JPH10306432A - 浮遊物の回収装置 - Google Patents

浮遊物の回収装置

Info

Publication number
JPH10306432A
JPH10306432A JP9136063A JP13606397A JPH10306432A JP H10306432 A JPH10306432 A JP H10306432A JP 9136063 A JP9136063 A JP 9136063A JP 13606397 A JP13606397 A JP 13606397A JP H10306432 A JPH10306432 A JP H10306432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
pump
weir
tank
recovery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9136063A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Miyae
伸一 宮江
Nobuyuki Yamada
信幸 山田
Yoshiteru Fukui
義晃 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUKUI TEKKOSHO KK
Pacific Machinery and Engineering Co Ltd
Original Assignee
FUKUI TEKKOSHO KK
Pacific Machinery and Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUKUI TEKKOSHO KK, Pacific Machinery and Engineering Co Ltd filed Critical FUKUI TEKKOSHO KK
Priority to JP9136063A priority Critical patent/JPH10306432A/ja
Publication of JPH10306432A publication Critical patent/JPH10306432A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/20Controlling water pollution; Waste water treatment
    • Y02A20/204Keeping clear the surface of open water from oil spills

Landscapes

  • Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 海上や湖沼に流出した重油等の粘性や付着性
の高い浮遊物を速やかにかつ低コストで回収することが
可能な浮遊物の回収装置を提供する。 【解決手段】 周壁に外水面に開口する堰4を備えた回
収タンク1には、底部が連通しかつタンク内の水位より
上方まで延びる隔壁11で区画された回収室12とポン
プ室13とが設けられている。堰4は回収室12に開口
しており、ポンプ室13にはその底部に吸入口16を開
口する排水ポンプ25が設備されている。堰4の下縁下
方のタンク内壁面は半逆水滴形断面の流線形状とされて
いる。また堰4の両側に延びる水パイプ35に、互いに
対向する方向に斜め上方かつ堰4側を向いて外水面下で
開口する複数の水噴射口38を設け、水パイプ35に前
記排水ポンプまたは別に設けた水ポンプの吐出水を供給
する。好ましくは、回収タンク1と母船2とで構成し、
排水ポンプ25や水パイプ35は母船2に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海、湖沼、河川
等の水面上に浮遊している浮遊物を比重差により分離回
収するのに使用する回収装置に関するもので、限定する
ものではないが、C重油のような粘性や付着性の高い浮
遊物の回収に特に適した装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】経済の発展と共にタンカーによるオイル
類の海上輸送量も増え、それに伴いタンカーからのオイ
ル流出事故も多発している。このような事故が発生する
と、オイル類は海上に流れ出て環境を汚染する。そこで
流出したオイル類を速やかに回収しなければならず、そ
の回収手段が従来から種々提案されている。たとえばポ
ンプで海水と共にオイル類を吸引して回収する手段、オ
イル類が浮遊している海水を旋回させて遠心分離機の原
理によりオイル類を中心部に集めて回収する手段などが
提案されている。
【0003】またこの発明の先行技術となる回収装置と
しては、雑誌「作業船」(昭和54年7月発行)に示さ
れたものがある。この回収装置は、堰と排水ポンプを利
