JPH10321513A - 電子線転写装置 - Google Patents

電子線転写装置

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JPH10321513A
JPH10321513A JP9141168A JP14116897A JPH10321513A JP H10321513 A JPH10321513 A JP H10321513A JP 9141168 A JP9141168 A JP 9141168A JP 14116897 A JP14116897 A JP 14116897A JP H10321513 A JPH10321513 A JP H10321513A
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electron beam
reticle
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electrostatic deflector
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JP9141168A
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Mamoru Nakasuji
護 中筋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度パターンを得るための各種補正を、速
い応答速度で、収差を発生させることなく実行できる電
子線縮小転写装置を提供する。 【解決手段】 本装置は、パターンの形成されたレチク
ルを電子線で照明する照明光学系と、レチクルを通過し
てパターン化された電子線を試料の被露光面上に縮小転
写する投影光学系を備える。また、レチクルを光軸垂直
面内で移動させるレチクルステージと、試料を光軸垂直
面内で移動させるウエハステージを備える。投影光学系
に、パターンの主視野の長手方向に平行に延びる平行平
板電極を少なくとも有する第1の静電偏向器34、及
び、主視野の長手方向に直角に延びる平行平板電極を少
なくとも有する第2の静電偏向器35を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を用いてレ
チクル(マスク)のパターンを試料(ウェハ等)に転写
する転写装置に関する。特には、4GDRAM以降の高
密度・微細パターンをも高スループットで形成できる電
子線転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線露光装置は高精度ではあるがスル
ープットが低いのが欠点とされており、その欠点を解消
すべく様々な技術開発がなされてきた。現在では、キャ
ラクタープロジェクションと呼ばれる技術が実用化され
ている。キャラクタープロジェクション露光では、繰り
返し性のある回路小パターン(ウェハ上で10μm 角程
度)を、同様の小パターンが複数種類形成されたマスク
を用いて、ウェハ上に転写する。しかし、このキャラク
タープロジェクションでも、本格的な半導体集積回路装
置(DRAM等)の実生産におけるウェハ露光に応用す
るにはスループットが1桁程度低い。
【0003】一方、半導体ウェハに集積回路パターンを
焼き付ける電子線露光装置の一種として、一個の半導体
チップ全体の回路パターンを備えたマスクに電子線を照
射し、その照射範囲のパターンの像を二段の投影レンズ
により縮小転写する電子線縮小転写装置が知られている
(例えば特開平5−160012号参照)。この種の装
置では、マスクの全範囲に一括して電子線を照射する
と、精度良くパターンを転写することができないので、
光学系の視野を多数の小領域(主視野さらに副視野)に
分割し、副視野毎に電子光学系の条件を変えながらパタ
ーン像を転写する(分割転写方式、例えば米国特許第5
260151号参照)。さらに、分割転写方式の電子線
露光装置において、MOLやVAL等の軸移動型の電磁
レンズを用いることにより軸外収差を小さくできること
も公知である(MOL(Moving Objective Lens, H. Oh
iwa ら、Electron Commun. Jpn, 54-B,44(1971))、V
AL(Variable Axis Lens, H. C. Pfeifferら、Appl.
