JPH10296915A - 防水シート - Google Patents

防水シート

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JPH10296915A
JPH10296915A JP11084397A JP11084397A JPH10296915A JP H10296915 A JPH10296915 A JP H10296915A JP 11084397 A JP11084397 A JP 11084397A JP 11084397 A JP11084397 A JP 11084397A JP H10296915 A JPH10296915 A JP H10296915A
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JP
Japan
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waterproof sheet
sheet
tpe
layer structure
waterproof
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JP11084397A
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Kenichi Yamano
健一 山野
Tomohide Tsuda
知英 津田
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シート同士の接合強度が高く、施工性に優れた
防水シートを提供する。 【解決手段】所定量のポリスチレン成分を含む、ブロッ
ク重合で製造した熱可塑性エラストマー2又は所定量の
オレフィン系樹脂とエチレン−プロピレン−ジエン系ゴ
ムとをブレンドして製造した熱可塑性エラストマー2
と、基布4とを積層することにより、接合部の接合性が
良好で、かつ、接合部にシワのない、施工性に優れた防
水シート7、8を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルの屋上、池の
土木工事等における防水用ライニング材として使用され
る防水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルの屋上、池の土木工事等にお
ける防水用ライニング材として、アスファルトが一般に
使用されてきたが、多層仕上げをする必要があること、
また熱工法であることなどにより施工が繁雑であり、ア
スファルト自体も耐候性、下地追随性などに劣る等の欠
点を有していた。
【0003】そこで、最近ではこれらの欠点を補うもの
として、加硫ゴムシート、ポリ塩化ビニルシート等の防
水シートが防水用ライニング材として提供されている。
このような防水シートは、一般に長尺体で、ロールに巻
き取った状態で現場まで運搬した後、防水シートの幅方
向端部を5cm程度重ね合せて敷設し、この重ね合せた
端部、さらには必要に応じて下地−防水シート間を接着
することで防水層の一体化を図るものである。したがっ
て、防水シートには、シート同士の高い接合性が要求さ
れる上に、施工時において、コーナー立上り部等で折曲
げて使用されるため、容易に屈曲加工しうる柔軟性を有
していること、すなわち施工性に優れていることが要求
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記防水シ
ートのうち、ゴムシートは、耐候性、下地への追随性に
優れている反面、ゴムシート同士の接着には接着剤の使
用が必要であり、施工に手間がかかる上に、接着剤の塗
布むらによるシート同士の接着部からの漏水事故が多い
という欠点を有している。
【0005】一方、ポリ塩化ビニルシートは、熱融着に
よりシート同士の接着が可能であることから止水性に優
れているが、柔軟性を確保するためには可塑剤を添加す
る必要がある。したがって、可塑剤自体が高粘度となる
冬場等の低温状況下ではシートの硬度が高くなり施工性
が悪い上、長期にわたっては可塑剤のシート内部からの
にじみだしによるシートの劣化が生じ、長期安定性に欠
けるという欠点を有している。
【0006】そこで本発明は、シート同士の接合強度が
高く、施工性に優れた防水シートを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら加硫
ゴムシート、ポリ塩化ビニルシートに代る材料の選択に
着眼し、実験検討を重ねた結果、熱可塑性エラストマー
(以下「TPE」という)が防水シートとして有効であ
り、その中でもポリスチレン成分を含む、ブロック重合
で製造したスチレン系TPE又はオレフィン系樹脂とエ
チレン−プロピレン−ジエン系ゴム(以下「EPDM]
という)とをブレンドして製造したオレフィン系TPE
が、熱融着時におけるシート同士の接合性に優れている
ことを発見した。
【0008】ここでいうオレフィン系TPEには、オレ
フィン系樹脂とEPDMとを単純に機械的ブレンドして
製造されるタイプのものから、動的架橋によってEPD
Mを架橋し、この架橋EPDMを分散相とするポリマー
アロイタイプのものまでを含むものである。なお、オレ
フィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等が該当する。
【0009】ここでTPEとは、加熱すれば流動して通
常の熱可塑性プラスチックと同様の成形加工ができ、常
温ではゴム弾性を示す材料をいい、主構成成分によりス
チレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、
エステル系、ポリアミド系等に分類される。
【0010】この中から、スチレン系、オレフィン系の
TPEの選択するにあたっては、上記熱融着による接合
性のほかに、施工性に影響する硬度、耐水性、耐熱性、
耐候性、価格等を総合的に評価することにより行った。
【0011】図1は、主構成成分の含有量に対するTP
Eの接合強度及びshore A硬度を示す図であり、
接合強度を実線で、shore A硬度を破線でそれぞ
れ示す。
【0012】図中、(a)はポリスチレン成分とポリブ
タジエン成分とのブロック重合で製造したスチレン系T
PEにおいて、ポリスチレン成分の含有量を変化させた
場合を示し、(b)はオレフィン系樹脂とEPDMとを
ブレンドして製造されるオレフィン系TPEのうち、オ
レフィン系樹脂としてポリプロピレン(以下「PP」と
いう)を使用し、PPの含有量を変化させた場合を示し
ている。なお、接合強度及びshore A硬度の測定
はJIS K 6301に準じて実施した。
【0013】その結果、シート同士の接合強度として十
分な値である10kgf/25mmを満足するために
は、(a)ではポリスチレン成分を10wt.%以上、
(b)ではPPを40wt.%以上含有させる必要があ
ることを見出した。
【0014】なお、上記TPEは図1に示した配合のも
のに限定されるものではなく、例えば、(a)において
ポリブタジエン成分の代りにポリイソプレン成分を使用
することも可能であり、その場合にも、(a)と同等の
結果が得られる。また、(b)において、PPの代りに
ポリエチレンを使用することも可能である。この場合に
も、(b)と同等の結果が得られる。なお、耐候性を高
めるために水素添加したものを使用することも可能であ
る。
【0015】このようにして得られたTPEは、防水
性、柔軟性に優れており、単体で使用することも可能で
ある。すなわち、長尺状のTPEシートの幅方向端部を
一部重ね合せて敷設し、この重ね合せた端部を熱融着す
ることで一体化した防水層を形成する、いわゆる絶縁工
法を採用することが可能となる。
【0016】ただ、TPE単体では、線熱膨脹係数が大
きく、熱融着時において加熱された端部と、非加熱の周
辺部との間で生じる膨脹の差から接合部にシワが発生す
る。さらに、TPEはその性質から高温下において塑性
変形を生じるため、いったん発生したシワはそのまま保
存されることになり、施工後の外観に劣るという問題が
生じる。
【0017】さらには、線熱膨脹係数の大きいことか
ら、夏場等の高温下において防水層に波うちが生じると
いった問題もある。
【0018】そこで、本発明者は、さらに検討を加えた
結果、接合部に生じるシワの発生を防止するためには、
TPEに線熱膨脹係数の小さい基布を積層することが有
効であることを見出した。具体的には、20〜70℃に
おいて約9.0×10-5mm/mm/℃であるTPE単
体のシート面方向の線熱膨脹係数を、基布を積層した状
態で2.0×10-5mm/mm/℃以下に抑えればシワ
発生を防止することが可能となる。
【0019】TPEに積層する基布としては、織布ある
いは不織布のいずれでもよく、またその材質について
も、積層後の防水シートの線熱膨脹係数を抑えることが
できれば合成繊維、天然繊維、ガラス繊維等、特に制限
なく使用することができる。ただし、TPEとの接着性
がよく、防水シートにした場合に軽量化できるという点
から合成繊維製のものが好ましい。
【0020】また、防水シートは、壁面コーナー部等に
おいて屈曲加工して使用されることから基布について
も、容易に屈曲し得るだけの柔軟性が要求される。その
観点から、使用する基布が合成繊維製のものである場
合、繊維太さが500〜2000デニール、目付量が4
0〜200g/m2 であることが好ましく、特に織布を
使用する場合には、平織りで縦糸が5〜30本/イン
チ、横糸が5〜30本/インチであるものが好ましい。
【0021】また、使用する基布の厚みは、その材質に
よっても異なるが、一般的に基布積層後の防水シートの
厚みの10〜60%であることが好ましく、特には20
〜50%であることが好ましい。基布の厚みが防水シー
ト厚みの10%未満では、線熱膨脹係数を抑制する効果
が低くなり、60%以上では、TPE層の厚みが薄くな
って、防水シートとしての機能を損なうおそれがあるか
らである。
【0022】このような基布及びTPEは、それぞれ単
独では優れた柔軟性・施工性を有していても、両者を積
層して防水シートとした場合には、柔軟性・施工性が低
下することがある。そこで、本発明者は種々実験を行っ
た結果、TPEのshoreA硬度が80以下であれ
ば、基布を積層した状態でも防水シートの柔軟性・施工
性が低下しないことを見出した。
【0023】したがって、図1に示したTPEにおいて
は、(a)ではポリスチレン成分を10〜40wt.
