JPH10336244A - アプリケーションによるip品質保証サービスのパラメータ決定方法及びip品質保証サービスのパラメータ決定プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

アプリケーションによるip品質保証サービスのパラメータ決定方法及びip品質保証サービスのパラメータ決定プログラムを記録した記録媒体

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JPH10336244A
JPH10336244A JP14273497A JP14273497A JPH10336244A JP H10336244 A JPH10336244 A JP H10336244A JP 14273497 A JP14273497 A JP 14273497A JP 14273497 A JP14273497 A JP 14273497A JP H10336244 A JPH10336244 A JP H10336244A
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卓巳 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 資源量の無駄を省いて帯域の見積もり誤差に
よる品質劣化を解消できるアフ゜リケーションによるIP品質保
証サーヒ゛スのハ゜ラメータ決定方法を提供する。 【解決手段】 上限値Rbound算出部2はアフ゜リケーション本体3
から要求遅延Dreqとトラヒックハ゜ラメータTSpecを受け取り、ネットワ
ーク4からフローが経由するネットワーク状態を受け取り、ハ゜ケット転
送遅延時間WとしてDreq を保証する帯域上限値Rbound
算出してR算出部7に渡す。確率的値Rprob算出部6はアフ゜リ
ケーション本体3から受け取ったDreq,その超過を許容する確
率α,TSpecの平均レートrと、自身が保持するトラヒックの統計
的性質とから、WがDreqを越える確率Pr(W>Dreq)=αによ
って確率的近似値Rprobを算出してR算出部7に渡す。R算
出部7はR=(1-β)Rbound+βRprob (0≦β≦1)により保
証帯域Rを見積もってアフ゜リケーション本体3に戻す。アフ゜リケーション
本体3は、算出したRを品質ハ゜ラメータとしてフロー設定をネットワ
ーク4に依頼して、フローが設定されれば送信端末5からテ゛ータ
が送信される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アプリケーション
フロー毎に帯域保証を可能とするスケジューリングメカ
ニズムを有するルータが網的に接続されているIP(Int
ernet Protocol)ネットワークを経由して、相互につな
がっている端末間で動作するリアルタイムアプリケーシ
ョンが、エンド−エンドのパケット転送遅延時間の保証
を要求してIP品質保証サービスを利用する際に、その
サービスを規定する品質パラメータである保証帯域の値
を決定するアプリケーションによるIP品質保証サービ
スのパラメータ決定方法に関するものである。
【0002】このパラメータ決定方法は、ユーザ自身が
操作するGUI(Graphical User Interface)タイプの
ブラウザの1機能としての形態,OS(Operating Syst
em)の通信処理の1機能としての形態,アプリケーショ
ンプログラムの中に埋め込まれる形態,プログラミング
言語のライブラリ関数の1機能などの形態で提供される
ことになる。
【0003】
【従来の技術】電話や放送,テレビ会議など、送信端末
における入力デバイス(カメラやマイクなど)から連続
的にサンプリングされるデータをネットワークを介して
受信端末に転送して元の映像や音声に再生したり、送信
端末上の記憶媒体からデータを周期的に読み取り、ネッ
トワークを介して受信端末に転送して映像や音声に再生
するようなエンド−エンドのパケット転送遅延時間の保
証が必要なリアルタイムアプリケーションをインターネ
ット上で利用することが検討されている。
【0004】しかし、現在のインターネットでは、品質
を保証しないベストエフォートサービスしか提供してい
ないので、パケットの転送経路上にふくそうルータがあ
ると、損失や過大な遅延をもたらして再生情報が所定の
品質を満たさない可能性があり、情報量の多い現在の放
送メディアなみの品質は得られない。Internet Enginee
ring Task Force(IETF)などでは、ルータにおける
パケット転送順序等を制御するパケットスケジューリン
グとして Weighted Fair Queueing(WFQ)などを採用
し、アプリケーションフロー毎に帯域保証することによ
り、エンド−エンドのパケット転送遅延時間を保証する
IP品質保証サービスを提供することを検討している。
【0005】〔従来技術1〕 〈パケット転送遅延の上限を絶対保証する帯域(R
bound)を算出する方法〉IP品質保証サービスを規定
している「インターネットドラフト」(S.Shenker,C.P
artridge and R.Guerin、”Specification of Guarante
ed Quality of Service,”Internet Draft、 Feb.,19
97.)では、送出トラヒックの上限を与えるトラヒック
パラメータ(TSpec:平均レートr,ピークレートp,バ
ーストサイズb,最大パケットサイズM)をもとにした
エンド−エンドパケット転送遅延時間の上限値Dmax
与える式から、エンド−エンドの要求遅延Dreqを満足
するよう経由ルータにおける保証帯域Rを見積もる方法
が提案されている。アプリケーションは品質パラメータ
(RSpec)として、この保証帯域Rを指定する。
【0006】これによると、経由するルータ(i)にお
けるパケットスケジューリングによる遅延時間の上限値
は、流体近似によって見積もられる項と、パケットサイ
ズを考慮した場合に保証帯域(R)に依存して発生する
項 (Ci/R)と、保証帯域に依存しない項 (Di)に
分けることができる。例えば、ルータのスケジューリン
グがWFQならば、μ,MTUをそれぞれルータiから
の送出リンクの帯域,最大転送単位とすると、Ci
M,Di=MTU/μである。
【0007】複数ルータを経由する場合、フローの経由
する全てのルータのCi,Diの項をそれぞれ加算すれ
ば、エンド−エンド端末間のパケット転送遅延時間の上
限値を見積もることが可能である。ここで、フローの経
由する全てのルータについて加算したCi,Diをそれぞ
れCtot,Dtotと表し、両者の組をAdspecと呼ぶ。
【0008】フローを設定する端末上のアプリケーショ
ンにこのAdspecが事前に通知されていれば、送出トラヒ
ックの上限を与える TSpecを考慮して、エンド−エンド
端末間のパケット転送遅延時間の上限値は、
【数1】 の関係式から見積もることができる。逆に、アプリケー
ションの要求するエンド−エンド端末間のパケット転送
遅延時間を要求遅延 Dreqとすると、これを絶対保証す
るために必要な帯域Rは、上式においてDmax=Dreq
すれば得られる。後述する方法で見積もった値と区別す
るために、この式で見積もった保証帯域RをRbound
記述する。このRboundは、TSpecの制約のもとで最悪の
トラヒックを想定した場合でも要求遅延時間を保証する
帯域であり、保証帯域の上限値になる。
【0009】そして、インターネットドラフトで提唱さ
れているパラメータ見積もり方法を実現するための実施
形態は図1のようになる。すなわち、受信端末1に設け
られた上限値Rbound算出部2 は、アプリケーション本
体3から要求遅延DreqとTSpecを受け取り、ネットワー
ク4からCtotとDtotを受け取る。そしてこれらをもと
に、前述した算出式でR=Rbound を算出し、結果をア
プリケーション本体3に戻す。アプリケーションはこの
保証帯域RをRSpec として、フローの設定をネットワー
ク4に依頼する。フローが設定されれば送信端末5から
データが送信される。
【0010】〔従来技術2〕〈パケット転送遅延を確率
αで保証する帯域の近似値(Rprob)を算出する方法〉ネ
ットワークにおいて、アプリケーションフローが経由す
る各ルータで、そのアプリケーションのために一定の帯
域が保証されていて、他のフローから完全に分離されて
いる場合、ネットワーク部分は処理率が保証帯域の単一
サーバで近似できる。そこで、何らかの入力トラヒック
モデルを仮定すれば、保証帯域Rを使って、エンド−エ
ンドパケット転送遅延時間Wが要求遅延Dreq を越える
確率Pr(W>Dreq) を厳密にまたは近似的に解くこ
とができる。これを利用して、ユーザやアプリケーショ
ンにとってそれよりも小さければ支障がない確率Pr
(W>Dreq)の値をαとすれば、関係式Pr(W>D
req)=αから必要帯域の近似値Rprob=Rを見積もる
ことができる。もっとも、仮定したトラヒックモデルが
実際のトラヒックを表現できない場合や、モデルによっ
ては近似解しか得られない場合があるので、ここで見積
もった近似値Rprobにはある程度の誤差が含まれる。
【0011】ここで、トラヒックモデルとして一般的に
利用されている2状態 Markov modulated Poisson proc
ess (MMPP)を採用すると、そのモデルパラメータ
は高負荷/低負荷状態の各継続時間と各状態の負荷にな
る(例えば、H.Heffes and D.M.Lucantoni,”A Markov
Modulated Characterization of Packetized Voiceand
Data Traffic and Related Statistical Multiplexer
Performance,”IEEEJournal on Selected Area in Com
munications、Vol.4、No.6、Sept.,1986.を参照)。こ
れらのパラメータは、アプリケーションが直接測定でき
る統計量からは簡単には変換できない。また、このモデ
ルを解く場合、ラプラス変換と反復計算の必要があり数
値解の算出に時間がかかるという問題がある。
【0012】本方法によるパラメータ見積もり方法を実
現するための実施形態は図2のようになる。なお、同図
において図1と同じ構成要素には同一の符号を付してあ
る。受信端末1に設けられた確率的値Rprob算出部6
は、アプリケーション本体3から要求遅延Dreq ,その
超過を許容する確率α,TSpec の平均レートrをそれぞ
れ受け取る。そして、これらと自身で保持しているトラ
ヒックの統計的性質をもとに、前述した算出式でR=R
probを算出し、結果をアプリケーション本体3に戻す。
アプリケーションはこの保証帯域RをRSpec として、フ
ローの設定をネットワーク4に依頼する。フローが設定
されれば送信端末5からデータが送信される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
〔課題1〕TSpecから見積もったR=Rboundでは過剰。
実際のアプリケーションは、申告したトラヒックパラメ
ータ(TSpec) で規定される最悪トラヒックを生成する
ことはない、つまり、実際のトラヒックはTSpec よりも
少ないので、要求遅延DreqからTSpecの最悪トラヒック
を想定して算出した上限値Rboundを保証帯域Rとして