Phys. Lett. Vol. 39, No.9.1 Nov. 1981))。しかし、
このような本格的な電子線縮小転写装置は現在開発途上
にある。
【0004】この種の電子線転写装置では、電子線を偏
向させる偏向器が用いられる。電子線偏向器には静電偏
向器と電磁偏向器がある。静電偏向器は、電子線の通過
する空間に電場を形成し、プラス電位方向に電子線を曲
げるものである。電磁偏向器は、電子線の通過する空間
に磁場を形成し、フレミングの左手の法則に基づく方向
に電子線を曲げるものである。静電偏向器の一種として
光軸に対して8回対称の形状を持つオクタポール型の静
電偏向器も知られている。
【0005】上述の分割転写方式においては、副視野照
明の位置変動の許容値を大きくするため及びレチクルの
強度を強くするため、各副視野間に非パターン領域を設
けている。そして、ウェハ上では、この非パターン領域
をキャンセルする(隣のパターン上に重ならせる)た
め、レチクル透過電子線をウェハ上に非パターン領域の
幅だけずらせて投影させ、結局ウェハ上ではパターン領
域が連続するようにしている。このような操作を非パタ
ーン領域補正という。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな機能を果す偏向器としてどのような偏向器を用いる
かは、公知文献中では明らかでない。また、オクタポー
ル型等の静電偏向器では、平行平板電極が電極間隔に対
して光軸方向の高さが低い場合には、偏向感度が部位に
よって異なり、大きい偏向収差が発生するとの問題点が
あった。一方、電磁偏向器を用いて上述の非パターン領
域補正を行う場合には、電磁偏向器の応答速度が遅いた
め副視野のショット周期が100〜500μsec と長く
なる問題点もあった。
【0007】さらに、オクタポール等の静電偏向器で電
極間距離を短くすると、電極とビームの間隔が接近し、
電極の汚れ(レジストガスの反応物)によるビーム不安
定の発生が起き易い問題点、あるいは電極表面からの発
生ガスを外部に排気するコンダクタンスが小さくなると
いった問題点もあった。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、高精度パターンを得るための各種補正
を、速い応答速度で、収差を発生させることなく実行す
ることのできる電子線縮小転写装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の電子線転写装置は、 パターンの形成され
たレチクルを電子線で照明する照明光学系と、レチクル
を通過してパターン化された電子線を試料の被露光面上
に縮小転写する投影光学系と、レチクルを光軸垂直面内
(X−Y面内)で移動させるレチクルステージと、試料
を光軸垂直面内(X−Y面内)で移動させるウエハステ
ージと、を備えた電子線縮小転写装置であって; 前記
レチクル上のパターンが複数の帯状の主視野に分割さ
れ、各主視野が長手方向に複数の副視野に分割されて前
記レチクル上に配置される場合において、 前記照明光
学系は、該副視野への照明光をレチクルよりも上流で偏
向することによって特定の副視野を照明するように構成
されており、 前記投影光学系に、前記主視野の長手方
向に平行に延びる平行平板電極を少なくとも有する第1
の多電極静電偏向器、又は、前記主視野の長手方向に直
角に延びる平行平板電極を少なくとも有する第2の多電
極静電偏向器を具備することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1態様の電子線転写装
置は、 パターンの形成されたレチクルを電子線で照明
する照明光学系と、レチクルを通過してパターン化され
た電子線を試料の被露光面上に縮小転写する投影光学系
と、レチクルを光軸垂直面内(X−Y面内)で移動させ
るレチクルステージと、試料を光軸垂直面内(X−Y面
内)で移動させるウエハステージと、を備えた電子線縮
小転写装置であって; 前記レチクル上のパターンが複
数の帯状の主視野に分割され、各主視野が長手方向に複
数の副視野に分割されて前記レチクル上に配置される場
合において、 前記照明光学系は、該副視野への照明光
をレチクルよりも上流で偏向することによって特定の副
視野を照明するように構成されており、 前記投影光学
系は、前記パターン化された電子線を被露光面上の所定
の位置に向けて偏向及び結像し、被露光面上では各副視
野をつなげて配列することにより主視野パターンを形成
するように構成されており、 前記レチクルステージ及
びウエハステージは同期移動して、被露光面上では各主
視野をつなげて配列することによりパターンの全体を形
成するように構成されており、 前記投影光学系に、前
記主視野の長手方向に平行に延びる平行平板電極を少な
くとも有する第1の多電極静電偏向器、又は、前記主視
野の長手方向に直角に延びる平行平板電極を少なくとも
有する第2の多電極静電偏向器を具備することを特徴と
