JPH10306852A - 積層エンドレスベルト - Google Patents

積層エンドレスベルト

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JPH10306852A
JPH10306852A JP12621997A JP12621997A JPH10306852A JP H10306852 A JPH10306852 A JP H10306852A JP 12621997 A JP12621997 A JP 12621997A JP 12621997 A JP12621997 A JP 12621997A JP H10306852 A JPH10306852 A JP H10306852A
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JP
Japan
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film
heat
fluororesin
belt
endless belt
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JP12621997A
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Goro Furumoto
五郎 古本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度な耐熱性を有し高温環境下での使用に耐
え、容易に製造可能な長寿命、高性能のベルトを提供す
る。 【解決手段】 積層エンドレスベルトにおいて、350
℃未満の温度で溶融および分解しない高分子材料からな
る耐熱性フィルムの複数層が、320℃未満の温度で溶
融するフッ素樹脂によって互いに接着され、積層された
構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温環境下での使
用が可能なエンドレスベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像形成装置や産業機械設備にお
いて耐熱性や非粘着性、離型性を有するベルト材料が多
量に使用されている。このような耐熱性、離型性を有す
るベルトの材料としては、特開平5ー204255号公
報や特開平5ー305681号公報に記載されている芳
香族ポリイミドや他のプラスチックからなるベルト表面
にフッ素樹脂をコーテングしたものや、特開平5ー82
26号公報に記載されているようなガラス繊維布にフッ
素樹脂をコーテングした後エンドレスに加工したものが
主に用いられてきた。
【0003】しかしながら、ポリイミド等樹脂製のベル
トは、耐熱性にはすぐれるものの、高分子溶液からキャ
ストして製造するため製造できる厚さに限界があり、用
途に応じて変化するベルト厚さの要求に応じきれないた
め極めて限定した分野においてのみ利用できるものでし
かない。また、ガラス繊維布を芯体とするフッ素樹脂コ
ーティングベルトは、使用に伴いガラス繊維の毛羽が発
生しやすく、被処理物の商品価値を消失せしめたりベル
ト自身の寿命を低下せしめている。また、最近の傾向と
して装置の小型化、省力化が唱えられる中、屈曲による
ガラス繊維の折れ易さのため小径のプーリーとの組み合
わせでは寿命が極端に短く実用に耐えなかった。
【0004】これらの問題に対処する技術としてこれま
であまり省みられなかったフィルムを円筒状に積層して
エンドレスベルト化する試みが提案された。特開平7−
125067号公報に芳香族ポリアミドまたはポリイミ
ドのフィルム基材を耐熱接着剤で接着したベルトの製造
法が提案されているが、この製造方法によって得られる
ベルトは、製造において必須のPTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)焼成の高温によって耐熱性フィルムが
劣化してしまいベルトに必要な使用寿命を短くしてしま
うという問題を有している。また、ベルト中に占める耐
熱性フィルムの含有率が低く薄手化が困難で依然として
ベルトの長寿命化や、これを用いる装置の小型化省力化
には適応しきれていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高度な耐熱性
を有し高温環境下での使用に耐え、容易に製造可能な長
寿命、高性能のベルトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フィルム材
