JPH10314428A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】制御素子が不正に取り替えられた場合に、その
事態を容易に発見することができ、不正遊技者にとって
都合良く作動する事態を未然に防止することができる不
正行為防止性能の高い遊技機を提供する。 【解決手段】パチンコ機は、裏側に付設された機構板の
中央よりやや下側に、ＲＯＭ８、ＣＰＵ９等の制御素子
を設置した基板１０、支持板４、カバー部材１１等から
なる制御装置３が取り付けられている。また、制御装置
３内の基板１０上に設置されたＲＯＭ８の表面には、レ
ーザ光を利用した印字手段によって、機種名、製造者、
シリアルナンバー、製造年月日等を示した識別情報１４
が、直接に印字されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機、スロ
ットマシーン等の遊技機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】遊技機の一種であるパチンコ機には、Ｒ
ＯＭやＣＰＵ等の種々の制御素子を内蔵した制御装置が
設けられている。かかる制御素子は、パチンコ機の作動
内容を制御するものであるため、遊技者にとって都合良
く作動するように、不正に取り替えられることがある。
このため、制御素子には、他の制御素子と容易に判別で
きるように、機種名、製造者名等を示した識別情報が表
示される。また、制御素子は、一般的に小型で複雑な形
状を有しているとともに、熱に弱いものであるため、識
別情報の表示をする場合には、識別情報が印刷された識
別シールを貼着する方法が採用される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く制御素子に識別シールが貼着された従来のパチンコ
機は、制御素子が不正に取り替えられた後に、同一の識
別シール、あるいは同一の内容を印刷した偽造の識別シ
ールが貼着された場合には、不正の事態を容易に発見す
ることができず、不正遊技者にとって都合良く作動する
事態を防止することができない。また、制御素子の表面
の狭いスペースに小さな識別シールを手作業で貼着しな
ければならないため、製造時における制御素子の基板へ
の設置作業が非常に煩わしいし、設置作業に多くの人件
費がかかり、製造コストが高いものとなる。さらに、貼
着した識別シールが勝手に剥がれてしまい、基板に設置
されている制御素子が正規のものなのか不正に取り替え
られたものなのか判別できなくなる、という問題点もあ
る。

【０００４】本発明の目的は、上記従来のパチンコ機の
問題点を解消し、制御素子が不正に取り替えられた場合
には、その事態を容易に発見することができ、不正遊技
者にとって都合良く作動する事態を未然に防止すること
ができる不正行為防止性能の高い遊技機を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる本発明の内、第１
の発明の構成は、制御装置内に設置された制御素子によ
って作動が制御される遊技機であって、前記制御素子の
外面に識別情報が直接に表示されていることにある。

【０００６】第２の発明の構成は、第２の発明におい
て、前記識別情報の表示が、レーザ光によって印字され
たものであることにある。

【０００７】第３の発明の構成は、第１の発明、第２の
発明において、前記識別情報の表示が、機種名、製造
者、シリアルナンバー、製造年月日の内の少なくとも１
つ以上を示したものであることにある。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の遊技機について、
図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】図１は、遊技機の一種であるパチンコ機の
裏面を示したものであり、パチンコ機１は、周囲が機枠
１５で覆われている。そして、その機枠１５の内部に、
機構板２が設置されており、機構板２の中央よりやや下
側に、制御装置３が取り付けられている。制御装置３
は、支持板４を機構板２の裏面に当接させた状態で、機
構板２に対して着脱自在に取り付けられている。なお、
機構板２は、機枠１５の片側縁を軸として開閉自在に蝶
着されており、制御装置３の他に、遊技球タンク５、遊
技球払出装置６、裏カバー７等が、取り付けられてい
る。

【００１０】図２は、制御装置３を分解して示したもの
であり、制御装置３は、ＲＯＭ８やＣＰＵ９等の種々の
制御素子を設置した基板１０と、基板１０の裏側に取り
付けられた支持板４と、基板１０を覆うように支持板４
に螺着された合成樹脂製で全体が透明なカバー部材１１
等によって形成されている。なお、カバー部材１１は、
箱形に形成されており、多数の冷却孔１２，１２・・が
穿設されている。また、中央の下側には表示部１３が設
けられており、パチンコ機製造メーカー名等が記載され
ている。

