JPH1036253A - 水性懸濁点眼剤 - Google Patents

水性懸濁点眼剤

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JPH1036253A
JPH1036253A JP19021296A JP19021296A JPH1036253A JP H1036253 A JPH1036253 A JP H1036253A JP 19021296 A JP19021296 A JP 19021296A JP 19021296 A JP19021296 A JP 19021296A JP H1036253 A JPH1036253 A JP H1036253A
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JP
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mannitol
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JP19021296A
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English (en)
Inventor
Kae Watanabe
果絵 渡辺
Mitsuhiro Haraguchi
充宏 原口
Yoshihiko Kawasaki
良彦 川崎
Takashi Osada
隆 長田
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Showa Yakuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Showa Yakuhin Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再分散性に優れ、長期保存後にも薬物堆積層
のケーキングがない水性懸濁点眼剤を提供する。 【解決手段】 例えばフルオロメトロン等の難溶性薬物
を有効成分として含む水性懸濁点眼剤であって、懸濁化
剤としてD-マンニトール、D-ソルビトール、キシリトー
ル、プロピレングリコール、及びクエン酸塩、及びそれ
らの混合物からなる群から選ばれる懸濁化剤を含むこと
を特徴とする点眼剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再分散性及び保存
安定性に優れた水性懸濁点眼剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フルオロメトロンやデキサメサゾンなど
のステロイド系抗炎症剤は強力な抗炎症作用を有してお
り、外用や眼用の抗炎症剤として汎用されているが、水
に対する溶解度が低いという欠点を有しており、点眼用
としては水性懸濁点眼剤や眼軟膏剤の形態で用いられる
のが一般的である。水性懸濁点眼剤はこのような難溶性
薬剤の微細結晶や微粉末を水性媒体に懸濁させた水性製
剤であり、眼軟膏に比べて点眼手法が容易であり、点眼
時の不快感も少ないという特徴を有している。
【0003】しかしながら、水性懸濁点眼剤では、懸濁
された薬物が不可避的に沈降するという問題を有してい
る。このため、水性懸濁点眼剤では、保存安定性を高め
るために薬物の沈降速度を遅くするとともに、薬物の沈
降によって堆積層が形成された場合には、短時間の簡単
な振とうや攪拌によって均一な懸濁液を再生できる特性
(再分散性又は再懸濁性と呼ばれる)が求められてい
る。
【0004】一般に、水性懸濁点眼剤の製造には、微細
結晶や微粉末を効率よく懸濁させるためにカルボキシメ
チルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリソ
ルベート80などの懸濁化剤が用いられている。懸濁化剤
の添加量を高めて懸濁液の粘性を上昇させると、微細結
晶や微粉末の沈降速度を遅くすることができるが、懸濁
液の粘性が高まると、点眼瓶からの滴下が困難になると
ともに、再分散性が悪化するという問題がある。
【0005】また、薬物の粒子径を小さくすることによ
っても沈降速度を遅くすることができるが、再分散性が
悪くなることも知られている(これらにつき、宮崎順
一、高野正彦共著「点眼剤・その作り方と応用」、第 1
11〜113 頁、株式会社南山堂発行、1962年を参照)。こ
のように、水性懸濁点眼剤において、良好な保存安定性
〔主として薬物堆積層の強固な凝集物の生成防止(この
ような凝集物は一般的に「ケーキング」と呼ばれる。上
釜ら編、「新しい製剤学」、第76頁、株式会社廣川書店
発行、1993年などを参照)〕と再分散性とを両立させる
ことは容易ではない。なお、上掲書には、再分散性の改
善のために界面活性剤を使用することができるとの教示
がある。
【0006】デプロドンプロピオネートを含む水性懸濁
点眼剤において、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなどの懸濁化剤に対して、懸濁化助剤である濃グリセ
