JPH10329744A - パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両 - Google Patents

パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両

Info

Publication number
JPH10329744A
JPH10329744A JP9142275A JP14227597A JPH10329744A JP H10329744 A JPH10329744 A JP H10329744A JP 9142275 A JP9142275 A JP 9142275A JP 14227597 A JP14227597 A JP 14227597A JP H10329744 A JPH10329744 A JP H10329744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
steering wheel
failure
detector
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9142275A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Ishikawa
和男 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP9142275A priority Critical patent/JPH10329744A/ja
Publication of JPH10329744A publication Critical patent/JPH10329744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドルと操舵輪の切れ角の対応関係のずれ
を検出するための検出器の故障を、ずれ補正実行中にお
いても診断できるようにする。 【解決手段】 コントローラ26内のCPUは、ハンド
ル角センサ30により検出された現在のハンドル角と、
タイヤ角センサ28により検出されたタイヤ切れ角Rか
ら求めた目標ハンドル角とのずれを検出すると、ハンド
ル操作時に電磁弁22を開弁させてハンドル操作の空転
を作り出してそのずれを補正する。車速センサ35の検
出値から得た車速が5km/hを超えたときに、ヨーレ
ートセンサ36の検出値から得た車両の旋回時のヨーレ
ートYの変化ΔYがΔY>0かつタイヤ角センサ28の
検出値から得たタイヤ角速度VT=0となる故障条件が
一定時間以上継続して成立したときに、CPUはタイヤ
角センサ28を故障と診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーステアリン
グ装置を備えたフォークリフト等の車両において、ハン
ドルのハンドル角と操舵輪の切れ角との対応関係のずれ
を補正するパワーステアリング装置におけるハンドル角
補正装置及び車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーステアリング装置として、
ハンドルの操作量に応じた油量をステアリングシリンダ
に供給して操舵輪を操向させる全油圧式パワーステアリ
ング装置が知られている。
【0003】例えばフォークリフト等の産業車両では、
荷役作業等の操作をしながら片手でハンドル操作できる
ようにハンドルにノブが設けられている。そのため、ノ
ブの位置を見て操舵輪が直進時の切れ角にあるかどうか
の判断の目安とされる場合がある。しかし、ハンドルの
操作量とオービットロール等の作動油供給装置から吐出
される油量との対応関係を示すオービットロール効率
(実吐出量/理論吐出量)がハンドル操作速度に対して
変動することや、ステアリングシリンダ等の油圧系にお
けるオイルリークなどが原因で、ノブ位置と操舵輪の切
れ角との対応関係にずれが発生する。
【0004】例えば特公平3−30544号公報や特公
平4−24270号公報等には、操舵輪の切れ角に対す
るハンドル角のずれを補正するハンドル角補正装置が開
示されている。図9は、特公平4−24270号公報に
開示されたハンドル角補正装置を示したものである。
【0005】全油圧式のパワーステアリング装置71
は、ハンドル72により操作されるステアリングユニッ
ト73と、操舵輪(図示せず)を操向させるステアリン
グシリンダ74と、ステアリングユニット73とステア
リングシリンダ74とを連結する油圧ライン75,76
とを備える。油圧ライン75,76は、ハンドル72の
操舵方向に応じて操舵時には一方のラインがステアリン
グポンプ77からの加圧作動油を給送する給送ラインと
なり、他方のラインが作動油タンク78へ油を戻す返送
ラインとなる。両油圧ライン75,76を連結するドレ
ーン油ライン79の途中には電磁切換弁80が設けられ
ている。
【0006】制御手段81は、ハンドル回転角センサ8
2からのハンドル回転角信号θabsから目標シリンダス
トロークxgをマップを用いて求め、この目標シリンダ
ストロークxgと、シリンダ位置センサ83からのシリ
ンダストローク信号sにより決まる実際のシリンダスト
ロークxとの偏差が許容値を越えると、ソレノイド84
を励磁させて電磁切換弁80を開弁させる。こうして電
磁切換弁80が開弁されて油圧ライン75,76のうち
給送ラインを流れる作動油の一部がドレーン油ライン7
9を通って作動油タンク78に流出(還流)し、ハンド
ル72が空転状態となることでハンドルが位置補正され
る。
【0007】この従来装置では各センサ82,83の故
障など制御系の異常を診断し、異常を検出したときには
電磁切換弁80を強制的に閉弁させることで、ハンドル
操作の割りに操舵輪の動きが小さいなどのハンドル操作
上の不具合(違和感等)を防止するようにしていた。故
障診断方法としては、ハンドル回転速度Vh が基準値V
hoを越えるときに、ハンドル回転速度Vh に対応するシ
リンダストローク速度Vs の正常限界値Vsoを求め、実
際のシリンダストローク速度|Vs |が正常限界値Vso
未満となった場合を故障と判断していた。つまり、各セ
ンサ82,83からの検出値Vh ,|Vs |の対応関係
が正常状態であるか異常状態であるかの判断により、セ
ンサの故障等の異常を診断していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハンド
ル回転角センサ82が故障した場合には、故障の診断が
できないか、誤った診断をしてしまうという問題があっ
た。例えばハンドル操作をしているにも拘わらず、故障
のためハンドル回転角センサ82の検出値が一定のまま
変化しなくなった場合、ハンドル回転速度Vh が「0」
と検出される(つまり、Vh 値が基準値Vhoより小さく
なる)ため故障の診断自体が行われない。このため、シ
リンダ位置センサ83の故障を発見できないことになっ
ていた。従って、ハンドル回転角センサ82からの間違
った検出値に基づきハンドルのずれ補正が行われ、却っ
てずれ量を拡大させる不具合がもたらされる恐れがあっ
た。
【0009】さらに従来装置では、ハンドルのずれ補正
実行中はハンドル操作の空転によりハンドル回転量の割
りにシリンダストローク変化がかなり小さくなるため、
ハンドル回転速度Vh とシリンダストローク速度|Vs
|との対応関係が故障時の関係を満たし得る。このた
め、ハンドルのずれ補正実行中は故障診断を中断せざる
を得ない。しかし、ハンドルのずれ補正実行中に故障が
発生して、センサ82,83のいずれか一方の検出値が
一定値に固定された場合は、ハンドルの1回転のうち
x,xg値が一致する極く一瞬を除いて補正が実行され
たままとなる。この補正が停止されて故障診断が行われ
る極く一瞬の時間が故障を診断できないほどに短ければ
故障がなかなか発見されない。この場合、ハンドル操作
が常に空転状態になってしまう。このため、ハンドルの
ずれ補正実行中であっても、故障診断ができるようにす
る必要があった。
【0010】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、ハンドルと操舵輪の切
れ角の対応関係のずれを検出するための検出器の故障
を、ずれ補正実行中においても診断できるパワーステア
リング装置におけるハンドル角補正装置及び車両を提供
することにある。第2の目的は、ハンドルのずれを検出
する検出器の検出値が正常範囲内の一定値に固定される