料のベルト用途への応用技術について鋭意研究を重ねた
結果、耐熱性フィルムを特定のフッ素樹脂によって接着
積層し円筒状に成形することにより、耐熱性に優れた成
形体を容易に得ることを見いだし、本発明に至った。す
なわち、本発明は、350℃未満の温度で溶融および分
解しない高分子材料からなる耐熱性フィルムの複数層
が、320℃未満の温度で溶融するフッ素樹脂によって
互いに接着され、積層された構造を有するエンドレスベ
ルトに関する。
【0007】本発明のエンドレスベルトは原理上どんな
に厚いものでも、また、どんなに長いものでも自在の寸
法で利用できるが、実用的には、厚さは約10〜500
μm、長さは約1〜1000cmのものとして利用可能
であり、高分子溶液等からキャストする方法によって製
造されるベルトと比べて大きな利点である。本発明のエ
ンドレスベルトは、その中に含まれる耐熱性フィルムの
体積分率が50〜90%であるのが適当である。50%
に満たない場合はベルトの弾性率、強度を支配する耐熱
性フィルムの割合が小さいため、付加できる単位断面積
あたりの荷重が大きくとれない。従って走行性や荷重伝
達特性が低下する。また、ベルトの厚みが大きくなるた
め、屈曲疲労寿命に劣るものになってしまい機械の要素
部品としては信頼性を欠くことに繋がるからである。
【0008】逆に、90%を越える耐熱性フィルム体積
分率では、フッ素樹脂の厚さが小さくなり、耐熱性フィ
ルムとフッ素樹脂界面の接着力を維持できず、これも疲
労寿命の短いベルトしか得られない。また積層成形の際
に、気泡等を発生しやすく、これも密着力の低下、ベル
ト寿命の低下を招き易いからである。本発明に用いる耐
熱性フィルムは350℃未満の温度で溶融および分解し
ない高分子材料からなる。このような高分子材料として
は、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、PBI(ポ
リパラベンゾビスイミダゾール)、PBO(ポリパラベ
ンゾビスオキサゾール)、PBZ(ポリパラベンゾビス
チアゾール)等がある。
【0009】芳香族ポリアミドは芳香族ポリイミドに匹
敵する耐熱性を有し、他の高分子素材に比較して高強
度、高弾性率のフィルムが得易く、接着性も良好であ
り、ベルトの素材として好適なものである。本発明に用
いられる芳香族ポリアミドは、次の構成単位からなる群
より選択された単位より実質的に構成される。 −NH−Ar1 −NH− (1) −CO−Ar2 −CO− (2) −NH−Ar3 −CO− (3) ここでAr1 、Ar2 、Ar3 は少なくとも1個の芳香
環を含み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表
例としては次式のものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】また、これらの芳香環の環上の水素の一部
が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基
などで置換されているものも含む。また、Xは−O−、
−CH2−、−SO2−、−S−、−CO−などであ
る。特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて
結合されている芳香族ポリアミドは、高強度、高弾性率
等のベルト材料として好ましい特性を有しており、本発
明に用いられるフィルムとして好ましい。中でも、PP
TA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)は熱寸法
変化が小さく、強度の大きなフィルムが成形できるとい
う点で最も好ましい。
【0012】本発明に用いられる芳香族ポリイミドとし
ては、ポリマーの繰り返し単位の中に芳香環とイミド基
をそれぞれ1個以上含むものであり、次式(1)又は
(2)で表されるものである。
【化2】
【0013】
【化3】 ここでAr4 及びAr6 は少なくとも1個の芳香環を含
み、イミド環を形成する2個のカルボニル基は芳香環上
の隣接する炭素原子に結合している。このAr4 は、芳
香族テトラカルボン酸またはその無水物に由来する。代
表例としては、次式のものがある。
【0014】
【化4】 ここでYは、−O−、−CO−、−CH2−、−S−、
−SO2−などである。また、Ar6 は無水トリカルボ
ン酸、あるいはそのハライドに由来する。代表例として
は次のものがある。
【0015】
【化5】 Ar5 、Ar7 は、少なくとも1個の芳香環を含み、芳
香族ジアミン、芳香族イソシアネートに由来する。Ar
5 またはAr7 の代表例としては次式のものがある。
