JPH10311750A - 熱式空気流量センサ - Google Patents

熱式空気流量センサ

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JPH10311750A
JPH10311750A JP9120818A JP12081897A JPH10311750A JP H10311750 A JPH10311750 A JP H10311750A JP 9120818 A JP9120818 A JP 9120818A JP 12081897 A JP12081897 A JP 12081897A JP H10311750 A JPH10311750 A JP H10311750A
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JP
Japan
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temperature
polycrystalline silicon
air flow
resistance
resistor
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JP9120818A
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Masamichi Yamada
雅通 山田
Satoshi Shimada
嶋田  智
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気流量計測において空気温度依存がなく検出
感度の優れた熱式空気流量センサを提供する。 【解決手段】熱式空気流量センサは、 半導体形態を成
す基板2上に、発熱抵抗体5,6と測温抵抗体4と空気
温度測温抵抗体7とを含み形成し、空気流量を計測する
に、少なくとも測温抵抗体4は、多結晶ケイ素(Si)及
び多結晶炭化ケイ素(SiC)の混合した半導体薄膜で形
成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式空気流量セン
サに係り、特に内燃機関の吸入空気量を測定する熱式空
気流量計に好適な熱式空気流量センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車などの内燃機関の電子制
御燃料噴射装置に設けられ吸入空気量を測定する空気流
量計に用いられる熱式空気流量センサとしては、熱式の
ものが質量空気量を直接検知できることから主流となっ
てきている。この中で特に、半導体マイクロマシニング
技術により製造された熱式空気流量センサが、コストが
低減でき且つ低電力で駆動することが出来ることから注
目されてきた。このような熱式空気流量センサの従来技
術としては、 例えば、特開平8-54269号公報に開示され
ているものがあり、また他の公知技術によれば、測温抵
抗体などに多結晶ケイ素(Si)からなる単独多結晶体が
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
には、吸入空気量の測定に際して、空気温度の温度依存
に関して考慮されておらず、また、流量計測精度におい
て十分でないなどといった点に解決すべき課題がある。
即ち、上記特開平8-54269号公報においては、半導体基
板上に絶縁膜を介して、発熱抵抗体として多結晶ケイ素
が使用されているが、空気温度を検出する測温抵抗体が
形成されていない為に空気温度が変化した場合に被測定
空気の流量に対応した出力が誤差を持つという問題があ
る。
【0004】また、測温抵抗体などに多結晶ケイ素(Si
即ちポリシリコン)を使用しているものがあるが、測温
抵抗体としての検出感度に重要な要素を占める電気抵抗
値の温度係数(抵抗温度係数α)が高々±3000ppm
/K以下程度であり流量計測精度が十分でない等の問題
があった。さらに、抵抗温度係数(α)が大きい例として
は、 特開昭61-235725号公報に示されているような、サ
ーミスタ材を用いた例があるが、サーミスタ材の場合に
は多結晶ケイ素に比較して、比抵抗(ρ)が一桁以上大き
く、所定の抵抗値の抵抗体を得ようとした場合に、 抵
抗パターン(或いは膜厚)が大きくなりすぎて不経済であ
るという問題がある。
【0005】従って、本発明の目的は、抵抗温度係数と
比抵抗とを両立させ、流量計測の検出感度性及び経済性
を改善した熱式空気流量センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、半導体基板
上に発熱抵抗体と測温抵抗体とを含み形成し空気流量を
