JPH10306192A - フィルムおよびそれを用いた成形体 - Google Patents

フィルムおよびそれを用いた成形体

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JPH10306192A
JPH10306192A JP5342898A JP5342898A JPH10306192A JP H10306192 A JPH10306192 A JP H10306192A JP 5342898 A JP5342898 A JP 5342898A JP 5342898 A JP5342898 A JP 5342898A JP H10306192 A JPH10306192 A JP H10306192A
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JP
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film
weight
acrylic polymer
layer
resin
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JP5342898A
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Yoshio Tadokoro
義雄 田所
Yosuke Tsukuda
陽介 佃
Kazuo Hinobeta
和夫 比延田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な厚み精度のフィルムまたはシートを提
供する。 【解決手段】 (I)還元粘度が0.07L/g以上で
あるアクリル系重合体20〜90重量部、(II)ゴム
弾性層を含む多層構造アクリル系重合体10〜50重量
部および(III)還元粘度が0.07L/g未満であ
るアクリル系樹脂0〜70重量部を含有し、(I)、
(II)および(III)の合計量が100重量部であ
る樹脂組成物からなるフィルムまたはシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルムまたはシー
ト、およびそれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形同時貼合方法とは、特公昭63
−6339号公報、特公平4−9647号公報、特開平
7−9484号公報などに開示される様に射出成形の際
に雌雄金型間に挿入したフィルムまたはシートをキャビ
ティ内に射出される溶融樹脂と一体化させ、成形体表面
を加飾あるいは絵付けする方法であり、使用されるフィ
ルムの種類の違いにより、ラミネート法または転写印刷
法と呼ばれている成形方法である。
【0003】従来より、かかる射出成形同時貼合方法に
用いられるフィルムまたはシートとしては、アクリルフ
ィルムまたはアクリルシートが知られているが、その厚
み精度は十分なものであるとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、十分な厚み精度のフィルムまたはシートを開発する
べく鋭意検討した結果、特定の還元粘度のアクリル系重
合体と多層構造アクリル系重合体とを含有する樹脂組成
物からなるフィルムは、厚み精度に優れていることを見
出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(I)還元粘度が0.07L/g以上であるアクリル系
重合体20〜90重量部、(II)ゴム弾性層を含む多
層構造アクリル系重合体10〜50重量部および(II
I)還元粘度0.07L/g未満であるアクリル系樹脂
0〜70重量部を含有し、(I)、(II)および(I
II)の合計量が100重量部である樹脂組成物からな
るフィルムまたはシートを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のフィルムまたはシート
(以下、これらをまとめて「フィルム」と称する。)に
用いられる(I)アクリル系重合体は、還元粘度(重合
体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25℃
で測定した値。)が0.07L/g以上である必要があ
る。0.07L/g未満ではフィルム加工時のメルトテ
ンションが低下するために厚み精度のよいフィルムを製
造することが困難となり、好ましくは0.1L/g以上
である。また、フィルムを容易に製造し得る点で、還元
粘度は0.25L/g以下、更には0.2L/g以下で
あることが好ましい。
【0007】かかるアクリル系重合体としては、例えば
メタクリル酸メチル単位とアクリル酸アルキルエステル
単位とからなるアクリル系重合体が挙げられる。ここ
で、アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基と
しては炭素原子数2〜10のアルキル基が好ましく、か
かるアクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアク
リル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イ
ソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルなどが
挙げられる。アクリル系重合体におけるメタクリル酸メ
チル単位は10〜90重量%であり、アクリル酸アルキ
ルエステル単位は90〜10重量%であることが好まし
い。なお、かかるアクリル系重合体のガラス転移温度
は、概ね40〜100℃の範囲であるが、40〜80℃
の範囲であることが好ましい。
【0008】樹脂組成物におけるアクリル系重合体の含
有量は20〜90重量部である。20重量部未満である
とフィルム表面に凹凸状の外観不良が発生し易くなる傾
向にあり、90重量部を超えると表面硬度の低いフィル
ムが得られる傾向にあるため、実用上好ましくない。
【0009】(II)ゴム弾性層を含む多層構造アクリ
ル系重合体は、少なくとも2層、好ましくは3層の多層
構造を有するアクリル系重合体である。かかるアクリル
系重合体の粒子径は通常100〜500nmの範囲であ
る。2層の多層構造アクリル系重合体としては、内層が
アルキル基の炭素数が4〜8のアクリル酸アルキルエス
テルと多官能単量体の共重合体からなる軟質ゴムであ
り、外層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質の重
合体である2層構造を基本とするものが挙げられる。ま
た、3層構造のアクリル系重合体としては、最内層がメ
タクリル酸メチルを主成分とする硬質の重合体、中間層
がアルキル基の炭素数が4〜8のアクリル酸アルキルエ
ステルと多官能単量体の共重合体からなる軟質のゴム弾
性層、および最外層がメタクリル酸メチルを主成分とす
る硬質の重合体からなる3層構造を基本とするものなど
が挙げられる。なかでもゴム弾性層を20〜60重量%
含むものがより好ましい。かかる多層構造アクリル系重
合体は、例えば特公昭55−27576号公報、特開平
1−252653号公報などに記載されている。かかる
多層構造アクリル系重合体の含有量は10〜50重量部
である必要がある。10重量部未満では衝撃強度が不十
分であったり金型内での貼合成形に必要なフィルムの伸
びが得られない傾向がある。50重量部を超えるとフィ
ルムの表面硬度が低下する傾向にあるため好ましくな
い。
【0010】本発明のフィルムは、上記アクリル系重合
体およびゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体を
含有する樹脂組成物からなり、(III)還元粘度が
0.07L/g未満であるアクリル系樹脂の含有量が
0、すなわちこれを含有していなくともよいが、かかる
アクリル系樹脂(III)を0〜70重量部含有してい
てもよく、この場合には耐熱性により優れたフィルムが
得られる点で好ましい。かかるアクリル系樹脂として
は、例えばメタクリル酸メチル単位50重量%以上と、
これと共重合可能な一種以上の他のビニル系単量体単位
50重量%未満とからなるものが挙げられる。
【0011】ここで、メタクリル酸メチルと共重合可能
なビニル系単量体としては、例えばメタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル
酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸2−ヘドロキシエチルなどのアクリル酸エステル類、
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪酸、スチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シ
クロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。なお、かか
るアクリル系樹脂のガラス転移温度は概ね80℃以上で
ある。
【0012】かかるアクリル系樹脂の還元粘度は通常
0.03L/g以上であり、好ましくは0.03〜0.
065L/gの範囲である。
【0013】(III)還元粘度が0.07L/g未満
であるアクリル系樹脂を用いる場合には、その含有量は
通常10重量部以上である。また、その含有量が70重
量部を超えるとフィルムの表面に凹凸状の欠陥が生じ易
くなる傾向にある。
【0014】なお、本発明のフィルムにおける(I)還
元粘度が0.07L/g以上であるアクリル系重合体、
(II)ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体お
よび(III)還元粘度が0.07L/g未満であるア
クリル系樹脂の含有量において、(I)、(II)およ
び(III)の合計量は100重量部である。
【0015】本発明における樹脂組成物は、通常の添加
剤を含有していてもよい。かかる添加剤としては、例え
ばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止
剤、イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系光安定剤等の耐候剤、難燃剤、着色剤、顔料、無