脱落故障等の故障を発見することにある。第3の目的
は、診断の精度を高めることにある。第4の目的は、診
断対象の検出器が一過性に不適切な検出値をとったこと
に起因する誤診断を減らすことにある。第5の目的は、
誤診断しても、ハンドルのずれ補正の再開を可能にする
ことにある。第6の目的は、操舵輪近くに設けられて路
面からの振動を受けて故障し易い舵角検出器の故障を診
断することで、ハンドルのずれを検出する検出器の故障
による不具合を効率良く回避することにある。第7の目
的は、旋回検出器として信頼性の高い検出値を出力可能
なヨーレート検出器を使用することで、故障診断の精度
を高めることにある。第8の目的は、車両の車体揺動規
制制御に使用する検出器を故障診断に利用することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、ハンドルのハンドル
角を検出するためのハンドル角検出器と、操舵輪の切れ
角を検出するための舵角検出器と、ハンドルの操作量に
応じて操舵輪を操舵させる駆動手段と、ハンドルの操作
量に対する操舵輪の切れ角変化割合を小さく補正してハ
ンドル操作の空転状態を作り出すための補正手段と、車
両の旋回時の向きの変化を計測するのに必要な検出値を
出力する旋回検出器と、前記旋回検出器の検出値から車
両の向きの変化率を計測し、前記ハンドル角検出器と前
記舵角検出器のうち少なくとも一方の故障を、車両の向
きの変化率の変化の割りに当該故障診断対象の検出器の
検出値の変化が故障とみなせる所定値未満に小さいこと
をもって断定する診断をする故障診断手段と、ハンドル
角と切れ角との対応関係のずれを検出し、そのずれを小
さくさせる方向にハンドル操作されたときに前記補正手
段を駆動させる制御をし、前記故障診断対象の検出器が
前記故障診断手段により故障と診断されたときには、前
記補正手段を駆動させない制御手段とを備えているパワ
ーステアリング装置におけるハンドル角補正装置。
【0012】第2の目的を達成するため請求項2に記載
の発明では、請求項1に記載の発明において、前記故障
診断手段は、前記旋回検出器の検出値から計測した車両
の向きの変化率が変化しているにも拘わらず、故障診断
対象の前記検出器の検出値が一定であれば故障と診断す
ることをその要旨とする。
【0013】第3の目的を達成するため請求項3に記載
の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明におい
て、車両には車速を検出する車速検出手段が備えられ、
前記故障診断手段は、前記車速検出手段により検出され
た車速が所定速度以上のときに故障診断を行うことをそ
の要旨とする。
【0014】第4の目的を達成するため請求項4に記載
の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載
の発明において、前記故障診断手段は、前記旋回検出器
の検出値から計測した車両の向きの変化率の変化の割り
に故障診断対象の前記検出器の検出値の変化が前記所定
値未満に小さくなる故障診断条件を所定時間継続して満
たしたときに故障と診断することをその要旨とする。
【0015】第5の目的を達成するため請求項5に記載
の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載
の発明において、前記故障診断手段は、故障と診断した
後に故障と診断する基礎とした故障診断条件を満たさな
くなれば故障とした診断結果を取り消すことをその要旨
とする。
【0016】第6の目的を達成するため請求項6に記載
の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載
の発明において、前記故障診断手段が故障診断する故障
診断対象の前記検出器は、前記舵角検出器である。
【0017】第7の目的を達成するため請求項7に記載
の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載
の発明において、前記旋回検出器は車両のヨーレートを
検出するヨーレート検出器である。
【0018】第8の目的を達成するため請求項8に記載
の発明では、請求項7に記載の発明において、前記ヨー
レート検出器は、車両のヨーレートと車速の積から求め
た車両の横Gが所定値以上の値をとると、車体に揺動可
能な操舵輪の揺動を規制する車体揺動規制制御のため、
前記横Gの計算に用いるヨーレートの検出値を検出する
ために車両に設けられたものである。
【0019】請求項9に記載の発明では、車両には、請
求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の前記ハンドル
角補正装置が備えられている。 (作用)従って、請求項1に記載の発明によれば、ハン
ドルの操作量に応じて駆動手段により操舵輪が操舵され
る。ハンドル角検出器が検出するハンドル角と、舵角検
出器が検出する操舵輪の切れ角との対応関係のずれを検
出すると、制御手段はそのずれを小さくする方向にハン
ドル操作されたときに補正手段を駆動させる。補正手段
の駆動により、ハンドルの操作量に対する操舵輪の切れ
角変化割合が小さく補正され、ハンドル操作の空転状態
が作り出され、ずれが補正される。
【0020】ハンドル角検出器と舵角検出器のうち少な
くとも一方は、故障診断手段により故障診断される。故
障診断手段は、旋回検出器の検出値を使って車両の向き
の変化率を計測し、この車両の向きの変化率の変化の割
りに、故障診断対象の検出器の検出値の変化が故障とみ
なせる所定値未満に小さければ、その検出器を故障と診
断する。故障診断手段により故障が発見されると、制御
手段は補正手段を駆動させない。つまり、ハンドルのず
れ補正が行われなくなる。
【0021】請求項2に記載の発明によれば、故障診断
手段は、旋回検出器の検出値から計測した車両の向きの
変化率が変化しているにも拘わらず、故障診断対象の検
出器の検出値に変化がなければ、その故障診断対象の検
出器を故障と診断する。
【0022】請求項3に記載の発明によれば、故障診断
手段は、車速検出手段により検出された車速が所定速度
以上のときに故障診断を行う。操舵輪の切れ角が変化し
たときには車速が速いほど車両の向きの変化率が著しく
なり、所定速度以上の車速でのみ故障診断をすること
で、故障診断の精度が高まる。
【0023】請求項4に記載の発明によれば、故障診断
手段は、車両の向きの変化率の変化の割りに故障診断対
象の検出器の検出値の変化が所定値未満に小さくなる故
障診断条件を所定時間継続して満たしたときに故障と診
断する。このため、故障診断対象の検出器が一過性で不
適切な検出値をとっても故障と誤診断されない。
【0024】請求項5に記載の発明によれば、故障の診
断の基礎にした故障診断条件が満たされなくなれば、故
障診断手段により故障とした診断結果が取り消される。
このため、誤診断のため仮にハンドルのずれ補正の実行
が禁止されても、誤診断と分かればハンドルのずれ補正
の実行が再開される。
【0025】請求項6に記載の発明によれば、操舵輪近
くに設けられて路面からの振動を受けて比較的故障し易
い舵角検出器の故障が故障診断手段により診断される。
請求項7に記載の発明によれば、ヨーレート検出器の検
出値であるヨーレートが車両の向きの変化率に相当する
ので、ヨーレート検出器の検出値の変化と診断対象の検
出器の検出値の変化との比較だけで故障診断が可能にな
る。また、ヨーレート検出器は比較的信頼性の高い検出
値を出力するため、故障診断の精度も高まる。
【0026】請求項8に記載の発明によれば、車両の横
Gが所定値以上になると、車体に揺動可能に設けられた
操舵輪の揺動を規制する車体揺動規制制御が行われ、こ
の制御で使う横Gの算出に必要なヨーレートを検出する
ために車両に設けられているヨーレート検出器が、故障
診断に利用される。
【0027】請求項9に記載の発明によれば、車両に
は、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のハンド
ル角補正装置が備えられているので、請求項1〜請求項
8のいずれか一項に記載の発明と同様の作用が得られ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1は、車両と
してのフォークリフトFに装備されたパワーステアリン
グ装置1を示す。オペレータにより回転操作されるハン
ドル(ステアリングホイール)2には、その操作性を良
