JPH10314323A - 照射方法 - Google Patents

照射方法

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JPH10314323A
JPH10314323A JP12947697A JP12947697A JPH10314323A JP H10314323 A JPH10314323 A JP H10314323A JP 12947697 A JP12947697 A JP 12947697A JP 12947697 A JP12947697 A JP 12947697A JP H10314323 A JPH10314323 A JP H10314323A
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JP
Japan
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irradiation
dose
irradiated
target
range
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JP12947697A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Kanematsu
伸幸 兼松
Takenobu Sakamoto
豪信 坂本
Masaharu Tsuchiya
昌晴 土谷
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患部に照射する三次元的に形成された線量分
布を照射の計画段階において予め明らかにし、また、そ
の線量分布に対応した機器のパラメータの設定を可能に
して計画通りの照射を行うことのできる照射方法を得
る。 【解決手段】 ビームの高線量領域部分の飛程に基づい
てターゲットを層に分割するための間隔を定める工程、
その間隔に基づいてターゲットを層に分割する工程、タ
ーゲット全体に照射される予定線量とビームの高線量領
域部分に対応するビーム強さとに基づいて分割された層
各々に照射される線量を求める工程、分割された層の中
の予め定められた層へ照射されるビームの強度が予め定
められた層へ照射される線量に達するタイミングを求め
る工程、照射範囲形成手段により層の積層方向と直交す
る方向の照射範囲をビームが照射される層毎に定め、ビ
ームを照射し、先のタイミングでビームが照射される層
を切り替える工程を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、患部に対して三
次元的に放射線(主に荷電粒子線)を照射する照射方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線治療は患部に対して放射線を照射
することにより治療を行う。患部を中心とした高線量を
与えよう(照射)とする領域をターゲットといい、放射
線治療の医学的要求から患者の各点に与える線量(生物
線量)の分布を理想的なものとするため、通常、ターゲ
ット内に一様な線量を与え、かつターゲット外に与える
線量も最小にすることが理想的である。
【0003】荷電粒子線を利用した従来の放射線治療で
は、各種装置を使って加速器からの粒子線ビーム(荷電
粒子線)をターゲットの形状に合わせた粒子線ビームに
変成させて治療を行う。一般的な二次元照射方法で使用
する粒子線治療装置の構成を図16に示す。
【0004】図16中、図示しない加速器で加速された
細くかつ単一なエネルギーの粒子ビーム1は、ビーム拡
大機器2によって粒子線ビーム1の照射方向に対して垂
直な方向に照射領域が拡大され、さらに粒子線ビーム1
の照射野(照射される範囲)は照射範囲形成手段として
の照射野形成機器3によって患者固定機器4に固定され
た患者5内のターゲット6の照射形状に合わせられる。
【0005】そして、患者5に照射される粒子線ビーム
の体内の深さ方向の線量特性は、後に詳述するように飛
程変調機器7、飛程調節機器8、飛程補償機器(ボーラ
ス)9によってターゲット6の形状に合わせる。尚、放
射線治療装置のこれら各種機器の動作制御及び監視は制
御計算機12によって行われる。
【0006】患者5に照射される粒子線ビーム1の粒子
数は患者5への照射前の段階で線量モニタ10により監
視されており、予め定められた規定線量を線量モニタ1
0が計測した場合に、ビーム制御機構11からの制御信
号に基づいて粒子線ビーム1の照射が停止される。
【0007】ここで、粒子線ビーム1の照射野内での平
坦な粒子強度(つまり、均一な粒子分布)を作るビーム
拡大機器2には、入射された粒子線ビーム1を散乱体1
3によってガウス分布的に広げる単一散乱体法(図17
(a))、散乱体13で散乱された粒子線ビーム1をさ
らに散乱体13と同心円状に配置された散乱体14によ
って同心部付近への強い散乱を加えて平坦度を改善する
二重散乱体法(図17(b))、同一周波数で位相が9
0度ずれた交流電流がそれぞれ流れ、入射された粒子線
ビーム1を互いに直交する方向に偏向させる2組の電磁
石15、16によって、入射された粒子線ビーム1を粒
子線ビーム軸周りに回転させ、散乱体13によって散乱
させるワブラー法(図17(c))がある。
【0008】また、粒子線ビーム1の照射野をターゲッ
ト6の投影形状に合わせる照射野形成機器3としては、
図18に示すように、粒子線ビーム軸周りの回転角が自
在に変えられ、積層された多数の金属板で構成されたリ
ーフをスライド移動させることで照射野形状を自在に変
えられる多葉コリメータ、又はターゲット6毎に固有に
作成された固定形状の患者コリメータが既に公知であり
用いられる。
【0009】また、患者固定機器4は、いわゆるベッド
型、椅子型の治療台が一般的であり、患者5を固定した
治療台を図示しない電磁モータの駆動により移動、回転
するようになっている。
【0010】照射される線量を監視、計測する線量モニ
タ10は通常複数あり、照射される粒子線ビーム1の平
坦度を監視する場合もある。
【0011】ビームの照射を制御するビーム制御機構1
1には機械的シャッターを利用した方法、粒子線ビーム
1の取り出しを止める方法、粒子線ビーム1を差し障り
のない場所へ捨ててしまう方法等が用いられる。
【0012】次に、飛程変調機器7及び飛程調節機器8
について説明する。粒子線ビーム1が到達する入射方向
に関し、物質内での粒子線ビーム1の到達距離(飛程)
はエネルギ−によって決まり、また、物質中を進行する
粒子線ビーム1はその物質中での進行が止まって到達す
る直前に最も強い線量を与えるという性質を有する。
【0013】そして、単一なエネルギ−を有する粒子線
ビーム1の線量特性は図19(a)に示すようなもので
あって、粒子線ビーム1の進行が止まる直前の高線量部
分をピーク部、ピーク部以前の平坦な低線量部分をプラ
トー部、ピーク部以後の減衰する低線量部分をテール部
と呼ぶ。ここで、粒子線ビームの到達深さは粒子線ビー
ムが通過する物質量、すなわち密度×距離で定義する。
【0014】粒子線ビームの到達深さ方向の線量分布特
性をターゲットの厚さに合わせるため、飛程調節機器8
を用いて粒子線ビームの体内における到達深さを調節
し、また、飛程変調機器7を用いて高線量領域部分であ
るピーク部の拡大・平坦化を行い粒子線ビームに適切な
エネルギー分布を持たせる。
【0015】飛程変調機器7としては図20に示すよう
なリッジフィルタ等が使われる。これは細かい楔状の付
加物質により楔に対する粒子の通過位置によってエネル
ギーの減衰量を変化させるものである。飛程変調機器7
を用いて粒子線ビームのピーク部の拡大・平坦化を行っ
た場合の線量特性は図19(b)に示すようなものとな
り、この部分を拡大SOBP(Spredd Out
Bragg Peak)という。
【0016】粒子線ビームの体内飛程、即ち到達深さ
(以下、飛程と呼ぶ)を調節してピーク部をターゲット
の体内深さに合わせるための飛程調節機器8には、1対
の楔型ブロックで構成されそれらを同時に出し入れして
付加物質厚を調整するアナログ式レンジシフタ(図21
(a))、複数の等しい厚さの板を任意数挿入すること
で付加物質厚を調整するデジタル式レンジシフタ(図2
1(b))、一番薄い板を基準板厚としてその2倍、4
倍、8倍、16倍と、2の累乗の厚さの板を使ってそれ
らの組み合わせで付加物質厚を調整するバイナリ式レン
ジシフタ(図21(c))、加速器を制御して粒子のエ
ネルギを直接変えることにより、物質厚を変化させずに
飛程を調節する加速エネルギー可変式(図21(d))
がある。
【0017】これら飛程調節機器8には以下のような特
徴がある。アナログ式レンジシフタを用いると自由度の
高い飛程調節ができるが、設定値の変更を行うには楔型
