JPH10315973A - 自動列車運転装置 - Google Patents

自動列車運転装置

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JPH10315973A
JPH10315973A JP9125960A JP12596097A JPH10315973A JP H10315973 A JPH10315973 A JP H10315973A JP 9125960 A JP9125960 A JP 9125960A JP 12596097 A JP12596097 A JP 12596097A JP H10315973 A JPH10315973 A JP H10315973A
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train
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ground
vehicle
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Hideaki Chikamatsu
秀明 近松
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Nippon Signal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地上側から車上側に路線の勾配に関する情報を
送ることにより、その勾配情報に応じて運転パターンを
最適化する自動列車運転装置を提供する。 【解決手段】勾配情報等を発信する複数の地上子を有
した地上装置1を地上側に設け、車上側では、各地上子
からの情報を車上子2で受信しトランスポンダ送受信器
3を介して車上演算処理装置10に送り、また、列車の速
度及び位置を速度発電機4で検出し車上演算処理装置10
に送る。車上演算処理装置10は、路線メモリ11に記憶し
た駅間運転パターンと、速度発電機4の検出結果を基に
実運転パターン演算部12で求めた実運転パターンとをパ
ターン比較分13で比較して運転制御指令を発生すると共
に、地上からの勾配情報を基に勾配減速度βg 及び加
減算ブレーキノッチ数Bn を算出して、前記運転制御指
令をブレーキノッチ加減算処理部16で補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予め設定した運転
パターンに従って列車の自動運転制御を行う自動列車運
転装置(Automatic Train Operation ;以下ATOとす
る)に関し、特に、路線の勾配が列車運転に与える影響
を考慮して、高い精度で自動運転制御を行うATOに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のATOとしては、例えば、車上主
導形のものなどが知られている。この車上主導形のAT
Oでは、車上側の路線メモリ内に予め設定された運転パ
ターンに従って、力行、惰行、制動の各指令を列車の走
行制御装置に送り自動運転が行われる。上記運転パター
ンは、例えば、各駅間毎に設定され、それぞれの区間内
の位置に対応して、その地点での列車の速度やノッチ位
置等をプログラムしたものである。この駅間運転パター
ンに従って、ATO車上装置では、列車の速度発電機な
どから得られる距離情報に応じた指令が出力される。
【0003】しかし、車上側で得られる距離情報は、車
輪の空転や滑走等が発生すると誤差が生じるので絶対的
なものではない。この誤差の影響をなくすために、例え
ば、地上側に所定の間隔で地上子を配置し、各地上子か
ら発信される地点情報を車上側で受信して前記距離情報
の補正が行われてきた。特に、定位置停止制御(TAS
C)を行う場合、上記距離情報の補正は重要となる。こ
のため停止点前のTASC開始点から停止点までの地上
側に数個の地上子を配置して距離情報の補正を行い、T
ASCパターン(駅間運転パターンのうちの定位置停止
制御に関する部分を示し、以下同様とする)を最適化す
るようにしている。
【0004】図3は、従来のATOによる平坦線でのT
ASCパターンの一例を示す。ただし、横方向を距離と
して、上段にはTASCパターン及び実減速パターンを
速度曲線で示し、中段には路線勾配の様子(ここでは平
坦)を示し、下段には指令(ブレーキノッチレベル)の
変化を示す。尚、ブレーキノッチは、レベルB1からB7ま
での7段階の一般的な例をイメージしている(B7が常用
最大ブレーキ)。
【0005】図3に示すように、平坦線に沿って所定の
位置に配置された地上子P1,P2,P3から発信される地点情
