JPH10296458A - 溶接鋼管の製造方法 - Google Patents

溶接鋼管の製造方法

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JPH10296458A
JPH10296458A JP9112240A JP11224097A JPH10296458A JP H10296458 A JPH10296458 A JP H10296458A JP 9112240 A JP9112240 A JP 9112240A JP 11224097 A JP11224097 A JP 11224097A JP H10296458 A JPH10296458 A JP H10296458A
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edge
heating
electric resistance
preheating
steel pipe
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JP9112240A
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English (en)
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Takaaki Toyooka
高明 豊岡
Yuji Hashimoto
裕二 橋本
Motoaki Itaya
元晶 板谷
Akira Yorifuji
章 依藤
Toshio Onishi
寿雄 大西
Nobuki Tanaka
伸樹 田中
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼管を
高い生産性で製造できる電縫鋼管の製造方法を提案す
る。 【解決手段】 帯鋼を予熱し、成形ロール群により連続
的に成形してオープン管とし、該オープン管の両エッジ
部に、誘導加熱によりキュリー点以上の未溶融温度域の
エッジ予熱および、誘導加熱により溶融温度域へエッジ
加熱を施したのち、スクイズロールで衝合接合し、シー
ム部で管内外に排出されるビード面積を0.1 ×t(t:
板厚)以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電縫鋼管の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接鋼管は、鋼板または鋼帯を管状に成
形しその継目を溶接したもので、小径から大径まで各種
の製造法によりつくられているが、主な製造法として、
電気抵抗溶接(電縫)、鍛接、電弧溶接によるものが挙
げられる。小径〜中径鋼管用としては、高周波電流を利
用した電気抵抗溶接法(電気抵抗溶接鋼管、電縫管)が
主として利用されている。この方法は、連続的に帯鋼を
供給し、成形ロールで管状に成形してオープン管とし、
続いて高周波電流によりオープン管の両エッジ部端面を
鋼の融点以上に加熱した後、スクイズロールで両エッジ
部端面を衝合溶接して鋼管を製造する方法である(例え
ば、第3版鉄鋼便覧第III 巻(2)1056〜1092頁)。
【0003】上記した高周波電流を利用した電縫管の製
造方法では、オープン管の両エッジ部端面を鋼の融点以
上に加熱するため、電磁力の影響により溶鋼が流動し、
生成された酸化物が衝合溶接部に噛み込まれペネトレー
タ等の溶接欠陥あるいは、溶鋼飛散(フラッシュ)が発
生しやすいという問題があった。この問題に対し、例え
ば、特開平2-299782号公報には、2つの加熱装置を有す
る電縫鋼管の製造法が提案されている。第1の加熱装置
でオープン管の両側エッジ部の温度をキュリー点以上に
加熱し、第2の加熱装置で更に融点以上に加熱し、スク
イズロールで両エッジ部を衝合溶接して鋼管を製造す
る。また、特開平2-299783号公報には、第1の加熱装置
で周波数45〜250kHzの電流を流し、両側エッジ部を予熱
し、第2の加熱装置で更に融点以上に加熱し、スクイズ
ロールで両エッジ部を衝合溶接して鋼管を製造する電縫
管製造装置が提案されている。
【0004】しかしながら、これらの電縫管製造技術で
は、肉厚4.5mm 以下の比較的薄肉の電縫管に対しては有
効であるが、肉厚がこれを超える比較的厚肉の電縫管に
対しては、フラッシュの発生を抑制しうる溶接条件下で
安定したシーム品質を得るにはまだ不十分であった。ま
た、これらの方法では、エッジ部を均一に加熱すること
は示唆しているものの、両エッジ部を鋼の融点以上に加
熱するため、衝合溶接時に、溶融した鋼が管の内外面に
