494A publication Critical patent/JPH1036494A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、強度、耐熱性に優れた熱可塑性ポリ
エステル系フィルムを提供すること。 【解決手段】 主としてエチレンナフタレート単位及び
エチレンテレフタレート単位を繰り返し単位とし、下記
(1)〜(3)式を同時に満足する量のマグネシウム化
合物、コバルト化合物、リン化合物を含有するポリエス
テルからなり、少なくとも1軸延伸され、かつ、光線透
過率が80%以上であることを特徴とする熱可塑性ポリ
エステル系フイルム。 (1) 80.0≦Mg≦300.0 (2) 2.0≦Co≦40.0 (3) 2.0≦(Mg+Co)/P≦5.0 {式中Mg、Co、Pはマグネシウム化合物、コバルト
化合物、リン化合物のポリエステルに対するマグネシウ
ム原子、コバルト原子、リン原子としての量(ppm)
を示す。}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、強度、耐
熱性に優れた熱可塑性ポリエステル系フイルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレート(以
下PETと略す)で代表される熱可塑性ポリエステルか
らなるフイルムは、優れた力学特性、耐熱性、耐候性、
電気絶縁性を有するため包装用途、写真用途、電気用
途、磁気テープ等の広い分野において多く使用されてい
る。
【0003】通常、熱可塑性ポリエステルフイルムは、
PETを溶融押し出しした後少なくとも一方向に延伸し
て得られる。しかし、近年、PETフイルムの耐熱性で
は満足できない用途が多く見られ、ポリエチレンナフタ
レート(以下PENと略す)フイルム等PETフイルム
に比べ耐熱性の優れた素材へ関心が向けられる傾向にあ
る。
【0004】PENはPETに比べTg(ガラス転移
点)が高く耐熱性が良いことが知られている。しかしな
がら、PENはPETと比べTm(融点)が高く、その
ために加熱成形性が悪く、かつ、分子鎖にナフタレン環
を有し剛直な構造であるため、安定した製膜性が得難い
という問題がある。またPENはPETと比べ高価であ
るため単にPETの代替として使用するのは困難であ
る。
【0005】そこで、PETフイルムの耐熱性を上げる
手段としてPETにPENをブレンドし、それを溶融押
し出ししてフイルムを得ることが考えられるが、PET
とPENとは相溶性が悪く、単に溶融ブレンドしただけ
では白化したブレンド物となりフイルム用途としては使
用できない。また、高温で長時間溶融ブレンドすること
により透明になることは確認されているが、実用的にフ
イルム製膜時長時間溶融ブレンドするのは難しく、また
熱劣化等により他の物性が低下することも懸念される。
このようなブレンドに関する技術は特公昭49ー229
57号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、PENとPE
Tとの優れた物性をあわせ有するフィルムを得るために
は、如何にこれらの樹脂の相容性を改善し、熱分解生成
物が少なく、かつ均一なポリエステルからフィルムを提
供することができるかにかかっている。
【0007】本発明は、PEN成分とPET成分とを有
するフィルムに存する問題点(特に相容性、白化)を解
決し、相溶性、透明性、強度、耐熱性、製膜安定性に優
れた熱可塑性ポリエステル系フィルムを得ることを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の熱可塑性ポリエステル系フィルムは、主と
してエチレンナフタレート単位及びエチレンテレフタレ
ート単位を繰り返し単位とし、下記(1)〜(3)式を
同時に満足する量のマグネシウム化合物、コバルト化合
物、リン化合物を含有するポリエステルからなり、少な
くとも1軸延伸され、かつ、光線透過率が80%以上で
あることを特徴とする。
【0009】(1) 80.0≦Mg≦300.0 (2) 2.0≦Co≦40.0 (3) 2.0≦(Mg+Co)/P≦5.0 {式中Mg、Co、Pはマグネシウム化合物、コバルト
化合物、リン化合物のポリエステルに対するマグネシウ
ム原子、コバルト原子、リン原子としての量(ppm)
を示す}
【0010】ここで、エチレンナフタレート単位とは、
【化1】 をいう。
【0011】また、エチレンテレフタレート単位とは、
【化2】 をいう。
【0012】そして、「主としてエチレンナフタレート
単位及びエチレンテレフタレート単位を繰り返し単位と
する」とは、「エチレンナフタレート単位が98〜2モ
ル%、エチレンテレフタレート単位が2〜98モル%の
割合で繰り返し単位とする」ことをいう。
【0013】上記の構成からなる熱可塑性ポリエステル
系フィルムは、十分な強度を持ち、優れた透明性、耐熱
性を有する。
【0014】この場合において、ポリエステルが、エチ
レンナフタレート単位が98〜80モル%であるナフタ
レート系ポリエステル(A)99〜1重量%及びエチレ
ンテレフタレート単位が98〜80モル%であるテレフ
タレート系ポリエステル(B)1〜99重量%を溶融混
合して得られた樹脂であることができる。
【0015】上記の構成からなる熱可塑性ポリエステル