報に応じて、車上側で得られた距離情報を補正し、その
補正された距離情報を基に、TASCパターンに従った
ブレーキノッチが指定されて定位置停止制御が行われ
る。これにより列車はTASCパターンに略一致する実
減速パターンを描き停止点で停止する。
【0006】また、例えば、勾配のある路線の場合に
は、その勾配による影響を考慮した駅間運転パターンが
路線メモリ内に予め設定される。具体的には、勾配の開
始点及び終了点に関する情報やその勾配区間のノッチ位
置等に関する情報が駅間運転パターンに設定される。そ
して、この駅間運転パターンに従い、速度発電機などか
らの距離情報に応じて自動運転が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ATOでは、上記のような勾配のある路線で、勾配の開
始点又は終了点が補正用の地上子と異なる位置にある場
合において、地上子の通過による距離情報の補正後で勾
配の開始点又は終了点を通過する前に、車輪の空転や滑
走等が発生して距離情報に誤差が生じると、勾配の開始
点又は終了点の検出位置がずれてしまい、実際の運転パ
ターンが、予め設定した駅間運転パターンに追従しなく
なる。
【0008】例えば、図4のように、上り勾配の開始点
G1に対して検出された勾配開始点がG1' であると、区間
G1-G1'では、実際は上り勾配であっても平坦線のときの
指令(例えば、ブレーキノッチB5)が指定されるため、
実減速パターンがTASCパターンに追従しなくなる。
そして、点G1' を過ぎると勾配の影響を考慮した指令
(例えば、ブレーキノッチB3)に切り替わる。更に、地
上子P2の通過後にも距離情報に誤差が発生し、勾配の終
了点G2に対して検出された勾配終了点がG2' となると、
区間G2-G2'では、実際は平坦線であっても上り勾配のと
きの指令(ブレーキノッチB3)が指定され、点G2' を過
ぎると平坦線のときの指令(ブレーキノッチB5)に切り
替わる。このように距離情報の誤差により実減速パター
ンがTASCパターンに一致しなくなり、最終的に停止
位置がずれてしまう。
【0009】本発明は上記の点に着目してなされたもの
で、地上側から車上側に路線の勾配に関する情報を送る
ことにより、勾配に応じて運転パターンを最適化して自
動運転制御を正確に行うATOを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明のうちの
請求項1に記載の発明は、運転区間の各位置に対応して
列車の運転状態を予め設定した運転パターンを記憶する
記憶手段と、列車の位置及び運転状態を検出する検出手
段と、前記記憶手段に記憶された運転パターンに従い、
前記検出手段で検出された列車の位置及び運転状態に応
じて、列車の運転状態を制御する指令を生成する指令生
成手段と、を車上側に設けて構成される自動列車運転装
置において、前記運転区間の勾配情報を車上側に発信す
る勾配情報発信手段を地上側に設けると共に、地上側か
ら発信される前記勾配情報を受信可能な受信手段と、該
受信手段で受信された前記勾配情報に基づいて、その勾
配が列車の運転状態に与える影響を算定する勾配影響演
算手段と、該勾配影響演算手段で算定された結果に応じ
て、前記指令生成手段で生成された指令を補正する指令
補正手段と、を車上側に備えて構成される。
【0011】かかる構成によれば、車上側の検出手段に
より列車の位置及び運転状態が検出される。この検出結
果に応じて、指令生成手段では、記憶手段に記憶された
運転パターンに従った指令が生成される。また、地上側
の勾配情報発信手段からは、運転区間の勾配情報が発信
されて、列車上の受信手段により受信される。この受信
した勾配情報を基に、車上側では、勾配が列車の運転状
態に与える影響が算定される。そして、この算定結果に
応じて指令生成手段で生成された指令が補正される。こ
れにより、列車は、運転パターンに従い、かつ、勾配の
影響を補正した指令により運転状態が制御されて、自動
運転が行われるようになる。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明の具体的な構成として、前記勾配情報発信手段
が、前記運転区間の勾配の開始点及び終了点に配置され
るものとする。請求項3に記載の発明では、請求項1又
は2に記載の発明において、地上側に所定の間隔で配置
され、前記検出手段で検出される列車の位置を補正する
ための地点情報を車上側に発信する地上子が、前記地点
情報と共に前記勾配情報を車上側に発信するものとす
る。
【0013】かかる構成によれば、位置補正用の地点情
報を発信する地上子が勾配情報も発信することで、車上
側では、地点情報に基づいて、検出手段で検出された列