ブロックの加速・減速を高速かつ高精度で行う必要があ
る。デジタル式レンジシフタは決まったステップでしか
設定できないため設定値の自由度は減るが、高精度の飛
程調節ができ制御は比較的簡単である。バイナリ式レン
ジシフタはデジタル式レンジシフタと同じ特徴がある
が、全体の板の数が少なくなるかわりに深さを変えると
きに移動させる板の数が変化する。
【0018】また、治療毎にターゲット6の形状に対応
して作成される飛程補償器9は、照射野内でのターゲッ
ト6の深さの位置依存性を補正するため、例えばプラス
チック樹脂で形成され板状の物体で板厚を位置によって
変化させることにより体内飛程を調節するものである。
【0019】通常、飛程補償器9の形状は、線量のピー
ク部の体内深い側の端の作る面をターゲット6の深い側
の半面の形状に合わせている。二次元照射方法で作られ
る線量分布は図22に示すようなものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の放射
線治療では二次元的な照射が行われ、体内深さ方向の線
量分布は照射野内で同一となり、高線量領域部分は深さ
方向に同じ厚みを持つことになる。従って、三次元的な
形状を持つ(厚みの変化する)実際のターゲットに対し
ては、理想的にはその形状に合わせた線量分布を作り出
すことが望ましいが、ターゲットの周辺部の体表面側の
領域に不要な高線量を付与することになる。
【0021】二次元の照射で理想に近い線量分布を作る
ためには、照射方向、照射中心位置等をいろいろと変化
させた多門照射化に頼らねばならず、治療計画及び治療
制御は煩雑になる。照射門数を減らし、治療を簡素化す
ることは効率的な治療施設運営のために重要である。
【0022】この発明は係る問題点を解決するためにな
されたもので、患部に照射する三次元的に形成された線
量分布を照射の計画段階において予め明らかにし、ま
た、その線量分布に対応した機器のパラメータの設定を
可能にして計画通りの照射を行うことのできる照射方法
を得ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明に係る照射方法
は、ビーム照射装置からターゲットに照射される粒子線
ビームの高線量領域部分の飛程に基づいてターゲットを
層に分割するための分割間隔を定める第1の工程と、第
1の工程で定められた分割間隔に基づいてターゲットを
層に分割する第2の工程と、ターゲット全体に照射され
る予め定められた線量と粒子線ビームの高線量領域部分
に対応するビームの強さとに基づいて第2の工程で分割
された層それぞれに照射される線量を求める第3の工程
と、第2の工程で分割された層の中の予め定められた層
へ照射される粒子線ビームの強度が第3の工程で求めら
れた予め定められた層へ照射される線量に達するタイミ
ングを求める第4の工程と、ビーム照射装置とターゲッ
トとの間に配置された照射範囲形成手段により層の積層
方向と直交する方向の照射範囲を粒子線ビームが照射さ
れる層毎に定め、ビーム照射装置によりビームを照射
し、第4の工程で求めたタイミングにより粒子線ビーム
が照射される層を切り替える第5の工程とを備えたもの
である。
【0024】また、ビーム照射装置からターゲットに照
射される粒子線ビームの高線量領域部分の飛程に基づい
てターゲットを層に分割するための分割間隔を定める第
1の工程と、第1の工程で定められた分割間隔に基づい
てターゲットを粒子線ビームが入射される体表面の形状
に沿った一定の間隔で層に分割する第2の工程と、ター
ゲット全体に照射される予め定められた線量と粒子線ビ
ームの高線量領域部分に対応するビームの強さとに基づ
いて第2の工程で分割された各層の中の単位領域に照射
される線量を求める第3の工程と、第2の工程で分割さ
れた層の中の予め定められた層へ照射される粒子線ビー
ムの強さが第3の工程で求められた予め定められた層の
中の単位領域に照射される線量に達するタイミングを求
める第4の工程と、ビーム照射装置とターゲットとの間
に配置された照射範囲形成手段により層の積層方向と直
交する方向の照射範囲を粒子線ビームが照射される単位
領域毎に定め、ビーム照射装置によりビームを照射し、
第4の工程で求めたタイミングにより粒子線ビームが照
射される単位領域を切り替える第5の工程とを備えたも
のである。
【0025】、また、第5の工程は、照射範囲形成手段
を構成する多葉コリメータが、全てのリーフ対が閉じた
状態でビームが照射される範囲の前で待機する工程と、
リーフ対の一方側のリーフ全てを同時に動かし照射され
る範囲に対応する分だけ多葉コリメータを開け照射され
る範囲へのビームの照射を開始する工程と、照射される
範囲毎のタイミングに達した時点でリーフ対の他方側の
リーフを動かして多葉コリメータを閉じ照射される範囲
へのビームの照射を停止する工程とからなるものであ
る。
【0026】また、第5の工程は、照射範囲形成手段を
構成する多葉コリメータが、全てのリーフ対が閉じた状
態でビームが照射される範囲の前で待機する工程と、リ
ーフ対の一方側のリーフ全てを同時に動かし照射される
範囲に対応する分だけ多葉コリメータを開け照射される
範囲へのビームの照射を開始する工程と、照射される範
囲毎のタイミングに達した時点で他方側のリーフを動か
して照射される範囲への照射を停止し、一方側のリーフ
群を全て同時に動かして次に照射される範囲に対応する
分だけ多葉コリメータを開け次に照射される範囲へのビ
ームの照射を開始する工程とからなるものである。
【0027】また、タイミングは、複数の予め定められ
た単位領域と単位領域でのタイミングとの関係から求め
られた近似関数から推定されるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.実施の形態1に係る照射方法では、飛程
補償器9を用いてビームの飛程をターゲット6のビーム
が入射される側の面とは反対側の面の形状に到達するよ
うに合わせる。また、さらにターゲット6を、その反対
側の面から一定の間隔(後述するSOBP幅)毎に何層
にも分割する(一定の厚さの層分割する)。
【0029】そして、後述するようにSOBP幅の大き
さを考慮して、このように何層にも分割された患部領域
それぞれに対して高線量領域部分(SOBP幅に対応す
る領域部分)が照射されるように前記従来例のような二
次元的部分照射を行い、このように何層にも分割された
患部領域全てに対して行ったこれらビーム照射を重ね合
わせて、患部に対して理想に近い三次元線量分布を与え
る。以下にこの実現方法を説明する。
【0030】尚、実施の形態1に限らず、他の実施の形
態においても、照射計画を作成するための線量計算に関
しては、体内深さ方向の線量特性のみを考える。実際は
ビームは体内又は体外での物質との相互作用により、横
方向に広がりを持つが、照射計画作成後においてそれら
の効果を含めた計算検討を行って必要に応じて計画の修
正を行えばよい。
【0031】図1は実施の形態1に係る照射方法の手順
を示すフローチャートであり、図1に従って説明する。
始めに、照射条件入力段階では、以後の計算に必要とな
る条件パラメータを以下に示すように入力する。治療装
置中の使用する機器を選択(ステップS11)した後、
ターゲット6に対して患部を何層にも一定の厚さで層分
割する層の厚さの決定(指定)及びその層の厚さに最も
近い後述するSOBP幅をビームに与える飛程変調機器
8を選択する(ステップS12)。
【0032】但し、層の厚さは分割層毎に照射を行う飛
程調節機器8の飛程調節のステップ幅とするので、使用
する飛程調節機器8に依存して任意に決められない場合
もあるが、できるだけ分割する層の厚さとこのSOBP
幅とが一致するようにして両者の差異をできるだけ少な
くすることが望ましい。
【0033】三次元照射は分割層毎に機器の調節(例え
ば、分割層毎に対応した飛程の調節)をしながら、ター
ゲット6の分割層毎に照射することで行っていくが、タ
ーゲット6の時間的な位置変動が有り得ること等を考慮
して、これら分割層に対して分割層毎の照射を複数回繰
り返して行う。この一連の照射の繰り返しをスイープと
呼び、スイープする回数(繰り返して照射する回数)も
ここで与える(ステップS13)。尚、ターゲット6を
分割層に従ってスイープする順序もステップS13で指
定する。
【0034】ここで、あるスイープの中で照射される層
の順序はスイープ毎で異なっていてもよく、スイープ毎
の機器の調節をも考慮して、効率的な順序で行えばよ
い。通常は照射領域を隣り合う次の層に順に移動させ、
1スイープを終了したら元の逆方向にスイープを行って
2スイープで1往復させる。
【0035】このように分割層毎に与える線量を算出す
る次の照射条件計算段階では、先の照射条件入力段階で
入力された条件に基づいて、各種機器の設定パラメータ
の計算が行われる。
