JPH1030035A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH1030035A
JPH1030035A JP20303296A JP20303296A JPH1030035A JP H1030035 A JPH1030035 A JP H1030035A JP 20303296 A JP20303296 A JP 20303296A JP 20303296 A JP20303296 A JP 20303296A JP H1030035 A JPH1030035 A JP H1030035A
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nitrile rubber
polyamide resin
weight
thermoplastic elastomer
elastomer composition
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Application number
JP20303296A
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Inventor
Shigeo Kobayashi
重夫 小林
Hiroyuki Tsuchida
浩之 土田
Atsushi Jinno
敦司 神野
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Maxell Kureha Co Ltd
Original Assignee
Kureha Elastomer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミド樹脂とニトリルゴムからな
り、多量のニトリルゴムが島成分としてポリアミド樹脂
中に細かく均一に分散し、かつニトリルゴムが十分に加
硫され、耐薬品性および耐油性が著しく向上し、かつ強
伸度特性の優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供す
る。 【解決手段】 ポリアミド樹脂20〜80重量%およ
びニトリルゴム80〜20重量%からなり、このニトリ
ルゴムの1〜50重量%がカルボキシル基含有ニトリル
ゴム、残りが第3成分を有しないニトリルゴムであり、
上記カルボキシル基含有ニトリルゴムが上記ポリアミド
樹脂の一部とイオン結合により結合し、すべてのニトリ
ルゴム成分が架橋されたゴム粒子としてポリアミド樹脂
中に分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐油性、耐薬品
性に優れ、かつ機械的特性および耐熱性の良好な熱可塑
性エラストマー組成物に関し、結晶性ポリアミドとニト
リルゴムのブレンド組成物の耐薬品性および物性を向上
するため、少量のカルボキシル基含有ニトリルゴムとポ
リアミド樹脂の一部をイオン結合により結合し、かつニ
トリルゴムを加硫したものである。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリアミドとニトリルゴムを高剪
断速度で混練しながら加硫剤で加硫する、いわゆる動的
加硫によって熱可塑性エラストマー組成物を製造するこ
とが特公昭55−14096号公報によって知られてい
る。しかしながら、結晶性ポリアミドとニトリルゴムと
は、非相溶性であるため、これらを機械的混練のみによ
って均一で安定な微細構造とすることは極めて難しく、
しかも得られた組成物の機械的強度は不十分であった。
【0003】また、上記の結晶性ポリアミドとニトリル
ゴムとからなる熱可塑性エラストマー組成物において、
ニトリルゴムとしてカルボキシル基含有ニトリルゴムを
用いたものが特公昭59−49246号公報および特開
昭60−130632号公報等によって知られている
が、このブレンド組成物は、強度特性に優れる反面、耐
薬品性や耐油性が劣るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ポリアミ
ド樹脂とニトリルゴムからなる熱可塑性エラストマー組
成物において、ニトリルゴムの一部にカルボキシル基含
有ニトリルゴムを用いてポリアミド樹脂の一部とイオン
結合で結合させて相溶化剤とし、これによって多量のニ
トリルゴムを島成分としてポリアミド樹脂中に細かく均
一に分散させ、かつニトリルゴムの加硫を十分に行うこ
とにより、上記熱可塑性エラストマー組成物の耐薬品性
および耐油性を著しく向上させ、かつ優れた強伸度特性
を得るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物は、ポリアミド樹脂20〜80重量%お
よびニトリルゴム80〜20重量%からなり、このニト
リルゴムの1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%