採用すると、遅延時間が要求遅延Dreqよりも必要以上
に小さくなることが想定される。言い換えると、保証帯
域Rが大きく見積もられてしまうという問題がある。こ
のことはネットワーク資源の無駄遣いというだけではな
く、例えばネットワークの料金体系が帯域に比例して高
くなる場合、コスト面でも無駄になる。
【0014】〔課題2〕トラヒックの統計量から見積も
ったR=Rprobでは低精度。トラヒックの統計量を利用
して、要求遅延Dreq をαの確率で満たすように、近似
式によって算出した近似値Rprobを保証帯域Rとして採
用すると、実際のトラヒックと採用したトラヒックモデ
ルとの近似の精度と、保証帯域算出式の近似の程度によ
って、得られる遅延時間の要求遅延Dreqからのずれが
大きくなる。
【0015】〔課題3〕フロー設定パラメータをネゴシ
エーション(再申告)する場合、Rの選択指針がない。
フローが受け付けられなかった場合、RSpec のパラメー
タをネットワークとネゴシエーションする必要がある
が、通常、アプリケーションの採用するRSpec パラメー
タは一度決めると固定的であり、変更できるとしても変
更可能な範囲や変更指針が何もないので、ユーザが試行
錯誤で適当な値に変更するしかない。
【0016】〔課題4〕最初のフロー設定パラメータに
は見積もり誤差がある。フロー設定の際のRSpec パラメ
ータの見積もりには誤差がある上、ユーザの使用状況が
変化する可能性もあり、最初に設定したパラメータが最
適になるとは限らない。また、アプリケーション動作中
にこのパラメータをできるだけ最適な値に修正したいと
いう要求があるが、パラメータを変更できるとしても変
更可能な範囲や変更指針が何もないので、ユーザが試行
錯誤で適当な値に変更するしかない。
【0017】〔課題5〕トラヒックの統計的性質はユー
ザの使い方によって変動する。近似値Rprobを見積もる
ためのトラヒックの統計的性質は、そのアプリケーショ
ンが使われる環境やユーザの使い方によって変動する。
【0018】〔課題6〕MMPPのパラメータは測定可
能な統計量ではない。一般的に使われているMMPPを
トラヒックモデルとして採用するとした場合、測定可能
な統計量からそのモデルパラメータ(高負荷/低負荷状
態の各継続時間と各状態の負荷)に変換する必要があ
る。また、これを解く場合、ラプラス変換と反復計算の
必要があり数値解の算出に時間がかかるという問題があ
る。
【0019】〔課題7〕バーストに特徴的な長さがない
場合に対処できない。LAN(Local Area Network)ト
ラヒックなどでは、バーストに特徴的な長さがなく(な
いしはバースト長が非常に広い幅にわたって存在し)、
時間単位を変えると、分散が時間単位の増加に対してべ
き関数的に増加するという統計的性質を有することが知
られている。一方、バースト長が有限のMMPPなどで
は、ある程度時間単位が増加すれば分散は一定値に収束
することが知られている。したがって、MMPPなどの
トラヒックモデルでは上記のような統計的特性を表現で
きないという問題がある。そこで、バーストに特徴的な
長さがないトラヒックの場合の対処が課題となる。
【0020】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、以下に述べるアプリケーションによ
るIP品質保証サービスのパラメータ決定方法を提供す
ることにある。 1. 過大,過小な割り当てをなくすことで、資源量の
無駄を省いて帯域の見積もり誤差による品質劣化を解消
する。 2. アプリケーションがフロー設定パラメータをネゴ
シエーションする際の保証帯域の変更基準を定式化す
る。
【0021】3. アプリケーション動作中におけるフ
ロー設定パラメータをできるだけ最適な値に修正できる
ようにする。 4. アプリケーションの動作環境やユーザの使い方に
よって変動する実際の統計的特性に追従して、アプリケ
ーションの統計的トラヒック特性パラメータを変更でき
るようにして、利用条件による見積もり誤差を解消す
る。 5. 測定可能な統計量をモデルパラメータとして含
み、数値解が容易に算出可能なトラヒックモデルを用い
てIP品質保証サービスのパラメータを決定する。 6. バーストに特徴的な長さがないトラヒック入力に
も対処可能なIP品質保証サービスのパラメータ決定方
法を提供する。
【0022】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、アプリケーションフロー
毎に帯域保証を可能とするスケジューリングメカニズム
を有するルータが網的に接続されているIPネットワー
クを経由して、相互につながっている端末間で動作する
アプリケーションが、トラヒックの上限を規定するトラ
ヒックパラメータを申告し、エンド−エンドのパケット
転送遅延時間として要求遅延Dreq の保証を要求してI
P品質保証サービスを利用する際に、該IP品質保証サ
ービスを規定する品質パラメータである保証帯域Rの値
を決定するアプリケーションによるIP品質保証サービ
スのパラメータ決定方法において、前記トラヒックパラ
メータで制限されるトラヒックを想定した場合に、前記
要求遅延Dreq のエンド−エンドのパケット転送遅延時
間を保証するのに必要な帯域の上限値Rbound と、前記
エンド−エンドのパケット転送遅延時間が前記要求遅延
req を越える確率が、ユーザ又は前記アプリケーショ
ンにとって支障がない値α未満となるように、前記アプ
リケーションが自身で保持する統計的トラヒック特性お
よび前記トラヒックパラメータで表現されるエンド−エ
ンドパケット転送遅延時間分布の近似式から算出される
帯域の近似値Rprobとに基づいて、 関係式R=(1−
β)R bound+βRprob (0≦β≦1)により前記保証
帯域Rを見積もることを特徴としている。
【0023】また、請求項2記載の発明は、アプリケー
ションフロー毎に帯域保証を可能とするスケジューリン
グメカニズムを有するルータが網的に接続されているI
Pネットワークを経由して、相互につながっている端末
間で動作するアプリケーションが、トラヒックの上限を
規定するトラヒックパラメータを申告し、エンド−エン
ドのパケット転送遅延時間として要求遅延Dreq の保証
を要求してIP品質保証サービスを利用する際に、該I
P品質保証サービスを規定する品質パラメータである保
証帯域Rの値を決定するアプリケーションによるIP品
質保証サービスのパラメータ決定方法において、最初の
保証帯域Rの設定値では前記IPネットワークに受け付
けられなかった場合に、前記トラヒックパラメータで制
限されるトラヒックを想定した場合に、前記要求遅延D
req のエンド−エンドのパケット転送遅延時間を保証す
るのに必要な帯域の上限値Rbound と、前記エンド−エ
ンドのパケット転送遅延時間が前記要求遅延Dreq を越
える確率が、ユーザ又は前記アプリケーションにとって
支障がない値α未満になるように、前記アプリケーショ
ンが自身で保持する統計的トラヒック特性および前記ト
ラヒックパラメータで表現されるエンド−エンドパケッ
ト転送遅延時間分布の近似式から算出される帯域の近似
値Rprobとに基づいて、前記IPネットワークに要求す
る品質パラメータの保証帯域Rを Rprob≦R≦R
bound の範囲において (Rbound−Rpro b)/n(n
>0) の刻み幅で減少させて見積もり、前記IPネッ
トワークとネゴシエーションすることを特徴としてい
る。
【0024】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の保証帯域Rの見積もり方法に従ってアプリケーショ
ン開始時における保証帯域Rを決定し、該保証帯域Rが
前記IPネットワークに受け付けられない場合に、請求
項2記載の保証帯域Rのネゴシエーション方法に従って
前記保証帯域Rを逐次変更して再設定することを特徴と
している。
【0025】また、請求項4記載の発明は、アプリケー
ションフロー毎に帯域保証を可能とするスケジューリン
グメカニズムを有するルータが網的に接続されているI
Pネットワークを経由して、相互につながっている端末
間で動作するアプリケーションが、トラヒックの上限を
規定するトラヒックパラメータを申告し、エンド−エン
ドのパケット転送遅延時間として要求遅延Dreq の保証
を要求してIP品質保証サービスを利用する際に、該I
P品質保証サービスを規定する品質パラメータである保
証帯域Rの値を決定するアプリケーションによるIP品
質保証サービスのパラメータ決定方法において、前記ト
ラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想定した
場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドのパケッ
ト転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限値R
bound と、前記エンド−エンドのパケット転送遅延時間
が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は前記
アプリケーションにとって支障がない値α未満になるよ
うに、前記アプリケーションが自身で保持する統計的ト
ラヒック特性および前記トラヒックパラメータで表現さ
れるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式
から算出される帯域の近似値Rprobとに基づいて、前記
アプリケーションを動作させながらエンド−エンドのパ
ケット転送遅延時間D*を測定し、該転送遅延時間D*
前記要求遅延D reqを越える確率Pr(D*>Dreq)が
Pr(D*>Dreq)<αを満たす最も小さい値となるよ
うに、前記IPネットワークに要求する品質パラメータ
の保証帯域Rを Rprob≦R≦Rbound の範囲で増減さ
せて調整することを特徴としている。
【0026】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
3の何れかの項記載の保証帯域Rの見積もり方法に従っ
てアプリケーション開始時における保証帯域Rを決定
し、前記アプリケーションを動作させながら、請求項4
記載の保証帯域Rの調整方法に従って前記保証帯域Rを
逐次変更することを特徴としている。また、請求項6記
載の発明は、請求項1〜5の何れかの項記載の発明にお
いて、前記アプリケーションの動作時にトラヒックを測
定し、前記統計的トラヒック特性を表現するパラメータ
k を、測定時点での設定値X0kと測定されたトラヒッ
クのデータから算出される統計値X* kをもとにして、
k=(1−γk)X0k+γk* k(0≦γk≦1) に更
新して保持する手続きを前記アプリケーションが有する
ことを特徴としている。
【0027】また、請求項7記載の発明は、請求項1〜
6の何れかの項記載の発明において、前記統計的トラヒ
ック特性として漸近分散定数c2 および規格化3次モー
メントm3 を採用し、これらと前記トラヒックパラメー
タのうちの平均レートrによって統計的に規定される一
般分布トラヒック入力のGI/D/1待ち行列システム
を解析して得られるエンド−エンドパケット転送遅延時
間分布の近似式を利用して前記近似値Rprobを算出する
ことを特徴としている。
【0028】また、請求項8記載の発明は、請求項1〜
6の何れかの項記載の発明において、前記統計的トラヒ
