JPH10314581A - 酸素吸収剤及びこれを用いた嫌気性菌の培養方法 - Google Patents

酸素吸収剤及びこれを用いた嫌気性菌の培養方法

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JPH10314581A
JPH10314581A JP3891898A JP3891898A JPH10314581A JP H10314581 A JPH10314581 A JP H10314581A JP 3891898 A JP3891898 A JP 3891898A JP 3891898 A JP3891898 A JP 3891898A JP H10314581 A JPH10314581 A JP H10314581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、従来の酸素吸収剤を改良
し、アスコルビン酸類を主剤として含み、活性炭を含む
酸素吸収剤の優れた酸素吸収性能保持しつつ、過熱を抑
制して自然発火を防止した酸素吸収剤を得ることにあ
る。 【解決手段】 本発明の酸素吸収剤は、アスコルビン酸
類、水及び活性炭を含む酸素吸収組成物に、酸素吸収組
成物100重量部当たり、軟化点90〜125℃,粒子
径1〜500μmの粒状熱可塑性樹脂10〜60重量部
を混合してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中での自然発
火や使用中の過熱発火の危険性がないアスコルビン酸類
を主剤とする酸素吸収剤に関する。さらに詳しくは、ア
スコルビン酸類主剤の酸素吸収組成物に熱可塑性樹脂の
粒状体を混合してなる酸素吸収剤、並びにこの酸素吸収
剤を用いた嫌気性菌の培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アスコルビン酸類を主剤とする酸素吸収
剤は、食品の包装内に封入し、食品のカビ防止、酸化防
止等に用いられる脱酸素剤の原料として知られている。
脱酸素剤に用いられる酸素吸収剤としては、アスコルビ
ン酸類を主剤とするものの他に、鉄粉を主剤とするもの
が良く知られているが、食品メーカーでは針等の金属異
物混入防止のため金属探知器を使用することがあり、鉄
粉主剤の脱酸素剤は金属探知器に感応するためそのよう
な用途には用いることができず、アスコルビン酸類を主
剤とした脱酸素剤が用いられる。また、アスコルビン酸
類を主剤とした脱酸素剤は、吸収した酸素とほぼ同量の
炭酸ガスを発生するため、包装内の容積変化が無く酸素
を吸収して包装内のガス量が減少することによる外見上
の変化等を嫌う食品等に使用されてきている。更に医療
機関・食品メーカーなどでは、病原菌,食中毒原因菌,
食品汚染菌の検査の目的で嫌気性菌の培養検査を行って
いるが、嫌気性菌を培養するためには、培養環境から短
時間で酸素を排除し、かつ炭酸ガスが存在する雰囲気に
する必要があり、アスコルビン酸類を主剤とする酸素吸
収剤は、通気性に優れた包材に充填して嫌気性菌培養用
のガス濃度調節剤として使用されている。
【0003】アスコルビン酸類を用いた酸素吸収剤は、
特開昭51−136845、特開昭52−10884、
特開昭54−98348、特開昭54−132246、
特開昭55−61914等に知られるように、アスコル
ビン酸類とアルカリ粉末、金属塩及び水に活性炭を混合
して得られる。また、特開昭54−105288、特開
昭58−51890には、アスコルビン酸類を用いた酸
素吸収剤の炭酸ガス発生性能を利用した嫌気性菌の培養
方法が知られている。
【0004】アスコルビン酸類主剤の酸素吸収剤は、ア
スコルビン酸類の酸化反応により酸素吸収を行うので、
反応の際に発熱を伴い、この発熱により更に反応が進行
することにより、短時間での酸素吸収を可能としてい
る。ところが、主剤として使用されるアスコルビン酸類
は有機化合物であるため可燃物であり、また、アスコル
ビン酸類と混合添加される活性炭も消防法(石炭,木炭
類)における指定可燃物である。したがって、大量の酸
素吸収剤が、あるいは、酸素吸収剤を通気性包装袋に充
填したガス濃度調節剤を大量に集積されたものが酸素吸
収したり、酸素吸収剤が少量でも高い雰囲気温度で酸素
吸収すると、反応熱による発熱が大きくなり、その結
果、酸素吸収剤組成中の可燃物が自然発火をする恐れが
あった。このため、この種の酸素吸収剤は、保管、使
用、廃棄等の際の自然発火の危険を考慮して、その取扱
いに十分注意する必要があった。