排出されビード(余盛)が形成される。このビードには
生成したスラグが多く含まれており、そのため、衝合溶
接後に管内外面の溶接ビードの除去が必要であり、ほと
んどがビード切削用バイトにより切削されて除去されて
いる。
【0005】このようなことから、これらの方法では、 ビード切削用バイトの切削量の調整で、材料と時間の
ロスが発生する。 ビード切削用バイトは消耗品であるため、造管速度に
よって異なるが、3000〜4000mのビード切削長毎にバイ
トを交換する必要があり、そのため、1時間程度ごとに
3〜5分間のバイト交換のためのラインの停止を余儀な
くされる。
【0006】特に造管速度が100m/min を超える高速
造管では、ビード切削用バイトの寿命が短く、交換頻度
が高い。など、ビード切削がネックとなり、高速造管が
できないため生産性が低いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題を解決し、優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼管
を高い生産性で製造することができる、電縫鋼管の製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】高速造管するためには、
ビード切削を不要とすることが必須であり、また優れた
シーム品質を得るためにはエッジ部を溶融させビードを
形成することが有効であるという全く相反する課題を両
立させるために、鋭意検討した結果、本発明者らは、衝
合接合後のシーム部の急速冷却を抑制することにより、
ビード形成のためのエッジ部加熱温度の低下が可能とな
りビード形成量が少なくなりビード切削が不要となるこ
とを知見した。
【0009】本発明は、上記した知見をもとに構成した
ものである。すなわち、本発明は、帯鋼を成形ロールに
より連続的に成形してオープン管とし、該オープン管の
両エッジ部を加熱して溶融させ、スクイズロールで衝合
接合する電縫鋼管の製造方法において、前記帯鋼を予熱
してオープン管とし、該オープン管の両エッジ部に、誘
導加熱によりキュリー点以上の未溶融温度域に加熱する
エッジ予熱を施したのち、さらに、誘導加熱によりエッ
ジ部端面溶融温度域に加熱するエッジ加熱を施し、該ス
クイズロールで衝合接合し、管内外に排出される溶接ビ
ードの面積(mm2 )が0.1 ×板厚以下とすることを特徴
とするシーム品質および表面肌の優れた電縫鋼管の製造
方法である。
【0010】本発明では、前記帯鋼の予熱を800 ℃以下
の温度で行うことが好ましく、また、前記エッジ予熱
は、中・低周波誘導加熱により、あるいはさらに高周波
誘導加熱により行うのが好ましく、さらに、エッジ加熱
は、高周波誘導加熱により行うのが好ましい。また、前
記エッジ予熱と前記エッジ加熱との間に空冷時間を0.5s
ec以上とるのが好ましい。
【0011】また、前記エッジ予熱、前記エッジ加熱お
よび前記衝合接合は、大気より低い酸素濃度雰囲気中あ
るいは露点が−10℃以下の雰囲気中で行うのが好まし
い。前記衝合接合後、接合部が1300℃以上に保持される
時間tk (sec )が、0.03sec以上または次式(1) tk ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1) (ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a=
0.079 、b=1.5 、c=-0.14 )を満足するのが好適で
ある。
【0012】また、本発明では、前記衝合接合時に、管
内外からシーム部管材を拘束し、シーム部増肉を抑制し
てもよい。また、本発明では、前記衝合接合後、シーム
部近傍を圧延してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、帯鋼の成形に先立っ
て、帯鋼を予熱する。予熱は、後に行うエッジ加熱時に
エッジ部とその近傍の母管との温度差を小さくし、衝合
接合後のシーム部の急速冷却を抑制し、優れたシーム品
質を確保できるようにするために行う。
【0014】予熱は、加熱炉を用いる方法、誘導コイル
を用いる誘導加熱方法、通電による抵抗加熱方法いずれ
も好適に適用できる。帯鋼の予熱は、800 ℃以下の温度
範囲とする。800 ℃を超える予熱は、帯鋼表面に多量の
スケールが生成し、鋼管のシーム品質および表面肌がと
もに劣化するため、800 ℃を予熱温度の上限とした。な
お、予熱温度が400 ℃未満では、エッジ加熱時に、エッ
ジ部から母管側への熱拡散が多くなり、衝合接合後のシ
ーム部の冷却が急冷となる。また、予熱温度が 650℃を
超えると、帯鋼表面のスケールが生成しやすくなり、こ
