JPH1033520A - コーンビームx線断層撮影装置 - Google Patents
コーンビームx線断層撮影装置Info
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Abstract
に、実測されたX線透過像の散乱X線による画質の低下
を簡便に補正し、3次元再構成により得られた画像の画
質とCT値の定量性を向上できるコーンビームCT装置
を提供すること。 【解決手段】 被検体の2次元X線像を撮像し、3次元
X線CT像を再構成する再構成手段とを有するコーンビ
ームX線断層撮影装置において、所定のX線吸収体の厚
さと該厚さに対する散乱X線成分の割合との関係を予め
計測する計測手段と、2次元X線像と撮像条件とからX
線吸収体の厚さを算出する吸収体厚さ算出手段と、該吸
収体厚さと予め設定される吸収体厚さとを比較し、被検
体の吸収体厚さが薄い場合には、予め設定される吸収体
厚さに対応する散乱X線成分の割合を2次元X線像の散
乱X線成分の割合とする比較置換手段と、散乱X線成分
の割合に基づいて、散乱X線を補正する散乱X線補正手
段とを具備する。
Description
撮影装置に関し、特に、被検体内部を3次元的に画像化
する際の画像の定量性を向上させる技術に関するもので
ある。
する技術としては、被検体の周囲の360度からコーン
ビーム状のX線を照射しながら撮像したX線透過像を再
構成し、被検体の内部を画像化するコーンビームCT技
術がある。
の取得から3次元画像再構成までのデータ補正処理方法
は、たとえば、医用画像工学研究会ジャミットフロンテ
ィア95(JAMIT Frontier ’95)講
演論文集、23−28頁(1995年)に記載の方法が
ある。
行うことが可能な2次元X線画像検出器としてX線イメ
ージインテンシファイアを用いて、まず、多方向から被
検体のX線透過像を撮影し、次に、X線透過像に含まれ
る検出器の歪みと感度の補正とを行い、さらに、被検体
の検出器からのはみ出しの補正を行った後、コーンビー
ムCTの3次元画像再構成アルゴリズムを用いて、3次
元画像再構成を行うというものである。
が可能な2次元X線画像検出器として、最も広く利用さ
れている検出器は、X線イメージインテンシファイアと
結像光学系とテレビカメラから構成される検出器であ
る。しかしながら、この他にも、蛍光板と結像光学系と
テレビカメラから構成される検出器、蛍光板と2次元フ
ォトダイオードアレイ及び2次元薄膜トランジスタ(T
FT)配列から構成される検出器、さらには、セレン膜
と2次元薄膜トランジスタ配列から構成される検出器等
の2次元X線画像検出器がある。
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
の歪み、検出器の感度のばらつきおよび被検体の検出器
からのはみ出しと共に、X線イメージインテンシファイ
アの出力蛍光面で発生する拡散光(ベーリンググレアと
も呼ばれる)と、X線が被検体内部を透過する際に発生
する散乱X線とが得られたX線透過像にぼけを加えると
いう現象となって、X線透過像の画質の低下の一因とな
り、この結果、再構成によって得られた3次元像もまた
画質が低下するという現象を引き起こしている。
ち、セレン膜以外の検出器においては、X線像を光学像
に変換し、光学像をさらに電気信号に変換するという過
程により画像が計測されるので、これらの検出器では、
検出器内部における光の拡散により発生した拡散光が発
生する。
画像検出器を用いても避けることのできない画質低下原
因であり、被検体内部におけるX線散乱により発生した
散乱X線が実測画像へ混入することによって、X線透過
像にぼけが発生することになる。
透過像の画質の低下を防止するために、2次元X線画像
検出器のX線入射面の全面に散乱X線を遮蔽するための
X線グリッドが配置されている。このX線グリッドは、
検出器に入射するX線の入射方向を限定することによ
り、散乱X線の多くの割合を遮蔽する効果があるが、散
乱X線の2次元X線画像検出器への入射角は広く分布す
るので、散乱X線のX線透過像(実測画像)への混入を
全て遮蔽することは不可能である。
いては、一般の透視や撮影の場合と異なり、被検体の内
部のX線吸収係数を画像化するので、散乱X線の影響に
より、同一の画像濃度であるべき領域内で画像の値に偏
りが発生することが問題となる。
X線による影響(ぼけ)を取り除くための補正処理が必
要となるわけであるが、前述する拡散光と散乱X線の補
正方法に関しては、文献、メディカルフィジックス誌
(Medical Physics)、20巻59−6
9頁(1993年)に拡散光と散乱X線を一体として補
正する方法が開示されている。
の幅よりも検出器の幅が小さい場合には、投影のはみ出
しの補正が別に必要となり、この補正ははみ出しにより
計測されなかった被検体の形状を推定しなければならな
いから補正には誤差があり、定量性を劣化する。また、
X線吸収率のデータが必要となるので吸収率がゼロの部
分、即ち被検体の存在していない部分が計測画像に含ま
れることが望ましい。すなわち、コーンビームCT装置
においては、被検体の周囲に吸収体の存在しない領域が
計測画像(X線透過像)に取り込まれることが望まし
く、そのために2次元X線画像検出器は大型化されてい
る。
視野に含むことがコーンビームCTの特徴である。ま
た、被検体の形状によっては、透視や撮影のときも吸収
体の厚さがゼロの領域を含む場合がある。
補正方法では、被検体の厚さがゼロの部分を視野に含む
場合は考慮されておらず、撮影で計測されたX線透過像
の散乱X線による画質の低下を適切に補正する方法がな
かった。
に、X線イメージインテンシファイアとテレビカメラと
を用いた方式では、検出器の歪みと感度分布とが大き
く、これらの補正が必要とされるので、拡散光と散乱X
線の補正を含め、総合的な補正アルゴリズムが必要とさ
れる。
ックス誌には、拡散光と散乱X線を補正する一般的な方
法は開示されているが、コーンビームCTの画像生成法
における散乱X線の補正を行うアルゴリズムは開示され
ていない。
ロの部分を視野に含む場合にも、実測されたX線透過像
において散乱X線による画質の低下を簡便に補正し、3
次元再構成により得られた画像の画質とCT値の定量性
を向上できるコーンビームCT装置を提供することであ
る。
過像において計測系における拡散光による画質の低下を
簡便に補正し、3次元再構成により得られた画像の画質
とCT値の定量性を向上できるコーンビームCT装置を
提供することである。
過像において計測系における画像の幾何学的歪みと感度
分布がある場合にも、歪み、感度分布、拡散光、及び散
乱X線をそれぞれ簡便に補正し、3次元再構成により得
られた画像の画質とCT値の定量性を向上できるコーン
ビームCT装置を提供することである。
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
するX線源と、被検体の2次元X線像を撮像する2次元
X線像撮像手段と、該2次元X線像撮像手段が撮像した
2次元X線像から3次元X線CT像を再構成する再構成
手段とを有するコーンビームX線断層撮影装置におい
て、所定のX線吸収体の厚さと該厚さに対する散乱X線
成分の割合との関係を予め計測する計測手段と、前記2
次元X線像と撮像条件とから前記被検体のX線吸収量と
前記X線吸収体のX線吸収量とが等しくなるときの前記
X線吸収体の厚さを算出する吸収体厚さ算出手段と、該
吸収体厚さ算出手段が算出した吸収体厚さと予め設定さ
れる吸収体厚さとを比較し、該比較の結果、前記被検体
の吸収体厚さが前記予め設定される吸収体厚さよりも薄