【0016】
【化6】
【0017】ここで、これらの芳香環の環上の水素の一
部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ
基などで置換されているものも含む。Zは、−O−、−
CH2−、−S−、−SO2−、−CO−などである。
特に、Ar5 、Ar7 の80%以上がパラ位に結合され
た芳香環である芳香族ポリイミドが、本発明に用いられ
るフィルムを製造する上で好ましい。本発明のフィルム
の製造法については、特に限定されるものではなく、そ
れぞれの樹脂に適した製造法が取られてよい。
【0018】まずアラミド樹脂については、有機溶剤可
溶のものでは、直接溶剤中で重合するか、一旦ポリマー
を単離した後再溶解するなどして溶液とし、ついで乾式
法または湿式法にて製膜される。また、PPTA等の有
機溶剤に難溶のものについては、濃硫酸などに溶解して
溶液とし、ついで乾湿式法または湿式法にて製膜され
る。一方、ポリイミド樹脂については、有機溶剤中にて
テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを反応させ
て、ポリアミド酸とし、この溶液をそのまま、または一
旦閉環処理してポリイミドとした後再度溶剤に溶解して
溶液を得、それらを乾式法または湿式法にて製膜され
る。
【0019】乾式法では、溶液はダイから押し出され、
金属ドラムやエンドレスベルトなどの支持体上にキャス
トされ、キャストされた溶液が自己支持性あるフィルム
を形成するまで乾燥またはイミド化反応が進められる。
湿式法では、溶液はダイから直接凝固液中に押し出され
るか、乾式と同様に金属ドラムまたはエンドレスベルト
上にキャストされた後、凝固液中に導かれ、凝固され
る。ついでこれらのフィルムはフィルム中の溶剤や無機
塩などを洗浄され、延伸、乾燥、熱処理などの処理を受
ける。
【0020】本発明に用いる耐熱性高分子フィルムに
は、易滑剤、染料や顔料などの着色剤、難燃剤、帯電防
止剤、酸化防止剤、その他の改質剤が、それらが本発明
の目的に反しない限り含まれていてもよい。平ベルトの
回転精度はベルトの弾性率すなわちベルトを構成する材
料の弾性率に依存し、フッ素樹脂は弾性率が小さい材料
であるため耐熱性フィルムとしては弾性率の大きな材料
であることが好ましく、具体的には700kg/mm2
以上であることが望ましい。また、ベルトが使用される
条件への対応性が高く、大きな張力下でも使用できると
いう意味で耐熱性高分子フィルムの引張強度が大きいこ
とが有利であり、具体的には25kg/mm2 以上であ
ることが望ましい。
【0021】本発明で使用する耐熱性フィルムの厚さ
は、3〜100μmであることが望ましい。厚さが10
0μmより大きい場合はフィルムの厚さによって生じる
積層体の段差が大きくなりベルトの均一な走行が損なわ
れるため好ましくない。一方、厚さが3μmより小さい
場合は、所定の積層体厚さを得るのに要する積層回数が
多くなり、ベルトの成形に要する手間が大きなものとな
って加工コストの上昇につながる。また、積層の際フィ
ルム間に気泡等の欠陥を生じ易いため好ましくない。エ
ンドレスベルト製造工程でのフィルムの取り扱い作業性
や製造されたベルト強度の面から特に4〜50μmが好
ましい。
【0022】また、耐熱性フィルムの表面にはフッ素樹
脂との接着力向上の為にプライマー塗布、コロナ放電処
理、プラズマ処理や、化学的物理的エッチング処理等の
表面処理を施す事も好ましい。本発明に用いる320℃
未満の温度で溶融するフッ素樹脂としては、四フッ化エ
チレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂(以降FEP樹
脂と略)、四フッ化エチレンーパーフルオロアルコキシ
エチレン共重合樹脂(以降PFA樹脂と略)三フッ化塩
化エチレン樹脂、四フッ化エチレンーエチレン共重合
体、フッ化ビニリデン樹脂などがあるが、特に、FEP
樹脂、PFA樹脂がエンドレスベルトの耐熱性や離型性
に対して好適である。
【0023】フッ素樹脂として最も良く知られているP
TFEは融点が327℃と高く、さらには融点より50
℃以上高い380℃でも溶融粘度が依然大きいため一般
に400℃を越える成型温度を要求される。従って当該
成型温度では耐熱性の高い材料とはいえ芳香族系の耐熱
高分子材料でも熱劣化が避けられず、得られるベルトは
伸度や引き裂き力の小さい、寿命の短いものとなる。よ
って本発明を実施する上でPTFE樹脂は不適当であ
る。
【0024】本発明のエンドレスベルトを構成するフッ
