JPH10296251A - 汚水浄化槽の汚泥調整方法 - Google Patents

汚水浄化槽の汚泥調整方法

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JPH10296251A
JPH10296251A JP11120097A JP11120097A JPH10296251A JP H10296251 A JPH10296251 A JP H10296251A JP 11120097 A JP11120097 A JP 11120097A JP 11120097 A JP11120097 A JP 11120097A JP H10296251 A JPH10296251 A JP H10296251A
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JP
Japan
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sludge
tank
pump
treated water
water
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Application number
JP11120097A
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English (en)
Inventor
Akihiro Ueda
明弘 上田
Kenichi Minami
健一 巳波
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理槽内の活性汚泥濃度を適切な濃度に維持
することができ、もって濾過膜表面の付着物を十分に除
去できる処理水の上昇流速を維持することが可能な、汚
水浄化槽の汚泥調整方法を提供する。 【解決手段】 好気槽と嫌気槽で処理水を循環しながら
処理する方式の汚水浄化槽において、嫌気槽7の沈降汚
泥と上澄み液の界面21に吸引口20を開口してなる移
送手段(例えば汚泥ポンプ19)を設けて汚泥含有処理
水を汚泥貯留槽6に移送することで、嫌気槽7や好気槽
8の汚泥濃度を一定に保持する。また処理槽でばっ気運
転/停止を行いながら処理水を処理する方式の汚水浄化
槽において、処理槽のばっ気停止中における沈降汚泥と
上澄み液の界面に吸引口を開口してなる移送手段を設
け、この移送手段をばっ気停止中に運転して汚泥含有処
理水を汚泥貯留槽に移送することで、処理槽の汚泥濃度
を一定に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜分離装置を内装
し、膜濾過して処理する浄化槽において発生した余剰汚
泥を槽内に貯留する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、し尿や生活雑排水を浄化処理する
浄化槽においては、高度な処理能力を有する浄化槽や常
時安定した処理水質が得られる浄化槽が求められるよう
になってきた。その一方では、浄化槽の設置は多くの場
合、地下に埋設する方法が採られ、そのための敷地を確
保する必要があり、また掘削作業の面からの浄化槽本体
の小型化が大きな課題となっている。
【0003】そのような実情を鑑み、処理槽の容積を小
さくすることを目的として、汚濁物質の処理を担ってい
る微生物の集合体である活性汚泥を高濃度に維持し、処
理速度を速め、更に処理槽内に精密濾過膜や限外濾過膜
といった濾過膜を使用した膜分離装置を浸漬し、膜分離
装置を通して活性汚泥等の固形分を除去し、液分のみを
放流するといった方法が特公平4−70958号公報を
はじめ多く考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、活性汚泥法
をはじめ生物処理により汚水を処理し続けるに従い、微
生物が増殖を繰り返し、活性汚泥が増加してくる。さら
に膜分離により液分のみを放流するために活性汚泥のよ
うな固形分はその殆どが処理槽内に残り、結果として処
理槽内の活性汚泥濃度は上昇し続け、非常に高濃度にな
ってくる。
【0005】このように処理槽の活性汚泥濃度が高くな
り過ぎると処理水の粘度が上昇し、そのため流動性が悪
くなるためばっ気による攪拌が不十分となる。一方、膜
分離装置によって処理水を長期間安定した膜濾過を行う
ために多くの場合、濾過膜の直下に散気装置を配置し、
ばっ気することで膜表面に処理水と気泡の上昇流を通過
させ、この気液混合流により濾過膜表面の付着物を除去
する方法が採られている。しかし、この方法では、活性
