JPH10321294A - 電気自動車のチャージ用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロック解除の操作性を損なうことなく、小型
化可能な電気自動車のチャージ用コネクタを提供する 【解決手段】 チャージ用コネクタ１０のハウジング１
１内には、第１レバー５０とその後方に第２レバー６０
が設けられており、この第２レバー６０の後端部（操作
片６１）を押圧操作すると、その先端側の作用片６３が
第１レバー５０の後端部（受け片５３）を持ち上げて第
１レバー５０の先端のロック突部５４をロックの係合解
除方向に変移させる。ここで、ロックレバー５０がハウ
ジング１１内に設けられて保護され、従来のもののよう
にロックレバーの保護部を設ける必要がないので小型化
できる。また、押圧操作でロックが解除できるようにな
っているので、操作性もよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車のチャ
ージ用コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電気自動車のチャージ用
コネクタとして、図３に示すものが知られている。この
チャージ用コネクタ１は、電気自動車に固定された車両
側コネクタ３のフード部４の内側に嵌合可能となってお
り、この嵌合接続状態に両コネクタ１，３をロックする
ために、車両側コネクタ３のフード部４の外周面には外
方に突出するロック突部４Ａが備えられ、チャージ用コ
ネクタ１にはこのロック突部４Ａに係合するロックレバ
ー５が設けられている。このロックレバー５は、嵌合方
向に沿って延びると共に、中間部に回動支点５Ａを備
え、回動支点より後方の操作部７を操作することで前方
のロック部６が前記ロック突部４Ａと係合したり係合解
除されたりする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したチ
ャージ用コネクタ１では、ロックレバー５を相手側のフ
ード部４の外方から係合させるようにしたため、ロック
部６がフード部４への嵌合挿入部２の外部に配置され、
そのロック部６を保護するための保護用カバー８によっ
てコネクタ全体が大きくなってしまうという問題があっ
た。また、車両側コネクタ３のフード部４の周りにロッ
クレバー５の回動領域を確保するための空間（図３、符
号９参照）が必要となり、電気自動車側においても大き
なスペースを取っていた。一方、ロックレバー５による
ロック解除操作は、押圧操作で行えるようにしたいとい
う要請があり、操作性を損なわずにチャージ用コネクタ
を小型化することが切望されていた。本発明は、上記事
情に鑑みてなされたもので、ロック解除の操作性を損な
うことなく、小型化可能な電気自動車のチャージ用コネ
クタの提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、車両
側コネクタのフード部の内側に嵌合されて電気接続する
電気自動車のチャージ用コネクタにおいて、そのハウジ
ング内に、回動可能なロックレバーをフード部への差し
込み方向に沿わせて延ばすと共にロックレバーのうちフ
ード部への差し込み側の端部にロック突部を設け、この
ロック突部をハウジングの周面から出入させてフード部
に形成されたロック孔にフード部の内側から係合可能と
したところに特徴を有する。

【０００５】請求項２の発明は、請求項１記載の電気自
動車のチャージ用コネクタにおいて、ロックレバーの後
方に、回動可能な第２レバーを設け、第２レバーの後端
部を押圧操作することで第２レバーの先端がロックレバ
ーに当接し、ロックレバーのロック突部を係合解除方向
へと変位させるようにしたところに特徴を有する。

【０００６】

【発明の作用及び効果】請求項１の構成によれば、ロッ
クレバーを設けた場所がハウジング内であるため、その
ハウジングによってロックレバーが保護され、従来のチ
ャージ用コネクタのようにロックレバーの保護部分を設
けなくて済むので、コネクタ全体を小さくすることがで
きる。また、ロックレバーは、フード部の内側から係合
穴に係合するので、従来のもののように、ロックレバー
の回動領域を確保するための空間を相手側コネクタに設
ける必要がなく、相手側コネクタも小さくなる。