機系充填剤などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、
一般的には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系
の紫外線吸収剤を単独で、または混合して用いられる
が、フィルムからの揮発を少なくし、また印刷絵柄の劣
化を防止する観点から、高分子量のベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤が好ましい。
【0016】かかる樹脂組成物を製造するには、例えば
(I)アクリル系重合体および(II)ゴム弾性層を含
む多層構造アクリル系重合体、またはさらに(III)
アクリル系樹脂を押出機などを用いて溶融混練などの方
法により混合すればよい。
【0017】本発明のフィルムは、かかる樹脂組成物か
ら、通常よく知られたチルロールによる押出キャスティ
ング法、フィルムの両面をロール表面に接触させて成形
する押出成形法、両面を金属ベルトに接触させて成形す
るベルト冷却押出法、インフレーション押出成形法、溶
剤キャステイング法などにより製造できる。この中で
は、フィルムの両面をロール表面または金属ベルトに接
触させて成形する押出成形法、ベルト冷却押出法により
製造する方法などが、良好な表面状態のフィルムが得ら
れるばかりか、外部ヘイズの低下および絵柄の印刷特性
である印刷抜け防止効果の観点からも望ましい。
【0018】本発明のフィルムは、絵柄等を片面に印刷
されて用いられてもよいし、着色されて用いられてもよ
い。また予めフィルムを真空成形等の熱成形によって形
状を付与したものを、射出成形同時貼合に用いてもよ
い。さらに本発明のフィルムを多層フィルムの最外層と
して用いても良い。つまり本発明のフィルムに、塩化ビ
ニルフィルム、透明ABSフィルム等の他の樹脂フィル
ムを裏打ちして多層フィルムとすることも可能である。
【0019】本発明のフィルムの厚みは0.1〜0.6
mmであることが望ましい。本発明のフィルムは、通
常、絵柄等を片面に印刷された状態で印刷された面を射
出成形金型の後で溶融射出される樹脂側に向けて供給さ
れる。つまり最終成形品となった状態で透明(クリア
ー)層による印刷の深みを出すことを目的としているた
めである。このため、該フィルムの厚みが0.1mm未
満では、印刷柄等の深み感が乏しくなるため好ましくな
い。また工業的に本発明の射出成形同時貼合を金型内で
実施しようとすれば、連続的にフィルムを金型内に供給
する方式が望ましい。このためには該フィルムの厚みは
0.6mm以下であることが好ましく、が0.6mmを
越えると連続的なロール状で巻けなくなる傾向にあるた
め好ましくない。
【0020】本発明のフィルムの射出成形同時貼合時に
金型内で、溶融射出される樹脂は前述した様に、例え
ば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン
樹脂またはポリオレフィン樹脂等が使用可能であるが、
出来上がる最終製品の耐衝撃性、寸法の安定性等の観点
からABS樹脂またはポリカーボネート樹脂を選択する
ことが望ましい。さらに、工業的な生産として連続的に
フィルムを供給する場合には、巻き重量の低減および真
空成形時の賦型性の観点より、0.1〜0.2mmのフ
ィルムの厚みが好ましい。また、0.2mmを超えるフ
ィルム厚みの場合には、毎葉で金型内に供給することが
有利である。
【0021】本発明のフィルムを用いた射出成形同時貼
合は、特公昭63−6339号公報、特公平4−964
7号公報、特開平7−9484号公報等に記載の方法と
同様に行われる。すなわちキャビティ空間を形成する雌
型と雄型とを開き、両金型間にフィルムを挿入し、両金
型をフィルムを間に挟んで閉じ、型締めし、ゲートより
熔融樹脂をキャビティ内に射出充填し、冷却固化させる
ことにより、射出された成形体の表面にフィルムを接着
一体化させ、その後、両金型を開き、成形体を得る。射
出成形の樹脂温度、射出圧力等の条件は樹脂の種類等を
勘案して適宜設定される。
【0022】本発明フィルムを用いての射出成形同時貼
合は、メタクリル樹脂の持つ耐候性や表面硬度および表
面光沢などの特徴を生かして、バンパーやガーニッシュ
さらにサイドモールなどの自動車外板部材、センターコ
ンソールやドアトリムなどの自動車内装部材、エアーコ
ンディショナーや冷蔵庫などの家電製品の外装部材など
の塗装代替品の製法として有用である。
【0023】また、本発明のフィルムは、表面平滑性に
優れるという特徴を生かして、グラビア印刷、スクリー
ン印刷あるいはコンピューターグラフィック技術を利用
したインクジェットプリンター等による印刷などの表面
加飾技術の素材として使用できる。この様に印刷を施さ
れたフィルムは、片面に粘着層を設けて、外装用・広告
宣伝用の表示フィルム(マーキングフィルム)、キッチ
ン外板やテーブル外板などの建材の表層加飾フィルムな
どに使用し得る。この場合の粘着層は、印刷面側に設け
られてもよいし、印刷面の反対側に設けられてもよく、
表示または加飾目的に応じて選択可能である。このマー