汚泥濃度が高くなり流動性が悪くなると気液混合流の上
昇流速が遅くなり、濾過膜表面に汚泥が付着しやすくな
る。その結果、安定した膜濾過が維持できなくなる。さ
らには、処理水の粘度の上昇により散気装置の空気を噴
出する散気孔の閉塞をまねくことになる。これにより、
やはり圧力損失となってばっ気する空気量が減少し生物
処理に必要な溶存酸素が不十分となり処理水質が悪化す
る。
【0006】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、処理槽内の活性汚泥濃度を適切な濃度に維持す
ることができ、もって濾過膜表面の付着物を十分に除去
できる処理水の上昇流速を維持することが可能な、汚水
浄化槽の汚泥調整方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、汚水を膜濾過して処理す
る汚水浄化槽において発生した余剰汚泥を貯留する際
に、処理水を沈降汚泥と上澄み水に分離し、その沈降汚
泥と上澄み水との界面に吸引口を開口し、この吸引口か
ら汚泥含有処理水を吸引して汚泥貯留槽に移送すること
によって特徴づけられる汚水浄化槽の汚泥調整方法であ
る。
【0008】請求項2に記載の発明は、膜分離装置を内
装した好気槽と嫌気槽で処理水を循環しながら処理する
方式の汚水浄化槽に、請求項1に記載の発明の技術思想
を適用した方法で、嫌気槽の沈降汚泥と上澄み水の界面
に吸引口を開口してなる移送手段を設けて汚泥含有処理
水を汚泥貯留槽に移送することによって特徴づけられ
る。
【0009】請求項2に記載の発明において、移送手段
の吸引口の開口位置は嫌気槽で静置され沈降分離により
堆積している汚泥とその上に存在する上澄み水の界面に
設置すればよいが、その界面の位置は堆積した汚泥の濃
度により上下するため、所望の汚泥濃度となる汚泥界面
の位置を予め求めておき、その界面位置に吸引口を設置
すればよい。
【0010】汚泥移送の手段は特に限定しないが、渦巻
きポンプ、ダイヤフラムポンプ、プランジャーポンプ等
の機械式のポンプや、エアリフトポンプ等の汚泥を含む
処理水が移送できるポンプが使用でき、そのポンプの吸
引口を上述の汚泥界面に設置すればよい。また、移送手
段の運転方法は常時連続で運転してもよいが、汚水の生
物処理の進行により増殖し、汚泥が増加することで吸引
口の上層部に、ある程度堆積した頃に一括して移送して
もよく、そのためには一定期間毎に間欠的に運転する方
が動力コストの削減になり好ましい。運転と休止の間隔
及び運転時間は汚泥の増殖による増加速度と移送量によ
り適宜決定すればよい。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明に係る汚水浄化槽の汚泥調整方法において、移送
手段として吸引口が上向きに開口した汚泥ポンプを用い
るとともに、汚泥貯留槽として、嫌気槽の水位よりも高
い水位から上澄み水が嫌気槽7へ越流する構造の貯留槽
を設置したことによって特徴づけられる。
【0012】請求項3に記載の発明において、汚泥ポン
プの運転時に開口部よりも上層に堆積した汚泥を吸引で
きればよく、その開口部の形状は特に限定しない。また
汚泥貯留槽では移送した汚泥を含む処理水を静置し、汚
泥分のみを沈降分離し、上澄みの液分のみを再び嫌気槽
へ移流すればよい。このとき移流口の高さは少なくとも
嫌気槽の最高水位よりも高い位置に設置すると、嫌気槽
からの汚泥の進入がなく、また嫌気槽の水位変動により
汚泥貯留槽に静置した処理水を乱すことがなって、沈降
分離を都合よく行える。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明に係る汚水浄化槽の汚泥調整方法において、移送
手段として、嫌気槽の水面下で沈降汚泥と上澄み水の界
面に開口した移流口で連通された汚泥ポンプ槽と、この
汚泥ポンプ槽から汚泥貯留槽へ汚泥を移送する汚泥ポン
プを設置したことによって特徴づけられる。
【0014】請求項4に記載の発明において、汚泥ポン
プ槽に開口した移流口の下端部の位置は嫌気槽で静置さ
れ沈降分離により堆積している汚泥とその上に存在する
上澄み水の界面に設置すればよく、請求項2に記載の発
明と同様に、その界面の位置は堆積した汚泥の濃度によ
り上下するため、所望の汚泥濃度となる界面の位置に設
置すればよい。また、汚泥ポンプは、請求項2に記載の
発明の汚泥移送手段と同様の方法が採られる。運転方法
も常時連続で運転してもよいが、汚水の生物処理の進行
により増殖し、汚泥が増加することで移流口の下端部よ
り上層部にある程度堆積した頃に一括して移送してもよ
