JPH10318017A - 火花点火式内燃機関の排気浄化方法 - Google Patents

火花点火式内燃機関の排気浄化方法

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JPH10318017A
JPH10318017A JP9132618A JP13261897A JPH10318017A JP H10318017 A JPH10318017 A JP H10318017A JP 9132618 A JP9132618 A JP 9132618A JP 13261897 A JP13261897 A JP 13261897A JP H10318017 A JPH10318017 A JP H10318017A
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JP
Japan
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air
combustion chamber
engine
fuel
swirl
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Application number
JP9132618A
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English (en)
Inventor
Masahiro Taki
昌弘 瀧
Shuichi Kubo
修一 久保
Yoshiyuki Mandokoro
良行 政所
Keiso Takeda
啓壮 武田
Toshimi Murai
俊水 村井
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関暖機運転時に触媒から排出される未燃炭
化水素量を低減する。 【解決手段】 機関吸気通路内にスワール制御弁20を
配置し、機関排気通路内に三元触媒17を配置する。機
関暖機運転時においてスワール制御弁20を制御して燃
焼室4内に吸入空気によりスワールを形成しつつ燃焼室
4内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比よりもリ
ーンにし、このとき燃焼室4から排出される排気を三元
触媒17に導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火花点火式内燃機関
の排気浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機関暖機運転時には吸気通路壁面や燃焼
室壁面に付着する燃料量が多く、したがって燃焼室内に
実際に供給される燃料量にバラツキが生じやすいので良
好な燃焼が得られにくい。そこで従来より、機関暖機運
転時において燃焼室内に供給される混合気の空燃比をリ
ッチにする、すなわちリッチ混合気を燃焼せしめるよう
にした火花点火式内燃機関が知られている。
【0003】ところで、機関が始動されてから停止され
るまでの機関運転時に触媒から浄化されることなく排出
される未燃炭化水素の大部分は機関暖機運転時における
ものであり、したがって機関運転時に触媒から排出され
る未燃炭化水素を低減するためには機関暖機運転時に触
媒から排出される未燃炭化水素を低減すればよいことに
なる。ところが、機関暖機運転時には触媒の温度が低
く、しかも上述のようなリッチ混合気を燃焼せしめたと
きの排気中には多量の未燃炭化水素を酸化するための酸
素が十分に含まれていないので触媒において未燃炭化水
素を良好に浄化することができない。すなわち、機関暖
機運転時にリッチ混合気を燃焼せしめると多量の未燃炭
化水素が触媒から排出されることになる。
【0004】そこで、機関暖機運転時において触媒に2
次空気を供給しつつ触媒担体内に設けられた電気ヒータ
により触媒を加熱し、触媒において未燃炭化水素を浄化
するようにした排気浄化装置が公知である(特開昭47
−34177号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この排
気浄化装置においても機関暖機運転時にリッチ混合気を
燃焼せしめると触媒から排出される未燃炭化水素量を十
分に低減することができない。すなわち、リッチ混合気
を燃焼せしめたときの排気中には比較的多量の一酸化炭
素が含まれており、この一酸化炭素は未燃炭化水素より
も反応性に富んでいる。このため、触媒では一酸化炭素
の酸化反応が未燃炭化水素の酸化反応よりも活発にな
り、したがって触媒を加熱し或いは2次空気を供給した
としても触媒において未燃炭化水素を良好に浄化するこ
とができないという問題点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明によれば、機関暖機運転時において燃焼室内に
供給される混合気の空燃比をリーンにすると共に燃焼室
内に流入する吸入空気により旋回流を形成し、燃焼室か