%、(b)ではPPを40〜80wt.%に、それぞれ
含有量を制限すれば防水シートとして接合強度及び施工
性に優れ、かつ接合部にシワの発生しない防水シートを
得ることができることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0024】すなわち、本発明に係る防水シートは、1
0〜40wt.%のポリスチレン成分を含む、ブロック
重合で製造したTPEまたはオレフィン系樹脂40〜8
0wt.%とエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム60
〜20wt.%とをブレンドして製造したTPEと、基
布とが積層されたことを特徴とするものである。
【0025】このように、特定組成のTPEと基布とを
積層することによって、シート接合部の接合性が良好
で、かつ、熱融着時のシワの発生を防止し、施工性に優
れた防水シートを得ることができる。さらに、このよう
な防水シートは、シート端部のみならず、シート全体に
わたって、線熱膨脹係数を小さくするため、夏場等の高
温下においても波うちを生じることがない。
【0026】本発明に係る防水シートとしては、TPE
と基布とを積層した2層構造のほかに基布の両面にTP
Eを積層した3層構造とする構成を採用することも可能
である。
【0027】上記構成のうち2層構造の防水シートは、
シート全幅にわたって基布を積層すると、シート端部を
重ね合せた接合部は、TPEと基布とが接触することに
なって熱融着が不十分となる可能性がある。そこで、本
発明においては、TPEと基布とを積層した2層構造の
長尺体であって、長尺体の幅方向両端部のうち、少なく
とも一方が、所定幅のTPEのみを長尺体の長手方向に
形成してなる単層構造部であるような構成を採用可能と
した。
【0028】このように、TPEのみの単層構造部を形
成することによって、2層構造の防水シートであっても
確実に熱融着を行うことが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図2は、本発明に係る2層構造の
防水シートを製造するための装置概要図である。図中、
1は押出し成形機であって、機内に供給されたスチレン
系またはオレフィン系熱可塑性エラストマー2は190
〜250℃程度で加熱溶融され、Tダイ3を通ってシー
ト状に成形される。
【0030】このシート状に成形された熱可塑性エラス
トマー2は軟化状態のまま基布4とともにゴム製の加圧
ロール5及び金属製の冷却ロール6の間に導入され、そ
こで80〜150kgf/cm程度の線圧で加圧・積層
されて2層構造の防水シート7が得られる。この防水シ
ート7は、80〜120℃に設定された冷却ロール6に
よって、冷却された後、巻き取りロール(図示せず)に
巻き取られる。
【0031】図3に、2層構造の防水シート7の断面図
を示す。防水シート7の2層の界面では、基布4の繊維
に熱可塑性エラストマー2が一部食い込んでおり、これ
により2層が強固に接着している。
【0032】なお、2層構造の防水シート7において、
単層構造部を形成する場合には、熱可塑性エラストマー
2の幅方向長さを基布4の幅方向長さよりも長くし、両
者の幅方向中央部を合せて積層すれば、防水シート7の
幅方向両端部に単層構造部を形成することができる。ま
た、両者の幅方向の一端部を揃えて積層すれば、他端部
側のみに単層構造部を形成することもできる。
【0033】図4は、3層構造の防水シートを製造する
ための装置概要図である。本実施の形態においては、ロ
ールから送り出された基布4の上下方向に設置した押出
し成形機1から熱可塑性エラストマー2が軟化状態のま
まシート状に押出され、基布4を挟み込むようにして冷
却ロール4の間に導入され上記と同様の線圧によって加
圧・積層される。このようにして得られた3層構造の防
水シート8は、加圧と同時に80〜120℃に設定した
冷却ロール4によって冷却され、巻き取りロールに巻き
取られる。
【0034】図5に、3層構造の防水シート8の断面図
を示す。この防水シート8は、基布4の両面に熱可塑性