車の位置が補正されると共に、勾配情報に基づいて、指
令生成手段で生成された指令が補正されるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本実施形態のATOの構成
を示すブロック図である。また、図2は、定位置停止制
御区間における路線勾配やTASCパターン等を示す図
である。ただし、図2では、横方向を距離として、上段
にTASCパターン及び実減速パターンを速度曲線で示
し、中段に路線勾配の様子(ここでは、例えば、上り勾
配を有する)を示し、下段に指令(ブレーキノッチレベ
ル)の変化を示すものとする。
【0015】図1において、本ATOは、複数の地上子
を有する地上装置1を地上側に設け、また、地上装置1
から発信される情報を受信する受信手段としての車上子
2と、該車上子2で受信した情報を入力するトランスポ
ンダ送受信器3と、列車の速度及び走行距離を計測する
検出手段としての速度発電機4と、トランスポンダ送受
信器3及び速度発電機4からの情報を基に運転制御指令
を出力する車上演算処理装置10とを車上側に設けて構成
される。
【0016】地上装置1は、複数の地上子が路線に沿っ
て配置される。例えば、停車駅手前の定位置停止制御区
間では、図2の中段に示すように、従来の補正用地上子
の配置と同様に路線に沿って所定の間隔で地上子P1,P2,
P3が配置され、また、勾配の開始点及び終了点に勾配情
報発信手段としての地上子GS,GN がそれぞれ配置され
る。各地上子には、例えば、トランスポンダ等が使用さ
れ、後述するように、TASCパターンを選択するため
の次駅コード情報や、配置された地点を表す地点情報
、勾配の程度を表す勾配情報(〜は図1を参
照)が、それぞれの配置に応じて車上側に発信される。
一例として、地上子P1,P2,P3からは地点情報が発信さ
れ、地上子GS,GN からは地点情報及び勾配情報が発
信される。
【0017】車上子2は、地上子に対面する列車上の所
定の位置に設けられ、列車が上記各地上子P1〜P3,GS,GN
上を通過する際に、それぞれの各地上子から発信される
情報を受信して、その受信情報をトランスポンダ送受信
器3に出力する。トランスポンダ送受信器3は、車上子
2から送られる次駅コード情報、地点情報及び勾配
情報を車上演算処理装置10に送る。
【0018】速度発電機4は、例えば、車軸の回転を計
数して列車速度を計測すると共に、列車の走行距離(距
離情報)を算出する。この列車速度及び走行距離は車上
演算処理装置10に送られる。車上演算処理装置10は、記
憶手段としての路線メモリ11、実運転パターン演算部1
2、パターン比較部13、勾配速度演算部14、加減算ブレ
ーキノッチ演算部15及び指令補正手段としてのブレーキ
ノッチ加減算処理部16から構成される。路線メモリ11
は、複数の駅間運転パターンを記憶し、トランスポンダ
送受信器3からの次駅コード情報に応じた駅間運転パ
ターンをパターン比較部13に出力する。複数の駅間運転
パターンは、ここでは例えば、列車の停車駅間毎に設定
され、各区間を平坦路と想定して区間内の各地点での列
車の速度やノッチ位置等をプログラムしたものであり、
勾配に関する情報を含まないものとする。実運転パター
ン演算部12は、トランスポンダ送受信器3からの地点情
報及び速度発電機4からの情報を基に、実際の運転パ
ターンを演算する。パターン比較部13は、路線メモリ11
から出力された駅間運転パターンと実運転パターン演算
部12で演算された実運転パターンとを比較して、列車の
運転状態を制御する力行ノッチ指令p1〜pn及びブレーキ
ノッチ指令B1〜BNのいずれか1つを、図示されない走行
制御装置に出力する。尚、力行ノッチ数n は、4又は5
が一般的であり、また、ブレーキノッチ数N は、全電気
指令式ブレーキシステムでは7が一般的である。具体的
には、2つの運転パターンを同じ位置で比較して、例え
ば、実際の列車速度が駅間運転パターンに設定された速
度を超えているようなときは、その速度超過分を補正す
る制動指令が出力される。勾配速度演算部14は、トラン
スポンダ送受信器3からの勾配情報を基に、後述する
勾配減速度βg を算出する。加減算ブレーキノッチ演算
部15は、算出された勾配減速度βg に応じて後述する加
減算ブレーキノッチ数Bn を算出してブレーキノッチ加
減算処理部16に出力する。ブレーキノッチ加減算処理部
16は、算出された加減算ブレーキノッチ数Bn に対応し
て、パターン比較部13から出力されるブレーキノッチ指
令の補正を行う。ここでは、実運転パターン演算部12及
びパターン比較部13が、指令生成手段として機能し、勾
配速度演算部14及び加減算ブレーキノッチ演算部15が、
勾配影響演算手段として機能する。