ら排出される排気を触媒に導くようにした火花点火式内
燃機関の排気浄化方法が提供される。すなわち、燃焼室
内に旋回流を形成しつつリーン混合気を燃焼せしめると
燃焼室からの排気中に含まれる一酸化炭素濃度が低下さ
れ、酸素が増大されるので触媒における未燃炭化水素の
酸化反応が活発になる。したがって、触媒を加熱し或い
は2次空気を供給しなくても触媒において未燃炭化水素
が良好に浄化される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、1はシリンダ
ブロック、2はピストン、3はシリンダヘッド、4は燃
焼室、5は吸気ポート、6は吸気弁、7は排気ポート、
8は排気弁、9は点火栓をそれぞれ示す。各気筒の吸気
ポート5はそれぞれ対応する吸気枝管10を介して共通
のサージタンク11に接続され、サージタンク11は吸
気ダクト12を介してエアクリーナ13に接続される。
吸気枝管10内には対応する吸気枝管10内にガソリン
燃料を噴射する燃料噴射弁14が配置され、吸気ダクト
12内にはスロットル弁15が配置される。一方、各気
筒の排気ポート7は共通の排気マニホルド16を介して
三元触媒17を内蔵した触媒コンバータ18に接続され
る。なお、各点火栓9および各燃料噴射弁14は電子制
御ユニット30からの出力信号に基づいてそれぞれ制御
される。
【0008】燃料噴射弁14とサージタンク11間の吸
気枝管10内にはアクチュエータ19により制御される
スワール制御弁20が配置される。このスワール制御弁
20はバタフライ弁からなり、弁体には切欠きが設けら
れている。スワール制御弁20は燃焼室4内に流入する
吸入空気、または吸入空気およびEGRガスにより燃焼
室4内にシリンダ軸線回りの旋回流、すなわちスワール
を形成するためのものであり、燃焼室4内にスワールを
形成すべきときにはスワール制御弁20の開度が小さく
される。その結果、吸入空気が切欠きを介し流通して偏
向せしめられ、斯くして燃焼室4内にスワールが形成さ
れる。この場合、吸入空気と共に燃焼室4内に流入した
燃料はこのスワールにより燃焼室4内全体に拡散せしめ
られ、したがって燃焼室4内には均一混合気が形成され
ることになる。この均一混合気は次いで点火栓9により
着火せしめられる。一方、スワールの形成を停止すべき
ときにはスワール制御弁20が全開にされる。その結
果、ポンピングロスが低減される。なお、アクチュエー
タ19は電子制御ユニット30からの出力信号に基づい
て制御される。
【0009】さらに図1を参照すると、電子制御ユニッ
ト(ECU)30はデジタルコンピュータからなり、双
方向性バス31を介して相互に接続されたROM(リー
ドオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポ
ート35、および出力ポート36を具備する。シリンダ
ブロック1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生
する水温センサ37が取り付けられ、サージタンク11
にはサージタンク11内の負圧に比例した出力電圧を発
生する負圧センサ38が取り付けられ、排気マニホルド
16には空燃比に応じた出力電圧を発生する空燃比セン
サ39が取り付けられる。これら水温センサ37、負圧
センサ38、および空燃比センサ39の出力電圧はそれ
ぞれ対応するAD変換器40を介して入力ポート35に
入力される。CPU34では負圧センサ38の出力電圧
に基づいて吸入空気量Qが算出される。さらに、入力ポ
ート35にはクランクシャフトが例えば30度回転する
毎に出力パルスを発生するクランク角センサ41が接続
される。CPU34ではクランク角センサ41の出力パ
ルスに基づいて機関回転数Nが算出される。一方、出力
ポート36は駆動回路42を介して各点火栓9、各燃料
噴射弁14、およびアクチュエータ19に接続される。
【0010】図1の内燃機関では、機関暖機運転時にお
いてスワール制御弁20を制御して燃焼室4内に吸入空
気によりスワールを形成しつつ燃焼室4内に供給される
混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンにし、すなわ
ちリーン混合気を燃焼せしめ、このときの排気を三元触
媒17に導くようにしている。図2は暖機運転を模した
機関運転条件において燃焼室4から排出される未燃炭化
水素量すなわち三元触媒17に流入する未燃炭化水素量
QE(HC)を示す実験結果である。図2の各実験条件
において各プロットは点火時期をMBTから遅角限界
(図示平均有効圧の変動が5%となる遅角側点火時期)
まで変化させることにより得られるものであり、点火時
期の遅角量が大きいときほど燃焼室4から排出される排
気の温度Tが高くなっている。図2からわかるように、
燃焼室4内にスワールを形成しつつリーン混合気(当量
比φ=0.9)を燃焼せしめると、燃焼室4内にスワー
ルを形成しない場合、またはストイキ混合気(φ=1.