用したもので、図6に示すように、海上に浮かべた回収
タンク(作業船)の内部に油回収室51と油水分離室5
2を設けた構造をしている。油水分離室52と外水面5
との間には第1の堰53が形成されている。油水分離室
52と油回収室51との間は隔壁54で仕切られてお
り、その上端に第2の堰55が形成されている。油水分
離室52は上方邪魔板56と下方邪魔板57でジグザグ
に仕切られており、上方邪魔板56の上縁は表層の油層
が乗り越えられる高さに設定されている。油水分離室の
奥端(第1の堰から最も遠い位置)に排水ポンプ58が
設けられており、その吸入口59は油水分離室の底部に
開口している。油回収室52には排油ポンプ61が設け
られている。
【0004】油水分離室52に海水を導入してタンクを
沈降させると、第1の堰53が外水面に開口して海上の
油層がその下層の表層水と共に油水分離室52に流入す
る。そこで排水ポンプ58を駆動して油水分離室の底部
から海水を排出すると、外水面と油水分離室内の水面と
の落差が維持され、油層の流入が継続される。流入時に
生ずる渦等によって流入した油層と表層水とが撹拌され
て油滴が水中に巻き込まれるという問題があるが、油水
分離室内の上層の海水は上方邪魔板56で流動を妨げら
れかつ油層は上方邪魔板56を越えて流れるので、海水
が油水分離室内をジグサグに流れる間に、水中に巻き込
まれた油滴が再び浮上して油層と一体となり、第2の堰
55を越えて油回収室51へと流入する。油回収室51
へ流入した油は、排油ポンプ61で汲み上げて回収され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す回収装置
は、落差を利用して油層の回収を行い、比重差を利用し
て油と水とを分離するものであり、低コスト少労力を実
現するのに有効な構造と言えるが、海上に流出した重油
等を回収するのに使用するには次に述べるようないくつ
かの問題点がある。
【0006】第1に、油回収室51の油を排油ポンプ6
1で排出するようにしているが、タンカーの座礁等によ
って海上に大量に流出する油はほとんどが粘度や粘着性
が高い重油であり、通常構造のポンプでは油回収室51
の重油を汲み上げることが困難である。また陸地から遠
く離れた洋上で回収を行うとき、排油ポンプ61で汲み
上げた油は別のタンクないしタンカーに収容して貯蔵す
るか陸地に運搬するかしなければならない。
【0007】そこで図6の装置の油回収室に回収した油
を、排油ポンプでくみ出さずに、直接陸地に運搬してバ
ケットやエジェクタポンプなどでくみ出すことが考えら
れる。しかし図6の構造の装置では、油水分離のために
必要な容積が大きく、船体の大きさに比して運搬できる
油の量が少なく、効率が悪い。
【0008】第2に、回収作業中における回収効率は、
第1の堰53を通って流入する単位時間当たりの油の量
によって決定されるところ、回収効率を上げるために第
1の堰53の流量を増やすと、流入する油に対する海水
の割合が多くなり、回収効率を上げることができない。
これは、増やした流入量に見合う油を周囲の海面から第
1の堰53の前方に集めることができないからである。
【0009】第3に、多量の重油が流出したときにこれ
を速やかに回収するには、多数の回収装置が必要であり
従って回収装置のコストをできるだけ低くする必要があ
る。そのためには、重油を回収するタンクはポンプなど
の機械設備を備えない単純な容器であることが望まし
い。図6の装置では回収時には排水ポンプが必須である
が、油を回収した後は排水ポンプは不要である。回収装
置のコストを下げるためには、排水ポンプを母船などに
設けて油回収時にのみ油水分離室に装備するようにする
ことが考えられる。(なお前述したように、油が重油で
あるときは図6のような態様で排油ポンプを設けること
には無理がある。)
【0010】ところが図6の装置では、排水ポンプの吸
入管が油水分離室の油層を貫通しているので、油の回収
が終わった回収タンクから排水ポンプの吸入管63を引
き上げるときに、粘着性の高い重油が吸入管63の周囲
やその吸入口59の周縁に付着し、次に排水ポンプ58
を運転したとき、付着した重油の一部がポンプに吸引さ
れるということが起こる。ポンプに吸引された重油は、
インペラー等に付着してポンプの効率を低下させるだけ
でなく、インペラーとケーシングの隙間に入り込んで、
ポンプに多大な回転負荷を与え、ポンプを運転不能にし
てしまう。そのため図6のような装置では、各回収タン
ク毎に排水ポンプ58を設ける必要があり、油回収室5
1の容積割合が小さいために多数の回収タンクが必要な
ことともあいまって、システム全体のコストを非常に高
いものにする。
【0011】この発明は上記のような従来装置の問題点
に鑑み、特に重油のような高粘度かつ高粘着性の浮遊物
が大量に流出したときに、これを速やかにかつ低コスト