素樹脂層の厚さはエンドレスベルト中に占める耐熱性高
分子フィルムの体積分率を大きくし、薄肉軽量の特徴を
最大限引き出すため薄い方が好ましく、2〜20μmの
範囲で、耐熱性高分子フィルムの成形したベルト中にお
ける体積含有率の10〜50%であることが好ましい。
本発明において、フッ素樹脂はフィルム状に成形された
ものを使用しても良いし、水や溶剤にフッ素樹脂を分散
溶解させたディスパージョンや溶液状のものをあらかじ
め耐熱性フィルムの少なくとも一方の面に塗布する等の
方法によりフッ素樹脂の層を形成して使用しても良い。
【0025】耐熱性フィルムの少なくとも一方の面にフ
ッ素樹脂層を形成する方法としては、フッ素樹脂の水性
ディスパージョンを塗工、焼成する方法や溶融したフッ
素樹脂を直接スリットから耐熱性フィルム上に押し出し
てラミネートする方法、フッ素樹脂フィルムを耐熱性フ
ィルムに熱ラミネートする方法等が用いられる。フッ素
樹脂は耐熱性フィルムの両面に層を形成して用いても良
く、また、フッ素樹脂自体にカーボンブラックや他の無
機材料のフィラー等を添加したものを用いることも可能
である。
【0026】かかる材料を用い、エンドレスベルトに成
形する方法としては、例えば、あらかじめ耐熱性フィル
ムの少なくとも一方の面にフッ素樹脂層を形成したシー
トを円柱状や円筒状の金属支持体上に巻き重ね、加圧下
にフッ素樹脂の融点以上の温度で加熱して、耐熱性高分
子フィルムとフッ素樹脂の界面を密着する方法、耐熱性
高分子フィルムとフッ素樹脂フィルムとを重ね合わせて
円柱状や円筒状の金属支持体上に巻きつけ加圧下にフッ
素樹脂の融点以上の温度で加熱して、耐熱性高分子フィ
ルムとフッ素樹脂の界面を密着する方法等を用いること
ができる。また材料を支持体に巻き重ねるのと同時に発
熱体等の熱源によって材料を加熱し巻き重ねつつ接着一
体化する方法も用いることができる。
【0027】材料を支持体に巻き重ねるに際しては、広
幅の材料を支持体と直角の方向から真っ直ぐに巻き付け
る方法、細くスリットした材料を支持体に斜め方向から
供給し支持体の長さ方向にスパイラル状に巻き上げる方
法等を用いることができる。成形して得られるエンドレ
スベルトの最内層、及び/又は最外層にベルトを使用す
る装置や環境の特性に応じて、または各種機能を付与す
るために、さらにフッ素樹脂、フッ素ゴム、シリコン樹
脂、シリコンゴム、ポリウレタン等のコーティング層を
設けることを行っても良く、本発明の好ましい実施態様
の一つである。コーティング層にはカーボンブラック、
顔料、滑材、耐磨耗材などの改質のための添加剤を含有
せしめても良い。上記の方法により筒状に成形された材
料を周方向にスリットすることにより、所望の幅を有す
るエンドレス状のベルトが得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳しく説明するが本発明はこれらの実施例等によりな
んら限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
(実施例1)厚さ16μm、幅250mmのPPTAフ
ィルム「アラミカ」(旭化成工業(株)登録商標)と、
厚さ13μm、幅250mmのPFA樹脂フィルムを、
外径500mm、肉厚7mm、幅600mmの鉄製円筒
状金型(以下、「金型」と略記する。)にPFA樹脂フ
ィルムが金型に接するように配置して供給し、両フィル
ムを4周巻き重ねた。オーバーラップ部(5回周目とな
る部分)が10mm長さになる部分で両フィルムを切断
し端部を金型に耐熱接着テープでしっかり貼り付け固定
した。
【0030】次に、厚さ16μm、幅10mmのアラミ
ドフィルムテープをトラバース機構を具備した繰り出し
機にセットし、金型1回転あたりの横移動量(トラバー
ス量)が2mmとなるようにトラバースしながら金型を
回転させ、アラミドテープでテーピングして締め付け
た。巻き付けたテープがゆるまないように注意しながら
切断し、端を耐熱接着テープで金型に貼りつけて固定
し、次に金型を350℃に温度コントロールされた加熱
炉に入れて30分間加熱した。金型を加熱炉より取り出
して冷却した後、アラミドテープを取り除きつぎに金型
から積層体を抜き取った。
【0031】このようにして積層構成が、内側から13
μmPFA樹脂と16μmアラミドフィルムが交互に4
層ずつ積層され且つ一体化された全体厚さが約0.1m
m、幅250mm、周長1570mmのエンドレス積層
体を得た。このエンドレス積層体を裁断機にセットし幅
10mmにスリットした。得られた厚さ0.1mm、幅
10mm、周長1570mmのアラミドフィルム積層エ
