JPH10297110A - 記録媒体 - Google Patents

記録媒体

Info

Publication number
JPH10297110A
JPH10297110A JP9108910A JP10891097A JPH10297110A JP H10297110 A JPH10297110 A JP H10297110A JP 9108910 A JP9108910 A JP 9108910A JP 10891097 A JP10891097 A JP 10891097A JP H10297110 A JPH10297110 A JP H10297110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
polyurethane resin
hydrocarbon skeleton
recording medium
glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9108910A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takimoto
浩 滝本
Yasuyuki Taniguchi
泰之 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP9108910A priority Critical patent/JPH10297110A/ja
Publication of JPH10297110A publication Critical patent/JPH10297110A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録が鮮明で、短時間にでき、可逆的な記
録、消去が可能な記録媒体の提供。 【解決手段】 有機ジイソシアネート化合物と、有橋炭
化水素骨格またはスピロ炭化水素骨格を持つグリコール
とから得られる重量平均分子量が5,000〜300,
000の非架橋型ポリウレタン樹脂を基材とする記録層
を基板(フィルム、合成紙、ガラス)の表面に設けた記
録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンの形
状記憶性能を利用して、所望の図形を記録及び消去する
ことができるポリウレタン記録媒体に関する。詳しく
は、特定のポリウレタン樹脂からなる記録層を有し、該
樹脂を局部的に、そのガラス転移点(以後Tgと略す)
以上に加熱して、ある形状に変形させ、これを変形させ
たまま、Tg以下に急冷してその形状を固定することに
より情報を記録し、前記記録部あるいは全体を、Tg以
上に加熱して前記変形を元に戻すことにより、記録を消
去することができる可逆性記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】形状記憶性ポリウレタン樹脂(以後SM
Rと略す)を用いる記録媒体としては、特定のポリマー
ジオールを用いる方法(特開平1−282209号)、
発泡体(特開平2−92912号)、線状ポリウレタン
エラストマー(特開昭61−293214号、特開平2
−92914号)、架橋型ポリウレタン(特開平7−1
25440号)などが知られているが、記録及び消去が
遅かったり、あるいは、変形量が不十分であるため、形
成された図形が不明瞭であったりして記録媒体として実
用性の高い物は得られていなかった。また、特開平8−
183258号公報は基板上に形状記憶樹脂より成る記
録層を有する光記録媒体において、形状記憶樹脂が側鎖
部分と主鎖部分との重量比が1/99〜50/50であ
るウレタン系樹脂であることを特徴とする消去および繰
り返し記録可能な光記録媒体を、特開平8−18564
1号公報は、基板上に形状記憶樹脂より成る記録層を有
する光記録媒体において、形状記憶樹脂がウレタン系樹
脂と架橋剤とから成り、架橋点濃度が1〜1000μe
q/gであることを特徴とする消去および繰り返し記録
可能な光記録媒体を提案する。これらの光記録媒体は記
録及び消去のスピードを向上させうるが、近時、情報機
器の発展により、より記録及び消去の高速化が期待され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような現状に鑑み、記録、消去の速度がはやく、変形
量が大きく図形が明瞭な記録媒体を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、有橋炭化水素
骨格またはスピロ炭化水素骨格を分子鎖中に持つポリウ
レタン樹脂よりなる記録層を有する記録媒体を提供する
ものである。
【0005】
【作用】ポリウレタン樹脂が嵩高(バルギー)な有橋炭
化水素骨格またはスピロ炭化水素骨格を分子鎖中に持つ
ので、Tg前後の弾性率の差(変化)が大きく、大きな
変形が得やすく記録、消去のスピードが向上すると共
に、明瞭な図形が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の記録媒体は、有橋炭化水
化水素骨格またはスピロ炭化水素骨格を分子鎖中に持つ
ポリウレタン樹脂よりなる記録層を有する記録媒体で、
記録層のポリウレタン樹脂を局部的にそのガラス転移点
以上に加熱してある形状に変形させ、これを変形された
ままガラス転移点以下に急冷してその形状を固定するこ
とにより情報を記録し、前記記録部あるいは全体をガラ
ス転移点以上に加熱して前記変形を元に戻すことにより
記録を消去することができる可逆性記録媒体である。
【0007】本発明の記録媒体は、可逆性の感熱記録媒
体として用いることもできるし、可逆性の光ディスクと
して用いることもできる。 ポリウレタン樹脂:記録層の基材樹脂のポリウレタン樹
脂は、その分子鎖中に有橋炭化水素骨格またはスピロ炭
化水素骨格を有するものである。ここで有橋炭化水素骨
格とは、例えば畑一夫著「有機化合物の命令」(199
5年9月30日補訂第27刷、株式会社培風館発行)の
29〜31頁に示されるように通常2環が2以上の原子
を共有する2環系架橋環式炭化水素、2環系が更に架橋
されたトリシクロ、テトラシクロ等の架橋環式炭化水素
を含む骨格をいい、具体的には、
【0008】
【化2】
【0009】等の骨格を有するものである。また、スピ
ロ炭化水素骨格とは、同雑誌の31頁に記載されるよう
に、ただ1個の原子が二つの環に共通になって作られて
いるスピロ結合を有し、二つの脂環が1個の炭素元素を
共有して構成されているスピロ炭化水素である。かかる
ポリウレタン樹脂は、例えば有機ジイソシアネート化合
物(a1 )と、有橋炭化水素骨格またはスピロ炭化水素
骨格を持つ、分子量が100〜400のグリコール(a