く、そのために一定期間毎に間欠的に運転する方法が動
力コストの削減になり好ましい。運転と休止の間隔及び
運転時間は汚泥の増殖による増加速度と移送量により適
宜決定すればよい。
【0015】請求項5に記載の発明は、膜分離装置を内
装した処理槽で処理水をばっ気運転を行いながら処理す
る方式の汚水浄化槽に、請求項1に記載の発明の技術思
想を適用した方法で、ばっ気停止中における処理槽の沈
降汚泥と上澄み水の界面に吸引口を開口してなる移送手
段を設けて、この移送手段をばっ気停止中に運転して汚
泥含有処理水を汚泥貯留槽に移送することによって特徴
づけられる。
【0016】請求項5に記載の発明において、処理槽内
でばっ気攪拌により処理水と活性汚泥が混合した状態で
処理されているが、ばっ気を停止し、静置すると活性汚
泥は処理水との比重差により沈降分離し処理槽底部に堆
積する。移送手段の吸引口の開口位置は沈降分離により
堆積している汚泥とその上に存在する上澄み水の界面に
設置すればよいが、その界面の位置は堆積した汚泥の濃
度及びばっ気停止時間すなわち沈降時間により上下する
ため、所望の汚泥濃度となる汚泥界面の位置を予め求め
ておき、その界面位置に吸引口を設置すればよい。
【0017】汚泥移送の手段は特に限定しないが、渦巻
きポンプ、ダイヤフラムポンプ、プランジャーポンプ等
の機械式のポンプや、エアリフトポンプ等の汚泥を含む
処理水が移送できるポンプが使用でき、そのポンプの吸
引口を上述の汚泥界面に設置すればよい。また移送量
は、汚水の生物処理の進行により増殖し、汚泥が増加す
ることで吸引口の上層部に堆積した汚泥を移送するのに
十分な量でよい。また汚泥ポンプの運転頻度は、汚泥濃
度がある程度増加した頃に一時的にばっ気を停止し、一
括して移送してもよい。さらに処理槽が間欠ばっ気方式
のように一定周期でばっ気の運転/停止を繰り返す処理
を行っている場合は、各ばっ気停止毎に移送してもよ
く、その頻度は特に限定するものではないが、少なくと
も処理槽の活性汚泥濃度が著しく上昇しないように行う
ことが好ましい。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明に係る汚水浄化槽の汚泥調整方法において、移送
手段として吸引口が上向きに開口した汚泥ポンプを用い
るとともに、汚泥貯留槽として、処理槽の水位よりも高
い水位から上澄み水が処理槽へ越流する構造の貯留槽を
設置したことによって特徴づけられる。
【0019】請求項6に記載の発明において、汚泥ポン
プ運転時に開口部よりも上層に堆積した汚泥を吸引でき
ればよく、その開口部の形状は特に限定しない。また、
汚泥貯留槽では移送した汚泥を含む処理水を静置し、汚
泥分のみを沈降分離し、上澄みの液分のみを再び処理槽
へ移流すればよい。このとき移流口の高さは少なくとも
処理槽の最高水位よりも高い位置に設置すると、処理槽
からの汚泥の進入がなく、また処理槽の水位変動により
汚泥貯留槽に静置した処理水を乱すことがなくなって沈
降分離を都合よく行える。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項5に記載
の発明に係る汚水浄化槽の汚泥調整方法において、移送
手段として、処理槽の水面下でばっ気停止中の沈降汚泥
と上澄み水の界面に開口した移流口で連通された汚泥ポ
ンプ槽と、この汚泥ポンプ槽から汚泥貯留槽へ汚泥を移
送する汚泥ポンプを設置したことによって特徴づけられ
る。
【0021】請求項7に記載の発明において、汚泥ポン
プ槽に開口した移流口の下端部の位置は処理槽のばっ気
停止中で静置され沈降分離により堆積している汚泥とそ
の上に存在する上澄み水の界面に設置すればよく、請求
項5に記載の発明と同様に、その界面の位置は堆積した
汚泥の濃度により上下するため、所望の汚泥濃度となる
汚泥界面の位置に設置すればよい。また、汚泥ポンプは
請求項5に記載の発明の汚泥移送手段と同様の方法が採
られる。
【0022】さらに、汚泥ポンプの運転頻度は、汚泥濃
度がある程度増加した頃に一時的にばっ気を停止し、一
括して移送してもよい。また、処理槽が間欠ばっ気方式
のように一定周期でばっ気の運転/停止を繰り返す処理
を行っている場合は、各ばっ気停止毎に移送してもよ
く、その頻度は特に限定するものではないが、少なくと
も処理槽の活性汚泥濃度が著しく上昇しないように行う
ことが好ましい。 <作用>請求項1に記載の発明によれば、処理水を沈降
汚泥と上澄み水に分離し、その沈降汚泥と上澄み水との
界面に吸引口を開口して汚泥含有処理水を汚泥貯留槽に
移送するので、生物処理を行う処理槽の活性汚泥濃度を