がカルボキシル基含有ニトリルゴム、残りが第3成分を
有しないニトリルゴムであり、上記カルボキシル基含有
ニトリルゴムが上記ポリアミド樹脂の一部とイオン結合
により結合し、すべてのニトリルゴム成分が架橋された
ゴム粒子としてポリアミド樹脂中に分散していることを
特徴とする。
【0006】この発明のポリアミド樹脂は、重合体鎖中
に繰返しアミド結合単位を有する融点120〜270℃
のポリマーであり、単独重合体樹脂または共重合体樹脂
のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。上記
のポリアミド樹脂としては、ポリカプロラクタム(ナイ
ロン6)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポ
リアミノウンデカン酸(ナイロン11)、ポリヘキサメ
チレンアジピン酸アミド(ナイロン66)、ポリヘキサ
メチレンセバシン酸アミド(ナイロン610)、メタキ
シリレンジアミンアジパミド(MXD6)等の単独重合
体、並びにカプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、
ラウリルラクタム、アミノウンデカン酸等の共重合体、
各種ポリアミドとポリテトラメチレングリコール(DT
MG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、脂肪族
ポリエステルジオールとのブロック共重合体等が例示さ
れる。
【0007】この発明では、ニトリルゴムとしてカルボ
キシル基含有ニトリルゴムが第3成分を有しないニトリ
ルゴムと併用される。カルボキシル基含有ニトリルゴム
は、アクリルニトリルおよびブタジエンと共に第3成分
としてアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン
酸およびイタコン酸等から選ばれた一種または二種以上
のα、β不飽和カルボン酸を共重合させた合成ゴムであ
る。また、第3成分を有しないニトリルゴムは、カルボ
キシル基やアミノ基等の第3成分を含有しないニトリル
ゴムであれば、通常型ニトリルゴムおよび部分架橋型ニ
トリルゴムのいずれでもよい。
【0008】上記のカルボキシル基含有ニトリルゴムに
おけるアクリルニトリルの含有割合は、約20〜50重
量%が好ましい。また、上記カルボキシル基の含有割合
は、約0.5〜10重量%が好ましく、カルボキシル基
の含有量が0.5重量%未満では物性向上等の所期の効
果が得られず、また10重量%を超えると、物性が飽和
に達し、かつニトリルゴムの合成コストが著しく高額に
なる。
【0009】この発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、上記のポリアミド樹脂20〜80重量%およびニト
リルゴム(カルボキシル基含有ニトリルゴムと第3成分
を有しないニトリルゴムの合計)80〜20重量%を他
の通常の配合剤と共にポリアミド樹脂の融点よりも5〜
30℃高い温度で混練し、上記のゴム成分が均一に混練
された後、加硫剤やイオン結合剤を添加して加硫し、し
かるのち通常の方法で成形して製造される。用いる混練
機は、可能な限り高剪断速度の加わる装置が好ましく、
2軸押出機、ブラベンダー、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー等が例示される。また、成形方法としては、加
圧成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形等が例示
される。
【0010】上記のイオン結合剤としてはマグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、亜鉛の酸化物および/また
は水酸化物から選ばれた一種以上が用いられ、その配合
量はポリアミド樹脂およびニトリルゴムの合計に対し1
〜10重量部が好ましい。また、通常の配合剤として
は、カーボンブラック、シリカ、クレー、炭酸カルシウ
ム等の充填剤や酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、
安定剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、帯電防止剤および着色
剤等が挙げられる。そして、加硫剤としては硫黄、硫黄
含有化合物、反応性樹脂架橋剤および有機過酸化物等が
挙げられ、上記の硫黄含有化合物としてベンゾチアジル
サルファイド、メルカプトベンゾチアゾール、スルフェ
ンアミド、チウラムモノサルファイド等の周知の加硫促
進剤が例示される。また、反応性樹脂架橋剤はゴム成分
を架橋する作用を備えた樹脂であり、アルキルフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂、臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド
樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド樹脂および熱反応
性フェノール樹脂等が例示される。また、有機過酸化物
としてはジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキ
サイド、パーオキシケタール等の周知の有機過酸化物が
例示される。
【0011】得られた熱可塑性エラストマー組成物は、
ポリアミド樹脂とニトリルゴムとからなり、ポリアミド
樹脂中にニトリルゴムが部分的に架橋したゴム粒子とし
て分散しているため、熱可塑性とゴム弾性とを備え、か
つ機械的特性、耐油性、耐薬品性、耐熱性等に優れてい
る。そして、ニトリルゴム中の少量のカルボキシル基含
有ニトリルゴムがポリアミド樹脂の一部とイオン結合で
結合して相溶化剤を形成する一方、残りの多量のニトリ
ルゴムがポリアミド樹脂と結合することなく上記相溶化
剤の作用でポリアミド樹脂中に島成分として細かく均一
に分散し、かつニトリルゴム総てが十分に加硫されるた
め、上記組成物の特に耐薬品性および耐油性が著しく向
上し、かつ強伸度特性が改善される。
【0012】ただし、ポリアミド樹脂の配合割合がエラ
ストマー組成物の20重量%未満では、エラストマー組
成物の熱可塑性が低下して成形困難となり、反対に80
重量%を超えると、成形品の硬度が高くなり、エラスト
マーとしての柔軟性が消失する。そして、ニトリルゴム
成分におけるカルボキシル基含有ニトリルゴムの配合割
合が1重量%未満では、強伸度特性の向上が得られず、
反対に50重量%を超えると、流動性が低下して加工性
(成形性)が悪くなると共に、ポリアミド樹脂成分が完
全にマトリックスとなり難く、耐薬品性が悪くなる。ま
た、前記イオン結合剤の添加量がポリアミド樹脂および
ニトリルゴムの合計100重量部に付き、1重量部未満
では、効果がなく、10重量部を超えると過剰配合とな
り、単なる充填剤の役割しかない。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施形態1 ポリアミド樹脂としてナイロン12(融点178℃)お
よびナイロン12とポリテトラメチレングリコールのブ
ロック共重合体(融点160℃)を、またニトリルゴム
としてカルボキシル基含有ニトリルゴムおよび第3成分
を有しないニトリルゴムをそれぞれ用いる。ただし、ポ
リアミド樹脂およびニトリルゴムの合計に対するポリア
ミド樹脂の配合量を20〜80重量%とし、残り80〜
20重量%をニトリルゴムとする。そして、ニトリルゴ
ムの全量に対するカルボキシル基含有ニトリルゴムの配
合量を1〜50重量%とし、残りを第3成分を有しない
ニトリルゴムとする。
【0014】混練機としてラボプラストミルを使用し、
温度を170〜230℃に設定し、上記のポリアミド樹
脂を投入し、完全に溶融した後、上記のニトリルゴムを
投入し、充分に混練し、次いでイオン結合剤として酸化
亜鉛を0.5〜5phr 投入して混練し、更に架橋剤とし
て有機過酸化物を0.02〜1.0phr 投入して混練
し、混練トルクが極大値に達してから更に数分間混練し
てニトリルゴムを架橋させ、続いて可塑剤を0〜5phr
投入して混練し、しかるのち温度180〜240℃で所
望の形に成形する。
【0015】実施形態2 上記の実施形態1において、ポリアミド樹脂としてナイ
ロン12(融点178℃)のみを使用し、ナイロン12
とポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体を
省略し、混練温度を180〜240℃に設定する以外
は、実施形態1と同様に混練し、しかるのち温度190
〜240℃で所望の形に成形する。
【0016】
【実施例】ポリアミド樹脂、ニトリルゴム、イオン結合
剤、架橋剤、可塑剤その他の添加剤として下記のものを
使用した。 Ny 12:ナイロン12(融点178℃)、ダイセル・
ヒュルス株式会社製、商品名「ダイアミドL1600 ELY :ナイロン12とポリテトラメチレングリコー
ルのブロック共重合体(融点160℃)、エムスジャパ
ン株式会社製、商品名「グリルアミドELY−60」 C−NBR:カルボキシル基含有NBR(アクリルニト
リル含有量27重量%、ムーニー粘度48)、日本ゼオ
ン株式会社製、商品名「ニッポール1072J」 N−NBR:通常型NBR(アクリルニトリル含有量4
1重量%、ムーニー粘度56)、日本合成ゴム株式会社
製、商品名「JSR NBR N−220S」 B−NBR:部分架橋型NBR(アクリルニトリル含有
量40重量%、ムーニー粘度30)、日本合成ゴム株式
会社製、商品名「JSR NBR T−493」 PO:2,5−ジメチル−2,5−t−ブチルパーオキ