【0019】ここで、勾配減速度βg 及び加減算ブレー
キノッチ数Bn の算出方法について具体的に説明する。
勾配減速度βg を算出するには、勾配速度演算部14にお
いて、まず、地上側からの勾配情報、及び予め記憶し
た列車重量に関する情報を用いて、勾配抵抗Trg及び列
車慣性重量We を求める。この勾配抵抗Trgは、次の
(1) 式により算出する。
【0020】 Trg=gx ×( Wm +Wt) [kg] …(1) ただし、gx は勾配であり、例えば、上り勾配を正、下
り勾配を負とし、単位を‰(パーミル)とする。また、
Wm は全電動車重量、Wt は全付随車重量であり、ここ
では単位をkgとする。また、列車慣性重量We は、次の
(2) 式により算出する。
【0021】 We =Wm ×1.1 +Wt ×1.06 [ton] …(2) ただし、ここでは全電動車重量Wm 及び全付随車重量W
t の単位をton とする。そして、(1) 式及び(2) 式によ
り求めた勾配抵抗Trg及び列車慣性重量We を用いて、
次の(3) 式により勾配減速度βg を算出する。 βg =Trg/(28.4 ×We) [km/h/s] …(3) ただし、勾配減速度βg は、例えば、勾配の影響による
減速度の増加を正、減少を負で表すものとする。
【0022】このようにして算出された勾配減速度βg
が、加減算ブレーキノッチ演算部15に送られる。尚、上
記勾配減速度βg の算出方法は、一般的なものである。
また、上記の計算は、空車時を想定して行うものとし、
荷重分の補正は、例えば、走行制御装置側で応荷重制御
により行うものとする。更に、加減算ブレーキノッチ演
算部15では、勾配速度演算部14からの勾配減速度βg に
応じて加減算ブレーキノッチ数Bn が求められる。具体
的には、上り勾配の場合は、勾配減速度βg が正とな
り、上り勾配の影響により減速度がβg だけ増加する。
この減速度の増加分βg が、例えば、ブレーキノッチを
1ノッチ上げた状態に相当するならば、加減算ブレーキ
ノッチ数Bn が−1とされる。一方、下り勾配の場合
は、勾配減速度βg が負となり、下り勾配の影響により
減速度がβg だけ減少する。この減速度の減少分βg
が、例えば、ブレーキノッチを1ノッチ下げた状態に相
当するならば、加減算ブレーキノッチ数Bn が+1とさ
れる。
【0023】次に、本実施形態の作用について説明す
る。ここでは、列車がある駅を発車してから次の停車駅
に停車するまでの本ATOの制御動作を説明する。ま
た、この駅間の路線は、次の停車駅手前の定位置停止制
御区間内に、図2に示したような上り勾配を有するもの
とする。まず、発車駅に停車中の列車は、その駅に設け
られた地上子から発信される情報を車上子2で受信す
る。このとき地上子からは、次駅コード情報及び地点
情報が車上側に送られる。次駅コード情報は、次駅
コードを示すことにより列車がこれから走行しようとす
る区間を特定するためのものであり、地点情報は、そ
の地上子の位置を表すものである。
【0024】車上子2で受信された各情報は、トランス
ポンダ送受信器3を介して車上演算処理装置10に送られ
る。そして、次駅コード情報が路線メモリ11に入力さ
れ、地点情報が実運転パターン演算部12に入力され
る。路線メモリ11では、次駅コード情報に対応する駅
間運転パターンが選択されてパターン比較部13に出力さ
れる。実運転パターン演算部12では、地点情報を受け
て、その地点を走行距離の基準点とし、速度発電機4で
計測された列車速度及び走行距離(ここでは速度、距離
共に0)が実際の運転状態(実運転パターン)としてパ
ターン比較部13に出力される。パターン比較部13では、
駅間運転パターンと実際の運転状態とが比較され、停止
中の列車を駅間運転パターンに従って発車させる力行ノ
ッチ指令が選択されて走行制御装置に出力される。この
とき、勾配減速度演算部14への勾配情報の入力はない
ので、勾配減速度βg 及び加減算ブレーキノッチ数Bn
の算出は行われない。
【0025】この力行ノッチ指令に応じて列車が発車
し、その速度及び走行距離が速度発電機4により連続し
て計測され、実運転パターン演算部12で実運転パターン
が描かれる。そして、実運転パターンが駅間運転パター
ンに追従するように、パターン比較部13から走行制御装
置に指令が送られて、列車の自動運転制御が行われる。
更に、列車が平坦路を走行して次の地上子上を通過する
と、その地上子から発信される地点情報が車上子2で
受信され、トランスポンダ送受信器3を介して実運転パ
ターン演算部12に送られる。実運転パターン演算部12で
は、地上側からの地点情報を基に、速度発電機4で計
測された走行距離が補正される。