のため、予熱温度は、400 〜 650℃の温度範囲とするの
が好適である。
【0015】予熱された帯鋼は、成形ロールにより連続
的に成形されオープン管となる。成形は通常公知の成形
ロールによる方法が好適に適用できる。ついで、オープ
ン管の両エッジ部を予熱する。エッジ予熱は、誘導加熱
方式とする。エッジ予熱は、中・低周波誘導加熱あるい
はさらに高周波誘導加熱により行うのが好ましい。
【0016】本発明でいう低周波とは10kHz 以下、中周
波とは10kHz 超100kHz以下、高周波とは100kHz超の周波
数帯域を意味する。このエッジ予熱によりエッジ部の温
度を、キュリー点以上の未溶融温度域とする。なお、好
ましくは800 〜1300℃の範囲である。エッジ予熱時にオ
ープン管のエッジ部を、端面から5mm程度まで600 ℃以
上1000℃以下としておくのがシーム品質の点から好まし
い。
【0017】図7に示す鋼の比透磁率の温度依存性か
ら、鋼をキュリー点以上に加熱すると鋼は強磁性体から
常磁性体へ磁気変態し、比透磁率(対真空比)が1に近
い値となる。一方、誘導電流の浸透深さSは、次式
(2)で与えられる。 S=α{ρ/(μr f)}1/2 ……(2) ここに、S:浸透深さ(m)、ρ:抵抗率(Ω・m)、
μr :比透磁率、f:周波数(kHz )、α:定数であ
る。
【0018】したがって、エッジ部をキュリー点以上に
加熱することにより、浸透深さSが大きくなり、被接合
面内の温度分布が均一化する方向に向かう。しかし、こ
の段階で一気に融点以上の温度域まで昇温すると、角部
と平坦部の温度差が大きくなりすぎ、接合時にビード
(余盛)の発生が多くなるため、高速造管ができなくな
る。そこで、一旦キュリー点以上の未溶融温度域にエッ
ジ部を予熱するのである。
【0019】また、エッジ予熱の際の誘導加熱に用いる
周波数は、中周波または低周波(中・低周波という)を
採用するのが平坦部と角部との温度差を均一化するため
に好ましい。また、中・低周波による誘導加熱を施した
あと、さらに高周波による誘導加熱を施せば、エッジ部
近傍の温度分布が望ましい状態(幅広い加熱幅)とな
る。
【0020】なお、本発明では、エッジ予熱の加熱方式
は誘導加熱を前提として説明したが、本発明と同等の効
果が期待されるのであれば、誘導加熱方式に代えて、レ
ーザビーム、電子ビーム、プラズマビーム等による局所
入熱方式とすることもできる。エッジ予熱は、大気中あ
るいは、大気中より酸素濃度を低減された雰囲気中(シ
ールド雰囲気中)いずれでもよいが、シーム品質の点か
らはシールド雰囲気中が好ましい。また、エッジ予熱
は、露点が−10℃以下の雰囲気中で行うのが好ましい。
【0021】エッジ予熱を施されたオープン管の両エッ
ジ部は、さらに、融点以上の溶融温度域に加熱するエッ
ジ加熱が施される。本発明においては、さらにエッジ予
熱とエッジ加熱との間の空冷時間を0.5 秒以上とるのが
好ましい。これによりエッジ予熱により導入された熱量
が拡散して端面内の温度がより一様となるのに加え、端
面から離れた位置の温度も上昇し、接合点の温度分布が
さらに改善され、シーム品質がさらに安定化する。
【0022】エッジ加熱の加熱方式は、エネルギー効率
の観点から、誘導コイルによる周波数400kHz以下の高周
波誘導加熱とする。エッジ加熱は、加熱効率の観点から
オープン管内に適当な大きさのインピーダを配設するの
が好ましいが、インピーダの大きさを小さくした場合あ
るいはインピーダを配置しない場合でもエッジ加熱は可
能である。この場合は、エッジ部以外の管体も加熱され
やすくなる。
【0023】オープン管の両エッジ部端面の温度は、誘
導加熱コイルの出力の調整により制御する。エッジ加熱
では、エッジ端面の温度を融点以上、好ましくは融点+
50℃以下とする。エッジ加熱では、エッジ端面の温度を
融点以上とするが、本発明では、周波数400kHz以下の高
周波誘導加熱で端面温度を融点+50℃以下と低く抑制す
ることによりエッジ端面近傍の溶融域の幅を小さくでき
る。これにより、衝合接合時に形成されるビードの大き
さは小さく、形成されるビードの面積K(mm2 )は0.1
×t(板厚:mm)以下となる。
【0024】エッジ予熱によりエッジ端面からの管円周
方向温度分布をゆるやかにし、母材部との温度差を少な
くでき、エッジ加熱に際してシーム部近傍の熱影響部
(HAZ)域が広くなり、接合後のシーム部冷却速度が
遅くなり、衝合接合時に形成されるビードが小さくても
シーム部強度は高くなる。エッジ予熱、エッジ加熱にお
ける誘導加熱において、ヒート係数η13以下とすること
により形成されるビードの大きさは、面積(mm2 )で0.