ック特性として分散平均比aと自己相似性パラメータH
を採用し、これらと前記トラヒックパラメータのうちの
平均レートrによって統計的に規定されるFBMトラヒ
ック入力の待ち行列システムを解析して得られるエンド
−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式を利用して
前記近似値Rprobを算出することを特徴としている。
【0029】また、請求項9記載の発明は、アプリケー
ションフロー毎に帯域保証を可能とするスケジューリン
グメカニズムを有するルータが網的に接続されているI
Pネットワークを経由して、相互につながっている端末
間で動作するアプリケーションが、トラヒックの上限を
規定するトラヒックパラメータを申告し、エンド−エン
ドのパケット転送遅延時間として要求遅延Dreq の保証
を要求してIP品質保証サービスを利用する際に、該I
P品質保証サービスを規定する品質パラメータである保
証帯域Rの値を決定するIP品質保証サービスのパラメ
ータ決定プログラムにおいて、前記トラヒックパラメー
タで制限されるトラヒックを想定した場合に、前記要求
遅延Dreq のエンド−エンドのパケット転送遅延時間を
保証するのに必要な帯域の上限値Rbound を算出する上
限値算出処理と、前記トラヒックパラメータで制限され
るトラヒックを想定した場合に、前記エンド−エンドの
パケット転送遅延時間が前記要求遅延Dreq を越える確
率が、ユーザ又は前記アプリケーションにとって支障が
ない値α未満となるように、前記アプリケーションが保
持する統計的トラヒック特性および前記トラヒックパラ
メータで表現されるエンド−エンドパケット転送遅延時
間分布の近似式から帯域の近似値Rprobを算出する近似
値算出処理と、関係式R=(1−β)Rbound+βR
prob (0≦β≦1)により前記保証帯域Rを見積もる
見積処理とを前記端末内のコンピュータに実行させるこ
とを特徴としている。
【0030】また、請求項10記載の発明は、アプリケ
ーションフロー毎に帯域保証を可能とするスケジューリ
ングメカニズムを有するルータが網的に接続されている
IPネットワークを経由して、相互につながっている端
末間で動作するアプリケーションが、トラヒックの上限
を規定するトラヒックパラメータを申告し、エンド−エ
ンドのパケット転送遅延時間として要求遅延Dreq の保
証を要求してIP品質保証サービスを利用する際に、該
IP品質保証サービスを規定する品質パラメータである
保証帯域Rの値を決定するIP品質保証サービスのパラ
メータ決定プログラムにおいて、最初の保証帯域Rの設
定値が前記IPネットワークに受け付けられなかったこ
とを検出する要求受付判定処理と、前記トラヒックパラ
メータで制限されるトラヒックを想定した場合に、前記
要求遅延Dreq のエンド−エンドのパケット転送遅延時
間を保証するのに必要な帯域の上限値Rbound を算出す
る上限値算出処理と、前記トラヒックパラメータで制限
されるトラヒックを想定した場合に、前記エンド−エン
ドのパケット転送遅延時間が前記要求遅延Dreq を越え
る確率が、ユーザ又は前記アプリケーションにとって支
障がない値α未満になるように、前記アプリケーション
が保持する統計的トラヒック特性および前記トラヒック
パラメータで表現されるエンド−エンドパケット転送遅
延時間分布の近似式から帯域の近似値Rprobを算出する
近似値算出処理と、前記IPネットワークに要求する品
質パラメータの保証帯域Rを Rprob≦R≦Rbound
範囲において (Rbound−Rprob)/n(n>0) の
刻み幅で減少させて前記IPネットワークとネゴシエー
ションする見積処理とを前記端末内のコンピュータに実
行させることを特徴としている。
【0031】また、請求項11記載の発明は、請求項9
記載の見積処理に従ってアプリケーション開始時におけ
る保証帯域Rを決定し、請求項10記載の要求受付判定
処理において該保証帯域Rが前記IPネットワークに受
け付けられないことが検出された場合に、請求項10記
載の見積処理に従って前記保証帯域Rを逐次変更して再
設定する処理を前記端末内のコンピュータに実行させる
ことを特徴としている。
【0032】また、請求項12記載の発明は、アプリケ
ーションフロー毎に帯域保証を可能とするスケジューリ
ングメカニズムを有するルータが網的に接続されている
IPネットワークを経由して、相互につながっている端
末間で動作するアプリケーションが、トラヒックの上限
を規定するトラヒックパラメータを申告し、エンド−エ
ンドのパケット転送遅延時間として要求遅延Dreq の保
証を要求してIP品質保証サービスを利用する際に、該
IP品質保証サービスを規定する品質パラメータである
保証帯域Rの値を決定するIP品質保証サービスのパラ
メータ決定プログラムにおいて、前記トラヒックパラメ
ータで制限されるトラヒックを想定した場合に、前記要
求遅延Dreq のエンド−エンドのパケット転送遅延時間
を保証するのに必要な帯域の上限値Rbound を算出する
上限値算出処理と、前記トラヒックパラメータで制限さ
れるトラヒックを想定した場合に、前記エンド−エンド
のパケット転送遅延時間が前記要求遅延Dreq を越える
確率が、ユーザ又は前記アプリケーションにとって支障
がない値α未満になるように、前記アプリケーションが
保持する統計的トラヒック特性および前記トラヒックパ
ラメータで表現されるエンド−エンドパケット転送遅延
時間分布の近似式から帯域の近似値Rprobを算出する近
似値算出処理と、前記アプリケーションを動作させなが
らエンド−エンドのパケット転送遅延時間D*を測定
し、該転送遅延時間D*が前記要求遅延D reqを越える確
率Pr(D*>Dreq)が Pr(D*>Dreq)<αを満
たす最も小さい値となるように、前記IPネットワーク
に要求する品質パラメータの保証帯域Rを Rprob≦R
≦Rbound の範囲で増減させて調整する調整処理とを
前記端末内のコンピュータに実行させることを特徴とし
ている。
【0033】また、請求項13記載の発明は、請求項9
〜11の何れかの項記載の見積処理に従ってアプリケー
ション開始時における保証帯域Rを決定し、前記アプリ
ケーションを動作させながら、請求項12記載の調整処
理に従って前記保証帯域Rを逐次変更する処理を前記端
末内のコンピュータに実行させることを特徴としてい
る。また、請求項14記載の発明は、請求項9〜13の
何れかの項記載の発明において、前記アプリケーション
の動作時にトラヒックを測定するトラヒック測定処理
と、前記統計的トラヒック特性を表現するパラメータX
k を、測定時点での設定値X0kと測定されたトラヒック
のデータから算出される統計値X* kをもとにして、 Xk
=(1−γk)X0k+γk* k(0≦γk≦1) に更新し
て前記アプリケーションに保持させる更新処理とを前記
端末内のコンピュータに実行させることを特徴としてい
る。
【0034】また、請求項15記載の発明は、請求項9
〜14の何れかの項記載の発明において、前記近似値算
出処理は、前記統計的トラヒック特性として漸近分散定
数c 2 および規格化3次モーメントm3 を採用し、これ
らと前記トラヒックパラメータのうちの平均レートrに
よって統計的に規定される一般分布トラヒック入力のG
I/D/1待ち行列システムを解析して得られるエンド
−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式を利用して
前記近似値Rprobを算出することを特徴としている。ま
た、請求項16記載の発明は、請求項9〜14の何れか
の項記載の発明において、前記近似値算出処理は、前記
統計的トラヒック特性として分散平均比aと自己相似性
パラメータHを採用し、これらと前記トラヒックパラメ
ータのうちの平均レートrによって統計的に規定される
FBMトラヒック入力の待ち行列システムを解析して得
られるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近似
式を利用して前記近似値Rprobを算出することを特徴と
している。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。ここで、本発明は、端末上で
動作するソフトウェアにより実現することが可能であ
り、当該ソフトウェアは端末内に設けられたプログラム
制御のコンピュータ上で走行する。すなわち、本発明を
実現するためのコンピュータプログラム(IP品質保証
サービスのパラメータ決定プログラム)は様々な記録媒
体に格納されて提供されるもので、これら記録媒体から
コンピュータ上に読み込まれて当該コンピュータのハー
ドウェアを制御することになる。
【0036】記録媒体としては例えば、フロッピーディ
スク,ハードディスク,磁気テープ,磁気カード,磁気
ドラムなどの磁気記録媒体、メモリチップ,IC(集積
回路)カードなどの半導体記録媒体、CD−ROM(コ
ンパクトディスク・リード・オンリー・メモリ),光デ
ィスク,光カードなどの光学記録媒体、MO(光磁気)
ディスクなど種々のものが考えられ、これら以外の各種
の情報記憶メディアであって良い。
【0037】以下、端末上で動作するプログラムの指令
に基づいて、端末内のコンピュータが行う処理手順につ
いて説明する。 〔手法1〕〈上限値Rbound と確率的近似値Rprobの組
み合わせによる保証帯域Rの決定方法〉 RSpecの保証帯域RをTSpec から見積もった上限値R
boundとすると、エンド−エンド端末間で得られる遅延
時間は必要以上に小さくなる。つまり、R=Rboun d
過剰な割り当てになるという問題がある(課題1)。ま
た、アプリケーショントラヒックの統計量から近似を用
いて確率的に見積もったR=Rprobでは低精度であると
いう問題がある(課題2)。これらの問題を解決するた
めに、上限値Rbound と確率的近似値Rprobを利用して
保証帯域Rを見積もる方法を提案する。
【0038】エンド−エンド端末間でフローの経由する
ネットワークの状態Adspec(Ctot,Dtot) をアプリ
ケーションが事前に所有していて、アプリケーションが
申告するIP品質保証サービスのトラヒックパラメータ
TSpec (平均レートr,ピークレートp,バーストサイ
ズb,最大パケットサイズM)で制限されるトラヒック
を想定した場合に、要求遅延Dreq のエンド−エンドパ
ケット転送遅延時間を保証するために必要な帯域の上限
値(Rbound=R)を
【数2】 により算出する。一方、もしもAdspecがアプリケーショ
ンに通知されていなければRbound=pとおく。
【0039】次に、アプリケーションの発生するトラヒ
ックモデルを仮定すれば、エンド−エンドパケット転送
遅延時間Wが要求遅延Dreqを越える確率Pr(W>D
req)は、TSpec の平均レートrと仮定したモデルの統
計的特性を表すパラメータと保証レートRを使って近似
的に解くことができる。したがって、TSpec 以外の統計
的トラヒック特性をアプリケーション自身が保持し、エ
ンド−エンドパケット転送遅延時間が要求遅延Dreq
越える確率がユーザやアプリケーションにとって支障の
ない程度である確率をαとして、 Pr(W>Dreq)=
αから、要求遅延Dreq のエンド−エンドパケット転送
遅延時間を確率的に保証するために必要な帯域の近似値
prob=Rが算出できる。
【0040】そして、帯域の上限値Rbound と確率的近