【0026】このようにして、列車が、駅間運転パター
ンに従って走行し、定位置停止制御区間に到達すると、
図2に示したTASCパターンに従って定位置停止制御
が開始される。この区間の制御動作を以下に詳しく説明
する。まず、列車がTASC開始点に設けられた地上子
P1上を通過すると、地上子P1からの情報が車上子2で受
信される。地上子P1から発信される情報は、地点情報
である。尚、地上子P1から次の地上子GSまでの間は平坦
路であるため、地上子P1から勾配情報は発信されな
い。車上側では、上記の動作と同様にして、車上子2で
受信した地点情報を基に走行距離の補正が行なわれ
る。そして、パターン比較部13から出力される指令が、
TASCパターンに従ってブレーキノッチB4に切り替わ
り、更に列車が走行すると、ブレーキノッチB5に切り替
わる。このとき、勾配減速度演算部14への勾配情報の
入力はないため、勾配減速度βg 及び加減算ブレーキノ
ッチ数Bn は算出されず、パターン比較部13の出力指令
がブレーキノッチ加減算処理部16を介してそのまま走行
制御装置に送られる。
【0027】次に、列車が勾配開始点に設けられた地上
子GS上を通過する。地上子GSからは、地点情報及び勾
配情報が車上側に発信される。この勾配情報は、地
上子GN(勾配終了点)までの路線の勾配gx ‰を表すも
のである。車上子2で受信された地点情報及び勾配情
報は、トランスポンダ送受信器3を介して実運転パタ
ーン演算部12及び勾配減速度演算部14に送られる。実運
転パターン演算部12では上記の動作と同様にして走行距
離の補正が行なわれる。また、勾配減速度演算部14で
は、勾配情報を基に勾配減速度βg が算出され、その
勾配減速度βg を用いて加減算ブレーキノッチ数Bn が
求められる。ここでは、例えば、上り勾配による減速度
の増加がブレーキノッチ2のノッチ分に相当するものと
すると、加減算ブレーキノッチ数Bn が−2となり、こ
の加減算ブレーキノッチ数Bn がブレーキノッチ加減算
処理部16に送られる。ブレーキノッチ加減算処理部16で
は、加減算ブレーキノッチ数Bn に応じて、パターン比
較部13から出力されるブレーキノッチB5(平坦路を想定
したTASCパターンに従う)が補正され、補正された
ブレーキノッチB3が走行制御装置に送られる。これによ
り、上り勾配による減速度とブレーキノッチB3による減
速度とを合わせた制動力が列車に作用して、平坦路を想
定したときのブレーキノッチB5と同様の運転状態とな
り、図2の上段に示すように、実減速パターンがTAS
Cパターンに追従するようになる。
【0028】そして、列車が上り勾配途中の地上子P2上
を通過すると、上記地上子P1通過時と同様に、地上子P2
から発信される地点情報が車上子2で受信され、車上
側で走行距離の補正が行なわれる。更に、列車が上り勾
配の終了点に設けられた地上子GN上を通過すると、地上
子GNから発信される地点情報及び勾配情報が車上子
2で受信される。このとき発信される勾配情報は、次
の地上子P3までの間が平坦路であるため0‰とされ、車
上側で算出される勾配減速度βg 及び加減算ブレーキノ
ッチBn が共に0となる。これにより、平坦路を想定し
たTASCパターンに従いパターン比較部13から出力さ
れるブレーキノッチB5が、ブレーキノッチ加減算処理部
16を介してそのまま走行制御装置に送られるようにな
る。また、次の地上子P3上を通過するときも、上記地上
子P1通過時と同様の制御が行われる。
【0029】このようにして、列車の実運転パターンが
上り勾配通過時にもTASCパターンに追従し、列車の
停止位置が設定した停止点に略一致するようになる。上
記のように本実施形態によれば、路線の勾配開始点及び
終了点に、勾配情報を車上側に発信する地上子GS,GN
を設け、車上側では、予め設定した駅間運転パターン
(TASCパターン)とは別に、地上側からの勾配情報
に基づいて勾配による影響を算定して、運転制御指令
を補正するようにしたことで、勾配情報に応じて駅間運
転パターンが最適化されるようになり、高精度な列車の
自動運転制御が可能となる。特に、例えば、大深度地下
鉄などの高低差の大きい路線を走行する列車の運転制御
に有効である。また、既存のATOへの適用について
は、地上側に勾配情報を発信する地上子を設けると共
に、車上側のソフトウェアの変更を施せば、特に車上側
のハードウェアの変更(路線メモリ11の増大など)を行
うことなく、本実施形態を実現でき、簡単な変更により
自動運転制御の精度の向上を図ることが可能である。
【0030】尚、上述した実施形態では、勾配の開始点
及び終了点に配置した地上子GS,GNのみが勾配情報を
発信し、他の地上子は次駅コード情報又は地点情報