い場合には、前記予め設定される吸収体厚さに対応する
散乱X線成分の割合を前記2次元X線像撮像手段が撮像
した2次元X線像の散乱X線成分の割合とする比較置換
手段と、前記散乱X線成分の割合に基づいて、前記2次
元X線像の散乱X線を補正する散乱X線補正手段とを具
備する。
するX線源と、被検体の2次元X線像を2次元光学像に
変換する光学像変換手段と、該2次元光学像を撮像する
2次元光学像撮像手段と、該2次元光学像撮像手段が撮
像した2次元光学像から3次元X線CT像を再構成する
再構成手段とを有するコーンビームX線断層撮影装置に
おいて、予め計測した拡散光成分の割合と点像分布関数
とに基づいて、前記2次元光学像の拡散光を補正する拡
散光補正手段と、前記X線を照射せずに撮像した感度分
布画像に基づいて、前記拡散光補正手段による補正後の
2次元光学像の感度分布を補正する感度分布補正手段
と、予め計測した歪み変換テーブルに基づいて、前記感
度分布補正手段による補正後の2次元光学像の歪みを補
正する歪み補正手段と、前記歪み補正手段による補正後
の2次元X線像の散乱X線を補正する散乱X線補正手段
と、該散乱X線補正手段による補正後の2次元光学像を
対数変換する対数変換手段と、対数変換後の2次元光学
像のはみ出し補正を行うはみ出し補正手段とを具備し、
前記再構成手段は、はみ出し補正後の2次元光学像から
3次元X線CT像を再構成する。
ムX線断層撮影装置において、所定のX線吸収体の厚さ
と該厚さに対する散乱X線成分の割合との関係を予め計
測する計測手段と、前記2次元X線像と撮像条件とから
前記被検体のX線吸収量と前記X線吸収体のX線吸収量
とが等しくなるときの前記X線吸収体の厚さを算出する
吸収体厚さ算出手段と、該吸収体厚さ算出手段が算出し
た吸収体厚さと予め設定される吸収体厚さとを比較し、
該比較の結果、前記被検体の吸収体厚さが前記予め設定
される吸収体厚さよりも薄い場合には、前記予め設定さ
れる吸収体厚さに対応する散乱X線成分の割合を前記2
次元X線像撮像手段が撮像した2次元X線像の散乱X線
成分の割合とする比較置換手段とを具備し、前記散乱X
線補正手段が前記散乱X線成分の割合に基づいて、前記
2次元X線像の散乱X線を補正する。
載のコーンビームX線断層撮影装置において、前記散乱
X線補正手段は、前記割合計測値と点像分布関数との積
を計算する手段と、該計算結果を前記2次元X線像に対
して畳み込み演算し、散乱X線成分画像を生成する手段
と、前記2次元X線像から前記散乱X線成分画像を減算
する手段とを具備する。
載のコーンビームX線断層撮影装置において、前記拡散
光補正手段は、前記拡散光成分の割合と前記点像分布関
数との積を計算する手段と、該計算結果を前記2次元X
線像に対して畳み込み演算し、拡散光成分画像を生成す
る手段と、前記2次元X線像から前記拡散光成分画像を
減算する手段とを具備する。
載のコーンビームX線断層撮影装置において、前記拡散
光補正手段は、前記拡散光成分の割合と点像分布関数の
積との関数として、フーリエ空間における拡散光補正フ
ィルタを生成する手段と、前記2次元X線像をフーリエ
変換するフーリエ変換手段と、該フーリエ変換後のX線
像に対して前記拡散光補正フィルタを積演算する手段と
を具備する。
いずれかに記載のコーンビームX線断層撮影装置におい
て、X線遮蔽体のエッジ部分が2次元光学像撮像手段の
2次元配列の行方向もしくは列方向に直交すると共に、
視野中心付近となるようにX線遮蔽体を配置して撮像し
た2次元X線像の断面プロファイルを、前記2次元光学
像撮像手段および光学像変換手段の空間分解能を表すガ
ウス関数成分と拡散光成分を表す指数関数成分とで2成
分フィッティングし、ガウス関数成分と指数関数成分と
に分離する手段と、分離した前記ガウス関数成分と前記
指数関数成分とから前記拡散光成分の割合と線像分布関
数とを計算する手段と、前記線像分布関数から点像分布
関数を近似する手段とを具備する。
いずれかに記載のコーンビームX線断層撮影装置におい
て、X線遮蔽体のエッジ部分が2次元光学像撮像手段の
2次元配列の行方向もしくは列方向に直交すると共に、
視野中心付近となるようにX線遮蔽体を配置し、該X線
遮蔽体に種々の厚さの被検体模擬被写体を重ねて散乱体
としたものを撮像した2次元X線像の断面プロファイル
を、前記2次元光学像撮像手段および光学像変換手段の
空間分解能を表すガウス関数成分と散乱X線成分を表す
指数関数成分とで2成分フィッティングし、ガウス関数
成分と指数関数成分とに分離する手段と、分離した前記
ガウス関数成分と前記指数関数成分とから前記散乱X線
成分の割合と線像分布関数とを計算する手段と、前記線
像分布関数から点像分布関数を近似する手段とを具備す
る。
いずれかに記載のコーンビームX線断層撮影装置におい
て、前記拡散光補正手段は、任意の撮像条件で撮像した
2次元X線像から拡散光成分の割合と点像分布関数とを
計算する手段と、該点像分布関数を前記2次元光学像撮
像手段の画素を単位とする関数に変換する手段とを具備
し、撮像条件を変更した場合であっても、前記拡散光成
分の強度比と前記点像分布関数に基づいて、拡散光を補
正する。
のいずれかに記載のコーンビームX線断層撮影装置にお
いて、前記2次元X線像撮像手段のオフセットレベルの
補正を行う手段を具備し、前記拡散光の補正に先立ち、
前記2次元X線像撮像手段のオフセットレベルの補正を
行う。
ば、予め計測手段が所定のX線吸収体の厚さとこのX線
吸収体の厚さに対する散乱X線成分の割合を計測してお
く。
ず、吸収体厚さ算出手段がこの散乱X線成分の割合と2
次元X線像を撮影したときの撮影条件とに基づいて、被
検体のX線吸収体厚さの代表値に対する散乱X線の割合
を計算する。
厚さと被検体のX線吸収体厚さの代表値とを比較した結
果に基づいて、大きい方の値に対応する散乱X線成分の
割合を散乱X線補正手段に出力し、この散乱X線成分の
割合に基づいて、散乱X線補正手段が散乱X線を補正す
るので、被検体の厚さの最小値がゼロである場合にも、
被検体吸収体厚さがある程度大きいときの条件で散乱X
線補正を行うことができる。
っている場合に被検体が厚い部位の散乱X線を補正する
際に、補正精度が低下してしまうのを防止できる。
である場合であっても、3次元再構成により得られた画
像の画質とCT値の定量性を向上できる。
因を加わった順番と逆の順番で補正(除去)するので、
後述する補正順番の検討に示す理由により、歪み、感度
分布、拡散光、及び散乱X線をそれぞれ簡便にかつ正確
に補正できる。
画像の画質とCT値の定量性を向上できる。
因を加わった順番と逆の順番で補正(除去)すると共
に、散乱X線を補正する際に、散乱X線補正手段が散乱
X線成分の割合に基づいて補正を行うので、歪み、感度
分布、拡散光、及び散乱X線をそれぞれ簡便に補正でき
ると共に、被検体の厚さの最小値がゼロである場合に
も、被検体吸収体厚さがある程度大きいときの条件で散
乱X線補正を行うことができる。
成分の割合と点像分布関数との積を計算する手段が計算
した結果を、散乱X線成分画像を生成する手段が2次元
X線像に対して畳み込み演算した後に、2次元X線像か
ら散乱X線成分画像を減算する手段が減算を行うことに
より、散乱X線の補正ができるので、前述する効果に加
え、簡便に散乱X線の補正ができる。
散光分布を生成する手段が予め計測した拡散光成分の割
合と点像分布関数との積を計算することによって拡散光
分布を生成し、次に、畳み込み演算をする手段が拡散光
補正前の2次元X線像に対して拡散光分布を畳み込み演
算することにより、2次元X線像の拡散光を補正できる
ので、前述する効果に加え、簡便に拡散光の補正ができ
る。