似値Rprobを組み合わせて、式R=(1−β)Rbound
+βRprob (0≦β≦1)により保証帯域Rを見積も
る。ただし、βの値は、アプリケーションに固定的に埋
め込まれているか、ユーザ自身が経験に基づいて選択す
るか、後述する〔手法3〕の方法による保証帯域Rの最
適値を利用して算出することになる。以上のように、本
手法によれば、過剰な見積もり値になることが想定され
るTSpecに基づく上限値Rboundと、トラヒックの統計量
から見積もった低精度の確率的近似値Rprobの間にRSpe
c の保証帯域Rを設定することで、過大または過小な割
り当てをなくすことができる。これにより、資源量の無
駄をなくして帯域の見積もり誤差による品質劣化を解消
できる。
【0041】〔手法2〕〈フロー設定時のパラメータネ
ゴシエーションにおける保証帯域Rの選択機構を含む方
法〉 〔手法1〕によれば、RSpecの保証帯域Rを上限値R
boundよりも小さく,低精度の確率的近似値Rprobより
も大きく見積もることで、資源量の無駄をなくし帯域の
見積もり誤差による品質劣化を解消できる。しかし、最
初に決定したパラメータでフローを設定した時に、その
パラメータ値ではフローが受け付けられなかった場合、
再設定する際のパラメータ値の変え方は含まれていな
い。つまり、上限値Rbound または確率的近似値Rprob
を単独で用いて保証帯域Rを見積もる場合の見積もり誤
差の問題以外に、フロー設定パラメータをネゴシエーシ
ョンする場合に保証帯域Rの変更可能範囲などのパラメ
ータの選択指針がないという問題がある(課題3)。そ
こで、フローが受け付けられなかった場合に、ネットワ
ークとネゴシエーションして再設定する際のパラメータ
値の更新機構を含む方法を提案する。
【0042】エンド−エンド端末間でフローの経由する
ネットワークの状態 Adspec(Ctot,Dtot) をアプリ
ケーションが事前に所有していて、アプリケーションが
申告するIP品質保証サービスのトラヒックパラメータ
TSpec (平均レートr,ピークレートp,バーストサイ
ズb,最大パケットサイズM)で制限されるトラヒック
を想定した場合に、要求遅延Dreq のエンド−エンドパ
ケット転送遅延時間を保証するために必要な帯域の上限
値(Rbound=R)を
【数3】 により算出する。一方、もしもAdspecがアプリケーショ
ンに通知されていなければRbound=pとおく。
【0043】次に、アプリケーションの発生するトラヒ
ックモデルを仮定すれば、エンド−エンドパケット転送
遅延時間Wが要求遅延Dreqを越える確率Pr(W>D
req)は、TSpec の平均レートrと仮定したモデルの統
計的特性を表すパラメータと保証レートRを使って近似
的に解くことができる。したがって、TSpec 以外の統計
的トラヒック特性をアプリケーション自身が保持し、エ
ンド−エンドパケット転送遅延時間が要求遅延Dreq
越える確率がユーザやアプリケーションにとって支障の
ない程度である確率をαとして、 Pr(W>Dreq)=
αから、要求遅延Dreq のエンド−エンドパケット転送
遅延時間を確率的に保証するために必要な帯域の近似値
prob=Rが算出できる。
【0044】そして、アプリケーションが申告するトラ
ヒックパラメータ(TSpec) で制限されるトラヒックを
想定した場合に、要求遅延Dreq のエンド−エンドパケ
ット転送遅延時間を保証するために必要な帯域の上限値
(Rbound)と、アプリケーションが自身で保持する統計
的トラヒック特性を利用して、エンド−エンドパケット
転送遅延時間が要求遅延Dreq を越える確率がユーザや
アプリケーションにとって支障がない値(α)未満にな
るよう、TSpec および統計的トラヒック特性を使って表
現できるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近
似式から算出した帯域の近似値(Rprob)とをもとにし
て、最初の設定値ではネットワークに受け付けられない
場合に、ネットワークに要求するRSpec の保証帯域Rを
prob≦R≦Rboundの範囲で、(Rbound−Rprob)/
n(n>0)の刻み幅で減少させてネゴシエーションす
ることでパラメータを決定する。
【0045】なお、最初にネットワークに要求するRSpe
c の保証帯域Rを〔手法1〕に示すR=(1−β)R
bound+βRprob (0≦β≦1)で申告して、受け付け
られない時に、上記の刻み幅で徐々に受け付けられる値
に減少する方法もある。以上のように、本手法では、フ
ロー設定時のパラメータネゴシエーションにおける保証
帯域Rの変更基準を上限値Rbound と確率的近似値R
probを利用して定式化している。これにより、アプリケ
ーションの採用するRSpec パラメータが一度決めると固
定的であって、変更できるとしても変更可能な範囲や変
更指針が何もなく、ユーザが試行錯誤で適当な値に変更
するしかないという問題が解消される。
【0046】〔手法3〕〈パケット転送遅延D* 測定に
基づく更新手続きを含む保証帯域Rの決定方法〉 〔手法1〕によれば、RSpecの保証帯域Rを、上限値R
boundよりも小さく,低精度の確率的近似値Rprobより
も大きく見積もることで、資源量の無駄をなくし帯域の
見積もり誤差による品質劣化を解消できる。しかし、ユ
ーザの使用状況の変化による変動があり、なおかつ確率
的近似値Rprobの見積もり誤差があるために、〔手法
1〕では最適な値になるとは限らない(課題4)。ま
た、〔手法2〕ではネットワークとのネゴシエーション
を含む方法を提案したが、この場合も同様に見積もり誤
差が含まれ、最適な値とはならない。そこで、アプリケ
ーション開始時に見積もった保証帯域Rの見積もり誤差
を解消するために、アプリケーション動作中にトラヒッ
クを測定することによりRを最適な値に近づけるよう更
新する機構を含む方法を提案する。
【0047】エンド−エンド端末間でフローの経由する
ネットワークの状態 Adspec(Ctot,Dtot) をアプリ
ケーションが事前に所有していて、アプリケーションが
申告するIP品質保証サービスのトラヒックパラメータ
TSpec (平均レートr,ピークレートp,バーストサイ
ズb,最大パケットサイズM)で制限されるトラヒック
を想定した場合に、要求遅延Dreq のエンド−エンドパ
ケット転送遅延時間を保証するために必要な帯域の上限
値(Rbound=R)を
【数4】 により算出する。一方、もしもAdspecがアプリケーショ
ンに通知されていなければRbound=pとおく。
【0048】次に、アプリケーションの発生するトラヒ
ックモデルを仮定すれば、エンド−エンドパケット転送
遅延時間Wが要求遅延Dreqを越える確率Pr(W>D
req)は、TSpec の平均レートrと仮定したモデルの統
計的特性を表すパラメータと保証レートRを使って近似
的に解くことができる。したがって、TSpec 以外の統計
的トラヒック特性をアプリケーション自身が保持し、エ
ンド−エンドパケット転送遅延時間が要求遅延Dreq
越える確率がユーザやアプリケーションにとって支障の
ない程度である確率をαとして、 Pr(W>Dreq)=
αから、要求遅延Dreq のエンド−エンドパケット転送
遅延時間を確率的に保証するために必要な帯域の近似値
prob=Rが算出できる。
【0049】そして、アプリケーションが申告するトラ
ヒックパラメータ(TSpec) で制限されるトラヒックを
想定した場合に、要求遅延Dreq のエンド−エンドパケ
ット転送遅延時間を保証するために必要な帯域の上限値
(Rbound)と、アプリケーションが自身で保持する統計
的トラヒック特性を利用して、エンド−エンドパケット
転送遅延時間が要求遅延Dreq を越える確率がユーザや
アプリケーションにとって支障がない値(α)未満にな
るよう、TSpec および統計的トラヒック特性を使って表
現できるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近
似式から算出した帯域の近似値(Rprob)とをもとにし
て、アプリケーションを動作させつつ、エンド−エンド
パケット転送遅延時間D* を測定し、この転送遅延時間
が要求遅延Dreq を越える確率がPr(D*>Dreq)<
αを満たす最も小さいものになるように、ネットワーク
に要求するRSpecの保証帯域Rを Rprob≦R≦Rbound
の範囲で増減させて調整することにより最適なパラメー
タを決定する。
【0050】なお、この場合、増減幅を(Rbound−R
prob)/n (n>0)とすることも考えられる。ま
た、アプリケーションの開始時に、ネットワークに要求
するRSpec の保証帯域Rを〔手法1〕に示すR=(1−
β)Rbound+βRprob (0≦β≦1)で申告して、ア
プリケーション動作時に転送遅延時間D* を測定しつ
つ、上記の刻み幅で徐々に適切な値に変更する方法もあ
る。さらに、Rの算出式に含まれるβを適切な値に更新
するために、ここで見出したRの最適値を利用して、こ
れと「(1−β)Rbound+βRprob 」が等しいとして
算出したβを、新たな値として採用する方法もある。
【0051】以上のように、本手法では、エンド−エン
ドパケット転送遅延時間D* を測定し、保証帯域Rが最
適でない場合に、上限値Rbound と確率的近似値Rprob
を使って定式化された変更幅の基準に従って保証帯域R
を変更している。これにより、アプリケーション動作中
に、フロー設定の際のRSpec パラメータの見積もり誤差
をできるだけ最適な値に修正する際に、パラメータを変
更できるとしても変更可能な範囲や変更指針が何もな
く、ユーザまたはアプリケーションが試行錯誤で適当な
値に変更するしかなかったという問題が解消される。
【0052】〔手法4〕〈トラヒック測定によるアプリ
ケーションの統計的トラヒック特性パラメータの更新を
含む方法〉 〔手法1〕によれば、RSpecの保証帯域Rを、上限値R
boundよりも小さく,低精度の確率的近似値Rprobより
も大きく見積もることで、資源量の無駄をなくし帯域の
見積もり誤差による品質劣化を解消できる。しかし、ユ
ーザの使用状況の変化による変動があり、なおかつ確率
的近似値Rprobの見積もり誤差があるために、〔手法
1〕では最適な値になるとは限らない。また、〔手法
2〕ではネットワークとのネゴシエーションを含む方法
を提案したが、この場合も同様に見積もり誤差が含ま
れ、最適な値とはならない。さらに〔手法3〕では、ア
プリケーション開始時に見積もった保証帯域Rの見積も
り誤差を解消するために、アプリケーション動作中にト
ラヒックを測定しながら保証帯域Rを最適な値に近づけ
るように更新する機構を含む方法を提案した。
【0053】しかし、初期の見積もり誤差を小さくして
おかなければ、この更新処理を効率的に実行することが
できない。そこで、初期の見積もり誤差をできるだけ小
さくする(課題5)ために、この誤差の原因となる確率
的近似値Rprobを算出するための統計的トラヒック特性
をアプリケーションの動作環境に応じて柔軟に変更する
処理を含む方法を提案する。
【0054】すなわち、アプリケーション動作時にトラ
ヒックを測定し、アプリケーションが自身で保持する統
計的トラヒック特性(これを表現するパラメータをXk
とする)を、測定時点での設定値(X0k)と測定データ
から算出された統計値(X* k)をもとに、Xk=(1−