エラストマー2が積層されており、各層の界面は、防水
シート7と同様に、基布4の繊維に熱可塑性エラストマ
ー2が一部食い込んで、これにより各層が強固に接着し
ている。
【0035】TPEとしては、ポリスチレン成分又はオ
レフィン系樹脂の含有量が所定のものであれば、市販品
であっても差支えなく、例えば、以下のものを使用する
ことが可能である。
【0036】 (商品名、グレード) (メーカー名) [スチレン系TPE] ラバロン、SE7400 三菱油化(株) セプトン、CE002 (株)クラレ [オレフィン系TPE]サーリンク、3170 DSM サーモプラスチック エラストマー社 サントプレーン、101-73 アドバンスト エラストマー システムズ社 また、基布としては、例えば、以下のものを使用することができる。
【0037】 (商品名、グレード) (メーカー名) [ポリエステル製織布] TF、 5×5,10×10等 帝人(株) [ポリエステル製不織布]バルコンポ、HP6050G 東洋紡績(株) バルコンポ、HP6200G 等 同 上 上記防水シートは、例えば、約20m×1m×1.2m
m程度の寸法とし、一般にロールに巻き取った状態で現
場まで運搬した後、TPE層側を上に向け、防水シート
の幅方向端部を5cm程度重ね合せて敷設し、その重ね
合せた端部同士を自動熱融着機などを用いて熱融着する
ことで一体化した防水層を形成する。
【0038】熱融着のための加熱温度は防水シートの表
面温度をTPEの溶融温度以上で熱劣化温度未満、好ま
しくは190〜230℃にすればよく、圧着はTPEを
熱融着せしめるのに十分な圧力で接合部を圧着すれば十
分であり、一般には10kgf/cm2 以上、好ましく
は20〜40kgf/cm2 の圧力で圧着する。
【0039】このとき、2層構造の防水シートにおいて
幅方向端部同士を重ね合せる場合には、2層構造側の端
部の上に単層構造部側の端部を重ね合せて熱融着する。
このようにすれば、端部同士を重ね合せた接合部は、T
PE同士が接触することになり、確実に熱融着を行うこ
とができる。
【0040】
【実施例】次に、上記TPE及び基布を使用して、実際
に防水シートを作成した。なお、防水シートとしては、
TPEと基布とを1層ずつ積層した2層構造シート及び
基布の両面にTPEを積層した3層構造シートの2種類
を作成し、いずれのシートも厚みを1.20mmとし
た。また、2層構造シートにおいては、幅方向両端部の
うち一方に幅5cmの単層構造部を形成した。以下にそ
の内容を記す。
【0041】(実施例1)TPEとして、オレフィン系
のサーリンク3170(DSM サーモプラスチック
エラストマー社製)を使用し、これを210℃に加熱し
た押出し成形機に供給して溶融させ、Tダイから押出す
ことによってシート状に成形した。一方、基布として
は、ポリエステル製不織布であるバルコンポHP605
0G(目付量50g/m2 、厚み0.30mm;東洋紡
績(株)製)を使用し、この基布と軟化状態のTPEシ
ートとを加圧ロールに導入し、80〜150kgf/c
mの線圧で積層して厚み1.20mmの防水シートを得
た。
【0042】このとき、2層構造の防水シートの作成に
使用するTPEシートの厚みは、0.90mmよりも若
干厚く成形しておき、加圧時に、基布である不織布の繊
維にTPEが一部食い込むように線圧を調整して、防水
シートの厚みを1.20mmとした。
【0043】さらに、TPE及び基布の幅方向の長さ
は、前者を5cm長くし、両者の幅方向の一端部を揃え
て積層することにより、防水シートの他端部側に幅5c
mの単層構造部を形成した。
【0044】また、3層構造の防水シートの作成に使用
する2枚のTPEシートの厚みは、0.45mmよりも
若干厚く成形しておき、上記と同様に線圧を調整して、
防水シートの厚みを1.20mmとした。
【0045】(実施例2)基布としてバルコンポHP6
100G(目付量100g/m2 、厚み0.30mm;
東洋紡績(株)製)を使用したほかは実施例1と同様に
して、2層構造及び3層構造の防水シートを得た。
【0046】(実施例3)基布としては、バルコンポH