略一定に保持することができる。
【0023】すなわち、沈降汚泥と上澄み水との界面に
吸引口を設置しておくと、処理槽で生物処理の進行とと
もに増殖によって活性汚泥が増加し、これに伴って汚泥
界面が上昇すると、その上昇分つまり活性汚泥の増加分
が吸引口から汚泥貯留槽に移送されて活性汚泥の濃度が
一定に保たれる。
【0024】請求項2に記載の発明では、好気槽と嫌気
槽で処理水を循環しながら処理する方式の汚水浄化槽を
対象としているので、好気槽で汚濁物質の生物処理の進
行とともに増殖した活性汚泥が嫌気槽に循環されると沈
降し嫌気槽内に堆積するが、堆積した活性汚泥は移送手
段により、引き抜かれ汚泥貯留槽に移送されるので、嫌
気槽に堆積する活性汚泥の体積を吸引口の位置により調
整することが可能になる。なお、嫌気槽と好気槽の処理
水は常時循環されているため、嫌気槽と好気槽の活性汚
泥の濃度は見かけ上ほぼ等しくなる。
【0025】請求項3に記載の発明では、図1に例示す
るように、汚泥ポンプ19の吸引口20を上向きに開口
したから、嫌気槽7に堆積している活性汚泥のうち、吸
引口20より上層に堆積した汚泥と処理水のみを吸引
し、汚泥貯留槽6へ移送されることになる。従って、嫌
気槽7に沈降堆積する活性汚泥の体積は吸引口20の開
口部の位置で容易に調整することができる。
【0026】請求項4に記載の発明では、図2に例示す
るように、嫌気槽7に堆積した活性汚泥のうち、移流口
24の下端より上層に体積した汚泥のみが汚泥ポンプ槽
23へ流れ込み、汚泥ポンプ19により汚泥貯留槽6に
移送されるので、嫌気槽7に堆積する活性汚泥の体積は
移流口24の下端の位置で容易に調整することができ
る。
【0027】請求項5に記載の発明では、膜分離装置を
内装した処理槽で処理水をばっ気運転を行いながら処理
する方式の汚水浄化槽を対象としているので、処理槽で
汚濁物質の生物処理の進行とともに増殖した活性汚泥が
処理槽のばっ気停止中に沈降し処理槽に堆積するが、堆
積した活性汚泥は汚泥移送手段により引き抜かれて汚泥
貯留槽に移送されるので、処理槽に堆積する活性汚泥の
体積を吸引口の位置により調整することが可能になる。
【0028】請求項6に記載の発明では、図3,図4に
例示するように、汚泥移送手段114の吸引口115が
上向きに開口しているため、処理槽106に堆積してい
る活性汚泥のうち吸引口115より上層に堆積した汚泥
と処理水のみを吸引し、汚泥貯留槽105へ移送される
ことになる。従って、処理槽106に堆積する活性汚泥
の体積は吸引口115の開口部の位置で容易に調整する
ことができる。
【0029】請求項7に記載の発明では、図5に例示す
るように、処理槽106に堆積した活性汚泥のうち、移
流口119の下端より上層に堆積した汚泥のみがポンプ
槽118に流れ込み、汚泥ポンプ114により汚泥貯留
槽105に移送されるので、処理槽106に堆積する活
性汚泥の体積は移流口119の下端の位置で容易に調整
することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下、図
面を参照しつつ説明する。図1は、好気槽と嫌気槽で処
理水を循環しながら処理する方式の汚水浄化槽に本発明
の汚泥調整方法を適用した例を示す図である。
【0031】図1において浄化槽本体1は仕切板2,
3,4によって流量調整槽5,汚泥貯留槽6,嫌気槽
7,好気槽8に仕切られている。流量調整槽5に流入し
た汚水は一時貯留したのち、移送ポンプ9で嫌気槽7に
一定量移送される。移送された汚水は、嫌気槽7で数千
mg/L〜2万mg/L程度の濃度で嫌気状態で存在し
ている活性汚泥により嫌気処理された後、仕切板4の上
部に設けられた連通口10より好気槽8に汚泥とともに
流れ込む。
【0032】好気槽8においでは、底部付近に散気装置
11が設置され、浄化槽本体1の外部に別途設置された
ブロワ12より空気配管13を介して供給される空気を
散気装置11により好気槽8内に細かい気泡にして噴出
させ、好気槽8内に酸素を供給するとともに、ばっ気旋
回流を生じさせる。これにより好気槽8内では、数千m
g/L〜2万mg/L程度の濃度で好気状態で存在して
いる活性汚泥により好気処理される。
【0033】好気槽8内の処理水の一部は活性汚泥とと
もに循環ポンプ14により嫌気槽7へ返送され、繰り返
し処理される。好気槽8で処理された処理水の一部は好
気槽8内に浸漬した濾過膜15により固液分離し、液体
分のみを吸引配管16を介して吸引ポンプ17で槽外へ
放流するようになっている。
【0034】嫌気槽7内では、流量調整槽5と好気槽8