γk)X0k+γk* k(0≦γk≦l)に更新して保持す
る。そして、次のアプリケーション実行時に、更新した
このパラメータを使って確率的近似値Rprobを算出する
ことにより保証帯域Rを見積もる。なお、本手法4は
〔手法1〕〜〔手法3〕のそれぞれと組み合わせて利用
することになる。以上のように、本手法によれば、確率
的近似値Rprobを見積もるためのアプリケーションの統
計的トラヒック特性パラメータを測定に基づいて更新す
るようにいている。これにより、保証帯域Rが、アプリ
ケーションの動作環境やユーザの使い方によって変動す
る実際の統計的特性に追従するようになって、利用条件
による見積もり誤差を解消できる。
【0055】〔手法5〕〈統計的トラヒック特性として
GI/D/1待ち行列システムを利用する方法〉 〔手法1〕〜〔手法4〕においては、確率的近似値R
probを算出するために何らかのトラヒックモデルを仮定
する必要がある。しかし、一般に利用されているMMP
Pでは、測定可能な統計量からモデルパラメータへの変
換が容易ではなく、また、数値として解く場合時間がか
かるという問題がある(課題6)。そこで、測定可能な
統計量をモデルパラメータとして含み、数値解が容易に
算出できるトラヒックモデルを利用して確率的近似値R
probを算出し、これをもとに保証帯域Rを見積もる方法
を提案する。
【0056】ここでは、トラヒックモデルとして平均レ
ート(r),漸近分散定数(c2 ),規格化3次モーメ
ント(m3 )で規定される一般分布入力モデルを採用す
る。ここで、平均レートはTSpec のものと同一であるの
で、アプリケーションが保持すべき統計的トラヒック特
性は漸近分散定数c2および規格化3次モーメントm3
いうことになる。これらの特性パラメータとTSpec の平
均レートrを用いてGI/D/1待ち行列システムを解
析すると、エンド−エンドパケット転送遅延時間分布の
近似式は下式で表現される( A.W.Berger and W.Whit
t、”Maximum Values in Queueing Processes,”Proba
bility in the Engineering and Information Science
s、Vol.9、1995.)。
【数5】 ただし、
【数6】
【0057】この近似式を利用して、Pr(W>
req)=αとなるように Rprob=Rを算出する。この
確率的近似値Rprobは、保証帯域Rを見積もるために
〔手法1〕〜〔手法4〕のいずれかの中で利用される。
特に、〔手法4〕と組み合わせた場合における統計的ト
ラヒック特性の更新手続きは以下のようになる。
【0058】すなわち、GI/D/1待ち行列システム
を利用する場合、アプリケーションが保持する統計的ト
ラヒック特性として漸近分散定数c2 と規格化3次モー
メントm3 が存在する。アプリケーションは、開始時か
ら時刻tまでの間にネットワークに入力するトラヒック
量A(t)の平均EA(t),分散VarA(t),規
格化3次モーメントm* 3をそれぞれ測定して、漸近分散
定数を
【数7】 により計算する。そして、測定時点での設定値c0 2,m
03と測定データから算出された統計値c*2,m* 3をもと
に、c2=(1−γc2)c0 2+γc2*2,m3=(1−γ
m3)m03+γm3* 3に更新して保持する。
【0059】以上のように、本手法では、測定可能な統
計量をパラメータとするGI/D/1待ち行列システム
を採用し、これから得られるエンド−エンドパケット転
送遅延時間分布の近似式を利用して確率的近似値Rprob
を見積もっている。これにより、MMPPを採用して確
率的近似値Rprobを見積もる場合のように、測定可能な
統計量からそのモデルパラメータ(高負荷/低負荷状態
の各継続時間と各状態の負荷)に変換する手間と、これ
を解く際にラプラス変換と反復計算の必要があって算出
に時間がかかるという問題が解消される。
【0060】〔手法6〕〈統計的トラヒック特性として
Fractional Brownian Motion(FBMトラヒックモデル
を利用する方法〉 〔手法1〕〜〔手法4〕において、確率的近似値Rprob
を算出するためには何らかのトラヒックモデルを仮定す
る必要がある。しかし、一般に利用されているMMPP
では、測定可能な統計量からモデルパラメータへの変換
が容易ではなく、また数値として解く場合時間がかかる
という問題がある(課題6)。
【0061】さらに、LANトラヒックなどでは、バー
ストに特徴的な長さがなく(ないしは、バースト長が非
常に広い幅にわたって存在し)、時間単位を変えると、
分散が時間単位の増加に対してべき関数的に増加すると
いう統計的性質を有することが知られている。アプリケ
ーショントラヒックがこうした性質を有する場合、MM
PPや〔手法5〕で示したトラヒックモデルでは、この
ような統計的特性を表現できないという問題が生じる
(課題7)。そこで、バーストに特徴的な長さがないト
ラヒックに対して、測定可能な統計量をモデルパラメー
タとして含み、数値解が容易に算出できるトラヒックモ
デルを利用して確率的近似値Rprobを算出し、これをも
とに保証帯域Rを見積もる方法を提案する。
【0062】ここでは、アプリケーションが保持する統
計的トラヒック特性として、分散平均比(a)と自己相
似性パラメータ(H)を採用し、これらとTSpec の平均
レート(r)により統計的に規定されるFBMトラヒッ
クモデルを入力トラヒックとして採用する。本トラヒッ
ク入力の待ち行列システムを解析すると、エンド−エン
ドパケット転送遅延時間分布は、以下のように得られる
(I.Norros、”A Storage Model with Self-similar In
put,”Queueing Systems、Vol.16、1994.)。
【数8】
【0063】これを利用して、Pr(W>Dreq)=α
となるように帯域の近似値 Rprob=Rを算出する。こ
の確率的近似値Rprobは、保証帯域Rを見積もるために
〔手法1〕〜〔手法4〕のいずれかの中で利用される。
特に、〔手法4〕と組み合わせた場合における統計的ト
ラヒック特性の更新手続きは以下のようになる。
【0064】すなわち、アプリケーションは、開始時か
ら時刻tまでの間にネットワークに入力するトラヒック
量A(t)の平均EA(t),分散VarA(t)をそ
れぞれ測定し、複数のtにおける平均と分散を求める。
そして、本モデルにおいて仮定される関係式:
【数9】 を関係式:
【数10】 に変形し、いくつかのtに対して測定した統計量をもと
に、最小自乗近似などを利用してH*=H及びa*=aを
算出する。そして、測定時点での設定値a0 ,H 0と測
定データから算出された統計値a*,H*をもとにして、
a=(1−γa)a 0+γa*,H=(1−γH)H0+γ
H*に更新して保持する。
【0065】以上のように、本手法では、測定可能な統
計量をパラメータとするFBMトラヒックモデルを採用
して、これから得られるエンド−エンドパケット転送遅
延時間分布の近似式を利用して確率的近似値Rprobを見
積もっている。これにより、MMPPを採用して確率的
近似値Rprobを見積もる場合のように、測定可能な統計
量からそのモデルパラメータ(高負荷/低負荷状態の各
継続時間と各状態の負荷)に変換する手間と、これを解
く際にラプラス変換と反復計算の必要があって算出に時
間がかかるという問題が解消される。また、FBMトラ
ヒックモデルは、時間単位を変えると分散が時間単位の
増加に対してべき関数的に増加するという統計的性質を
有するので、バーストに特徴的な長さがないトラヒック
入力に対処できなかった問題も解消できる。
【0066】〔手法1の実施形態〕〔手法1〕によるパ
ラメータ見積もり方法を実現するための実施形態を図3
に示す。なお、同図において図1〜図2と同じ構成要素
には同一の符号を付してある。アプリケーションがフロ
ーを設定する際には、まず、 上限値Rbound算出部2
が、アプリケーション本体3から要求遅延Dreq とIP
品質保証サービスのトラヒックパラメータTSpec (平均
レートr,ピークレートp,バーストサイズb,最大パ
ケットサイズM)を受け取り、エンド−エンド端末間で
フローの経由するネットワークの状態Adspec(Ctot
tot)をネットワーク4から受け取る。そして、これ
をもとに〔手法1〕に示した算出式:
【数11】 で要求遅延Dreq のエンド−エンドパケット転送遅延時
間を保証するために必要な帯域の上限値Rbound=Rを
算出し、結果をR算出部7に渡す。一方、もしもAdspec
がアプリケーションに通知されていなければRbound
pとおく。
【0067】同時に、確率的値Rprob算出部6は、アプ
リケーション本体3から要求遅延D reqとその超過を許
容する確率αとTSpecの平均レートrを受け取り、これ
らと自身で保持しているトラヒックの統計的性質をもと
に、〔手法1〕に示したエンド−エンドパケット転送遅
延時間Wが要求遅延Dreqを越える確率Pr(W>
req)に関する関係式:Pr(W>Dreq)=α から
確率的近似値Rprob=Rを算出し、結果をR算出部7に
渡す。ここで、トラヒックモデルを仮定すれば、Pr
(W>Dreq) はそのモデルパラメータと、保証帯域R
とTSpec の平均レートrの関数である。特に、確率的値
prob算出部6が保持しているトラヒックの統計的性質
は、GIを仮定すれば漸近分散定数c2と規格化3次モ
ーメントm3であり、FBMを仮定すれば分散平均比a
と自己相似性パラメータHである。
【0068】最後に、R算出部7では上限値Rbound
確率的近似値Rprobを組み合わせて、〔手法1〕に示す
関係式:R=(1−β)Rbound+βRprob (0≦β≦
1)により保証帯域Rを見積もり、アプリケーション本
体3に戻す。ただし、βの値は、アプリケーションに固
定的に埋め込まれているか、ユーザ自身が経験に基づい
て選択するか、〔手法3〕の方法による保証帯域Rの最
適値を利用して算出することになる。アプリケーション
はこの保証帯域RをRSpec として、フローの設定をネッ
トワーク4に依頼する。フローが設定されれば送信端末
5からデータが送信される。
【0069】〔手法3の実施形態〕手法3によるパラメ
ータ見積もり方法を実現するための実施形態を図4に示
す。なお、同図において図1〜図3と同じ構成要素には
同一の符号を付してある。アプリケーションがフローを
設定する際には、まず、上限値Rbound算出部2 が、ア
プリケーション本体3から要求遅延Dreq とIP品質保
証サービスのトラヒックパラメータTSpec (平均レート
r,ピークレートp,バーストサイズb,最大パケット
サイズM)を受け取り、エンド−エンド端末間でフロー
の経由するネットワークの状態Adspec(Ctot,Dtot
をネットワーク4から受け取る。そして、これをもとに
〔手法1〕に示した算出式:
【数12】 で要求遅延Dreq のエンド−エンドパケット転送遅延時
間を保証するために必要な帯域の上限値Rbound=R を
算出し、結果をR算出部17に渡す。一方、もしもAdsp
ecがアプリケーションに通知されていなければ、R
bound=pとおく。
【0070】同時に、確率的値Rprob算出部6は、アプ
リケーション本体3から要求遅延D reqとその超過を許
容する確率αとTSpecの平均レートrを受け取り、これ
らと自身で保持しているトラヒックの統計的性質をもと
