JPH1031912A - はんだ付け可能な導電性ペースト - Google Patents

はんだ付け可能な導電性ペースト

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JPH1031912A
JPH1031912A JP8187447A JP18744796A JPH1031912A JP H1031912 A JPH1031912 A JP H1031912A JP 8187447 A JP8187447 A JP 8187447A JP 18744796 A JP18744796 A JP 18744796A JP H1031912 A JPH1031912 A JP H1031912A
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JP
Japan
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paste
conductive paste
solder
copper alloy
alloy powder
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JP8187447A
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Koji Ogura
康志 小倉
Jiro Sato
次郎 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1031912A publication Critical patent/JPH1031912A/ja
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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    • HELECTRICITY
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    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 はんだ付け可能な導電性ペーストにおいて、
耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、印刷性、
耐沈降性といった基本性能を維持し、特にはんだ付け性
を銅箔並みに高めたはんだ付け可能な導電性ペーストを
提供する。 【解決手段】 一般式Agx Cuy (ただし、0.00
1≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1
(原子比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の
平均銀濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末におい
て、該銅合金粉末の平均粒子径が5〜35μmであるこ
とを特徴とする銅合金粉末100重量部と、少なくとも
一種類以上の樹脂バインダー及び溶剤を含む導電性ペー
ストにおいて、はんだ付け性改良剤として高級脂肪酸及
び/または高級脂肪酸エステル0.001〜10重量部
を含有することを特徴とするはんだ付け可能な導電性ペ
ーストとその導電性塗膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線材料や
電子部品などに利用される導電性ペーストにおいて、紙
フェノール樹脂基板、ガラスエポキシ樹脂基板、紙エポ
キシ樹脂基板、アルミナ基板、ガラス基板や金属基板な
どの回路基板上や、チップ抵抗器電極用、セラミックコ
ンデンサー外部電極用、タンタルコンデンサー内外部電
極用、アルミ電解コンデンサーきょう体固着用、ハイブ
リッドIC用、スルーホールへの足付部品接続用、IT
Oガラス電極用などに、スクリーン印刷法、ディッピン
グ法、転写法やディスペンサーなどで塗布、硬化するこ
とにより、良好な導電性とはんだ付け性を有する塗膜を
提供できる直接はんだ付けが可能な導電性ペーストとそ
の導電性塗膜に関するものである。さらに詳しくは、塗
膜表面の耐酸化性や耐マイグレーション性に優れ、印刷
性や基材との接着強度、導電性粉末の耐沈降特性を維持
するとともに、良好な導電性と、銅箔並みの優れたはん
だぬれ性と高い耐はんだ喰われ性を併せ持つはんだ付け
可能な導電性ペーストと、このペーストを塗布または印
刷後、硬化してなる導電性塗膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に導電性ペーストは、その応用面の
広さやプロセスの簡略化などによるコストメリットの点
から、工業的な利用範囲が広がっている。なかでもフェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂やメラミン樹脂などの有機樹
脂バインダーと、銀、銅、カーボンなどの導電性粉末と
溶剤などから構成される導電性ペーストは、材料が安価
であること、適応範囲が広いこと、低温硬化のため他の
基材あるいは部品への悪影響の少ないこと、また、メッ
キを使わずに回路形成や電極の形成が可能なため、プロ
セスが簡素化できることや、有害な廃液を生じないた
め、環境問題を低減できるなどの点から、注目度の高い
材料となっている。
【0003】有機樹脂バインダーを用いるはんだ付け可
能な導電性ペーストには、導電性粉末として、銀、銅、
銀メッキ銅粉末を用いるのが公知であり、これらと溶剤
及び各種添加剤などの組み合わせによって、はんだ付け
が可能なペーストとなるように工夫してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら公知の導電性ペ
ーストとして用いられているものには、それぞれ以下の
ような欠点がある。まず、銀粉末を用いたペーストは、
良好な導電性は得られるものの、本質的に銀のはんだ中
への拡散速度が大きいため、はんだ喰われを起こしやす
く、充分なはんだフィレットが形成される前に、はんだ
のディウェッティングが起きてしまい、満足する接着強
度や電気的接続が得られない問題がある。さらに、銀ペ
ーストを用いた導体回路の場合、銀マイグレーションに
よる短絡のため、機器が故障してしまうという深刻な問
題がある。また、銅粉末を用いたペーストは、材料とし
て安価であるが、塗膜を加熱硬化した際、酸化活性の大
きな粉体を使用しているため、空気中あるいは樹脂バイ
ンダー中の酸素により、銅粉末表面に酸化被膜が形成さ
れ、導電性の低下とともにはんだぬれ性が損なわれやす
い。また、酸化防止剤や金属キレート剤を銅粉末に用い
たペーストに添加する試み(たとえば特開昭61−31
454号公報、特開平3−77202号公報、特開昭6
0−4562号公報)も行われているが、この場合、塗
膜化された後に、時間の経過とともに粉体表面が酸化さ
れてしまい、導電性及びはんだぬれ性が低下するうえ
に、基材との接着強度の低下やシェルフライフが短くな
るといった障害も発生する。また、銀を銅粉末表面にメ
ッキした粉末を使用したペーストが公知であるが、粉体
の製造コストが高価な上に、少量の銀が表面に存在して
いるだけとはいえ、やはりマイグレーションの問題があ
り、全ての特性をバランス良く満足するものに至ってい
ない。
【0005】これらの問題を解決するための手段とし
て、本出願人によって、一般式AgxCuy (ただし、
0.001≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、x
+y=1(原子比))で表され、粒子表面の銀濃度が平
均の銀濃度よりも高く、且つ粒子表面に向かって銀濃度
が増加する領域を有することを特徴とする銅合金粉末を
用いたペースト(例えば特開平4−345701号公
報、特開平6−023582号公報)があり、上記の銀
や銅の欠点を補う技術として開示されている。これらの
技術によると、粉体自体が高い耐酸化性と耐マイグレー
ション特性を有するために、欠点を補う添加剤を極力省
くことができ、従来の銀や銅粉末を用いた導電性ペース
トと比較して、特性的にバランスの良いものになってい
る。
【0006】ところで、これら既存のはんだ付け可能な
導電性ペーストでは、プリント基板上の銅箔や、部品電
極などの錫メッキ、あるいははんだメッキ並みのはんだ
ぬれ性や耐はんだ喰われ性は得られていないのが現状で
ある。既述したように、導電性ペーストは工業的に幅広
く利用されているが、一般に、電子電器産業における工
業的なはんだ付けは、主として錫やはんだ等の金属でメ
ッキされた部品電極面やスルーホール、プリント基板上