で回収することが可能な装置を得ることを課題としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる浮遊物
の回収装置は、周壁の一部に外水面に開口する堰4を備
えた回収タンク1を備え、この回収タンク1は底部が連
通しかつタンク内の水位より上方まで延びる隔壁11で
区画された回収室12とポンプ室13とを備え、前記堰
4は回収室12に開口しており、堰4の下縁より下方の
タンク内壁面は半逆水滴形断面の流線形状に形成されて
おり、ポンプ室13にはその底部に吸入口16を開口す
る排水ポンプ25が設備されることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項2にかかる浮遊物の回収装置は、周
壁の一部に外水面に開口する堰4を備えた回収タンク1
を備え、この回収タンク1は底部が連通しかつタンク内
の水位より上方まで延びる隔壁11で区画された回収室
12とポンプ室13とを備え、前記堰4は回収室12に
開口しており、堰4の両側に延びる水パイプ35を備
え、両側の水パイプ35は互いに対向する方向に斜め上
方かつ堰4側を向いて外水面下で開口する複数の水噴射
口38を備えており、ポンプ室13には底部に吸入口1
6を開口する排水ポンプ25が設備され、水パイプ35
には前記排水ポンプまたはこれとは別に設けた水ポンプ
の吐出水が供給されることを特徴とするものである。
【0014】請求項3にかかる発明は、請求項1または
2記載の浮遊物の回収装置において、回収タンク1と回
収作業時に回収タンク1を所定位置関係で保持する母船
2とを含んで構成され、回収タンク1は上方が開放され
たポンプ室13を備え、排水ポンプ25は母船2に装着
され、排水ポンプの吸入管26はポンプ室の上方からポ
ンプ室13内に抜き差し可能であることを特徴とするも
のである。
【0015】請求項4にかかる発明は、請求項2記載の
浮遊物の回収装置において、回収タンク1と回収作業時
に回収タンク1を所定位置関係で保持する母船2とを含
んで構成され、水噴射口38を備えた水パイプ35が母
船2に装着されていることを特徴とするものである。
【0016】請求項5にかかる発明は、請求項3又は4
記載の浮遊物の回収装置において、母船2が回収タンク
1の幅より広い船体間隔を備えた双胴船であることを特
徴とするものである。
【0017】請求項6にかかる発明は、請求項1ないし
5のいずれか1記載の浮遊物の回収装置において、ポン
プ室13の底部に立設されて隔壁11の底部の連通路1
9と排水ポンプの吸入口16との間を遮断する遮蔽壁1
7を備えていることを特徴とするものである。
【0018】
【作用】この発明の浮遊物の回収装置では、外水面から
浮遊物を流入させる堰4を回収室12に開口させ、この
回収室内で比重差により浮遊物と水との分離を行ってい
る。分離した底部の水は、隔壁11の連通路19を通っ
てポンプ室13に流入し、排水ポンプ25で排出され
る。これにより外水面と回収室12内の水面との落差が
保たれ、連続的な浮遊物の回収が行われる。
【0019】ポンプ室25は、隔壁底部の連通路19か
ら流入した水を浮遊物が混入しないようにして排水ポン
プ25の吸入口16に導くことができる大きさでよいか
ら、回収室12に比べてはるかに小容量で済み、従って
回収タンクの大部分を回収室12とすることができるの
で、回収タンクの利用効率が良い。
【0020】堰4の下縁の下方のタンク内壁面を半逆水
滴形断面の流線形状に形成したものは、コアンダ効果に
より、堰4を通って流入してくる上層の浮遊物45と下
層の表層水7とを混合させることなく分離するのに有効
である。すなわち、表層水7はコアンダ作用により逆水
滴形断面の壁面に沿って流れ、その下方の内壁を伝わっ
て回収室12内の浮遊物(特に油などの液体浮遊物)を
あまり撹拌することなく、回収室12の底部に流入して
くる。一方堰4を通って流入した浮遊物は、その高い粘
性や小さい質量の故に内壁面に沿うことなく回収室12
の上層へと流入し、これにより堰4を通って流入した水
と浮遊物の分離が円滑に行われる。
【0021】堰4の両側に水パイプ35を設けた構成で
は、図5に示すように、堰4の前方両側の水面下で噴射
される噴射水により、回収タンク1の両側の外水面から
堰4の前方へと流れる水流が生じる。この水流は、堰4
の前方左右に拡がっている浮遊物45を堰4の前方に搬
送する作用を奏する。堰4の前方両側から互いに向き合
う方向に流れた水流は、衝突したあと下向流となって流
れ、互いに対向する水流に乗って集められた浮遊物は堰
4の前方に盛り上がった状態となる。さらに両側の水流
は堰4の方向に斜めに流れるので、盛り上がった浮遊物
が積極的に堰4に向かって流れ、そのために堰4を通る
流れの中で浮遊物45が占める割合が大きくなる。すな
わち堰4の両側から前方の水面下で開口する水噴射口3