する。
【0011】この態様の電子線転写装置では、投影光学
系のレンズと偏向器を用いて帯状の主視野内のすべての
副視野の像が試料上に小収差で投影されるよう設計され
ている。そして主視野を次の主視野に進めるのは、マス
クステージとウェハステージを前記主視野の短手方向に
連続移動させながら転写を行う。
【0012】ここで各主視野間及び各副視野間には、マ
スクを丈夫にするためと、副視野の照明の位置変動の許
容値を大きくする目的とのためのパターンが無い境界領
域を設けている。前記静電偏向器は、以下の3種類の偏
向補正に用いられる。 (1)転写を実行する時、試料上でこの境界領域をキャ
ンセルするための幅寄せを行う。 (2)試料の移動とマスク像の移動の周期が狂った時の
補正を行う。 (3)試料上に既に形成されている前層のパターンにア
ライメントする。 なお、投影光学系をレンズと電磁偏向器との組合せのみ
で構成することによっても最小限の操作はできるが、電
磁偏向器以外の偏向器があると好都合であり、静電偏向
器であると高速に応答するのでさらに好都合である。
【0013】本発明の静電偏向器の役割について説明す
る。まず、主視野間すなわち主視野の短手方向の境界領
域を無くすための偏向器は、移動方向が主視野の短手方
向であるから第1の偏向器で行えばよい。主視野内の副
視野間の境界領域の除去には、通常は大きい偏向を必要
とするのでマスクとレンズ系の間に設けた電磁偏向器で
行うこととしてよい。アライメント用やステージの同期
誤差の補正には、補正量が数μm と小さいので、主視野
の長手方向では第2の静電偏向器を用いればよく、これ
と直角方向の補正は第1の静電偏向器を用いればよい。
【0014】以下、図面を参照しつつ説明する。図3
は、本発明の1実施例に係る転写装置で転写する半導体
装置のチップパターンの視野分割を示す平面図である。
図3の上下方向をY方向、左右方向をX方向とする。こ
の場合チップパターン61の非パターン領域を含む全体
のサイズは、横120mm×縦173mmである。ここで、
チップパターン61は多数の主視野63に分割されてい
る。1つの主視野63は、高さ1.2mm×幅24mmであ
る。この主視野63の中には、1mm角の副視野64が2
0個配列されている。各副視野64の周囲には0.1mm
幅(合わせて0.2mm幅)の非パターン領域65が額縁
状に設けられている。Y方向には144段の主視野が並
んでおり、これをベルト62と呼ぶ。X方向に5本のベ
ルト62が並んでいる。つまり、副視野64はチップパ
ターン61内で、Y方向には144個、X方向には10
0個配列されている。一方、ウェハ上における1チップ
のサイズは、縮小率1/4倍とすると、X方向25mm×
Y方向36mmである。
【0015】図3のチップパターン61を転写する際に
は、各主視野63内では照明電子線及び透過電子線の双
方をX方向に偏向させながら、照明光をある副視野64
に向けて照射し、副視野を透過したパターン光を、その
副視野が投影されるべきウェハ上の位置へ偏向させて導
き結像させる。すなわち、副視野の変更(走査)は偏向
器で行う。このような偏向を行う偏向器は、通常電磁偏
向器である。一方主視野の変更(走査)は、レチクル
(レチクルステージ)及びウェハ(ウェハステージ)を
同期させてY方向に連続的に移動させることにより行
う。なお、投影光学系で像が反転するのでステージの移
動方向は逆となる。したがって、一つの主視野63を投
影している間にも、レチクル上の各副視野はY方向に移
動するとともに、当該副視野の投影されるべきウェハ上
の位置もY方向に移動する。このようなY方向の移動に
対しても、照明光及び投影光を偏向させて追随させる。
ベルト62を変更する際は、露光を一時停止してレチク
ルステージ及びウェハステージをX方向に送る。
【0016】図2は、本発明の1実施例に係る電子線縮
小転写装置の光学系全体における結像関係を示す図であ
る。電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電子
銃1の下方には2段のコンデンサレンズ3、5が備えら
れており、電子線は、これらのコンデンサレンズ3、5
を通ってブランキング開口7にクロスオーバーを結像す
る。これら2つのコンデンサレンズ3、5をズームレン
ズとして作用させ、レチクル10を照射する電流密度を
可変にできる。
【0017】コンデンサレンズ3、5の上下には、2段
の矩形開口2、6が備えられている。この矩形開口(副
視野制限開口)2、6は、一つの副視野に相当する領域
分の電子線照明光のみを通過させる。具体的には、第1
の開口2は、照明光をレチクルサイズ換算で1mm角強の
寸法性の正方形に整形する。この開口2の像は、レンズ
3、5によって第2の開口6に結像される。
【0018】第2の開口6の下方には、クロスオーバの
形成されている位置に、上述のブランキング開口7と並
んで副視野選択偏向器8が配置されている。この副視野