系フィルムは、特に優れた相溶性、製膜安定性を有す
る。
【0016】この場合において、ナフタレート系ポリエ
ステル(A)に含まれるマグネシウム原子が180pp
m〜400ppm、コバルト原子が10〜40ppm及
びリン原子が40〜90ppmであることができる。
【0017】上記の構成からなる熱可塑性ポリエステル
系フィルムは、特に熱劣化によるフィルムの着色や機械
的性質の低下がない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱可塑性ポリエス
テル系フィルムの実施の形態を詳細に説明する。
【0019】本発明において、「主としてエチレンナフ
タレート単位及びエチレンテレフタレート単位を繰り返
し単位とするポリエステル」とは、「エチレンナフタレ
ート単位が98〜2モル%、エチレンテレフタレート単
位が2〜98モル%の割合で繰り返し単位を構成してい
るポリエステル」のことをいい、特にその製造方法を特
定するものではなく、エチレンナフタレート単位とエチ
レンテレフタレート単位を有する共重合体であっても、
これら構成単位のモル比が異なる2種又はそれ以上の種
類の共重合体の溶融ブレンド物であってもよい。典型的
には、エチレンナフタレート単位が98〜80モル%で
あるナフタレート系ポリエステル(A)(ナフタレート
系ポリエステル(A)と略称する)と、エチレンテレフ
タレート単位が98〜80モル%であるテレフタレート
系ポリエステル(B)(テレフタレート系ポリエステル
(B)と略称する)とを溶融ブレンドして得られた樹脂
であり、得られるフィルムの結晶性を維持するためには
エチレンナフタレート単位が98〜90モル%であるナ
フタレート系ポリエステルと、エチレンテレフタレート
単位が98〜90モル%であるテレフタレート系ポリエ
ステルとを用いるのが好ましい。
【0020】エチレンナフタレート単位が98モル%を
超える共重合ポリエステル、またはエチレンテレフタレ
ート単位が98モル%を超える共重合ポリエステルを用
いた場合には、単純に溶融混合するだけでは白化し、透
明、均一な混合体とするのに長時間を要し、樹脂の劣
化、ひいては成形体の物性を低下させ、オリゴマー量も
増加することになる。このような場合、光線透過率が到
底本発明で規定する範囲に収まらない。
【0021】また、エチレンナフタレート単位が80モ
ル%未満、エチレンテレフタレート単位が20モル%を
超える共重合ポリエステルまたはエチレンテレフタレー
ト単位が80モル%未満、エチレンナフタレート単位が
20モル%を超える共重合ポリエステルを主成分として
用いた場合には、溶融ブレンドすると短時間で、透明・
均一な混合体とすることができるが、溶融ブレンドする
のに先立つ乾燥あるいは固相重合時に融着あるいはブロ
ッキングを引き起こすうえに光線透過率が本発明で規定
する範囲を外れることがある。
【0022】なお、ナフタレート系ポリエステル(A)
とテレフタレート系ポリエステル(B)中のエチレンナ
フタレート単位あるいはエチレンテレフタレート単位以
外の単位を形成する共重合成分としては、酸成分として
はテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸、コハク酸、P−オキシ安息香酸、4,
4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボ
キシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)
エタン、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸またはこれらのエステル形
成性誘導体等が例示でき、好ましいジカルボン酸として
は、耐熱性を低下させないように、即ちTgをPETよ
り下げないようにするためイソフタル酸、4,4’−ジ
カルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシルベ
ンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタ
ン、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸等を用いることが勧められる。
【0023】また、上記ナフタレート系ポリエステル
(A)とテレフタレート系ポリエステル(B)中の共重
合成分としてのグリコール成分としてはエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付
加物等が例示でき、好ましいグリコールとしては、耐熱
性を低下させないこと、即ちTgをPETより下げない
ようにするためプロピレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノー
ルSのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができ
る。
【0024】ナフタレート系ポリエステル(A)とテレ
フタレート系ポリエステル(B)の固有粘度はそれぞ
れ、通常IV=0.4〜1.5、好ましくは0.4〜
1.2程度である。
【0025】そして、ナフタレート系ポリエステル
(A)とテレフタレート系ポリエステル(B)を混合し