リン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、D-マンニトール、D-ソルビトール等の多価アルコー
ル、又はブドウ糖、乳糖、麦芽糖等の糖類を組み合わせ
て用いると、薬物の沈降速度が遅く、かつ、再分散性に
優れた点眼剤を製造できることが知られている(特開平
5-951 号公報)。
【0007】この刊行物に具体的に開示された懸濁化剤
は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体であ
り、このセルロース誘導体を用いると薬物の沈降速度を
遅くすることができるとともに、再分散も容易なされる
と教示されている(同公報第2欄第36〜38行)。上記の
D-マンニトール、D-ソルビトール等の懸濁化助剤は上記
の懸濁化剤との組み合わせで用いられるが、その作用に
ついては、有効成分であるデプロドンプロピオネートの
微細粒子径を長期間安定に保持すると教示されている
(同公報第2欄第46〜49行)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、優れ
た再分散性を有する水性懸濁点眼剤、及び、保存安定性
(主として軽減されたケーキング)と再分散性とを両立
させた水性懸濁点眼剤を提供することにある。より具体
的には、ステロイド系抗炎症剤や非ステロイド系抗炎症
剤などの難溶性薬物を有効成分として含む水性懸濁点眼
剤であって、保存において薬物の沈降により堆積層が生
成した場合に、用手攪拌などの簡単な操作によって速や
かに均一な懸濁液を再生できる点眼剤を提供することが
本発明の課題である。また、上記の特徴を有する水性懸
濁点眼剤であって、長期間保存しても有効成分の堆積層
が凝集体ないし結合体を生成しない点眼剤を提供するこ
とも本発明の課題である。
【0009】
【課題を解決すべき手段】本発明者は上記の課題を解決
すべく鋭意努力した結果、D-マンニトール、D-ソルビト
ールなどの物質が、それ自体で水性懸濁点眼剤の保存安
定性及び再分散性を顕著に改善できることを見いだし
た。従来、製剤の技術分野においては、D-マンニトール
は、等張化剤、錠剤、カプセル剤の賦形剤、凍結乾燥製
剤の基剤として、D-ソルビトールは錠剤、カプセル剤の
賦形剤として用いられているが、それ自体を水性懸濁液
の懸濁化剤に用いた例は知られていない。プロピレング
リコール、D-マンニトール、D-ソルビトール等を懸濁化
助剤として水性懸濁点眼剤を製造した例が報告されてい
るが(特開平5-951 号公報)、それ自体を懸濁化剤とし
て用いるものではなく、セルロース系懸濁化剤との組み
合わせにおいて、懸濁化助剤として用いられているにす
ぎない。
【0010】従って、D-マンニトールやD-ソルビトール
などがそれ自体で優れた懸濁化剤として作用し、水性懸
濁液の保存安定性と再分散性とを改善して、ケーキング
を防止するとともに、生成した堆積層から均一な懸濁液
を再生させる作用を有することは驚くべきことである。
本発明は、これらの知見を基にして完成されたものであ
る。
【0011】すなわち本発明は、難溶性薬物の水性懸濁
点眼剤であって、懸濁化剤としてD-マンニトール、D-ソ
ルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、及
びクエン酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選ば
れる懸濁化剤を含むことを特徴とする点眼剤を提供する
ものである。本発明の別の態様によれば、難溶性薬物の
水性懸濁点眼剤であって、懸濁化剤としてD-マンニトー
ル、D-ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコ
ール、及びクエン酸塩、及びそれらの混合物からなる群
から選ばれる懸濁化剤を含み、かつ、セルロース系懸濁
化剤を実質的に含有しないことを特徴とする点眼剤も提
供される。
【0012】本発明のさらに別の態様によれば、難溶性
薬物の水性懸濁点眼剤であって、懸濁化剤としてD-マン
ニトール、D-ソルビトール、キシリトール、プロピレン
グリコール、及びクエン酸塩、及びそれらの混合物から
なる群から選ばれる懸濁化剤とポリビニルアルコール系
懸濁化剤とを含み、かつ、セルロース系懸濁化剤を実質
的に含有しないことを特徴とする点眼剤も提供される。
上記各発明の好ましい態様によれば、難溶性薬物がステ
ロイド系抗炎症剤である上記点眼剤;難溶性薬物がフル
オロメトロンである上記点眼剤が提供される。さらに本
発明により、難溶性薬物の水性懸濁点眼剤の製造に有用
な懸濁化剤であって、D-マンニトール、D-ソルビトー
ル、キシリトール、プロピレングリコール、及びクエン
酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる懸濁
化剤が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の水性懸濁点眼剤に含まれ
る有効成分の薬物は、水に対する溶解度が低い難溶性薬
物であって、一般的に点眼剤において水性懸濁液として