選択偏向器は、照明光を図1のX方向に順次走査して、
1つの主視野内の全ての副視野の露光を行う。副視野選
択偏向器8の下方には、コンデンサレンズ9が配置され
ている。コンデンサレンズ9は、電子線を平行ビーム化
し、レチクル10に当て、レチクル10上に第2の開口
6を結像させる。
【0019】レチクル10は、図2では、光軸上の1副
視野のみが示されているが、実際には光軸垂直方向(X
−Y方向)に広がっており、図3で説明したとおり多く
の副視野及び主視野を有する。一つの主視野内で各副視
野を照明露光する際は、上述のとおり、副視野選択偏向
器8で電子線を偏向させる。また、レチクル10は、X
Y方向に移動可能なレチクルステージ11上に載置され
ている。そして、試料であるウェハ14もXY方向に移
動可能なウェハステージ15上に載置されている。これ
らのレチクルステージ11とウェハステージ15とを、
互いに逆のY方向に走査することにより、図3のチップ
パターン61内のベルト62内の各主視野を連続的に露
光する。さらに、両ステージ11と15をX方向に間欠
的に走査することにより、各ベルト62の露光を行う。
なお、両ステージ11、15には、レーザ干渉計を用い
た正確な位置測定システムが装備されており、また別途
のアライメント手段及び各偏向器の調整により、ウェハ
14上で各副視野及び主視野は正確に繋ぎ合わされる。
【0020】レチクル10の下方には2段の投影レンズ
12及び13(対物レンズ)及び偏向器(図1参照)が
設けられている。そして、レチクル10の一つの副視野
が電子線照射され、レチクル10でパターン化された電
子線は、2段の投影レンズ12、13によって縮小され
るとともに偏向されウェハ14上の所定の位置に結像さ
れる。ウェハ14上には、適当なレジストが塗布されて
おり、レジストに電子線のドーズが与えられてレチクル
像の縮小パターンがウェハ14上に転写される。ウェハ
14は、前述のように、光軸直角方向に移動可能なウェ
ハステージ15上に載置されている。
【0021】図1は、図2の実施例の電子線転写装置の
投影光学系の詳細を示す模式的側面断面図である。図の
最上部に示されているレチクル10は、上部から、図2
に示す照明光学系により電子線照明を受けている。レチ
クル10の下には、順に、レンズ12、レンズ13、試
料14が光軸(中央の一点鎖線)に沿って配置されてい
る。
【0022】レンズ12は、断面内向きコの字状の回転
対称形の磁極12bの内周にコイル12cを巻回したも
のである。上部の磁極12a及び下部の磁極12dは、
光軸寄りに突出しており、両者の間に光軸方向の磁力線
が形成されている。レンズ12の上下の磁極12a及び
磁極12dの内側には、軸移動用の偏向器38、39が
配置されている。なお、偏向器38と同じ位置には、電
子線偏向用の偏向器42も直交して重なるように設置さ
れている。なお、偏向器38の直下の偏向器43は非パ
ターン領域を試料上で取除くためのものである。
【0023】クロスオーバ44は、レチクルと試料間を
縮小率比で内分する点である。レンズ13の上側磁極の
直上に設置されている。このクロスオーバ44には、照
明系の電子銃のクロスオーバ(いずれも図示されず)が
結像する。
【0024】レンズ13は、レンズ12を相似形で小形
化し倒立させた形をしている。レンズ13の極性はレン
ズ12の逆である。レンズ13の上側磁極及び下側磁極
の内側には、レンズ12の場合と同様に軸移動用偏向器
40及び41が配置されている。なお、偏向器40は、
試料に垂直入射させるための電子線偏向用の偏向器(不
図示)も直交して重なるように設置されている。
【0025】投影レンズ12の内部の上部には、第1の
静電偏向器としての2段の静電偏向器34及び35が配
置されている。これらの2段の静電偏向器34及び35
の詳細構造については図4を参照して後述する。両偏向
器34及び35の偏向量の絶対値は互いに等しく、偏向
の方向が反対であるので、両偏向器における入射方向と
出射方向は平行となる。しかし、これらの静電偏向器3
4、35はレンズ12の磁場の中に設けられているた
め、偏向方向は少し回転している。したがって、偏向器
34と35の偏向方向が互いに逆向きになるよう、偏向
器34と35は、レンズ12による偏向方向の回転分だ
け機械的あるいは電気的に回転させた状態で設置されて
いる。
【0026】投影レンズ13の内部の下部には、第2の
静電偏向器としての2段の静電偏向器36及び37が配
置されている。偏向器36、37についてもレンズ13
の磁場による偏向方向の回転分だけ相対的に回転され
る。また、主視野の座標XYも偏向器34の位置や偏向
器37の位置で若干回転しているので偏向器の方向もそ
の位置での主視野の方向が図4、図5で示した方向に合
うよう設置される。
【0027】静電偏向器34、35は、レチクル10と
レンズ12の間あるいはレンズ12の内部でなるべくレ
チクル10に近い位置に設けた方が、副視野の像をレン