キングフィルムは、各種の文字、絵柄、写真などが印刷
されて、例えば乗用車、バス、鉄道車両(電車、客車な
ど)などの装飾、案内表示などに用い得る。また、メタ
クリル樹脂の優れた耐候性を生かして屋外看板、窓貼看
板などにも有用である。かかる表示フィルムは、従来か
らのマーキングフィルムの素材である軟質塩化ビニル樹
脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、PET樹脂フ
ィルムなどと比べて耐候(光)性に優れている。建材加
飾フィルムとして用いた場合は、メタクリル樹脂の特徴
である表面硬度、表面光沢が大きな利点となり得る。
【0024】また、本発明のフィルムは、透明性に優れ
ると言う特徴を生かして、基材保護を目的としたマスキ
ングフィルムとしても使用可能である。一般のマスキン
グフィルムにはポリエチレン系樹脂フィルムに粘着剤層
を付けたフィルムが用いられているが、ポリエチレン系
樹脂が結晶性であるがために半透明であり、また光学的
に歪みが発生しやすいと言う欠点を有している。それに
対して本発明の片面に粘着剤層を有するマスキングフィ
ルムは、メタクリル樹脂板、ポリカーボネート樹脂板な
どのマスキングフィルムとして用いた場合、透明である
ためマスキングフィルムを剥がす事なしに、直接目視に
よる製品不良に対する検査が可能となる。また偏光フィ
ルム、位相差フィルムなどの保護マスキングフィルムと
して用いた場合、光学的な歪みあるいはデタージェーシ
ョンなどの特性検査をマスキングフィルムを剥がす事な
く、直接測定することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】本発明のフィルムは、射出成形同時貼合
用あるいはラミネート用のフィルムとして優れており、
このフィルムを用いれば、表面硬度を保ち、かつ深みの
ある透明感を持った積層成形品を安価に容易に製造する
ことができる。また、複合フィルムやマーキングフィル
ム、さらにマスキングフィルムなどにも好ましく用い得
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限され
るものではない。なお、評価方法は以下の通りである。 (1)成形時凹凸発生試験:貼合成形体の表面状態を目
視で観察し、表面状態の良いのを○、微細凹凸が発生し
たものを×、その中間を△と判定した。 (2)ガーゼ摩耗性:(株)東洋精機製作所製の染色堅
牢度用摩擦試験機D型の測定治具にガーゼを装着し、荷
重200gで500往復の摩耗試験を行い、評価を目視
判定した。摩耗しないのを○、摩耗したのを×、その中
間を△とした。 (3)表面硬度:JIS K 5400に従い鉛筆硬度
を測定した。 (4)透明性:JIS K 6718に記載の方法に準
じて全光線透過率(Tt)、ヘイズを測定した。 (5)ガラス転移温度(Tg):示差走査熱量測定(D
SC)によりフィルムサンプルを10℃/分の昇温速度
で加熱した時に観察される吸熱開始温度を接線法により
求めた。 (6)印刷抜け個数:フィルム片面に絵柄をグラビア印
刷し、幅が約1mで長さが約10mのフィルムについて
目視で検査し、その印刷抜け個数を1m2当たりに換算
した。 (7)厚み精度:フィルムの厚みを幅方向と引き取り方
向1mについて1/1000mm精度のダイヤルゲージ
で平均厚み(d0)、最大部厚みおよび最小部厚みを測
定し、最大厚みとd0との差または最小厚みとd0との差
のいずれか大きい方の値(Δd)およびd0から計算式
(1) 厚み精度(%)=Δd/d0×100 (1) により、厚み精度を求めた。
【0027】実施例1 アクリル系重合体(還元粘度0.14L/g、バルク重
合法により製造、メタクリル酸メチル単位85重量%、
アクリル酸メチル単位15重量%)のペレット60重量
部と、球形の3層構造の多層構造アクリル系重合体〔最
内層がメタクリル酸メチル37.5重量部とジアリルマ
レート0.075重量部との架橋重合体、中間層がブチ
ルアクリレート38.5重量部とスチレン9重量部とジ
アリルマレート0.95重量部との軟質ゴム弾性体、最
外層がメタクリル酸メチル14.4重量部とエチルアク
リレート0.6重量部との共重合体からなるアクリル系
重合体(特公昭55−27576号公報実施例3参
照):平均粒径が約300nm〕24重量部およびアク
リル系樹脂(住友化学社製、スミペックスLG、還元粘
度0.06L/g)のビーズ16重量部をタンブラー型
混合機で混合し、二軸押出機にて溶融混練してペレット
とした。このペレットを東芝機械(株)製のバレル径6
5mmφの一軸押出機を用い、設定温度255℃のT型
ダイス(600mm幅)を介して押出し、ポリシングロ
ールに両面を完全に接する様に冷却し、厚さ0.13m
mのフィルムを得た。
【0028】得られた厚み0.13mmのフィルムを、
射出成形金型内(温度50℃)に入れ、その裏面にAB
S樹脂を3mm厚さに射出し(射出圧力1150kg/
cm 2、樹脂温度230℃)、フィルムが貼合された成
形体(厚み3mm)を得た。得られたフィルムおよび成
形体の評価結果を表1に示す。