用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、
ステロイド系抗炎症剤又は非ステロイド系抗炎症剤など
の薬物が好適である。ステロイド系抗炎症剤としては、
例えば、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、
プレドニゾロン、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾ
ン、メタスルホ安息香酸デキサメタゾン、フルオロメト
ロン、及び生理学的に許容されるそれらの塩を挙げるこ
とができる。これらの塩としては、例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩などを用いることができる。非ステロイ
ド系抗炎症剤としては、例えば、インドメタシン、ピレ
ノキシン、ピマリシンなどを用いることができる。これ
らのうち、フルオロメトロン(9-fluoro-11β,17-dihydr
oxy-6 α-methyl-1,4-pregnadiene-3,20-dione, 第13改
正日本薬局方収載)が好ましい。
【0014】これらの有効成分の配合量は、点眼剤の投
与時(1〜数滴)に眼内の有効濃度が達成できるよう
に、有効成分の種類に応じて適宜選択されるべきである
が、一般的には、点眼剤の全重量に対して0.01〜1.0 重
量%、好ましくは0.05〜0.5 重量%程度とすればよい。
フルオロメトロンを用いる場合には、有効成分濃度を
0.1% 程度にすることが好ましい。
【0015】本発明の水性懸濁点眼剤は、上記の薬物の
水性懸濁液に対して、D-マンニトール、D-ソルビトー
ル、キシリトール、プロピレングリコール、及びクエン
酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる懸濁
化剤が配合されていることを特徴としている。クエン酸
塩としては、例えば、クエン酸ナトリウムなどを用いる
ことができる。上記の懸濁化剤を用いると、従来より汎
用の懸濁化剤、例えば、セルロース系懸濁化剤を配合す
ることなく、薬物堆積層のケーキングを防止し、かつ、
良好な再分散性を有する水性懸濁点眼剤を製造できる。
これらの物質は単独で用いてもよいが、それぞれが配合
禁忌とならない限り、適宜組み合わせて用いることも可
能である。これらのうち、D-マンニトールが好ましい。
配合量は薬物の種類に応じて適宜選択すればよいが、例
えば、点眼剤の全重量に対して0.1〜5.0 重量%、好ま
しくは0.2 〜2.0 重量%程度である。
【0016】本発明の好ましい態様の水性懸濁点眼剤
は、従来より水性懸濁点眼剤の製造に汎用されているセ
ルロース系懸濁化剤を実質的に含有しないことを特徴と
している。このようなセルロース系懸濁化剤としては、
例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースを挙げることができる。
もっとも、本発明の水性懸濁点眼剤に、セルロース系懸
濁化剤以外の汎用の懸濁化剤を適当量配合することは差
し支えない。このような懸濁化剤として、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリソルベート80などを挙げること
ができるが、ポリビニルアルコールを用いることが好ま
しい。
【0017】本発明の水性懸濁点眼剤には、以上の成分
に加えて、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調節剤;塩化
ナトリウム、グリセリン等の等張化剤;塩化ベンゼトニ
ウム、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸エス
テル等の防腐剤;リン酸塩緩衝剤、ホウ酸塩緩衝剤等の
緩衝剤;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性
剤など、水性点眼剤の製造に通常用いられる製剤用添加
物を添加してもよい。これらの成分の配合量は特に限定
されないが、通常、0.001 〜0.1%程度の範囲で用いるこ
とができる。本発明の水性懸濁点眼剤の製造方法は特に
限定されないが、例えば、有効成分である難溶性薬物を
除く成分を適宜の順序で注射用蒸留水に溶解し、必要に
応じて濾過滅菌を行った後、難溶性薬物を加えてホモジ
ナイザーや超音波照射により均一な懸濁液を製造すれば
よい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例の範囲に限定
されることはない。 例1 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-マンニトール(2 g) を添加して
溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整した。さら
に塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を1.