の銅箔などに直接はんだ付けすることを目的として行わ
れている。この際に、はんだ付けの信頼性を確保するた
めに、例えば錫−鉛系共晶はんだによるフローソルダリ
ングの場合、235〜260℃、数秒〜10数秒という
はんだ付け過程を経ることが望ましく、高温はんだや特
殊なはんだを使用する場合には、さらに厳しいはんだ付
け条件が適用されるのが現状である。この場合、既存の
はんだ付け可能な導電性ペーストでは、はんだ喰われに
よる塗膜表面のはんだのディウェッティングが起こり易
く、これによりフィレット形成不足となり、はんだ面の
接着強度の低下が生じ、さらには電気的接続がとれない
といった問題も発生する。したがって、はんだぬれ性や
はんだ喰われ性に関して、上記の銅箔や金属メッキ並み
の特性を有するはんだ付け可能な導電性ペーストの出現
が切望されている。
【0007】本発明の目的は、まさにこの点にあり、か
かる課題を解決するものとして、はんだ付け可能な導電
性ペーストにおいて、耐酸化性、耐マイグレーション
性、接着強度、印刷性、耐沈降特性といった性能を維持
し、特にはんだぬれ性や耐はんだ喰われ性を銅箔並みに
高めたはんだ付け可能な導電性ペーストを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を鑑み、鋭意検討した結果、一般式Agx Cu
y(ただし、0.001≦x≦0.4、0.6≦y≦
0.999、x+y=1(原子比))で表され、且つ粒
子表面の銀濃度が粒子の平均銀濃度よりも高い領域を有
する銅合金粉末において、該銅合金粉末の平均粒子径が
5〜35μmであることを特徴とする銅合金粉末100
重量部と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び
溶剤を含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良
剤として高級脂肪酸及び/または高級脂肪酸エステル
0.001〜10重量部を含有することを特徴とするは
んだ付け可能な導電性ペーストを用いることによって上
記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1) 一般式Agx Cuy (ただし、0.001≦x
≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1(原子
比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の平均銀
濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末100重量部
と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び溶剤を
含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良剤とし
て高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル0.001〜1
0重量部を含有することを特徴とするはんだ付け可能な
導電性ペースト。 (2) 一般式Agx Cuy (ただし、0.001≦x
≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1(原子
比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の平均銀
濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末100重量部
と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び溶剤を
含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良剤とし
て高級脂肪酸と高級脂肪酸エステル0.001〜10重
量部を含有することを特徴とするはんだ付け可能な導電
性ペースト。 (3) 一般式Agx Cuy (ただし、0.001≦x
≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1(原子
比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の平均銀
濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末100重量部
と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び溶剤を
含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良剤とし
て高級脂肪酸エステル0.001〜10重量部を含有す
ることを特徴とするはんだ付け可能な導電性ペースト。 (4) 銅合金粉末の平均粒子径が5〜35μmである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のはん
だ付け可能な導電性ペースト。 (5) 請求項1〜4の導電性ペーストを基材上に塗布
または印刷後、硬化してなるはんだ付け可能な導電性塗
膜。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いる銅合金粉末は、既に本出願人によって開示
されている特開平6−260015号公報記載のガスア
トマイズ法にて作成するのが好ましく、さらに窒素、ヘ
リウム、アルゴンなどの不活性ガスアトマイズ法にて作
製するのが好ましい。この際、ガスに含まれる酸素は、
2%以下が好ましく、さらには0.1%以下が好まし
い。
【0011】また、本発明で用いる銅合金粉末の銀量x
は、0.001未満では充分な耐酸化性、はんだ付け性
が得られず、0.4を越える場合には、耐マイグレーシ
ョン性、耐はんだ喰われ性が得られず、はんだ面での接
着強度が低下するうえに粉体のコストが高くなる。好ま
しい銀量xの範囲としては0.005≦x≦0.3であ
り、さらに好ましくは0.02≦x0.25である。本
発明で用いる銅合金粉末は、粉体表面の銀濃度が平均の
銀濃度より高く、表面の銀濃度が平均の銀濃度の1.4
倍以上であり、さらに好ましくは2.1倍以上である。
この銅合金粉末の表面及び表面近傍の銀濃度としては、
英国VG社製X線光電子分光分析装置ESCALAB2
00−X型を用いて、表面からの深さ50Å程度の表面
銀濃度として求めた。なお、この際の銀濃度は、Ag3
5/2 (AlのKα線)とCu3p(MgのKα線)の
ピークを比較して求めたものである。また、平均銀濃度
としては、試料を濃硝酸中で溶解したものを、高周波誘
導結合型プラズマ発光分析計(セイコー電子工業(株)
製JY38P−P2型)を使用して測定した。
【0012】本発明に用いる銅合金粉末は、平均粒子径
として5〜35μmの範囲にあることが必須である。5
μm未満では、はんだ付けの際に、硬化塗膜表面の該銅
合金粒子が、はんだ合金層に溶融してはんだ相に喰われ
てしまい、ディウェッティング状態になる時間が極端に
短くなる。このため銅箔などの金属箔並みの耐はんだ喰
われ性を付与するためには、できるだけ平均粒子径の大
きいものを導電性粉末として使用することが望ましい
が、導電性ペーストとして使用する際に、35μm以上
では、硬化膜表面の粒子がはんだ相に喰われる時間は長
くなるものの、スクリーン印刷特性が極端に悪化するう
えに、ペースト中の該銅合金粒子の沈降、分離が激しく
なり、得られる塗膜の有機/無機成分の組成変化が起こ
る。これにより、はんだぬれ性が著しく変動するため、
導電性ペースト用途としての実用性に乏しくなる。好ま
しい平均粒子径の範囲としては、7〜25μmであり、
さらに好ましくは9〜20μmである。この際の銅合金
粉末の平均粒子径は、Sympatec GmbH製の
レーザー回折型粒度分布測定装置(Heros(12L
A)&Rodos(12SR))を用いて求めた全粒子
体積の、50体積%換算のメジアン径を平均粒子径とし
ている。
【0013】本発明に用いる銅合金粉末の形状として
は、球状、多面体状、鱗片状、フレーク状及びこれらの
混合物として用いることができる。不定形の粒子を用い
た場合、硬化塗膜表面に樹脂バインダーが偏在するた
め、はんだぬれ性が悪化し、好ましくない。好ましい粒
子形状としては、球状、多面体状、鱗片状、フレーク状
であり、さらに好ましくは、球状、多面体状である。い
ずれの形状にしても、機械的に粉体を加工する公知の方
法を用いることが可能である。
【0014】また、本発明に用いる銅合金粉末は、必要
であれば溶融時に、Al、Zn、Sn、Pb、Si、M
n、Bi、Mo、Cr、Ir、Nb、Sb、B、P、M