8からの噴射水の作用により、外水面上の広い範囲から
浮遊物を集めることができるとともに、より効率的な浮
遊物の回収が可能になる。
【0022】排水ポンプ25は各回収タンク毎に設ける
こともできるが、請求項3の発明によれば、母船2に設
けた排水ポンプ25を回収作業を行う間だけ回収タンク
に設備することができるから、回収タンクを多数用いる
ときでも、排水ポンプは1台で良く、システム全体のコ
ストを安くすることができる。
【0023】さらに請求項4の発明では、浮遊物を堰の
前方に集めるための水パイプ35を回収タンクと分離可
能な母船2に設けたので、多数の回収タンクに対して水
パイプ35が一組で済み、またこの水パイプに吐出水を
供給するポンプも1台で済むので、システム全体のコス
トを安価にできる。
【0024】請求項5に示すように、母船2として双胴
船を用いれば、回収タンク1を双胴船の二つの船体の間
に係留して回収作業を行うことができ、作業を安定に行
うことができると共に、特に請求項3及び4の発明にお
いて、係留した回収タンク1と排水ポンプ25や水パイ
プ35との位置関係を安定に保持できる。
【0025】さらに請求項6の発明によれば、排水ポン
プ25に浮遊物が吸入されるのをより確実に防止でき
る。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2はこの発明の第1実
施例を示した図で、海水上に浮遊する重油を回収する場
合を例にして好適な実施態様を説明する。この実施例の
回収装置は達磨船のような形状をした回収タンク1と、
母船2とで構成されている。母船2は双胴船で、回収現
場への高速走行が可能であるとともに、2本の船体の間
に回収タンク1を導入して保持することにより、回収作
業時における回収タンク1の保持をより確実にできる。
【0027】達磨船の形をした回収タンク1の図1、2
における左方の後壁3は、上方から所定深さに切り落と
されて堰4が形成されている。この堰4は外水面5上の
重油6と表層水とが流入する流入口となっており、回収
タンク1の吃水制御すなわち回収タンク内の水位を制御
することにより、回収タンクの吃水深さを制御して堰4
の外水面に対する深さ従って堰3を通る重油6と表層水
7の流量を制御するようになっている。また重油6は海
水に浮遊した状態でこの堰4から流入するが、流入した
海水が回収タンク内の重油を撹拌したり、流入した重油
が海水に巻き込まれるのを防止するために、堰4から回
収タンク1の底壁8に向かってコアンダ効果を奏する縦
割りした逆水滴形断面の整流壁9が形成されている。
【0028】回収タンク1は隔壁11によって油回収室
12とポンプ室13に仕切られている。隔壁11は回収
タンク1の幅方向を仕切るように設けられているが、そ
の下端14と回収タンク1の底壁8との間には、連通路
19が設けられている。ポンプ室13には隔壁11から
所定間隔を隔てて連通路19と排水ポンプの吸入口16
との間を遮るように遮蔽壁17が設けられている。遮蔽
壁17は隔壁11と同様に回収タンク1の幅方向を仕切
るように設けられているが、その上端18は連通路19
の上縁よりも高い位置にある。このような構造により堰
4から流入した重油は、図1、2の左方の油回収室12
に溜められ、整流壁9によって油回収室12の底部に導
かれた海水は、連通路19を通ってポンプ室13に流入
する。遮蔽壁17は連通路19から海水に混じって油が
流入したとき、それが排水ポンプの吸入口16に流入し
ないように設けられたものである。
【0029】双胴船22の二つの船体23の間隔は、回
収タンク1の幅より広くかつ二つの船体を繋いでいるデ
ッキ24の海面からの高さは回収タンク1の上縁の海面
からの高さより高い。従って回収タンク1は双胴船の二
つの船体の間に抱き込まれた状態で係留される。
【0030】デッキ24には排水ポンプ25が設置され
ており、これに接続した吸入管26がデッキに設けた貫
通孔27を通って、回収タンクのポンプ25の底面近く
に開口している。排水ポンプ25と吸入管26とは着脱
自在なフランジ28で連結されており、このフランジを
外して吸入管26をクレーン等で引き上げることができ
るようになっている。排水ポンプ25の吐出管29には
流量制御弁31が設けられている。
【0031】双胴船22の両側の船体の船首部分には、
斜め内側に向けてブラケット32が固定されており、こ
のブラケットの先端に側面視でL字形をした支持アーム
33がその略水平なアーム部分を水没させた状態で、垂
直軸まわりに揺動自在に装着されている。そして支持ア
ームのアーム部分の中間位置から立ち上げて、海面上に
突出させた補助ブラケットと船体の船首とがシリンダ3
4で連結され、シリンダ34を伸縮することにより、平
面視でハ字状になった支持アーム33の角度を変えられ
るようになっている。支持アーム33の高さは、必要が
あれば船体とブラケット32との固定部分あるいはブラ