散光補正フィルタを生成する手段が拡散光成分の割合と
点像分布関数の積の関数として、フーリエ空間における
拡散光補正フィルタを生成する。次に、フーリエ変換手
段が拡散光補正前の2次元X線像をフーリエ変換した
後、フーリエ変換後のX線像に対して、拡散光補正フィ
ルタを積演算することにより、2次元X線像の拡散光を
補正できるので、前述する効果に加え、前述する(6)
の手段よりさらに簡便に拡散光の補正ができる。
体のエッジ部分が2次元光学像撮像手段の2次元配列の
行方向もしくは列方向に直交すると共に、視野中心付近
となるようにX線遮蔽体を配置して撮像した2次元X線
像の断面プロファイルを、分離する手段が2次元光学像
撮像手段および光学像変換手段の空間分解能を表すガウ
ス関数成分と拡散光成分を表す指数関数成分とで2成分
フィッティングし、ガウス関数成分と指数関数成分とに
分離した後、ガウス関数成分と指数関数成分とから拡散
光成分の割合と線像分布関数とを計算し、近似する手段
がこの線像分布関数から点像分布関数を近似することに
よって、2次元光学像撮像手段と光学像変換手段の空間
分解能に依存しない拡散光成分の割合と点像分布関数と
を、特殊な被写体を用いることなく求められる。
体のエッジ部分が2次元光学像撮像手段の2次元配列の
行方向もしくは列方向に直交すると共に、視野中心付近
となるようにX線遮蔽体を配置し、これに種々の厚さの
被検体模擬被写体を重ねて散乱体としたものを撮像した
2次元X線像の断面プロファイルを、2次元光学像撮像
手段および光学像変換手段の空間分解能を表すガウス関
数成分と散乱X線成分を表す指数関数成分とで2成分フ
ィッティングし、分離する手段がガウス関数成分と指数
関数成分とに分離した後、分離したガウス関数成分と指
数関数成分とから散乱X線成分の割合と線像分布関数と
を計算し、近似する手段が線像分布関数から点像分布関
数を近似することによって、2次元光学像撮像手段ある
いは光学像変換手段の空間分解能に依存しない散乱X線
成分の割合と点像分布関数とを、特殊な被写体を用いる
ことなく求められる。
像条件で撮像した2次元X線像から拡散光成分の割合と
点像分布関数とを計算し、点像分布関数を2次元光学像
撮像手段の画素を単位とする関数とし、撮像条件を変更
した場合であっても、拡散光成分の割合と点像分布関数
を変更することなく散乱光を補正することにより、拡散
光補正のために予め求めておかなければならないパラメ
ータの数を減少できるので、簡便に拡散光の補正ができ
る。
X線像撮像手段のオフセットレベルの補正を行う手段
が、拡散光の補正に先立ち、2次元X線像撮像手段のオ
フセットレベルの補正を行うことにより、たとえば、被
検体の周囲360度から撮影した2次元X線像のオフセ
ットレベルを揃えることができるので、3次元構成によ
って得られる画像の画質とCT値の定量性をさらに向上
できる。
る。
加わった順と逆の順に除去することにより、理論的に正
確な補正が可能である。以下、補正の順番を変えた場合
に起こる障害について説明する。なお、以下の説明にお
いて、ぼけの要因が加わった順と逆の順で補正を行うこ
とを理論的に正しいという意味で正順補正、ぼけの要因
が加わった順と同じ順で補正を行うすなわち正順補正と
逆の順で補正を行うことを逆順補正とする。
順について検討する。ただし、オフセット成分画像をM
1、オフセット成分が加わった画像をM2、拡散光成分の
強度をav、分布関数をPSFvとする。
補正を行う。したがって、正順補正後の画像は下記の式
1で表される。以下、記号**は2次元コンボリューシ
ョンを表す。
逆順補正後の画像M’は下記の式2で表される。
て、過補正となる。過補正分を補うためには、正順補正
の演算に加えて、オフセット成分画像M1に拡散光成分
分布av・PSFvを畳み込む演算と和演算とが必要と
なり、演算量が増大してしまう。
順について検討する。拡散光成分画像をM3、拡散光成
分が加わった画像をM4、感度分布画像をM5とする。正
順補正では、拡散光補正後に感度分布補正を行う。正順
補正後の画像Mを求める演算は、下記の式3で表され
る。
う。その場合、拡散光成分画像M3と拡散光成分が加わ
った画像M4の両方に感度分布補正を行った後に、拡散
光補正を行う必要がある。さらには、感度分布補正は対
数演算、拡散光補正は実数演算であるために、逆順補正
後の画像M’を求める演算は下記の式4となる。
て複雑であり、明らかに演算量が増大してしまう。
正の順について検討する。正順補正では、感度分布補正
後に幾何学的歪み補正を行う。この場合、幾何学的歪み
補正演算は1回である。一方、逆順補正では、幾何学的
歪み補正後に感度分布補正を行うことになる。この場
合、感度分布は画像上の位置に依存するため、補正前の
画像と感度分布画像との両方に対して幾何学的歪み補正
を行った後に、感度分布補正を行う必要がある。したが
って、逆順補正では、幾何学的歪み補正演算が2回必要
となり、正順補正に対して、演算量が倍増してしまうこ
とになる。
正について検討する。正順補正では、幾何学的歪み補正
後に散乱X線補正を行う。逆順補正では、散乱X線補正
後に幾何学的歪み補正を行うため、歪みが加わった状態
で散乱X線補正を行うことになる。この場合、散乱X線
補正は幾何学的歪みが発生する以前に発生したぼけであ
るから、散乱X線分布関数にも幾何学的歪みの影響を付
加する必要が生じる。したがって、幾何学的歪みは位置
に依存するので、画像上で局所的に分布関数の形状が異
なることになる。一方、歪み量に合わせて関数の形状を
変化させることは困難である。また、画像内で関数の形
状が変化すると、フーリエ変換を用いた一括処理が不可
能になる。したがって、正順補正に比べて逆順補正では
補正演算が複雑になる。
ように、ぼけが加わった順番とは逆の順番で、オフセッ
ト補正、拡散光補正、感度分布補正、幾何学的歪み補
正、散乱X線補正の順番で画像の補正を行うことによ
り、正確かつ簡潔にぼけを補正できる。
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
ームX線断層撮影装置の概略構成を示すブロック図であ
り、図1(a)はコーンビームX線断層撮影装置全体の
概略構成を示すブロック図であり、図1(b)は本実施
の形態の2次元X線画像検出器の概略構成を示すブロッ
ク図である。
線管、3はX線グリッド、4は2次元X線画像検出器
(2次元X線撮像手段)、5は画像収集及び処理装置、
6は表示装置、7は回転板、8は寝台天板、9は被検
体、21はX線イメージングインテンシファイア、22
は光学系、23はテレビカメラ、25は入力蛍光面、2
6は出力蛍光面を示す。
たとえば、周知の情報処理装置で実行されるプログラム
によって実現される手段であり、本実施の形態のコーン
ビームX線断層撮影装置の動作を制御する。
照射する周知のX線管であり、グリッド3は被検体9の
内部で散乱したX線を遮断するための周知のグリッドで
あり、本実施の形態のグリッド3は内側のセプタの向き
が、全てX線管2の中心に向かうように構成されてい
る。
知の情報処理装置で実行される画像処理プログラムによ
って実現される画像処理手段と、この画像処理プログラ
ムによって制御される周知の格納手段、切り替え手段及
び信号変換手段等から構成される手段であり、2次元X
線画像検出器4で撮像されたX線透過像(2次元X線
像)に、補正処理を含む後述する処理を行った後、表示
装置に画像信号を出力する。
像に対し、後述する補正を実行するか否かを決定するた
めの手段であり、たとえば、周知のスイッチ、周知のボ
タン、あるいは、制御画面上でのアイコンの選択等によ
る切り替え方法が考えられる。なお、本実施の形態にお