くするためにノブ2aが設けられている。ハンドル2を
支持するステアリングシャフト3は駆動手段を構成する
オービットロール4に連結されている。
【0029】オービットロール4を構成するバルブユニ
ット5には、エンジン(図示せず)により駆動される油
圧ポンプ(荷役ポンプ)6からの作動油が供給される供
給管7と、ドレンタンク8に作動油を排出するための排
出管9とが接続されている。供給管7と排出管9とを接
続する管路10にはリリーフ弁11が介装され、リリー
フ弁11により油圧ポンプ6からバルブユニット5に圧
送される油圧が一定圧(設定圧)に保持されるようにな
っている。
【0030】バルブユニット5はステアリングシャフト
3に直接駆動されるものであって、ハンドル2の回転量
に比例した油量を、後述する駆動手段を構成するステア
リングシリンダ12に供給する機能を有するものであ
る。バルブユニット5とステアリングシリンダ12は2
本の油圧ライン13,14で接続されている。ハンドル
2が右旋回された場合、油圧ライン13が油圧ポンプ6
からの作動油を給送する給送ラインとして機能し、油圧
ライン14が油圧ポンプ6に作動油を戻す返送ラインと
して機能する。また、ハンドル2が左旋回された場合、
油圧ライン14が給送ラインとして機能し、油圧ライン
13が返送ラインとして機能する。
【0031】ステアリングシリンダ12は、車体に固定
された円筒中空状のシリンダチューブ15と、この内部
に往復動可能に配置されたピストン16と、シリンダチ
ューブ15の両端部から延出した左右一対のピストンロ
ッド17a,17bとを備えている。各油圧ライン1
3,14は、ピストン16により2室に区画されたシリ
ンダチューブ15の各室に連通されている。
【0032】各ピストンロッド17a,17bの先端部
にはリンク機構18a,18bを介して左右の操舵輪
(後輪)19,19が連結されており、ステアリングシ
リンダ12が駆動されることにより両操舵輪19はキン
グピン20を中心に左右に操舵されるようになってい
る。
【0033】両油圧ライン13,14はバイパスライン
21で繋がっており、このバイパスライン21の途中に
補正手段としての電磁切換弁22及び絞り弁23が設け
られている。電磁切換弁22はその開弁によりバルブユ
ニット5から吐出された油量の一部をバイパスライン2
1を介してドレンタンク8に還流させ、ハンドル2の操
作量に対するステアリングシリンダ12におけるピスト
ン16の変位量の割合を減少させてハンドル2の空転状
態を作り出すためのものである。
【0034】電磁切換弁22はノーマルクローズタイプ
の二位置切換弁である。電磁切換弁22を構成するスプ
ール(図示せず)はバネ24により遮断位置側に付勢さ
れている。電磁切換弁22はソレノイド25が消磁され
たときにバイパスライン21を遮断する遮断位置(図1
の状態)に配置され、ソレノイド25が励磁されたとき
にバイパスライン21を連通させる連通位置に配置され
る。ソレノイド25はコントローラ26により励消磁制
御される。なお、絞り弁23は、電磁切換弁22が故障
等により開弁のままとなっても、ハンドル操作による操
舵輪19の操舵が可能となるように、バイパスライン2
1の流量を絞るためのものである。
【0035】フォークリフトFには、ハンドル角と切れ
角との対応関係のずれを検出するためのセンサとして、
ハンドル2の回転を検出するためのハンドル角検出器と
してのエンコーダ(ロータリエンコーダ)27と、操舵
輪19のタイヤ切れ角を検出するための舵角検出器とし
てのタイヤ角センサ28とが設けられている。
【0036】エンコーダ27はステアリングシャフト3
に一体回転可能に設けられた円盤29と、円盤29のス
リットを通り抜けた光を検出する三組のフォトカプラか
らなるハンドル角センサ30とを備える。ハンドル角セ
ンサ30からの検出信号はコントローラ26に入力され
るようになっている。
【0037】ハンドル角センサ30は前記フォトカプラ
を構成するフォトトランジスタからなる第1トランジス
タ31、第2トランジスタ32及び補正トランジスタ3
3(図2に図示)を内蔵している。第1トランジスタ3
1及び第2トランジスタ32は、円盤29に周方向に沿
って等間隔に合計40個形成されたスリットを通り抜け
た光を検出するためのものであり、ハンドル2の1回転
でオン・オフを40回繰り返す図3に示す検出信号(デ
ジタル信号)SS1,SS2をそれぞれ出力する。各ト
ランジスタ31,32は各々の出力信号SS1,SS2
の位相が90°ずれるように設定されており、両信号S
S1,SS2のエッジを検出することによりハンドル2
の回転角(以下、ハンドル角という)を、ハンドル1回
転を160分割したに相当する分解能で検出可能となっ
ている。
【0038】また、補正トランジスタ33は円盤29の
周縁部1箇所に形成された位置補正用のスリットを通り
抜けた光を検出するためのものである。ハンドル2が中
立位置(操舵輪19が直進時の切れ角にあるときの正規
のハンドル角)に配置されたときに、補正トランジスタ
33はスリットを通り抜けた光を検出してオンする図3
に示す検出信号(デジタル信号)SSCを出力する。補
正トランジスタ33からの出力信号SSCは、信号SS
1,SS2のエッジを計数して得られるハンドル角に相
当する後述するカウント値Cの較正のために用いられ
る。
【0039】タイヤ角センサ28は本実施形態ではポテ
ンショメータからなる。タイヤ角センサ28は右側の操
舵輪19を支持するキングピン20にその検出軸が一体
回転可能な状態でリアアクスルビームの右端部に取付け
られている。タイヤ角センサ28はキングピン20の回
動量を検出した検出信号をコントローラ26に出力す
る。
【0040】駆動輪である左右の前輪にエンジン(いず
れも図示せず)からの出力を伝達するフロントデフリン
グギヤ34には車速検出手段としての車速センサ35が
設けられている。車速センサ35はフロントデフリング
ギヤ34の回転を検出して車速に比例した周波数を有す
る車速信号vをコントローラ26に出力する。
【0041】フォークリフトFの車体には旋回検出器及
びヨーレート検出器としてのヨーレートセンサ36が取
付けられている。ヨーレートセンサ36はフォークリフ
トFの旋回時の角速度(ヨーレート)に相当する検出信
号をコントローラ26に出力するようになっている。
【0042】左右の操舵輪19を支持するリアアクスル
ビーム(図示せず)は、その左右端が上下変位可能に車
体フレームに対して揺動可能に支持されており、車体が
操舵輪19に対して左右(車幅方向)に傾動可能となっ
ている。本実施形態ではリアアクスルビームの車体フレ
ームに対する揺動を規制するため、油圧ダンパ37と電
磁切換弁38とを備えた揺動規制装置39が備えられて
いる。
【0043】油圧ダンパ37はリアアクスルビームと車
体フレームとの間に介装されている。電磁切換弁38は
油圧ダンパ37のシリンダ内のピストンで区画された2
室を繋ぐ油路上に設けられている。油圧ダンパ37は電
磁切換弁38の開弁時に伸縮可能なフリー状態になり、
電磁切換弁38の閉弁時に伸縮不能にロックされる。
【0044】本実施形態では、車両に働く横Gが所定値
以上に大きくなると油圧ダンパ37をロックさせて車体
の横方向への傾動を規制するスウィング制御(揺動規制
制御)をコントローラ26が行う。車両の横Gはヨーレ
ートセンサ36の検出値から得たヨーレート(旋回角速
度)Y(deg./sec.)と、車速センサ35の検出値から
得た車速V(km/h)との積で求められ、式 Gs=V・
Y より計算される(但し、Gsは横Gの計算値)。Gs
値が予め設定した所定値Goを超えると電磁切換弁38
のソレノイド38aを消磁させて油圧ダンパ37をロッ
クさせる制御をするように設定されている。
【0045】本実施形態では、ハンドル角と切れ角との
対応関係のずれを検出するために設けられた2つのセン
サ28,30のうち、走行時に激しい振動を受け易い場
所に配設されて故障の発生率が比較的高いタイヤ角セン
サ28の故障を診断するようにしている。ポテンショメ
ータからなるタイヤ角センサ28はその検出軸がキング
ピン20から一体回転不能な状態に外れる脱落故障等が
起き易い。本実施形態では、スウィング制御のために車
体に取付けているヨーレートセンサ36をこのタイヤ角
センサ30の故障診断に利用している。
【0046】図2に示すように、コントローラ26は、
マイクロコンピュータ40、エッジ検出回路41、AD
変換回路42及び制御手段を構成する励消磁駆動回路4