【００１１】そして、基板１０上に設置されたＲＯＭ８
の表面（外面）には、機種名、製造者、シリアルナンバ
ー（すなわち、機台固有の連続したナンバー）、製造年
月日等を示した識別情報１４が直接に印字されている。
図３は、識別情報１４を示したものであり、識別情報１
４は、レーザ光（赤外線ＣＯ₂ レーザ）を利用した印字
手段（たとえば、サンクス株式会社製レーザマーカ）に
よって印字されたものである。また、識別情報１４は、
高さおよび幅が約１mmのきわめて小さい文字によって表
示されているが、各文字が非常に鮮明であるため、カバ
ー部材１１の外側からでも容易に認識することができ
る。さらに、識別情報１４の文字は、きわめて小さく、
かつ非常に鮮明であるばかりでなく、独特の形態、色彩
を有しているため、ピンや針によって刻設する方法等の
他の方法によって表示された文字と容易に見分けること
ができる。

【００１２】パチンコ機１は、上記の如く、ＲＯＭ８の
表面に、レーザ光を利用した印字手段によって形成され
た特殊な文字からなる識別情報１４が表示されているた
め、ＲＯＭ８が不正に取り替えられた場合には、そのＲ
ＯＭに表示された識別情報の文字の形態、色彩等をチェ
ックすることにより、表示された識別情報が他の方法に
よって表示された識別情報であるか否か、すなわち、そ
のＲＯＭが正規のものであるか否かを簡単に見分けるこ
とができる。それゆえ、ＲＯＭの不正取り替えの事態を
容易に発見することができるため、不正遊技者にとって
都合良く作動する事態を未然に防止することができる。
なお、識別シールの偽造が少ない資金で行うことができ
るのに比べ、レーザ光を利用した印字手段による印字
は、非常に多くの資金を必要とするため、正規のＲＯＭ
が、不正にレーザ光を利用した印字手段によって印字さ
れた偽造のＲＯＭに取り替えられる心配はない。

【００１３】また、パチンコ機１は、ＲＯＭ８の表面に
識別シールを貼着する必要がないため、製造時における
ＲＯＭ８の基板１０への設置作業が非常に容易である
し、少ない人員で効率良く設置作業を行うことができる
ため、設置作業にかかる人件費が非常に少ない。さら
に、貼着された識別シールの剥離によって基板１０に設
置されているＲＯＭが正規のものなのか不正に取り替え
られたものなのか判別できなくなる、という事態も生じ
ない。

【００１４】なお、本発明の遊技機は、上記実施形態の
態様に何ら限定されるものではなく、制御装置の形状、
構造、制御装置の取付位置、取付方法、制御素子の種
類、形状、構造、識別表示の表示態様、表示方法等の構
成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更する
ことができる。

【００１５】たとえば、上記実施形態においては、ＲＯ
Ｍに識別情報を直接に表示した場合について説明した
が、識別情報を直接に表示する制御素子はＲＯＭに限定
されるものではなく、他の制御素子であっても良い。

【００１６】また、制御素子に識別情報を直接印字する
方法としては、レーザ光を利用した印字手段によって印
字する方法の他に、シルク印刷によって印刷する方法、
あるいは、射出成形等によって制御素子のパッケージを
製造する段階で識別情報を一体的に形成する方法等を採
用することもできる。なお、上記実施形態の如く、レー
ザ光を利用した印字手段によって印字する方法、シルク
印刷によって印刷する方法を採用した場合には、遊技機
の制御素子に、他の遊技機の制御素子と異なるシリアル
ナンバーを表示することができる、というメリットがあ
る。

【００１７】さらに、制御素子と基板、あるいは基板と
制御装置のカバー部材、あるいはカバー部材と機構板と
に跨るように封印シールを貼着することも可能である
し、制御装置を、機構板から不正に取り外された場合に
何らかの痕跡が残るような構造を有するもの（たとえ
ば、カバー部材に、機構板に係合可能で脱着不能であ
り、かつ切断容易な係合ピンを一体的に設けたもの）に
変更することも可能である。かかる構成を採用した場合
には、遊技機の不正行為防止性能が一段と向上する。