【0036】ビームがターゲット6の表面のビームの入
射される側の面とは反対側の面に到達するよう、従来と
同様に飛程補償器9については、例えばレイトレーシン
グの手法を用いて、その反対側の面の形状と対応する凹
状に形成された飛程補償器9が作成される(ステップS
21)。
【0037】次に、分割層毎に照射を行うため、ターゲ
ット6に対し後述するような層分割を行う(ステップS
22)。即ち、図2を参照してこのターゲット6の層分
割を説明すると、ターゲット6の層分割は、ビームが入
射される側の面とは反対側の面から一定の間隔(後述す
るSOBP幅)毎に何層(例えば図2中では6層)にも
ターゲット6を分割(層分割)することで行う。
【0038】そして、体表面(ビームが入射される側の
面)から最も体内に深いものを1番目の分割層と定義
し、体表面に向かって順に数えてターゲット6のビーム
が入射される側の面と最も近くなる層を最終の分割層と
し、また層の分割数をNSLとする。
【0039】また、ビームに与えられる加速エネルギー
は、ビームが飛程補償器9を透過することを考慮した上
で、このように層分割されたターゲット9の体内最深部
まで届くよう図示しない加速器で調節を行うよう分割層
毎に前記従来例のように定める(ステップS23)。
【0040】飛程変調器7による飛程の調節、即ち後述
するビームのSOBP幅の拡大については、前記従来例
のように高線量領域部分が照射の対象とする分割層を照
射するような調節量に定め(ステップS24)、また、
ビーム拡大装置や照射野形成装置である多葉コリメータ
の設定については、前記従来例のように各部分照射の領
域においてその層分割された領域の形状に合わせて照射
野が形成されるような調節量に定める(ステップS2
5)。
【0041】例えば、照射野の設定をビーム拡大を前述
したワブラー法で行う場合、前述した2方向のワブラー
電流、散乱体厚を調節する。単一又は二重散乱体法の場
合でも同様に対象とする分割層にとって最適な設定を選
定すればよい。
【0042】また、照射野形成機器3としての多葉コリ
メータの設定(開度設定)も、ビームの照射毎に照射野
がターゲット6の照射の対象とする分割層の照射面の領
域になるように前記従来例のように合わせれば(多葉コ
リメータの開度を設定すれば)よい。
【0043】例えば、目的とする線量分布が図3に示す
ような物理的深さ(体内深さ)と共にビームの照射野の
大きさが単調に増加するものとすれば、飛程補償器9を
用いて飛程の体内深さを調節し、また、多葉コリメータ
を用いて照射野の大きさを調節することで所望の線量分
布を得ることができる。
【0044】ここで、ビームが入射される側の面から体
内に深い側の分割層に対して高線量領域部分が照射され
るように照射を行った場合、前出した図4を参照して分
かるように、プラトー部は、体内深さの浅い側の分割層
に対し一様に働く(照射を行う)。従って、テール部の
比較的小さな影響を無視すれば各分割層へ照射した線量
分布の重ね合せによってターゲット6に一様な線量分布
を与えることができる。
【0045】上述したステップS21〜S25の設定手
法は、前記従来例のようなビームの二次元照射の手法を
そのまま適用できる。
【0046】このように照射条件の計算が終わると、次
に、ウエイトの計算段階に入る。ウエイトとは、ターゲ
ット6への照射に際して各分割層にそれぞれ照射する粒
子数をいう。ここで、ウエイトを算出することとしたの
は、ビームが入射される側の面から体内に深い側の分割
層に対して高線量領域部分が照射されるように照射を行
った場合、前出した図4を参照して分かるように、プラ
トー部は、体内深さの浅い側の分割層に対し一様に働き
(照射を行う)、また、テール部も、体内深さの深い側
の分割層に対し一様に働く(照射を行う)ので、ターゲ
ット各部に対して均一に線量が与えられるよう高線量領
域部分で照射される線量を定量化するためである。
【0047】そこで、図4に示すように照射粒子数を求
めるためのビームの線量特性関数d(x)を、ビームが
入射される体表面から最も深い層(1番目の分割層の領
域)への照射(部分照射1という)が行われる面の位置
を原点として、層の厚さδをビン幅としてヒストグラム
化する(ステップS31)。
【0048】ここで、線量特性関数d(x)は、ビーム
の1粒子を水中に入射した場合の単位厚さ当たりの水中
への吸収線量に生物学的補正を行ったものの平均と定義
され、実験的に又は理論計算で得られるデータであり、
SOBP幅はこの線量特性関数d(x)のピーク部の長
さ(大きさ)で定義される。
【0049】また、体内深さビンiにおいて、体内深さ
の中心値(その原点からの位置)Xiは、式(1)で与
えられる。 Xi=(i−0.5)・δ (1)
【0050】そして、部分照射nによる体内深さビンi
での平均線量特性(部分照射nにおいて体内深さビンi
に与えられる熱量の平均値)をdni、ピーク部で照射さ
れる体内深さのビン番号をPnとすれば、分割層への照
射の間の関係は式(2)で与えられ、ヒストグラム中の
線量計算に用いられる領域が求まる(ステップS3
2)。 dni=d1(n+i-1)n=P1−n+1 (2)
【0051】対象とする三次元照射で得られる線量特性
はこれら分割層への照射の線量(特に、高線量領域部
分、即ちピーク部)の重ね合せであり、部分照射nに対
して照射した単位立体角当たりの粒子数をウェイトwn
とし、この場合の三次元照射でビンiに付与される線量
iはそのビンの焦点(散乱***置)からの平均幾何学
的距離をLiとして、式(3)で与えられる。尚、ここ
では照射される線量が計算される領域と実際にビームが
照射される領域とは一致させている。
【0052】
【数1】
【0053】ここで、体内深さビンnに与えられる線量
nを目標の線量分布にするための各ウェイトwnを求め
ることは、一般的な逆問題として各種の既知のアルゴリ
ズム(解法)が適用できる。
【0054】ここでは最も簡単な例として、各部分照射
のウェイトを対応する分割層の領域の線量条件(例えば
分割層毎に定めた照射するビームの粒子線密度)から求
める手法を示す。
【0055】まず、全てのウェイトwnの初期値を0と
しておく(ステップS33)。次に、ターゲット6全体
に与える目標とする総線量をC、ピーク部(即ち、高線
量領域部分、SOBP幅の領域)の線量をdpeakとし
て、式(4)を用いて、1番目の分割層への照射から順
々にウェイトw1、w2、w3、・・・、wNSLを求める
(ステップS34)。
【0056】
【数2】
【0057】式(4)中、max(x,y)はx又はy
のうち大きい方の値を採用する関数、δnmはnとmとが
等しい場合に1、それ以外の場合は0となる関数であっ
て、右辺のウェイトwnは常に最新の値を用いる。
【0058】そして、各分割層に対するウエイトが全て
求まったら、1番目の分割層から最後の分割層まで照射
する操作を何回か繰り返すことにより、ターゲット6に
照射する線量を目標線量Cに近づけることができる。
【0059】ここで、線量分布の良好性の評価は、Eを
照射する線量の許容誤差、Piを体内深さビンiがター
ゲット内にある場合は1、それ以外の場合は0の値をと
るターゲット6の一次元ビットマップ表現とすれば、タ
ーゲット6への一通りの照射線量の算出が終わった段階
で、式(5)で定義されるχ2の小ささ(予め定められ
た値より小さいか否か)で評価される(ステップS3
5)。
【0060】
【数3】
【0061】再び、話を元に戻して、次に、各ウエイト
が定めったら、実際にビームを照射するための手順リス
トの作成に移る。始めに、求まったウェイトの各分割層
への照射を実現するため、各分割層への照射に対応する
モニタ線量(照射される対象(層)を切り替えるタイミ
ングとなって、実際に照射が監視、計測される線量)を
計算する(ステップS41)。
【0062】各分割層への照射について、線量モニタ1
0の位置のビーム焦点からの距離をLM、体内深さを
M、照射する変成ビームの生物的効果を含まない物理
的線量特性をdphy(x)として、ビーム焦点からの距
離によるビームの拡散度及び体内深さによる線量特性の
違いを補正し、線量モニタ10の位置での物理線量Mn
を式(6)を用いて計算すると、各設定条件で分割層へ
の照射におけるモニタ線量が求まる。
【0063】 Mn=(wn・dphy(XM))/LM 2 (6)
【0064】実際はモニタ線量は照射開始時に0とし
て、照射の積分値として測定される量であり、この積分
モニタ線量をパラメータとしてビーム照射の制御命令を
作成するために、各スイープでの分割層へ照射を開始す
べき積分モニタ線量を計算する(ステップS42)。
【0065】スイープ数をNSWとすると、各スイープで
各分割層に照射するモニタ線量は、Mn/NSWとなり、
1スイープで与えるモニタ線量S0は式(7)で求めら
れる。
【0066】
【数4】