1 ×t(板厚:mm)以下とすることができる。
【0025】ここでいうヒート係数ηは、下記式で計算
するものとする。 η=投入電力(kVA)/{造管速度(m/min )×板厚(mm)}……(3) 両エッジ部端面を溶融温度域に加熱されたオープン管
は、スクイズロールで両エッジ部を衝合され、接合され
る。衝合接合は、図3(a)に示すように、スクイズロ
ールを接合部管外面に当接する位置に設置して行う方法
と、図3(b)に示すように、スクイズロールを接合部
管外面に当接しない位置に設置して行う方法および図3
(c)に示すように、外面側はスクイズロール、内面側
はロール等を接合部に当接する位置に設置して行う方法
があるが、いずれの場合でも何ら不都合は生じない。
【0026】エッジ加熱および衝合接合は、大気中ある
いは、大気中より酸素濃度を低減された雰囲気中(シー
ルド雰囲気中)いずれでもよいが、シーム品質の点から
はシールド雰囲気中が好ましい。また、エッジ加熱およ
び衝合接合は、シーム品質の点から、露点が−10℃以下
の雰囲気中が好ましい。本発明者らは、衝合接合後、接
合部が1300℃以上に保持される時間tk により、鋼管の
シーム品質が変化することを見いだした。シーム品質
(偏平高さ比h/D)に及ぼすtk と、酸素濃度の関係
を図2に示す。図2から、tk が長くなるにしたがい、
シーム品質が向上していることがわかる。また、雰囲気
中の酸素濃度が低減するにしたがい、同一シーム品質を
得るためにはtk は短くしてもよいことがわかる。
【0027】この時間tk (sec )は、エッジ予熱、エ
ッジ加熱、衝合接合が大気中で行われた場合には、0.03
sec 以上とすることが好ましい。一方、エッジ予熱、エ
ッジ加熱、固相圧接が大気中より酸素濃度が低い雰囲気
(シールド雰囲気中)で行われた場合は、tk は、次式
(1)を満足する時間とすることが好ましい。 tk ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1) ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a、
b、c:定数で、低炭素鋼の場合a=0.079 、b=1.5
、c=-0.14 である。より好ましくは、a=0.23、b
=1.4 、c=-0.17 である。
【0028】この時間tk は、エッジ予熱時のオープン
管両エッジ部の加熱温度及びキュリー点以上の加熱幅、
さらにはエッジ加熱時の両エッジ部端面の加熱温度を制
御し、接合時の両エッジ部端面から管中央部へ向かって
の管円周方向温度分布を調整し、接合後のシームの冷却
速度を調整することにより制御する。衝合接合により形
成されたシーム部では、スクイズロールの接合部外面へ
の当接の有無、エッジ部の到達温度あるいはスクイズロ
ールによる管円周方向絞りの程度により図4(a) 、
(b)に示すようにシーム部の管内外または管内に管体
肉厚の5%以上の増肉を生じることがある。このような
場合には、衝合接合以降の適当な場所で、増肉したシー
ム部近傍を圧延により減肉するのが好ましい。増肉した
シーム部近傍の圧延は、例えば、図5(a) に示すシー
ム部圧延ロール10により管内外から圧延する。圧接シ
ーム部圧延ロール10は、外面圧延用ロール10a、内
面圧延用ロール10bからなり、10bは圧接シーム部
圧延ロール支持棒10cにより支持されている。
【0029】また、前記衝合接合方法のうち、接合部管
内外面にロール等を当接させる方法を採用することによ
って、材料を上下方向に拘束し、圧接による増肉を5%
未満に抑え、衝合接合以降の圧延を不要とすることも可
能である。例えば、図5(b)に示すスクイズロール6
と接合部内面拘束用ロール11aにより管内外から材料
を拘束し、衝合接合による増肉を抑制する。接合部内面
拘束用ロール11aは接合部内面拘束用ロール支持棒1
1bにより支持されている。
【0030】以上述べたように、本発明によれば、オー
プン管の両エッジ部を安定して溶融温度域に保持でき、
スクイズロールによる衝合接合で溶融した鋼が排出され
て形成されるビードの大きさを小さく制御でき、ビード
切削を行う必要がなく、高速造管を可能とし、優れたシ
ーム品質および表面肌を有する電縫鋼管を高い生産性で
製造できる。
【0031】
【実施例】図1に示す本発明の実施に好適な設備列を用
いた。板厚 3.5mmの帯鋼1を 400〜 650℃の温度で予熱
炉2で連続的に予熱したのち、成形ロール群3により連