g、Li、C、Na、Ba、Ti、In、Au、Pd、
Pt、Rh、Ru、Zr、Hf、Y、Laなどの金属、
半金属及びそれらの化合物を添加しても構わないし、本
発明で用いる銅合金粉末と同時に、Al、Zn、Sn、
Pb、Si、Mn、Bi、Mo、Cr、Ir、Nb、S
b、B、P、Mg、Li、C、Na、Ba、Ti、I
n、Au、Pd、Pt、Rh、Ru、Zr、Hf、Y、
Laなどの金属、半金属及びそれらの化合物からなる粉
末を混合しても構わない。
【0015】本発明に用いる樹脂バインダーとしては、
加熱硬化性の樹脂として公知のものが使用可能である。
例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、
フラン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、好ましくは
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、キシレ
ン樹脂であり、さらに好ましくは、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂である。フェノール樹脂としては、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、p
−アルキルフェノールや各種変性フェノールなどにホル
ムアルデヒド、フルフラールなどを付加、縮合させた一
般に公知のものが使用可能であり、特にレゾール型のフ
ェノール樹脂が好ましい。また、メラミン樹脂として
は、アルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましい。以上
の樹脂バインダーのうち、一種または二種以上の組み合
わせが可能であり、該導電性ペーストの適用基材に合わ
せて組み合わせは適宜可能である。樹脂バインダー量と
しては、1〜30重量部が好ましい。1未満の場合に
は、基材との接着性が著しく悪化するうえに、塗膜の酸
化劣化による導電性の劣化や、印刷性が不十分となる。
30を越える場合には、銅合金粉末同士の接点の不足の
ために導電性が低下し、さらに塗膜表面に銅合金粉末が
露出しにくくなるため、はんだぬれ性が悪化し、実用性
に乏しくなる。樹脂バインダー量として、好ましい範囲
としては3〜18重量部であり、さらに5〜13重量部
が好適である。
【0016】また、本発明に使用する樹脂バインダーに
関して、場合によっては上記の熱硬化性の樹脂とともに
熱可塑性の樹脂を適応することも好適である。この際、
樹脂バインダーの組み合わせにより、印刷性や密着性な
どの特性を向上させることができる。本発明のはんだ付
け可能な導電性ペーストの硬化方法としては、ボックス
式熱風炉、連続式熱風炉、マッフル式加熱炉、近赤外線
炉、遠赤外線炉などの公知の方法が可能である。この際
の雰囲気として、酸素濃度が少ないかあるいは存在しな
い雰囲気、不活性ガス雰囲気、還元性雰囲気が望ましい
が、空気中でも構わない。また、好適な硬化温度として
は100〜210℃、さらに好ましくは130〜180
℃である。好適な硬化時間としては、温度にも依存する
が1〜300分の範囲にあることが望ましい。
【0017】また、本発明におけるはんだ付け可能導電
性ペーストに、有機溶剤を使用することが可能である。
溶剤としては、公知であり一般的に用いられているもの
ならば何でも良い。たとえばエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノ
n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリル
エーテル、エチレングリコールドデシルエーテル、エチ
レングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、エチレングリコールイソアミル
エーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル及びそのアセテート、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジ
エチレングリコールドデシルエーテル、ジエチレングリ
コールモノヘキシルエーテル及びそのアセテート、ジエ
チレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールドデシルエーテル、トリエチレングリコールモノ
n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル
エーテルトリプロピレングリコールモノメチルエーテル
及びそのアセテート、α−テルピネオール、β−テルピ
ネオール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、、イソブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール、2−エチルブタノール、n−ア
ミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミ
ルアルコール、tert−アミルアルコール、メチルア
ミルアルコール、3−ペンタノール、n−ヘキサノー
ル、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−ヘプタ
ノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オ
クタノール、2−オクタノール、ノナノール、n−デカ
ノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、シクロヘ
キサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジル
アルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフル
フリルアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシ
レンなどの芳香族類、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢
酸メトキシブチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピ
オン酸イソアミルなどのエステル類、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、
γ−ラクトンなどが挙げられる。これらの溶剤のうち、
単独または二種以上の組み合わせが可能であり、使用す
る樹脂バインダーやペーストの適応基材に合わせて組み
合わせは適宜可能である。また、使用するペーストの粘
度、チクソトロピー性に合わせて、溶剤量は適当に含有
させることができる。一般に導電性ペーストでは、極性
の高い溶剤と低い溶剤を組み合わせて、ペーストのチク
ソトロピー性をコントロールしたり、印刷、塗布時のペ
ーストのレベリング性を調節することが知られている。
本発明におけるはんだ付け可能な導電性ペーストについ
ても、これらの組み合わせは可能である。例えば、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルと3,5,5−
トリメチルヘキサノールの組み合わせや、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルとシクロヘキサノールなど
の組み合わせが挙げられる。
【0018】本発明における導電性ペーストにおいて、
はんだ付け性改良剤として高級脂肪酸及び/または高級
脂肪酸エステル0.001〜10重量部を含有すること
が必須である。ここで用いる高級脂肪酸及び/または高
級脂肪酸エステルは、炭素数6〜30程度の飽和脂肪酸
及び不飽和脂肪酸、あるいは飽和脂肪酸エステル及び不
飽和脂肪酸エステルであり、一般に公知であるものなら
いずれも利用可能である。高級脂肪酸としては、たとえ
ばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、カプロレイン酸、
ウンデカン酸、2−ウンデセン酸、10−ウンデセン
酸、10−ウンデシン酸、ラウリン酸、リンデル酸、ト
リデカン酸、2−トリデセン酸、ミリスチン酸、ミリス
トレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、イソパル
ミチン酸、パルミトレイン酸、ヒラゴン酸、ヒドノカー
ピン酸、マーガリン酸、ω−ヘプタデセン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステ
アリン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、モロクチン
酸、エレオステアリン酸、タリリン酸、バクセン酸、リ
ミノレイン酸、ベルノリン酸、ステルクリン酸、ノナデ
カン酸、エイコサン酸、エイコセン酸、ガドレン酸、ア
ラキドン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、エルシン
酸、ブラシジン酸、セトレン酸、クルパノドン酸、トリ
コサン酸、22−トリコセン酸、リグノセリン酸、セラ
コレン酸、ニシン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、モ
ンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。また、高級脂
肪酸エステルとしては、たとえばカプロン酸メチル、カ
プロン酸エチル、カプロン酸ブチル、カプロン酸イソブ
チル、カプロン酸イソプロピル、カプロン酸アミル、カ
プロン酸イソアミル、カプロン酸ビニル、エナント酸メ
チル、エナント酸エチル、カプリル酸メチル、カプリル
酸エチル、カプリル酸ブチル、カプリル酸イソブチル、
カプリル酸イソプロピル、カプリル酸アミル、カプリル
酸イソアミル、カプリル酸ビニル、ペラルゴン酸メチ
ル、ペラルゴン酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン
酸エチル、カプリン酸ブチル、カプリン酸イソブチル、
カプリン酸イソプロピル、カプリン酸アミル、カプリン
酸イソアミル、カプリン酸ビニル、カプロレイン酸メチ
ル、カプロレイン酸エチル、ウンデカン酸メチル、ウン
デカン酸エチル、10−ウンデセン酸メチル、10−ウ
ンデセン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチ
ル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリ
ン酸イソプロピル、ラウリン酸アミル、ラウリン酸イソ
アミル、ラウリン酸ビニル、ラウリン酸ベンジル、トリ
デカン酸メチル、トリデカン酸エチル、ミリスチン酸メ
チル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリ
スチン酸イソブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリ
スチン酸ビニル、ミリストレイン酸メチル、ミリストレ
イン酸エチル、ペンタデカン酸メチル、ペンタデカン酸
エチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パ
ルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチ
ン酸イソプロピル、パルミチン酸ビニル、イソパルミチ
ン酸メチル、イソパルミチン酸エチル、パルミトレイン
酸エチル、マーガリン酸メチル、マーガリン酸エチル、
ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン
酸ブチル、ステアリン酸ビニル、ステアリン酸フェニ
ル、ステアリン酸ドデシル、ステアリン酸グリシジル、
ステアリン酸ヒドロキシプロピル、オレイン酸エチル、
オレイン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リノール酸メ
チル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、リ
ノレン酸メチル、イソステアリン酸エチル、エライジン
酸メチル、ノナデカン酸メチル、ノナデカン酸エチル、
エイコサン酸メチル、エイコサン酸エチル、エイコセン
酸エチル、アラキドン酸メチル、アラキドン酸エチル、
ヘンエイコサン酸エチル、ドコサン酸メチル、エルシン
酸メチル、エルシン酸エチル、リグノセリン酸メチル、
リグノセリン酸エチル、メリシン酸メチルなどが挙げら
れる。
【0019】これらの高級脂肪酸及び/または高級脂肪
酸エステルは、単独もしくは二種以上で用いることがで
きる。また、ここでいう高級脂肪酸は、はんだ付け性の
改良効果の他に、ペーストのチクソトロピー性付与剤と
しても機能を発揮する。そのため、これらの高級脂肪酸
及び/または高級脂肪酸エステルの種類やそれぞれの添
加量は、銅合金粉末の平均粒子径や、バインダーとして
用いる樹脂や溶剤、あるいはペーストが適応される基材
の種類や構成の如何により、適宜組み合わせや調整が可
能である。例を挙げれば、例えば銅合金粉末の平均粒子
径を大きくすることで、耐はんだ喰われ性を劇的に向上
させることはできる。しかしながらその反面、ペースト
中の該合金粉末の沈降性が大幅に増し、これによりペー
スト中の該銅合金粉末と有機バインダーなどの分離が短
時間で起こり、印刷や塗布時に支障が生じる他に、ペー
ストの組成変化を惹起し、これによりはんだぬれ性が大
幅に変動するなどの困難が生じる。しかしながら、本発
明の場合では、含有せしめるはんだ付け性改良剤とし
て、高級脂肪酸を高級脂肪酸エステルよりも多く含有さ
せるか、高級脂肪酸のみを含有させることで、ペースト
のチクソトロピー性を増加させ、粒子の沈降を抑えるこ
とが可能となり、はんだぬれ性と耐はんだ喰われ性が向
上した導電性ペーストとして実用性を維持できる。ま
た、高級脂肪酸エステルを高級脂肪酸よりも多く含有さ
せるか、高級脂肪酸エステルのみを含有させることでは
んだぬれ性及び耐はんだ喰われ性が向上するほかにペ−
ストの流動性が高まるために印刷性が向上し、さらにペ
ースト硬化膜の接着強度が向上する。さらに例を挙げれ
ば、部品外部電極の形成用途として、はんだ付け可能な
ペーストを用いる場合、適度なチクソトロピー性とレベ
リング性をペーストに付与させる必要があり、本発明に
おけるはんだ付け性改良剤である高級脂肪酸と高級脂肪
酸エステルの配合比を調節(1:9〜5:5(重量
比))することによって、優れたはんだぬれ性と高い耐
はんだ喰われ性を有し、且つ安定した電極形状及び寸法
精度を有する電極の形成がはじめて可能となる。このよ
うに、ペースト中に含有する高級脂肪酸及び/または高
級脂肪酸エステルの配合を制御することにより、はんだ
付け性に優れた実用性の高いペーストとして提供できる
ものとなる。
【0020】これらのはんだ付け性改良剤の含有量とし
ては、0.001〜10重量部の範囲で有効である。
0.001未満の場合、はんだ付け性、すなわちはんだ
ぬれ性の効果が発現しなくなり、10より多くなるとペ
ースト中の銅合金粉末の絶対量が少なくなり、導電性の
劣化を招くうえに、基材との接着強度が低くなる。好適
な含有量としては、0.03〜7重量部であり、より好
ましくは0.09〜3重量部である。また、本発明のは
んだ付け可能な導電性ペーストに、必要に応じてカップ
リング剤や金属キレート剤などを添加することも可能で
ある。好適なカップリング剤としては、ビニルトリエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシメチルジエトキシシラン、N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、イソブチルトリメトキシシランなどのシランカッ
プリング剤や、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノ
エチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチル
パイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル
チタネート、テトラブチルチタネート、イソプロピルト
リオクタノイルチタネート、イソプロピルトリドデシル
ベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリ(ジ
オクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リクミルフェニルチタネート、イソプロピルイソステア
ロイルジアクリルチタネートなどのチタン系カップリン
グ剤が挙げられる。また、好適な金属キレート剤として
は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミンなどのアルカノールアミン、エチレンジア
ミン、トリエチレンジアミン、o−アミノフェノール、
トルエンテトラミン、8−ヒドロキシキノリンなどのア
ミン化合物やアセチルアセトン及びその誘導体などが挙
げられる。これらの添加剤は、単独もしくは二種以上で
用いることができる。特にチタン系のカップリング剤を