0)を燃焼せしめた場合に比べて未燃炭化水素量QE
(HC)を低減することができ、特に燃焼室4内にスワ
ールを形成することなくストイキ混合気を燃焼せしめた
場合に比べて未燃炭化水素量QE(HC)を29%低減
することができる。
【0011】すなわち、燃焼室4内にスワールが形成さ
れると機関膨張行程および排気行程における燃焼ガスの
乱れが増大せしめられるので未燃炭化水素と酸素との混
合が促進せしめられ、その結果膨張行程および排気行程
における未燃炭化水素の酸化反応が促進せしめられる。
この場合、燃焼ガス中の酸素濃度が高いときほど未燃炭
化水素の酸化反応が促進せしめられ、したがって燃焼室
4内にスワールを形成しつつリーン混合気を燃焼せしめ
ると燃焼室4から排出される未燃炭化水素量QE(H
C)を大幅に低減することができる。また、燃焼室4内
にスワールを形成すると燃焼室4内壁面に付着した燃料
をこのスワールにより離脱させることができ、したがっ
て機関暖機運転時における未燃炭化水素量QE(HC)
をさらに低減することができる。
【0012】このようにリーン混合気を燃焼せしめるよ
うにした場合、燃焼室4内全体を占める均一混合気はか
なり希薄となるが、燃焼室4内にスワールが形成されて
いるので火炎が混合気中を急速に伝播し、斯くして混合
気が希薄であっても良好な燃焼が得られることになる。
その結果、遅角限界を延長することができ、図2に示す
例では遅角限界を圧縮上死点前15度〜0度まで延長す
ることができる。すなわち、遅角量を大きくすることが
できるのでリーン混合気を燃焼せしめても燃焼温度また
は排気温度を高く維持することができる。したがって、
未燃炭化水素量QE(HC)を良好に低減することがで
きる。
【0013】このように三元触媒17に流入する未燃炭
化水素量が少なくなれば三元触媒17から浄化されるこ
となく排出される未燃炭化水素量も少なくなる。したが
って、図1の内燃機関では機関暖機運転時に三元触媒1
7から排出される未燃炭化水素量を低減できることにな
る。一方、室温の三元触媒17に排気の導入を開始した
後三元触媒17の未燃炭化水素浄化率が50%まで上昇
したときの触媒温度を活性温度TACTと称すると、図
3は燃焼室4内にスワールが形成されているときの活性
温度TACTを示す実験結果である。図3において活性
温度TACTは三元触媒17に流入する排気の温度と三
元触媒17から流出する排気の温度の平均値でもって表
され、C(O 2 )は三元触媒17に流入する排気中の酸
素濃度を示している。図3からわかるように、リーン混
合気(φ<1.00)を燃焼せしめると活性温度TAC
Tを低下させることができ、しかも当量比φが小さいと
きほどすなわちリーン度合いが大きいときほど活性温度
TACTを低下させることができる。また、点火時期を
遅角させることによっても活性温度TACTを低下させ
ることができる。
【0014】すなわち、三元触媒17への排気の導入が
開始されると三元触媒17が排気により加熱されて触媒
温度が次第に上昇し、それに伴って三元触媒17の未燃
炭化水素浄化率も次第に上昇する。この場合、三元触媒
17に流入する排気中の酸素濃度が高いときほど三元触
媒17の未燃炭化水素浄化率が高く、したがってリーン
混合気が燃焼せしめられて三元触媒17に流入する排気
中の酸素濃度が高くなると活性温度TACTが低くなる
ことになる。このように活性温度TACTが低くなると
三元触媒17を速やかに活性化できることになり、した
がって暖機運転時に三元触媒17から排出される未燃炭
化水素量を低減することができる。
【0015】ところで、三元触媒17に2次空気を供給
することによっても三元触媒17に流入する排気中の酸
素濃度を高めることができ、したがって三元触媒17に
2次空気を供給した場合にも活性温度TACTを高める
ことができると考えられる。ところが、リッチ混合気や
ストイキ混合気を燃焼せしめると共に三元触媒17に2
次空気を供給しても活性温度TACTを十分に低下させ
ることができない。これは三元触媒17に流入する排気
中の成分に起因するものと考えられる。
【0016】燃焼室4に供給される混合気の空燃比と、
燃焼室4から排出される排気中の未燃炭化水素濃度C
(HC)、一酸化炭素濃度C(CO)および窒素酸化物
濃度C(NOX )との関係を示す図4を参照すると、リ