【0029】実施例2 アクリル系重合体(懸濁重合法により製造、還元粘度
0.09L/g、メタクリル酸メチル単位87重量%、
アクリル酸メチル単位3重量%、アクリル酸ブチル単位
10重量%)のビーズ37.5重量部、実施例1におい
て用いたと同じ球形の3層構造の多層構造アクリル系重
合体25重合部および実施例1において用いたと同じア
クリル系樹脂37.5重量部をヘンシェルタイプのミキ
サーにて混合し、二軸押出機にて溶融混練してペレット
とした。
【0030】このペレットを東芝機械(株)製のバレル
径65mmφの一軸押出機を用い、設定温度255℃の
T型ダイス(600mm幅)を介して押出し、連続ステ
ンレスベルト冷却装置のステンレスベルト面にフィルム
の両面が完全に接するようにして冷却し、厚さ0.13
mmのフィルムを得た。次いで、得られた厚み0.13
mmのフィルムを用いて実施例1と同様に操作して、成
形体を得た。得られたフィルムおよび成形体の評価結果
を表1に示す。
【0031】実施例3 実施例2におけるフィルムの冷却を、ポリシングロール
に片面のみ接触させて行った以外は、実施例2と同様に
操作して、フィルムおよび成形体を得た。評価結果を表
1に示す。
【0032】実施例4 実施例2におけるアクリル系重合体の使用量を50重量
部、3層構造の多層構造アクリル系重合体の使用量を2
0重量部、アクリル系樹脂の使用量を30重量部とする
以外は、実施例2と同様に操作して、フィルムおよび成
形体を得た。評価結果を表1に示す。
【0033】実施例5 3層構造の多層構造アクリル系重合体に代えて2層構造
の多層構造アクリル系重合体〔内層がブチルアクリレー
ト38.5重量部とスチレン9重量部とジアリルマレー
ト0.95重量部との軟質ゴム弾性体、外層がメタクリ
ル酸メチル14.4重量部とエチルアクリレート0.6
重量部との共重合体(特公昭55−27576号公報の
実施例3に準じて最内層を形成することなく製造し
た):平均粒径は約300nm〕を用いる以外は実施例
4と同様操作して、フィルムを得、成形体を得た。評価
結果を表1に示す。
【0034】比較例1 アクリル系重合体(還元粘度0.09L/g)に代え
て、アクリル系重合体(還元粘度0.06L/g、懸濁
法により製造、メタクリル酸メチル単位87重量%、ア
クリル酸メチル単位3重量%、アクリル酸ブチル単位1
0重量%)を用いた以外は実施例2と同様に操作して、
フィルムおよび成形体を得た。評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)還元粘度が0.07L/g以上であ
    るアクリル系重合体20〜90重量部、(II)ゴム弾
    性層を含む多層構造アクリル系重合体10〜50重量部
    および(III)還元粘度が0.07L/g未満である
    アクリル系樹脂0〜70重量部を含有し、(I)、(I
    I)および(III)の合計量が100重量部である樹
    脂組成物からなるフィルムまたはシート。
  2. 【請求項2】アクリル系重合体が、メタクリル酸メチル
    単位10〜90重量%とアクリル酸アルキルエステル単
    位90〜10重量%とからなるアクリル系重合体である
    請求項1に記載のフィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合
    体が、最内層がメタクリル酸メチルを主成分とする硬質
    の重合体、中間層がアルキル基の炭素数が4〜8のアク
    リル酸アルキルエステルと多官能単量体の共重合体から
    なる軟質のゴム弾性体、最外層がメタクリル酸メチルを
    主成分とする硬質の重合体からなる3層構造アクリル系
    重合体である請求項1に記載のフィルムまたはシート。
  4. 【請求項4】厚みが0.1〜0.6mmである請求項1
    に記載のフィルムまたはシート。
  5. 【請求項5】片面に絵柄が印刷されている請求項1に記
    載のフィルムまたはシート
  6. 【請求項6】両面をロール表面または金属ベルト表面に
    接触させて成形されてなる請求項1に記載のフィルムま
    たはシート。
  7. 【請求項7】請求項1または請求項5に記載のフィルム
    またはシートが熱可塑性樹脂成形品の表層に接着一体化
    されてなる成形体。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂がアクリルニトリル・ブタジ
    ェン・スチレン樹脂またはポリカーボネート樹脂である
    請求項7に記載の成形体。
  9. 【請求項9】請求項1または請求項5記載のフィルムま
    たはシートを雌雄金型間に挿入し、金型内で熱可塑性樹
    脂を射出成形して得られる成形体表面に該フィルムまた
    はシートを同時貼合することを特徴とする請求項7に記
    載の成形体の製造方法。
JP5342898A 1997-03-06 1998-03-05 フィルムおよびそれを用いた成形体 Pending JPH10306192A (ja)

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