ズに入射する前に光軸近くへ移動できるのでレンズの収
差を小さくできる。同様に第2の偏向器36、37は、
レンズ13と試料44の間あるいはレンズ13内部でな
るべく試料44に近い位置に設ければ、偏向することに
より電子の軌道が光軸からずれることによるレンズ13
の収差の増加を抑制できるので好都合である。
【0028】図4は、本実施例の第1の静電偏向器の詳
細構造を示す図である。(A)は平面図、(B)は
(A)の線B−Bに沿った側面断面図である。第1の静
電偏向器34は、光軸を中心とする薄い全円周リングで
ある絶縁リング78、及び同リングの中に配置されてい
る左右の平行平板71、72を有する。両平行平板は、
ほぼ半円形の平面形状を有するが、その中央の面71
a、72aは互いに平行にY−Z面に延びる静電電極面
となっている。両面71a、72aの中央部に、レチク
ル上の主視野を投影した主視野77を示す。両面71
a、72aは、主視野77の長手方向(X方向)に平行
であり、主視野77の両端を越えて延びている。両平行
平板71、72間に電圧Vが印加され、両面71a、7
2a間に電場が形成される。両面71a、72a間を通
過する電子線は、プラスの電極面に寄る方向に偏向され
る。
【0029】電極面71aと72aの間の空間(開口部
70)の側端部(図の上下)には、4個の補助電極7
3、74、75、76が配置されている。各補助電極は
開口部70に向けた同一形状の補助電極面73a、74
a、75a、76aを各々有する。これらの補助電極面
は、開口部70の上下面を埋めるように、光軸を中心と
する略円筒面をなす。これらの補助電極には、補助電極
74−75、補助電極73−76の組で、等電位面が電
極71a、72aに平行となる電圧が印加される。これ
らの補助電極73〜76の役割は、静電偏向器開口70
の両端部におけるポテンシャルの乱れを矯正して、広い
範囲にわたって偏向収差を低減することである。静電偏
向器開口70が比較的狭い場合には(一例、両電極面間
隔が面幅の1/5以下)補助電極は不要である。
【0030】また、この偏向器の平行平板の間隔は、主
視野47が、マスクを連続移動させた時、ビームの一部
が電極に接触しないような寸法とする必要がある。この
間隔は主視野の短手方向の2倍あれば十分である。この
間隔の上限は、偏向感度から決まり、主視野の短手方向
1mmの10倍以下であれば十分な偏向感度が得られる。
この偏向器のZ方向の長さ(高さ)を、電極間隔の2倍
以上にすれば電極の入口と出口付近のエッジエフェクト
を十分小さくできる。
【0031】図5は、本実施例の第2の静電偏向器の詳
細構造を示す図である。(A)は平面図、(B)は
(A)の線B−Bに沿った側面断面図である。この偏向
器36は、この偏向器の取付Z位置における投影像であ
る主視野86の長手方向に直角な電極面81a、82a
を有する平行平板81、82を有する。これらの平行平
板電極81、82は円の一側方部分を切り取った平面形
状をしており、絶縁リング87の内面の対向する位置
(図の上下)に組み込まれている。両電極81、82の
電極面81a、82aは、主視野86の上下端よりもや
や外側に、互いに平行に延びている。
【0032】両電極面81aと82aの間の空間(開口
部80)の両側方には、補助電極83、84、85が二
組、計6枚設置されている。これらの補助電極83、8
4、85は、絶縁リング87の内面に沿って帯状に延び
るように配置されている。各補助電極83、84、85
の長さは等しく各々の電極間にはスキマが存在する。各
補助電極の内面は、光軸を中心とする同心円筒面をな
す。補助電極は少なくとも片側に2枚あればよい。
【0033】この偏向器36においては、平行平板81
に+V、平行平板82に−Vの電圧が印加された時、補
助電極84は0V、補助電極83には(R6 /r6 )s
inθVの電圧が印加され、補助電極85には−(R6
/r6 )sinθVの電圧が印加される。なお、図4の
偏向器では、平行平板71に印加される電圧がV、平行
平板72に印加される電圧が−Vの時は、補助電極7
3、75には(R4 /r4 )sinθV、補助電極7
4、76には−(R4 /r4 )sinθVが印加され
る。ここで、θは、補助電極の中心線と平行平板の電極
面とのなす角である。
【0034】平行平板電極面81a、82aの間隔は狭
い方が広い領域で偏向歪を小さくでき、また、エッジエ
フェクトの悪影響も小さくできる。この偏向器のZ方向
の高さは、電極間隔より十分高くした方がよい。しか
し、この偏向器での偏向量は補正用のため小さく、偏向
収差の許容値が大きいので、偏向器のZ方向の高さは電
極間隔より大きくすれば、十分エッジエフェクトによる
偏向収差を小さくできる。
【0035】次に本実施例の電子線縮小転写装置の全体
的な動作をまとめて説明する。レチクル10をY方向に
4V+α(0.8V)の速度で連続移動させるとともに