ンドレスベルトを、主軸プーリー径=10mm、従軸プ
ーリー径=10mmの屈曲疲労試験機にセットし、主軸
に連結したモーターによりベルト回転数=100回転/
min、荷重=0.5Kg/mm2 、環境温度=20
0℃の条件下で回転させ、疲労試験を行った。図1に試
験装置の概要を示す。その結果を表−1に示した。この
積層ベルトの引張破断伸度をJIS K1702に準ず
る方法により測定した結果も表1に示す。
【0032】(実施例2)実施例1で用いた厚さ16μ
m、幅250mmのPPTAフィルムの両面にPFAデ
ィスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル社製)
をPFA樹脂の厚さが両面とも4μmとなるようにコー
テングした後加熱焼成し、両面にPFA樹脂がコーティ
ングされたラミネートシートを製作した。このラミネー
トシートを実施例1の繰り出し機にセットし2周巻き重
ねた。緊縛テープとして離型処理を施したアラミドテー
プを使用した以外は、実施例1に示したと同じ要領、条
件にて加熱融着一体化、脱型して、積層構成が内側から
PFA樹脂4μm、アラミドフィルム16μm、PFA
樹脂8μm、アラミドフィルム16μm、PFA樹脂4
μmというアラミドフィルム層とフッ素樹脂層が交互に
積層され一体化された厚さ0.05mm、幅250m
m、周長1570mmの筒状体を得た。この筒状体を幅
10mmにスリットしたのち、実施例1に示す屈曲披露
試験機でプーリー径を5mmとした以外は実施例1と同
じ条件下で疲労試験を実施した。その結果を引張破断伸
度と併せて表1に示した。
【0033】(実施例3)厚さ12μm、幅250mm
のPPTAフィルムの片面にPFAディスパージョンを
コーテングし乾燥焼成を行い、片面に4μmのPFA樹
脂がコートされたラミネートシートを得た。次いでこの
ラミネートシートを裁断機にセットし、10mm幅にス
リットしてテープ状に加工した。次に外径90mm、肉
厚5mm、長さ700mmの金型の表面に、片面に4μ
mのPFA樹脂がコートされた当該テープをPFAコー
ト面が金型側に接触するように繰り出し機にセットし
た。テープのトラバース量(金型1回転あたりのテープ
の横移動量)が正確に10mmとなるようにトラバース
装置を微調整した後、繰り出し機、金型を駆動させてテ
ープを金型にスパイラル状に巻き付けた。従って金型に
巻き付けられたテープは端同志が重なりあうこともな
く、また大きな隙間が出来ることもなく整然と巻きつけ
られた。巻き終えた後、金型、繰り出し機を停止し巻き
付けたテープがゆるまないように注意しながらテープを
切断しその端を耐熱接着テープで金型に貼りつけ固定し
た。
【0034】ついで同じPFA樹脂がコーテングされた
テープを繰り出し機に装着し、1回目に巻き回ししたテ
ープに対して幅方向に丁度5mmずれて巻き回しされる
ように金型の位置を微調整した。微調整が終えたら繰り
出し機、積層装置を駆動し2回目の巻き回しを開始し
た。2回目のテープは1回目のテープに対して丁度5m
mずれながら整然と巻き回しされた。巻き終えたら金
型、繰り出し機を停止し1回目と同じ要領でテープを切
断し端を耐熱接着テープで金型に貼りつけ固定した。巻
き重ねたアラミドフィルム/PFAテープの外側にそれ
よりも幅の広い離型処理したポリイミドフィルムを巻い
て巻き端を固定した。
【0035】次にこの金型を350℃の加熱炉に入れて
30分間加熱した。その後炉から金型を取り出し冷却し
た後ポリイミドフィルムを剥がし、最後に金型を除去し
た。このようにして積層構成が内側から、PFA樹脂4
μm、PPTAフィルム12μm、PFA樹脂4μm、
PPTAフィルム12μm、というアラミドフィルムと
フッ素樹脂層が交互に積層され一体化された全体の厚さ
が0.03mm、幅600mm、周長283mmのエン
ドレス積層体を得た。積層体を幅10mmにスリットし
て得たエンドレスベルトについて実施例1の屈曲疲労性
評価装置を用いプーリー径3mmで寿命評価を実施し
た。結果を表1に示す。
【0036】(実施例4)厚さ16μm、幅250mm
のPPTAフィルムの片面に4μmのPFA樹脂がコー
トされたラミネートシートを外径90mm、肉厚5m
m、長さ700mmの金型の表面にアラミドフィルムを
金型面に向けて4周回巻き重ねた。その外側に離型処理
したアラミドテープでテーピングして巻き端を固定し、
この金型を350℃の加熱炉に入れて30分間加熱し
た。炉から金型を取り出し冷却して緊縛したアラミドテ
ープを剥がした後、一体化した積層体の外側にPFAの
水性ディスパージョンを10μmの厚さにスプレー塗布