ーン混合気を燃焼せしめたときにはリッチ混合気または
ストイキ混合気を燃焼せしめたときに比べて未燃炭化水
素濃度C(HC)が低下し、一酸化炭素濃度C(CO)
が大幅に低下する。したがって、リーン混合気を燃焼せ
しめると一酸化炭素濃度C(CO)に対する未燃炭化水
素濃度C(HC)の比C(HC)/C(CO)を大きく
することができる。
【0017】冒頭で述べたように、一酸化炭素は未燃炭
化水素よりも反応性が高く、したがって比C(HC)/
C(CO)が小さいときには三元触媒17において一酸
化炭素の酸化反応がより活発になる。その結果、たとえ
2次空気を供給したとしても三元触媒17において未燃
炭化水素を良好に浄化することができない。これに対し
て、比C(HC)/C(CO)が大きいときには三元触
媒17において未燃炭化水素の酸化反応がより活発にな
り、斯くして未燃炭化水素を良好に浄化することができ
る。
【0018】図5は暖機運転を模した機関運転条件にお
いて燃焼室4から排出される未燃炭化水素量QE(H
C)のうちの低級オレフィン(C2−C4)量QE(C
2−C4)の割合QE(C2−C4)/QE(HC)を
示す実験結果である。図5からわかるように、燃焼室4
内にスワールを形成すると低級オレフィンの割合が大き
くなり、燃料室4内にスワールを形成しつつリーン混合
気を燃焼せしめると低級オレフィンの割合がさらに大き
くなる。
【0019】上述したように、燃料室4内にスワールを
形成しつつリーン混合気を燃焼せしめると膨張行程およ
び排気行程における未燃炭化水素の酸化反応が促進さ
れ、その結果反応性の高い低級オレフィンの割合が大き
くなり、反応性の低いパラフィンの割合が小さくなる。
したがって、燃料室4内にスワールを形成しつつリーン
混合気を燃焼せしめると三元触媒17において未燃炭化
水素の酸化反応が容易に生ずることになる。
【0020】このように燃料室4内にスワールを形成し
つつリーン混合気を燃焼せしめると三元触媒17に流入
する排気中における比C(HC)/C(CO)を大きく
することができ、しかも未燃炭化水素中の低級オレフィ
ンの割合を高めることができるので三元触媒17におい
て未燃炭化水素を容易に酸化反応せしめることができ
る。言い換えると、触媒温度が低いときでも未燃炭化水
素を浄化することができ、すなわち活性温度TACTを
低下させることができる。
【0021】図6は暖機運転を模した機関運転条件にお
いて三元触媒17から排出される未燃炭化水素量QC
(HC)を示す実験結果である。図6において時間零は
機関始動が開始されたときを示している。図6からわか
るように、燃焼室4内にスワールを形成しつつ燃焼室4
内に供給される混合気の空燃比をリーン(当量比φ=
0.9)にすると、スワールを形成することなく燃焼室
4内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比(φ=
1.0)としたときに比べて、排出未燃炭化水素量QC
(HC)を低減することができ、しかも機関始動後速や
かに排出未燃炭化水素量QC(HC)を低水準にするこ
とができる。
【0022】ところで、クランクシャフト1回転当たり
の筒内渦回転数をスワール比と称すると、機関暖機運転
時におけるスワール比は1.0〜2.5が好ましい。ス
ワール比が1.0よりも小さいと燃焼ガスの乱れを十分
大きくすることができず、2.5よりも大きいとヒート
ロスが増大し、或いはポンピングロスが増大する。そこ
で、図1の内燃機関では機関暖機運転時においてスワー
ル比が1.0〜2.5となるようにスワール制御弁20
の開度が制御される。これに対し、暖機運転が完了した
後はスワール制御弁20が全開に維持され、すなわちス
ワールの形成が停止される。或いは、機関運転状態、例
えば機関負荷や空燃比に応じてスワール制御弁20の開
度が制御される。
【0023】一方、暖機運転時において燃焼室4内に供
給される混合気の当量比φは1.0よりも小さくかつ
0.9以上が好ましく、0.90〜0.95がさらに好
ましい。当量比φが0.9よりも小さいと燃焼温度また
は排気温度が低くなるので膨張行程または排気行程にお
ける未燃炭化水素の酸化反応が抑制され、排気の熱によ
る三元触媒17の活性化に長時間を要することになる。
また、図3に示されるように当量比φが0.90〜0.