2 )、必要により他のポリオール(a3 )とを反応させ
て得られるものである。このポリウレタン樹脂は、重量
平均分子量が5,000〜300,000、好ましくは
15,000〜150,000で、ガラス転移点が50
〜130℃、好ましくは70〜120℃の非架橋型のポ
リウレタン樹脂が好適である。非架橋型であるときは、
記録媒体の製造時に、硬化処理(架橋工程)が不要とな
るとともに、樹脂のポットライフを気にする必要がない
メリットがある。
【0010】(a1 )有機ジイソシアネート化合物:本
発明のポリウレタン樹脂の製造に用いる有機ジイソシア
ネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシア
ネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシア
ネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメ
チルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソ
シアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシアネートジ
メチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有す
る脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。中でも芳香
環を有するジイソシアネート、特に4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0011】(a2 )有橋炭化水素骨格またはスピロ炭
化水素骨格を有するグリコール:本発明のポリウレタン
樹脂の製造に用いる有橋炭化水素骨格またはスピロ炭化
水素骨格を有するグリコールの例としてはビシクロ
[4.2.0]オクタン−7,8−ジオール、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2,7−ジオール、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジメチル−2,3−
ジオール、ビシクロ[4.4.0]デカン−3,4−ジ
オール、ビシクロ[4.4.0]デカン−2,3−ジオ
ール、ビシクロ[4.4.0]デカン−1,6−ジオー
ル、カラン−3,4−ジオール、ピナン−2,3−ジオ
ール、ピナン−2,10−ジオール、ボルナン−2,3
−ジオール、ボルナン−2,5−ジオール、ボルナン−
2,6−ジオール、ビシクロ[3.2.1]オクタン−
1,8,8−トリメチル−2,4−ジオール、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジメタノー
ル、カラン−3,4−ジオール等の二環系炭化水素誘導
体、トリシクロ[5.2.1.02.6 ]ジメタノール、
パーヒドロフェナントレン−2,10−ジオール、パー
ヒドロフェナントレン−9,10−ジオール等の三環系
炭化水素誘導体、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−
ジメタノール、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジ
メチルジメタノール等のスピロ炭化水素誘導体等が挙げ
られる。これらの中でも好ましいのは、次式(I)
【0012】
【化3】
【0013】で示される化合物で、特に好ましいものは
トリシクロ[5.2.1.02.6 ]ジメタノールであ
る。
【0014】(a3 )他のポリオール:前述の(a2
の有橋炭化水素またはスピロ炭化水素から誘導されるグ
リコールの他に、得られるウレタン樹脂のガラス転移点
の調整、可撓性と剛性のバランスの調整の目的でグリコ
ール成分として他のポリオール、例えば分子量が500
〜10,000のポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、その他の分子量が500〜10,000
のポリオール;その他の分子量50〜500未満の短鎖
グリコールを併用することができる。
【0015】ポリエーテルポリオールとしては、ポリエ
ーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、およ
びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテ
ルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独または
共重合させて得られるもの、例えばポリオキシエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオ
キシエチレン−プロピレングリコール、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコール、ポリオキシヘキサメチレンエ
ーテルグリコール、ポリオキシオクタメチレンエーテル
グリコールおよびそれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。ポリエーテルエステルジオールとしてはエーテル基
含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカ
ルボン酸とまたはそれらの無水物と反応させるか、また
はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応
させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリテ
トラメチレンエーテル)アジペート等が挙げられる。
【0016】ポリエステルジオールとしてはジカルボン
酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)またはそれらの無
水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオ
ール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−
エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル
−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレン
グリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリ
コール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコー
ル、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グ
リコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエト
キシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチルジエタ
ノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン
等)とを重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレ
ンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメ
チレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペー
ト等、または前記ジオール類を開始剤として用いて得ら
れるポリラクトンジオール例えばポリカプロラクトンジ
オール、ポリメチルバレロラクトンおよびこれらの2種
以上の混合物が挙げられる。ポリエステルポリオールと
して最も好ましいのはポリブチレンアジペートである。
【0017】その他のポリオールとしてはポリ(1,6
−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,
5−ペンチレン)カーボネート等のポリカーボネートジ
オール、ポリブタジエンポリオール、水素添加型ポリブ
タジエンポリオール、水素添加型ポリイソプレンポリオ
ール等のポリオレフィンポリオール等が挙げられる。ポ
リオールの分子量は500〜10,000、好ましくは
800〜6,000、さらに好ましくは1,000〜
4,000である。
【0018】分子量が50〜500未満の短鎖グリコー
ルの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、2−メチル−1,3
−プロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,
3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、
2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族グリ
コール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコ
ール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリ
コール、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキ
ルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0019】なお、短鎖グリコールのうち一部またはす
べてを3官能以上のポリオール、モノアルコール、低分
子量ジアミン、モノアミンに置換することができる。3
官能以上のポリオールとしてはグリセリン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘ
キサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、エ
リスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール等、モノアルコールとしてはメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘ
キサノール等が挙げられる。低分子量ジアミンとしては
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヒドラジン、
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂
肪族ジアミン、ピペラジン、シクロヘキサンジアミン、
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−メ
チレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂環族ジアミ
ン等、モノアミンとしてはメチルアミン、エチルアミ
ン、ブチルアミン、ジブチルアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン等がそれぞれ挙げられる。
【0020】ポリウレタン樹脂の製造:本発明のポリウ
レタン樹脂の製造は、上述の樹脂原料を用い、公知の方
法に従い、ワンショット法、プレポリマー化法等によっ
て行われる。ポリウレタンを製造する際の溶媒として
は、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、
イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢
酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコ
ール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノ
ール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホル
ム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル
等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極
性溶媒等が用いられる。
【0021】ポリウレタンを製造する際の触媒としては
通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えばジブル
チンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブ
チルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫
系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、ト
リエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン
系等が挙げられる。
【0022】樹脂原料中、(a1 )ジイソシアネート
は、ポリウレタン樹脂中に占めるジイソシアネートに基
因する構成単位が10〜90重量%、好ましくは45〜
70重量%となる量、(a2 )有橋炭化水素骨格または