【0005】また、酸素吸収剤の加熱を抑制する方法も
知られている。例えば、特開平5−269376には、
無機フィラーを担体とし自然発火危険性を抑制する方法
が開示されているが、ここで無機フィラーを担体として
使用する場合、無機フィラーによる熱の吸収が大きいた
め、充分な発熱が起こらず、酸素吸収反応の進行が遅れ
る。そのため、短時間に酸素吸収を完了するには、酸素
吸収剤が大量に必要となるという欠点があった。また、
特開平3−188288に、不飽和脂肪酸を主剤とする
防錆剤に加熱融解性の添加剤を加えて加熱を抑制する方
法が開示されているが、ここで防錆剤は炭酸ガスを発生
しないことおよび臭気などの点で、嫌気性菌培養用のガ
ス濃度調節剤、食品等用の脱酸素剤に用いる酸素吸収剤
としては使用できないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の酸素吸収剤を改良し、アスコルビン酸類を主剤と
して含み、活性炭を含む酸素吸収剤の優れた酸素吸収性
能を保持しつつ、過熱を抑制して自然発火を防止した酸
素吸収剤を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するための手段として、アスコルビン酸
類、水および活性炭を含む酸素吸収組成物に、軟化点が
90〜125℃で粒子径が1〜500μmの粒状熱可塑
性樹脂を、酸素吸収組成物100重量部当たり、10〜
60重量部混合してなることを特徴とする酸素吸収剤に
関する。
【0008】本発明の上記酸素吸収剤において、熱可塑
性樹脂の粒状体の粒子径は、通常は1〜500μmであ
るが、10〜300μmであることがより好ましく、ま
た、熱可塑性樹脂の種類は、特に制限はなく各種のもの
を用いることができるが、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン又はこれらの混合物であることが好ましい。
【0009】本発明の酸素吸収剤は、上記の構成をとる
ことによって、過熱による発火が防止される。すなわ
ち、アスコルビン酸類,水および活性炭からなる酸素吸
収剤は、一般に、通気性包材に被包して酸素吸収剤包装
体として使用されるが、酸素吸収剤包装体を大量に集積
して大気に触れたり、使用時の雰囲気温度が異常に高く
なったりした際、過度の酸化反応により急激な発熱をす
る場合がある。酸素吸収剤が酸素と反応して温度上昇す
るとき或る程度急激に上昇しても、通常は、酸素吸収剤
に含まれる水分が蒸発するために、90〜125℃付近
で温度上昇は一旦緩やかになる。しかし、過度の発熱や
加熱があると水分の蒸発が追いつかず、酸素吸収剤の温
度は前記温度の範囲を越えて急激に上昇し、可燃物であ
る活性炭が発火に至る危険性がある(図1参照)。
【0010】しかしながら、本発明によれば、上述のア
スコルビン酸類,水および活性炭からなる酸素吸収剤
(酸素吸収組成物)に、熱可塑性樹脂の粒状体を添加、
混合したものにすることにより、得られる酸素吸収剤
は、その温度が前述したような90〜125℃付近に達
すると、添加した熱可塑性樹脂が軟化し、酸素吸収剤表
面を覆って酸素吸収剤の過度の酸化反応を抑制し、水分
が減少した酸素吸収剤の異常な発熱を抑制することがで
きる。また本発明の酸素吸収剤は、熱可塑性樹脂の粒状
体が添加されていても正常な酸素吸収反応は阻害され
ず、食品の保存用の脱酸素剤、嫌気性菌の培養用のガス
濃度調節剤等に好適に用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明においては、アスコルビン酸類としては、
L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、
L−アスコルビン酸カルシウム、D−iso−アスコル
ビン酸ナトリウムの単独もしくはこれらの混合物が用い
られる。これらアスコルビン酸類は、水溶液として活性
炭に含浸させて用いるのが好ましい。アスコルビン酸類
水溶液は濃度の濃い方が活性炭の使用量を少なくするこ
とができ、アスコルビン酸類の濃度は、できるだけ飽和
溶解度に近い濃度にすることが好ましく、また、必要な
水分量はアスコルビン酸類の水溶液を用いることによっ
て、十分確保される。このため、アスコルビン酸類は溶
解度の高い塩が好ましく、具体的には、L−アスコルビ
ン酸ナトリウムが好ましい。
【0012】活性炭としては、おが粉、石炭、椰子殻等
を原料として水蒸気賦活、薬品賦活、炭酸ガス賦活等の
各種製法で製造された活性炭を用いることができる。ま