計測する熱式空気流量センサにおいて、少なくとも前記
測温抵抗体は、多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ
素(SiC)の混合した半導体薄膜で形成することにより
達成される。
【0007】また、本発明による熱式空気流量センサの
他の特徴は、半導体基板上に電気絶縁膜を介して発熱抵
抗体と測温抵抗体とを含み形成し空気流量を計測する熱
式空気流量センサにおいて、 少なくとも前記測温抵抗
体は、多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)
を混合し、 かつ、抵抗温度係数(α)と比抵抗(ρ)をバ
ランスの取れた所定値にドーピングした半導体薄膜で形
成するところにある。
【0008】本発明によれば、少なくとも測温抵抗体
に、 多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)
の混合した半導体薄膜を用いるので、 抵抗温度係数
(α)と比抵抗(ρ)とが両立し検出感度性及び経済性の向
上が図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明によ
る一実施例の熱式空気流量センサを示す平面図である。
第1の実施の形態としての第1実施例を示している。図
2は、図1の熱式空気流量センサのA−A’断面図であ
る。
【0010】図1,2において、熱式空気流量センサと
しての測定素子1は、シリコン等の基板2と、該基板2
の下面より異方性エッチングにより電気絶縁膜10(1
0a,10b)の境界面まで形成された空洞3と、 電気
絶縁膜10a上に形成された上流側発熱抵抗体5及び下
流側発熱抵抗体6と、各発熱抵抗体の温度を検知するた
めの測温抵抗体4と、基板2の先端部に形成された空気
温度を計測する為の空気温度測温抵抗体7と、測定素子
1の信号を外部回路と接続するための各端子電極8(8
a,8b,8c,8d,8e,8f,8g)と、各抵抗体を保
護するための電気絶縁膜10bとから構成される。ここ
で、第1実施例においては、各抵抗体4,5,6,7は、
共に、多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)
の混合した半導体薄膜より形成されている。
【0011】ここで、一対の発熱抵抗体5,6は、電気
的に直列接続されており、接続点(中間タップ)Dは 引
出電極により端子電極8fに接続されている。空洞3に
より熱絶縁された電気絶縁膜10a上に形成された前記
一対の発熱抵抗体5,6には、発熱抵抗体5,6の温度
を検出する測温抵抗体4の温度が空気流9の温度を示す
空気温度測温抵抗体7の温度より一定温度高くなるよう
に、加熱(傍熱)電流が流されている。
【0012】空気流9の方向は、測温抵抗体4に対して
対称に形成された発熱抵抗体5及び6の温度(抵抗値)を
比較することにより検知される。つまり、発熱抵抗体
5,6は、空気流が零のときは測温抵抗体の温度とほぼ
同じ温度を示し、温度差が生じない。一方、図1の空気
流9の方向(順流)では主に上流側に配置された発熱抵抗
体5の方が下流側に配置された発熱抵抗体6より空気流
9による冷却効果が大きいこと、また、発熱抵抗体5,
6は直列接続であり同じ加熱電流が流れていることから
発熱量はほぼ一定であることから、上流側の発熱抵抗体
5の温度が発熱抵抗体6の温度より低い値となる。
【0013】また、空気流が図1の方向と反対(逆流)の
ときには、今度は下流側の発熱抵抗体6の温度の方が上
流側の発熱抵抗体5の温度より低くなる。このように発
熱抵抗体5,6の温度(抵抗値)を比較することにより空
気流9の方向が検知できる。一方、空気流量の計測は、
測温抵抗体4を空気温度測温抵抗体7より一定温度高く
制御するために、発熱抵抗体5,6に流す加熱(傍熱)電
流値より計測する。この様に本実施例では、空気流の方
向と流量の検出が可能となっている。
【0014】次に、本実施例の熱式空気流量センサの具
体例について、図1,2及び図7を参照して説明する。
まず、シリコン半導体の基板2上に電気絶縁体10aと
して二酸化ケイ素,窒化ケイ素等を、 約0.5ミクロン
の厚さで熱酸化あるいはCVD等の方法で形成する。更
に、各抵抗体4,5,6,7として多結晶ケイ素(Si)及び
多結晶炭化ケイ素(SiC)の混合した半導体薄膜を、 約
1ミクロンの厚さでCVD等の方法で形成後、公知のホ
トリソグラフィ技術によりレジストを所定の形状に形成
した後に、反応性イオンエッチング等の方法により半導
体薄膜をパターニングする。
【0015】次に、端子電極8をアルミニーム,金等で
形成した後に、端子電極8以外の部分を保護膜として電