【0067】例えば、分割層への照射を体内の深い方の
層から始めて往復させる場合、モニタ線量を照射開始か
ら積算した量を積分モニタ線量と定義すると、スイープ
番号sの部分照射nを始める場合の積分モニタ線量Ssn
は式(8)で与えられる。
【0068】
【数5】
【0069】ここで求まった積分モニタ線量Ssnを小さ
い順に(1番目の分割層に対応するものからn番目の分
割層に対応するものへの順に)並べ替え、積分モニタ線
量に基づいた各分割された層への照射をする照射制御の
手順リストを作成する(ステップS43)。即ち、この
手順リストにより、積分線量モニタがどのくらいの量に
なったら次にどのような動作を行うか(例えば、積分線
量モニタの線量に応じて照射する分割層の切り替え)を
指定することができる。
【0070】また、積分モニタ線量がNSW・S0になった
場合、即ち分割層全てに規定された線量が与えられた場
合に、ビーム照射を止めるようにする。例えば、この手
順リストが制御計算機に与えられ、制御計算機はその手
順に従って各機器を制御すればよい。
【0071】例えば、制御計算機が手順リストに従って
各機器を制御するためのフローチャートを図4に示す。
つまり、照射を開始して(ステップS101)、ある分
割層に照射中に積分モニタ線量を常に読み出し(ステッ
プS102)、常に次の手順を行うべき予定モニタ線量
と比較して(ステップS103)、積分モニタ線量が予
定モニタ線量にまで達したら直ちに定めた手順の実行と
しての設定の変更、例えば次の分割層への照射を行い
(ステップS104)、モニタ線量の監視状態に戻る。
これを照射終了(ステップS106)まで繰り返す。
【0072】積分モニタ線量を監視するにあたり、線量
モニタ10を高速に繰り返し読み出す代わりに、必要で
あれば複数のプリセットスケーラ等を用いて制御計算機
に線量モニタの値に応じて割り込み処理を行うことで無
駄な読み出しループを除くことができる。
【0073】従って、上記実施の形態1によれば、患部
に照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画
段階において予め明らかにし、また、その線量分布に対
応した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの
自由度の高い照射を行うことができる。
【0074】実施の形態2.実施の形態1では、ビーム
がターゲット6の表面のビームの入射される側の面とは
反対側の面に到達するよう、飛程補償器9を用いて分割
層毎の二次元照射を重ね合わせることで三次元照射を実
現しているが、実施の形態2では、飛程補償器9を用い
ずに三次元照射を実現する照射方法を示す。従って、個
々の患部の形状に合わせた飛程補償器9の作成の手間を
省くことができる。
【0075】実施の形態2に示す治療装置の制御方法の
手順は、図1中のステップS21の段階を除いて実施の
形態1で示したフローチャート(図1)と概同様であ
る。但し、実施の形態1の場合とは、後述するように各
分割層への照射に対して算出されるウエイトの算出式が
異なる。
【0076】図6に示すように、ターゲット6の層分割
は、実施の形態1の場合とは異なり、ビームが入射され
る体表面の凹凸形状に合わせて、ターゲット6をターゲ
ット6の表面のビームの入射される側の面からビーム入
射方向(体内深さ方向)に一定の間隔毎で層分割し、そ
れぞれ分割層の照射領域に合わせて多葉コリメータ及び
飛程調節機器を調節して、従来のような二次元的な部分
照射を分割層毎にそれぞれ行ってそれらの分割層への照
射を重ね合わせて三次元照射を実現する。
【0077】各々分割層に合わせてビームの分割層への
照射を順々に行う場合、ビームの照射野は多葉コリメー
タの開度で決定される。ここで、層分割は上述したよう
にビームが入射される体表面の凹凸形状に合わせて行わ
れ、各々分割層に合わせて多葉コリメータの開度に応じ
てビームが照射される領域(線量分布)について、図7
に示すように必ずしも層分割したそれぞれ照射領域の大
きさが、体表面からの物理的深さ(体内深さ)に従った
図2に示したような実施単調増加関係にはならない場合
であっても、多葉コリメータ及び飛程調節機器をきめ細
かく調節することで所望の線量分布を与えることができ
る。
【0078】即ち、前述したように体内の深い側の分割
層に対して高線量領域部分が照射されるように照射を行
った場合、プラトー部は、体内深さの浅い側の分割層に
影響を与える(弱い照射を行う)から、実施の形態1の
場合と比べて、ターゲット6の中心付近ではプラトー部
の照射による過照射が発生し、ターゲット6のビームの
線量分布は厳密には一様とはならない。
【0079】しかし、実際の治療の観点からはターゲッ
ト6の中心付近におけるプラトー部による過照射はそれ
ほど問題とならない場合が多いので、図7に示す線量分
布を与えるような、各分割層に与える最小線量を規定量
にするウェイトの計算法を考えるのが妥当である。
【0080】実施の形態1では照射される線量が計算さ
れる対象領域と実際にビームが照射される領域とを一致
させているが。実施の形態2ではさらに細分割した領域
を線量が計算される対象領域として考える。
【0081】図8に示すように、線量計算領域をビーム
の照射方向に共に垂直であって互いに直交する2つの横
方向に、各方向ともビーム焦点から見て一定角度となる
ように分割し、三次元にボクセル(Voxell、分割
点)を定義する。この三次元ボクセルを用いてターゲッ
ト6をビットマップ表現しこれを関数Qijkで表す。
【0082】ここで、関数Qijkとは、体内深さビン番
号i、一方の横方向の分割番号j、他方の横方向の分割
番号kのボクセルの中心がターゲット内にある場合に
1、ない場合に0の値をとる関数である。実施の形態2
では、この関数Qijkを用いて各分割層のウェイトを決
定する。つまり、各分割層のウェイトをボクセルに照射
される線量の段階にまで細分化して算出する。従って、
ウェイトの算出式及び線量分布の良好性を判断する式と
して式(9)を採用する。
【0083】
【数6】
【0084】ここで、Lijkは体内深さビン番号i、一
方の横方向の分割番号j、他方の横方向の分割番号kの
ボクセルのビーム焦点からの平均距離、関数max
jk(x,y)は添字jとkとをそれぞれ変化させてx又
はyのうち大きい方の値を採用する関数である。
【0085】従って、上述した三次元ボクセルを定義
し、式(9)を用いて前述のように分割層毎の局所的な
ウエイトを算出して、実施の形態1と同様な処理を行う
ことで各分割層毎に照射すべき線量、さらにはモニタ線
量を定量的に把握できる。
【0086】従って、上記実施の形態2によれば、患部
に照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画
段階において予め明らかにし、また、その線量分布に対
応した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの
自由度の高い照射を行うことができる。
【0087】実施の形態3.実施の形態3で実現する照
射方法は、例えば実施の形態2で把握した照射すべき線
量に従って分割層への照射の具体的な実現方法の一例を
示すものであって、同一の層の中で照射する粒子数を照
射野内の位置によって変化させ(強度変調という)、飛
程補償器9を用いずに理想に近い線量分布を与えるもの
である。
【0088】以下に実施の形態3に係る三次元の照射方
法を説明する。実施の形態3に示す三次元の照射方法
は、後述するように多葉コリメータの片側のリーフ群を
全て一緒に動かすことで実現するので、片側のリーフ群
を大きな単葉で構成してもよく、それとは反対側の各リ
ーフを各層への照射に合わせて移動させることにより強
度変調が実現できる。
【0089】実施の形態2の場合と同様に、ビームが入
射される体表面の凹凸形状に合わせて、ターゲット6を
ターゲット6の表面のビームが入射される側の面からビ
ーム入射方向(深さ方向)に一定の間隔毎に層分割し、
さらにその層分割したターゲット6をさらにビーム焦点
からのビームの投影面について二次元的に(2つの横方
向)分割して線量計算領域とし三次元ボクセルを定義す
る。
【0090】但し、ここでは、図9に示すように、その
二次元的な分割については、互いに垂直な多葉コリメー
タの複数のリーフ対を積層した方向及びリーフの移動方
向に対応して分割方向を、また各方向に均等な細かさで
(間隔で)分割間隔をそれぞれ定め、その積層方向をリ
ーフ方向、その移動方向をスライド方向と定義する。
【0091】このように、積層した多葉コリメータのリ
ーフのリーフ方向及びスライド方向に対応して、三次元
ボクセルの二次元方向の分割方向が定めているので、ビ
ーム照射中は多葉コリメータのビーム軸まわりの回転は
固定する必要がある。
