JPH10318098A

JPH10318098A - フューエルインジェクタ

Info

Publication number: JPH10318098A
Application number: JP14335097A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Mitake; 康弘見竹
Original assignee: Unisia Jecs Corp
Current assignee: Hitachi Unisia Automotive Ltd
Priority date: 1997-05-16
Filing date: 1997-05-16
Publication date: 1998-12-02

Abstract

(57)【要約】【課題】ノズル本体の先端側にノズルプレートを設
け、インジェクタの組立時に燃料の噴射パターンを調整
できるようにする。【解決手段】ノズルプレート２５は、ノズル本体２２
と共に噴射ノズル２１を構成し、ノズル本体２２の先端
面に固着された取付板部２５Ａと、噴射口２５Ｄが形成
されたノズル筒２５Ｃとを備えている。そして、噴射パ
ターンの調整時は、噴射口２５Ｄの噴口長が異なる複数
種類のノズルプレート２５が予め用意され、これらのノ
ズルプレート２５のうち噴射パターンを規定の範囲内に
調整するノズルプレート２５を選択してノズル本体２２
に固着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジン等の燃料噴射装置に用いて好適なフューエルイン
ジェクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】ここで、従来技術によるフューエルイン
ジェクタを図６ないし図９に基づいて説明する。

【０００３】１は磁性材料により段付き筒状に形成され
たインジェクタ本体を示し、該インジェクタ本体１は、
大径筒部１Ａと、該大径筒部１Ａの先端側に一体形成さ
れた小径筒部１Ｂとから構成されている。

【０００４】２はインジェクタ本体１の小径筒部１Ｂ内
にかしめ固定された段付き筒状の噴射ノズルで、該噴射
ノズル２は、例えばステンレス鋼等の硬質な金属材料か
らなり、先端側がインジェクタ本体１から突出してい
る。また、噴射ノズル２には、後述するニードル弁３用
の挿嵌穴２Ａと、該挿嵌穴２Ａの先端側に位置してニー
ドル弁３の弁部３Ｂが離着座する略円錐状の弁座２Ｂ
と、該弁座２Ｂの先端側に位置して噴射ノズル２の先端
面に開口した噴射口２Ｃとが設けられ、該噴射口２Ｃは
図７に示す如く、予め定められた軸方向長さ（噴口長）
Ｌ0 を有している。

【０００５】３は前記噴射口２Ｃを開，閉するため噴射
ノズル２内に設けられた弁体としてのニードル弁で、該
ニードル弁３は、図６に示す如く、噴射ノズル２の挿嵌
穴２Ａ内に摺動可能に挿嵌された弁軸３Ａと、該弁軸３
Ａの先端側に形成された略円錐状の弁部３Ｂと、弁軸３
Ａの軸方向中間部に設けられた鍔状のストッパ部３Ｃと
を備えている。

【０００６】また、弁軸３Ａの外周側と噴射ノズル２の
挿嵌穴２Ａとの間には、軸方向に延びる燃料通路４が形
成されている。そして、ニードル弁３は、後述する電磁
アクチュエータ７からの磁力によりアンカ５を介して開
弁され、開弁時にはストッパ部３Ｃが後述のストッパプ
レート６に当接する位置まで上向きに摺動変位（リフト
アップ）する。

【０００７】これにより、ニードル弁３の弁部３Ｂは、
噴射ノズル２の弁座２Ｂから所定のリフト量をもって離
間し、燃料通路４内の燃料は、図７中に示す噴射口２Ｃ
の噴口長Ｌ0 に対応した噴射パターン（噴射角）θ0 を
もって該噴射口２Ｃから外部に噴射される。

【０００８】５は磁性材料等により有蓋筒状に形成され
たアンカで、該アンカ５はニードル弁３の基端側に嵌着
され、電磁アクチュエータ７のコア部材８と所定寸法の
隙間を介して軸方向に対向している。そして、アンカ５
の外周側には、図示しない燃料通路が軸方向に設けられ
ている。