3等を備えている。マイクロコンピュータ40は、制御
手段及び故障診断手段を構成する中央処理装置(CP
U)44,読出し専用メモリ(ROM)45,読出し書
替え可能メモリ(RAM)46,操舵カウンタ47,制
御周期カウンタ48,故障診断手段を構成するエラーカ
ウンタ49,入力インタフェイス50及び出力インタフ
ェイス51を備えている。
【0047】第1トランジスタ31、第2トランジスタ
32及び補正トランジスタ33からの各検出信号SS
1,SS2,SSCは、入力インタフェイス50を介し
てCPU44に入力される。エッジ検出回路41は各検
出信号SS1,SS2,SSCの立ち上がり・立ち下が
りのエッジを検出するためのもので、エッジ検出時にエ
ッジ信号SE1,SE2,SECを出力する。従って、
ハンドル2が1/160回転(=2.25°)操作され
る度にCPU44にはエッジ信号SE1,SE2が交互
に入力される。また、タイヤ角センサ28、車速センサ
35及びヨーレートセンサ36が検出した各検出信号は
A/D変換回路42を介してCPU44に入力されるよ
うになっている。CPU44は車速センサ35からの車
速信号vのパルス数をカウンタ(図示せず)により計数
し、単位時間当たりそのカウント値変化から車速Vを得
るようになっている。
【0048】操舵カウンタ47は、ハンドル2のハンド
ル角θをカウントするためのものである。CPU44は
エッジ信号SE1,SE2を入力する度、つまりハンド
ル2が1/160回転される度に操舵カウンタ47のカ
ウント値Cを「1」ずつ変更させる。従って、操舵カウ
ンタ47にはノブ2aの相対位置を表わすハンドル角θ
が「0〜159」のカウント値Cとして計数されるよう
になっている。ノブ2aが中立位置に配置されたことを
検出したエッジ信号SECをCPU44が入力する度に
カウント値Cは「80」(ハンドル角「0°」に対応す
るカウント値)に較正されるようになっている。
【0049】制御周期カウンタ48は、ハンドル2が1
/160回転される間に要した所要時間に相当するカウ
ント値C1を計数するためのものである。CPU44は
所定時間to(本実施形態では例えば10ミリ秒)毎に
実行する後述するノブ位置補正制御処理の実行毎にカウ
ント値C1をインクリメントし、操舵カウンタ47のカ
ウント値Cが変更される度、つまりハンドル2が1/1
60回転される度にカウント値C1をクリアする。この
カウント値C1が設定値Co以上であるとハンドル操作
の停止状態と判断されるようになっている。
【0050】エラーカウンタ49は、タイヤ角センサ2
8の故障診断に使用される後述する故障条件の成立時間
をカウント値Ck として計数するためのものである。ま
た、各ソレノイド25,38aは、CPU44から出力
インタフェイス48を介して励消磁駆動回路40に出力
される励消磁信号により個別に励消磁制御されるように
なっている。ソレノイド25はハンドル操作の空転状態
を作り出すノブ位置補正実行時に励磁され、それ以外の
通常時には消磁されるようになっている。また、ソレノ
イド38aはリアアクスルビームの揺動がフリーにされ
る通常時に励磁され、ロックされる時に消磁されるよう
になっている。
【0051】ROM42には、タイヤ角センサ28の検
出値からCPU44が得たタイヤ切れ角Rから決まるノ
ブ2aの正規の位置を表わすハンドル角(以下、目標ハ
ンドル角という)θgと、タイヤ切れ角Rとの対応関係
を示す図4のマップM1が記憶されている。マップM1
を使うことで、タイヤ切れ角Rから目標ハンドル角θg
(CPU44の処理上では操舵カウンタ47のカウント
値Cに対応する目標操舵カウント値Cgとして求められ
る)がハンドル相対角度で求められるようになってい
る。タイヤ切れ角Rと目標ハンドル角θgとを関連付け
る制御目標ラインLは、オービットロール効率100%
を前提とした理想ラインである。なお、図4に示すよう
に、タイヤ切れ角Rは、操舵輪19が直進時の状態にあ
るときのタイヤ角センサ28の検出値を切れ角「0°」
として、例えば左操舵のときに負の値、右操舵のときに
正の値をとるように検出される。
【0052】ROM45には図6にフローチャートで示
すセンサ故障診断処理のプログラムデータと、図7,図
8にフローチャートで示すノブ位置補正制御処理のプロ
グラムデータ、スウィング制御処理のプログラムデータ
(図示せず)等が記憶されている。CPU44は所定時
間to (例えば10ミリ秒)間隔で図7に示すノブ位置
補正制御処理を実行する。図6に示すセンサ故障診断処
理は、このノブ位置補正制御処理を複数回(例えば5〜
10回)実行する毎に1回実行されるようになってい
る。また、図8に示す割込みルーチンはエッジ信号SE
1,SE2を入力する度に割込みで実行され、エッジ信
号SECを入力したときには操舵カウンタ47のカウン
ト値Cの較正が割込み処理で実行される。
【0053】ノブ位置補正制御処理とは、ハンドル角θ
とタイヤ切れ角Rとの対応関係にずれが生じると電磁切
換弁22を開弁させてハンドル操作に空転を作り出すこ
とでノブ2aを正規の位置に補正するための制御であ
る。ノブ2aのずれの有無は現在のハンドル角θと、タ
イヤ切れ角Rから決まる目標ハンドル角θg とのずれ量
δを算出し、このずれ量δが許容値δo (本実施形態で
は例えば約5°)を超えたか否かで判断する。ここでい
うずれ量δとは、図5における現在ノブ位置と目標ノブ
位置との最短経路でのずれ量を意味する。すなわち、ず
れ量δは、偏差Δθ(=|θ−θg|)が180°以下
のときにδ=Δθ、偏差Δθが180°を超えるときに
δ=360°−Δθで求められる。
【0054】本実施形態では、ずれ量δが許容値δoを
超えた際、図5に示すように現在ノブ位置が目標ノブ位
置に最短経路で接近する、つまり現在ノブ位置が目標ノ
ブ位置に180°以内で接近する目標方向(同図ではa
1,a2方向)にハンドル2が操作されたときに限り、
電磁切換弁22を開弁させるようにしている。よって、
現在ノブ位置が目標ノブ位置に180°以内では接近し
ないような同図におけるx1,x2方向にハンドル2が
操作されたときには、たとえずれ量δが許容値δoを超
えていても電磁切換弁22が開弁されないように設定さ
れている。
【0055】図8に示す割込みルーチンは、ハンドル2
が1/160回転変化する度に、ハンドル2の操舵方向
(操作方向)の検出処理、操舵カウンタ47のカウント
処理、制御周期カウンタ48のクリア処理、ハンドル操
作停止判定を行うためのものである。この割込みルーチ
ンは図7のノブ位置補正制御処理で必要なデータを用意
するための処理である。ハンドル2の操舵方向は各信号
SS1,SS2,SE1,SE2を用いた判断により、
図3に示すように信号SS1の位相が信号SS2の位相
よりも90°遅れているときに「右操舵」、信号SS1
の位相が信号SS2の位相よりも90°進んでいるとき
に「左操舵」と判定される。
【0056】図6に示すセンサ故障診断処理は、ハンド
ル角センサ28の故障診断のための処理である。本実施
形態では、フォークリフトFの走行旋回時に車両の向き
の変化率が時間の経過とともに変化してその旋回半径が
時間とともに変化しているにも拘わらず、操舵輪19の
タイヤ切れ角が変化していない場合をタイヤ角センサ2
8の故障(主に脱落故障)と診断するようにしている。
車両の向きの変化率は、ヨーレートセンサ36からの検
出値から得たヨーレートYの変化であるヨーレート変化
ΔYを見て車両の向きの変化率の時間的変化を監視する
ようにしている。また、操舵輪19の切れ角変化はタイ
ヤ角センサ28の検出値から得たタイヤ切れ角Rのデー
タの時間変化ΔRをとったタイヤ角速度VTをみるよう
にしている。ところで、フォークリフトFが低速で走行
しているときは、タイヤ角速度VTの割りにヨーレート
変化ΔYが鈍いために信頼性の高い故障診断結果が得ら
れ難い。このため、本実施形態では故障診断の診断結果
の信頼性を高めるため、車速Vが5km/hを超えたと
きに限り、故障診断を行うようにしている。
【0057】よって、本実施形態では、車速V>5km
/hかつΔY>0であるにも拘わらずタイヤ角速度VT
=0のときを、タイヤ角センサ28の脱落故障診断をす
るための故障条件に設定している。但し、故障条件成立
すれば直ちに故障と診断するのではなく、故障条件成立
が一定時間継続してはじめて故障と断定する診断結果を
下すようにしている。前記エラーカウンタ49は、故障
条件成立時の継続時間を計時するためのものである。こ