【0092】また、このような三次元ボクセル中で、リ
ーフ方向のビン番号とスライド方向のビン番号とが等し
いボクセル、即ちビーム照射方向に柱状に整列した各分
轄層のボクセルは、前述した分割層によらず全て同一の
照射野になる。
【0093】つまり、その柱状に整列した領域部分(柱
状部分)に注目すれば、これは照射野が同一となる分割
層をビーム照射方向に順に積層して構成された柱状ター
ゲットであり、その部分については例えば実施の形態1
の場合と同様な手法によりウェイトが計算できる。
【0094】このウエイトは柱状部分の領域毎に独立し
て計算され、第n番目の分割層に対しリーフ番号jとス
ライド番号kとで指定された柱状部分の領域ごとに与え
られたウエイトをwnjkとすると、各ボクセルに対応し
て照射されるビームの粒子数が与えられる。そして、ビ
ームが照射される領域としては、実施の形態1又は2の
場合では各々分割層が対応したが、実施の形態3の場合
では分割層の上述した三次元ボクセルが対応する。
【0095】従って、体内深さ方向のビン番号をi、リ
ーフ方向のビン番号をj、スライド方向のビン番号をk
とすれば、実施の形態3ではボクセルごとに理想とする
線量Cijk、許容誤差Eijkが指定できる。また、実施の
形態2の場合と同様に、体内深さ方向のビン番号i、リ
ーフ方向の番号j、スライド方向のビン番号kのボクセ
ルがターゲット6の内にあるかどうかを定める関数Q
ijkを用いてターゲットの三次元ビットマップ表現を得
ることができる。従って、ターゲット6全体に一様な線
量を与えたい場合は、その線量は式(10)により得る
ことができる。 Cijk=C・Qijk (10)
【0096】このように、実施の形態3の場合でもボク
セルごとに理想とする線量Cijk、許容誤差Eijkが指定
できるから、それに対応して各ボクセルに対する照射で
与えるウェイト及び評価も以下の式(11)によって求
めることができる。
【0097】
【数7】
【0098】各ボクセルに対する照射で与えるウェイト
が求まったら、実施の形態1の場合と同様にこのウェイ
トに対応したモニタ線量、積分モニタ線量等を求めて照
射制御の手順、分割層毎の多葉コリメータのリーフの開
閉の制御命令を作成することができる。実施の形態2で
採用するモニタ線量、積分モニタ線量等は以下に説明す
る動作を採用することに伴い、後に詳説するものを採用
する。
【0099】例えば、最も簡単な照射手順として、体内
深さ方向に複数分割されたある分割層について、その層
の各ボクセルを1つづつ順に照射して二次元的照射を積
み重ねていく方法が考えられる。この場合、分割層への
照射は高線量領域部分を用いて対象とする層の照射対象
とするボクセル毎に行われるが、リーフ群が開いて照射
の対象となるボクセルが属する先の柱状の1列の他の複
数のボクセル(リーフ方向のビン番号及びスライド方向
のビン番号が等しい柱状部分の領域)に対してもプラト
ー部又はテール部を用いて照射が同時に開始される。
【0100】即ち、互いに対向して配置された多葉コリ
メータの一方側のリーフ群を全て同時に動かして対象と
するボクセルに対応する分の多葉コリメータを開け、そ
の対象とするボクセルに指定されたウェイト(モニタ線
量)に応じた照射を行ったら、他方側の各リーフをその
一方側のリーフ群の動きとは独立して動かして多葉コリ
メータを閉じることで照射を行う。その多葉コリメータ
の動作を図10に従って説明する。
【0101】複数のボクセル群の柱状1列で構成され照
射される領域を指すスライド番号は、リーフの移動方向
に沿って順に付られている。
【0102】まず、照射の対象とするボクセルが属する
ある分割層に対し、多葉コリメータの全てのリーフ対は
閉じた状態で1番目に照射されるボクセルが属する柱状
部分の領域の前に置かれている(ステップa1)。
【0103】先行して移動させる側のリーフ全てを同時
にそのビン番号の領域に対応する分だけ動かし(即ち、
対象とするボクセルの分だけ多葉コリメータを開け)、
その1番目に照射されるボクセルが属する柱状部分の領
域の照射が開始される(ステップb1)。
【0104】その1番目に照射されるボクセルについて
照射粒子数が満了した時点(つまり、多葉コリメータの
開閉動作のタイミングになるモニタ線量に達した時点)
で追従して移動させる側のリーフを動かし多葉コリメー
タを閉じる(ステップc1)。
【0105】全てのリーフ対が閉じたら次に照射される
ボクセルについて上述した動作(ステップa1〜c1)
を繰り返し、その層における他のボクセル全てに対して
順次上述した動作を繰り返すことでその分割層への照射
を完了する。
【0106】この場合、第n番の分割層に対する照射に
おいて、先行して移動させる側のリーフ群がその層にお
いてk番目に照射されるボクセルの照射のために開き、
その後追従して移動させる側のリーフが動いて全リーフ
が閉じるまでの単位立体角当たりに照射される粒子数、
即ちウエイトwRnkは式(12)で与えられる。 wRnk=maxj(0,wnjk) (12)
【0107】また、先行して移動させる側のリーフ群
を、その層においてk番目に照射されるボクセルの照射
のために開いたままの状態になっている間のモニタ線量
は式(13)で与えられる。 MRnk=wRnk・ddpy(XM)/LM 2 (13)
【0108】また、スイープ回数をδ回、第n番目の分
割層に対する部分照射を始めた際の積分モニタ線量をS
snとして、先行して移動させる側のリーフ群を動かして
その層においてk番目に照射されるボクセルの照射のた
めリーフ群を開けるタイミングとなる積分モニタ線量S
Rnsjkは式(14)で与えられる。
【0109】
【数8】
【0110】また、追従して移動させる側のリーフjを
動かして、k番目に照射されるボクセルの照射を終了す
るためリーフを閉じるタイミングになる積分モニタ線量
Ls njkは式(15)で与えられる。 SLsnjk=SRnsjk+wnjk/NSW (15)
【0111】従って、上述したようなウエイト、モニタ
線量及び積分モニタ線量等に基づいて、実施の形態1の
場合のような照射制御の手順を作成すればよい。
【0112】ところで、左右対称の多葉コリメータで
は、先行して移動させる側のリーフ群と追従して移動さ
せる側のリーフ群とを分割層毎に切り替えることによ
り、照射を行っているある分割層からその次に照射され
るある分割層に照射対象を移動させる場合に照射に際し
てのリーフ移動を最小にできる。
【0113】この場合、先行して移動させる側のリーフ
群を左側(つまり、直前に先行して移動させた側とは逆
側)のリーフ群とすると、スライド方向の分割数をNK
として式(15)において、左右の交換を考慮して変数
Rを変数Lに、また変数kを変数(NK−k+1)にそ
れぞれ置換して変更して用いることができる。
【0114】上述した照射方法ではボクセル毎の局所的
な照射野の形状は偏平になり、ビーム拡大にワブラー法
を用いる場合は前述した2方向の電流の振幅、位相を調
整することによりビームを偏平にでき、ビームの利用効
率が上げられる。
【0115】また、ワブラー法において偏平なビームで
一様なビーム強度を得るためにはワブラー電流の波形を
三角波に近づける必要があるが、上述した照射方法では
ボクセル毎に粒子数を制御するので、仮にビーム強度が
一様でなくても各ボクセル位置での粒子数を直接又は間
接に監視(モニタ)し、その計測した値に応じた制御を
行うことでボクセル毎に適切な線量を与えることができ
る。
【0116】従って、上記実施の形態3によれば、患部
に照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画
段階において予め明らかにし、また、その線量分布に対
応した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの
自由度の高い照射を行うことができる。
【0117】また、ターゲット6での局所的なビームの
照射強度を変えることができるので、患部5に対して均
一な腺量を与えるなど効率的な照射を行う(線量分布を
与える)ことができる。
【0118】尚、以上のように説明した強度変調の利用
は、X線等の荷電粒子線以外の放射線を用いた治療にも
応用可能である。X線の場合は体内深さ方向の分割は行
わないが、照射野内で照射強度を変えて異なる方向から
の照射と組み合わせる多門照射により理想的な三次元線
量分布の形成が可能となる。
【0119】実施の形態4.実施の形態3で示した照射
野内の強度変調を行って照射を実現する照射方法の変形
として、多葉コリメータのリーフの開閉動作のタイミン
グを調節することにより、瞬時的な照射野を最大にする
方法が考えられる。
【0120】まず、実施の形態3において照射の対象と
するボクセルが属するある分割層に対し、多葉コリメー