に、〔手法1〕に示したエンド−エンドパケット転送遅
延時間Wが要求遅延Dreqを越える確率Pr(W>
req)に関する関係式:Pr(W>Dreq)=α から
prob=Rを算出し、結果をR算出部17に渡す。ここ
で、トラヒックモデルを仮定すれば、 Pr(W>
req) はそのモデルパラメータと、保証帯域RとTSpe
cの平均レートrの関数である。特に、確率的値Rprob
算出部6が保持しているトラヒックの統計的性質は、G
Iを仮定すれば漸近分散定数c2と規格化3次モーメン
トm3であり、FBMを仮定すれば分散平均比aと自己
相似性パラメータHである。
【0071】そして、R算出部17では、上限値R
bound と確率的近似値Rprobを組み合わせて〔手法1〕
に示す関係式R=(1−β)Rbound+βRprob (0≦
β≦1)により保証帯域Rを見積もり、アプリケーショ
ン本体3に戻す。ただし、βの値は、アプリケーション
に固定的に埋め込まれているか、ユーザ自身が経験に基
づいて選択するか、〔手法3〕の方法による保証帯域R
の最適値(即ち、以下に示す保証帯域Rの再計算)を利
用して算出することになる。アプリケーションはこの保
証帯域RをRSpec として、フローの設定をネットワーク
4に依頼する。フローが設定されれば送信端末5からデ
ータが送信される。
【0072】その後、トラヒック測定部8でパケットを
モニタリングし、遅延時間D* 算出部9でそのパケット
を解析してエンド−エンド遅延時間D* を算出する。例
えば、Real-time Transport Protocol(RTP)などを
利用すれば、現在時間からパケットヘッダのタイムスタ
ンプの時間を引いてそのパケットの遅延時間D* が算出
できる。R算出部17では、この遅延時間D* と要求遅
延Dreq の差を考慮して〔手法3〕に示す方法で保証帯
域Rを再計算して、結果をアプリケーション本体3に渡
す。アプリケーションはこの保証帯域RをRSpec とし
て、フローの帯域変更をネットワーク4に依頼すること
になる。
【0073】〔手法4の実施形態〕〔手法4〕によるパ
ラメータ見積もり方法を実現するための実施形態を図5
に示す。なお、同図において図1〜図4と同じ構成要素
には同一の符号を付してある。アプリケーションがフロ
ーを設定する際には、まず、 上限値Rbound算出部2
が、アプリケーション本体3から要求遅延DreqとIP
品質保証サービスのトラヒックパラメータTSpec (平均
レートr,ピークレートp,バーストサイズb,最大パ
ケットサイズM)を受け取り、エンド−エンド端末間で
フローの経由するネットワークの状態Adspec(Ctot
tot)をネットワーク4から受け取る。そして、これ
をもとに〔手法1〕に示した算出式:
【数13】 で要求遅延Dreq のエンド−エンドパケット転送遅延時
間を保証するために必要な帯域の上限値Rbound=R を
算出し、結果をR算出部7に渡す。一方、もしもAdspec
がアプリケーションに通知されていなければRbound
pとおく。
【0074】同時に、確率的値Rprob算出部6は、アプ
リケーション本体3から要求遅延D reqとその超過を許
容する確率αとTSpecの平均レートrを受け取り、これ
らと自身で保持しているトラヒックの統計的性質をもと
に、〔手法1〕に示したエンド−エンドパケット転送遅
延時間Wが要求遅延Dreqを越える確率Pr(W>
req)に関する関係式:Pr(W>Dreq)=α から
prob=Rを算出し、結果をR算出部7に渡す。ここ
で、トラヒックモデルを仮定すれば Pr(W>Dreq
は、そのモデルパラメータと、保証帯域RとTSpec の平
均レートrの関数である。特に、確率的値Rprob算出部
6が保持しているトラヒックの統計的性質は、GIを仮
定すれば漸近分散定数c2と規格化3次モーメントm3
あり、FBMを仮定すれば分散平均比aと自己相似性パ
ラメータHである。
【0075】そして、R算出部7では上限値Rbound
確率的近似値Rprobを組み合わせて〔手法1〕に示す関
係式:R=(1−β)Rbound+βRprob (0≦β≦
1)により保証帯域Rを見積もり、アプリケーション本
体3に戻す。ただし、βの値は、アプリケーションに固
定的に埋め込まれているか、ユーザ自身が経験に基づい
て選択するか、〔手法3〕の方法による保証帯域Rの最
適値を利用して算出することになる。アプリケーション
はこの保証帯域RをRSpec として、フローの設定をネッ
トワーク4に依頼する。フローが設定されれば送信端末
5からデータが送信される。
【0076】その後、トラヒック測定部8でトラヒック
を測定し、トラヒック統計量算出部10で、測定したト
ラヒックの特性を表す統計量を〔手法4〕に示す方法で
見積もり、これを用いて確率的値Rprob算出部6により
確率的近似値Rprobを算出する。R算出部7では、この
統計量を次のフロー設定の際に利用するため保持してお
く。
【0077】〔手法3と手法4を組み合わせた実施形
態〕〔手法3〕及び〔手法4〕によるパラメータ見積も
り方法を組み合わせた実施形態を図6に示す。同図にお
いて図1〜図5と同じ構成要素には同一の符号を付して
ある。この場合の動作は上述した〔手法3の実施形態〕
及び〔手法4の実施形態〕の説明から明らかであるた
め、ここではその説明を省略する。
【0078】〔実トラヒックへの適用例〕現実のアプリ
ケーショントラヒックに本発明を適用した場合の効果を
評価するために、イーサネット上で測定したトラヒック
データを利用したシミュレーションを行う。ここで、送
受信端末間が1ルータを経由して接続しているIPネッ
トワークを想定し、そのルータからのパケット送出はW
FQスケジューリングに従うものとする。アプリケーシ
ョンには、テレビ会議(H.261符号化)とインター
ネット電話(インテル版)をそれぞれ採用し、その背景
にイーサネット上で測定した全トラヒック(LANトラ
ヒック)のデータを流すものとする。シミュレーション
で用いる測定トラヒックデータは、パケットの発生時刻
(単位は秒)とそのサイズ(単位はバイト)の組が発生
順に並んでいるものである。なお、各アプリケーション
トラヒックの測定データの統計量を図7に示す。
【0079】発生トラヒックの測定データから TSpec
(p,r,b,M)を見積もる。また、ユーザはDreq
≦1秒の遅延時間を要求しているとし、保証帯域の上限
値Rbo und は〔従来技術1〕に従って算出できる。ま
た、確率的な保証帯域Rprobは、例えば、α≒10-3
確率でDreq ≒1秒程度になるように、〔従来技術2〕
の方法に〔手法5〕又は〔手法6〕の方法を適用するこ
とで算出できる。なおここでは〔手法6〕を適用するも
のとする。また、悪条件のもとで評価するために、経由
するルータから送出するリンク速度μは、着目するアプ
リケーショントラヒックの平均レートとLANトラヒッ
クの平均レートの和よりも少し大きい程度に設定する。
なお、実際のシミュレーションで使用したこれらの数値
をそれぞれ図8に示す。
【0080】まず、テレビ会議のトラヒックに本パラメ
ータ決定方法を適用した場合の効果を評価する。保証帯
域R=Rbound の場合,保証帯域R=Rprobの場合,β
=0.9とした〔手法1〕の方法について、それぞれの
エンド−エンド端末間のパケット転送遅延時間分布を図
9に示す。なお、同図では参考のために帯域保証なしの
場合も示している。
【0081】図から分かるように、上限値を保証帯域と
したR=Rbound の場合は、要求遅延を1秒としたにも
関わらず、ほとんどのパケットが0.2秒以下の遅延時
間になっている。一方、アプリケーショントラヒックの
統計的特性をもとに確率的に算出した帯域を保証帯域と
したR=Rprobの場合は、5%程度のパケットが要求遅
延の1秒を越えている。他方、上限値Rbound と確率的
近似値Rprobを組み合わせる〔手法1〕の方法では、両
者の中間的な分布になっているので、過剰な帯域割り当
てにならず、要求遅延時間を現実的な割合(今の場合1
-3以下)で満足している。
【0082】次に、インターネット電話のトラヒックに
本発明を適用した場合の効果を評価する。ここで、保証
帯域R=Rbound の場合,保証帯域R=Rprobの場合,
β=1.0とした〔手法1〕の方法について、それぞれ
のエンド−エンド端末間のパケット転送遅延時間分布を
図10に示す。なお、同図では参考のために帯域保証な
しの場合も示している。
【0083】図から分かるように、上限値を保証帯域と
したR=Rbound の場合は、要求遅延を1秒としたにも
関わらず、ほとんどのパケットは0.1秒以下の遅延時
間になっている。また、アプリケーショントラヒックの
統計的特性をもとに確率的に算出した帯域を保証帯域と
したR=Rprobの場合は、ほとんどのパケットの遅延時
間は0.3秒以下となっている。一方、上限値Rbound
と確率的近似値Rprobを組み合わせる〔手法1〕の方法
では、β=1としているのでR=Rprobの場合と同じ分
布になっており、R=Rbound を選択した場合ほどは過
剰な帯域割り当てになっていない。このように、確率的
近似値Rprobの見積もり誤差が大きいこともあるので、
〔手法1〕の方法だけでは、最初に決定される保証帯域
Rが最適な値になるとは限らない。そこで、こうした場
合は、最適値に近づけるために、〔手法3〕の測定に基
づく保証帯域Rの更新手続きを採用する必要がある。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は9記
載の発明によれば、IPネットワークに要求する品質パ
ラメータの保証帯域を、パケット転送遅延時間が要求遅
延を越える確率がアプリケーション等にとって支障のな
い帯域の近似値と要求遅延の保証に必要な帯域の上限値
との間で設定しているので、過大または過小な割り当て
をなくすことができ、資源量の無駄を省いて帯域の見積
もり誤差による品質劣化を解消できる効果がある。
【0085】また、請求項2又は10記載の発明によれ
ば、最初の保証帯域Rの設定がIPネットワークに受け
付けられない場合に、IPネットワークに要求する品質
パラメータの保証帯域を、パケット転送遅延時間が要求
遅延を越える確率がアプリケーション等にとって支障の
ない帯域の近似値と要求遅延の保証に必要な帯域の上限
値との間において、これら近似値及び上限値の間をn等
分した刻み幅で減少させるようにしたので、フロー設定
時のパラメータネゴシエーションにおける保証帯域の変
更基準を定式化することができる。したがって、アプリ
ケーションの採用する品質パラメータが一度決めると固
定的で、変更できるとしても変更可能な範囲や変更指針
が何もなくユーザが試行錯誤で適当な値に変更するしか
なかったという問題が解消される効果がある。
【0086】また、請求項4又は12記載の発明によれ
ば、アプリケーションを動作させながらパケット転送遅
延時間D* を測定して、この値が要求遅延を越える確率
がアプリケーション等にとって支障のない値α未満の最
小値となるように、パケット転送遅延時間が要求遅延を
越える確率がアプリケーション等にとって支障のない帯
域の近似値と要求遅延の保証に必要な帯域の上限値との
間で、IPネットワークに要求する品質パラメータの保
証帯域を増減させるようにしている。これにより、フロ
ー設定の際の品質保証パラメータの見積もり誤差をアプ
リケーション動作中にできるだけ最適な値に修正するこ
とができる。したがって、こうしたパラメータを変更で