の一定時間は例えば0.5〜1秒程度の時間に設定して
いる。なお、車速V>5km/hであっても、車速が変
化すればΔYとVTとの相関性が低くなるが、この一定
時間が0.5〜1秒程度と極めて短いことから車速Vを
ほぼ一定をみなせるので、車速Vの変化までは考慮して
いない。
【0058】本実施形態ではエラーカウンタ49のカウ
ント値Ckが一定時間に相当する「10」になったこと
をもってタイヤ角センサ28を故障と診断する。CPU
44は故障条件成立時にカウント値Ckを「10」以下
で「1」ずつインクリメントし、故障条件不成立時には
カウント値Ckを「0」以上で「1」ずつデクリメント
する。
【0059】CPU44はタイヤ角センサ28が故障と
診断されていることを記憶するための故障フラグを備え
ている。故障フラグのフラグ値Fはエラーカウンタ49
のカウント値Ckが「10」になると「1」にセットさ
れ、カウント値Ckが「0」になると「0」にクリアさ
れるように設定されている。このため、タイヤ角センサ
28を一旦故障と診断した後でも、故障条件不成立の状
態が一定時間続けば故障と下した診断結果が取り消され
るようになっている。
【0060】次に、このパワーステアリング装置1の作
用について説明する。フォークリフトFの運転時には、
オペレータはノブ2aを握ってハンドル2を操作する。
ハンドル2が操作されてステアリングシャフト3が回転
駆動されると、バルブユニット5からハンドル2の操作
量に応じた油量の作動油がステアリングシリンダ12に
吐出され、ハンドル2の操作量に応じて操舵輪19が操
舵される。ハンドル操作速度が遅いためのオービットロ
ール効率の低下や、ステアリングシリンダ12等の油圧
系のオイルリークが原因で、ノブ2aの位置が操舵輪1
9の切れ角に応じた正規の位置から徐々にずれることが
起こり得る。
【0061】フォークリフトFのキーオン中、各トラン
ジスタ31,32,33からの検出信号SS1,SS
2,SSCと、エッジ検出回路41からのエッジ信号S
E1,SE2,SECと、タイヤ角センサ28、車速セ
ンサ35及びヨーレートセンサ36からの各検出信号が
CPU44に入力される。
【0062】CPU44は所定時間to (10ミリ秒)
毎に図7のノブ位置補正制御処理を実行し、ノブ位置補
正制御処理を複数回実行する毎に図6のセンサ故障診断
処理を1回実行する。また、エッジ信号SE1,SE2
を入力する度に図8の割込みルーチンを割込処理で実行
する。まず、図8に示す割込みルーチンから説明する。
CPU44はエッジ信号SE1,SE2を入力すると割
込みルーチンを割込処理で実行する。このルーチン実行
時、制御周期カウンタ49にはハンドル2が1/160
回転されるまでに要した所要時間に相当するカウント値
C1が計数されている。
【0063】まずステップ210において、ハンドル操
舵方向の検出処理を行う。各信号SS1,SS2,SE
1,SE2を用いた判定により、信号SS1の位相が信
号SS2の位相よりも90°遅れているときを「右操
舵」として操舵方向フラグに「1」をセットし、信号S
S1の位相が信号SS2の位相よりも90°進んでいる
ときを「左操舵」として操舵方向フラグを「0」にリセ
ットする(図3参照)。
【0064】ステップ220では、操舵カウンタ47の
カウント処理をする。すなわち、ハンドル操舵が「右操
舵」であるときにカウント値Cをインクリメントし、
「左操舵」であるときにカウント値Cをデクリメントす
る。但し、「159」をインクリメントするときはカウ
ント値Cを「0」にし、「0」をデクリメントするとき
はカウント値Cを「159」にする。こうして操舵カウ
ンタ47にはハンドル角θに対応するカウント値Cが計
数される。
【0065】ステップ230では、制御周期カウンタ4
8のカウント値C1が設定値Co 以上であるか否かが判
断される。カウント値C1が設定値Co 以上であれば、
ステップ240において「ハンドル操作停止判定」を下
し、操舵停止判定フラグに「1」をセットする。また、
カウント値C1が設定値Co 未満であれば、操舵停止判
定フラグは当該割込みルーチン開始時に「0」にリセッ
トされたままとなる。そして、ステップ250では制御
周期カウンタ48をクリアする。
【0066】こうしてノブ位置補正制御処理の実行時に
は、操舵カウンタ47のカウント値Cから現在のハンド
ル角θが分かり、操舵方向フラグのフラグ値から現在の
ハンドル操作方向が分かり、さらに操舵停止判定フラグ
のフラグ値からハンドル操作停止状態であるか否かが分
かることになる。
【0067】次に、図6のフローチャートに従ってセン
サ故障診断処理について説明する。このセンサ故障診断
処理は、ノブ位置補正制御処理が複数回実行される毎に
1回の割りで例えば50〜100ミリ秒毎に実行され
る。また、車速信号vのパルス周波数からCPU44は
車速Vを検出している。
【0068】まずステップ510において、車速V、ヨ
ーレートY,Y1、現在のタイヤ切れ角R,R1を読込
む。Y1,R1は、それぞれRAM46に記憶しておい
た所定時間n・to 前のヨーレート、タイヤ切れ角のデ
ータである。ステップ520では、ヨーレート変化ΔY
(=|Y−Y1|)を演算する。ステップ530ではタ
イヤ角速度VT (=|R−R1|)を演算する。
【0069】次のステップ540では、車速Vが5km
/hを超えるか否かを判断する。V<5km/hが成立
する低速走行時は故障診断に適さないのでステップ59
0に進む。V>5km/hが成立し、5km/hを超え
る車速で走行しているときは次のステップ550に進
む。
【0070】ステップ550では、ヨーレート変化ΔY
が正の値をとる、すなわちヨーレートYに変化がみられ
るか否かを判断する。ヨーレート変化ΔY=0でなく車
両の向きの変化率が一定とみなされるときは故障診断に
適さないのでステップ590に進む。ヨーレート変化Δ
Y>0が成立し、車両の旋回半径が変化して車両の向き
の変化率が変化していると認められるときは次のステッ
プ560に進む。
【0071】ステップ560では、タイヤ角速度VTが
「0」、つまりタイヤ切れ角Rに変化がみられず一定の
ままであるか否かを判断する。通常、5km/hを超え
る車速Vで走行中にハンドル2を切れば、操舵輪19が
切れて車両の旋回半径が時間経過とともに変化して車両
の向きの変化率が変化する。このため、ヨーレート変化
ΔY>0となるが、このときタイヤ切れ角センサ28が
正常であればタイヤ角速度VT>0となるので、故障条
件不成立となりステップ580に進む。そして、ステッ
プ580においてエラーカウンタ49のカウント値Ck
を0以上でデクリメントする。このため、通常はエラー
カウント値Ckが「0」になっている。よって、ステッ
プ590でエラーカウント値Ckが「10」でなく、ス
テップ610でエラーカウント値Ckが「0」であると
判断され、さらにステップ620に進んで故障フラグが
クリアされる(故障フラグF=0)。
【0072】これに対し、タイヤ角センサ28の検出軸
がキングピン20から外れる脱落故障が起きると、操舵
輪19が切れてもタイヤ角センサ28の検出値が変化し
なくなる。このため、5km/hを超える車速Vで走行
しているときに、ヨーレート変化ΔYが正の値をとって
車両の旋回半径の変化が検出され、操舵輪19の切れ角
が変化しているはずにも拘わらず、タイヤ角センサ28
の検出値から得たタイヤ切れ角Rに変化がみとめられず
タイヤ角速度VTが「0」と検出される。つまり、V>
5km/hのときにΔY>0かつVT=0の故障条件が
成立することになる(S540〜S560)。
【0073】ステップ560でVT=0となって故障条
件が成立すると、ステップ570において、エラーカウ
ンタ49のエラーカウント値Ckを10以下でインクリ
メントする。故障条件が成立しても成立時間が一定時間
継続しないうち、つまりエラーカウント値Ckが10に
達しない間は故障フラグはセットされない。このため、
タイヤ角センサ28が正常であるときに、たまたま何ら
かの不安定要因により一過性的に故障条件が成立したと
しても、故障フラグはセットされない。そして、タイヤ
角センサ28が本当に故障して故障条件が一定時間継続
して成立し、ステップ590においてエラーカウント値
Ckが「10」に達してはじめて故障フラグがセットさ
れる(F=1)。
【0074】また、タイヤ角センサ28が正常であるに
も拘わらず、万一、何らかの原因で故障条件が所定時間
継続して成立して故障フラグがセットされてしまった場