て主としてエチレンナフタレート単位及びエチレンテレ
フタレート単位を繰り返し単位とするポリエステルとす
る場合は、その混合割合(重量比)は、99:1〜1:
99の範囲で設定することができる。
【0026】本発明において用いる、主としてエチレン
ナフタレート単位及びエチレンテレフタレート単位を繰
り返し単位とするポリエステル、特にナフタレート系ポ
リエステル(A)とテレフタレート系ポリエステル
(B)をそれぞれジカルボン酸とグリコールから重縮合
して得る際には、得られた重合体中のマグネシウム、コ
バルト、リンの量が、重合触媒をコントロールして、前
記式(1)〜(3)の範囲となるようにすることが望ま
しい。
【0027】リン化合物は、上記範囲で触媒によるエス
テル交換反応速度を大きくし、相容化(透明化)に要す
る溶融混合時間の短縮を意図するものである。従って、
リン化合物による触媒の安定化は触媒活性の消失を意味
する。
【0028】本発明で用いる、主としてエチレンナフタ
レート単位及びエチレンテレフタレート単位を繰り返し
単位とするポリエステル、特にナフタレート系ポリエス
テル(A)とテレフタレート系ポリエステル(B)を得
るために用いるリン化合物としては、リン酸系化合物と
してトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート等、亜リン酸系化合物と
してトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイ
ト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト等、次亜リン酸系化合物
としてジメチル亜リン酸、ジエチル亜リン酸、ジプロピ
ル亜リン酸、ジブチル亜リン酸、ジフェニル亜リン酸等
を示すことができる。
【0029】つぎに、本発明で用いる主としてエチレン
ナフタレート単位及びエチレンテレフタレート単位を繰
り返し単位とするポリエステル、特にナフタレート系ポ
リエステル(A)とテレフタレート系ポリエステル
(B)の重合方法を示す。
【0030】重合方法は、基本的には公知のポリエチレ
ンテレフタレートの重合方法に準ずる。そして、現在、
2,6−ナフタレンジカルボン酸は、そのエステル形成
性誘導体として、ジメチルエステルの形で原料供給され
ている。従って、エステル交換法による重合が望まし
い。
【0031】触媒は、重合に使用される触媒としては、
Mg、Co、Sb,Ge,Ti,Sn,Zn,Mn,C
a等の酸化物、水酸化物、低級脂肪族カルボン酸塩等が
挙げられる。
【0032】望ましい触媒系としては、原料酸成分の一
つに、2,6−ナフタレンジカルボン酸のジメチルエス
テルを使用することから、エステル交換反応用の触媒が
必須である。
【0033】好ましい触媒の組み合わせとしては、エス
テル交換触媒をMg,Co,Mn,CaまたはZnの化
合物を用い、重縮合触媒として、SbまたはGeの化合
物を用いることができる。
【0034】触媒量は、限定するものではないが、酸成
分合計1モルに対して、10-5〜10-2グラム原子、好
ましくは5×10-5〜5×10-3グラム原子であるのが
通常である。
【0035】マグネシウムの添加量が80.0ppm未
満の場合は、ポリマーを溶解押し出しして冷却ロール上
に静電印加時に密着性が劣るという問題がある。またマ
グネシウムの量が300.0ppmを越えるとポリマー
物性の一つである耐加水分解性が悪くなる欠点がある。
【0036】コバルト量は2.0ppm未満の場合は、
フイルムの黄色味が強くなり、すなわちカラーb値が大
きくなる問題がある。また40.0ppmを越えるとフ
イルムが黒みを帯びてくる問題もある。
【0037】(Mg+Co)/Pは2.0未満の場合
は、相溶性が悪くまた5.0を越えるとフイルムの黄色
味が強くなる。
【0038】いずれにしても、マグネシウム、コバル
ト、リンの量が、前記式の範囲になるように使用する。
【0039】更に、無機あるいは有機粒子からなる滑剤
を含有してもよいし、以上の要件を満たせばポリエステ
ル製造工程で析出する粒子いわゆる内部粒子を含有して
もよい。
【0040】本発明のフイルムは、主としてエチレンナ
フタレート単位及びエチレンテレフタレート単位を繰り
返し単位とするポリエステル、特にナフタレート系ポリ
エステル(A)とテレフタレート系ポリエステル(B)
とを溶融混合した後Tダイから押しだし、冷却した後少
なくとも1方向に1.1倍以上、好ましくは2.5倍以
上延伸することにより得ることができる。さらに好まし
くは、逐次又は同時2軸延伸法により2軸延伸フィルム
として得ることができ、力学特性その他の物性が優れ、
種々の用途に供することができる。
【0041】なお、上記方法において、溶融押し出しし
たフィルムを冷却するには冷却ロール上で静電密着法で
密着させて冷却するのが通常であるが、その際使用する
静電印加装置の構造や静電印加条件に対する限定はな
く、任意に選定すればよい。たとえば、静電印加装置の
構造としては電極構造、対電極の有無、電極や対電極と
押出口や冷却ロール等の位置関係、静電印加条件として
は設定電圧および電流値を任意に選定すればよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の熱可塑性ポリエステル系フイ