いては、スイッチをONにすれば補正処理が実行され、
OFFにすれば補正処理は実行されない。したがって、
本実施の形態のコーンビームX線断層撮影装置の操作者
は、この切り替え手段を制御することによって、補正処
理の有無を制御できる。また、この切り替え手段によ
り、補正処理の実施の有無を確認できることはいうまで
もない。
あり、画像収集及び処理装置5から出力される映像信号
を映像に変換する。
図示しない駆動手段によって、この回転板7に設置され
るX線管2、グリッド3及び2次元X線画像検出器4を
被検体9の周囲に回転させるものである。
置するための周知の寝台天板であり、被検体9の撮影体
位は仰臥位とする。ただし、撮影***、寝台天板8と回
転板7との角度等は任意に変えることができることはい
うまでもない。
ンビームX線断層撮影装置の動作を説明すると、X線管
2と2次元X線画像検出器4は回転板7上に固定され、
被写体8の周囲を回転しながら透視あるいは撮影を行
い、複数方向からのX線透過像を得る。
透過像(2次元X線像)は画像収集及び処理装置5で補
正された後に、表示装置6に即時表示される。一方、撮
影モードでは、撮像したX線透過像は画像収集及び処理
装置5で補正された後に、図示しない格納手段に保存さ
れ、その後、表示装置に表示される。また、補正された
X線透過像は画像収集及び処理装置5で3次元再構成さ
れた後に、表示装置6に表示される。
られた図示しない切り替え手段によって、作業者は撮影
したX線透過像の補正を実行するか否かを決定する切り
替えることができる。
ジインテンシファイアで光学像に変換された後に、光学
系で結像され、テレビカメラで読み出される。このテレ
ビカメラの出力信号は、テレビカメラに設けられた図示
しないAD変換器でAD変換され、画像収集及び処理装
置5で処理された後に、表示装置6に表示される。
ンシファイア21は、周知のX線イメージインテンシフ
ァイアであり、入力蛍光面25から入力したX線像を出
力蛍光面26に光学像として出力する。
で構成されており、出力蛍光面26から出力される光学
像をテレビカメラ23の撮像素子上に結像させる。
であり、図示しない撮像素子上に結像する光学像をアナ
ログの電気信号に変換する。
ジタルの信号に変換する周知のA/D変換器である。
ーンビームX線断層撮影装置におけるX線像の画質低下
要因となる歪み、散乱X線及び拡散光等の発生原因及び
その順番を説明する。
写体9を通過する際に、被写体9の内部で散乱を起こ
し、散乱X線を生じるので、散乱X線を含んだX線像が
X線イメージインテンシファイア21の入力蛍光面25
(以下、入力面と略記する)で電子像に変換されること
になる。
ンテンシファイア21の内部で増幅され、X線イメージ
インテンシファイア21の出力蛍光面26に結像され
る。
力蛍光面25の形状は、球面状の形状をしており、一
方、X線イメージインテンシファイア21の出力蛍光面
26の形状は平面形状をしているので、入力蛍光面25
で得た像が平面の出力蛍光面26に結像する際に、X線
イメージインテンシファイア21の内部でX線像に幾何
学的な歪みが生じることになる。
かうほど画像が引き延ばされるいわゆる糸巻き型であ
る。
るので、画像周辺に向かうほど感度が低下したような現
象が発生し、電子像には感度分布のむらが生じる。ただ
し、増幅時の電子軌道の歪みや入力蛍光面および出力蛍
光面自体の感度分布むらのため、歪みや感度分布は局所
的に異なる。
に変換されるが、その際に、光の拡散が生じることにな
るが、この光の拡散を防止することはほとんど不可能で
ある。次に、光学像は光学系22を経た後、テレビカメ
ラ23で読み出される(電気信号に変換される)が、そ
の際、オフセットレベル分のレベルシフトが生じる。
には、散乱X線、幾何学的歪み、感度分布むら、拡散光
及びオフセットの画像低下要因がこの順番で加わること
になり、これらの画像低下要因が計測画像すなわちX線
投影像にぼけとして加わった状態で、X線投影像が得ら
れることになる。
置により得られたX線投影像の画質は、前述する散乱X
線、感度分布むら、幾何学的歪み、拡散光により劣化す
るので、これらのX線投影像から再構成される3次元再
構成画像は、画質の劣化が生じると共に、CT値の定量
性の低下を生じることになる。
置の画像処理手段の概略構成を示すブロック図であり、
201は第1のオフセットレベル補正手段、202は第
2のオフセットレベル補正手段、203は第1の拡散光
補正手段、204は第2の拡散光補正手段、205は感
度分布補正手段、206は歪み補正手段(幾何学的歪み
補正手段)、207は散乱X線補正手段、208は対数
変換手段、209ははみ出し補正手段、210はコーン
ビーム画像再構成演算手段を示す。
理手段を構成する201から210の各手段は、図1の
説明に記載したように、たとえば、周知の情報処理装置
で実行されるプログラムによって実現される。
正手段201は、実測画像すなわち被検体9を撮像した
X線透過像のオフセットレベルを補正する手段であり、
X線を照射しないで予め撮像したX線像とX線透過像と
から、X線透過像のオフセットレベルを補正したオフセ
ット補正画像を生成する。
は、検出器感度分布画像のオフセットレベルを補正する
手段であり、X線を照射しないで予め撮像したX線像と
被検体9を配置せずに空気のみを撮像したX線像(空気
投影像、エア像)とから、検出器感度分布画像のオフセ
ットレベルを補正したオフセット補正画像を生成する。
トレベルを補正した後のX線透過像のオフセット補正画
像に含まれる拡散光による影響を補正する手段であり、
第2の拡散光補正手段204は、オフセットレベルを補
正した後の検出器感度分布画像のオフセット補正画像に
含まれる拡散光による影響を補正する手段である。
オフセット補正画像と検出器感度分布画像のオフセット
補正画像とから、オフセット補正後のX線透過像に含ま
れる感度分布の差を補正した感度分布補正画像を生成す
る手段である。
ート投影像に基づいて作成した変換テーブルに基づい
て、感度分布補正画像の幾何学的歪みを補正した幾何学
的歪み補正画像を生成する手段である。
により作成した散乱X線分布に基づいて、幾何学的歪み
補正画像に含まれる散乱X線による影響を補正し、散乱
X線補正画像を生成する手段である。
対数変換する手段であり、はみ出し補正手段209は周
知の視野はみ出しの補正を行う手段であり、コーンビー
ム画像再構成演算手段210ははみ出し補正後のX線像
(投影像)を逆投影することによって3次元再構成画像
を生成する手段である。
処理装置の画像処理手段の動作を説明するためのフロー
を示し、以下、図3に基づいて、画像処理手段の動作を
説明する。
照射しないで撮影を行い、オフセット成分画像Aを得
る。エッジ画像から拡散光成分の強度(割合)と点像分
布関数とを求め、この両者の積をとり、拡散光分布Bを
求める。
X線透過像(投影像、X線像)Cを撮像する方向と同じ
方向から、空気投影像Dを撮影する。
るための周知のチャートを配置し、被検体9の投影像C
を撮影する方向と同じ方向から、前述するチャートのチ
ャート投影像Eを撮影する。次に、このチャート投影像
に基づいて、歪みの無い画像における各画素が、歪みを
含む画像のどの画素に対応するかを示す変換テーブルF
を作成する。
厚さに対する散乱X線成分の割合を求め、X線吸収体の
厚さと散乱X線成分の割合との関係Gとを求め、画像最
大値をとるX線吸収体の厚さHを推定する。また、数種
類のX線吸収体厚さに対して、エッジ画像から散乱X線
の点像分布関数Iを求める。
プ1〜6の処理を行う。
0に対し、次のオフセットレベル補正と拡散光補正処理
とを行う。
が、被検体投影像C0からオフセット成分画像Aを減算