【０００９】６は略Ｕ字状またはＣ字状に形成されたス
トッパプレートで、該ストッパプレート６は、ニードル
弁３の開弁位置（リフト量）を定めるため噴射ノズル２
と共にインジェクタ本体１の小径筒部１Ｂ内にかしめ固
定されている。

【００１０】７はインジェクタ本体１内に設けられた電
磁アクチュエータで、該電磁アクチュエータ７は、電磁
ステンレス等の磁性材料により段付き筒状に形成された
コア部材８と、該コア部材８と共にインジェクタ本体１
の大径筒部１Ａにかしめ固定された環状の電磁コイル９
とからなり、コア部材８は、上端側がインジェクタ本体
１から突出し、下端側がアンカ５と対向している。

【００１１】そして、電磁アクチュエータ７は、ニード
ル弁３の開弁時に電磁コイル９が外部からコネクタ１０
を介して給電されることにより、該電磁コイル９がコア
部材８を介してアンカ５を磁気的に吸引し、これによっ
てニードル弁３を上向きに摺動変位させる構成となって
いる。

【００１２】１１はニードル弁３を閉弁方向に常時付勢
する弁ばねで、該弁ばね１１は、コア部材８内に嵌着さ
れた筒体１２の先端側とアンカ５との間に配設されてい
る。そして、弁ばね１１は、ニードル弁３の閉弁時にア
ンカ５を介して該ニードル弁３を噴射ノズル２の弁座２
Ｂに着座させる。

【００１３】１３はコア部材８の上端側に接続された燃
料ホースで、該燃料ホース１３は、燃料ポンプ（図示せ
ず）から吐出される燃料をインジェクタ本体１内に供給
するものである。

【００１４】従来技術によるフューエルインジェクタは
上述の如き構成を有するもので、燃料ポンプから吐出さ
れる燃料は、燃料ホース１３、筒体１２等を介して噴射
ノズル２内の燃料通路４に供給される。

【００１５】そして、この状態で電磁アクチュエータ７
の電磁コイル９に外部からコネクタ１０を介して給電す
ると、該電磁コイル９がコア部材８を介してアンカ５を
磁気的に吸引し、ニードル弁３は該アンカ５と共に弁ば
ね１１に抗して上向きに摺動変位する。これにより、ニ
ードル弁３は開弁し、弁部３Ｂが噴射ノズル２の弁座２
Ｂから離座すると共に、燃料通路４内の燃料は、噴射口
２Ｃから噴射パターンθ0 をもって外部に噴射される。

【００１６】また、電磁コイル９に対する給電を停止す
ると、ニードル弁３は、弁ばね１１の付勢力によりアン
カ５と共に下向きに摺動変位し、弁部３Ｂが前記弁座２
Ｂに着座して閉弁する。これにより、燃料の噴射は停止
される。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、噴射口２Ｃから噴射される燃料の噴射パタ
ーンが該噴射口２Ｃの軸方向長さに応じて変化する。即
ち、噴射口２Ｃが短い噴口長Ｌa を有する場合には、図
８に示すように、燃料の噴射パターンが噴射パターンθ
a のように大きくなる。一方、噴射口２Ｃが長い噴口長
Ｌb （Ｌb ＞Ｌa）を有している場合には、図９に示す
ように、燃料の噴射パターンが噴射パターンθb （θb
＜θa ）のように小さくなる。

【００１８】そこで、従来技術では、図７に示すよう
に、噴射口２Ｃの軸方向長さを噴口長Ｌ0 とすることに
より、燃料の噴射パターンを噴射パターンθ0 として予
め定められた規定の範囲内に調整し、噴射された燃料を
エンジンの吸入空気と良好な状態で混合させるようにし
ている。

【００１９】しかし、燃料の噴射パターンは、噴射口２
Ｃの噴口長だけでなく、弁座２Ｂの形状等によっても変
化するため、噴射口２Ｃを所定の噴口長Ｌ0 に形成した
としても、噴射パターンが弁座２Ｂの形状ばらつき等の
影響によって規定の範囲から外れることがある。