スピロ炭化水素骨格を有するグリコールは、得られるポ
リウレタン樹脂中に占めるかかるグリコールに基因する
構成単位が10〜80重量%、好ましくは15〜50重
量%、最適には15〜50重量%となる量、(a3 )の
分子量が500〜10,000のポリオールは0〜10
重量%、好ましくは5重量%以下、分子量が100〜5
00未満の短鎖グリコールは、0〜15重量%、好まし
くは1〜10重量%となる量用いる。
【0023】これら原料は得られるポリウレタン樹脂の
ガラス転移点が、50〜130℃、好ましくは70〜1
20℃となるよう、その種類、使用量を選択する。ポリ
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000〜30
0,000、好ましくは10,000〜20,000、
特に好ましくは15,000〜150,000である。
重量平均分子量が5,000未満では形状復元性、塗膜
強度、耐溶剤性等が低下し、300,000を越えては
樹脂溶液粘度が高まり、基板への塗布等の作業性等が低
下する。
【0024】このポリウレタン樹脂の特質と記録媒体と
しての性能との相関は次の様に推測される。 ポリウレタン樹脂が非架橋型であり、原料の(a2
グリコール成分がバルギーであるため、Tg前後の弾性
率の差(変化)が大きく、大きな変形が得やすい。 ポリウレタン樹脂のハードセグメントが従来のポリウ
レタン樹脂より多くなり、Tgが適度に高くなり、記
録、消去の速度が従来のポリウレタン樹脂よりも速い。
【0025】記録媒体:上述のポリウレタン樹脂を用い
て記録媒体を製造するには、該ポリウレタン樹脂をジメ
チルフォルムアミド、ピロリドンなどの溶媒に溶解した
溶液を、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタア
クリレート、ポリエチレンテレフタレート、合成紙など
のフィルム、シート、成形体等の形状の基板に、ディッ
プコート、バーコート、スピンコートなどの方法により
コーティングし、乾燥させて記録層皮膜を基板の表面に
形成させるか、ポリウレタン樹脂を基板の上に押出ラミ
ネートするか、押出成形されたポリエステル樹脂フィル
ムを基板の表面に接着剤を用いて貼合し、記録媒体を製
造する。
【0026】記録媒体の用途によっては、記録層に、発
熱源としてフタロシアニン、ナフタロシアニンポリメチ
ン、ジインモニウム、チオールあるいはキノリノール金
属錯体などの近赤外光吸収剤が配合されたり、基板と形
状記憶層の間に誘電体層を設けたり、記録層の表面に保
護コート層を設けたりしてもよい(特開平8−1856
41号公報参照)。具体的には、本発明の記録媒体を可
逆性の感熱記録媒体として用いる場合には、その基板と
して表面に磁気記録層を設けた磁気カード部材を用いる
こともできる。この場合、可逆性感熱記録層は基板表面
の磁気層上、もしくはその反対面のいずれに設けてもよ
い。また、基板の全面(表裏面)に設けてもよく、一部
分に設けてもよい。
【0027】磁気カード部材に本発明の記録層を設ける
に当たっては、基板との密着性を向上させるため必要に
応じ下引き層を介してもよい。さらに視認性を向上させ
るために可逆性感熱記録層の下に着色層や、Al、A
g、Snなどの金属反射層を設けてもよい。このような
可逆性感熱記録層を有する磁気カードは、ハイウエーカ
ード、JRオレンジカード、百貨店、スーパーマーケッ
ト等で用いられる各種プリペイドカード、ストアードフ
ェアカードなど幅広く利用できる。本発明の記録媒体に
対して、記録あるいは消去のための加熱手段としては感
熱転写プリンターに用いられるサーマルヘッドあるいは
レーザービームプリンターに用いられる半導体レーザー
ビームあるいは熱ロールなどが用いられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 ポリウレタン樹脂の製造:攪拌器、還流冷却器、滴下漏
斗および温度計を取り付けた4つ口フラスコ内に、トリ
シクロ[5.2.1.02.6 ]ジメタノール100部、
エチレングリコール31.6部、N,N−ジメチルホル
ムアミド 902部を仕込み、これを攪拌下に60℃に
加熱し、同温度で1時間攪拌して均一な溶液とした後、
70℃に昇温した。次に、70℃に加熱して溶融した
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート 25
5.0部を攪拌しながら前記フラスコ内に滴下し、フラ
スコ内温を70℃に保ちながら4時間反応させた後、メ
チルエチルケトン644部を添加し、60℃で1時間攪
拌して希釈して、ポリウレタン樹脂溶液(樹脂固形分2
0重量%、25℃粘度 500mPa・S、樹脂の重量
平均分子量30,000、樹脂のガラス転移点112
℃)を得た。
【0029】*1:分子量測定方法 得たポリウレタン樹脂の分子量の測定にはGPC装置
(東ソー(株)製、HLC−8020、カラムG300
0HXL/G2000HXL/G6000HXL)を使
用した。樹脂固形分0.2重量%のテトラヒドロフラン
溶液を調製し、注入量20μl、流速1.0ml/分、
圧力100kg/cm2 、RI検出器RANGE32で
測定し、標準ポリスチレンに換算した重量平均分子量を
算出した。
【0030】*2:粘度測定方法 得たポリウレタン樹脂溶液の粘度測定にはE型粘度計
(VISCONIC EHD−R型、東京計器(株)
製)を使用した。測定温度 25℃、サンプル量1.5
ml、標準ローター(1°34’)で測定した。
【0031】記録媒体の製造:基板としての肉厚150
μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの
表面に、前記ポリウレタン樹脂溶液をアプリケーターを
用いて塗布し、80℃で10時間乾燥して肉厚10μm
の記録層を有する全厚160μmの記録媒体を得た。
【0032】記録、消去テスト:上記記録媒体に、市販
のワープロ“OASYS LIGHTS”(富士通
(株)製品)を用いて、記録をとったところ、文字が目
視できた。その後、該記録物を、表面温度が110℃の
熱板に0.2秒接触させたところ、文字が消去した。
【0033】実施例2 肉厚100μmのポリカーボネートディスクの表面に、
実施例1で得たポリウレタン樹脂溶液(濃度20重量
%)100部にバナジルフタロシアニン5重量部加えた
溶液をスピンコーターを用いて塗布し、100℃で5時
間乾燥させて1μmの肉厚の記録層を形成させ、全厚1
01μmの記録媒体を得た。記録媒体に、市販のCDラ
イター(CDU524R ソニー(株)製品)を用い
て、記録を行い、情報の書き込み及び消去を試み、いず