から移流された処理水が嫌気槽7を通過し連通口10よ
り好気槽8へ移流するまでの間に静置され、比重が処理
水より大きい固形分の活性汚泥が嫌気槽7の底部に沈降
し、堆積している。
【0035】堆積した活性汚泥18の一部は処理水とと
もに連通口10より好気槽8へ移流し繰り返し処理を行
う。
【0036】嫌気槽7には汚泥ポンプ19が設置され、
その吸引口20は堆積した活性汚泥とその上層にある上
澄み水の汚泥界面21に開口してあり、汚泥ポンプ19
により活性汚泥を含んだ処理水の一部は汚泥貯留槽6に
送られる。汚泥貯留槽6に送られた処理水は静置され、
比重差により活性汚泥を沈降分離し汚泥貯留槽6の底部
に蓄積し、上澄みの液分のみを移流口22より嫌気槽7
へ越流し再び処理される。
【0037】以上のように、嫌気槽7の汚泥界面21に
吸引口20を設置すると、嫌気槽7及び好気槽8の活性
汚泥濃度を略一定に保持することができる。その理由を
以下に述べる。
【0038】まず、処理水中の活性汚泥はその濃度と、
静置し沈降分離させたときの沈降汚泥の体積との間には
一定の相関があり汚泥濃度が増加すれば沈降汚泥の体積
も増加することがわかっている。よって好気槽8である
一定の活性汚泥濃度のときの嫌気槽7の汚泥界面21に
汚泥ポンプ19の吸引口20を設置すると、好気槽8で
生物処理の進行とともに増殖によって活性汚泥の濃度が
増加した場合、循環ポンプ14で嫌気槽7へ移送される
処理水中の活性汚泥濃度も増加し、嫌気槽7の汚泥界面
21はその分上昇する。このとき汚泥ポンプ19を運転
すると、吸引口20より上部の増加した活性汚泥のみを
汚泥貯留槽6へ移送するため、結果として嫌気槽7と好
気槽8の活性汚泥濃度は減少し増加前の濃度に戻ること
になる。
【0039】図2は、好気槽と嫌気槽で処理水を循環し
ながら処理する方式の汚水浄化槽に本発明の汚泥調整方
法を適用した他の例を示す図である。図2の汚水浄化槽
は、基本的な構造は先の図1と同様で、浄化槽本体1が
仕切板2,3,4によって流量調整槽5、汚泥貯留槽
6、嫌気槽7、及び好気槽8に仕切られている。
【0040】図2の汚水浄化槽では、嫌気槽7の内部に
汚泥ポンプ槽23を設置し、この汚泥ポンプ槽23が、
嫌気槽7の水面下で開口した移流口24で嫌気槽7に連
通するように構成するとともに、その移流口24より流
入した活性汚泥と処理水を汚泥ポンプ槽23の底部より
汚泥貯留槽6へ移送する汚泥ポンプ19を設置してお
り、嫌気槽7に堆積した活性汚泥のうち、移流口24の
下端より上層に堆積した汚泥のみがポンプ槽23に流れ
込み、汚泥ポンプ19によって汚泥貯留槽6に移送され
る。
【0041】なお、図2において移流口24の設置は、
その下端部が堆積した活性汚泥とその上層にある上澄み
水の汚泥界面21の位置になるように設置すればよい。
また移流口24の形状は、移流口24の下端より上層に
堆積した活性汚泥が溜まることなく汚泥ポンプ槽23へ
流れ落ちるように長方形とし、その一辺が水平となるよ
うに開口すればよい。
【0042】図3及び図4は、処理槽でばっ気運転/停
止を行いながら処理水を処理する方式の汚水浄化槽に、
本発明の汚泥調整方法を適用した例を示す図である。な
お、図3及び図4は、それぞれ、ばっ気運転中の状態及
びばっ気停止中の状態をあらわしている。
【0043】浄化槽本体101は、仕切板102,10
3によって流量調整槽104、汚泥貯留槽105、処理
槽106に仕切られており、図3に示すように、流量調
整槽104に流入した汚水は一時貯留したのち、移送ポ
ンプ107で処理槽106に一定量移送される。処理槽
106では底部付近に散気装置108が設置され、浄化
槽本体101外に別途設置されたブロワ109より空気
配管110を介して供給される空気を散気装置108に
より処理槽106内に細かい気泡にして噴出させ、処理
槽106内に酸素を供給するとともに、ばっ気旋回流を
生じさせる。これにより処理槽106内では、数千mg
/L〜2万mg/L程度の濃度で存在している活性汚泥
により処理される。
【0044】処理槽106で処理された処理水の一部は
処理槽106内に浸漬した濾過膜111により固液分離
し、液体分のみを吸引配管112を介して吸引ポンプ1
13で槽外へ放流するようになっている。
【0045】そして、ばっ気が停止となった時には、ば
っ気中において処理水中に溶解した酸素が活性汚泥によ
り消費され無酸素状態となり、汚水が活性汚泥により嫌
気処理される。
【0046】一方、図4に示すように汚水浄化槽がばっ
気停止中のとき、処理槽106内では、ばっ気停止によ
り槽内処理液が静置され、比重が処理水より大きい固形