た活性炭は、アスコルビン酸類等を水溶液として活性炭
に担持させ顆粒状で小袋に充填して用いられるために、
粒状活性炭が好ましい。粒状活性炭の粒子径は、好まし
くは0.1mm〜2mm、より好ましくは0.5〜1m
mである。粒状活性炭の粒子径は上記範囲より細かくな
ると、酸素吸収剤の流動性が悪くなり自動充填が困難と
なる。また、粒子径が大きすぎると酸素吸収性能が低下
したり、酸素吸収剤の包装体を突き破り、内容物がこぼ
れ出すという問題が生じる。
【0013】本発明の酸素吸収剤においては、必要に応
じ、炭酸塩や金属化合物等の添加剤がアスコルビン酸類
に加えられる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウムの水和物等の水溶性の
炭酸塩が好ましい。炭酸塩のの配合量は、アスコルビン
酸類100重量部に対し、炭酸塩10〜30重量部が好
ましい。金属化合物としては、塩化第1鉄、塩化第2
鉄、硫酸第2鉄、硫酸第1鉄、塩化マンガン、硫酸亜
鉛、硫酸銅、塩化銅の無水塩又は含水塩が好ましい。金
属化合物の配合量は、アスコルビン酸類100重量部に
対し、金属化合物5〜20重量部が好ましい。
【0014】本発明の酸素吸収剤の製造方法は、特に制
限はないが、上記の各成分により酸素吸収組成物を調製
し、これに下記の熱可塑性樹脂の粒状体を混合する方法
が好ましい。酸素吸収組成物の調製方法としては、例え
ば、アスコルビン酸類の水溶液に炭酸塩、金属化合物等
を溶解し、この溶液を活性炭に混合、含浸させる方法、
或いは、アスコルビン酸類の水溶液に金属化合物を溶解
させた溶液を、炭酸塩と活性炭の混合物と混合する方法
が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、軟化
点が90〜125℃の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エラストマー、又はこれらの混合物等の熱可塑性樹
脂が例示される。特に分子量10000以下の低分子量
のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類
が好ましい。また、酸素吸収組成物に添加した際の臭気
の影響が少ない点でも、ポリエチレンまたはポリプロピ
レンまたはこれらの混合物が特に好ましく用いられる。
添加する熱可塑性樹脂は、軟化点が低すぎると、通常の
酸素吸収反応を阻害することになる。また、樹脂の軟化
点が高すぎると、酸素吸収剤の温度が前記90〜125
℃を越えても樹脂が軟化せず、酸素吸収剤の過度の発熱
反応を抑制することができない。
【0016】熱可塑性樹脂は、酸素吸収組成物と混合す
る時に、主剤溶液を含浸した活性炭表面を効率よく覆う
必要があるため、粒径1〜500μmであることが必要
であり、より好ましくは、10〜300μmのものが用
いられる。粒径が小さすぎると、酸素吸収剤の流動性を
悪くし機械充填を困難にする。一方、粒径が大きすぎる
と、温度が上昇して熱可塑性樹脂が軟化したときに、効
率よく酸素吸収剤表面を覆うことができないため、自然
発火の危険性を抑制することができない。
【0017】熱可塑性樹脂の配合量は、酸素吸収組成物
100重量部当たり10〜60重量部であり、特に15
〜40重量部が好ましい。配合量が前記の範囲より少な
くなると目的の発熱抑制効果が低く、また配合量が多す
ぎると、樹脂によって奪われる熱量が多くなり反応の進
行が遅れたり、酸素吸収剤容積が嵩張るという問題があ
る。熱可塑性樹脂の添加にあたっては、組成、性状、用
途等に応じて、樹脂の種類、粒状体の粒子径、配合量を
適宜勘案して決めればよい。
【0018】得られた酸素吸収剤は、酸素吸収能力に優
れ、金属探知器にかからず、また、吸収した酸素量とほ
ぼ同量の炭酸ガスを発生するため、従来のアスコルビン
酸系の脱酸素剤が用いられていた食品等の用途にそのま
ま適用でき、また、通気性に優れた包材に充填したり、
大量に使った場合でも自然発火の危険性がないため、医
療機関等で用いられている嫌気性菌培養用のガス濃度調
節剤として好適に使用される。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。 実施例1及び比較例1 L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液(濃度45重量
%)100gに、硫酸第1鉄・7水塩6g及び炭酸ナト
リウム・10水塩10gを溶解させ、該溶液全量を顆粒
状活性炭(平均粒径0.6mm)60gに含浸させて酸素