ケット32と支持アームとの軸支部分に昇降装置を介装
することにより、調整可能である。
【0032】支持アーム33のアーム部分には、水パイ
プ35が添設されている。この水パイプ35は先端が閉
鎖され、基端は可撓パイプ36及び流量制御弁31を介
装した水供給管37を経て、排水ポンプの吐出管29に
当該吐出管に設けた流量制御弁31の上流側で連結され
ている。
【0033】水パイプ35には互いに対向する方向で斜
め上方を向き、かつ双胴船の船首(二つの船体の中央部
にある船首)に向いた水噴射口38が水パイプの軸線方
向に沿って所定ピッチで開口している。回収タンク1は
堰4を設けた後部を双胴船の船首側に向けて係留される
ようになっており、従って水パイプの水噴射口38から
は堰4の前方両側で内側を向き、かつ上方及び堰側に傾
斜した噴流が流出する。この噴流により海面に堰4の前
方両側から内側かつ堰4側に向いた水流が生じ、作用の
項で説明したように、海上の広い範囲から油を集めるこ
とができ、かつ堰4を通って回収タンク1内に流入する
油の絶対量及び流入してくる海水に対する割合を共に飛
躍的に増大させることができる。なお、堰4の底縁を上
昇させて海水が流入しないようにすると、堰4の底縁に
重油が付着するため、常に若干の海水が流入するように
堰4の底縁の高さ(換言すれば回収タンク1の吃水深
さ)を制御するのがより好ましい。
【0034】水供給管37に設けた制御弁39は、両側
の水パイプ35に個別に設けるのが好ましい。そのよう
にすれば、船体の両側での油の分布や風向き等に応じて
シリンダ34を個別に伸縮して、両側の水パイプの角度
を変えたり、流量制御弁39を両側の水パイプ毎に個別
に調整して、左右非対称の水流を生じさせることによ
り、より効果的に油の回収を行うことが可能である。
【0035】図3、4はこの発明の第2実施例を示した
ものである。この第2実施例のものではコアンダ効果を
有する整流壁9が回収タンクの後壁3に整流板41を取
り付けることによって形成されていること、及びポンプ
室13が回収タンクの略中央位置に円筒状に形成されて
いる点が、第1実施例と大きく異なる点である。ポンプ
室13を区画する円筒状の隔壁11は所定長さの筒体
で、その上端に固定したフランジ30を回収タンク1の
上縁に掛け渡した梁42に固定することによって装着さ
れており、筒体の下端と回収タンクの底面との間には、
連通隙間43が形成されている。母船2からポンプ室1
3内に差し込まれる排水ポンプの吸入管26の先端に
は、その吸入口16を同心円状に囲むように短い筒体で
形成した遮蔽壁17が固定されている。この遮蔽壁17
は底を有するコップ状のものであってもよい。吸入管2
6は遮蔽壁17の底縁が回収タンクの底面に達する深さ
まで差し込まれ、このとき隔壁11と遮蔽壁17とは略
同心円状の位置関係となり、かつ遮蔽壁17の上縁が隔
壁11の下縁より高い位置になるようにする。
【0036】この第2実施例の構造は、第1実施例のも
のに比し、以下に述べるような特徴を備えている。まず
回収タンク1に占めるポンプ室13の容積を小さくでき
る。従って回収タンクの大きさが同じであれば、より多
量の油を回収できる。隔壁11の製作及び回収タンクへ
の取付けが簡単で、遮蔽壁17は吸入管26側に設けら
れているので、回収タンク1を容易かつ安価に製造でき
る。特に緊急に多量の回収タンクが必要になったとき、
達磨船の後壁を切り欠いて堰を作り、整流板41を取り
付け、船体中央に梁42を固定してそれに別途製作した
単純な筒状の隔壁11を固定してやればよいので、多数
の回収タンクを低コストで速やかに準備できるという長
所がある。
【0037】次に第1実施例及び第2実施例で示した装
置を用いる回収作業について説明する。海上に流出した
油の回収は、広い範囲への拡散及び海岸への漂着を避け
るために、できるだけ速やかに回収することが望まし
い。母船2は少なくとも1個の回収タンク1を搭載また
は曳航して現場へ急行する。この時間を短縮するために
は、母船2として双胴の水中翼船を用いるのが最も効果
的である。現場に到着したら回収タンク1内に海水を導
入して、堰4の底縁が海水面と油の層との境より若干低
くなるように回収タンク1の吃水深さを設定する。この
ようにすると堰4から重油6と海水とが流入してくるか
ら、流入した油と海水の量(重量)に見合う量の海水を
排水ポンプ25で排出することにより、回収タンク1の
吃水を維持するとともに、その吐出水の一部を水パイプ
35に送って水噴射口38から噴出することにより、堰
4の前方に油を集める。
【0038】第1の回収タンクに油を回収している間
に、現場近くの港から補助船が第2、第3の回収タンク
を曳航して現場に向かう。回収タンクが油で一杯になっ
たことは、たとえば排水ポンプ25の吐出量を計測する
ことにより、あるいはポンプ室13の表面に油滴が浮く
ことなどによって検知できるから、第1の回収タンクが