合でも、ステップ560においてVT=0でなくなって
故障条件が不成立になってこの不成立の状態が一定時間
継続してエラーカウント値Ckが再び「0」になれば、
ステップ620において故障フラグがクリアされる。こ
のように誤診断したとしても、正常であることが確認さ
れれば一旦は故障と診断した診断結果が取り消しされ
る。この故障フラグのフラグ値Fは、ノブ位置補正制御
処理においてノブ位置補正を実行するか否かの判断に使
用される。
【0075】次に、図7のフローチャートに従ってノブ
位置補正制御処理について説明する。まず、ステップ1
0において、制御周期カウンタ45をインクリメントす
る。次のステップ20で現在のハンドル角θとタイヤ切
れ角Rを読み込む。処理上はハンドル角θとして操舵カ
ウンタ44のカウント値Cを読み込む。
【0076】ステップ30では、図4に示すマップM1
を用いてタイヤ切れ角Rから目標ハンドル角θg(処理
上は目標操舵カウント値Cg)を求める。ステップ40
では、ノブずれ補正を最短経路で済ませられる目標方向
を演算する。すなわち、現在ノブ位置から目標ノブ位置
に至るのに最短経路で済むハンドル操舵方向を判定す
る。処理上は偏差ΔC=|C−Cg|が「80」(つま
りハンドル角換算で180°)以下である場合は、C<
Cgのときに目標方向を「右方向」、C>Cgのときに
目標方向を「左方向」と判定する。また、偏差ΔCが
「80」を越える場合は、C<Cgのときに目標方向を
「左方向」、C>Cgのときに目標方向を「右方向」と
判定する。目標方向フラグには目標方向が「左方向」の
ときに「0」にクリアされ、「右方向」のときに「1」
がセットされる。
【0077】ステップ50では、ハンドル角θと目標ハ
ンドル角θgとからノブ2aのずれ量δを算出する。ず
れ量δは、偏差Δθ(=|θ−θg|)≦180°であ
る場合にδ=Δθ、偏差Δθ>180°である場合にδ
=360°−Δθで計算される。このずれ量δも処理上
はカウント値C,Cgを用いて算出される。
【0078】ステップ60では、故障フラグを調べる。
故障フラグのフラグ値F=1のときはステップ110に
移行し、ソレノイド25を消磁させるための消磁信号を
出力するバルブクローズ指令を行う。つまり、タイヤ角
センサ28が故障と診断されたときは電磁切換弁22の
開弁が事実上禁止され、ノブ位置補正の実行が禁止され
る。このため、タイヤ角センサ28の故障時にノブ位置
補正を実行させると起こり得るハンドル操作のフィーリ
ングの著しい悪化が回避され、タイヤ角センサ28の故
障時にもハンドル操作のフィーリングは良好に保たれ
る。
【0079】ステップ70では、ハンドル操作停止であ
るか否かを判断する。操舵停止判定フラグに「1」がセ
ットされていればハンドル操作停止状態であると判断
し、ステップ110においてバルブクローズ指令を行
う。つまり、ハンドル操作停止中に電磁切換弁22が開
弁されることはない。
【0080】次のステップ80では、ずれ量δが許容値
δo 以下であるか否かを判断する。ずれ量δが許容値δ
o 以下であればノブずれ補正をする必要がないのでステ
ップ110においてバルブクローズ指令を行う。一方、
ずれ量δが許容値δo を越えるときにはステップ90に
移行する。
【0081】ステップ90では、操舵方向と目標方向と
が一致するか否かを判断する。操舵方向フラグと目標方
向フラグの各フラグ値が一致せず、ノブ2aのずれ補正
を最短経路で済ませ得る目標方向と反対方向にハンドル
2が操作されて操舵方向が目標方向に一致しなければ、
ステップ110においてバルブクローズ指令を行う。そ
して、操舵方向フラグと目標方向フラグの各フラグ値が
一致し、ノブ2aのずれ補正を最短経路で済ませ得る目
標方向にハンドル2が操作されて操舵方向が目標方向に
一致すれば、ステップ100においてバルブオープン指
令を行う。すなわち、図5に示すように、現在ノブ位置
が目標ノブ位置に最短経路で接近するa1,a2方向に
ハンドル2が操作されたときに電磁切換弁22が開弁さ
れ、x1,x2方向にハンドル2が操作されたときは電
磁切換弁22は開弁されない。このため、ノブ位置補正
が実行されるときには必ずずれは縮小される。
【0082】また、ノブ2aが1回転以上ずれてもハン
ドル相対角度だけが考慮されるので、例えば1回転分少
ない端数分の補正量でノブ2aは位置補正される。ま
た、ノブ2aが1回転未満ではあるが180°を超えて
ずれたときは、1回転ずらしてしまう補正をすることで
ノブ2aの補正量が実際にずれた量より少なくて済む。
【0083】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下に列記する効果が得られる。 (1)ヨーレートセンサ36を利用し、走行中にその検
出値から得たヨーレートYが変化して操舵輪19の切れ
角が変化しているはずにもかかわらず、タイヤ角センサ
28の検出値から得たタイヤ角速度VTが「0」である
ことをもって、タイヤ角センサ28を故障と診断する診
断方法を採用したので、ハンドル操作の空転中において
もタイヤ角センサ28の故障を発見できる。このため、
ノブ位置補正実行中でもタイヤ角センサ28の故障診断
が可能なことから、ノブ位置補正中でもタイヤ角センサ
28の故障を逃さず発見し、異常なノブ位置補正を確実
に停止させることができる。従って、ハンドルのずれ補
正実行中に故障診断を行えなかった従来装置で問題であ
ったセンサ故障時にハンドル操作の空転が徒に放置され
るという不具合を防止できる。
【0084】(2)5km/hを超える車速Vにおいて
のみ故障診断を行うようにしたので、信頼性の高い故障
診断を実現できる。 (3)故障条件を一定時間継続して満たしたことをもっ
てはじめて故障と診断するようにしたので、タイヤ角セ
ンサ28が正常であるにも拘わらず、たまたま何らかの
不安定要因のため一過性的に故障条件が成立しても誤診
断を招かない。また、旋回時に操舵輪19が一定の切れ
角のままスリップしたときは、ΔY>0かつVT=0が
成立して故障条件を満たすこともあり得るが、走行中の
ちょっとしたスリップは一定時間内に収まるので、スリ
ップによる誤診断もほぼ確実に排除できる。
【0085】(4)タイヤ角センサ28を故障と誤診断
しても、その後、故障条件が一定時間継続して不成立と
なってエラーカウント値Ckが0になれば故障と下した
診断結果を取り消すようにしたので、仮に故障と誤診断
してもタイヤ角センサ28が正常であれば直ちにノブ位
置補正を復帰できる。また、仮に操舵輪19が一定の切
れ角に固定されたまま比較的長くスリップしたときは、
故障と診断されることもあり得るが、この場合も正常な
走行状態に戻れば直ぐにノブ位置補正が復帰される。ま
た、比較的大きくスリップしたときにはノブ位置補正中
であっても故障と診断されてハンドル2の空転操作が停
止されるので、むしろ都合がよい。
【0086】(5)スウィング制御のために車両に設け
たヨーレートセンサ36をタイヤ角センサ28の故障診
断に利用しているので、故障診断専用のセンサを設けず
に済む。
【0087】(6)ハンドル相対角度でのずれ量だけ補
正するノブ位置補正を採用したので、実際に1回転以上
ずれた場合でも例えば1回転分少ない端数分だけ補正量
で済ませられ、ハンドル操作の無駄な空転を減らすこと
ができる。
【0088】(7)ノブ2aのずれを最短経路で補正で
きる目標方向にハンドル2が操作されたときにのみ電磁
切換弁22を開弁するようにしたので、実際にはノブ2
aが1回転未満で180°を超えてずれても1回転ずら
す補正をすることで、ノブ位置補正に必要なハンドル操
作の空転量を少なくできる。また、ノブ位置補正を実行
すれば必ずすれを縮小できる。
【0089】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次の
ように具体化することができる。 (n)旋回検出器がヨーレートセンサに限定されない。
絶対空間での方向(方位)を検出可能な他の検出器を旋
回検出器に採用することもできる。例えば方位センサを
使用してもよい。方位センサを使用する場合は、方位セ
ンサの検出値hの時間変化Δhがヨーレートの相当する
値なので、ヨーレート変化ΔYに相当する値を得るため
には、所定時間経過前後での検出値変化Δh,Δh1の
差Δh−Δh1をとる必要がある。そして、この差をヨ
ーレート変化ΔYとみなし、ΔY>0かつΔR=0のと
きを故障(脱落故障)と診断すればよい。
【0090】(m)故障条件はΔY>0かつΔR=0の