タの全てのリーフ対は閉じた状態で1番目に照射される
ボクセルが属する柱状部分の領域の前に置かれている
(ステップa2)。
【0121】先行して移動させる側のリーフ全てを同時
にそのビン番号の領域に対応する分だけ動かし(即ち、
対象とするボクセルの分だけ多葉コリメータを開け)、
その1番目に照射されるボクセルが属する柱状部分の領
域の照射が開始される(ステップb2)。
【0122】その対象とするボクセルについて照射粒子
数が満了した時点(つまり、多葉コリメータの開閉動作
のタイミングになるモニタ線量に達した時点に達した時
点)で追従して移動させる側のリーフを動かす(ステッ
プc2)。
【0123】ここで、実施の形態3の場合と異なるの
は、ステップc2において、図11に示すように、先行
して移動させる側のリーフ群を、追従して移動させる側
のリーフが移動して先行して移動させる側のリーフ群の
移動に追い付いて多葉コリメータが完全に閉じるのを待
たずに、次に照射対象とするボクセルの照射のために先
行して移動するため、多葉コリメータが開放状態になっ
ていることである。
【0124】従って、実施の形態4の場合は実施の形態
3の場合と比較して、先行して移動させる側のリーフ群
が、追従して移動させる側のリーフが移動して先行して
移動させる側のリーフ群の移動に追い付いて多葉コリメ
ータが完全に閉じるのを待たずに、次に照射対象とする
ボクセル別の領域の照射のために先行して移動するた
め、実施の形態4ではウエイトwRnkは実施の形態3に
示した式(12)の代わりに式(16)を用いて算出す
る。 wRnk=maxj(0,wnjk−wnj(k+1)) (16)
【0125】式(16)は、先行して移動させる側のリ
ーフ群の移動により照射が開始された照射対象とするボ
クセルに必要な粒子数が、次に照射対象とするボクセル
に必要な粒子数よりも大きい場合、少なくともその差の
分だけその時点で先行して移動させる側のリーフ群の移
動を止めることを示す。
【0126】話を元に戻して、そして、次に照射される
ボクセルについても上述した動作(ステップa2〜c
2)を繰り返し、その層における他のボクセルに対して
順次上述した動作を繰り返すことでその分割層への照射
を完了する。
【0127】従って、実施の形態4では、ウエイトw
Rnkの算出を実施の形態3に示した式(12)の代わり
に式(16)を用いて行う以外は、実施の形態3の場合
と同様である。
【0128】従って、上記実施の形態4によれば、患部
に照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画
段階において予め明らかにし、また、その線量分布に対
応した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの
自由度の高い照射を行うことができる。
【0129】また、ターゲット6での局所的なビームの
照射強度を変えることができるので、患部5に対して均
一な線量を与えるなど効率的な照射を行う(線量分布を
与える)ことができる。
【0130】また、実施の形態3で示した照射方法に比
べ瞬時的な照射野を大きくできから、ビームの利用効率
が向上されターゲット6に対するビームの照射が早く行
える。
【0131】尚、この方法も実施の形態3の場合と同様
にX線等の荷電粒子線以外の放射線による治療にも適応
できる。
【0132】実施の形態5.また、実施の形態3で示し
た、照射野内の強度変調を行って照射を実現する照射方
法の変形として、患者の移動を行うことにより多葉コリ
メータのリーフの移動を最小限のものとし、ターゲット
の照射領域を拡大する方法が考えられる。
【0133】図13に示すように、患者(つまり、ター
ゲット6)の移動を最大限行うことにより、多葉コリメ
ータの先行して移動させる側のリーフ群を動かさずに実
施の形態3の場合と同等の照射が行える。
【0134】実施の形態3では、その先行して移動させ
る側のリーフ群をターゲットを静止したものと捉える座
標系で捉えたに過ぎないので、ターゲットとその先行し
て移動させる側のリーフ群との間の実施の形態3で示さ
れる相対的な位置関係が保たれれば、機器への設定パラ
メータをターゲットを静止したものと捉える座標系から
先行して移動させる側のリーフ群を静止したものと捉え
る座標系に変換することで、実施の形態3の場合と同様
な照射を行うことができる。
【0135】即ち、例えば、ビームの照射に際しての制
御命令中で、ターゲットに対してリーフをどう動かすか
と捉えていたものを、リーフに対してターゲットをどう
動かすかと捉えればよい。
【0136】但し、ターゲットを移動させることによ
り、ターゲットに対して照射されるビームの拡散の仕方
が変わるので、多葉コリメータのリーフのスライド方向
に関して平行に分割したものを線量計算領域として採用
する。
【0137】また、ビーム拡散による減衰効果はビーム
焦点からの幾何学的距離の2乗に反比例するのではな
く、単に反比例するだけなので、ウェイトの算出式であ
る式(11)中のL2をLで置き換えウェイトを単位角
度あたりの粒子数で定義する必要がある。
【0138】従って、上記実施の形態5によれば、実施
の形態3の場合と同様な効果が得られるだけでなく、患
者の移動をすることで、実施の形態3の場合と比較し
て、多葉コリメータのリーフの移動により照射できる領
域以上のより大きな照射領域を得ることができる。
【0139】また、多葉コリメータの各リーフは1ボク
セル分の開閉で済むから、多葉コリメータの設定角度を
一意に固定することでワブラー電磁石は一つにすること
ができる。尚、X線治療への適応が可能な点は実施の形
態3の場合と同様である。
【0140】実施の形態6.また、実施の形態4で示し
た、多葉コリメータのリーフの開閉動作(タイミング)
の調節により、照射野内の強度変調を行って照射を実現
する照射方法の変形として、実施の形態5と同様に、患
者(ターゲット6)の移動を行うことにより多葉コリメ
ータのリーフの移動を最小限のものとし、患者(ターゲ
ット6)の照射領域を拡大する方法が考えられる。
【0141】図13に示すように患者(つまり、ターゲ
ット6)の移動を最大限行うことにより、多葉コリメー
タの先行リーフ群を完全に固定したままで実施の形態4
と同等の照射が行える。これは実施の形態5で説明した
通り、即ち、実施の形態4では、その先行して移動させ
る側のリーフ群をターゲットを静止したものと捉える座
標系で捉えたに過ぎないので、ターゲット6とその先行
して移動させる側のリーフ群との間の実施の形態4で示
される相対的な位置関係が保たれれば、機器への設定パ
ラメータをターゲットを静止したものと捉える座標系か
ら先行して移動させる側のリーフ群を静止したものと捉
える座標系に変換することで、実施の形態4の場合と同
様な照射を行うことができる。
【0142】但し、実施の形態6においても、実施の形
態5の場合と同様な、ボクセルの分割方法の変更、ビー
ム焦点からの幾何学的距離による減衰効果とウェイトの
算出式の変更が同然に必要となる。
【0143】従って、上記実施の形態6によれば、実施
の形態4の場合と同様な効果が得られるだけでなく、患
者の移動をすることで、実施の形態4の場合と比較し
て、多葉コリメータのリーフの移動により照射できる領
域以上のより大きな照射領域を得ることができ、多葉コ
リメータ、ビーム拡大器の構成を簡素化することができ
る。
【0144】尚、この方法もX線等の荷電粒子線以外の
放射線による治療への適応が可能な点は実施の形態4の
場合と同様である。
【0145】実施の形態7.実施の形態7に示す照射方
法は、高速に細かく繰り返し計測される粒子強度の関数
に基づいて各機器を連続的に(即ち、細かく)制御する
ことで三次元の照射を実現するものである。このため、
アナログ式レンジシフタや多葉コリメータのように決ま
ったステップ幅で断続的に移動する機器ではなく連続的
な移動を行う機器の制御に適している。
【0146】前述したような決まったステップ幅で不連
続に移動させるデジタル的制御では、対象がアナログ的
機器であっても移動を断続的に行わせるため、高加速度
を与えて移動させる高精度な機構等が必要となるが、連
続的な移動を行わせるアナログ的制御では高加速度を必
要とせず、移動は定常的なものとなるので、このような
機構等が不要になる。実施の形態7では、説明の便宜
上、実施の形態1又は2に示した三次元の照射方法の改
良として分割層への照射を連続的に制御する例を説明す
る。
【0147】実施の形態7でも、各機器に連続的な移動
を行わせる制御命令(手順リスト)は実施の形態1又は
2に示した手順と概同様な手順で作成されるが、各々の
機器において連続的な細かな移動を行わせるためにその
手順を以下のように一部修正する必要がある。
【0148】即ち、照射制御の基準となるモニタ線量を
近似関数等を用いて連続関数として捉える必要がある。