一杯になったら、吸入管26を引き上げ母船から第1の
回収タンクを引き離す。そして第2の回収タンクを母船
に係留し、第1の回収タンクと同様な操作で回収タンク
を継続する。回収した油を収容した回収タンクは、補助
船で重油の陸揚げ施設のある港へ曳航するか、補助船の
手配が間に合わなければ海上に漂流させておくこともで
きる。なお母船から切り離された回収タンクに堰4を通
って海水が流入することは、別途準備したカバーで堰を
閉鎖するかあるいは回収タンク1内の海水を排水ポンプ
25で余分に汲み出して回収タンクの吃水を下げること
により行う。
【0039】以上の説明では、双胴船の母船を用いる実
施例について説明したが、その他の種々な形態でこの発
明を実施することができる。たとえば回収タンクは現場
で錨に固定して、あるいは他の船舶に係留して、さらに
は漂流状態で回収作業を行うようにすることもできる。
排水ポンプや水噴射口を備えた水パイプ35は、必要に
応じて回収タンク自体に装着してやればよい。また排水
ポンプの吸入管26をフレキシブルホースで構成するこ
とにより、排水ポンプ25との接続を外すことなく、吸
入管26を上げ下げすることができ、作業が容易にな
る。
【0040】排水ポンプ25は比較的大容量の低圧ポン
プが適応されるが、油を寄せ集めるための噴射水は比較
的高い圧力で供給するのが望ましい。従って噴射水を生
成するための専用の高圧ポンプを別途設けることも好ま
しい形態である。さらに排水ポンプとして、水中ポンプ
を用いることもでき、管路を切り換えることによって、
排水ポンプを利用して回収タンクへの海水の導入を行う
ことも可能である。
【0041】また以上の実施例の説明においては、海上
に流出した重油の回収を例にしたが、淡水上に流出した
重油でも、また重油以外の浮遊物であっても同様にして
回収できる。さらに砂浜などに漂着した油を噴射水によ
って水面に逆流出させ、この発明の装置を用いて岸近く
に係留した回収タンクに回収することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の要部を模式的に示す断面側面図
【図2】同平面図
【図3】第2実施例の要部を模式的に示す断面側面図
【図4】同平面図
【図5】水パイプから噴出する噴射水の作用を示す説明
【図6】従来の浮遊物の回収装置の一例を示す断面側面
【符号の説明】
1 回収タンク 2 母船 4 堰 11 隔壁 12 油回収室 13 ポンプ室 16 吸入口 17 遮蔽壁 19 連通路 25 排水ポンプ 26 吸入管 35 水パイプ 38 水噴射口
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】堰4の下縁の下方のタンク内壁面を半逆水
滴形断面の流線形状に形成したものは、コアンダ効果に
より、堰4を通って流入してくる上層の浮遊物と下層
の表層水7とを混合させることなく分離するのに有効で
ある。すなわち、表層水7はコアンダ作用により逆水滴
形断面の壁面に沿って流れ、その下方の内壁を伝わって
回収室12内の浮遊物(特に油などの液体浮遊物)をあ
まり撹拌することなく、回収室12の底部に流入してく
る。一方堰4を通って流入した浮遊物は、その高い粘性
や小さい質量の故に内壁面に沿うことなく回収室12の
上層へと流入し、これにより堰4を通って流入した水と
浮遊物の分離が円滑に行われる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】堰4の両側に水パイプ35を設けた構成で
は、図5に示すように、堰4の前方両側の水面下で噴射
される噴射水により、回収タンク1の両側の外水面から
堰4の前方へと流れる水流が生じる。この水流は、堰4
の前方左右に拡がっている浮遊物を堰4の前方に搬送
する作用を奏する。堰4の前方両側から互いに向き合う
方向に流れた水流は、衝突したあと下向流となって流
れ、互いに対向する水流に乗って集められた浮遊物は堰
4の前方に盛り上がった状態となる。さらに両側の水流
は堰4の方向に斜めに流れるので、盛り上がった浮遊物
が積極的に堰4に向かって流れ、そのために堰4を通る
流れの中で浮遊物が占める割合が大きくなる。すなわ
ち堰4の両側から前方の水面下で開口する水噴射口38
からの噴射水の作用により、外水面上の広い範囲から浮
遊物を集めることができるとともに、より効率的な浮遊
物の回収が可能になる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】支持アーム33のアーム部分には、水パイ
プ35が添設されている。この水パイプ35は先端が閉
鎖され、基端は可撓パイプ36及び流量制御弁3を介
装した水供給管37を経て、排水ポンプの吐出管29に
当該吐出管に設けた流量制御弁31の上流側で連結され