シヘキサン−3 日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキシン25B」 S :硫黄 DM:ジベンゾチアジルジスルフィド(加硫促進剤) TMP:トリメチロールプロパントリアクリレート(加
硫助剤) Zn O:酸化亜鉛(イオン結合剤。ただし、硫黄系では
加硫助剤を兼ねる。) 可塑剤:N−エチル−P−トルエンスルホンアミド
【0017】実施例1、2および比較例1〜4 ポリアミド樹脂としてNy 12またはELYを用い、第
3成分を有しないニトリルゴムとして部分架橋型ニトリ
ルゴムを用い、混練機としてラボプラストミル(東洋精
機株式会社製、商品名「R−500」)を用い、表1に
示す各種の組成で混練した。上記のラボプラストミルを
190℃の温度に設定し、先ずNy 12またはELYを
投入して完全に溶融した後、NBRを投入して約4分間
混練し、次いで酸化亜鉛を投入して約3分間混練し、更
に加硫剤を投入して混練し、混練トルクが極大を示した
後、更に3分間混練し、次いで可塑剤を投入して2分間
混練し、しかるのち205℃の加圧プレス機で厚み2mm
のシートを成形した。
【0018】得られた実施例および比較例のシートのJ
IS−A硬度(Hs )、耐トルエン性(%)および引張
強度(Tb )を測定し、表1に併記した。ただし、硬度
および引張強度は、JIS K−6251に準拠して測
定した。また、耐トルエン性は、幅20mm、長さ50m
m、厚さ2mmのサンプルを25℃の室温下でトルエンに
浸漬し、5時間後の膨潤による重量増加率(重量%)で
示した。なお、表中のポリアミド樹脂およびNBRの
「重量%」はポリアミド樹脂およびNBRの合計量に対
するポリアミド樹脂またはNBRの重量比率である。ま
た、ポリアミド樹脂およびNBR以外の配合物の「ph
r」は、ポリアミド樹脂およびNBRの合計量を100
とする重量比率である。また、「実施例」を「実」と、
「比較例」を「比」とそれぞれ略記した。
【0019】 表 1 比1 実1 比2 比3 比4 実2 配合 Ny12(重量%) 30 30 30 − − − ELY (重量%) − − − 30 30 30 C-NBR (重量%) 70 30 − 70 40 15 B-NBR (重量%) − 40 70 − 30 55 C-NBR/全NBR (%) 100 42.9 0 100 57.1 21.4 可塑剤(phr ) 2 2 2 − − − S (phr ) 0.3 0.3 0.3 − − − DM (phr ) 0.3 0.3 0.3 − − − PO (phr ) − − − 0.15 0.15 0.15 TMP (phr ) − − − 0.3 0.3 0.3 ZnO (phr ) 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 物性 Hs (JIS-A ) 91 89 86 77 83 87 耐トルエン性(%) 73 56 51 100 80 61 Tb (kg/cm2 ) 158 104 59 130 101 140
【0020】実施例3〜7および比較例5、6 ポリアミド樹脂としてELYを用い、第3成分を有しな
いニトリルゴムとして部分架橋型ニトリルゴムまたは通
常型ニトリルゴムを用い、配合を表2の通りとする以外
は、実施例1と同様にして実施例3〜7の熱可塑性エラ
ストマー組成物を製造し、その物性を測定した。
【0021】 表 2 比5 比6 実3 実4 実5 実6 実7 配合 ELY (重量%) 35 35 35 35 50 50 50 C-NBR (重量%) 65 42 15 10 3 3 3 N-NBR (重量%) − − − − 47 47 47 B-NBR (重量%) − 23 50 55 − − − C-NBR/全NBR (%)100 64.6 23.1 15.4 6 6 6 PO (phr ) 0.15 0.15 0.15 0.15 0.15 0.30 0.45 TMP (phr ) 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 ZnO (phr ) 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 物性 Hs (JIS-A ) 84 86 88 89 93 93 94 耐トルエン性(%)65 71 54 41 85 76 72 Tb (kg/cm2 ) 153 146 145 130 152 185 162
【0022】上記の表1、2に示すように、この発明の
実施例1〜7は、いずれも硬度および引張強度が良好で
あると共に、耐トルエン性に優れている。これに対して
比較例1、3、4、5、6は、NBR中のカルボキシル
基含有NBRの配合が過剰であるため、硬度および引張
強度は良好であるが、耐トルエン性に劣り、比較例2は
NBRにカルボキシル基含有NBRを全く使用しないた
め、引張強度が劣っている。
【0023】実施例8〜10および比較例7、8 ポリアミド樹脂にNy 12およびELYを併用し、第3