用いることで、ペースト中の銅合金粉末の分散性が高ま
り、硬化膜表面の金属粒子を均一に露出させることがで
き、はんだ付け性の向上に効果がある。添加量として
は、塗膜の導電性、はんだ付け性、接着強度が損なわれ
ない程度が好ましく、0.001〜3重量部が適当であ
る。
【0021】本発明のはんだ付け可能な導電性ペースト
を塗布あるいは印刷して用いる基材は、基板としてガラ
スエポキシ樹脂基板、紙フェノール樹脂基板、紙エポキ
シ樹脂基板、ポリイミド樹脂基板、ポリエステル樹脂基
板、BTレジン樹脂基板、ポリフェニレンサルファイド
樹脂基板、ポリフェニレンエーテル樹脂基板、ポリエー
テルケトン樹脂基板、ポリエーテルイミド樹脂基板など
のリジッド基板やフレキシブル基板、アルミナ基板や窒
化アルミ基板などのセラミックス系基板、アルミ、ステ
ンレスなどの金属基板など、一般に公知の基板であれ
ば、いずれを用いることも可能である。また、その他の
基材として、チップ抵抗器電極、セラミックコンデンサ
ー外部電極、タンタルコンデンサー内外部電極、アルミ
電解コンデンサーきょう体、ハイブリッドIC用、スル
ーホールへの足付部品、ITOガラス電極などに本発明
のペーストを印刷、塗布して用いることができる。これ
らの基材に印刷、塗布された塗膜は、はんだ付けせずに
硬化塗膜単独で良好な導電性と機械的強度を付与するも
のとして活用できる。さらに、この塗膜上にはんだ付け
を施すことにより、より良好な導電性と機械的強度を有
するものとして有効に活用することができる。なお、本
発明における導電性塗膜とは、硬化させた塗膜が1×1
-3Ω・cm以下の体積抵抗率を示すことを意味する。
【0022】本発明のはんだ付け可能な導電性ペースト
は上記の基材に、スクリーン印刷法、凹版印刷法、バー
コート法、ディッピング法、転写法、ハケ塗り法、ディ
スペンサー法、スプレー法などにより、印刷、塗布する
ことができる。この際、各印刷、塗布法によっては、ペ
ーストの粘度を適当に調整することが望ましい。本発明
のはんだ付け可能な導電性ペーストに、はんだ付けを行
う方法としては、フラットディップ法、ウェーブソルダ
リング法、フローソルダリング法、二段ウェーブソルダ
リング法、多段フローソルダリング法、カスケード法な
どの浸漬はんだ付け法や、コテはんだ付け法、リフロー
法、VPS法、超音波はんだ付け法、レーザーはんだ付
け法などが挙げられる。これらの中で、特にフローソル
ダリング法やリフロー法が、作業性やプロセスコスト面
から好適である。
【0023】本発明におけるはんだ付けに使用するはん
だ材料としては、代表的なSb−Pb系の共晶はんだを
はじめとして、これにAgやSb、Cu、Bi、In、
Ge、Si、Alなどの元素を添加したものや、Sn−
Ag系、Sn−Au系、Sn−Sb系、Pb−Ag系、
Pb−In系、In−Al系、In−Ge系などの一般
的に公知であるはんだ材料が利用可能である。これらの
はんだ材料の形態としては、棒状はんだ、塊状はんだ、
はんだクリーム、糸はんだとして使用可能であり、各形
態によって、はんだ付け方法を上記の方法と適宜組み合
わせてはんだ付けを行うことが可能である。
【0024】また、本発明のはんだ付け可能な導電性ペ
ーストに、はんだ付け処理を施す場合に、一般的に用い
られているフラックスを用いることも差し支えない。好
適なフラックスとして、非活性ロジン系フラックス、弱
活性ロジン活性フラックス、活性ロジン系フラックス、
有機酸系フラックス、無機酸系フラックスとして市販さ
れているフラックスが使用可能であり、これらをペース
ト硬化塗膜上にスプレーしたり、浸漬させることによ
り、はんだ付け面にフラックスを塗布することが可能で
ある。さらに必要に応じて、フラックス塗布した硬化塗
膜をボックス式熱風炉や連続熱風炉、遠赤外線炉などを
用いてプレヒート処理を行うことも可能である。これら
のフラックス処理された硬化塗膜は、上述のはんだ付け
方法及びはんだ材料ではんだ付けが可能である。
【0025】次に本発明のはんだ付け可能な導電性ペー
ストの製造方法について説明するが、特に以下に記載し
た製造方法に限定されるものではない。 1.銅合金粉末製造工程 本発明に用いる銅合金粉末は、アトマイズ法により作製
される。ガスアトマイズ法、水アトマイズ法が望ましい
が、特に、窒素やヘリウムなどを含む不活性ガスアトマ
イズ法が好ましい。この際、ガスに含まれる酸素は、2
%以下が好ましく、さらには0.1%以下が好ましい。
【0026】例えば、銅、銀の混合物または合金を、窒
素ガスなどの不活性ガス中で、高周波誘導加熱装置など
を用いて黒鉛るつぼ中で融解する。融解後、るつぼ先端
より金属融液を不活性ガス雰囲気の噴霧槽内に導入した
後、るつぼ先端付近に設けられた複数個のガス噴出孔か
ら、圧縮された不活性ガスを断熱膨張させて発生した高
速気流を、まさにるつぼから噴霧槽内に落下し始めた金
属融液に向かって噴出し、アトマイズすることにより銅
合金粉末を作製することが可能である。この際に用いる
膨張前のヘリウムガスの圧力は10kg/cm2 以上が
好ましく、20kg/cm2 以上がさらに好ましい。
【0027】また、得られた銅合金粉末の平均粒子径が
好適な範囲に収まるように、場合によって、し分機や気
流式の分級装置を用いて、分級することも差し支えない
し、ボールミルやスタンプミル、ジェットミル、ウェッ
トミル、ハンマーミルなどを用いて粉体を粉砕したり、
形状を変更することも可能である。 2.表面処理工程 はんだ付け性改良剤としての高級脂肪酸及び/または高
級脂肪酸エステルは、混練工程の前に銅合金粉末に表面
処理したり、混練行程で樹脂バインダーなどと同時に添
加することが可能である。
【0028】混練行程の前に、これらの高級脂肪酸及び
/または高級脂肪酸エステルを銅合金粉末に表面処理す
ることが可能であるが、必ずしも必須ではない。また、
表面処理に溶剤を使用することは、これらのはんだ付け
性改良剤を均一に銅合金粉末に被覆させる意味で有効な
手段となるが、必ずしも必須ではない。この場合、処理
後に溶剤を留去したり、ろ過することが望ましい。ま
た、溶剤を使用しない場合は、混合機などを用いてはん
だ付け性改良剤の混合、分散を行うことができる。この
際の混合機としては、特に限定されるものではなく、リ
ボンミキサー、V型ミキサー、ロータリーミキサー、ヘ
ンシェルミキサー、フラッシュミキサー、ナウタミキサ
ー、タンブラーなどが挙げられる。また、回転ボールミ
ル、振動ボールミル、遊星ボールミルなどを用いて、粉
体表面にはんだ付け性改良剤を分散、被覆する方法も有
効である。本発明におけるはんだ付け性改良剤は、市販
されている態様として、液状、固形状、パウダー状、造
粒状、フレーク状、結晶状など性状を有するが、表面処
理の均質性を高める意味で、粒度の細かい形態を有する
ものや液状のものが望ましく、また、前もってこれらの
添加剤を乳鉢等で微粉砕しておくのも有効な策である。 3.ペースト混練工程 銅合金粉末、樹脂バインダー、はんだ付け性改良剤、溶
剤およびカップリング剤などの添加剤を、例えばプラネ
タリーミキサー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキ
サー、ヘリカルローター、三本ロール、バッチ式ニーダ
ーなどで混練し、本発明の導電性ペーストを作成するこ
とが可能である。この際、均質な導電性ペーストを得る
ために、例えば三本ロールにて混練した後に、プラネタ
リーミキサーにて再混練するといった二段階以上の混練
過程を経ることも可能である。
【0029】混練条件は、混練機にも依存するが、比較
的大きなシェアをかけながら、ペーストを混練、分散す
る条件が望ましく、混練時に真空引きを行うことも有効
な手段である。混練温度としては、室温または樹脂バイ
ンダーの硬化が促進しない温度で行うのが望ましい。場
合によっては、水冷式のジャケットを混練機に設けて冷
却しながら混練することも可能である。
【0030】以上、例示した方法により、本発明のはん
だ付け可能な導電性ペーストを作製することができる。
次に、実施例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0031】
【発明の実施の形態】実施例に先立ち、本発明のはんだ
付け可能な導電性ペーストの評価方法について説明す
る。 (1)はんだぬれ性 はんだぬれ性を定量的に評価するために、はんだボール
のぬれ広がり性を測定した。まず、はんだ付け可能な導
電性ペーストを、銅箔の積層されていない紙エポキシ基
板(松下電工(株)製、CEM−3)上に、2cm□の
ベタ状にスクリーン印刷し、150℃、30分、バッチ
式の熱風乾燥炉にて加熱硬化した。次に、この硬化塗膜
上に、弱活性ロジン系フラックス(日本アルファメタル