し、オフセット成分補正画像C1を作成する(10
1)。
ト成分補正画像C1に拡散光分布Bを畳み込み、拡散光
成分画像C2を作成する(102)。
ト成分補正画像C1から拡散光成分画像C2を減算し、
拡散光補正画像C3を作成する(103)。
0と同じ方向から撮影した空気投影像D0に対し、被検
体投影像C0と同様に、次のオフセットレベル補正と拡
散光補正処理を行う。
を減算し、オフセット成分補正画像D1を作成する(1
04)。
光分布Bを畳み込み、拡散光成分画像D2を作成する
(105)。
分画像D2を減算し、拡散光補正画像D3を作成する
(106)。
段205が、拡散光補正被検体画像C3を対数変換し、
対数画像C4を作成する(107)。
数画像D4を作成する(108)。
画像C4から、空気の対数画像D4を減算した後(10
9)、この減算した画像を逆対数変換して、被検体の感
度分布補正画像C5を作成する(110)。
度分布補正205の後で対数変換208を行う。したが
って、感度分布補正の際に逆対数変換110を省略する
ならば、対数変換208を省略することもできる。
画像C5に対し、変換テーブルFを用いて、次に示す幾
何学的歪みの補正を行う。
みの無い画像すなわち歪み補正後の画像C6における各
画素が、歪みを含む感度分布補正画像C5のどの画素に
対応するのかを、変換テーブルFから索引する。
引された感度分布補正画像C5上の画素の値を、歪み補
正画像C6上の画素に格納する(111)。
像C6に対して、画像の計測条件と画像の値とから、被
検体厚さの代表値Jを求める。
るステップ0で予め指定したX線吸収体の厚さHよりも
小さい場合には、被検体厚さの代表値Jを予め指定した
厚さHに置き換える。
厚さと散乱X線成分の割合との関係Gを用いて、被検体
厚さの代表値Jから散乱X線成分の割合Kを求める。ま
た、ステップ0で求めた、数種類のX線吸収体厚さに対
する散乱X線の点像分布関数Iを用い、被検体厚さの代
表値Jに対する散乱X線の平均的点像分布関数Lを補間
して求める。
積をとり、被検体厚さの代表値Iに対する散乱X線分布
Mを求める。
細にその動作を説明する。
C6に対し、次の散乱X線補正処理を行う。
の歪み補正画像C6に散乱X線分布Mを畳み込み、散乱
X線成分画像C7を作成する(112)。
正画像C6から散乱X線成分画像C7を減算し、散乱X
線補正画像C8を作成する(113)。
ップ0〜6の補正処理により求めた各補正画像C8を表
示装置6に表示する。
を用いて、以下の手順に従って、3次元再構成を行う。
8を対数変換した後、はみ出し補正手段209が視野は
み出しの補正を行い、フィルタを畳み込んだ投影像C9
を作成する。
10が、各投影像C9を逆投影し、再構成画像C10を
求める。
を撮影する全ての方向において撮影する。また、空気投
影像Dの格納領域を縮小し、空気投影像Dに対する補正
処理を簡略化するため、撮影方向が近い場合には、代表
的な空気投影像あるいは平均的な空気投影像を用いても
よいことはいうまでもない。
な空気投影像あるいは平均的な空気投影像を用いてもよ
い。
は、たとえば、格子の交点に穴を開けたX線遮蔽板を用
いる。また、X線吸収体としては、たとえば、周知のア
クリル板を用いる。
D2及び散乱X線成分画像C7を作成する際に畳み込み
を行う構成としたが、畳み込みの代わりに、フーリエ変
換を利用することも可能である。
画像の計測系を説明するための図であり、12はX線遮
蔽版を示す。なお、図4中に示す矢印及びX,Y,Z
は、それぞれX軸、Y軸、Z軸を示す。
ば、金属板であり、このX線遮蔽版12を、たとえば、
X線グリッド3から25cm程度離して配置する。この
とき、X線遮蔽版12のエッジ部分14が2次元X線画
像検出器4の視野の中央部になると共に、このエッジ部
分14がY軸と平行になるように配置し、X線像(以
下、エッジ画像と記す)を撮影する。
2次元X線画像検出器4の視野の中央部になると共に、
このエッジ部分14がX軸と平行になるように配置し、
エッジ画像を撮影する。
るためのフローを示し、以下、図5に基づいて、拡散光
分布の算出手順を説明する。なお、本実施に形態では、
2次元X線画像検出器のX−Y軸と、撮影されたエッジ
画像(投影像)のX−Y軸は一致しているものとする。
ぼ同じ位置に画像の左半分が隠れるようにX線遮蔽板1
2を置き、ほぼ画像の中心でY軸に平行なエッジを作
る。このとき、被検体9を置かずに、エッジ画像P0を
撮影する。
ぼ中心を通り、X軸に平行なプロファイルデータP1を
とる。プロファイルデータP1のうち、エッジ位置を中
心とし、X線が遮蔽されていた側(本実施の形態の場合
には、エッジ画像の左側)のプロファイルデータP2を
とる。ただし、前述するエッジ位置は、例えば、プロフ
ァイルデータP1を微分し、ピークの位置とする。
た側のプロファイルデータP2から、ほぼ2次元X線画
像検出器4の分解能に当たる幅だけエッジに近いデータ
を削除した、プロファイルデータP3を作成する。次
に、このプロファイルデータP3を関数でフィッティン
グし、近似式P4を求める。このときの関数としては、
たとえば、指数関数を用いる。また、フィッティングの
精度を向上させるために、フィッティングの際に、エッ
ジ部分14に近いデータほど重みを付ける。
エッジ位置までX線が遮蔽された側のプロファイルデー
タP5を作成する。このプロファイルデータP5をエッ
ジとの交点で点対称に折り返したプロファイルデータP
6を作成する。このプロファイルデータP6をプロファ
イルデータP1から減算した、プロファイルデータP7
を作成する。
P7のうち、エッジ位置を中心とし、X線が遮蔽されて
いた側のプロファイルデータP8をとる。
た側のプロファイルデータP8を関数でフィッティング
し、近似式P9を求める。前述の関数としては、たとえ
ば、誤差関数を用いる。次に、フィッティングの精度を
向上させるために、たとえば、フィッティングの際に、
エッジに近いデータほど重みを付ける。また、関数の最
大値としては、プロファイルデータP7の最大値を用い
る。
位置での値を、近似式P9のエッジ位置での値で除し、
この結果をX軸方向の拡散光成分の割合P10とする。
次に、近似式P4を微分し、その面積が1になるように
規格化し、エッジ位置でエッジに線対称に折り返し、そ
の結果をX軸方向の拡散光線像分布関数P11とする。
位置に画像の下半分が隠れるようにX線遮蔽板12を置
き、ほぼ画像の中心でX軸に平行なエッジを作り、Y軸
を90度回転したと考えて、前述するステップ1〜7を
実行し、Y軸方向の拡散光成分の割合P12とY軸方向
の拡散光線像分布関数P13を求める。
分の割合P10とY軸方向の拡散光成分の割合P12と
を合成し、その結果を拡散光成分の割合P14とする。
なお、合成方法としては、たとえば、両者の平均値をと
る。
1とY軸方向の拡散光線像分布関数P13とを合成し、
その結果を拡散光点像分布関数P15とする。なお、合
成方法としては、たとえば、両者の積をとる。
像分布関数P15との積をとり、その結果を拡散光分布
P16とする。
出器の画素を単位として求めることにより、X線イメー
ジインテンシファイアのモード変更に関わらず、同じ拡
散光点像分布関数P15を用いることができ、この場合
には、拡散光補正のために予め求めておくパラメータの
数が少なくできる。さらには、補正演算に必要なパラメ
ータの数が少ないので、簡便に補正演算を行うことがで
きる。
ジ画像の計測系を説明するための図であり、13はX線
吸収体を示す。なお、図6中に示す矢印及びX,Y,Z
は、それぞれX軸、Y軸、Z軸を示す。
ば、アクリル板であり、本計測系ではこのX線吸収体1
3とともに、X線遮蔽板12をX線グリッド3から25