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 信幸 東京都千代田区大手町1−6−1 大平洋 機工株式会社内 (72)発明者 福井 義晃 石川県金沢市北安江3丁目5番10号 株式 会社福井鉄工所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁の一部に外水面に開口する堰(4) を
    備えた回収タンク(1) を備え、この回収タンク(1) は底
    部が連通しかつタンク内の水位より上方まで延びる隔壁
    (11)で区画された回収室(12)とポンプ室(13)とを備え、
    前記堰(4) は回収室(12)に開口しており、堰(4) の下縁
    より下方のタンク内壁面は半逆水滴形断面の流線形状に
    形成されており、ポンプ室(13)にはその底部に吸入口(1
    6)を開口する排水ポンプ(25)が設備されることを特徴と
    する、浮遊物の回収装置。
  2. 【請求項2】 周壁の一部に外水面に開口する堰(4) を
    備えた回収タンク(1) を備え、この回収タンク(1) は底
    部が連通しかつタンク内の水位より上方まで延びる隔壁
    (11)で区画された回収室(12)とポンプ室(13)とを備え、
    前記堰(4) は回収室(12)に開口しており、堰(4) の両側
    に延びる水パイプ(35)を備え、両側の水パイプ(35)は互
    いに対向する方向に斜め上方かつ堰(4) 側を向いて外水
    面下で開口する複数の水噴射口(38)を備えており、ポン
    プ室(13)には底部に吸入口(16)を開口する排水ポンプ(2
    5)が設備され、水パイプ(35)には前記排水ポンプまたは
    これとは別に設けた水ポンプの吐出水が供給されること
    を特徴とする、浮遊物の回収装置。
  3. 【請求項3】 回収タンク(1) と回収作業時に回収タン
    ク(1) を所定位置関係で保持する母船(2) とを含んで構
    成され、回収タンク(1) は上方が開放されたポンプ室(1
    3)を備え、排水ポンプ(25)は母船(2) に装着され、排水
    ポンプの吸入管(26)はポンプ室の上方からポンプ室(13)
    内に抜き差し可能であることを特徴とする、請求項1ま
    たは2記載の浮遊物の回収装置。
  4. 【請求項4】 回収タンク(1) と回収作業時に回収タン
    ク(1) を所定位置関係で保持する母船(2) とを含んで構
    成され、水噴射口(38)を備えた水パイプ(35)が母船(2)
    に装着されていることを特徴とする、請求項2記載の浮
    遊物の回収装置。
  5. 【請求項5】 母船(2) が回収タンク(1) の幅より広い
    船体間隔を備えた双胴船である、請求項3又は4記載の
    浮遊物の回収装置。
  6. 【請求項6】 ポンプ室(13)の底部に立設されて隔壁(1
    1)の底部の連通路(19)と排水ポンプの吸入口(16)との間
    を遮断する遮蔽壁(17)を備えていることを特徴とする、
    請求項1ないし5のいずれか1記載の浮遊物の回収装
    置。
JP9136063A 1997-05-08 1997-05-08 浮遊物の回収装置 Pending JPH10306432A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9136063A JPH10306432A (ja) 1997-05-08 1997-05-08 浮遊物の回収装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9136063A JPH10306432A (ja) 1997-05-08 1997-05-08 浮遊物の回収装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10306432A true JPH10306432A (ja) 1998-11-17

Family

ID=15166347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9136063A Pending JPH10306432A (ja) 1997-05-08 1997-05-08 浮遊物の回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10306432A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102127906A (zh) * 2011-01-18 2011-07-20 南京清波蓝藻环保科技有限公司 水体浮油回收***
KR101136074B1 (ko) 2011-09-27 2012-04-17 김중근 수상 유류 회수장치