ズ製:RM−615)を約2cc滴下し、さらにその上
にSn−Pb共晶はんだボール(ニホンハンダ(株)
製、Sn/Pb=63/37、Φ=2mm)を置き、ピ
ーク温度260℃、滞留時間4分の赤外線炉にてリフロ
ーし、はんだ付けを行った。はんだ付け後のはんだの広
がり径を測定し、下記に示す計算式にて広がり率(%)
を求め、はんだぬれ性を評価した。なお、評価の基準と
して、175%以上の広がりを示すものをはんだぬれ性
に優れているものとした。
【0032】 ただし、d1は、はんだ付け前のはんだボールの直径
(mm) d2は、はんだ付け後のはんだの広がり径(mm) なお、参考例として同条件のはんだ付け条件にて行った
プリント基板銅箔上におけるはんだボールの拡がり試験
結果を表1に示した。 (2)耐はんだ喰われ性 耐はんだ喰われ性を定量的に評価するために、次のよう
な方法を用いた。まず、はんだ付け可能な導電性ペース
トを、銅箔の積層されていないガラスエポキシ基板(松
下電工(株)製、FR−4)上に、2mm□の大きさ
で、100個の碁盤目状の硬化塗膜をスクリーン印刷に
より形成し、150℃、30分、バッチ式の熱風乾燥炉
にて加熱硬化した。次に、この硬化塗膜を、弱活性ロジ
ン系フラックス(山栄化学(株)製:JS−64MS
C)に浸漬、塗布し、バッチ式熱風乾燥炉にて、150
℃、1分のプレヒートを行った。これを、Sn−Pb共
晶はんだ浴(260℃)中に10秒間ディッピングして
はんだ付けを行い、はんだ付け面のディウェッティング
状態を下記の基準で調べることにより、耐はんだ喰われ
性の評価とした。
【0033】 評価基準; ○:1個もディウェッティングを起こさず △:1〜10個ディウェッテイングを起こしている ×:11〜100個ディウェッティングを起こしている (3)導電性 導電性の評価として、はんだの被覆されていない、加熱
硬化されたはんだ付け可能な導電性ペーストの塗膜の体
積固有抵抗率を、デジタルマルチメーター(横川電機
(株)製7561型)を用いて4端子法により測定し
た。体積固有抵抗率の計算式を以下に示す。
【0034】 体積固有抵抗率(Ω・cm)=(R×t×W)/L ただし、R:電極間の抵抗値(Ω)、t:塗膜の厚み
(cm)、W:塗膜の幅(cm)、L:電極間の長さ
(cm)である。 (4)耐酸化性 ペーストの耐酸化性を定量的に評価するために、次のよ
うな方法を用いた。まず、耐はんだ喰われ性の評価に用
いたのと同様にして、はんだ付け可能な導電性ペースト
を、銅箔の積層されていないガラスエポキシ基板(松下
電工(株)製、FR−4)上に、2mm□の大きさで、
100個の碁盤目状の硬化塗膜をスクリーン印刷により
形成し、150℃、30分、バッチ式の熱風乾燥炉にて
加熱硬化した。次に、この基板を、さらにバッチ式の熱
風乾燥炉を用いて、210℃、15分、大気中にて硬化
塗膜を暴露せしめてから室温に取り出し、ついで弱活性
ロジン系フラックス(山栄化学(株)製:JS−64M
SC)に浸漬、塗布し、バッチ式熱風乾燥炉にて、15
0℃、1分のプレヒートを行った。これを、Sn−Pb
共晶はんだ浴(230℃)中に10秒間ディッピングし
てはんだ付けを行い、はんだ付け面のはんだぬれの状態
を下記の基準で調べることにより、耐酸化性の評価とし
た。
【0035】 評価基準; ○:1個もはんだぬれ不良なし △:1〜10個はんだぬれ不良を起こしている ×:11〜100個はんだぬれ不良を起こしている (5)耐マイグレーション性 耐マイグレーション性の試験として、次のような方法を
用いた。まず、銅箔の積層されていないガラスエポキシ
基板(松下電工(株)製、FR−4)上に、1mmのギ
ャップで印刷、硬化した2個のはんだ付け可能な導電性
ペーストの塗膜電極間に50Vの直流電圧を印加し、つ
いで塗膜のギャップ間に約0.2ccの純水を滴下し、
この間の漏れ電流が400μAを越えて短絡するまでの
時間(秒)を計測した。なお、評価の基準として、この
時間が150秒を越すものを耐マイグレーション性に優
れていることとした。 (6)接着強度 接着強度の評価としては、次のような方法を用いた。ま
ず、はんだ付け可能な導電性ペーストを、銅箔の積層さ
れていない紙フェノール基板(松下電工(株)製、FR
−1)上に、2mm□の大きさで、10個の電極をスク
リーン印刷、硬化により形成し、これらの電極にSn−
Pb共晶はんだをプリコートし、ついで0.8mmΦの
はんだメッキワイヤーをコテはんだ付けした。これを2
0mm/秒の速度で引っ張り試験を行い、破断時の強度
を10個の平均値として求めた。この際の強度の基準と
して、4Kgf以上を優れているものとした。 (7)耐沈降性 耐沈降性の評価として、はんだ付け可能な導電性ペース
ト約10ccをメスシリンダーに注入して、25℃の室
温に静置し始めてからペーストの分離が起こるまでの時
間を、以下の基準で評価した。
【0036】
【0037】
【実施例1】銅粒子(純度99重量%以上)37.1k
gと銀粒子(純度99重量%以上)1.9kgを黒鉛る
つぼに入れ、高周波誘導加熱装置により1600℃に融
解、加熱した。雰囲気は、99体積%以上の窒素中で行
った。次に、この融解金属をるつぼの先端より、ヘリウ
ムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、るつぼ先端付近
に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99
体積%以上、圧力35kg/cm2 G)を噴出してアト
マイズを行い、銅合金粉末を作製した。得られた粉末
は、平均粒子径8.0μmの球状粉末であった。また、
粉体の表面と平均の銀濃度比は4.6であった。
【0038】得られた銅合金粉末100gに対し、ステ
アリン酸0.5gを、前もってボールミルで表面処理を
行い、次いでレゾール型のフェノール樹脂8.1gとイ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート0.07
g、トリエタノールアミン0.47g、溶剤としてブチ
ルカルビトール3.2gを加え、三本ロールにて混練し
ペーストを作製した。得られたペーストのはんだぬれ
性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マイグレ
ーション性、接着強度、耐沈降性の結果を表1に示す。
【0039】
【実施例2】実施例1で作製した銅合金粉末100gに
対し、レゾール型のフェノール樹脂8.1g、ステアリ
ン酸0.35g、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート0.07g、トリエタノールアミン0.47
g、溶剤としてブチルカルビトール3.2gを加え、三
本ロールにて混練しペーストを作製した。得られたペー
ストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸
化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の結
果を表1に示す。
【0040】
【実施例3】銅粒子(純度99重量%以上)28.2k
gと銀粒子(純度99重量%以上)5.6kgを黒鉛る
つぼに入れ、高周波誘導加熱装置により1700℃に融
解、加熱した。雰囲気は、99体積%以上の窒素中で行
った。次に、この融解金属をるつぼの先端より、窒素ガ
ス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、るつぼ先端付近に設
けられたガスノズルから、窒素ガス(純度99体積%以
上、圧力35kg/cm2G)を噴出してアトマイズを
行い、銅合金粉末を作製した。得られた粉末は、平均粒
子径19.3μmの球状粉末であった。また、粉体の表
面と平均の銀濃度比は2.7であった。
【0041】得られた銅合金粉末100gに対し、レゾ
ール型のフェノール樹脂7.6g、n−ブチルエーテル
化メラミン樹脂0.3g、ラウリン酸1.7g、ステア
リン酸メチル0.4g、トリエタノールアミン0.08
g、溶剤としてブチルセロソルブ1.0g、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル2.4gを加え、三本
ロールにて混練を行い、ペーストを作製した。得られた
ペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、
耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性
の結果を表1に示す。
【0042】
【実施例4】実施例3で作製した銅合金粉末100gに
対し、レゾール型のフェノール樹脂7.8g、n−ブチ
ルエーテル化メラミン樹脂0.4g、ステアリン酸0.