し、再度350℃の加熱炉に入れて30分間加熱してP
FA樹脂を積層体の表面に接着せしめた。金型ごと得ら
れた積層体を取り出し、冷却後金型を抜いて、アラミド
フィルム16μm4層がPFA樹脂4μmの層で交互に
積層され最外表面はPFA樹脂14μmの層が密着され
た全体の厚さが0.09mm、幅250mm、周長28
3mmのエンドレス積層体を得た。これから幅10mm
のエンドレスベルトを切り出し、実施例1と同様に評価
した。結果を表1に示す。
【0037】(比較例1)ガラス繊維の織布に実施例2
で用いたものと同じPFAディスパージョンを含浸さ
せ、ついで乾燥、焼成して厚さ約0.1mmのガラス織
布/PFAシートを調製した。このシートを実施例1で
用いた金型に2周回巻き重ね、ついで離型処理を施した
アラミドテープでテーピングし、350℃に温度コント
ロールされた加熱炉に入れて30分間加熱して一体化
し、ガラス織布/PFAのベルトを得た。幅10mmに
スリットした後、実施例1と同様の装置、条件で屈曲疲
労性評価を実施した。結果を表1に示す。
【0038】(比較例2)厚さ16μm、幅250mm
のPPTAフィルムの片面に4μmのPFA樹脂がコー
トされたラミネートシートを外径90mm、肉厚5m
m、長さ700mmの金型の表面にアラミドフィルムを
金型面に向けて4周回巻き重ねた。その外側に離型処理
を施したアラミドテープでテーピングして巻き端を固定
し、この金型を350℃の加熱炉に入れて30分間加熱
した。炉から金型を取り出し冷却して緊縛したアラミド
テープを剥がした後、一体化した積層体の外側にPTF
Eの水性ディスパージョン(三井・デュポンフロロケミ
カル社製)を10μmの厚さにスプレー塗布し、400
℃の加熱炉に入れて30分間加熱してPTFEを積層体
の表面に接着せしめた。金型ごと得られた積層体を取り
出し、冷却後金型を抜いて、アラミドフィルム16μ
m、PFA樹脂4μmが各4層ずつ交互に積層され最外
表面にPTFE樹脂10μmの層が密着された全体の厚
さが0.09mm、幅250mm、周長283mmのエ
ンドレス積層体を得た。これから幅10mmのエンドレ
スベルトを切り出し、実施例4と同様に評価した。結果
を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のエンドレスベルトは耐熱性があ
り、薄手化が可能で、熱伝導性も良く、さらには屈曲疲
労寿命にも優れているため、高温環境でも高い信頼性で
動作させることが可能であり、ヒートシーラーや搬送機
構を伴った乾燥炉などの産業機械に採用する事で機械の
小型化、コンパクト化が可能となる。さらに従来ベルト
に比べて寿命が延びたのでランニングコストも大幅に低
減する事が出来る。また、複写機や、プリンターに用い
られる定着用のベルトとしても好適であり、装置のコン
パクト化、省電力化、信頼性向上に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンドレスベルトの屈曲疲労試験機の概略図で
ある。
【符号の説明】
m ベルト駆動用モーター i 駆動プーリー e 従動プーリー b 本発明のベルト w 重り f 加熱炉

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 350℃未満の温度で溶融および分解し
    ない高分子材料からなる耐熱性フィルムの複数層が、3
    20℃未満の温度で溶融するフッ素樹脂によって互いに
    接着され、積層された構造を有するエンドレスベルト。
  2. 【請求項2】 積層されたエンドレスベルトの最内層、
    及び/又は最外層に、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フッ
    素ゴムおよびシリコンゴムのいずれかの材料からなる被
    覆層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    エンドレスベルト。
  3. 【請求項3】 耐熱性フィルムが芳香族ポリアミドまた
    は芳香族ポリイミドからなるフィルムである請求項1又
    は請求項2記載のエンドレスベルト。
  4. 【請求項4】 耐熱性フィルムの弾性率が700kg/
    mm2 以上、引張強度が25kg/mm2 以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエ
    ンドレスベルト。
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