95であると活性温度TACTを低く維持することがで
きる。そこで、図1の内燃機関では暖機運転時において
燃焼室4内に供給される混合気の当量比φが0.90と
なるようにしている。これに対し、暖機運転が完了する
と当量比φが1.0となるようにし、すなわちストイキ
混合気を燃焼せしめるようにし、それによって三元触媒
17において未燃炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸
化物の3成分を同時に良好に浄化するようにしている。
【0024】ところで、図1の内燃機関では次式に基づ
いて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TB・FAF・k・Ci ここで、TBは基本燃料噴射時間、FAFはフィードバ
ック補正係数、kは当量比係数、Ciは増量補正係数を
それぞれ示している。
【0025】基本燃料噴射時間TBは燃焼室4内に供給
される混合気の空燃比を理論空燃比とするのに必要な燃
料噴射時間であり、空燃比センサ39が活性化していな
いときには次式に基づいて算出される。 TB=Q/AFS・Co ここで、Qは吸入空気量、AFSは理論空燃比を、Co
は単位燃料量を噴射するのに必要な燃料噴射時間をそれ
ぞれ示している。これに対し、空燃比センサ39が活性
化した後には基本燃料噴射時間TBは機関負荷Q/N
(吸入空気量Q/機関回転数N)および機関回転数Nに
基づき図7に示されるマップから算出される。なお、こ
の場合の基本燃料噴射時間TBは機関負荷Q/Nおよび
機関回転数Nとの関数として図7に示されるマップの形
で予めROM32内に記憶されている。
【0026】フィードバック補正係数FAFは燃焼室4
内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比に一致させ
るためのものである。燃焼室4内に供給される混合気の
空燃比をリーンとすべきときにはフィードバック補正係
数FAFは1.0に固定される。これに対し、燃焼室4
内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とすべきと
きにはこのフィードバック補正係数FAFは空燃比セン
サ39の出力信号に基づいて制御され、このときフィー
ドバック補正係数FAFはほぼ1.0を中心として変動
する。
【0027】当量比係数kは燃焼室4内に供給される混
合気をリーンとすべきときの目標当量比である。すなわ
ち、図1の内燃機関では、機関暖機運転時には当量比係
数kは0.9とされ、暖機運転完了後は1.0に固定さ
れる。増量補正係数Ciは加速時増量補正係数、過熱防
止増量補正係数などを一まとめにして表したものであ
り、機関暖機運転時には増量補正係数Ciは1.0に固
定される。
【0028】図8はスワール制御弁の開度を制御するた
めのルーチンを示している。このルーチンは予め定めら
れた設定時間毎の割り込みによって実行される。図8を
参照すると、まずステップ50では現在機関暖機運転時
であるか否かが判別される。図1の内燃機関では、機関
始動が完了し、次いで例えば10燃焼サイクルだけ完了
してから機関冷却水温THWが例えば80℃よりも高く
なるまでの間を機関暖機運転時であると判断するように
している。しかしながら、三元触媒17の触媒温度が、
未燃炭化水素浄化率が概ね一定となる温度よりも高くな
るまでの間を機関暖機運転時であると判断することもで
きる。現在機関暖機運転時のときには次いでステップ5
1に進み、図9のマップに基づいてスワール制御弁20
の開度ODが算出される。
【0029】図9は機関暖機運転時におけるスワール制
御弁20の開度ODを示している。この開度ODは燃焼
室4内にスワール比が1.0〜2.5のスワールを形成
するために必要なスワール制御弁20の開度であり、予
め実験により求められている。この開度ODは機関冷却
水温THWの関数として図9に示されるマップの形で予
めROM32内に記憶されている。
【0030】一方、ステップ50において現在暖機運転
時でないとき、すなわち暖機運転が完了したときには次
いでステップ52に進み、スワール制御弁20の開度O
Dが100%とされる。すなわち、スワール制御弁20
が全開とされて燃焼室4内におけるスワールの形成が停
止される。図10は燃料噴射時間の算出ルーチンを示し
ている。このルーチンは予め定められた設定クランク角
度毎の割り込みによって実行される。
【0031】図10を参照すると、まずステップ60で
は現在機関暖機運転時であるか否かが判別される。現在
暖機運転時のときには次いでステップ61に進み、当量
比係数kが0.9とされ、すなわち燃焼室4内に供給さ
れる混合気の当量比が0.9とされる。続くステップ6
2では増量補正係数Ciが1.0とされる。続くステッ
プ63では空燃比センサ39が活性化したか否かが判別
される。空燃比センサ39が活性していないときには次
いでステップ64に進み、次式に基づいて基本燃料噴射
時間TBが算出される。
【0032】TB=Q/AFS・Co 続くステップ65ではフィードバック補正係数FAFが
1.0とされる。次いでステップ68に進む。一方、空
燃比センサ39の温度が上昇して活性化したときにはス
テップ63からステップ66に進み、図7のマップに基
づいて基本燃料噴射時間TBが算出される。続くステッ
プ67では空燃比センサ39の出力信号に基づいてフィ
ードバック補正係数FAFが算出される。次いでステッ
プ68に進む。
【0033】ステップ68では次式に基づいて燃料噴射