05g、トリエタノールアミン0.08g、溶剤として
ブチルカルビトール2.4gを加え、三本ロールにて混
練を行い、ペーストを作製した。得られたペーストのは
んだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐
マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の結果を表1
に示す。
【0043】
【実施例5】実施例3で作成した銅合金粉末を、日清エ
ンジニアリング(株)製の気流式分級機TC−15Nを
用いて8μm以下の粉末をできるだけ除去し、平均粒子
径33.9μmの銅合金粉末を得た。得られた銅合金粉
末100gに対し、レゾール型のフェノール樹脂8.5
g、クレゾールノボラック型のフェノール樹脂0.9
g、パルミチン酸9.1g、イソプロピルトリイソステ
アロイルチタネート0.05g、溶剤としてエチレング
リコールモノフェニルエーテル4.1gを加え、三本ロ
ールにて混練を行い、ペーストを作製した。得られたペ
ーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐
酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の
結果を表1に示す。
【0044】
【実施例6】実施例1で作成した銅合金粉末を、日清エ
ンジニアリング(株)製の気流式分級機TC−15Nを
用いて10μm以上の粉末をできるだけ除去し、平均粒
子径5.4μmの銅合金粉末を得た。得られた銅合金粉
末100gに対し、オレイン酸0.1g、ミリスチン酸
エチル1.8gを前もって表面処理し、次いでレゾール
型のフェノール樹脂6.8g、イソプロピルトリイソス
テアロイルチタネート0.05g、溶剤としてエチレン
グリコールモノフェニルエーテル4.1gを加え、三本
ロールにて混練を行い、ペーストを作製した。得られた
ペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、
耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性
の結果を表1に示す。
【0045】
【実施例7】実施例1で作製した銅合金粉末100gに
対し、レゾール型のフェノール樹脂8.6g、ステアリ
ン酸メチル0.50g、トリエタノールアミン0.36
g、溶剤としてジプロピレングリコールモノエチルエー
テル2.9gを加え、三本ロールにて混練しペーストを
作製した。得られたペーストのはんだぬれ性、耐はんだ
喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マイグレーション性、
接着強度、耐沈降性の結果を表1に示す。
【0046】
【比較例1】実施例1で作成した銅合金粉末を、日清エ
ンジニアリング(株)製の気流式分級機TC−15Nを
用いて7μm以上の粉末をできるだけ除去し、平均粒子
径3.9μmの銅合金粉末を得た。得られた銅合金粉末
100gに対し、ミリスチン酸メチル1.9gを前もっ
て表面処理し、次いでレゾール型のフェノール樹脂7.
3g、トリエタノールアミン0.07g、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート0.05g、溶剤とし
てブチルカルビトールアセテート3.9gを加え、三本
ロールにて混練を行い、ペーストを作製した。得られた
ペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、
耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性
の結果を表1に示す。
【0047】
【比較例2】実施例3で作成した銅合金粉末を、日清エ
ンジニアリング(株)製の気流式分級機TC−15Nを
用いて15μm以下の粉末をできるだけ除去し、平均粒
子径45.3μmの銅合金粉末を得た。得られた銅合金
粉末100gに対し、レゾール型のフェノール樹脂7.
9g、ステアリン酸8.6g、リノール酸メチル1.1
g、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート0.
03g、溶剤としてエチルセロソルブ3.6gを加え、
三本ロールにて混練を行い、ペーストを作製した。得ら
れたペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電
性、耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈
降性の結果を表1に示す。
【0048】
【比較例3】銅粒子(純度99重量%以上)12.6k
gと銀粒子(純度99重量%以上)24.0kgを黒鉛
るつぼに入れ、高周波誘導加熱装置により1750℃に
融解、加熱した。雰囲気は、99体積%以上の窒素中で
行った。次に、この融解金属をるつぼの先端より、窒素
ガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、るつぼ先端付近に
設けられたガスノズルから、窒素ガス(純度99体積%
以上、圧力35kg/cm2 G)を噴出してアトマイズ
を行い、銅合金粉末を作製した。得られた粉末は、平均
粒子径16.8μmの球状粉末であった。また、粉体の
表面と平均の銀濃度比は1.2であった。
【0049】得られた銅合金粉末100gに対し、ラウ
リン酸1.5g、ミリスチン酸メチル0.6gを前もっ
て表面処理し、次いでレゾール型のフェノール樹脂7.