P6200G(目付量200g/m2 、厚み0.60m
m;東洋紡績(株)製)を使用した。さらに、2層構造
の防水シートの作成用として0.60mmよりも若干厚
く成形したTPEシートを使用し、3層構造の防水シー
トの作成用としては0.30mmよりも若干厚く成形し
たTPEシートを使用したほかは実施例1と同様にし
て、2層構造及び3層構造の防水シートを得た。
【0047】(実施例4)基布としては、ポリエステル
製織布であるTF5×5(厚み0.38mm、平織り、
糸太さ500デニール、縦糸30本/インチ、横糸30
本/インチ;帝人(株)製)を使用した。さらに、2層
構造の防水シートの作成用として0.82mmよりも若
干厚く成形したTPEシートを使用し、3層構造の防水
シートの作成用としては0.41mmよりも若干厚く成
形したTPEを使用したほかは実施例1と同様にして、
2層構造及び3層構造の防水シートを得た。
【0048】(実施例5)基布としてポリエステル製織
布であるTF10×10(厚み0.55mm、平織り、
糸太さ1000デニール、縦糸10本/インチ、横糸1
0本/インチ;帝人(株)製)を使用した。さらに、2
層構造の防水シートの作成用として0.65mmよりも
若干厚く成形したTPEシートを使用し、3層構造の防
水シートの作成用としては0.33mmよりも若干厚く
成形したTPEを使用したほかは実施例1と同様にし
て、2層構造及び3層構造の防水シートを得た。
【0049】(比較例1)上記TPEであるサーリンク
3170(DSM サーモプラスチック エラストマー
社製)を厚み1.20mmに成形し、これを単体で防水
シートとした。
【0050】上述のように各例において作成した2層構
造シート及び3層構造シートについて、シート面方向の
線熱膨脹係数を測定した。さらに、作成した防水シート
を用いて実際に絶縁工法によって防水層を形成し、防水
シートの施工性、接合強度及びシワの発生の有無を調べ
た。
【0051】(線熱膨脹係数の測定)まず、シワの発生
の有無を評価するため、下記の測定条件に従い、防水シ
ートのシート面方向の線熱膨脹係数を測定した。線熱膨
脹係数は、細長い形状の試料を垂直に立てた状態にし、
その上に荷重をかけ試料周辺の温度を変化させて試料の
伸縮量を検出することにより測定した。ただし、作成し
た2層及び3層構造の防水シートは、厚みが1.20m
mであるため、試料を垂直に置くと試料自身の伸縮によ
り弯曲してしまい、正しい伸縮量が測定できなくなるお
それがある。そこで、実際の測定には、シートを厚み方
向に2枚貼り合せたものを試料として供した。すなわ
ち、2枚のシートのTPE層どうしを対向させ、熱風を
当ててTPE層の表面を軟化させ、その状態で2枚のシ
ートを重ね合せ、30kgf/cmの線圧で熱融着し
た。線熱膨脹係数の測定条件は以下の通りである。 [線熱膨脹係数測定条件] ・測定機器 :理学電機(株)製 PTC−10A ・試料形状 :長さ20×幅5×厚み2.4(mm) ・試料荷重重量:7g
【0052】(防水層の形成)上記各例において作成し
た防水シートは、シート幅方向端部同士を5cmずつ重
ね合せてコンクリート下地上に敷設し、自動熱風融着機
を用いて熱融着した。このとき2層構造シートにおいて
は、2層構造側の端部の上に単層構造部側の端部を重ね
合せて熱融着した。熱融着の条件は以下の通りである。
なお、コンクリート下地の上に防水シートを敷設する際
に、コーナー立上がり部において、防水シート下地の形
状に追従して容易に屈曲加工が可能かどうかの施工性を
併せて調べた。 [熱融着条件] ・TPE表面温度:200〜210℃ ・圧力 :30kgf/cm2
【0053】以上説明した実施例1〜比較例1における
防水シートの構成及び特性を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1より全防水シートとも、コンクリート
下地のコーナー立上がり部における施工性は良好である
ことが判る。さらに、線熱膨脹係数が9×10-5mm/
mm/℃と大きい値を示す比較例1(TPE単体)の防
水シートにおいてはシワが発生したが、線熱膨脹係数が