【００２０】このため、従来技術では、インジェクタ毎
に異なる噴射パターンのばらつきをそれぞれ調整するの
が難しく、インジェクタの組立後に試験した噴射パター
ンが規定の範囲から外れている場合には、このインジェ
クタを不良品として廃棄せざるを得ないため、歩留まり
が悪くなるという問題がある。

【００２１】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、インジェクタの組立時に噴射
パターンを適切に調整でき、インジェクタ毎に生じる噴
射パターンのばらつきを確実に低減できると共に、噴射
パターンの調整作業を効率よく行うことができ、歩留ま
りを大幅に向上できるようにしたフューエルインジェク
タを提供することを目的としている。

【００２２】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、インジェクタ本体と、該インジェクタ
本体に設けられ先端側に噴射口を有する噴射ノズルと、
該噴射ノズル内に摺動可能に設けられ前記噴射口を開，
閉する弁体と、該弁体を駆動するため前記インジェクタ
本体内に設けられたアクチュエータとからなるフューエ
ルインジェクタに適用される。

【００２３】そして、請求項１の発明が採用する特徴
は、前記噴射ノズルは、弁体を摺動可能に収容すると共
に先端が噴出開口となったノズル本体と、該ノズル本体
の先端側に設けられたノズルプレートとからなり、該ノ
ズルプレートは、前記ノズル本体の先端側に固着される
平板状の取付板部と、該取付板部から軸方向に突設され
前記噴出開口と連通して前記噴射口を形成してなるノズ
ル筒とから構成したことにある。

【００２４】このように構成することにより、例えばノ
ズル筒の突出寸法（噴射口の軸方向長さ）が異なる複数
種類のノズルプレートを予め用意しておき、インジェク
タの組立時にノズルプレートをノズル本体の先端側に取
換え可能に取付けた状態で、ノズル筒内の噴射口から外
部に燃料を噴射させることができる。そして、この状態
で燃料の噴射パターンを試験し、必要に応じてノズルプ
レートの取換えを行うことにより、噴射パターンを予め
定められた規定の範囲内に調整できる。また、ノズルプ
レートの取付板部を必要に応じてノズル本体の先端側に
固着でき、噴射パターンを適切に調整した状態でノズル
プレートをノズル本体の先端側に固定できる。

【００２５】また、請求項２の発明では、前記ノズルプ
レートのノズル筒には、前記ノズル本体の噴出開口と対
向する面に面取り部を設けている。

【００２６】これにより、ノズル筒の面取り部は、ノズ
ル本体の噴出開口から噴出する燃料をノズル筒の噴射口
内へと円滑に導くことができ、該噴射口から外部に噴射
される燃料の噴射パターンを安定させることができる。

【００２７】さらに、請求項３の発明では、前記ノズル
プレートは噴口長の異なる複数種類を用意し、選択され
たいずれか一のノズルプレートを前記ノズル本体に溶接
する構成としている。

【００２８】これにより、噴射パターンの調整時には、
各ノズルプレートをノズル本体の先端側にそれぞれ取換
え可能に取付けた状態で燃料の噴射パターンを試験で
き、噴射パターンを規定の範囲内に設定するノズルプレ
ートを選択することができる。そして、選択したノズル
プレートの取付板部をノズル本体の先端側に溶接するこ
とにより、ノズルプレートをノズル本体の先端側に固着
することができる。

【００２９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１ないし図５に従って詳細に説明する。

【００３０】ここで、図１ないし図４は本発明による第
１の実施例を示し、本実施例では従来技術と同一の構成
要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。

【００３１】２１は従来技術による噴射ノズル２に代え
て本実施例に用いられる噴射ノズルを示し、該噴射ノズ
ル２１は、基端側がインジェクタ本体１の小径筒部１Ｂ
内にかしめ固定された段付き筒状のノズル本体２２と、
該ノズル本体２２の先端側に取付けられた後述のノズル
プレート２５とから構成されている。