ときに限定されない。つまり、ΔYの値の割りにΔRが
小さな値であるときを故障条件に設定し、例えばΔR/
ΔY<A(設定値)を満たしたときを故障と診断しても
よい。但し、ΔYが0に近い範囲では、ΔR/ΔY値の
誤差が大きくなるので診断を避けた方が望ましい。
【0091】(p)旋回検出器に加速度センサを採用
し、加速度センサが検出した横Gを車速センサ35の検
出値から得た車速Vで除して車両のヨーレートYを計算
し、この計算により求めたヨーレートYを使って、車両
の向きの変化率の変化と操舵輪19のタイヤ角速度VT
との間に故障条件が成立するか否かを判断する故障診断
方法を採用した構成とすることもできる。
【0092】(r)従来技術で述べたようにハンドル角
から目標のシリンダストロークを得て、実際のシリンダ
ストロークを目標シリンダストロークに合わせるハンド
ル絶対角度を基準とするハンドル角補正制御において、
本発明を実施してもよい。
【0093】(q)ヨーレートセンサ36の検出値を使
ってハンドル角センサ30(エンコーダ27)の故障を
診断してもよい。また、タイヤ角センサ28とハンドル
角センサ30の両方の故障診断をヨーレートセンサ36
を使って行う構成としてもよい。例えばVH/ΔY<B
(設定値)(但し、VHはハンドル角速度)を故障条件
として故障診断をする。この場合でも、故障条件が成立
するのはハンドル角センサ30の故障時に限られるの
で、ノブ位置補正実行中にも故障診断できる。
【0094】(t)故障条件が成立した時点で直ぐに故
障と診断してもよい。 (s)故障の発生を警告灯を表示させるなどしてオペレ
ータに知らせるようにしてもよい。この構成によれば、
タイヤ角センサ28の故障点検が早期に行われる。
【0095】(x)ノブがないハンドルを位置補正する
目的で本発明を適用してもよい。 (y)パワーステアリング装置を備えるフォークリフト
以外の産業車両、さらに自動車(乗用車)等の車両にお
いて、本発明を広く適用することができる。
【0096】前記実施形態から把握され、特許請求の範
囲に記載されていない技術的思想(発明)を、その効果
とともに以下に記載する。 (イ)請求項1において、前記故障診断手段による故障
診断対象の前記検出器は舵角検出器であり、前記故障診
断手段は、車両の向きの変化率の変化の割りに舵角検出
器により検出された切れ角変化が故障とみなせる所定値
未満に小さいときに舵角検出器の故障と診断する。この
構成によれば、舵角検出器の故障を発見できる。脱落故
障だけでなく脱落しかけの故障をも発見できる。
【0097】(ロ)請求項1〜請求項9のいずれか一項
において、前記制御手段は、前記ハンドル角検出器によ
り検出されたハンドル角と、前記舵角検出器により検出
された切れ角から決まる目標ハンドル角とのハンドル相
対角度におけるずれをなくすように補正手段を駆動させ
る。この構成によれば、ハンドル相対角度におけるずれ
だけが問題にされて補正が行われるので、1回転以上ず
れた場合でも例えば1回転少ない端数分の補正量だけで
済む。
【0098】(ハ)前記(ロ)の発明において、前記制
御手段は、前記ハンドル角から前記目標ハンドル角に至
るのに少ない回転量で済む方向にハンドルが操作された
ときに限り前記補正手段を駆動させる。この構成によれ
ば、ハンドルのずれが1回転未満で180度を超えると
きでも1回転ずらす補正をすることで常に180度未満
の補正量で済む。また、補正実行時には必ずずれを縮小
できる。
【0099】(ニ)請求項1〜請求項9及び前記(イ)
〜(ハ)のいずれか一項において、前記駆動手段は、前
記ハンドルの操作量に応じた油量を吐出する作動油供給
手段と、該作動油供給手段から吐出された作動油により
駆動されて前記操舵輪を操舵するためのアクチュエータ
とを備え、前記補正手段は、前記作動油供給手段から吐
出された油量の一部を前記アクチュエータに供給される
前に還流させるように開弁駆動される弁手段を備えてい
る。この構成によっても、請求項1〜請求項9及び前記
(イ)〜(ハ)のいずれか一項に係る発明と同様の効果
が得られる。なお、オービットロール4が作動油供給手
段を構成し、ステアリングシリンダ12がアクチュエー
タを構成する。
【0100】(ホ)請求項1〜請求項9及び前記(イ)
〜(ニ)のいずれか一項において、前記制御手段は、前
記ハンドルのノブが正規の位置に配置されるように前記
補正手段を制御する。この構成によれば、操舵輪の切れ
角に応じた正規の位置にノブを位置補正でき、ノブの位
置を操舵輪の切れ角の判断の目安にできる。
【0101】(ヘ)請求項9に記載の発明において、前
記車両は産業車両である。この構成によれば、激しい振
動にさらされ易い産業車両の検出器を故障診断でき、そ
の他、請求項9に係る発明と同様の効果が得られる。
【0102】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
9に記載の発明によれば、車両の向きの変化を計測可能
な検出値を出力する旋回検出器を設け、ハンドルのずれ
を検出するために設けられた検出器の故障を、その検出
値の変化が車両の向きの変化率の変化の割りに故障とみ
なせる所定値未満に小さいことをもって診断するように
したので、ハンドルのずれ補正の実行中においても故障
診断をすることができる。
【0103】請求項2及び請求項9に記載の発明によれ
ば、車両の向きの変化率が変化しているにも拘わらず、
故障診断対象の検出器の検出値が一定値をとるときを故
障と判断するので、故障診断対象の検出器の検出値が正
常範囲内の一定値に固定される脱落故障等の故障を発見
できる。
【0104】請求項3及び請求項9に記載の発明によれ
ば、車速が所定車速以上のときに故障診断を行うので、
故障診断の精度を高めることができる。請求項4及び請
求項9に記載の発明によれば、故障診断条件を所定時間
継続して満たしたことをもって故障とするので、一過性
に不適切な検出値をとることに起因する誤診断を極力抑
えることができる。
【0105】請求項5及び請求項9に記載の発明によれ
ば、故障診断条件を満たさなければ故障と診断した診断
結果を取り消すので、誤診断であることが分かればハン
ドルのすれ補正の実行を再開させられる。
【0106】請求項6及び請求項9に記載の発明によれ
ば、操舵輪近くに設けられて路面からの振動を受け比較
的故障し易い舵角検出器を故障診断対象とするので、ハ
ンドルのずれ検出のための検出器の故障による不具合を
効果的に回避できる。
【0107】請求項7及び請求項9に記載の発明によれ
ば、車両の向きの変化率に相当する検出値を比較的信頼
性高く出力するヨーレート検出器を旋回検出器として用
いたので、故障診断処理の簡素化が図れるうえ、故障診
断の精度を一層高めることができる。
【0108】請求項8及び請求項9に記載の発明によれ
ば、車体揺動規制制御のために車両に設けられたヨーレ
ート検出器を故障診断に利用するので、故障診断専用の
検出器の設けずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のパワーステアリング装置の模式
図。
【図2】ハンドル角補正装置の電気構成ブロック図。
【図3】エンコーダからの出力信号のタイムチャート。
【図4】タイヤ切れ角から目標ハンドル角を求めるため
のマップ図。
【図5】ノブ位置補正制御の説明図。
【図6】センサ故障診断処理のフローチャート。
【図7】ノブ位置補正制御処理のフローチャート。
【図8】割込みルーチンのフローチャート。
【図9】従来技術におけるステアリング装置の模式図。
【符号の説明】
1…パワーステアリング装置、2…ハンドル、2a…ノ
ブ、4…駆動手段を構成するオービットロール、12…
駆動手段を構成するステアリングシリンダ、19…操舵
輪、22…補正手段としての電磁切換弁、27…ハンド
ル角検出器としてのロータリエンコーダ、28…舵角検
出手段としてのタイヤ角センサ、35…車速検出手段と
しての車速センサ、36…旋回検出器及びヨーレート検
出器としてのヨーレートセンサ、43…制御手段を構成
する励消磁駆動回路、44…制御手段を構成するととも
に故障診断手段としてのCPU、45…ROM、49…
故障診断手段を構成するエラーカウンタ、F…車両とし
てのフォークリフト、θ…ハンドル角、R…切れ角とし
てのタイヤ切れ角、δ…ずれ量。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルのハンドル角を検出するための