ルムを実施例により更に具体的に説明するが、本発明は
その要旨を越えない限り、これらの実施例に限定される
ものではない。
【0043】なお、本明細書における評価方法は次の通
りである。
【0044】 相溶性 東洋精器社製ラボプラストミルを用い280℃、10分
溶融ブレンド後、液体窒素でブレンド物を急冷し目視に
より相溶性を判定した。判定基準は以下の通りである。
【0045】 透明である ○ 微濁である △ 濁りが強い × 上記判定基準で○のみ合格とした。
【0046】 透明性 積分球式H.T.Rメーター(日本精密科学社製)を用
いて光線透過率(%)を求めた。
【0047】 ポリマーの溶融比抵抗 275℃で溶融したポリエステル中に2枚の電極板をお
き、120Vの電圧を印加した時の電流値(I)を測定
し、比抵抗値(ρ)を次式により求める。
【0048】ρ(Ω.cm)=A/D×V/I A=電極面積(cm)、D=電極間距離(cm) V=電圧(V) 熱的特性 島津製作所製示差熱分析測定機(DSC)を用いて2次
転移点(Tg)を測定した。
【0049】 金属原子の定量 蛍光X線方法で原子量(ppm)を求めた。
【0050】(実施例1)ステンレス製オートクレーブ
を使用し、二塩基酸性分としてジメチルナフタレートを
98モル%、ジメチルテレフタレートを2モル%、グリ
コール成分としてエチレングリコールを酸性分に対し
2.2倍モル%仕込み、触媒として、三酸化アンチモン
を酸性分に対し0.04モル%、酢酸マグネシウム四水
和物および酢酸コバルト四水和物をポリエステル単位ユ
ニット当たりマグネシウム原子として200ppm、コ
バルト原子として30ppmとなるように同時に仕込
み、撹拌下230℃まで温度を上げエステル交換反応を
行った。エステル交換反応終了は所定のメタノールが留
出したところとした。エステル交換反応終了後、酢酸ナ
トリウム三水和物をナトリウム原子として20ppm、
トリメチルホスフェートをリン原子として74ppm添
加し、減圧下280℃まで温度を上げ重縮合反応を行っ
た。
【0051】重縮合反応終了後の共重合体の固有粘度は
0.46であった。この共重合体をナフタレート系ポリ
エステル(a)とした。
【0052】同様の装置でジメチルテレフタレートを9
8モル%、ジメチルナフタレートを2モル%、グリコー
ル成分としてエチレングリコールを酸成分に対し2.0
倍モル%仕込み、触媒として三酸化アンチモンを酸成分
に対し0.04モル%、酢酸マグネシウム四水和物およ
び酢酸コバルト四水和物をポリエステル単位ユニット当
たりマグネシウム原子として200ppm、コバルト原
子として30ppmとなるように同時に仕込み、撹拌下
230℃まで温度を上げエステル交換反応を行った。な
お、エステル交換反応終了後は所定のメタノールが留出
したところとした。
【0053】エステル交換反応終了後、酢酸ナトリウム
三水和物をナトリウム原子として20ppm、トリメチ
ルホスフェートをリン原子として74ppm添加し、減
圧下270℃まで温度を上げ重縮合反応を行った。
【0054】重縮合反応終了後の共重合体の固有粘度は
0.58であった。この共重合体をテレフタレート系ポ
リエステル(b)とした。
【0055】上記共重合体(a)、(b)を重量比
(a):(b)=1:1に混合し、280℃で溶融押し
出しし、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フ
イルムを100℃で縦方向に3.5倍、次いで130℃
で横方向に延伸し、220℃の熱固定を行い、厚さ20
μmの2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物
性値を表1に示す。
【0056】(実施例2)実施例1の重合方法により、
二塩基酸成分としてジメチルナフタレート98モル%、
ジメチルテレフタレート2モル%、グリコール成分とし
てエチレングリコールを酸成分に対して2.2倍モル%
仕込み、触媒として三酸化アンチモンを酸成分に対し
0.04モル%、マグネシウム原子が300ppm、コ
バルト原子が30ppm(ポリエステル単位ユニット当
たり)となるように調整した他は実施例1と同様にし
て、エステル交換反応を行った。
【0057】次いでナトリウム原子が20ppm、リン
原子が50ppmとなるように調整して重縮合反応を行
いナフタレート系ポリエステル(c)とした。
【0058】同様に、ジメチルテレフタレート98モル
%、ジメチルナフタレート2モル%、エチレングリコー
ルを酸成分に対して2.2倍モル%仕込み、触媒として
三酸化アンチモンを酸成分に対し0.04モル%、ポリ
エステル単位ユニット当たりマグネシウム原子が80p
pm、コバルト原子が30ppmとなるように実施例1
と同様に調整して、エステル交換反応を行った。次いで
ナトリウム原子を20ppm、リン原子を50ppmと
なるように、実施例1と同様に重縮合反応を行いテレフ
タレート系ポリエステル(d)とした。
【0059】この共重合体(c)、(d)を重量比
(c):(d)=1:1に混合し、280℃で溶融押し
出しし、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フ
イルムを100℃で縦方向に3.5倍次いで130℃で