気絶縁体10bを、 先と同様に約0.5ミクロンの厚さ
に形成する。最後に、基板2の裏面より二酸化ケイ素等
をマスク材として、異方性エッチングすることにより空
洞3を形成し、チップに切断することにより測定素子1
が得られる。
【0016】ここで、各抵抗体とする多結晶ケイ素(S
i)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)を混合した本発明によ
る半導体薄膜は、プラズマを用いたLPCVDあるいは
電子サイクロトロン共鳴を用いたECR−PCVD、マ
イクロ波を用いたCVD等の方法にて形成する。 そし
て、より良い特性の多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化
ケイ素(SiC)の混合した半導体薄膜を得る為には、原
料ガスとなるモノシラン(SiH4),メタン(CH4),
ホスフィン(PH3),水素(H2)等を用いて、多結晶ケ
イ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)の組成比を制御
することによって、達成される。 具体的には、モノシ
ラン(SiH4)とメタン(CH4)のガス流量比を変える
ことによって、組成比の制御が実現でき、 そして、後
述するように、Si及びSiCの混合体半導体薄膜は、原
子比で多結晶ケイ素(Si)が多結晶炭化ケイ素(SiC)よ
り大きい(多い)組成である方が両立させるにおいて、
望ましいことが判明している。
【0017】また、ドープ材としての燐(P)の量は、ホ
スフィン(PH3)ガスの流量により制御できる。更に、
膜特性の制御するために、水素(H2)のガス流量を、膜
を形成するときの半導体基板の温度を、半導体基板に加
えるバイアス電圧を、プラズマの入力電力等々を適切に
制御して、膜特性の優れた「多結晶ケイ素(Si)及び多結
晶炭化ケイ素(SiC)の混合した半導体薄膜」を形成す
る。
【0018】図7は、多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭
化ケイ素(SiC)の混合した半導体薄膜からなる抵抗体
の温度特性を示す図である。本発明による抵抗体と従来
の抵抗体(の抵抗値)の温度依存性を比較して示してい
る。多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)の
混合した半導体薄膜からなる抵抗体は、どちらかと言え
ば、一般的なサーミスタの抵抗−温度特性に近い特性を
示している。従って、本発明による熱式空気流量センサ
の特性は、適用温度範囲が狭いので、近似的に(数1)式
で表わされる。 R/R0=(1+α・(T−T0)) (数1) ここで、Rは温度(T)における半導体膜の抵抗値、R0
は温度(T0)における半導体膜の抵抗値、αは抵抗温度
係数である。抵抗温度係数(α)が大きい方が温度に対し
ての抵抗値の変化が大きくとれることから、熱式空気流
量センサとしては、検出感度が良くなり空気流量の測定
精度が向上すると言える。
【0019】図7において、 多結晶ケイ素(Si)の単独
にて抵抗体を構成した従来例の場合の抵抗−温度特性
は、従来例の特性領域22として示したように、勾配が
小さいものとなっている。 このように、単独多結晶ケ
イ素(Si)からなる測温抵抗体では、測温抵抗体の抵抗
温度係数(α)が、高々±3000(ppm/K)以下程度
である。そして、図7の100(℃)を基準とした場合に
おいて、温度が100(℃)変化した200(℃)の点にお
いては、 抵抗値の変化(R/R0値のマイナス側変化)
は、−0.3倍以下の変化しか得られないことが分か
る。
【0020】これに対して、本実施例の多結晶ケイ素
(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)を混合した半導体薄
膜の場合には、図7の実施例の特性領域23に示したよ
うに、勾配が大きくなり、即ち、抵抗値の温度依存が大
きくなり、同じく200(℃)の点において、抵抗値の変
化(R/R0値のマイナス側変化)が、−0.5〜−0.9
倍の変化を示すことが分かった。 これを、 抵抗温度
係数(α)に換算すれば、±5000〜±9000(pp
m/K)程度になることに相当する。
【0021】ここで、半導体に関する抵抗温度係数(α)
と比抵抗(ρ)とドーピングについて説明する。 多結晶
ケイ素(Si)の単独からなる抵抗体(即ち、半導体)に、
n形またはp形のドーピング材を用いてドーピングした
(ドープ処理した)場合は、ドーピング材のドープ量が増
すほど、抵抗温度係数(α)と比抵抗(ρ)が共に減少する
傾向を示すことが知られている。従って、大きな抵抗温