0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 mlと
した。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を加えた
後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の水性懸
濁点眼剤を製造した。
【0019】例2 D-マンニトールを0.2%とした以外は、例1と同様にして
本発明の水性懸濁点眼剤を製造した。
【0020】例3 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-ソルビトール(0.86 g)を添加し
て溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整した。さ
らに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を
1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 ml
とした。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を加えた
後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の水性懸
濁点眼剤を製造した。
【0021】例4 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にキシリトール(0.05 g)を添加して
溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整した。さら
に塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を1.
0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 mlと
した。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を加えた
後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の水性懸
濁点眼剤を製造した。
【0022】例5 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にプロピレングリコール(1 g) を添
加して溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整し
た。さらに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透
圧比を1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を
100 mlとした。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を
加えた後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の
水性懸濁点眼剤を製造した。
【0023】例6 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にクエン酸ナトリウム(0.85 g)を添
加して溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整し
た。さらに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透
圧比を1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を
100 mlとした。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を
加えた後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の
水性懸濁点眼剤を製造した。
【0024】例7 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-マンニトール(2 g) 及びプロピ
レングリコール(1 g)を添加して溶解し、次いで塩酸を
適量加えてpHを微調整した。さらに塩化ナトリウムを加
えて生理食塩液との浸透圧比を1.0 に調整した後、注射
用蒸留水を加えて全量を100 mlとした。この溶液にフル
オロメトロン(0.1 g) を加えた後、ホモジナイザーを用
いて懸濁させて本発明の水性懸濁点眼剤を製造した。
【0025】例8 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-ソルビトール(2 g) 及びクエン
酸ナトリウム (0.85 g) を添加して溶解し、次いで塩酸
を適量加えてpHを微調整した。さらに塩化ナトリウムを
加えて生理食塩液との浸透圧比を1.0 に調整した後、注
射用蒸留水を加えて全量を100 mlとした。この溶液にフ
ルオロメトロン(0.1 g) を加えた後、ホモジナイザーを
用いて懸濁させて本発明の水性懸濁点眼剤を製造した。
【0026】例9 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-マンニトール(2 g) 及びポリビ
ニルアルコール(1.4 g)を添加して溶解し、次いで塩酸
を適量加えてpHを微調整した。さらに塩化ナトリウムを
加えて生理食塩液との浸透圧比を1.0 に調整した後、注
射用蒸留水を加えて全量を100 mlとした。この溶液にフ
ルオロメトロン(0.1 g) を加えた後、ホモジナイザーを
用いて懸濁させて本発明の水性懸濁点眼剤を製造した。
【0027】例10 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-マンニトール(2 g) を添加して
溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整した。さら
に塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を1.
0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 mlと
した。この溶液にインドメタシン(0.5 g) を加えた後、
ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の水性懸濁点
眼剤を製造した。
【0028】例11 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にD-マンニトール(2 g) を添加して
溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整した。さら
に塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を1.
0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 mlと
した。この溶液にデキサメタゾン(0.1 g) を加えた後、
ホモジナイザーを用いて懸濁させて本発明の水性懸濁点
眼剤を製造した。
【0029】比較例1 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。次いで塩酸を適量加えてpHを微調整し、さら
に塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を1.