横方向に延伸し220℃の熱固定を行い、厚さ20μm
の2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物性値
を表1に示す。
【0060】(実施例3)実施例2と同様に重合反応を
行い、ナフタレート系ポリエステル(c)を得た。
【0061】同様に、二塩基酸成分としてジメチルテレ
フタレート98モル%、ジメチルナフタレート2モル
%、エチレングリコールを酸成分に対して2.2倍モル
%仕込み、触媒として三酸化アンチモンを酸成分に対し
0.04モル%、酢酸亜鉛二水和物を酸成分に対し0.
04モル%、酢酸コバルトをポリエステル単位ユニット
当たりコバルト原子が20ppmとなるように仕込み、
その他は実施例2と同様にしてエステル交換反応を行っ
た。次いでナトリウム原子が20ppm、リン原子が5
0ppmとなるように調整して重縮合反応を行いテレフ
タレート系ポリエステル(e)とした。
【0062】この共重合体(c)、(e)を重量比で
(c):(e)=1:1に混合し、280℃で溶融押し
出しし、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フ
イルムを100℃で縦方向に3.5倍次いで130℃で
横方向に延伸し220℃の熱固定を行い、厚さ20μm
の2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物性値
を表1に示す。
【0063】(実施例4)実施例2と同様に重合反応を
行い、ナフタレート系ポリエステル(c)とテレフタレ
ート系ポリエステル(d)を得た。
【0064】この共重合体(c)、(d)を重量比で
(c):(d)=3:7に混合し、280℃で溶融押し
出しし、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フ
イルムを100℃で縦方向に3.5倍次いで130℃で
横方向に延伸し220℃の熱固定を行い、厚さ20μm
の2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物性値
を表1に示す。
【0065】(比較例1)実施例1の重合方法により、
二塩基酸成分としてジメチルナフタレート98モル%、
ジメチルテレフタレート2モル%、グリコール成分とし
てエチレングリコールを酸成分に対して2.2倍モル%
仕込み、触媒として三酸化アンチモンを酸成分に対し
0.04モル%、マグネシウム原子が150ppm、コ
バルト原子が30ppm(ポリエステル単位ユニット当
たり)となるように調整した他は実施例1と同様にして
エステル交換反応を行った。
【0066】次いでナトリウム原子が20ppm、リン
原子が100ppmとなるように調整して重縮合反応を
行いナフタレート系ポリエステル(f)とした。
【0067】同様に、二塩基酸成分としてジメチルテレ
フタレート98モル%、ジメチルナフタレート2モル
%、グリコール成分としてエチレングリコールを酸成分
に対して2.2倍モル%仕込み、触媒として三酸化アン
チモンを酸成分に対し0.04モル%、マグネシウム原
子が150ppm、コバルト原子が30ppm(ポリエ
ステル単位ユニット当たり)となるように調整した他は
実施例1と同様にして、エステル交換反応を行った。次
いでナトリウム原子が20ppm、リン原子が100p
pmとなるように調整して重縮合反応を行いテレフタレ
ート系ポリエステル(g)とした。
【0068】この共重合体(f)、(g)を重量比で
(f):(g)=1:1に混合し、280℃で溶融押し
出しし、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フ
イルムを100℃で縦方向に3.5倍次いで130℃で
横方向に延伸し220℃の熱固定を行い、厚さ20μm
の2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物性値
を表1に示す。
【0069】(比較例2)実施例2と同様の重合方法に
より、反応を行いナフタレート系ポリエステル(c)を
得た。
【0070】また、実施例3と同様の重合方法により、
反応を行いテレフタレート系ポリエステル(e)を得
た。
【0071】この共重合体(c)、(e)を重量比で
(c):(e)=1:9に混合し、280℃で溶融押し
出しし、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フ
イルムを100℃で縦方向に3.5倍次いで130℃で
横方向に延伸し220℃の熱固定を行い、厚さ20μm
の2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物性値
を表1に示す。
【0072】(比較例3)実施例1の重合方法により、
二塩基酸成分としてジメチルナフタレート98モル%、
ジメチルテレフタレート2モル%、グリコール成分とし
てエチレングリコールを酸成分に対して2.2倍モル%
仕込み、触媒として三酸化アンチモンを酸成分に対し
0.04モル%、マグネシウム原子が80ppm、コバ
ルト原子が30ppm(ポリエステル単位ユニット当た
り)となるように調整した他は実施例1と同様にして、
エステル交換反応を行った。
【0073】次いでナトリウム原子が20ppm、リン