を発信する構成としたが、本発明はこれに限らず、各地
上子が勾配情報を発信するようにしてもよい。この場
合、平坦路のときの勾配情報は0‰に設定する。ま
た、勾配の開始点及び終了点に新たに地上子GS,GN を配
置するようにしたが、例えば、図4において、地上子P
1,GS 間の距離及び地上子P2,GN 間の距離が短い場合に
は、地上子P1及び地上子P2が勾配情報を発信するよう
にして、地上子GS,GN を省略しても構わない。このよう
に、距離(位置)補正用として従来より配置されている
地上子が勾配情報も発信するように設定すれば、既存の
ATOへの本発明の適用がより容易なものとなる。
【0031】更に、路線メモリ11に記憶させる駅間運転
パターンを平坦路を想定したときのものにしたが、勾配
による影響を考慮した駅間運転パターンを路線メモリ11
に記憶させてもよい。この場合には、駅間運転パターン
に考慮された勾配の影響と、地上側からの勾配情報を基
に車上側で算出した勾配減速度βg との誤差を補正する
加減算ブレーキノッチ数Bn が、加減算ブレーキノッチ
演算部15で算出されるようにする。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうちの請
求項1又は2に記載の発明は、地上側に勾配情報発信手
段を設け、車上側の受信手段で地上側からの情報を受信
し、受信した勾配情報に基づいて勾配影響演算手段で勾
配による影響を算定し、その算定結果に応じて指令補正
手段で運転制御指令を補正するようにしたことによっ
て、勾配情報に対応して運転パターンが最適化されるよ
うになり、高精度な列車の自動運転制御が可能となる。
特に、例えば、大深度地下鉄などにおける列車の運転制
御に有効である。また、既存のATOに対しても容易に
適用することが可能であり、車上側の記憶手段の記憶容
量を増大させるなどの必要がなく、自動運転制御の精度
の向上を図ることができる。
【0033】また、請求項3に記載の発明は、上記の効
果に加えて、位置補正用として配置された地上子が勾配
情報も発信するようにしたことで、既存のATOへの適
用をより容易なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】同上実施形態の定位置停止制御区間における運
転パターン、路線勾配や指令を示す図
【図3】従来のATOの平坦路におけるTASCパター
ン等を示す図
【図4】従来のATOの勾配のある路線におけるTAS
Cパターン等を示す図
【符号の説明】
1 地上装置 2 車上子 3 トランスポンダ送受信器 4 速度発電機 10 車上演算処理装置 11 路線メモリ 12 実運転パターン演算部 13 パターン比較部 14 勾配減速度演算部 15 加減算ブレーキノッチ演算部 16 ブレーキノッチ加減算処理部 P1,P2,P3,GS,GN 地上子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転区間の各位置に対応して列車の運転状
    態を予め設定した運転パターンを記憶する記憶手段と、
    列車の位置及び運転状態を検出する検出手段と、前記記
    憶手段に記憶された運転パターンに従い、前記検出手段
    で検出された列車の位置及び運転状態に応じて、列車の
    運転状態を制御する指令を生成する指令生成手段と、を
    車上側に設けて構成される自動列車運転装置において、 前記運転区間の勾配情報を車上側に発信する勾配情報発
    信手段を地上側に設けると共に、地上側から発信される
    前記勾配情報を受信可能な受信手段と、該受信手段で受
    信された前記勾配情報に基づいて、その勾配が列車の運
    転状態に与える影響を算定する勾配影響演算手段と、該
    勾配影響演算手段で算定された結果に応じて、前記指令
    生成手段で生成された指令を補正する指令補正手段と、
    を車上側に備えて構成されることを特徴とする自動列車
    運転装置。
  2. 【請求項2】前記勾配情報発信手段が、前記運転区間の
    勾配の開始点及び終了点に配置されることを特徴とする
    請求項1記載の自動列車運転装置。
  3. 【請求項3】地上側に所定の間隔で配置され、前記検出
    手段で検出される列車の位置を補正するための地点情報
    を車上側に発信する地上子が、前記地点情報と共に前記
    勾配情報を車上側に発信することを特徴とする請求項1
    又は2記載の自動列車運転装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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