度係数(α)と小さな比抵抗(ρ)とを得ることはできず、
前述したように、検出感度性と経済性が両立しないこと
になる。一方、サーミスタ材を利用した抵抗体では、抵
抗温度係数(α)と比抵抗(ρ)とが共に大きく、やはり両
立しないことになる。
【0022】これに対して、本発明による多結晶ケイ素
(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)を混合した半導体薄
膜からなる抵抗体では、前述のように、大きな抵抗温度
係数(α)を示すことが判明している。そして、比抵抗
(ρ)に関して検討したところ、Si及びSiCの混合した
半導体薄膜であれば、その比抵抗(ρ)の範囲を、多結晶
ケイ素(Si)単体が有する比抵抗のρ=〜1(mΩ−cm)
と、 多結晶炭化ケイ素(SiC)単体が有する比抵抗の
ρ=〜30(mΩ−cm)との間に調節できることが分かっ
た。換言すれば、比抵抗(ρ)を広い範囲の値に制御する
ことが可能となり、従来技術の単独多結晶ケイ素または
サーミスタ材からなる抵抗体に比べて、抵抗温度係数と
比抵抗のバランスを取って、検出感度性と経済性とを両
立させることが実現するという、設計自由度の高い選択
が可能となることが判明した。即ち、抵抗温度係数(α)
と比抵抗(ρ)との各値をバランスが取れた所定値にドー
ピング設定して、目的を達成する所望の大きな抵抗温度
係数(α)と小さな比抵抗(ρ)とを得ることができること
が分かった。
【0023】具体的には、燐をドーピング材に採用し、
かつ、多結晶炭化ケイ素の量を多結晶ケイ素の量よりも
少な目にして、本実施例の発熱抵抗体5,6の抵抗値と
しては、電源電圧及び発熱量の関係から50〜900
Ω、測温抵抗体4,7の抵抗値としては1〜5kΩに選
択調整した。本実施例のように、抵抗温度係数(α)と比
抵抗(ρ)とのバランスが所定値になるようにドーピング
した半導体薄膜から形成した各抵抗体を用いた結果、流
量計測の検出感度性及び経済性を改善した熱式空気流量
センサが得られた。
【0024】なお、燐をドーピング材に採用したのは、
燐の電気活性化率が最も高く比抵抗の低減効果が大きい
からであり、且つ、比抵抗(ρ)を低減しつつ大きな抵抗
温度係数(α)を維持することができるからである。 ま
た、多結晶炭化ケイ素(SiC)の量を多結晶ケイ素(Si)
の量よりも少な目にしたのは SiCの(ρ)>Siの(ρ)
の関係から、比抵抗(ρ)の値を極力大きくしないためで
ある。
【0025】ところで、本実施例では、半導体薄膜に対
する燐(P)ドープ処理を、半導体薄膜の形成時にホスフ
ィン(PH3)ガスを導入して実施しているが、燐(P)ド
ープ処理に関しては、半導体薄膜形成後に所定のパター
ン領域に限って、燐(P)イオン注入あるいは拡散剤塗布
後の熱処理拡散を行って実施しても可である。また、n
形のドーピング材としては、燐以外に、窒素,アンチモ
ン,砒素等がある。そしてp形のドーピング材には、ア
ルミ,硼素などがある。しかし、p形はn形に比べて電
気活性化率が低いのでn形の方が望ましい。さらに、本
実施例では、抵抗体4,5,6,7の全てを、多結晶ケイ
素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)からなる混合体を
主に含む半導体薄膜としたが、 発熱抵抗体5または発
熱抵抗体6または測温抵抗体4または空気温度測温抵抗
体7のうち少なくとも測温抵抗体4及び空気温度測温抵
抗体7は、 多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素
(SiC)の混合した半導体薄膜から構成し、 発熱抵抗体
5及び6は他の白金等の金属もしくは多結晶ケイ素(S
i)で構成したとしても、 本実施例の効果と同様な効果
が得られることは明らかである。
【0026】図3は、図1の熱式空気流量センサを実装
した一実施例の熱式空気流量計を示す断面図である。例
えば、自動車等の内燃機関の吸気通路に熱式空気流量セ
ンサを実装したの熱式空気流量計の実装例を示す断面図
である。熱式空気流量計は、図のように、熱式空気流量
センサとしての測定素子1と支持体13と外部回路14
とを含み構成される。そして吸気通路11の内部にある
副通路12に、測定素子1が配置される。外部回路14
は支持体13を介して測定素子1の端子電極8に電気的
に接続されている。ここで、通常では吸入空気は空気流
9で示された方向に流れており、ある内燃機関の条件に
よって図示の空気流9とは逆の方向(逆流)に吸入空気が
流れる。
【0027】図4は、図3の部分拡大図である。測定素
子1及び支持体13を拡大して示している。図5は、図
4のB−B’断面図である。図4及び図5に見るよう