きるとしても変更可能な範囲や変更指針が何もなく、ユ
ーザやアプリケーションが試行錯誤で適当な値に変更す
るしかなかったという問題が解消される効果がある。
【0087】また、請求項6又は14記載の発明によれ
ば、アプリケーションの動作時にトラヒックを測定し、
測定されたトラヒックのデータから算出される統計値に
基づいて、アプリケーションの統計的トラヒック特性を
表現するパラメータを更新し、それ以降の帯域の近似値
を算出するようにしたので、IPネットワークに要求す
る品質保証パラメータの保証帯域が、アプリケーション
の動作環境やユーザの使い方によって変動する実際の統
計的特性に追従することになって、利用条件による見積
もり誤差を解消できる効果がある。
【0088】また、請求項7又は15記載の発明によれ
ば、測定可能な統計量をパラメータとする一般分布トラ
ヒック入力のGI/D/1待ち行列システムを解析して
得られるパケット転送遅延時間分布の近似式を利用して
帯域の近似値を算出している。これにより、MMPPを
利用して帯域の近似値を見積もる場合のように、測定可
能な統計量からMMPPのモデルパラメータに変換する
手間と、これを解く際にラプラス変換と反復計算の必要
があって算出に時間がかかるという問題が解消される効
果がある。
【0089】また、請求項8又は16記載の発明によれ
ば、測定可能な統計量をパラメータとするFBMトラヒ
ック入力の待ち行列システムを解析して得られるパケッ
ト転送遅延時間分布の近似式を利用して帯域の近似値を
算出している。これにより、MMPPを利用して帯域の
近似値を見積もる場合のように、測定可能な統計量から
MMPPのモデルパラメータに変換する手間と、これを
解く際にラプラス変換と反復計算の必要があって算出に
時間がかかるという問題が解消される効果がある。ま
た、FBMトラヒックモデルは、時間単位を変えると分
散が時間単位の増加に対してべき関数的に増加するとい
う統計的性質を有するので、バーストに特徴的な長さが
ないトラヒック入力の場合に対処できなかった問題が解
消される効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インターネットドラフトで提唱されている従
来のパラメータ見積もり方法を説明したブロック図であ
る。
【図2】 パケット転送遅延を確率的に保証する従来の
パラメータ見積もり方法を説明したブロック図である。
【図3】 本発明の一実施形態における〔手法1〕のパ
ラメータ見積もり方法を説明したブロック図である。
【図4】 同実施形態における〔手法3〕のパラメータ
見積もり方法を説明したブロック図である。
【図5】 同実施形態における〔手法4〕のパラメータ
見積もり方法を説明したブロック図である。
【図6】 同実施形態における〔手法3〕及び〔手法
4〕を組み合わせた場合のパラメータ見積もり方法を説
明したブロック図である。
【図7】 本発明の効果を評価するためのシミュレーシ
ョンで用いる各アプリケーショントラヒックの測定デー
タの統計量を示す図表である。
【図8】 同シミュレーションを行うにあたってのシミ
ュレーション条件の数値を示す図表である。
【図9】 テレビ会議のトラヒックに本発明を適用した
場合におけるパケット転送遅延時間分布を示したグラフ
である。
【図10】 インターネット電話のトラヒックに本発明
を適用した場合におけるパケット転送遅延時間分布を示
したグラフである。
【符号の説明】
1 受信端末 2 上限値Rbound算出部 3 アプリケーション本体 4 ネットワーク 5 送信端末 6 確率的値Rprob算出部 7,17 R算出部 8 トラヒック測定部 9 遅延時間D*算出部 10 トラヒック統計量算出部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アプリケーションフロー毎に帯域保証を
    可能とするスケジューリングメカニズムを有するルータ
    が網的に接続されているIPネットワークを経由して、
    相互につながっている端末間で動作するアプリケーショ
    ンが、トラヒックの上限を規定するトラヒックパラメー
    タを申告し、エンド−エンドのパケット転送遅延時間と
    して要求遅延Dreq の保証を要求してIP品質保証サー
    ビスを利用する際に、該IP品質保証サービスを規定す
    る品質パラメータである保証帯域Rの値を決定するアプ
    リケーションによるIP品質保証サービスのパラメータ
    決定方法において、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドの
    パケット転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限
    値Rbound と、前記エンド−エンドのパケット転送遅延
    時間が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は
    前記アプリケーションにとって支障がない値α未満とな
    るように、前記アプリケーションが自身で保持する統計
    的トラヒック特性および前記トラヒックパラメータで表
    現されるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近
    似式から算出される帯域の近似値Rprobとに基づいて、 関係式R=(1−β)Rbound+βRprob (0≦β≦
    1) により前記保証帯域Rを見積もることを特徴とするアプ
    リケーションによるIP品質保証サービスのパラメータ
    決定方法。
  2. 【請求項2】 アプリケーションフロー毎に帯域保証を
    可能とするスケジューリングメカニズムを有するルータ
    が網的に接続されているIPネットワークを経由して、
    相互につながっている端末間で動作するアプリケーショ
    ンが、トラヒックの上限を規定するトラヒックパラメー
    タを申告し、エンド−エンドのパケット転送遅延時間と
    して要求遅延Dreq の保証を要求してIP品質保証サー
    ビスを利用する際に、該IP品質保証サービスを規定す
    る品質パラメータである保証帯域Rの値を決定するアプ
    リケーションによるIP品質保証サービスのパラメータ
    決定方法において、 最初の保証帯域Rの設定値では前記IPネットワークに
    受け付けられなかった場合に、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドの
    パケット転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限
    値Rbound と、前記エンド−エンドのパケット転送遅延
    時間が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は
    前記アプリケーションにとって支障がない値α未満にな
    るように、前記アプリケーションが自身で保持する統計
    的トラヒック特性および前記トラヒックパラメータで表
    現されるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近
    似式から算出される帯域の近似値Rprobとに基づいて、 前記IPネットワークに要求する品質パラメータの保証
    帯域Rを Rprob≦R≦Rbound の範囲において (R
    bound−Rprob)/n(n>0) の刻み幅で減少させて
    見積もり、前記IPネットワークとネゴシエーションす
    ることを特徴とするアプリケーションによるIP品質保
    証サービスのパラメータ決定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の保証帯域Rの見積もり方
    法に従ってアプリケーション開始時における保証帯域R
    を決定し、該保証帯域Rが前記IPネットワークに受け
    付けられない場合に、請求項2記載の保証帯域Rのネゴ
    シエーション方法に従って前記保証帯域Rを逐次変更し
    て再設定することを特徴とするアプリケーションによる
    IP品質保証サービスのパラメータ決定方法。
  4. 【請求項4】 アプリケーションフロー毎に帯域保証を
    可能とするスケジューリングメカニズムを有するルータ
    が網的に接続されているIPネットワークを経由して、
    相互につながっている端末間で動作するアプリケーショ
    ンが、トラヒックの上限を規定するトラヒックパラメー
    タを申告し、エンド−エンドのパケット転送遅延時間と
    して要求遅延Dreq の保証を要求してIP品質保証サー
    ビスを利用する際に、該IP品質保証サービスを規定す
    る品質パラメータである保証帯域Rの値を決定するアプ
    リケーションによるIP品質保証サービスのパラメータ
    決定方法において、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドの
    パケット転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限
    値Rbound と、前記エンド−エンドのパケット転送遅延
    時間が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は
    前記アプリケーションにとって支障がない値α未満にな
    るように、前記アプリケーションが自身で保持する統計
    的トラヒック特性および前記トラヒックパラメータで表
    現されるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近
    似式から算出される帯域の近似値Rprobとに基づいて、 前記アプリケーションを動作させながらエンド−エンド
    のパケット転送遅延時間D*を測定し、該転送遅延時間
    *が前記要求遅延Dreqを越える確率Pr(D*
    req)が Pr(D*>Dreq)<αを満たす最も小さい
    値となるように、前記IPネットワークに要求する品質
    パラメータの保証帯域Rを Rprob≦R≦Rbou nd の範
    囲で増減させて調整することを特徴とするアプリケーシ
    ョンによるIP品質保証サービスのパラメータ決定方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかの項記載の保証帯
    域Rの見積もり方法に従ってアプリケーション開始時に
    おける保証帯域Rを決定し、前記アプリケーションを動
    作させながら、請求項4記載の保証帯域Rの調整方法に
    従って前記保証帯域Rを逐次変更することを特徴とする
    アプリケーションによるIP品質保証サービスのパラメ
    ータ決定方法。
  6. 【請求項6】 前記アプリケーションの動作時にトラヒ
    ックを測定し、前記統計的トラヒック特性を表現するパ
    ラメータXk を、測定時点での設定値X0kと測定された
    トラヒックのデータから算出される統計値X* kをもとに
    して、 Xk=(1−γk)X0k+γk* k(0≦γk
    1) に更新して保持する手続きを前記アプリケーショ