その手法は以下に示すようなものである。
【0149】実施の形態1及び2では分割層の厚さを線
量特性のSOBP幅に合わせたが、ここでは両者の大き
さを独立に扱い、連続的な細かな制御を考慮して、分割
層の厚さ、即ち前出の図4で示したビン幅をさらに細か
な大きさとし、照射するビームの線量特性をヒストグラ
ム化する。
【0150】そして、線量特性のピークとなるビンの部
分の高線量領域部分を照射に使用する部分(ターゲット
に高線量を与えるために使用する部分)として採用す
る。
【0151】そして、照射に際しては、始めに、ビーム
のその照射部分が最初に照射される飛程(そのビンの部
分が到達する体内深さ)を、例えばターゲットの体内深
さ最深部に合わせて照射し、以下、ターゲットの体内深
さ最深部からビームが入射される側の面に向けて分割層
への照射を順次に行うことで、三次元の照射を行うこと
ができる。
【0152】ここで、このような連続的な制御に伴い、
例えば、照射制御の基準となる積分モニタ線量について
は、ビーム照射の毎に部分照射nに対して最適な積分モ
ニタ線量Ssnを以下に説明するように連続関数として求
めたものを採用すればよい。
【0153】ここでは、連続的に制御される機器の一例
として飛程調節機器を考える。飛程調節量から直接に定
まる第n番目の分割層の体内深さ中央値Xpnを考える。
部分照射nでの照射スイープsの積分モニタ線量Sn
間の関係を多項式で近似する。
【0154】多項式の次数をNDとすると、ピーク部
(ヒストグラム化されたビームのターゲットに高線量を
与えるために使用する部分)の体内深さXpは、積分モ
ニタ線量Sの連続関数(近似関数)として式(17)の
ように把握できる。
【0155】
【数9】
【0156】そして、スイープs(s=1、2、・・
・、NSW)に対する(ND+1)個の係数asm(sm=
1、2、・・・、ND)は、単純な最小二乗法により、
式(18)のように与えられる(ND+1)個の連立方
程式を解くことにより求められる。
【0157】
【数10】
【0158】これにより、各照射に際しての照射制御の
基準となる部分照射に対して最適な積分モニタ線量が連
続関数(近似関数)として把握できる。
【0159】ビーム拡大機器、多葉コリメータ、治療台
位置等、ビーム照射ごとに変化する各機器のパラメータ
(設定値)の調節の場合も同様であり、ビン幅をさらに
細かな大きさにして積分モニタ線量を連続関数として捉
えたことに対応して各機器のパラメータを細かく設定す
ることができる。
【0160】出力された各機器に制御命令に対応する多
項式の係数、照射を止めるための最終積分モニタ線量を
用いて、制御計算機が行う上述した機器制御の処理をフ
ローチャートで示せば図14に示すようなものになる。
【0161】従って、上記実施の形態7によれば、患部
に照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画
段階において予め明らかにし、また、その線量分布に対
応した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの
自由度の高い照射を行うことができる。
【0162】また、機器の設定値の変更に要する時間の
大半は機器の機械的移動に要すると考えられるが、変更
量は繰り返しの頻度が高くなるほど小さくなり、変更に
要する時間はその分小さくなる。従って、このような積
分モニタ線量を連続関数(近似関数)として把握するこ
とで、設定値変更に要する時間は読み出し頻度によら
ず、むしろ機器の機械的移動に要する加減速が少なくな
って、アナログ的な移動を行う機構の連続制御が容易に
なる。
【0163】実施の形態8.実施の形態7で説明した連
続的な制御の手順を、実施の形態4及び6で説明した瞬
間的照射野を最大にする強度変調を伴う三次元照射方法
へ適用してもよい。機器への制御命令を作成する基礎と
なるウエイト、モニタ線量等及び制御命令を作成する手
順は実施の形態7の場合と同様である。但し、連続的に
制御されるのは各分割層への照射で照射条件が変化する
機器の設定値であり、それらは照射条件の変化の毎に連
続的な制御を行うための多項式を与える。
【0164】手順リストの作成に関しては、実施の形態
4及び6で述べた方法に従うが、線量算出のためのボク
セルについて連続関数化に対応して多葉コリメータのリ
ーフのスライド方向の分割を細かくする必要がある。そ
して、作成された各スライス毎の手順リストも実施の形
態7で示した連続関数として捉えた積分モニタ線量に従
って連続関数として把握すればよい。
【0165】この場合、連続的に制御されるのは多葉コ
リメータの各リーフ位置、治療台位置、ワブラー磁石の
設定値等、ある分割された領域の照射中に変化する機器
の設定値であり、制御命令として制御計算機に渡される
のは、各分割層への照射で固定される機器の設定値、各
分割層への照射中に変化する機器の設定値の多項式係
数、各スライス照射の終了積分モニタ線量である。
【0166】図15に示すように、制御計算機は受け取
った連続関数化としての積分モニタ線量を照射させる制
御情報に基づいて、各分割層への照射中に多葉コリメー
タ等の機器の連続制御を実行し、積分モニタ線量に基づ
いた照射の制御を行って、分割層から分割層への移動の
間はレンジシフタ等の機器の設定変更を行えばよい。
【0167】従って、上記実施の形態8によれば、患部
に照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画
段階において予め明らかにし、また、その線量分布に対
応した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの
自由度の高い照射を行うことができる。
【0168】また、機器の設定値の変更に要する時間の
大半は機器の機械的移動に要すると考えられるが、変更
量は繰り返しの頻度が高くなるほど小さくなり、変更に
要する時間はその分小さくなる。従って、このような積
分モニタ線量を連続関数(近似関数)として把握するこ
とで、設定値変更に要する時間は読み出し頻度によら
ず、むしろ機器の機械的移動に要する加減速が少なくな
って、アナログ的な移動を行う機構の連続制御が容易に
なる。
【0169】
【発明の効果】この発明によれば、ビーム照射装置から
ターゲットに照射される粒子線ビームの高線量領域部分
の飛程に基づいてターゲットを層に分割するための分割
間隔を定める第1の工程と、第1の工程で定められた分
割間隔に基づいてターゲットを層に分割する第2の工程
と、ターゲット全体に照射される予め定められた線量と
粒子線ビームの高線量領域部分に対応するビームの強さ
とに基づいて第2の工程で分割された層それぞれに照射
される線量を求める第3の工程と、第2の工程で分割さ
れた層の中の予め定められた層へ照射される粒子線ビー
ムの強度が第3の工程で求められた予め定められた層へ
照射される線量に達するタイミングを求める第4の工程
と、ビーム照射装置とターゲットとの間に配置された照
射範囲形成手段により層の積層方向と直交する方向の照
射範囲を粒子線ビームが照射される層毎に定め、ビーム
照射装置によりビームを照射し、第4の工程で求めたタ
イミングにより粒子線ビームが照射される層を切り替え
る第5の工程とを備えたので、患部に照射する三次元的
に形成された線量分布を照射の計画段階において予め明
らかにし、また、その線量分布に対応した機器のパラメ
ータの設定を可能にして計画通りの照射を行うことので
きる照射方法を得ることができる。
【0170】また、ビーム照射装置からターゲットに照
射される粒子線ビームの高線量領域部分の飛程に基づい
てターゲットを層に分割するための分割間隔を定める第
1の工程と、第1の工程で定められた分割間隔に基づい
てターゲットを粒子線ビームが入射される体表面の形状
に沿った一定の間隔で層に分割する第2の工程と、ター
ゲット全体に照射される予め定められた線量と粒子線ビ
ームの高線量領域部分に対応するビームの強さとに基づ
いて第2の工程で分割された各層の中の単位領域に照射
される線量を求める第3の工程と、第2の工程で分割さ
れた層の中の予め定められた層へ照射される粒子線ビー
ムの強さが第3の工程で求められた予め定められた層の
中の単位領域に照射される線量に達するタイミングを求
める第4の工程と、ビーム照射装置とターゲットとの間
に配置された照射範囲形成手段により層の積層方向と直
交する方向の照射範囲を粒子線ビームが照射される単位
領域毎に定め、ビーム照射装置によりビームを照射し、
第4の工程で求めたタイミングにより粒子線ビームが照
射される単位領域を切り替える第5の工程とを備えたも
のである。患部に照射する三次元的に形成された線量分
布を照射の計画段階において予め明らかにし、また、そ
の線量分布に対応した機器のパラメータの設定を可能に