分の活性汚泥が処理槽106の底部に沈降し、堆積して
いる。処理槽106には汚泥ポンプ114が設置され、
その吸引口115は堆積した活性汚泥とその上層にある
上澄み水の汚泥界面116に開口しており、汚泥ポンプ
114により活性汚泥を含んだ処理水の一部は汚泥貯留
槽105に送られる。汚泥貯留槽105に送られた処理
水は静置され、比重差により活性汚泥を沈降分離し汚泥
貯留槽105の底部に蓄積し、上澄みの液分のみを移流
口117より処理槽106へ越流し再び処理される。
【0047】以上のように、処理槽106の汚泥界面1
16に吸引口115を設置すると、処理槽106の活性
汚泥濃度を略一定に保持することができる。その理由を
以下に述べる。
【0048】処理水中の活性汚泥はその濃度と、静置し
た沈降分離させたたきの沈降汚泥の体積の間には一定の
相関があり汚泥濃度が増加すれば沈降汚泥の体積も増加
することがわかっている。よって処理槽106である一
定の活性汚泥濃度で運転している場合、ばっ気を停止
し、ある沈降時間での処理槽106の汚泥界面116に
汚泥ポンプ114の吸引口115を設置すると、処理槽
106で生物処理の進行とともに増殖によって活性汚泥
の濃度が増加した場合、処理槽106の汚泥界面116
はその分上昇する。このとき汚泥ポンプ114を運転す
ると、吸引口115より上部の増加した活性汚泥のみを
汚泥貯留槽105へ移送するため、結果として処理槽1
06の活性汚泥濃度は減少し増加前の濃度に戻ることに
なる。
【0049】図5は、処理槽でばっ気運転/停止を行い
ながら処理する方式の汚水浄化槽に本発明の汚泥調整方
法を適用した他の例を示す図である。図5の汚水浄化槽
は、基本的な構造は先の図3,図4と同様で、浄化槽本
体101が仕切板102,103によって流量調整槽1
04、汚泥貯留槽105、処理槽106に仕切られてい
る。
【0050】図5の汚水浄化槽では、処理槽106の内
部に汚泥ポンプ槽118を設置し、この汚泥ポンプ槽1
18が、処理槽106の水面下で開口した移流口119
で処理槽106に連通するように構成するとともに、そ
の移流口119より流入した活性汚泥と処理水を汚泥ポ
ンプ槽118の底部より汚泥貯留槽105へ移送する汚
泥ポンプ114を設置しており、処理槽106に堆積し
た活性汚泥のうち、移流口119の下端より上層に堆積
した汚泥のみが汚泥ポンプ槽118に流れ込み、汚泥ポ
ンプ114によって汚泥貯留槽105に移送される。
【0051】なお、図5において移流口119の設置
は、その下端部が堆積した活性汚泥とその上層にある上
澄み水の汚泥界面116の位置になるように設置すれば
よい。また、移流口119の形状は、移流口119の下
端より上層に堆積した活性汚泥が溜まることなく汚泥ポ
ンプ槽118へ流れ落ちるように長方形とし、その一辺
が水平となるように開口すればよい。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 <実施例1−1>図1に示した構造の汚水浄化槽におい
て、水位が2mから1.7mで変動する好気槽8内に散
気装置11を槽底から0.2mの地点に設置し、槽外に
設置したブロワ12により空気配管13を介して散気装
置11に空気を供給し、60L/分の空気量でばっ気し
た。好気槽8では、ばっ気により発生した気泡の旋回流
により処理水を攪拌するとともに、処理水中に酸素溶解
させ、活性汚泥濃度を約10000mg/L程度とし
た。処理水の一部は嫌気槽7へ流入汚水量の3倍量を循
環ポンプ14で移送した。
【0053】一方、嫌気槽7では、好気槽8と同時に、
水位が2mから1.7mで変動するものとし、槽底部に
汚泥ポンプ19として渦巻き式汚泥用水中ポンプを設置
し、吸引口20を1.5mの水位に開口した。この汚泥
ポンプ19を1日に1回、10L/分で5分間運転し、
活性汚泥と処理水を汚泥貯留槽6へ移送した。
【0054】以上の汚水浄化槽で合併排水を処理したと
ころ、好気槽8の活性汚泥濃度は、6カ月に渡りほぼ初
期の10000mg/Lを維持した。その結果、好気槽
8に浸漬した濾過膜15の膜表面洗浄が十分に行え、安
定して処理水を吸引濾過できた。 <実施例1−2>図2に示した構造の汚水浄化槽におい
て、水位が2mから1.7mで変動する好気槽8内に散
気装置11を槽底から0.2mの地点に設置し、槽外に
設置したブロワ12により空気配管13を介して散気装
置11に空気を供給し、60L/分の空気量でばっ気し
た。好気槽8では、ばっ気により発生した気泡の旋回流
により処理水を攪拌するとともに、処理水中に酸素溶解
させ、活性汚泥濃度を約10000mg/L程度とし