【０００７】請求項２の構成によれば、第２レバーを押
圧操作して回動させると、その第２レバーの回動方向と
反対向きにロックレバーが回動し、ロック突部が係合解
除方向に変移する。ここで、第２レバーは、ロックレバ
ーのロック解除の方向が操作性が悪い方向を向いていて
も、その方向を逆転させて作業性のよい押圧方向とする
ことができる。従って、ロック解除の操作性を損なうこ
となく、小型化可能な電気自動車のチャージ用コネクタ
の提供できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面に従って詳細に説明する。図１には、本実施形
態のチャージ用コネクタ１０が示されており、それと嵌
合接続可能な車両側コネクタ２０が図２に示されてい
る。チャージ用コネクタ１０は、コネクタハウジング１
１（以下、「ハウジング１１」という）内にチャージ側
端子金具１２を備えている。ハウジング１１は概円柱状
の主体部１３を備え、この主体部１３の下部に設けたケ
ーブル導入部１４から図示しない充電用電源から延びる
ケーブルＣがハウジング１１内に導入され、このケーブ
ルＣの端末がチャージ側端子金具１２に接続されてい
る。また、チャージ側端子金具１２は、先端に円柱状の
接続部１２Ｂを備え、その先端面１２Ａを相手側端子金
具に突き当てて電気接続されるタイプのものであって、
この先端面１２Ａをハウジング１１の前面に向けた状態
で主体部１３内の前方寄りに配置されている。

【０００９】主体部１３の前端部には、前方面が開放し
たフード部１６が備えられ、そのフード部１６の奥壁１
７には、車両側コネクタ２０に備えた受電側端子金具２
１を挿入するための挿入口（図に表れず）が形成されて
おり、この挿入口にチャージ側端子金具１２の先端面１
２Ａが対面している。また、この挿入孔は、奥壁１７の
内側に回転可能に取り付けられた円盤状の回転式シャッ
タ１８によって開閉可能となっている。回転式シャッタ
１８には、所定の回転位置で挿入孔と整合する複数の整
合孔１９が設けられている。そして、回転式シャッタ１
８の中心部には車両側コネクタ２０に設けたシャフト２
２とカム機構をなすカム孔２３が形成され、このカム孔
２３にシャフト２２が差し込まれると、このカム孔２３
内に形成された図示しないカム突部がシャフト２２に形
成された螺旋溝に沿って移動し、これにより回転式シャ
ッタが回転して整合孔が挿入口と重なり、挿入口が開状
態となる。

【００１０】主体部１３の後端部には、チャージ用コネ
クタ１０を操作する際に把持するためのハンドル４０が
図２の右斜め下方に延ばされている。このハンドル４０
の基端部には、ハウジング１１の内部空間に連通する開
口４１が形成され、その内部に後述の第２レバー６０の
操作片６１が配置されている。

【００１１】さて、チャージ用コネクタ１０には、車両
側コネクタ２０に備えた係合孔２４に係合するロック機
構が設けられている。このロック機構は、ハウジング１
１内に回転可能に支持された第１レバー５０（本発明の
ロックレバーに相当する）と第２レバー６０とから構成
されている。第１レバー５０は、斜めに交わるロック片
５２と受け片５３とを備え、その交錯部分に回動中心５
１が配置されている。この回動中心５１は主体部１３の
うち天井面と隣接した位置に配置され、ロック片５２は
回動中心５１より前方に延び、受け片５３は回動中心か
ら後方の斜め下方に延びている。また、回動中心５１に
は、図示しないトーションバネが設けられ、これにより
自然状態でロック片５２が天井面に当接した状態となっ
いる。

【００１２】ロック片５２の先端部には、図１の上方側
へと突出するロック突部５４が形成されている。このロ
ック突部５４は、ハウジング１１の天井面に形成した出
入孔５５を介してハウジング１１の外周面から上方へと
突出しており、ロックレバー５０を前記トーションバネ
に抗して回動させ、ロック片５２が図１の下方に回動す
ると、ロック突部５４がハウジング１１内に引っ込む。
そして、ロック突部５４は、ハウジング１１から突出し
た状態で車両側コネクタ２０に設けられた係合孔２４と
係合する。また、ロック突部５４は、その前面側が後方
に向けて図２の右斜め上方に傾斜するテーパ面５４Ａと
なっており、このテーパ面５４Ａに車両側コネクタ２０
の先端が押し当てられてロック片５２が下方に下がるよ
うになっている。一方、受け片５３の先端寄りの下面側
には、突部５６が形成され、後述の作用で詳細説明する
ように、この突部５６に第２レバー６０が乗り上がるこ
とで第１レバー５０が大きく回動する。また、本実施形
態において第１レバー５０の回動領域は、チャージ側端
子金具１２に接続された配線等の関係からハウジング１
１内に本来的に存在していた隙間を巧みに利用して設け
られている。