吸収剤A(比較例1)を得た。酸素吸収剤A100gに
平均粒径200μm、平均分子量2000の低分子量ポ
リエチレン(軟化点105℃:JISK2531)25
gを添加し、混合して酸素吸収剤B(実施例1)を得
た。この酸素吸収剤A及びBについて自然発火危険性試
験を行った。試験方法は、運輸省海上技術***により
定められている「未知物質の危険性評価の試験方法及び
判定基準」に準じて行い、3階段の容器等級に分類され
る容器等級IIに準ずる試験を行った。すなわち、槽内温
度を140℃に設定した熱風循環式恒温槽の中心に1辺
2.5cmの試料容器(100メッシュの金網使用)を
置き、この試料容器に充填した試料が、24時間以内に
発火又は温度が200℃を超えるかどうかを試験するも
のである。この試験によれば、酸素吸収剤A(比較例
1)は約30分で発火に至ったが、酸素吸収剤B(実施
例1)は24時間経過しても恒温槽内温度である140
℃を超えることなく、発火には至らなかった。これは、
酸素吸収剤B(実施例1)は、温度が上昇しても発火に
至る前に添加した熱可塑性樹脂が軟化して効率よく酸素
吸収剤表面を覆い、適度に酸素を遮断することにより発
熱が抑制され、発火点まで温度が上昇しなかったことに
よると考えられる。
【0020】酸素吸収剤B(実施例1)1cc、酸素吸
収剤A(比較例1)1ccを、それぞれ、有孔ポリエチ
レンフィルムでラミネートした和紙の通気性小袋に充填
して酸素吸収包装体とし、それぞれ、ポリ塩化ビニリデ
ン被覆ナイロン/ポリエチレンの積層フィルムのガスバ
リア袋に空気量150ccとともに密封し、25℃に保
持し、袋内の酸素濃度及び炭酸ガス濃度の経時変化を調
査した。結果を表1に示すが、酸素吸収剤Bは、熱可塑
性樹脂を添加していない酸素吸収剤Aと同等の酸素吸収
性能を示すことがわかる。また、それぞれの酸素吸収剤
の見掛け密度(軽装カサ比重;JISK6721)を測
定したところ、酸素吸収剤Aは0.53g/cc、酸素吸
収剤Bは0.52g/ccとほとんど変わりなく、ともに
流動性は良好であった。
【0021】比較例2 L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液(濃度45重量
%)100gに、硫酸第1鉄・7水塩6g及び炭酸ナト
リウム・10水塩10gを溶解させ、該溶液65gを顆
粒状珪藻土(平均粒径0.6mm)60gに含浸させて酸
素吸収剤C(比較例2)を得た。この場合、顆粒状珪藻
土60gに前記溶液65gを含浸させたところで流動性
が悪くなり、これ以上含浸させることは不可能であっ
た。また、酸素吸収剤Cの見掛け密度は0.65g/cc
であった。次に、この酸素吸収剤C1ccを、実施例1
と同様に通気性小袋に充填して酸素吸収包装体とし、こ
れを用いて実施例1と同様に酸素吸収試験を行った。結
果は表1に併記したが、酸素吸収剤Cの酸素吸収能力は
他の酸素吸収剤に比べ、著しく劣っていた。
【0022】
【表1】
【0023】比較例3 比較例1と同様に作成した酸素吸収剤A100gに、平
均粒径200μm、平均分子量2000の低分子量ポリ
エチレン(軟化点105℃;JISK2531)5gを
添加、混合して、酸素吸収剤Dを得た。酸素吸収剤Dに
ついて、実施例1と同様に、容器等級IIの試験を実施し
たところ、酸素吸収剤Dは約35分で発火した。
【0024】比較例4 比較例1と同様に作成した酸素吸収剤A100gに、平
均粒径1mm、平均分子量2000の低分子量ポリエチ
レン(軟化点105℃;JISK2531)25gを添
加、混合して、酸素吸収剤Eを得た。酸素吸収剤Eにつ
いて、実施例1と同様に、容器等級IIの試験を実施した
ところ、酸素吸収剤Eは約30分で発火した。
【0025】比較例5 比較例1と同様に作成した酸素吸収剤A100gに、平
均粒径200μm、平均分子量3000の低分子量ポリ
プロピレン(軟化点152℃;JISK2531)25
gを添加、混合して、酸素吸収剤Fを得た。酸素吸収剤
Fについて、実施例1と同様に、容器等級IIの試験を実
施したところ、酸素吸収剤Fは約40分で発火した。
【0026】以上の結果から明らかなように、酸素吸収
剤Bと同様に熱可塑性樹脂の粒状体を添加しても、同じ
樹脂でも添加量の少ない場合(酸素吸収剤D)、同じ樹
脂でまた同量でも粒子径の大きい樹脂の場合(酸素吸収
剤E)、軟化点の高い熱可塑性樹脂を用いた場合(酸素
吸収剤F)、それぞれ、添加効果が低く、発熱を抑制で
きないために発火した。