【００３２】ここで、ノズル本体２２には、その内周側
に位置して後述のニードル弁２３が摺動可能に挿嵌され
る挿嵌穴２２Ａと、該挿嵌穴２２Ａの先端側から略円錐
状に縮径して形成された弁座２２Ｂとが設けられ、また
該弁座２２Ｂの先端側に位置してノズル本体２２の先端
面に開口した小径の噴出開口２２Ｃが設けられている。
さらに、ノズル本体２２の先端側外周には、ノズルプレ
ート２５を取付けるための小径部２２Ｄが段付き状に形
成されている。

【００３３】２３は後述の噴射口２５Ｄを開，閉するた
めにノズル本体２２内に設けられた弁体としてのニード
ル弁で、該ニードル弁２３は、ノズル本体２２の挿嵌穴
２２Ａ内に配設された軸部２３Ａの先端側にスパイラル
部２３Ｂを介して段付き円錐状の弁部２３Ｃが一体形成
され、スパイラル部２３Ｂの外周側には、ノズル本体２
２との間に螺旋状燃料通路２４，２４，…を画成する複
数の凹溝２３Ｂ1 ，２３Ｂ1 ，…が螺旋状に形成されて
いる。また、ニードル弁２３は、スパイラル部２３Ｂ等
を介してノズル本体２２の挿嵌穴２２Ａ内に摺動可能に
挿嵌されている。

【００３４】そして、ニードル弁２３の開弁時には、軸
部２３Ａが電磁アクチュエータ７により上向きに駆動さ
れ、弁部２３Ｃがノズル本体２２の弁座２２Ｂから所定
のリフト量をもって離座する。これにより、インジェク
タ本体１側からノズル本体２２内に供給される燃料は、
各螺旋状燃料通路２４内を螺旋状に旋回しつつ、噴出開
口２２Ｃを介して噴射口２５Ｄの先端側から旋回流状態
で外部に噴射され、これによってエンジンの吸入空気等
に微粒化した状態で混合される。

【００３５】２５は燃料の噴射パターンを調整するため
ノズル本体２２の先端側に設けられたノズルプレート
で、該ノズルプレート２５は、図１および図２に示す如
く、例えばプレス成形された金属板等によって形成され
ている。

【００３６】そして、ノズルプレート２５は、ノズル本
体２２の先端面に当接する環状平板として形成され、外
周側に嵌合筒部２５Ｂが設けられた取付板部２５Ａと、
該取付板部２５Ａの内周側から軸方向に突設された小径
のノズル筒２５Ｃと、該ノズル筒２５Ｃ内を軸方向に貫
通して設けられ、ノズル本体２２の噴射開口２２Ｃと連
通する噴射口２５Ｄと、該噴射口２５Ｄのうち噴射開口
２２Ｃと対向する面に断面略円弧状をなして形成された
面取り部２５Ｅとから構成されている。

【００３７】そして、ノズルプレート２５は、その嵌合
筒部２５Ｂをノズル本体２２の小径部２２Ｄに嵌合した
状態で、溶接部２６，２６，…がレーザ溶接等の手段に
よりノズル本体２２に固着されている。

【００３８】そして、ノズルプレート２５の噴射口２５
Ｄは、燃料の噴射パターンが噴射パターンθ1 の如く、
予め定められた規定の範囲内に設定されるように所定の
噴口長Ｌ1 をもって形成されている。ここで、噴射口２
５Ｄの噴口長とは、ノズルプレート２５の取付板部２５
Ａの当接面からノズル筒２５Ｃの先端側までの軸方向長
さとして定められるものである。

【００３９】さらに、嵌合筒部２５Ｂは、ノズル筒２５
Ｃを噴出開口２２Ｃと同軸となるように径方向に位置決
めしている。また、嵌合筒部２５Ｂは、後述する噴射パ
ターンの調整工程でノズル本体２２の小径部２２Ｄに対
して着脱可能に嵌合され、ノズルプレート２５をノズル
本体２２に仮止めする。

【００４０】一方、ノズルプレート２５は、図２および
図３に示す如く、燃料の噴射パターンθを調整するため
に複数種類のノズルプレート２５，１２５，２２５，…
（３個のみ図示）が予め用意され、ノズルプレート２
５，１２５，２２５，…は、ノズル筒２５Ｃ，１２５
Ｃ，２２５Ｃ，…の突出寸法が互いに異なるように形成
されている。