続的に成形しオープン管7とした。オープン管両エッジ
部に表1に示す条件でエッジ予熱用誘導加熱コイル4に
よりエッジ予熱を、さらにエッジ加熱用誘導加熱コイル
5によりエッジ加熱を施し、シーム部に当接する位置に
設置したスクイズロール6で衝合接合して、管寸法:6
0.5mmφ× 3.5mmt、規格:STKM11A の鋼管8とした。
製造された鋼管8のビード形状寸法、シーム品質、表面
肌を調査し、その結果を表1に併記する。シーム品質の
評価は、鋼管の偏平高さ比(h/D、h:偏平高さmm、
D:鋼管の外径mm)で行った。また、鋼管の表面肌の評
価は、表面粗さRmax (μm )で行った。なお、一部の
鋼管については、エッジ予熱、エッジ加熱および衝合接
合をシールド雰囲気中で行った。
【0032】ビード形状寸法は、レーザ距離計で測定し
た。ビード形状の例を模式的に図6に示す。(a) は本発
明例、(b) は従来の電縫管の例(従来例)である。これ
らの結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】試験No.1〜No.5およびNo.10 の本発明例で
は、ビード面積も0.35mm2 以下で偏平高さ比 0.3以下、
表面粗さRmax 10 μm 以下であり、ビード切削の必要も
なく、高速造管ができた。従来の電縫管(試験No.6)で
は、ビード面積は0.8mm2であり、ビード切削を必要とし
た。
【0035】試験No.7は、帯鋼予熱がなく、試験No.8
は、エッジ予熱温度が低く、試験No.9は、エッジ加熱温
度が高すぎ、入熱量が過大であったため、ビード面積が
0.35mm 2 を超えた。本発明例の試験No.1、No.2では、圧
接シーム部の管内面に0.5 〜1.5mm の増肉がみられた
が、圧接シーム部近傍を管内外から圧延ロールで圧延
し、0.2mm 以内に減肉し、鋼管寸法の規格範囲内となっ
た。
【0036】また、試験No.3、No.4は、圧接位置におい
て管外面にスクイズロールを、管内面に圧延ロールをそ
れぞれ当接させ、材料を上下方向に拘束することによっ
て、圧接シーム部の増肉が0.1mm 以下で鋼管寸法の規格
範囲内となり、圧接以降の圧延が不要であった。本発明
例の試験No.5では、エッジ加熱および固相圧接時の雰囲
気中の露点を−20℃に制御した。これにより、雰囲気中
の露点制御を行わなかった試験No.4に比べ偏平高さ比が
小さくなっている。
【0037】また、本発明例の生産性は、30ton/hrと高
く、ビード切削する従来の電縫管の生産性が15ton/hrで
あるのに対し、生産性が著しく向上している。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、オープン管の両エッジ
部を溶融温度域に安定的に保持でき、優れたシーム品質
および表面肌を有する鋼管を高い生産性で製造できると
いう格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な鋼管製造設備列の1例を
示す説明図である。
【図2】シーム品質に及ぼす衝合接合後1300℃以上に保
持される時間tk と雰囲気中の酸素濃度との関係を示す
グラフである。
【図3】衝合接合時のスクイズロール、シーム部内面拘
束用ロールと接合部との位置関係を示す断面図である。
【図4】本発明の実施に好適な設備列の模式的部分断面
側面図である。
【図5】鋼の比透磁率の温度依存性を示す特性図であ
る。
【図6】ビード形状の概念図である。
【符号の説明】
1 帯鋼 2 予熱炉 3 成形ロール群 4 エッジ予熱用誘導加熱コイル 5 エッジ加熱用誘導加熱コイル 6 スクイズロール 7 オープン管 8 鋼管 9 シーム部 10 シーム部圧延用ロール 10a シーム部外面圧延用ロール 10b シーム部内面圧延用ロール 10c シーム部圧延用ロール支持棒 11a シーム部内面拘束用ロール 11b シーム部内面拘束用ロール支持棒 12 ビード 13 HAZ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 6/10 371 H05B 6/10 371 (72)発明者 板谷 元晶 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 依藤 章 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 大西 寿雄 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 田中 伸樹 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯鋼を成形ロールにより連続的に成形し