【0027】実施例2 実施例1に調製した酸素吸収剤B2gを、有孔ポリエチ
レンフィルムをラミネートした和紙の小袋に充填して酸
素吸収包装体を準備した。次にポリ塩化ビニリデン被覆
ナイロン/ポリエチレンの積層フィルムのガスバリア袋
に、カステラ200gと前記酸素吸収包装体1個を入れ
空気量150ccとともに密封して、室温下に2週間保
存した。袋内の酸素濃度は、1日後には0.1%以下に
なったことが確認され、2週間後に開封してカステラの
風味を観察したところ、良好であり、カステラの品質は
保持されていた。
【0028】実施例3及び比較例6 実施例1の酸素吸収剤B及び比較例1の酸素吸収剤A
を、それぞれ、有孔ポリエチレンフィルムでラミネート
した和紙で作成した袋(100×140mm)に20g
ずつ充填し、ガス濃度調節剤B(実施例3)及びガス濃
度調節剤A(比較6)とした。GAM寒天培地(日水製
薬)に生育した、Clostridium boturinum (供試菌No1
と記す)の1白金耳を、L−システィン等を加えて酸化
還元電位を低下させた嫌気性菌用希釈液(以下希釈液と
記す)9mlに懸濁し、更に10倍ごとの希釈により、
107 までの希釈液を調製した。プラスチック製シャー
レに分注固化したGAM寒天培地に、各希釈液0.1ml
を2枚ずつ接種し、1枚はガス濃度調節剤B(実施例
3)とともに、もう1枚はガス濃度調節剤Aとともに、
ガスバリアー性フィルム(ポリ塩化ビニリデン被覆ナイ
ロン/ポリエチレン)袋に、それぞれ空気量2500m
lとして密封した。Bacteroides fragilis(供試菌No
2)および、Propionibacterium acnes (供試菌No3)
についても、同様に、ガス濃度調節剤B及びAととも
に、ガスバリアー性フィルム袋に密封した。上記の、嫌
気性菌を接種した培地およびガス濃度調節剤を密封した
ガスバリア性フィルム袋は、37℃で3日間保持して培
養を行った後、開封して寒天培地上に出現したコロニー
の数と径の大きさを測定した。結果は、表2に示すよう
に、いずれの菌株においても、実施例3のガス濃度調節
剤Bを用いたものは、嫌気性菌は良好な生育を示し、比
較例6のガス濃度調節剤Aを用いたものと比較して、同
等の嫌気性菌の生育支持能力がみられた。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の酸素吸収剤は、大量に集積され
たり、雰囲気温度が異常に高くなったりしても、自然発
火の危険性が極めて低く、安全な酸素吸収剤であり、そ
の酸素吸収能や流動性等の性能も、従来のアスコルビン
酸類主剤の酸素吸収剤と変わらず、酸素吸収剤包装体と
してコンパクトに収納でき、実用性に優れた酸素吸収剤
である。特に本発明の酸素吸収剤は、酸素吸収剤包装体
として1袋当たりの酸素吸収剤量が多く、比較的多量に
酸素吸収剤を使用する嫌気性菌培養用のガス濃度調節剤
に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】「未知物質の危険性評価の試験方法及び判定基
準」容器等級IIの試験における酸素吸収剤の温度変化を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 20/20 B01J 20/20 E C12N 1/20 C12N 1/20 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸類、水および活性炭を含
    む酸素吸収組成物に、軟化点が90〜125℃で粒子径
    が1〜500μmの粒状熱可塑性樹脂を、酸素吸収組成
    物100重量部当たり、10〜60重量部混合してなる
    ことを特徴とする酸素吸収剤。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン,ポリプ
    ロピレン又はこれらの混合物である請求項1記載の酸素
    吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項1の酸素吸収剤を通気性包材に充
    填してなる嫌気性菌培養用ガス濃度調節剤。
  4. 【請求項4】 請求項3のガス濃度調節剤の存在下で嫌
    気性菌を培養することを特徴とする嫌気性菌の培養方
    法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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