cm程度離して配置する。このとき、X線遮蔽版12の
エッジ部分14が2次元X線画像検出器4の視野の中央
部になると共に、このエッジ部分14がY軸と平行にな
るように配置し、エッジ画像を撮影する。
2次元X線画像検出器4の視野の中央部になると共に、
このエッジ部分14がX軸と平行になるように配置し、
エッジ画像を撮影する。
管2から照射されるX線がX線吸収体13を透過する際
に発生した散乱X線によるぼけが加わっている。
するためのフローを示し、以下、図7に基づいて、散乱
X線分布の算出手順を説明する。なお、本実施に形態に
おいても、2次元X線画像検出器のX−Y軸と、撮影さ
れたエッジ画像のX−Y軸は一致しているものとする。
ぼ同じ位置に画像の左半分が隠れるようにX線遮蔽板1
2を置き、ほぼ画像の中心でY軸に平行なエッジを作
る。X線源2から見てエッジ後方にX線吸収体13を配
置し、エッジ画像Q0を撮影する。このとき、数種類の
厚さのX線吸収体13に対して、エッジ画像の撮影を行
う。各X線吸収体厚におけるエッジ画像Q0に対して、
以下に示すステップ22〜28の処理を行う。
述のステップ19で求めた拡散光分布P16を畳み込
み、拡散光成分画像Q1を作成する。エッジ画像Q0か
ら拡散光成分画像Q1を減算し、拡散光補正画像Q2を
作成する。
述するステップ3,4と同様に、感度分布の補正と画像
歪みの補正とを行い、歪み補正画像Q21を作成する。
のほぼ画像の中心を通り、X軸に平行なプロファイルデ
ータQ3をとる。このプロファイルデータQ3のうち、
エッジ位置を中心とし、X線が遮蔽されていた側(本実
施の形態の場合には、エッジ画像の左側)のプロファイ
ルデータQ4をとる。ただし、エッジ位置は、たとえ
ば、プロファイルデータQ3を微分し、このときのピー
クの位置とする。
た側のプロファイルデータQ4から、ほぼ2次元X線画
像検出器4の分解能に当たる幅だけエッジに近いデータ
を削除し、プロファイルデータQ5を作成する。このプ
ロファイルデータQ5を関数でフィッティングし、近似
式Q6を求める。このときの関数としては、たとえば、
指数関数を用いる。また、フィッティングの精度を向上
させるため、フィッティングに際し、エッジに近いデー
タほど重みを付ける。
て、エッジ位置までX線が遮蔽された側のプロファイル
データQ7を作成する。このプロファイルデータQ7を
エッジとの交点で点対称に折り返したプロファイルデー
タQ8を作成する。次に、プロファイルデータQ8をプ
ロファイルデータQ3から減算したプロファイルデータ
Q9を作成する。
Q9のうち、エッジ位置を中心とし、X線が遮蔽されて
いた側のプロファイルデータQ10をとる。
た側のプロファイルデータQ10を関数でフィッティン
グし、近似式Q11を求める。なお、関数としては、た
とえば、誤差関数を用いる。また、フィッティングの精
度を向上させるために、フィッティングの際に、エッジ
に近いデータほど重みを付ける。さらには、関数の最大
値として、プロファイルデータQ9の最大値を用いる。
位置での値を、近似式Q11のエッジ位置での値で除
し、その結果をX軸方向の散乱X線成分の割合Q12と
する。
になるように規格化し、エッジ位置でエッジに対して線
対称に折り返し、その結果をX軸方向の散乱X線線像分
布関数Q13とする。
位置に画像の下半分が隠れるようにX線遮蔽板12を置
き、画像のほぼ中心でX軸に平行なエッジを作る。X線
源から見てエッジ後方にX線吸収体13を配置し、エッ
ジ画像Q14を撮影する。このとき、数種類の厚さのX
線吸収体板13に対して、エッジ画像の撮影を行う。
回転したと考えて、前述するステップ22〜28の処理
を行い、Y軸方向の散乱X線成分の割合Q15とY軸方
向の散乱X線線像分布関数Q16を求める。
に対して求めた、X軸方向の散乱X線成分の割合Q12
とY軸方向の散乱X線成分の割合Q15とを合成し、そ
の合成結果を散乱X線成分の割合Q17とする。ただ
し、合成方法としては、たとえば、両者の平均値をと
る。次に、同じX線吸収体厚さに対するX軸方向の散乱
X線線像分布関数Q13とY軸方向の散乱X線線像分布
関数Q16とを合成し、その結果を散乱X線点像分布関
数Q18とする。このときの合成方法としては、たとえ
ば、両者の積をとる。
化し、プロファイルデータに対して行うこともできる。
すなわち、エッジ画像Q0において、画像のほぼ画像の
中心を通り、X軸に平行なプロファイルデータQ20を
とり、前述のステップ19で求めたX軸方向の拡散光成
分の割合P10とX軸方向の拡散光線像分布関数P11
との積を畳み込み、拡散光成分プロファイルデータQ2
1を作成する。次に、プロファイルデータQ20から拡
散光成分プロファイルデータQ21を減算し、拡散光補
正プロファイルデータQ22を作成する。このデータを
前述のステップ23におけるX軸に平行なプロファイル
データQ3として用いる。Y軸に平行なプロファイルデ
ータに対しても、同様に求めることができる。
を説明するための図を示し、以下、図8に基づいて、前
述するステップ5に示す散乱X線分布の生成手順を詳細
に説明する。
撮影条件とから被検体9の吸収体厚さの代表値rbを求
める(112)。この求め方は別に示す。次に、この被
検体9の吸収体厚さの代表値rbと予め定めた吸収体厚
さの代表値最大限界値raとの大小関係の比較を行う
(113)。
値rbが最大限界値raより大きい場合には、このとき
の吸収体厚さの代表値rbに対応する散乱X線強度比と
散乱X線分布関数とを散乱X線補正処理114に適用し
(114)、散乱X線補正画像を生成する。
の代表値rbが予め定めた吸収体厚さの代表値最大限界
値raより小さい場合には、被検体9の吸収体厚さの代
表値rbに吸収体厚さの代表値最大限界値raを代入し
(116)、散乱X線補正処理を行う(114)。すな
わち、吸収体厚さの代表値をraとして、このraに対
応する散乱X線強度比と散乱X線分布関数とを散乱X線
補正に適用し、散乱X線補正画像115を生成する。
線補正処理は、補正前の画像110に対して、散乱X線
強度比と散乱X線分布関数との積の畳み込み演算により
散乱X線画像を生成し、この散乱X線画像を補正前の画
像から減算する処理である。
手順による効果を説明するための図であり、図9(a)
は被検体9を代表する吸収体厚さrbが最大限界値ra
より大きいときの効果を説明するための図であり、図9
(b)は最大限界値raが被検体9を代表する吸収体厚
さrbより大きいときの効果を説明するための図であ
る。
の対数(横軸)と散乱X線画像の値の対数(縦軸)との
関係を示したものである。この曲線Sは、グリッド3、
X線管2に印加する管電圧及びイメージインテンシファ
イアのモードが同一の条件における吸収体の厚さとその
ときの散乱X線強度比の実測値との関係をフィッティン
グにより求めたものである。
値)は、所定の撮影条件における吸収体の厚さと下記の
式5とにより関係付けられる。したがって、横軸の下の
吸収体厚さのスケールは、式5に基づく計算値を示して
いる。
ある。
るグリッドと吸収体とがない場合の画像の値の計算値、
Tpはグリッドの直接線透過率、Ipは直接線画像の値
である。
の厚さとは、画像の値の最大値が吸収体の厚さゼロに相
当し、この時の散乱X線成分の画像の値はゼロになる。
また、散乱X線成分の画像の値は、吸収体の厚さが約5
cmのときに最大値をとるので、本実施の形態において
は、最大限界値raは散乱X線画像の値が最大値付近に
なる5cmの値に設定する。
収体厚さrbとして、画像の最大値に相当する厚さを用
いることにしてあり、図9(a)に示す例では、その値
rbが12cmの場合を表している。この場合、rbに