【００４１】そして、例えば図１中に示すインジェクタ
には、噴口長Ｌ1 の噴射口２５Ｄを形成したノズルプレ
ート２５が選択的に取付けられることにより、このイン
ジェクタの噴射パターンθ1 は規定の範囲内に調整され
ている。

【００４２】本実施例によるフューエルインジェクタは
上述の如き構成を有するもので、次に図２ないし図４を
参照しつつ噴射パターンの調整工程について説明する。

【００４３】まず、図２に示す選択工程では、インジェ
クタ本体１、噴射ノズル２１、ニードル弁２３等を組立
てた後に、予め用意された複数種類のノズルプレート２
５，１２５，２２５，…のうち任意のノズルプレートを
選択する。

【００４４】次に、図３に示す仮止め試験工程では、例
えば選択工程で選択したノズルプレート２５の嵌合筒部
２５Ｂをノズル本体２２の小径部２２Ｄに着脱可能に嵌
合し、ノズルプレート２５をノズル本体２２に仮止めす
る。

【００４５】そして、この状態でインジェクタ本体１、
噴射ノズル２１等をノズルプレート２５と共に噴射パタ
ーン試験用の試験装置２７にセットすると共に、該試験
装置２７に設けられた複数のシリンダ機構２７Ａ，２７
Ａ，…等によりノズルプレート２５をノズル本体２２の
先端面に押圧し、ノズルプレート２５を仮止め状態に保
持する。

【００４６】続いて、インジェクタ本体１内に燃料ホー
ス１３等を介して燃料を供給し、電磁アクチュエータ７
によりニードル弁２３を開弁させる。これにより、噴射
口２５Ｄの先端側から燃料を噴射させ、その噴射パター
ンθを試験装置２７によって試験する。

【００４７】ここで、噴射パターンθの試験値が予め定
められた規定の範囲内にある場合には、このノズルプレ
ート２５により当該インジェクタの噴射パターンが適切
な角度に設定されるから、図４に示す溶接工程を行い、
このノズルプレート２５の取付板部２５Ａをレーザ溶接
等により各溶接部２６を介してノズル本体２２の先端面
に溶接する。

【００４８】また、噴射パターンθの試験値が規定の範
囲から外れている場合には、この試験値が規定の範囲内
となるまで選択工程、仮止め試験工程を繰返すことによ
り、他のノズルプレート１２５，２２５，…をノズル本
体２２に順次仮止めし、試験装置２７によって噴射パタ
ーンを試験する。そして、最終的に選択したノズルプレ
ートを溶接工程でノズル本体２２に固着し、噴射パター
ンの調整工程を終了すると共に、他のインジェクタに対
する噴射パターンの調整工程を必要に応じて行う。

【００４９】かくして、本実施例では、ノズル本体２２
の先端側にノズルプレート２５を設け、該ノズルプレー
ト２５を、ノズル本体２２の先端側に固着される取付板
部２５Ａと、小径部２２Ｄに嵌合される嵌合筒部２５Ｂ
と、噴射口２５Ｄを形成するノズル筒２５Ｃとから構成
したので、例えば噴射口２５Ｄの噴口長が互いに異なる
複数種類のノズルプレート２５，１２５，２２５，…を
予め用意することにより、インジェクタの組立時には燃
料の噴射パターンを容易に調整することができる。

【００５０】即ち、噴射パターンの調整工程では、ノズ
ルプレート２５，１２５，２２５，…のうち選択工程に
よって選択したノズルプレートをノズル本体２２の先端
側に仮止めでき、仮止め試験工程によりノズル本体２２
に仮止めするノズルプレートを必要に応じて取換えつ
つ、該ノズルプレート２５，１２５，２２５，…の噴射
口２５Ｄ，１２５Ｄ，２２５Ｄ，…から噴射される燃料
の噴射パターンを実際に試験することができる。

【００５１】これにより、噴射パターンを規定の範囲内
に設定するノズルプレートを容易に選択でき、例えば選
択したノズルプレート２５の取付板部２５Ａを溶接工程
によりノズル本体２２の先端面に溶接できると共に、噴
射パターンを適切に調整した状態でノズルプレート２５
をノズル本体２２に確実に固着させることができる。