た。処理水の一部は嫌気槽7へ流入汚水量の3倍量を循
環ポンプ14で移送した。
【0055】一方、嫌気槽7においては内部に汚泥ポン
プ槽23を設置し、水位が1.5mの位置に移流口24
の下端となるように開口し、嫌気槽7と連通するととも
に、その移流口24より流入した活性汚泥と処理水を汚
泥ポンプ槽23の底部より汚泥貯留槽6へ移送する汚泥
ポンプ19を設置してなる構成とした。汚泥ポンプ19
として渦巻き式汚泥用水中ポンプを設置した。この汚泥
ポンプ19を1日に1回、10L/分で5分間運転し、
活性汚泥と処理水を汚泥貯留槽6へ移送した。
【0056】以上の汚水浄化槽で合併排水を処理したと
ころ、好気槽8の活性汚泥濃度は、6カ月に渡りほぼ初
期の10000mg/Lを維持した。その結果、好気槽
8に浸漬した濾過膜15の膜表面洗浄が十分に行え、安
定して処理水を吸引濾過できた。 <比較例1>この比較例1に用いる汚水浄化槽は、図6
に示すように、流量調整槽205、嫌気槽207及び好
気槽208からなる従来型の浄化槽で、流量調整槽20
5に流入した汚水は移送ポンプ209で嫌気槽207へ
移送され、この槽207で嫌気処理された処理水と活性
汚泥が移流口210から好気槽208に再び移流する構
造となっている。
【0057】この比較例1では、図6に示す浄化槽にお
いて、好気槽208内に散気装置211を設置し、槽外
に設置したブロワ212より空気配管213を介して散
気装置211に空気を供給し、60L/分の空気量でば
っ気した。処理水の一部は嫌気槽207へ流入汚水量の
3倍量を循環ポンプ214で移送した。
【0058】以上の汚水浄化槽で合併排水を処理したと
ころ、嫌気槽207、好気槽208の活性汚泥濃度は、
徐々に増加し、初期に10000mg/Lであったもの
が、6カ月後には25000mg/Lにまで増加した。
その結果、処理水の粘度が上昇し、好気槽208での流
動が悪くなり、濾過膜215の膜表面に汚泥が大量に付
着した。これにより濾過抵抗が上昇し処理水を吸引濾過
できなくなった。 <実施例2−1>図3,図4に示した構成の汚水浄化槽
において、水位が2mから1.7mで変動する処理槽1
06内に散気装置108を槽底から0.2mの地点に設
置し、槽外に設置したブロワ109により空気配管11
0を介して散気装置108に空気を供給し、60L/分
の空気量でばっ気した。ばっ気運転は図示しないタイマ
ーによりブロワ109を制御し、運転/停止の時間を6
0分/60分の間欠運転を行った。ばっ気時に、ばっ気
により発生した気泡の旋回流により処理水を攪拌すると
ともに、処理水中に酸素溶解させ、活性汚泥の濃度を約
10000mg/L程度とした。
【0059】処理槽106の槽底部に汚泥ポンプ114
として渦巻き式汚泥用水中ポンプを設置し、吸引口11
5を1.5mの水位に開口した。この汚泥ポンプ114
を1日に1回一定時刻に、ばっ気停止55分後に10L
/分で5分間運転し、活性汚泥と処理水を汚泥貯留槽1
05へ移送した。
【0060】以上の汚水浄化槽で合併排水を処理したと
ころ、処理槽106の活性汚泥濃度は、6カ月に渡りほ
ぼ初期の10000mg/Lを維持した。その結果、処
理槽106に浸漬した濾過膜111の膜表面洗浄が十分
に行え安定して処理水を吸引濾過できた。 <実施例2−2>図5に示した構成の汚水浄化槽におい
て、実施例2−1と同様に間欠ばっ気運転を行うととも
に、処理槽106内部に汚泥ポンプ槽118を設置し、
水位が1.5mの位置に移流口119の下端となるよう
に開口し、処理槽106と連通するとともに、その移流
口119より流入した活性汚泥と処理水を汚泥ポンプ槽
118の底部より汚泥貯留槽105へ移送する汚泥ポン
プ114を設置してなる構成とした。汚泥ポンプ114
として渦巻き式汚泥用水中ポンプを設置した。この汚泥
ポンプ114を、実施例2−1と同様に、1日に1回一
定時刻に、ばっ気停止55分後に10L/分で5分間運
転し、活性汚泥と処理水を汚泥貯留槽105へ移送し
た。
【0061】以上の汚水浄化槽で合併排水を処理したと
ころ、処理槽106の活性汚泥濃度は、6カ月に渡りほ
ぼ初期の10000mg/Lを維持した。その結果、処
理槽106に浸漬した濾過膜111の膜表面洗浄が十分
に行え安定して処理水を吸引濾過できた。 <比較例2>この比較例2に用いる汚水浄化槽は、図7
に示すように、流量調整槽304、処理槽306からな
る従来型の浄化槽で、流量調整槽304に流入した汚水
は移送ポンプ307で処理槽306へ移送され、この処
理槽306で処理された処理水の一部は処理槽306内
に浸漬した濾過膜311により固液分離され、液体分の