2.0×10-5mm/mm/℃以下となっている実施例
1〜実施例5のいずれの防水シートにもシワの発生は見
られなかった。また、いずれの防水シートも、屈曲加工
性が良好で、熱融着によるシート同士の接合強度は10
kgf/25mm以上であり、防水性、施工性に優れた
防水シートを得ることができた。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、所定量のポリスチレン成分を含む、ブロック重合で
製造した熱可塑性エラストマー又は所定量のオレフィン
系樹脂とエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムとをブレ
ンドして製造した熱可塑性エラストマーと、基布とを積
層したものを防水シートとしたため、防水シート接合部
の接合性が良好で、かつ、接合部にシワのない、施工性
に優れた防水シートを得ることができる。
【0057】また、2層構造で長尺体の防水シートの幅
方向両端部のうち、少なくとも、一方に熱可塑性エラス
トマーのみの単層構造部を形成したため、基布を積層し
た防水シートにおいても、確実に熱融着を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TPEの接合強度及びshore A硬度を示
す図であり、(a)はスチレン系TPEの変化状態を、
(b)はオレフィン系TPEの変化状態を、それぞれ示
す。
【図2】2層構造の防水シートを製造する装置の概要図
【図3】2層構造の防水シート断面図
【図4】3層構造の防水シートを製造する装置の概要図
【図5】3層構造の防水シート断面図
【符号の説明】 1 押出し成形機 2 熱可塑性エラストマー 3 Tダイ 4 基布 5 加圧ロール 6 冷却ロール 7 2層構造の防水シート 8 3層構造の防水シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜40wt.%のポリスチレン成分
    を含む、ブロック重合で製造した熱可塑性エラストマー
    と、基布とが積層された防水シート。
  2. 【請求項2】 オレフィン系樹脂40〜80wt.%と
    エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム60〜20wt.
    %とをブレンドして製造した熱可塑性エラストマーと、
    基布とが積層された防水シート。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマーと前記基布とを
    積層した2層構造の長尺体であって、該長尺体の幅方向
    両端部のうち、少なくとも一方が、所定幅の熱可塑性エ
    ラストマー層のみを長尺体の長手方向に形成してなる単
    層構造部である請求項1又は2記載の防水シート。
JP11084397A 1997-04-28 1997-04-28 防水シート Withdrawn JPH10296915A (ja)

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JP11084397A JPH10296915A (ja) 1997-04-28 1997-04-28 防水シート

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001164665A (ja) * 1999-12-09 2001-06-19 Shizuoka Rekisei Kogyo Kk コンクリート面の防水施工方法
JP2002097290A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 Nippon Shokubai Co Ltd 防水材
JP2015221502A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 住ベシート防水株式会社 防水シートの製造方法および防水シート

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