【００１３】第２レバー６０は、第１レバー５０の後方
に配置され、図１の右斜め上方に延びる操作片６１と、
その操作片６１のうち図１右端部の下面からＪ字状に延
びる作用片６３とを備え、操作片６１のうち図１におけ
る左端部が回動中心６２となっている。そして、操作片
６１が前記したようにハンドル４０の開口４１内に配さ
れてハウジング１１外に露出しており、ここを押圧操作
することで回動する。また、作用片６３は、先端が第１
レバー５０の受け片５３の下方まで延びており、操作片
６１を押圧すると上方に回動して受け片５３を持ち上
げ、第１レバー５０を回動させる。さらに、作用片６３
の途中部分には、トーションバネ６４が取り付けられて
おり、自然状態では作用片６３の先端がハウジング１１
の下面に当たって受け片５３から離反している。

【００１４】一方、車両側コネクタ２０は、図２に示す
ように、電気自動車のボディＢに固定されたコネクタハ
ウジング２６（以下、「ハウジング２６」という）内に
複数の受電側端子金具２１を収容しており、この受電側
端子金具２１に接続された電線Ｄが電気自動車に搭載さ
れたバッテリ（図示せず）に繋がっている。ハウジング
２６には、ボディＢの外方に向けて開放した円筒状のフ
ード部２７が設けられ、そのフード部２７の上面には、
前記ロック機構が係合する係合孔２４が貫通形成されて
いる。なお、フード部２７の先端には、蓋３０を備えら
れ、フード部２７の先端開放部が開閉可能となってい
る。

【００１５】フード部２７の奥面２７Ａには、受電側端
子金具２１の接続部２８が突出している。接続部２８は
円柱状に形成され、その先端面２８Ａを前記チャージ側
端子金具１２に突き当てることにより電気接続される。
そして、その接触圧力を得るために、受電側端子金具２
１はハウジング２６のキャビティ２６Ａ内で突き当て方
向に移動可能に収容されると共に、突き当て方向に向け
てコイルバネ２９にて付勢されている。また、フード部
２７の奥面２７Ａの中央部には、前記回転式シャッタ１
８を開閉するためのシャフト２２が突出されている。
尚、フード部２７の奥面２７Ａのうち内周面に寄りに
は、奥面２７Ａより更に奥に入り込んだ管状スペース２
７Ｂが形成されており、ここにチャージ用コネクタ１０
に設けられたフード部１６が差し込まれる。

【００１６】次に、本実施形態のチャージ用コネクタ１
０の作用を説明する。電気自動車を充電する場合には、
車両側コネクタ２０の回動蓋３０を開き、フード部２７
の内部にチャージ用コネクタ１０を押し込む。すると、
チャージ用コネクタ１０の外周面から突出するロック突
部５４の前面側のテーパ面５４Ａがフード部２７と当接
する。チャージ用コネクタ１０をさらに押し込むこと、
テーパ面５４Ａとフード部２７との摺接によりロック片
５２が下方に押し下げられ、ロック突部５４がハウジン
グ１１内へと引っ込んだ状態となり、チャージ用コネク
タ１０がフード部２７内の奥まで差し込まれる。一方、
この操作の過程で、フード部２７のシャフト２２が回転
式シャッタ１８のカム穴２３に入り込み、回転式シャッ
タ１８を回して挿入口を開状態とし、その挿入口を介し
て受電側端子金具２１がチャージ用コネクタ１０のハウ
ジング１１内に入り込む。そして、端子金具１２，２１
同士が正規接続状態となったところで、ロック突部５４
と係合孔２４とが対面し、第１レバー５０が図示しない
トーションバネによって元の状態に戻り、ロック突部５
４がフード部２７の内側から係合孔２４へと入り込んで
係合する。

【００１７】さて、充電が完了し、チャージ用コネクタ
１０を車両側コネクタ２０から引き抜くには、ハンドル
４０を把持してその基端部に露出された第２レバー６０
の操作片６１を押圧する。すると、第２レバー６０が回
動して先端側の作用片６３が持ち上がる。すると、作用
片６３の上方に位置した第１レバー５０の後端側の受け
片５３が持ち上げられて第１レバー５０の先端側のロッ
ク片５２が下方に下がる。これにより、ロック突部５４
がハウジング１１内に引っ込んで、係合孔２４との係合
が解除される。この第１レバー５０と第２レバー６０と
の当接動作について詳細説明すると、第２レバー６０の
作用片６３は、まず最初に第１レバー５０の受け片５３
のうち突部５６より先端側に当接する。そして、さらに
回動させると、作用片６３は受け片５３を持ち上げつつ
受け片５３の回動中心側に近づくように受け片５３上を
スライドし、突部５６に乗り上がる。すると、その突部
５６の突出分、第１レバー５０が大きく回動する。即
ち、第２レバー６０の小さな押圧操作で第１レバー５０
が大きく回動する。そして、その状態のままで、チャー
ジ用コネクタ１０を引っ張れば、車両側コネクタ２０か
らチャージ用コネクタ１０が離脱される。