試料15をVの速度で−Yの方向に連続移動させて転写
を行うべき主視野を変えながら、各主視野内部のX方向
に一列に並んだ副視野をレチクル10の上流側にある偏
向器とレンズ系で一つずつ選んで照明して転写を実行す
る。なお、レチクルの走査速度がウェハの走査速度Vに
対して4V+αなのは、収縮率が1/4であるのと、非
パターン領域がレチクル上には存在するがウェハ上には
存在しないためである。各副視野はレンズ12と13で
試料15に結像されるが、電磁偏向器38、39、4
0、41を用いてレンズの軸を電子線の軌道の位置に移
動させることによって低収差を実現する。
【0036】次に各副視野の転写と主視野の走査のタイ
ミングについて説明する。レチクル10上の端の主視野
の中心が光軸から1.2mm/2の位置に来るようにステ
ージが進んだ時に、その主視野の1番目の副視野の転写
を始める。このとき、Y方向の非パターン領域を幅寄せ
してキャンセルするため、静電偏向器34、35を作動
させて、レチクル上で100μm 、ウェハ上で25μm
副視野像をY方向に移動させる。この移動量は、レチク
ル上の主視野とウェハ上の主視野の中心線のズレが徐々
に解消されるため、2番目、3番目の副視野では順次小
さな値になり、光軸上の副視野の転写では0になり、そ
れから少しずつ逆方向の移動量が増え、主視野の他端の
副視野の転写の時にはレチクル上で−100μm 、ウェ
ハ上で−25μm の移動量になる。この偏向器34、3
5がウェハのY方向と正確に一致していないことによる
偏向方向のズレやレジストレーション補正、即ちレチク
ル像とウェハ面とのズレのうちX方向のズレの補正は偏
向器36、37で行う。偏向器36と37は偏向量の絶
対値は等しく偏向方向が逆なので偏向した時の試料への
入射角は常に垂直に保たれる。主視野の長手方向の非パ
ターン領域の偏向量はウェハで300μm ×19個=
5.7mmと大きく、方向もY方向なので第2の偏向器で
は対応できなく、電磁偏向器42、43によって行う。
電磁偏向器42、43は偏向量が絶対値は互いに等し
く、方向が逆なので入射方向と出射方向は平行となる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、高精度パターンを得るための各種補正を、速
い応答速度で、収差を発生させることなく実行すること
のできる電子線縮小転写装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る電子線縮小転写装置の
投影光学系の詳細を示す模式的側面断面図である。
【図2】本発明の1実施例に係る電子線縮小転写装置の
光学系全体における結像関係を示す図である。
【図3】本発明の1実施例に係る電子線縮小転写装置で
転写する半導体装置チップパターンの視野分割を示す平
面図である。
【図4】図3の第1の静電偏向器の詳細構造を示す図で
ある。(A)は平面図、(B)は(A)の線B−Bに沿
った側面断面図である。
【図5】本実施例の第2の静電偏向器の詳細構造を示す
図である。(A)は平面図、(B)は(A)の線B−B
に沿った側面断面図である。
【符号の説明】
1 電子銃 6、7 開口 8 偏向器 12、13 投影レ
ンズ 11 レチクルステージ 14 ウェハ 15 ウエハステージ 34、35 第一
の静電偏向器 36、37 第二の静電偏向器 61 レチクルチップパターン 62 ベルト 63 主視野 64 副視野 65 非パターン領域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターンの形成されたレチクルを電子線
    で照明する照明光学系と、レチクルを通過してパターン
    化された電子線を試料の被露光面上に縮小転写する投影
    光学系と、レチクルを光軸垂直面内(X−Y面内)で移
    動させるレチクルステージと、試料を光軸垂直面内(X
    −Y面内)で移動させるウエハステージと、を備えた電
    子線縮小転写装置であって;前記レチクル上のパターン
    が複数の帯状の主視野に分割され、各主視野が長手方向
    に複数の副視野に分割されて前記レチクル上に配置され
    る場合において、 前記照明光学系は、該副視野への照明光をレチクルより
    も上流で偏向することによって特定の副視野を照明する
    ように構成されており、 前記投影光学系に、前記の主視野の長手方向に平行に延
    びる平行平板電極を少なくとも有する第1の多電極静電
    偏向器、又は、前記主視野の長手方向に直角に延びる平
    行平板電極を少なくとも有する第2の多電極静電偏向器
    を具備することを特徴とする電子線転写装置。
  2. 【請求項2】 パターンの形成されたレチクルを電子線
    で照明する照明光学系と、レチクルを通過してパターン
    化された電子線を試料の被露光面上に縮小転写する投影
    光学系と、レチクルを光軸垂直面内(X−Y面内)で移