原子が50ppmとなるように調整して重縮合反応を行
いナフタレート系ポリエステル(h)とした。
【0074】同様に、二塩基酸成分としてジメチルテレ
フタレート98モル%、ジメチルナフタレート2モル
%、グリコール成分としてエチレングリコールを酸成分
に対して2.2倍モル%仕込み、触媒として三酸化アン
チモンを酸成分に対し0.04モル%、マグネシウム原
子が80ppm、コバルト原子が30ppm(ポリエス
テル単位ユニット当たり)となるように調整した他は実
施例1と同様にして、エステル交換反応を行った。
【0075】次いでナトリウム原子が20ppm、リン
原子が50ppmとなるように調整して重縮合反応を行
いテレフタレート系ポリエステル(j)とした。
【0076】この共重合体(h)、(j)を重量比で
(h):(j)=1:1に混合し、280℃で溶融押し
出し、厚さ250μmの未延伸フイルムを得た。該フイ
ルムを100℃で縦方向に3.5倍次いで130℃で横
方向に延伸し220℃の熱固定を行い、厚さ20μmの
2軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムの物性値を
表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の熱可塑性ポリエ
ステル系フイルムは透明性、強度、耐熱性に優れてい
る。
【0079】本発明の請求項2記載の熱可塑性ポリエス
テル系フイルムは相溶性、製膜安定性に優れている。
【0080】本発明の請求項3記載の熱可塑性ポリエス
テル系フイルムは特に熱劣化によるフィルムの着色や機
械的性質の低下がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 KKC C08L 67/02 KKC // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてエチレンナフタレート単位及び
    エチレンテレフタレート単位を繰り返し単位とし、下記
    (1)〜(3)式を同時に満足する量のマグネシウム化
    合物、コバルト化合物、リン化合物を含有するポリエス
    テルからなり、少なくとも1軸延伸され、かつ、光線透
    過率が80%以上であることを特徴とする熱可塑性ポリ
    エステル系フイルム。 (1) 80.0≦Mg≦300.0 (2) 2.0≦Co≦40.0 (3) 2.0≦(Mg+Co)/P≦5.0 {式中Mg、Co、Pはマグネシウム化合物、コバルト
    化合物、リン化合物のポリエステルに対するマグネシウ
    ム原子、コバルト原子、リン原子としての量(ppm)
    を示す。}
  2. 【請求項2】 ポリエステルが、エチレンナフタレート
    単位が98〜80モル%であるナフタレート系ポリエス
    テル(A)99〜1重量%及びエチレンテレフタレート
    単位が98〜80モル%であるテレフタレート系ポリエ
    ステル(B)1〜99重量%を溶融混合して得られた樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性ポリ
    エステル系フイルム。
  3. 【請求項3】 ナフタレート系ポリエステル(A)に含
    まれるマグネシウム原子が180ppm〜400pp
    m、コバルト原子が10〜40ppm及びリン原子が4
    0〜90ppmであることを特徴とする請求項2記載の
    熱可塑性ポリエステル系フイルム。
JP21500996A 1996-07-26 1996-07-26 熱可塑性ポリエステル系フィルム Pending JPH1036494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21500996A JPH1036494A (ja) 1996-07-26 1996-07-26 熱可塑性ポリエステル系フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21500996A JPH1036494A (ja) 1996-07-26 1996-07-26 熱可塑性ポリエステル系フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1036494A true JPH1036494A (ja) 1998-02-10

Family

ID=16665209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21500996A Pending JPH1036494A (ja) 1996-07-26 1996-07-26 熱可塑性ポリエステル系フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1036494A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002523604A (ja) * 1998-09-01 2002-07-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリ(1,3−プロピレン2,6−ナフタレート)のブレンド物