0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 mlと
した。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を加えた
後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて水性懸濁点眼剤
を製造した。
【0030】比較例2 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にポリビニルアルコール(1.4 g) を
加えて溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整し
た。さらに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透
圧比を1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を
100 mlとした。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を
加えた後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて水性懸濁
点眼剤を製造した。
【0031】比較例3 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にメチルセルロース(0.5 g) を加え
て溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整した。さ
らに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透圧比を
1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を100 ml
とした。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を加えた
後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて水性懸濁点眼剤
を製造した。
【0032】比較例4 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にポリビニルアルコール(1.4 g) を
加えて溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整し
た。さらに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透
圧比を1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を
100 mlとした。この溶液にフルオロメトロン(0.1 g) を
加えた後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて水性懸濁
点眼剤を製造した。
【0033】比較例5 リン酸二水素ナトリウム・2水和物(0.5 g) 及び無水リ
ン酸水素二ナトリウム(0.11 g)を注射用蒸留水(80 ml)
に溶解してpH 7.5とし、塩化ベンザルコニウム(0.01 g)
を加えた。この溶液にポリビニルアルコール(1.4 g) を
加えて溶解し、次いで塩酸を適量加えてpHを微調整し
た。さらに塩化ナトリウムを加えて生理食塩液との浸透
圧比を1.0 に調整した後、注射用蒸留水を加えて全量を
100 mlとした。この溶液にデキサメタゾン(0.1 g) を加
えた後、ホモジナイザーを用いて懸濁させて水性懸濁点
眼剤を製造した。
【0034】試験例 点眼容器の底に沈降した薬物の再分散性について以下の
方法により評価を行った。5 mlの点眼容器に例1〜9及
び比較例1〜4の水性懸濁点眼剤を充填して薬物を沈降
させ、点眼容器を 100 rpmの速度で回転させて沈降して
いた薬物が均一に分散するまでの時間を調べた。同様の
方法により、40℃で1カ月保存した後の再分散性を調べ
た。結果を以下の表に示す。
【0035】
【表1】 ────────────────── 点眼剤 製造時 40℃1ヵ月後 ────────────────── 例1 3 秒 3 秒 例2 3 秒 3 秒 例3 3 秒 4 秒 例4 5 秒 5 秒 例5 4 秒 4 秒 例6 3 秒 9 秒 例7 4 秒 4 秒 例8 3 秒 5 秒 例10 17 秒 18 秒 例11 4 秒 3 秒 比較例1 10分30秒 再分散せず* 比較例2 10分43秒 12分20秒 比較例3 2 分00秒 再分散せず* 比較例4 再分散せず* 再分散せず* 比較例5 3 分44秒 5 分00秒 ──────────────────* 薬物堆積層の凝集により再分散が不可能
【0036】
【発明の効果】本発明の水性懸濁点眼剤は、再分散性に
優れており、長期保存後にも薬物堆積層のケーキングが
ないので保存安定性に優れるという特徴がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 隆 東京都中央区京橋2丁目17番11号 昭和薬 品化工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難溶性薬物を有効成分として含む水性懸
    濁点眼剤であって、懸濁化剤としてD-マンニトール、D-
    ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、
    及びクエン酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選
    ばれる懸濁化剤を含むことを特徴とする点眼剤。
  2. 【請求項2】 難溶性薬物を有効成分として含む水性懸
    濁点眼剤であって、懸濁化剤としてD-マンニトール、D-
    ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、
    及びクエン酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選
    ばれる懸濁化剤を含み、かつ、セルロース系懸濁化剤を
    実質的に含有しないことを特徴とする点眼剤。
  3. 【請求項3】 難溶性薬物がステロイド系抗炎症剤であ
    る請求項1又は2に記載の点眼剤。
  4. 【請求項4】 ステロイド系抗炎症剤がフルオロメトロ
    ンである請求項3に記載の点眼剤。
  5. 【請求項5】 難溶性薬物を有効成分として含む水性懸
    濁点眼剤の懸濁化剤であって、D-マンニトール、D-ソル
    ビトール、キシリトール、プロピレングリコール、及び
    クエン酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれ
    る懸濁化剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999037286A1 (fr) * 1998-01-22 1999-07-29 Santen Pharmaceutical Co., Ltd. Collyre a suspension de fluorometholone
JP4860895B2 (ja) * 2000-09-26 2012-01-25 日清ファルマ株式会社 リン酸プレドニゾロンナトリウム液体製剤

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