    てオープン管とし、該オープン管の両エッジ部を加熱し
    て溶融させ、スクイズロールで衝合接合する電縫鋼管の
    製造方法において、前記帯鋼を予熱してオープン管と
    し、該オープン管の両エッジ部に、誘導加熱によりキュ
    リー点以上の未溶融温度域に加熱するエッジ予熱を施し
    たのち、さらに、誘導加熱によりエッジ部端面溶融温度
    域に加熱するエッジ加熱を施し、該スクイズロールで衝
    合接合し、管内外に排出される溶接ビードの面積(m
    m2 )が0.1 ×(板厚)以下とすることを特徴とするシ
    ーム品質および表面肌の優れた電縫鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記帯鋼の予熱を800 ℃以下の温度で行
    うことを特徴とする請求項1記載の鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エッジ予熱は、中・低周波誘導加熱
    により、あるいはさらに高周波誘導加熱により行うこと
    を特徴とする請求項1または2記載の電縫鋼管の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記エッジ加熱は、高周波誘導加熱によ
    り行うことを特徴とする請求項1、2または3記載の電
    縫鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッジ予熱と前記エッジ加熱との間
    に空冷時間を0.5sec以上とることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の電縫鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記エッジ予熱は、大気より低い酸素濃
    度雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の電縫鋼管の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッジ加熱および前記衝合接合は、
    大気より低い酸素濃度雰囲気中で行うことを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の電縫鋼管の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記エッジ予熱、前記エッジ加熱および
    前記衝合接合は、露点が−10℃以下の雰囲気中で行うこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電
    縫鋼管の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記衝合接合後、接合部が1300℃以上に
    保持される時間tk(sec )が、0.03sec 以上または下
    記(1)式を満足するtk であることを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれかに記載の電縫鋼管の製造方法。 記 tk ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1) ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a=0.
    079 、b=1.5 、c=-0.14 。
  10. 【請求項10】 前記衝合接合、管内外面からシーム部管
    材を拘束し、シーム部増肉を抑制することを特徴とする
    請求項1ないし9のいずれかに記載の電縫鋼管の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記衝合接合後、シーム部近傍を圧延す
    ることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載
    の電縫鋼管の製造方法。
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