8gとn−ブチルエーテル化メラミン樹脂0.2g、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート0.07
g、トリエタノールアミン0.47g、溶剤としてブチ
ルセロソルブ3.2gを加え、三本ロールにて混練しペ
ーストを作製した。得られたペーストのはんだぬれ性、
耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マイグレーシ
ョン性、接着強度、耐沈降性の結果を表1に示す。
【0050】
【比較例4】実施例1で作成した銅合金粉末100gに
対し、レゾール型のフェノール樹脂7.1g、クレゾー
ルノボラック型のフェノール樹脂0.3g、イソプロピ
ルトリイソステアロイルチタネート0.08g、溶剤と
してジプロピレングリコールモノメチルエーテル3.7
gを加え、三本ロールにて混練を行い、ペーストを作製
した。得られたペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰わ
れ性、導電性、耐酸化性、耐マイグレーション性、接着
強度、耐沈降性の結果を表1に示す。
【0051】
【比較例5】実施例3で作成した銅合金粉末100gに
対し、レゾール型のフェノール樹脂8.2g、トリエタ
ノールアミン0.06g、溶剤としてベンジルアルコー
ル3.8gを加え、三本ロールにて混練を行い、ペース
トを作製した。得られたペーストのはんだぬれ性、耐は
んだ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マイグレーション
性、接着強度、耐沈降性の結果を表1に示す。
【0052】
【比較例6】実施例3で作成した銅合金粉末100gに
対し、レゾール型のフェノール樹脂7.8g、ステアリ
ン酸12.6g、トリエタノールアミン0.04g、溶
剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル
3.8gを加え、三本ロールにて混練を行い、ペースト
を作製した。得られたペーストのはんだぬれ性、耐はん
だ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マイグレーション
性、接着強度、耐沈降性の結果を表1に示す。
【0053】
【比較例7】市販の銅粉末(純度99重量%以上、平均
粒子径10μm)100gに対し、レゾール型のフェノ
ール樹脂7.9gとイソブチルエーテル化メラミン樹脂
0.15g、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート0.07g、トリエタノールアミン0.12g、溶
剤としてブチルカルビトールアセテート3.9gを加
え、三本ロールにて混練を行い、ペーストを作製した。
得られたペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、
導電性、耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、
耐沈降性の結果を表2に示す。
【0054】
【比較例8】比較例7で用いた市販の銅粉末100gに
対し、ステアリン酸1.5gを前もって表面処理し、次
いでレゾール型のフェノール樹脂8.1g、トリエタノ
ールアミン0.09g、溶剤としてジプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル3.7gを加え、三本ロールに
て混練を行い、ペーストを作製した。得られたペースト
のはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化
性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の結果
を表2に示す。
【0055】
【比較例9】比較例7で使用した市販の銅粉末を日清エ
ンジニアリング(株)製の気流式分級機TC−15Nを
用いて8μm以上の粉末をできるだけ除去し、平均粒子
径5.1μmの銅粉末を得た。得られた銅粉末100g
に対し、ドコサン酸0.05g、リノール酸メチル2.
5gを前もって表面処理し、次いでレゾール型のフェノ
ール樹脂5.7g、エチルエーテル化メラミン樹脂3.
0g、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1
g、溶剤としてカルビトール3.2gを加え、三本ロー
ルにて混練を行い、ペーストを作製した。得られたペー
ストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸
化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の結
果を表2に示す。
【0056】
【比較例10】市販の銀粉末(純度99重量%以上、平
均粒子径1μm)100gに対し、レゾール型のフェノ
ール樹脂8.7g、イソプロピルトリイソステアロイル
チタネート0.12g、溶剤としてブチルカルビトール
アセテート3.5gを加え、三本ロールにて混練を行
い、ペーストを作製した。得られたペーストのはんだぬ
れ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マイグ
レーション性、接着強度、耐沈降性の結果を表2に示
す。
【0057】
【比較例11】比較例10で用いた市販の銀粉末100
gに対し、パルミチン酸エチル3.0gを前もって表面
処理し、次いでレゾール型のフェノール樹脂8.1g、
溶剤として酢酸ブチル3.4gを加え、三本ロールにて
混練を行い、ペーストを作製した。得られたペーストの
はんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化性、
耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の結果を表
2に示す。
【0058】
【比較例12】市販の5重量%銀メッキ銅粉末(平均粒
子径6.2μm)100gに対し、レゾール型のフェノ
ール樹脂7.8g、イソプロピルトリ(Nーアミノエチ
ルーアミノエチル)チタネート0.08g、溶剤として
エチルセロソルブ3.6gを加え、三本ロールにて混練
を行い、ペーストを作製した。得られたペーストのはん
だぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸化性、耐マ
イグレーション性、接着強度、耐沈降性の結果を表2に
示す。
【0059】
【比較例13】比較例12で用いた市販の銀メッキ銅粉
末100gに対し、ステアリン酸0.05gとステアリ
ン酸メチル1.95gと、レゾール型のフェノール樹脂
8.0g、溶剤としてブチルセロソルブ3.8gを加
え、三本ロールにて混練を行い、ペーストを作製した。
得られたペーストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、
導電性、耐酸化性、耐マイグレーション性、接着強度、
耐沈降性の結果を表2に示す。
【0060】
【比較例14】比較例12で使用した市販の銀メッキ銅
粉末を、日清エンジニアリング(株)製の気流式分級機
TC−15Nを用いて5μm以下の粉末をできるだけ除
去し、平均粒子径11.1μmの銀メッキ銅粉末を得
た。得られた銀メッキ銅粉末100gに対し、ステアリ
ン酸2.5g、エイコサン酸メチル0.2gを前もって
表面処理し、次いでレゾール型のフェノール樹脂8.1
g、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1g、
溶剤としてブチルセロソルブ4.0gを加え、三本ロー
ルにて混練を行い、ペーストを作製した。得られたペー
ストのはんだぬれ性、耐はんだ喰われ性、導電性、耐酸
化性、耐マイグレーション性、接着強度、耐沈降性の結
果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のはんだ付
け可能な導電性ペーストは、従来の技術における致命的
な問題点であったはんだ付け性を銅箔並みとなるように
改善、向上でき、且つはんだ付け可能な導電性ペースト
としての基本特性、すなわち優れた耐酸化性や耐マイグ
レーション性、接着性や耐沈降特性を併せ持つものであ
り、産業上大いに有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Agx Cuy (ただし、0.00
    1≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1
    (原子比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の
    平均銀濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末100重
    量部と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び溶
    剤を含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良剤
    として高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル0.001
    〜10重量部を含有することを特徴とするはんだ付け可
    能な導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 一般式Agx Cuy (ただし、0.00
    1≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1
    (原子比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の
    平均銀濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末100重
    量部と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び溶
    剤を含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良剤
    として高級脂肪酸と高級脂肪酸エステル0.001〜1
    0重量部を含有することを特徴とするはんだ付け可能な
    導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 一般式Agx Cuy (ただし、0.00
    1≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=1
    (原子比))で表され、且つ粒子表面の銀濃度が粒子の
    平均銀濃度よりも高い領域を有する銅合金粉末100重
    量部と、少なくとも一種類以上の樹脂バインダー及び溶
    剤を含む導電性ペーストにおいて、はんだ付け性改良剤
    として高級脂肪酸エステル0.001〜10重量部を含
    有することを特徴とするはんだ付け可能な導電性ペース
    ト。
  4. 【請求項4】 銅合金粉末の平均粒子径が5〜35μm
    であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記
    載のはんだ付け可能な導電性ペースト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の導電性ペーストを基材上
    に塗布または印刷後、硬化してなるはんだ付け可能な導
    電性塗膜。
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