れも可能であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の、特定構造の形状記憶ポリウレ
タン樹脂を基材とする記録層をフィルム等の基板の表面
に有する記録媒体は、記録、記録消去が短時間で可能な
ものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有橋炭化水素骨格またはスピロ炭化水素
    骨格を分子鎖中に持つポリウレタン樹脂よりなる記録層
    を有する記録媒体。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂が、有機ジイソシアネ
    ート化合物と、有橋炭化水素骨格を持つグリコールまた
    はスピロ炭化水素骨格を持つグリコールとから得られる
    重量平均分子量が5,000〜300,000の非架橋
    型ポリウレタン樹脂である、請求項1に記載の記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 ポリウレタン樹脂は、該樹脂中に占める
    有橋炭化水素を備える脂環式炭化水素骨格を持つグリコ
    ールに基ずく構成単位が10〜80重量%を占めるもの
    である、請求項2に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 有橋炭化水素基を備える脂環式炭化水素
    骨格を持つグリコールが、式(I) 【化1】 で示される化合物である請求項2または3に記載の記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン樹脂は、そのガラス転移点
    が50〜130℃のものである、請求項1、2、3のい
    ずれかの記録媒体。
JP9108910A 1997-04-25 1997-04-25 記録媒体 Pending JPH10297110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9108910A JPH10297110A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9108910A JPH10297110A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10297110A true JPH10297110A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14496744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9108910A Pending JPH10297110A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10297110A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506059A (ja) * 2000-08-09 2004-02-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 低分子量エンジニアリング熱可塑性ポリウレタン及びそのブレンド
JP2006503170A (ja) * 2002-10-11 2006-01-26 ユニバーシティ オブ コネチカット ナノ構造ハードセグメントを持つ半結晶質熱可塑性ポリウレタンに基づく形状記憶ポリマー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506059A (ja) * 2000-08-09 2004-02-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 低分子量エンジニアリング熱可塑性ポリウレタン及びそのブレンド
JP2006503170A (ja) * 2002-10-11 2006-01-26 ユニバーシティ オブ コネチカット ナノ構造ハードセグメントを持つ半結晶質熱可塑性ポリウレタンに基づく形状記憶ポリマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0464750B1 (en) Polyurethane resin composition
US5124424A (en) Polyurethane resin binder for magnetic recording mediums comprising a polycarbonate polyol
JPS61231050A (ja) ポリエステル―ポリウレタン組成物
US6545119B2 (en) Magnetic recording media and thermoplastic polyurethane resins therefor
JPH10297110A (ja) 記録媒体
US6593419B2 (en) Polyurethane resin and method for producing the same, resin composition and sheet-form article
CA2949073A1 (en) Digitally printable topcoat
JPH0253219A (ja) バインダーおよび磁気記録材料
WO2021157726A1 (ja) 基材接着性良好なポリウレタン樹脂、及びこれを用いた接着剤、インキバインダーまたはコーティング剤用組成物
JPH11236532A (ja) コーティング剤
JPH03244619A (ja) ポリウレタン樹脂の製造方法およびポリウレタン樹脂組成物
JPH0583966B2 (ja)
JP2961771B2 (ja) 合成皮革用ポリウレタン樹脂の製造方法
JPH02284911A (ja) 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂結合剤
JP3292252B2 (ja) 磁気記録媒体の結合剤用ポリウレタン樹脂組成物および磁気記録媒体の結合剤
JP7322271B1 (ja) ポリウレタン樹脂、透湿性フィルム、及び透湿防水布帛
JPS61104325A (ja) 磁気記録媒体
JPH03244624A (ja) ポリウレタン樹脂の製造方法およびポリウレタン樹脂組成物
JP2000322728A (ja) 磁気記録媒体
JPH07182647A (ja) 磁気記録媒体
JPH0474773B2 (ja)
KR100304157B1 (ko) 자기기록매체
JP2000322729A (ja) 磁気記録媒体
JPS61107534A (ja) 磁気記録媒体
JPS62195719A (ja) 耐用性磁気記録媒体