    ハンドル角検出器と、 操舵輪の切れ角を検出するための舵角検出器と、 ハンドルの操作量に応じて操舵輪を操舵させる駆動手段
    と、 ハンドルの操作量に対する操舵輪の切れ角変化割合を小
    さく補正してハンドル操作の空転状態を作り出すための
    補正手段と、 車両の旋回時の向きの変化を計測するのに必要な検出値
    を出力する旋回検出器と、 前記旋回検出器の検出値から車両の向きの変化率を計測
    し、前記ハンドル角検出器と前記舵角検出器のうち少な
    くとも一方の故障を、車両の向きの変化率の変化の割り
    に当該故障診断対象の検出器の検出値の変化が故障とみ
    なせる所定値未満に小さいことをもって断定する診断を
    する故障診断手段と、 ハンドル角と切れ角との対応関係のずれを検出し、その
    ずれを小さくさせる方向にハンドル操作されたときに前
    記補正手段を駆動させる制御をし、前記故障診断対象の
    検出器が前記故障診断手段により故障と診断されたとき
    には、前記補正手段を駆動させない制御手段とを備えて
    いるパワーステアリング装置におけるハンドル角補正装
    置。
  2. 【請求項2】 前記故障診断手段は、前記旋回検出器の
    検出値から計測した車両の向きの変化率が変化している
    にも拘わらず、故障診断対象の前記検出器の検出値が一
    定であれば故障と診断する請求項1に記載のパワーステ
    アリング装置におけるハンドル角補正装置。
  3. 【請求項3】 車両には車速を検出する車速検出手段が
    備えられ、前記故障診断手段は、前記車速検出手段によ
    り検出された車速が所定速度以上のときに故障診断を行
    う請求項1又は請求項2に記載のパワーステアリング装
    置におけるハンドル角補正装置。
  4. 【請求項4】 前記故障診断手段は、前記旋回検出器の
    検出値から計測した車両の向きの変化率の変化の割りに
    故障診断対象の前記検出器の検出値の変化が前記所定値
    未満に小さくなる故障診断条件を所定時間継続して満た
    したときに故障と診断する請求項1〜請求項3のいずれ
    か一項に記載のパワーステアリング装置におけるハンド
    ル角補正装置。
  5. 【請求項5】 前記故障診断手段は、故障と診断した後
    に故障と診断する基礎とした故障診断条件を満たさなく
    なれば故障とした診断結果を取り消す請求項1〜請求項
    4のいずれか一項に記載のパワーステアリング装置にお
    けるハンドル角補正装置。
  6. 【請求項6】 前記故障診断手段が故障診断する故障診
    断対象の前記検出器は、前記舵角検出器である請求項1
    〜請求項5のいずれか一項に記載のパワーステアリング
    装置におけるハンドル角補正装置。
  7. 【請求項7】 前記旋回検出器は車両のヨーレートを検
    出するヨーレート検出器である請求項1〜請求項6のい
    ずれか一項に記載のパワーステアリング装置におけるハ
    ンドル角補正装置。
  8. 【請求項8】 前記ヨーレート検出器は、車両のヨーレ
    ートと車速の積から求めた車両の横Gが所定値以上の値
    をとると、車体に揺動可能な操舵輪の揺動を規制する車
    体揺動規制制御のため、前記横Gの計算に用いるヨーレ
    ートの検出値を検出するために車両に設けられたもので
    ある請求項7に記載のパワーステアリング装置における
    ハンドル角補正装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記
    載の前記ハンドル角補正装置を備えている車両。
JP9142275A 1997-05-30 1997-05-30 パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両 Pending JPH10329744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9142275A JPH10329744A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9142275A JPH10329744A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10329744A true JPH10329744A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15311576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9142275A Pending JPH10329744A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10329744A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110386187A (zh) * 2018-04-23 2019-10-29 丰田自动车株式会社 转向***
CN113147892A (zh) * 2021-05-11 2021-07-23 浙江吉利控股集团有限公司 一种转向传动机构安全预警方法、***及车辆

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110386187A (zh) * 2018-04-23 2019-10-29 丰田自动车株式会社 转向***
CN110386187B (zh) * 2018-04-23 2022-05-10 丰田自动车株式会社 转向***
CN113147892A (zh) * 2021-05-11 2021-07-23 浙江吉利控股集团有限公司 一种转向传动机构安全预警方法、***及车辆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100300806B1 (ko) 파워스티어링장치및스티어링휠각보정장치를구비한산업차량
KR100354585B1 (ko) 파워 스티어링장치에서의 핸들각 보정장치 및 차량
JPH0615342B2 (ja) 自動車の後輪操舵装置
JPH02299979A (ja) 中立舵角推定装置
JPH02299978A (ja) 中立舵角推定装置
JPH10329744A (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JP3164013B2 (ja) 産業車両のハンドル角補正装置及び産業車両
JP3163993B2 (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JP3134805B2 (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JP4276405B2 (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JPH06239259A (ja) 後輪操舵装置
JP3164012B2 (ja) 産業車両のハンドル角補正装置及び産業車両
JP2019151327A (ja) アクチュエータ制御装置
JP3164014B2 (ja) 産業車両のハンドル角補正装置及び産業車両
JP3329209B2 (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JPH0285074A (ja) 車両用4輪操舵装置
JPH10181626A (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JP3164015B2 (ja) 産業車両のハンドル角補正装置及び産業車両
JP3134792B2 (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JPH10119802A (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JPS59227564A (ja) 車両の4輪操舵装置
JP3624152B2 (ja) 操舵角検出機構
JPS63255175A (ja) 全油圧式パワ−ステアリング装置の角度補正装置
JPH10119797A (ja) パワーステアリング装置におけるハンドル角補正装置及び車両
JPH04135976A (ja) 四輪操舵装置