成分を有しないNBRとして通常型NBRまたは部分架
橋型NBRを用い、配合を表3の通りとする以外は実施
例1と同様にして実施例8〜10および比較例7、8の
熱可塑性エラストマー組成物を製造し、その物性を測定
した。
【0024】 表 3 比7 実8 比8 実9 実10 配合 Ny12(重量%) 20 20 20 25 25 ELY (重量%) 10 10 10 10 10 C-NBR (重量%) 50 35 − 20 15 N-NBR (重量%) 20 35 70 − − B-NBR (重量%) − − − 45 50 C-NBR/全NBR (%) 71.4 50.0 0 30.8 23.1 可塑剤(phr ) 2 2 2 2 2 S (phr ) − − − 0.3 − DM (phr ) − − − 0.3 − PO (phr ) 0.15 0.15 0.15 − 0.15 TMP (phr ) 0.3 0.3 0.3 − 0.3 ZnO (phr ) 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 物性 Hs (JIS-A ) 84 85 85 88 90 耐トルエン性(%) 85 76 72 47 45 Tb (kg/cm2 ) 146 130 84 128 126
【0025】上記の表3において、実施例8を比較例
7、8と比較すると、これらはポリアミド樹脂としてN
y 12とELYを併用し、その配合量の合計を30重量
%に揃え、かつNBRの合計配合量を70重量%に揃
え、その中のカルボキシル基含有NBRの配合率のみを
変更したものであるが、実施例8は硬度、耐トルエン性
および引張強度のバランスが良好である。これに対し、
比較例7はカルボキシル基含有NBRが過剰のため耐ト
ルエン性が劣り、比較例8はカルボキシル基含有NBR
を用いないため、引張強度が劣る。なお、実施例8の耐
トルエン性は、他の実施例1〜7に比べて劣っている
が、上記のとおり比較例7、8と比較すると、優れてお
り、しかも同じ表3の実施例9、10のようにNy 12
を5重量%だけ増量し、ポリアミド樹脂の合計配合量を
35重量%にすると、耐トルエン性が著しく改善され
る。
【0026】
【発明の効果】請求項1〜4に記載された発明の熱可塑
性エラストマー組成物は、強度特性および流動性のバラ
ンスが良好で、成形加工が容易であり、しかも耐薬品性
および耐油性の点で特に優れており、また強伸度特性も
良好である。特に請求項2記載の発明は、ポリアミド樹
脂として融点が120〜270℃の結晶性重合体を用い
るものであるから、耐熱性、耐油性、耐薬品性が一層向
上し、かつ成形性が良好となる。また、請求項3記載の
発明は、カルボキシル基含有ニトリルゴムとポリアミド
樹脂のイオン結合にマグネシウムその他の酸化物または
水酸化物を用いるものであるから、混練によりカルボキ
シル基含有ニトリルゴムとポリアミド樹脂が結合剤を介
してイオン結合を形成し、相溶化剤となる。また、請求
項4記載の発明は、ニトリルゴムを硫黄、硫黄含有化合
物、有機過酸化物または反応性樹脂架橋剤で加硫するの
で、増粘によりポリアミド樹脂中にニトリルゴム成分が
均一に分散される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂20〜80重量%および
    ニトリルゴム80〜20重量%からなり、このニトリル
    ゴムの1〜50重量%がカルボキシル基含有ニトリルゴ
    ム、残りが第3成分を有しないニトリルゴムであり、上
    記カルボキシル基含有ニトリルゴムが上記ポリアミド樹
    脂の一部とイオン結合により結合し、すべてのニトリル
    ゴム成分が架橋されたゴム粒子としてポリアミド樹脂中
    に分散していることを特徴とする熱可塑性エラストマー
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性エラストマー組
    成物において、ポリアミド樹脂が温度120〜270℃
    の範囲に融点を有する結晶性の単独重合体および/また
    は共重合体である熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物において、カルボキシル基含有ニトリル
    ゴムとポリアミド樹脂の一部がマグネシウム、カルシウ
    ム、バリウムおよび亜鉛の酸化物または水酸化物から選
    ばれた一種以上の結合剤を介してイオン結合を形成して
    いる熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
    可塑性エラストマー組成物において、ニトリルゴムが硫
    黄、硫黄含有化合物、有機過酸化物または反応性樹脂架
    橋剤で加硫されている熱可塑性エラストマー組成物。
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