【００５２】従って、本実施例によれば、ニードル弁２
３のスパイラル部２３Ｂ（各螺線状燃料通路２４）、弁
部２３Ｃ、またはノズル本体２２の弁座２２Ｂ等に生じ
る形状ばらつきの影響により燃料の噴射パターンが変動
する場合でも、インジェクタ毎に生じる噴射パターンの
ばらつきを確実に低減でき、噴射パターンの調整を効率
よく行うことができると共に、歩留まりを大幅に向上さ
せることができる。

【００５３】また、ノズルプレート２５には、ノズル筒
２５Ｃの外周側に位置してノズル本体２２の小径部２２
Ｄに着脱可能に嵌合される環状の嵌合筒部２５Ｂを設け
たから、ノズルプレート２５をノズル本体２２に対して
着脱可能な状態で容易に仮止めでき、このときにノズル
筒２５Ｃ（噴射口２５Ｄ）がノズル本体２２の噴出開口
２２Ｃに対して同軸となるようにノズルプレート２５を
正確に位置決めできると共に、噴射パターンの試験を安
定して行うことができる。

【００５４】さらに、ノズル筒２５Ｃには、ノズル本体
２２の噴出開口２２Ｃと対向する面に面取り部２５Ｅを
設けたので、噴出開口２２Ｃから噴出する燃料を噴射口
２５Ｄ内へと円滑に導くことができ、該噴射口２５Ｄの
先端側から外部に噴射される燃料の噴射パターンを安定
させることができる。

【００５５】そして、この場合には、例えばプレス成形
等によってノズルプレート２５を形成することにより、
取付板部２５Ａの内周側からノズル筒２５Ｃの基端側に
亘る面に対して特別な面取り加工等を施すことなく、こ
の面を断面略円弧状に湾曲させることができるから、面
取り部２５Ｅを容易に形成することができる。

【００５６】なお、図５に本実施例の変形例として示す
ように、従来技術と同様のニードル弁３′を収容したノ
ズル本体３１に対してノズルプレート２５を設ける構成
としてもよい。

【００５７】また、前記実施例では、ノズルプレート２
５を仮止めするために嵌合筒部２５Ｂをノズル本体２２
の小径部２２Ｄに嵌合し、この仮止め状態を試験装置２
７のシリンダ機構２７Ａ等により保持する構成とした
が、本発明はこれに限らず、例えばノズル本体２２の小
径部２２Ｄとノズルプレート２５の嵌合筒部２５Ｂとに
ねじ部等を形成し、ノズルプレート２５をノズル本体２
２の先端側に螺着して仮止めする構成としてもよい。

【００５８】さらに、前記実施例では、インジェクタ本
体１（コア部材８）の上端側に燃料ホース１３を接続
し、該燃料ホース１３を介してインジェクタ本体１内に
燃料を供給するトップフィード型のフューエルインジェ
クタを例に挙げて述べたが、本発明はこれに限らず、イ
ンジェクタ本体１の側面部に燃料供給用の開口部等を設
け、この開口部を介してインジェクタ本体１内に径方向
から燃料を供給するサイドフィード型のフューエルイン
ジェクタに適用してもよい。

【００５９】

【発明の効果】以上詳述した通り、請求項１に記載の発
明によれば、ノズルプレートを、ノズル本体の先端側に
固着される取付板部と、噴射口を形成するノズル筒とか
ら構成したので、例えばノズル筒の突出寸法が異なる複
数種類のノズルプレートを予め用意することにより、イ
ンジェクタの組立時に燃料の噴射パターンを容易に調整
することができる。即ち、噴射パターンの調整時には、
ノズル本体に取付けるノズルプレートを必要に応じて取
換えつつ、該各ノズルプレートの噴射口から噴射される
燃料の噴射パターンを実際に試験でき、噴射パターンを
予め定められた規定の範囲内に調整できる。そして、ノ
ズルプレートの取付板部を必要に応じてノズル本体に固
着でき、噴射パターンを適切に調整した状態でノズルプ
レートをノズル本体に確実に取付けできる。従って、弁
体、弁座等の形状ばらつきの影響により燃料の噴射パタ
ーンが変動する場合でも、インジェクタ毎に生じる噴射
パターンのばらつきを確実に低減でき、噴射パターンの
調整工程を効率よく行うことができると共に、歩留まり
を大幅に向上させることができる。