JP2012229530A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Towani:Kk 海上油分離装置
CN103174120A (zh) * 2013-04-08 2013-06-26 杨嘉平 移动式浮渣清除装置及清除***
CN108301391A (zh) * 2018-04-04 2018-07-20 宁波知春人环境工程有限公司 一种水面浮油收集装置
CN113844598A (zh) * 2021-09-29 2021-12-28 中清生态环境(宁波)有限公司 一种水面漂浮物无人收集船

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102127906A (zh) * 2011-01-18 2011-07-20 南京清波蓝藻环保科技有限公司 水体浮油回收***
JP2012229530A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Towani:Kk 海上油分離装置
KR101136074B1 (ko) 2011-09-27 2012-04-17 김중근 수상 유류 회수장치
CN103174120A (zh) * 2013-04-08 2013-06-26 杨嘉平 移动式浮渣清除装置及清除***
CN108301391A (zh) * 2018-04-04 2018-07-20 宁波知春人环境工程有限公司 一种水面浮油收集装置
CN113844598A (zh) * 2021-09-29 2021-12-28 中清生态环境(宁波)有限公司 一种水面漂浮物无人收集船
CN113844598B (zh) * 2021-09-29 2024-04-16 中清生态环境(宁波)有限公司 一种水面漂浮物无人收集船

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3722688A (en) Sea surface oil extractor
US3508652A (en) Method of and apparatus for separating oil from water
US3754653A (en) Apparatus and method for collection of oil from surface of the sea
US3737040A (en) Vessel for the removal of oil on water
US4120793A (en) Polluting oil recovery apparatus
EP0207623B1 (en) An oil-spill-combatting water craft
JP2014015793A (ja) 浮遊物回収用ポンプ装置および回収船の吸込流路形状
US3703463A (en) Surface tension method of and apparatus for separating immiscible liquids
US8318012B2 (en) Barge oil skimmer
US9169610B2 (en) Collector apparatus
WO1998020208A1 (fr) Procede de dragage et appareil de dragage
US5308510A (en) Oil spill skimmer and processor
JP2858950B2 (ja) 水面上の油膜を収集する方法および装置
SU1369668A3 (ru) Судно дл борьбы с разлитой нефтью
JPH10306432A (ja) 浮遊物の回収装置
US5133882A (en) Barge mounted oil recovery and recycle system
US5094744A (en) Oil spill recovery apparatus
EP0011052A1 (en) An apparatus for collecting liquids and/or slimes floating on liquid surfaces
US4400134A (en) Collector apparatus
US4510054A (en) Oil recovery apparatus
FI68285B (fi) Foerfarande och anlaeggning foer aotervinning av pao vatten fltande olja
EP0043111A2 (en) Oil recovery vessel
JPH03250125A (ja) 砂採取設備の濁水流出防止装置
JPH10258275A (ja) 移送能力増大機能を有する浮遊油回収装置
KR830001296B1 (ko) 수역오탁물(水域汚濁物) 회수선