【００１８】本実施形態のチャージ用コネクタ１０の効
果は、以下のようである。 １）第１レバー５０を回動方向が、チャージ用コネクタ
１０のハウジング１１の内側であるため、第１レバー５
０はハウジング１１によって保護され、従来のチャージ
用コネクタ（図３参照）のようにレバーの保護部分をハ
ウジングの外部に設けなくて済み、コネクタ全体を小さ
くすることができる。 ２）第１レバー５０は、フード部２７の内側から係合穴
２４に係合する構成となっているので、従来のもののよ
うにレバーの回動領域を車両側コネクタ２０に設ける必
要がなく、車両側コネクタも小さくなる。 ３）また、仮に、第１レバー５０だけだとロックを解除
する操作が第１レバー５０の後端部の持ち上げ動作とな
るところを、第２レバー６０を設けることにより、ロッ
クを解除する操作を押し下げ動作に変換してあるのでロ
ック解除の操作性にも優れる。 ４）しかも、第１レバー５０と第２レバー６０とは自然
状態で離反しており（図２参照）、チャージ用コネクタ
１０を車両側コネクタ２０に差し込む際に、第１レバー
５０のみが回動して第２レバー６０は回動しないので、
嵌合時に第２レバー６０のトーションバネ６４を撓ませ
なくて済み、嵌合抵抗も小さい。

【００１９】＜他の実施形態＞本発明は、前記実施形態
に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するよ
うな実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、
下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実
施することができる。 （１）前記実施形態のチャージ用コネクタ１０は、第１
レバー５０に第２レバー６０を組み合わせることで、ロ
ック解除を押圧操作で行えるようにしたが、例えば、第
１レバー５０の受け片５３をハウジング１１の下方に突
出させ、ピストルの引き金の様に引き動作でロックを解
除できるようにした構造のものであってもよい。 （２）本実施形態では、第１レバー５０のロック突部５
４をハウジング１１の上方側に突出させた構造とした
が、例えば、ハウジング１１の下面側に突出させ、それ
に伴い車両側コネクタ２０のフード部２７の下面側に係
合孔２４を設けた構造とすれば、その係合孔２４を車両
側コネクタ２０に水がかかった場合の排水口として利用
することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るチャージ用コネクタ
の側断面図

【図２】その相手側の車両側コネクタの側断面図

【図３】従来のチャージ用コネクタを示す側断面図

【符号の説明】

１０…チャージ用コネクタ １１…ハウジング ２０…車両側コネクタ ２４…係合孔 ２７…フード部 ５０…第１レバー（ロックレバー） ５５…出入孔 ５６…ロック突部 ６０…第２レバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近田 一元 愛知県名古屋市南区菊住一丁目７番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 津田 滋宏 兵庫県伊丹市北河原字当田20の２ 朝日金 属精工株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両側コネクタのフード部の内側に嵌合
   されて電気接続する電気自動車のチャージ用コネクタに
   おいて、 そのハウジング内に、回動可能なロックレバーを前記フ
   ード部への差し込み方向に沿わせて延ばすと共に前記ロ
   ックレバーのうち前記フード部への差し込み側の端部に
   ロック突部を設け、このロック突部を前記ハウジングの
   周面から出入させて前記フード部に形成されたロック孔
   に前記フード部の内側から係合可能としたことを特徴と
   する電気自動車のチャージ用コネクタ。
2. 【請求項２】 前記ロックレバーの後方に、回動可能な
   第２レバーを設け、前記第２レバーの後端部を押圧操作
   することで前記第２レバーの先端が前記ロックレバーに
   当接し、前記ロックレバーの前記ロック突部を係合解除
   方向へと変位させるようにしたことを特徴とする請求項
   １記載の電気自動車のチャージ用コネクタ。