対応する曲線S上の点の値を通り、縦軸と横軸との画像
の値が比例関係となる直線Tの関係を直接X線と散乱X
線との強度の関係として適用する。
直線Tが曲線Sから離れるほど補正演算の相対誤差が増
大する。この場合、直線Tは常に曲線Sの下にあるので
散乱X線補正は不足補正となり、そのときの相対誤差は
画像の値が小さい場合ほど増大することになるが、画像
の値が小さい時の絶対誤差は小さく、画像の値がゼロに
近づくにしたがい、絶対誤差もゼロに収束するので、比
較的よい近似であるといえる。
吸収体厚さrb、すなわち、画像の最大値に相当する吸
収体の厚さrbが1cmの場合を示している。この場合
には、被検体を代表する吸収体の厚さrbは、吸収体厚
さの限界指定値raの値(5cm)より小さいので、横
軸raに対応する曲線S上の点を通り、縦軸と横軸との
画像の値が比例関係となる直線Vの関係を直接X線と散
乱X線との強度の関係として適用する。
り大きくraより小さい場合は過補正、吸収体の厚さが
raより大きい場合は不足補正となるが、全体としては
近似的に補正される。
ま用いた場合の直線Uは、図9(b)から明らかなよう
に、曲線Sから大きく離れているので、補正演算の相対
誤差が増大する。
態の散乱X線分布の生成手順を用いる、すなわち、被検
体を代表する吸収体厚さrbと吸収体厚さの代表値最大
限界値raとの大小関係を比較し、大きい方の値に基づ
いて、散乱X線分布を近似することにより、raがrb
より大きい場合、すなわち、X線透過像に被検体9の周
囲であり吸収体が存在しない領域(被検体の厚さの最小
値がゼロの領域)が撮影されている場合であっても、被
検体吸収体厚さがある程度大であるときの条件により、
相対誤差の小さな散乱X線補正演算を行うことができ
る。
ンビームX線断層撮影装置によれば、X線透過像に順に
加わったぼけの原因を、加わった順と逆の順に除去する
ので、前述する理由により、簡単な演算で補正ができ
る。また、その演算量も少ない演算量でよい。
て、計測系における画像の幾何学的歪みと感度分布があ
る場合にも、歪み、感度分布、拡散光、及び散乱X線を
それぞれ簡便に補正し、3次元再構成により得られた画
像の画質とCT値の定量性を向上できる。
吸収体厚さの代表値最大限界値raとの大小関係を比較
し、大きい方の値に基づいて、散乱X線分布を近似する
ことにより、raがrbより大きい場合、すなわち、X
線透過像に被検体9の周囲であり吸収体が存在しない領
域が撮影されている場合であっても、相対誤差の小さな
補正演算が可能となる。
分を視野に含む場合にも、実測されたX線透過像におい
て散乱X線による画質の低下を簡便に補正できる。ま
た、3次元再構成により得られた画像の画質とCT値の
定量性を向上できる。
布関数とを、検出器の2次元配列の行方向または列方向
に直行する位置にX線吸収体のエッジを視野中心部付近
に配置し、2次元投影像を計測し、その断面プロファイ
ルを検出器の空間分解能成分によるガウス関数成分と、
拡散光成分による指数関数成分との2成分フィッティン
グとにより求め、該線像分布関数から点像分布関数P1
5を近似的に求めることにより、拡散光成分の強度と点
像強度分布関数を特殊な被写体を必要とせず、しかも検
出器の空間分解能に依存しないデータとして簡便に求め
ることが可能となる。
て計測系における拡散光による画質の低下を簡便に補正
し、3次元再構成により得られた画像の画質とCT値の
定量性を向上できる。
数を、2次元X線検出器の2次元配列の行方向または列
方向に直行する位置にX線吸収体のエッジを視野中心部
付近に配置し、これに種々の厚さの被検体模擬被写体を
重ねて散乱体としたものの2次元投影像を撮影し、その
投影像の断面プロファイルを検出器の空間分解能成分に
よるガウス関数成分と、散乱X線成分による指数関数成
分との2成分フィッティングにより求めるので、散乱X
線成分の強度と点像分布関数を特殊な被写体を必要とせ
ず、しかも検出器の空間分解能に依存しないデータとし
て簡便に求めることができる。
層撮影装置では、拡散光分布及び散乱X線分布を求める
際、ノイズを減少させるため、フィッティングに用いる
プロファイルデータに対して、エッジに平行な方向に数
ライン加算を行う、あるいはエッジに垂直な方向に数点
ずつ加算を行う。
装置では、ノイズの少ないX線が遮蔽された側のプロフ
ァイルデータを用いたが、X線が照射した側のプロファ
イルデータを用いてもよいことはいうまでもない。ま
た、遮蔽に係わらず全プロファイルデータを用いて、フ
ィッティングを行ってもよいことはいうまでもない。
装置では、左右あるいは上下のエッジに対し、プロファ
イルの形状がほぼ等しいと仮定し、片側のプロファイル
から求めた近似式を折り返して分布関数を求めた。しか
しながら、エッジの向きによって分布が異なる場合に
は、各エッジの向きに対して分布関数を求めて、合成す
る必要がある。逆に、上下左右のエッジに対し、プロフ
ァイルの形状がほぼ等しいならば、どれか一つのプロフ
ァイルで代表させることもできる。
装置では、テレビカメラのX−Y軸と撮影された投影像
のX−Y軸は一致しているものとしたが、ずれている場
合も考えられ、その場合には、回転角度を考慮して、分
布関数の合成を行うことはいうまでもない。
装置では、2次元X線画像検出器4としてイメージイン
テンシファイアとテレビカメラとを用いる場合につい
て、その動作及び効果を説明したが、これに限定される
ことはなく、たとえば、アモルファスセレン膜とTFT
配列とを用いる2次元X線検出器、蛍光板と2次元フォ
トダイオードアレイとを用いる2次元X線検出器、蛍光
板とTFT配列を用いる2次元X線検出器、蛍光板と光
学系とテレビカメラを用いる2次元X線検出器等の2次
元X線画像検出器でもよいことはいうまでもない。
アモルファスセレン膜を用いる2次元X線検出器では拡
散光の発生過程が存在しないので、補正処理において、
拡散光に関する部分を削除することができる。
ファイアを用いない2次元X線検出器では幾何学的歪み
の発生過程が存在しないので、補正処理において幾何学
的歪みに関する部分を削除することができる。
シファイアとテレビカメラとを用いているので、感度分
布むらが大きく補正を必要とするが、感度分布むらが小
さい場合は補正を行わなくてもよい。
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
含む場合にも、実測されたX線透過像において散乱X線
による画質の低下を簡便に補正できると共に、3次元再
構成により得られる画像の画質とCT値の定量性とを向
上できる。
系における拡散光による画質の低下を簡便に補正できる
と共に、3次元再構成により得られる画像の画質とCT
値の定量性とを向上できる。
系における画像の幾何学的歪みと感度分布がある場合に
も、歪み、感度分布、拡散光、及び散乱X線をそれぞれ
簡便に補正できると共に、3次元再構成により得られた
画像の画質とCT値の定量性とを向上できる。
撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
理手段の概略構成を示すブロック図である。
理手段の動作を説明するためのフローである。
系を説明するための図である。
ある。
測系を説明するための図である。
である。
図である。
効果を説明するための図である。
…2次元X線画像検出器(2次元X線撮像手段)、5…
画像収集及び処理装置、6…表示装置、7…回転板、8
…寝台天板、9…被検体、13…X線吸収体、201…
第1のオフセットレベル補正手段、202…第2のオフ
セットレベル補正手段、203…第1の拡散光補正手
段、204…第2の拡散光補正手段、205…感度分布