【００１８】一方、レーザ光を利用した印字手段によっ
て識別情報を印字する場合には、赤外線ＣＯ₂ レーザを
利用した印字手段以外に、他の種類のレーザ光を利用し
た印字手段を使用することも可能である。なお、パチン
コ機に設置される制御素子のパッケージは、通常、硬質
の合成樹脂によって形成されるため、赤外線ＣＯ₂ レー
ザを利用した印字手段によって識別情報を印字した場合
には、各文字が明瞭な輪郭を有するものとなる、という
メリットがある。

【００１９】また、制御素子に表示する識別情報は、バ
ーコードや２次元コード（たとえば、ＱＲ（クイックレ
スポンス）コード）等のコードによる表示に変更した
り、そのようなコードによる表示を上記実施形態の如き
文字表示に追加したりすることも可能である。なお、コ
ードによれば、同一内容を文字よりも小さなスペースで
表示することができるので、識別情報をコード表示に変
更した場合には、制御素子の限られたスペースに多くの
情報を表示することができる、というメリットがある。
また、コードの内容はコードリーダがなければ認識でき
ないため、識別情報をコード表示に変更した場合には、
不正な識別情報の表示が一層困難なものとなり、パチン
コ機の不正行為防止性能がより一層精度の高いものとな
る、というメリットもある。

【００２０】なお、上記実施形態においてはパチンコ機
について説明したが、本発明の遊技機は、スロットマシ
ーンやテレビゲーム等のパチンコ機以外の遊技機であっ
ても良い。

【００２１】

【発明の効果】第１の発明の遊技機は、制御素子の外面
に識別情報が直接に表示されているため、制御素子が不
正に取り替えられた場合であっても、識別情報の内容を
確認することによって、容易にその事態を発見すること
ができ、不正遊技者にとって都合良く作動する事態を未
然に防止することができる。また、制御素子の表面に識
別シールを貼着する必要がないため、製造時における制
御素子の基板への設置作業が非常に容易である。さら
に、貼着された識別シールの剥離によって基板に設置さ
れている制御素子が正規のものなのか不正に取り替えら
れたものなのか判別できなくなる、という事態も生じな
い。

【００２２】第２の発明の遊技機は、識別情報の表示
が、レーザ光によって印字されたものであるため、制御
素子が不正に取り替えられた場合には、その制御素子に
表示された識別情報の文字の形態、色彩等をチェックす
ることにより、その識別情報が他の方法によって表示さ
れたものであるか否か、すなわち、その制御素子が正規
のものであるか否かを簡単に見分けることができ、制御
素子の不正な取り替えのあった事態を、非常に容易に発
見することができる。このため、第２の発明によれば、
第１の発明の有する不正行為防止性能が、より精度の高
いものとなる。

【００２３】第３の発明の遊技機は、前記識別情報の表
示が、機種名、製造者、シリアルナンバー、製造年月日
の内の少なくとも１つ以上を示したものであり、識別情
報の表示内容を簡単に確認することができるため、制御
素子が不正に取り替えられた場合には、その事態を発見
が非常に容易に発見することができる。このため、第３
の発明によれば、第１の発明、第２の発明の有する不正
行為防止性能が、一層精度の高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機の裏面を示す説明図である。

【図２】制御装置を分解して示す説明図である。

【図３】識別情報を示す説明図である。

【符号の説明】

１・・パチンコ機、２・・機構板、３・・制御装置、４
・・支持板、５・・遊技球タンク、６・・遊技球払出装
置、７・・裏カバー、８・・ＲＯＭ、９・・ＣＰＵ、１
０・・基板、１１・・カバー部材、１２・・冷却孔、１
３・・表示部、１４・・識別情報、１５・・機枠。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 制御装置内に設置された制御素子によっ
   て作動が制御される遊技機であって、 前記制御素子の外面に識別情報が直接に表示されている
   ことを特徴とする遊技機。
2. 【請求項２】 前記識別情報の表示が、レーザ光によっ
   て印字されたものであることを特徴とする請求項１に記
   載の遊技機。
3. 【請求項３】 前記識別情報の表示が、機種名、製造
   者、シリアルナンバー、製造年月日の内の少なくとも１
   つ以上を示したものであることを特徴とする請求項１、
   または２に記載の遊技機。