JP2003041026A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびポリエステル系樹脂の製造方法
US6649260B2 (en) 2000-12-08 2003-11-18 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Optical coating film
WO2006126506A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Toray Industries, Inc. 位相差フィルムおよび光学用ポリエステル樹脂
JP2013234248A (ja) * 2012-05-08 2013-11-21 Teijin Ltd 共重合ポリエステルおよびそれからなる光学シート
JP2015096928A (ja) * 2013-11-16 2015-05-21 三菱樹脂株式会社 偏光板保護用ポリエステルフィルム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002523604A (ja) * 1998-09-01 2002-07-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリ(1,3−プロピレン2,6−ナフタレート)のブレンド物
JP4662633B2 (ja) * 1998-09-01 2011-03-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリ(1,3−プロピレン2,6−ナフタレート)のブレンド物
US6649260B2 (en) 2000-12-08 2003-11-18 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Optical coating film
JP2003041026A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびポリエステル系樹脂の製造方法
WO2006126506A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Toray Industries, Inc. 位相差フィルムおよび光学用ポリエステル樹脂
US8859648B2 (en) 2005-05-25 2014-10-14 Toray Industries, Inc. Retardation film and polyester resin for optical use
JP2013234248A (ja) * 2012-05-08 2013-11-21 Teijin Ltd 共重合ポリエステルおよびそれからなる光学シート
JP2015096928A (ja) * 2013-11-16 2015-05-21 三菱樹脂株式会社 偏光板保護用ポリエステルフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3335683B2 (ja) ポリエステルフイルムおよびその製造方法
EP3486268A1 (en) Polyester resin composition for a hot melt adhesive
JPH1036494A (ja) 熱可塑性ポリエステル系フィルム
JPH04270727A (ja) ポリエステル組成物
JP2848725B2 (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JPH06116376A (ja) 金属板貼合わせ用共重合ポリエステル及びフィルム
JP3365450B2 (ja) 高重合度ポリエステルの製造方法
JP3395903B2 (ja) 透明柔軟ポリエステル
JP2002523604A (ja) ポリ(1,3−プロピレン2,6−ナフタレート)のブレンド物
JPH0834842A (ja) 改質ポリエステル
JP3449820B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる食品用フイルム
JPH039126B2 (ja)
JPS642621B2 (ja)
JP2012092260A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP4068345B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびそのシート状成形体
JP6931201B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPS6114933A (ja) 二軸配向成形品の製造法
JP2003171541A (ja) 透明耐熱軟質ポリエステル製成形体
JPH0463896B2 (ja)
JPH0611850B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2642168B2 (ja) ガスバリヤー性に優れたポリエステル
JPH0834839A (ja) 改質ポリエステル
JPH10110040A (ja) 成形物
JPS6088028A (ja) ポリエステルの製造方法
JPH11335469A (ja) 樹脂成形体、延伸成形物及びフィルム