時間TAUが算出される。 TAU=TB・FAF・k・Ci 各燃料噴射弁14ではTAUだけ燃料が噴射される。一
方、現在暖機運転時でないときすなわち暖機運転が完了
したときにはステップ60からステップ69に進み、当
量比係数kが1.0とされ、すなわち燃焼室4内に供給
される混合気の空燃比が理論空燃比とされる。次いでス
テップ70に進み、増量補正係数Ciが算出される。次
いでステップ66に進む。
【0034】このように図1の内燃機関では、三元触媒
17を加熱するヒータや2次空気を供給するための装置
を一切必要とせず、したがって排気浄化装置の構成を簡
素化できると共にコストを低下させることができる。と
ころで、三元触媒17が劣化するとストイキ混合気を燃
焼せしめたときの排気を導いても三元触媒17において
未燃炭化水素を良好に浄化することができなくなり、す
なわち三元触媒17において未燃炭化水素の酸化反応が
生じにくくなる。一方、上述したように燃焼室4内に吸
入空気によりスワールを形成しつつ燃焼室4内に供給さ
れる混合気の空燃比をリーンにすると三元触媒17にお
いて未燃炭化水素の酸化反応が容易に生ずる。そこで、
図1の内燃機関では三元触媒17の未燃炭化水素浄化能
力が低下したと判断されたときには、暖機運転完了後で
あっても燃焼室4内にスワールを形成しつつ燃焼室4内
に供給される混合気の空燃比をリーンにし、それにより
三元触媒17において未燃炭化水素を良好に浄化するよ
うにしている。この場合、車両の積算運転距離または積
算運転時間が予め定められた設定距離または設定時間よ
りも大きくなったときに三元触媒17の未燃炭化水素浄
化能力が低下したと判断することができる。或いは、三
元触媒17下流の排気通路内に未燃炭化水素センサを配
置し、三元触媒17から排出される未燃炭化水素量が設
定量よりも多くなったとき三元触媒17の未燃炭化水素
浄化能力が低下したと判断するようにしてもよい。
【0035】これまで述べてきた実施態様では燃焼室4
から排出された排気を三元触媒17に導いて未燃炭化水
素を浄化するようにしている。しかしながら、未燃炭化
水素を浄化するために燃焼室4から排出された排気を三
元触媒17の代わりに酸化触媒に導くようにしてもよ
い。また、燃料として圧縮天然ガスなどのガス燃料また
はアルコールなどの液体燃料を用いることもできる。さ
らに、機関暖機運転時において、燃焼室4内に吸入空気
により水平軸線回りの旋回流すなわちいわゆるタンブル
を形成するようにしてもよい。しかしながら、燃焼室4
内にスワールを形成するようにすると機関膨張行程また
は排気行程における燃焼ガスの乱れを大きくすることが
できる。
【0036】
【発明の効果】機関暖機運転時に触媒から排出される未
燃炭化水素量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】燃焼室4から排出される未燃炭化水素量を示す
線図である。
【図3】三元触媒の活性化温度を示す線図である。
【図4】燃焼室から排出される排気中の各成分の濃度を
示す線図である。
【図5】燃焼室から排出される未燃炭化水素量のうち低
級オレフィンの割合を示す線図である。
【図6】三元触媒から排出される未燃炭化水素量を示す
タイムチャートである。
【図7】基本燃料噴射時間を示す線図である。
【図8】スワール制御弁の開度を算出するためのフロー
チャートである。
【図9】スワール制御弁の開度を示す線図である。
【図10】燃料噴射時間を算出するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
4…燃焼室 9…点火栓 10…吸気枝管 14…燃料噴射弁 17…三元触媒 20…スワール制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 修一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 政所 良行 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 武田 啓壮 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 村井 俊水 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関暖機運転時において燃焼室内に供給
    される混合気の空燃比をリーンにすると共に該燃焼室内
    に流入する吸入空気により旋回流を形成し、燃焼室から
    排出される排気を触媒に導くようにした火花点火式内燃
    機関の排気浄化方法。
JP9132618A 1997-05-22 1997-05-22 火花点火式内燃機関の排気浄化方法 Pending JPH10318017A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147184A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御システム
JP2015224564A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 本田技研工業株式会社 内燃機関の燃焼制御装置
JP2020125743A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 株式会社Ihi ガスエンジン

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