    ンが有することを特徴とする請求項1〜5の何れかの項
    記載のアプリケーションによるIP品質保証サービスの
    パラメータ決定方法。
  7. 【請求項7】 前記統計的トラヒック特性として漸近分
    散定数c2 および規格化3次モーメントm3 を採用し、
    これらと前記トラヒックパラメータのうちの平均レート
    rによって統計的に規定される一般分布トラヒック入力
    のGI/D/1待ち行列システムを解析して得られるエ
    ンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式を利用
    して前記近似値Rprobを算出することを特徴とする請求
    項1〜6の何れかの項記載のアプリケーションによるI
    P品質保証サービスのパラメータ決定方法。
  8. 【請求項8】 前記統計的トラヒック特性として分散平
    均比aと自己相似性パラメータHを採用し、これらと前
    記トラヒックパラメータのうちの平均レートrによって
    統計的に規定されるFBMトラヒック入力の待ち行列シ
    ステムを解析して得られるエンド−エンドパケット転送
    遅延時間分布の近似式を利用して前記近似値Rprobを算
    出することを特徴とする請求項1〜6の何れかの項記載
    のアプリケーションによるIP品質保証サービスのパラ
    メータ決定方法。
  9. 【請求項9】 アプリケーションフロー毎に帯域保証を
    可能とするスケジューリングメカニズムを有するルータ
    が網的に接続されているIPネットワークを経由して、
    相互につながっている端末間で動作するアプリケーショ
    ンが、トラヒックの上限を規定するトラヒックパラメー
    タを申告し、エンド−エンドのパケット転送遅延時間と
    して要求遅延Dreq の保証を要求してIP品質保証サー
    ビスを利用する際に、該IP品質保証サービスを規定す
    る品質パラメータである保証帯域Rの値を決定するIP
    品質保証サービスのパラメータ決定プログラムにおい
    て、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドの
    パケット転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限
    値Rbound を算出する上限値算出処理と、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記エンド−エンドのパケット転送遅延
    時間が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は
    前記アプリケーションにとって支障がない値α未満とな
    るように、前記アプリケーションが保持する統計的トラ
    ヒック特性および前記トラヒックパラメータで表現され
    るエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式か
    ら帯域の近似値Rprobを算出する近似値算出処理と、 関係式R=(1−β)Rbound+βRprob (0≦β≦
    1)により前記保証帯域Rを見積もる見積処理とを前記
    端末内のコンピュータに実行させることを特徴とするI
    P品質保証サービスのパラメータ決定プログラムを記録
    した記録媒体。
  10. 【請求項10】 アプリケーションフロー毎に帯域保証
    を可能とするスケジューリングメカニズムを有するルー
    タが網的に接続されているIPネットワークを経由し
    て、相互につながっている端末間で動作するアプリケー
    ションが、トラヒックの上限を規定するトラヒックパラ
    メータを申告し、エンド−エンドのパケット転送遅延時
    間として要求遅延Dreq の保証を要求してIP品質保証
    サービスを利用する際に、該IP品質保証サービスを規
    定する品質パラメータである保証帯域Rの値を決定する
    IP品質保証サービスのパラメータ決定プログラムにお
    いて、 最初の保証帯域Rの設定値が前記IPネットワークに受
    け付けられなかったことを検出する要求受付判定処理
    と、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドの
    パケット転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限
    値Rbound を算出する上限値算出処理と、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記エンド−エンドのパケット転送遅延
    時間が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は
    前記アプリケーションにとって支障がない値α未満にな
    るように、前記アプリケーションが保持する統計的トラ
    ヒック特性および前記トラヒックパラメータで表現され
    るエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式か
    ら帯域の近似値Rprobを算出する近似値算出処理と、 前記IPネットワークに要求する品質パラメータの保証
    帯域Rを Rprob≦R≦Rbound の範囲において (R
    bound−Rprob)/n(n>0) の刻み幅で減少させて
    前記IPネットワークとネゴシエーションする見積処理
    とを前記端末内のコンピュータに実行させることを特徴
    とするIP品質保証サービスのパラメータ決定プログラ
    ムを記録した記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の見積処理に従ってアプ
    リケーション開始時における保証帯域Rを決定し、請求
    項10記載の要求受付判定処理において該保証帯域Rが
    前記IPネットワークに受け付けられないことが検出さ
    れた場合に、請求項10記載の見積処理に従って前記保
    証帯域Rを逐次変更して再設定する処理を前記端末内の
    コンピュータに実行させることを特徴とするIP品質保
    証サービスのパラメータ決定プログラムを記録した記録
    媒体。
  12. 【請求項12】 アプリケーションフロー毎に帯域保証
    を可能とするスケジューリングメカニズムを有するルー
    タが網的に接続されているIPネットワークを経由し
    て、相互につながっている端末間で動作するアプリケー
    ションが、トラヒックの上限を規定するトラヒックパラ
    メータを申告し、エンド−エンドのパケット転送遅延時
    間として要求遅延Dreq の保証を要求してIP品質保証
    サービスを利用する際に、該IP品質保証サービスを規
    定する品質パラメータである保証帯域Rの値を決定する
    IP品質保証サービスのパラメータ決定プログラムにお
    いて、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記要求遅延Dreq のエンド−エンドの
    パケット転送遅延時間を保証するのに必要な帯域の上限
    値Rbound を算出する上限値算出処理と、 前記トラヒックパラメータで制限されるトラヒックを想
    定した場合に、前記エンド−エンドのパケット転送遅延
    時間が前記要求遅延Dreq を越える確率が、ユーザ又は
    前記アプリケーションにとって支障がない値α未満にな
    るように、前記アプリケーションが保持する統計的トラ
    ヒック特性および前記トラヒックパラメータで表現され
    るエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の近似式か
    ら帯域の近似値Rprobを算出する近似値算出処理と、 前記アプリケーションを動作させながらエンド−エンド
    のパケット転送遅延時間D*を測定し、該転送遅延時間
    *が前記要求遅延Dreqを越える確率Pr(D*
    req)が Pr(D*>Dreq)<αを満たす最も小さい
    値となるように、前記IPネットワークに要求する品質
    パラメータの保証帯域Rを Rprob≦R≦Rbou nd の範
    囲で増減させて調整する調整処理とを前記端末内のコン
    ピュータに実行させることを特徴とするIP品質保証サ
    ービスのパラメータ決定プログラムを記録した記録媒
    体。
  13. 【請求項13】 請求項9〜11の何れかの項記載の見
    積処理に従ってアプリケーション開始時における保証帯
    域Rを決定し、前記アプリケーションを動作させなが
    ら、請求項12記載の調整処理に従って前記保証帯域R
    を逐次変更する処理を前記端末内のコンピュータに実行
    させることを特徴とするIP品質保証サービスのパラメ
    ータ決定プログラムを記録した記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記アプリケーションの動作時にトラ
    ヒックを測定するトラヒック測定処理と、 前記統計的トラヒック特性を表現するパラメータXk
    を、測定時点での設定値X0kと測定されたトラヒックの
    データから算出される統計値X* kをもとにして、Xk
    (1−γk)X0k+γk* k(0≦γk≦1) に更新して
    前記アプリケーションに保持させる更新処理とを前記端
    末内のコンピュータに実行させることを特徴とする請求
    項9〜13の何れかの項記載のIP品質保証サービスの
    パラメータ決定プログラムを記録した記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記近似値算出処理は、 前記統計的トラヒック特性として漸近分散定数c2 およ
    び規格化3次モーメントm3 を採用し、これらと前記ト
    ラヒックパラメータのうちの平均レートrによって統計
    的に規定される一般分布トラヒック入力のGI/D/1
    待ち行列システムを解析して得られるエンド−エンドパ
    ケット転送遅延時間分布の近似式を利用して前記近似値
    probを算出することを特徴とする請求項9〜14の何
    れかの項記載のIP品質保証サービスのパラメータ決定
    プログラムを記録した記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記近似値算出処理は、 前記統計的トラヒック特性として分散平均比aと自己相
    似性パラメータHを採用し、これらと前記トラヒックパ
    ラメータのうちの平均レートrによって統計的に規定さ
    れるFBMトラヒック入力の待ち行列システムを解析し
    て得られるエンド−エンドパケット転送遅延時間分布の
    近似式を利用して前記近似値Rprobを算出することを特
    徴とする請求項9〜14の何れかの項記載のIP品質保
    証サービスのパラメータ決定プログラムを記録した記録
    媒体。
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