    動させるレチクルステージと、試料を光軸垂直面内(X
    −Y面内)で移動させるウエハステージと、を備えた電
    子線縮小転写装置であって;前記レチクル上のパターン
    が複数の帯状の主視野に分割され、各主視野が長手方向
    に複数の副視野に分割されて前記レチクル上に配置され
    る場合において、 前記照明光学系は、該副視野への照明光をレチクルより
    も上流で偏向することによって特定の副視野を照明する
    ように構成されており、 前記投影光学系は、前記パターン化された電子線を被露
    光面上の所定の位置に向けて偏向及び結像し、被露光面
    上では各副視野をつなげて配列することにより主視野パ
    ターンを形成するように構成されており、 前記レチクルステージ及びウエハステージは同期移動し
    て、被露光面上では各主視野をつなげて配列することに
    よりパターンの全体を形成するように構成されており、 前記投影光学系に、前記主視野の長手方向に平行に延び
    る平行平板電極を少なくとも有する第1の多電極静電偏
    向器、又は、前記主視野の長手方向に直角に延びる平行
    平板電極を少なくとも有する第2の多電極静電偏向器を
    具備することを特徴とする電子線転写装置。
  3. 【請求項3】 前記第1又は第2の静電偏向器が、比較
    的広い面積の平行平板電極と、この平行平板電極の端部
    に配置されている比較的狭い面積の少なくとも4個の補
    助電極と、を有することを特徴とする請求項1又は2記
    載の電子線転写装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の静電偏向器が、前記レチクル
    の近傍に設置されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の電子線転写装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の静電偏向器が、前記ウェハの
    近傍に設置されていることを特徴とする請求項1又は2
    記載の電子線転写装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の静電偏向器又は第2の静電偏
    向器が、ほぼ同一角度で逆向きに電子線を偏向する2段
    の偏向器からなり、電子線を光軸方向と直角方向に平行
    移動させるものであることを特徴とする請求項1〜5い
    ずれか1項記載の電子線転写装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の静電偏向器の平行平板の間隔
    が前記主視野の短手方向の幅の2〜10倍であることを
    特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の電子線転写
    装置。
  8. 【請求項8】 前記レチクルを通過した電子線を前記主
    視野の長手方向に偏向させる電磁偏向器及び前記第1の
    静電偏向器の双方を有し、電子線を比較的遅い応答速度
    で大偏向させる場合には電磁偏向器を用い、比較的高周
    波数で小偏向させる場合には第1の静電偏向器を用いる
    ことを特徴とする請求項2いずれか1項記載の電子線転
    写装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の静電偏向器の電極の光軸方向
    長さが、該偏向器の平行平板電極の間隔の2倍以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の電
    子線転写装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の静電偏向器の平行平板電極
    の間隔が、前記主視野の試料位置での長手方向の1.0
    5〜1.5倍であることを特徴とする請求項2〜8いず
    れか1項記載の電子線転写装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104183446A (zh) * 2013-05-27 2014-12-03 斯伊恩股份有限公司 高能量离子注入装置
KR20140140479A (ko) * 2013-05-29 2014-12-09 가부시키가이샤 에스이엔 고에너지 이온주입장치

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JP2014232671A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 株式会社Sen 高エネルギーイオン注入装置

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