して計画通りの照射を行うことのできる照射方法を得る
ことができる。
【0171】また、第5の工程は、照射範囲形成手段を
構成する多葉コリメータが、全てのリーフ対が閉じた状
態でビームが照射される範囲の前で待機する工程と、リ
ーフ対の一方側のリーフ全てを同時に動かし照射される
範囲に対応する分だけ多葉コリメータを開け照射される
範囲へのビームの照射を開始する工程と、照射される範
囲毎のタイミングに達した時点でリーフ対の他方側のリ
ーフを動かして多葉コリメータを閉じ照射される範囲へ
のビームの照射を停止する工程とからなるので、患部に
照射する三次元的に形成された線量分布を照射の計画段
階において予め明らかにし、また、その線量分布に対応
した機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの照
射を行うことのできる照射方法を得ることができる。
【0172】また、第5の工程は、照射範囲形成手段を
構成する多葉コリメータが、全てのリーフ対が閉じた状
態でビームが照射される範囲の前で待機する工程と、リ
ーフ対の一方側のリーフ全てを同時に動かし照射される
範囲に対応する分だけ多葉コリメータを開け照射される
範囲へのビームの照射を開始する工程と、照射される範
囲毎のタイミングに達した時点で他方側のリーフを動か
して照射される範囲への照射を停止し、一方側のリーフ
群を全て同時に動かして次に照射される範囲に対応する
分だけ多葉コリメータを開け次に照射される範囲へのビ
ームの照射を開始する工程とからなるので、患部に照射
する三次元的に形成された線量分布を照射の計画段階に
おいて予め明らかにし、また、その線量分布に対応した
機器のパラメータの設定を可能にして計画通りの照射を
行うことのできる照射方法を得ることができる。
【0173】また、タイミングは、複数の予め定められ
た単位領域と単位領域でのタイミングとの関係から求め
られた近似関数から推定されるので、患部に照射する三
次元的に形成された線量分布を照射の計画段階において
予め明らかにし、また、その線量分布に対応した機器の
パラメータの設定を可能にして計画通りの照射を行うこ
とのできる照射方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る照射方法の説明図であ
る。
【図2】 実施の形態1に係る照射方法の説明図であ
る。
【図3】 実施の形態1に係る照射方法の説明図であ
る。
【図4】 実施の形態1に係る照射方法の説明図であ
る。
【図5】 実施の形態1に係る照射方法の説明図であ
る。
【図6】 実施の形態2に係る照射方法の説明図であ
る。
【図7】 実施の形態2に係る照射方法の説明図であ
る。
【図8】 実施の形態2に係る照射方法の説明図であ
る。
【図9】 実施の形態3に係る照射方法の説明図であ
る。
【図10】 実施の形態3に係る照射方法の説明図であ
る。
【図11】 実施の形態4に係る照射方法の説明図であ
る。
【図12】 実施の形態5に係る照射方法の説明図であ
る。
【図13】 実施の形態6に係る照射方法の説明図であ
る。
【図14】 実施の形態7に係る照射方法の説明図であ
る。
【図15】 実施の形態8に係る照射方法の説明図であ
る。
【図16】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【図17】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【図18】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【図19】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【図20】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【図21】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【図22】 従来のビームの照射方法の説明図である。
【符号の説明】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビーム照射装置からターゲットに照射さ
    れる粒子線ビームの高線量領域部分の飛程に基づいて前
    記ターゲットを層に分割するための分割間隔を定める第
    1の工程と、 前記第1の工程で定められた前記分割間隔に基づいて前
    記ターゲットを前記層に分割する第2の工程と、 前記ターゲット全体に照射される予め定められた線量と
    前記粒子線ビームの高線量領域部分に対応するビームの
    強さとに基づいて前記第2の工程で分割された層それぞ
    れに照射される線量を求める第3の工程と、 前記第2の工程で分割された層の中の予め定められた層
    へ照射される前記粒子線ビームの強度が前記第3の工程
    で求められた前記予め定められた層へ照射される線量に
    達するタイミングを求める第4の工程と、 前記ビーム照射装置と前記ターゲットとの間に配置され
    た照射範囲形成手段により前記層の積層方向と直交する
    方向の照射範囲を前記粒子線ビームが照射される層毎に
    定め、前記ビーム照射装置によりビームを照射し、前記
    第4の工程で求めた前記タイミングにより前記粒子線ビ
    ームが照射される層を切り替える第5の工程とを備えた
    ことを特徴とする照射方法。
  2. 【請求項2】 ビーム照射装置からターゲットに照射さ
    れる粒子線ビームの高線量領域部分の飛程に基づいて前
    記ターゲットを層に分割するための分割間隔を定める第
    1の工程と、 前記第1の工程で定められた前記分割間隔に基づいて前
    記ターゲットを前記粒子線ビームが入射される体表面の
    形状に沿った一定の間隔で層に分割する第2の工程と、 前記ターゲット全体に照射される予め定められた線量と
    前記粒子線ビームの高線量領域部分に対応するビームの
    強さとに基づいて前記第2の工程で分割された各層の中
    の単位領域に照射される線量を求める第3の工程と、 前記第2の工程で分割された層の中の予め定められた層
    へ照射される前記粒子線ビームの強さが前記第3の工程
    で求められた前記予め定められた層の中の単位領域に照
    射される線量に達するタイミングを求める第4の工程
    と、 前記ビーム照射装置と前記ターゲットとの間に配置され
    た照射範囲形成手段により前記層の積層方向と直交する
    方向の照射範囲を前記粒子線ビームが照射される単位領
    域毎に定め、前記ビーム照射装置によりビームを照射
    し、前記第4の工程で求めた前記タイミングにより前記
    粒子線ビームが照射される単位領域を切り替える第5の
    工程とを備えたことを特徴とする照射方法。
  3. 【請求項3】 第5の工程は、照射範囲形成手段を構成
    する多葉コリメータが、全てのリーフ対が閉じた状態で
    ビームが照射される範囲の前で待機する工程と、 前記リーフ対の一方側のリーフ全てを同時に動かし前記
    照射される範囲に対応する分だけ前記多葉コリメータを
    開け前記照射される範囲へのビームの照射を開始する工
    程と、 前記照射される範囲毎のタイミングに達した時点で前記
    リーフ対の他方側のリーフを動かして前記多葉コリメー
    タを閉じ前記照射される範囲へのビームの照射を停止す
    る工程とからなることを特徴とする請求項2に記載の照
    射方法。
  4. 【請求項4】 第5の工程は、照射範囲形成手段を構成
    する多葉コリメータが、全てのリーフ対が閉じた状態で
    ビームが照射される範囲の前で待機する工程と、 前記リーフ対の一方側のリーフ全てを同時に動かし前記
    照射される範囲に対応する分だけ前記多葉コリメータを
    開け前記照射される範囲へのビームの照射を開始する工
    程と、 前記照射される範囲毎のタイミングに達した時点で前記
    他方側のリーフを動かして前記照射される範囲への照射
    を停止し、前記一方側のリーフ群を全て同時に動かして
    次に照射される範囲に対応する分だけ前記多葉コリメー
    タを開け前記次に照射される範囲へのビームの照射を開
    始する工程とからなることを特徴とする請求項2に記載
    の照射方法。
  5. 【請求項5】 タイミングは、複数の予め定められた単
    位領域と該単位領域でのタイミングとの関係から求めら
    れた近似関数から推定されることを特徴とする請求項2
    乃至4のいずれかに記載の照射方法。
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