【００６０】また、請求項２に記載の発明によれば、ノ
ズル筒には、ノズル本体の噴出開口と対向する面に面取
り部を設けたので、噴出開口から噴出する燃料を噴射口
内へと円滑に導くことができ、噴射口から外部に噴射さ
れる燃料の噴射パターンを安定させることができる。

【００６１】さらに、請求項３に記載の発明によれば、
噴口長の異なる複数種類のノズルプレートを用意し、該
各ノズルプレートのうち選択されたノズルプレートをノ
ズル本体に溶接する構成としたから、噴射パターンの調
整時には、ノズル本体に取付けるノズルプレートを取換
えつつ燃料の噴射パターンを試験でき、噴射パターンを
規定の範囲内に設定するノズルプレートを容易に選択で
きる。そして、選択したノズルプレートの取付板部をノ
ズル本体の先端側に溶接でき、ノズルプレートをノズル
本体に確実に固着させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例によるフューエルインジェクタの
要部を拡大して示す縦断面図である。

【図２】噴射パターンの調整工程において図１中のノズ
ル本体に取付けるノズルプレートを選択する選択工程を
拡大して示す断面図である。

【図３】図２に示す選択工程で選択したノズルプレート
をノズル本体に仮止めして燃料の噴射試験を行う仮止め
試験工程を示す要部拡大断面図である。

【図４】図３に示す仮止め試験工程後に選択したノズル
プレートをノズル本体に溶接する溶接工程を示す要部拡
大断面図である。

【図５】変形例によるフューエルインジェクタを示す要
部拡大断面図である。

【図６】従来技術によるフューエルインジェクタを示す
縦断面図である。

【図７】図６中の噴射ノズルを示す要部拡大断面図であ
る。

【図８】図７中の噴射口の噴口長を短くしたときに噴射
パターンが大きくなる状態を示す要部拡大断面図であ
る。

【図９】図７中の噴射口の噴口長を長くしたときに噴射
パターンが小さくなる状態を示す要部拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１インジェクタ本体７電磁アクチュエータ（アクチュエータ）２１噴射ノズル２２，３１ノズル本体２２Ｂ弁座２２Ｃ噴出開口２３ニードル弁（弁体）２５ノズルプレート２５Ａ取付板部２５Ｃノズル筒２５Ｄ噴射口２５Ｅ面取り部Ｌ1 噴口長 θ，θ1 噴射パターン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インジェクタ本体と、該インジェクタ本
体に設けられ先端側に噴射口を有する噴射ノズルと、該
噴射ノズル内に摺動可能に設けられ前記噴射口を開，閉
する弁体と、該弁体を駆動するため前記インジェクタ本
体内に設けられたアクチュエータとからなるフューエル
インジェクタにおいて、前記噴射ノズルは、前記弁体を摺動可能に収容すると共
に先端が噴出開口となったノズル本体と、該ノズル本体
の先端側に設けられたノズルプレートとからなり、該ノ
ズルプレートは、前記ノズル本体の先端側に固着される
平板状の取付板部と、該取付板部から軸方向に突設され
前記噴出開口と連通して前記噴射口を形成してなるノズ
ル筒とから構成したことを特徴とするフューエルインジ
ェクタ。
【請求項２】前記ノズルプレートのノズル筒には、前
記ノズル本体の噴出開口と対向する面に面取り部を設け
てなる請求項１に記載のフューエルインジェクタ。
【請求項３】前記ノズルプレートは噴口長の異なる複
数種類を用意し、選択されたいずれか一のノズルプレー
トを前記ノズル本体に溶接する構成としてなる請求項１
または２に記載のフューエルインジェクタ。