に、測定素子1は、支持体13b上に空気温度測温抵抗
体7の表裏面が空気流9に直接晒されるように固定さ
れ、更に、アルミナ等の電気絶縁基板上に端子電極15
及び信号処理回路が形成された外部回路14が、同じく
支持体13b上に固定される。この測定素子1と外部回
路14は、端子電極8及び15間を金線16等でワイヤ
ボンディングにより電気的に接続された後に、金線1
6、電極端子8,15や外部回路14を保護するために
支持体13aにより密封保護される。
【0028】次に、図6を参照し、上記実施例の構成の
動作について説明する。図6は、図1の測定素子1の抵
抗体4,5,6,7と信号処理のための外部回路14を
示したものである。図中、17は電源、18は発熱抵抗
体5,6に加熱(傍熱)電流を流すためのトランジスタ、
19a,19b,19cは抵抗、20はA/D変換器等
を含む入力回路とD/A変換器等を含む出力回路と演算
処理等を行うCPUからなる制御回路、21はメモリ回
路である。
【0029】ここで、測温抵抗体4、空気温度測温抵抗
体7、抵抗19b,19cよりなるブリッジ回路の端子
F,Gの電圧が制御回路20に入力され、発熱抵抗体
5,6から傍熱された測温抵抗体4の温度(Th)が空気
温度に対応する空気温度測温抵抗体7の温度(Ta)よ
り、ある一定値(例えばΔTh=150℃)高くなるよう
各抵抗値が設定され、制御回路20により制御される。
測温抵抗体4の温度が設定値より低い場合には、制御回
路20の出力によりトランジスタ18がオンし、発熱抵
抗体5,6に加熱電流が流れる。一方、設定温度より高
くなると、トランジスタ18がオフするように制御し、
設定値に一定になるよう制御される。このときの発熱抵
抗体5,6に流す加熱電流値(抵抗19aの電位Eに対
応)が空気流量(Q)となる。
【0030】一方、空気流の方向は、発熱抵抗体5,6
の温度差より検出する。前述のように測温抵抗体4はあ
る一定の基準温度(Th=Ta+ΔTh)に設定されてい
る。発熱抵抗体5,6は直列接続されており同じ加熱電
流が流れる構成であることから、空気流が順流の場合に
は、上流側の発熱抵抗体5がより空気流により熱を奪わ
れることから温度が低くなる。また、空気流が逆流の場
合には、今度は逆に発熱抵抗体6の温度が低くなる。つ
まり、発熱抵抗体5,6の温度(抵抗値)を比較すること
により、空気流の方向が検知できる。
【0031】図6の回路では、発熱抵抗体5,6の温度
(抵抗値)の比較を、直列接続された各抵抗体の両端の電
位により行う。上流側の発熱抵抗体5の温度に対応する
のは図6のC−D点間の電位差であり、下流側の発熱抵
抗体6の温度に対応するのはD−E間の電位差である。
従って、各C,D,E点の電位を制御回路20に入力す
ることにより各発熱抵抗体に対応する電位差から空気流
の方向が検知される。上記のように、空気温度測温抵抗
体7及び測温抵抗体4に本発明による熱式空気流量セン
サを用いる構成とすることにより、従来例の発熱抵抗体
のみで構成されていた熱式空気流量センサに対して、空
気温度が変化したとしても影響を受けずに空気流の方向
を検知し、さらに、高精度に且つ経済的に流量検出する
熱式空気流量計を提供することができる。
【0032】次ぎに、本発明の第二の実施例について説
明する。図8は、本発明による他の実施例の熱式空気流
量センサを示す平面図である。図8に示す第二の実施例
の図1の第一の実施例と異なる点は、抵抗体4、5,6
と端子電極8間に、基板2の支持部側の温度(支持部温
度)を計測するための測温抵抗体24を追加したことで
ある。測温抵抗体24に、本発明による多結晶ケイ素
(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)の混合した半導体薄
膜を用いている。
【0033】自動車等の内燃機関では、内燃機関の熱に
より図3に示した吸気通路11及び支持体13の温度が
上昇し、この熱が測定素子1に伝熱して空気流量の計測
に誤差を生じさせ温度特性を悪くすることがある。これ
に対して、本実施例では、抵抗体4、5,6と端子電極
8間に基板2の支持部側の温度(支持部温度)を計測する
ための測温抵抗体24を追加したことにより、支持部温
度の影響を受けないより流量計測精度の高い熱式空気流
量センサを提供することができる。
【0034】支持体13が温度上昇した場合は、図4に
示したように内燃機関の熱が支持体13bから外部回路
14へ、更に測定素子1の端子電極部8、支持部温度を
計測するための測温抵抗体24、発熱抵抗体5,6、測
温抵抗体4、空気温度測温抵抗体7へと熱伝搬してい
る。このため、空気流量を計測する発熱抵抗体5,6、
測温抵抗体4、空気温度測温抵抗体7に不要な熱が伝搬