補正手段、206…歪み補正手段、207…散乱X線補
正手段、208…対数変換手段、209…はみ出し補正
手段、210…コーンビーム画像再構成演算手段。
Claims (10)
- 【請求項1】 円錐状もしくは角錐状のX線を照射する
X線源と、被検体の2次元X線像を撮像する2次元X線
像撮像手段と、該2次元X線像撮像手段が撮像した2次
元X線像から3次元X線CT像を再構成する再構成手段
とを有するコーンビームX線断層撮影装置において、 所定のX線吸収体の厚さと該厚さに対する散乱X線成分
の割合との関係を予め計測する計測手段と、前記2次元
X線像と撮像条件とから前記被検体のX線吸収量と前記
X線吸収体のX線吸収量とが等しくなるときの前記X線
吸収体の厚さを算出する吸収体厚さ算出手段と、該吸収
体厚さ算出手段が算出した吸収体厚さと予め設定される
吸収体厚さとを比較し、該比較の結果、前記被検体の吸
収体厚さが前記予め設定される吸収体厚さよりも薄い場
合には、前記予め設定される吸収体厚さに対応する散乱
X線成分の割合を前記2次元X線像撮像手段が撮像した
2次元X線像の散乱X線成分の割合とする比較置換手段
と、前記散乱X線成分の割合に基づいて、前記2次元X
線像の散乱X線を補正する散乱X線補正手段とを具備す
ることを特徴とするコーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項2】 円錐状もしくは角錐状のX線を照射する
X線源と、被検体の2次元X線像を2次元光学像に変換
する光学像変換手段と、該2次元光学像を撮像する2次
元光学像撮像手段と、該2次元光学像撮像手段が撮像し
た2次元光学像から3次元X線CT像を再構成する再構
成手段とを有するコーンビームX線断層撮影装置におい
て、 予め計測した拡散光成分の割合と点像分布関数とに基づ
いて、前記2次元光学像の拡散光を補正する拡散光補正
手段と、前記X線を照射せずに撮像した感度分布画像に
基づいて、前記拡散光補正手段による補正後の2次元光
学像の感度分布を補正する感度分布補正手段と、予め計
測した歪み変換テーブルに基づいて、前記感度分布補正
手段による補正後の2次元光学像の歪みを補正する歪み
補正手段と、前記歪み補正手段による補正後の2次元X
線像の散乱X線を補正する散乱X線補正手段と、該散乱
X線補正手段による補正後の2次元光学像を対数変換す
る対数変換手段と、対数変換後の2次元光学像のはみ出
し補正を行うはみ出し補正手段とを具備し、前記再構成
手段は、はみ出し補正後の2次元光学像から3次元X線
CT像を再構成することを特徴とするコーンビームX線
断層撮影装置。 - 【請求項3】 所定のX線吸収体の厚さと該厚さに対す
る散乱X線成分の割合との関係を予め計測する計測手段
と、前記2次元X線像と撮像条件とから前記被検体のX
線吸収量と前記X線吸収体のX線吸収量とが等しくなる
ときの前記X線吸収体の厚さを算出する吸収体厚さ算出
手段と、該吸収体厚さ算出手段が算出した吸収体厚さと
予め設定される吸収体厚さとを比較し、該比較の結果、
前記被検体の吸収体厚さが前記予め設定される吸収体厚
さよりも薄い場合には、前記予め設定される吸収体厚さ
に対応する散乱X線成分の割合を前記2次元X線像撮像
手段が撮像した2次元X線像の散乱X線成分の割合とす
る比較置換手段とを具備し、前記散乱X線補正手段が前
記散乱X線成分の割合に基づいて、前記2次元X線像の
散乱X線を補正することを特徴とする請求項2に記載の
コーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項4】 前記散乱X線補正手段は、前記割合計測
値と点像分布関数との積を計算する手段と、該計算結果
を拡散光補正前の2次元X線像に対して畳み込み演算
し、散乱X線成分画像を生成する手段と、前記2次元X
線像から前記散乱X線成分画像を減算する手段とを具備
することを特徴とする請求項1ないし3の内のいずれか
1項に記載のコーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項5】 前記拡散光補正手段は、前記拡散光成分
の割合と前記点像分布関数との積を計算する手段と、該
計算結果を拡散光補正前の2次元X線像に対して畳み込
み演算し、拡散光成分画像を生成する手段と、前記2次
元X線像から前記拡散光成分画像を減算する手段とを具
備することを特徴とする請求項2ないし4の内のいずれ
か1項に記載のコーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項6】 前記拡散光補正手段は、前記拡散光成分
の割合と点像分布関数の積との関数として、フーリエ空
間における拡散光補正フィルタを生成する手段と、拡散
光補正前の2次元X線像をフーリエ変換するフーリエ変
換手段と、該フーリエ変換後のX線像に対して前記拡散
光補正フィルタを積演算する手段とを具備することを特
徴とする請求項2ないし4の内のいずれか1項に記載の
コーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項7】 X線遮蔽体のエッジ部分が2次元光学像
撮像手段の2次元配列の行方向もしくは列方向に直交す
ると共に、視野中心付近となるようにX線遮蔽体を配置
して撮像した2次元X線像の断面プロファイルを、前記
2次元光学像撮像手段および光学像変換手段の空間分解
能を表すガウス関数成分と拡散光成分を表す指数関数成
分とで2成分フィッティングし、ガウス関数成分と指数
関数成分とに分離する手段と、分離した前記ガウス関数
成分と前記指数関数成分とから前記拡散光成分の割合と
線像分布関数とを計算する手段と、前記線像分布関数か
ら点像分布関数を近似する手段とを具備することを特徴
とする請求項2ないし6の内のいずれか1項に記載のコ
ーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項8】 X線遮蔽体のエッジ部分が2次元光学像
撮像手段の2次元配列の行方向もしくは列方向に直交す
ると共に、視野中心付近となるようにX線遮蔽体を配置
し、該X線遮蔽体に種々の厚さの被検体模擬被写体を重
ねて散乱体としたものを撮像した2次元X線像の断面プ
ロファイルを、前記2次元光学像撮像手段および光学像
変換手段の空間分解能を表すガウス関数成分と散乱X線
成分を表す指数関数成分とで2成分フィッティングし、
ガウス関数成分と指数関数成分とに分離する手段と、分
離した前記ガウス関数成分と前記指数関数成分とから前
記散乱X線成分の割合と線像分布関数とを計算する手段
と、前記線像分布関数から点像分布関数を近似する手段
とを具備することを特徴とする請求項2ないし6の内の
いずれか1項に記載のコーンビームX線断層撮影装置。 - 【請求項9】 前記拡散光補正手段は、任意の撮像条件
で撮像した2次元X線像から拡散光成分の割合と点像分
布関数とを計算する手段と、該点像分布関数を前記2次
元光学像撮像手段の画素を単位とする関数に変換する手
段とを具備し、撮像条件を変更した場合であっても、前
記拡散光成分の強度比と前記点像分布関数に基づいて、
拡散光を補正することを特徴とする請求項1ないし8の
内のいずれか1項に記載のコーンビームX線断層撮影装
置。 - 【請求項10】 前記2次元X線像撮像手段のオフセッ
トレベルの補正を行う手段を具備し、前記拡散光の補正
に先立ち、前記2次元X線像撮像手段のオフセットレベ
ルの補正を行うことを特徴とする請求項2ないし9の内
のいずれか1項に記載のコーンビームX線断層撮影装
置。
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