し、空気流量の計測精度に悪影響を与える。また、外部
回路14自身の発熱でも同様に不要な熱伝搬がおき計測
精度に悪影響を与えることがある。第二の実施例では、
支持部温度を計測するための測温抵抗体24の出力から
補正を行うことによって、温度特性を改善している。
【0035】図6に示した制御回路20に測温抵抗体2
4の出力(支持部温度)を入力し、予め半導体薄膜の抵抗
−温度関数(図7)及び支持部温度補正データをメモリ2
1に記憶しておけば、 制御回路20のCPUにて演算
処理することにより 空気流量(Q)の支持部温度補正が
可能となる。この様に、測温抵抗体24に抵抗温度係数
(α)の大きい多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素
(SiC)の混合した半導体薄膜を用いたことにより、支
持部温度の検出精度が向上し精度の高い支持部温度補正
が可能となる。
【0036】上記した第一および第二の実施例以外に、
例えば、発熱抵抗体の上下流に測温抵抗体を配置し上下
流の測温抵抗体の温度差から空気流量を計測する温度差
検知方式の様な場合、また、その他いかなる方式の場合
においても、基板2上に形成される測温抵抗体に、多結
晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)の混合した
半導体薄膜を適用することにより、温度の検出感度が高
くなることから空気流量の計測精度が向上することは自
明である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、 測温抵抗体に多結晶
ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(SiC)の混合した半
導体薄膜を用いるので、 経済的で、空気温度依存がな
く検出感度の優れた熱式空気流量センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の熱式空気流量センサを
示す平面図である。
【図2】図1の熱式空気流量センサのA−A’断面図で
ある。
【図3】図1の熱式空気流量センサを実装した一実施例
の熱式空気流量計を示す断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図4のB−B’断面図である。
【図6】図1の測定素子1の抵抗体4,5,6,7と信
号処理のための外部回路14を示したものである。
【図7】多結晶ケイ素(Si)及び多結晶炭化ケイ素(Si
C)の混合した半導体薄膜からなる抵抗体の温度特性を
示す図である。
【図8】本発明による他の実施例の熱式空気流量センサ
を示す平面図である。
【符号の説明】
1…素子、2…基板、3…空洞、4,24…測温抵抗
体、5,6…発熱抵抗体、7…空気温度測温抵抗体、8,
15…端子電極、9…空気流、10,10a,10b…電
気絶縁膜、11…吸気主通路、12…副通路、13,1
3a,13b…支持体、14…外部回路、16…金線、
17…電源、18…トランジスタ、19a,19b,19
c…抵抗、20…制御回路、21…メモリ、22…従来
例の特性領域、23…実施例の特性領域。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に発熱抵抗体と測温抵抗体と
    を含み形成し空気流量を計測する熱式空気流量センサに
    おいて、 少なくとも前記測温抵抗体は、 多結晶ケイ素(Si)及び
    多結晶炭化ケイ素(SiC)の混合した半導体薄膜で形成
    したことを特徴とする熱式空気流量センサ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記半導体薄膜は、ド
    ーピング材によってドープ処理されていることを特徴と
    する熱式空気流量センサ。
  3. 【請求項3】半導体基板上に電気絶縁膜を介して発熱抵
    抗体と測温抵抗体とを含み形成し空気流量を計測する熱
    式空気流量センサにおいて、 少なくとも前記測温抵抗体は、 多結晶ケイ素(Si)及び
    多結晶炭化ケイ素(SiC)を混合し、 かつ、抵抗温度係
    数(α)と比抵抗(ρ)をバランスの取れた所定値にドーピ
    ングした半導体薄膜で形成したことを特徴とする熱式空
    気流量センサ。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、前記ド
    ーピング材は、燐(P)であることを特徴とする熱式空気
    流量センサ。
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