みが吸引配管312を介して吸引ポンプ313で槽外へ
放流される構造となっている。
【0062】この比較例2では、図7に示す汚水浄化槽
において、処理槽306内に散気装置308を設置し、
槽外に設置したブロワ309より空気配管310を介し
て散気装置308に空気を供給し、60L/分の空気量
でばっ気した。ばっ気運転は図示しないタイマーにより
ブロワ309を制御し、運転/停止の時間を60分/6
0分の間欠運転を行った。ばっ気時には、ばっ気により
発生した気泡の旋回流により処理水を攪拌するととも
に、処理水中に酸素を溶解させ、活性汚泥の濃度を約1
0000mg/L程度とした。
【0063】以上の合併排水により運転したところ、処
理槽306の活性汚泥濃度は、徐々に増加し、初期に1
00000mg/Lであったものが、6カ月後には約2
5000mg/Lにまで増加した。その結果、処理水の
粘度が上昇し、処理槽306での流動が悪くなり、濾過
膜311の膜表面に汚泥が大量に付着した。これにより
濾過抵抗が上昇し、処理水を吸引濾過できなくなった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、処理水を沈降汚泥と上澄み水に分離し、
その沈降汚泥と上澄み水との界面に吸引口を開口して汚
泥含有処理水を汚泥貯留槽に移送するので、生物処理を
行う処理槽の活性汚泥濃度を常に適切な濃度に維持する
ことが可能となり、これにより濾過膜表面の付着物の除
去が十分に可能な処理水の上昇流速を維持することがで
きる。その結果、濾過膜表面が十分に洗浄され常に安定
した膜濾過を継続することができる。
【0065】請求項2に記載の発明に係る汚水浄化槽の
汚泥調整方法では、好気槽と嫌気槽で処理水を循環しな
がら処理する方式の汚水浄化槽において、嫌気・好気槽
内で増加してきた活性汚泥を自動的に汚泥貯留槽へ移送
し貯留するので、嫌気槽や好気槽の活性汚泥濃度を一定
に保持できる。このように各槽の活性汚泥濃度を一定に
することで、処理水の粘度上昇を抑制し、好気槽のばっ
気による攪拌を十分に行うことが可能となり安定した生
物処理を維持できる。さらに好気槽に設置した濾過膜の
気液混合流の上昇流速を高速に維持することができ、濾
過膜表面の洗浄が十分に行え安定した膜濾過を継続する
ことが可能になる。さらにまた、維持管理時の余剰汚泥
の引き抜きは、汚泥貯留槽に堆積している汚泥のみを引
き抜けばよく、処理槽内の活性汚泥濃度の調整のために
何ら計量作業を必要としないので、維持管理が非常に簡
単なる。
【0066】請求項3に記載の発明に係る汚水浄化槽の
汚泥調整方法では、嫌気槽に堆積している活性汚泥のう
ち吸引口より上層に堆積した汚泥と処理水のみを吸引し
て汚泥貯留槽へ移送するので、その吸引口の開口部の位
置を適当に設定することことで、嫌気槽に堆積する活性
汚泥の体積つまり嫌気槽の汚泥濃度を容易に調整するこ
とができる。
【0067】請求項4に記載の発明に係る汚水浄化槽の
汚泥調整方法では、嫌気槽に堆積した活性汚泥のうち、
移流口の下端より上層に堆積した汚泥のみがポンプ槽へ
流れ込み、汚泥ポンプにより汚泥貯留槽に移送されるの
で、その移流口の下端の位置を適当に設定することで、
嫌気槽に堆積する活性汚泥の体積つまり嫌気槽の汚泥濃
度を容易に調整することができる。
【0068】請求項5に記載の発明に係る汚水浄化槽の
汚泥調整方法では、膜分離装置を内装した処理槽で処理
水をばっ気運転を行いながら処理する方式の汚水浄化槽
において、処理槽内で増加してきた活性汚泥を自動的に
汚泥貯留槽へ移送し貯留するので、処理槽の活性汚泥濃
度を一定に保持できる。このように処理槽の活性汚泥濃
度を一定にすることで、処理水の粘度上昇を抑制し、処
理槽のばっ気による攪拌を十分に行うことが可能なり安
定した生物処理を維持できる。さらに処理槽に設置した
濾過膜の気液混合流の上昇流速を高速に維持することが
でき、濾過膜表面の洗浄が十分に行え安定した膜濾過を
継続することが可能になる。さらにまた、維持管理時の
余剰汚泥の引き抜きは、汚泥貯留槽に堆積している汚泥
のみを引き抜けばよく、処理槽内の活性汚泥濃度の調整
のために何ら計量作業を必要としないので、維持管理が
非常に簡単になる。
【0069】請求項6に記載の発明に係る汚水浄化槽の
汚泥調整方法では、処理槽に堆積している活性汚泥のう
ち、吸引口より上層に堆積した汚泥と処理水のみを吸引
して汚泥貯留槽へ移送するので、その吸引口の開口部の
位置を適当に設定することことで、処理槽に堆積する活
性汚泥の体積つまり処理槽の汚泥濃度を容易に調整する
ことができる。
【0070】請求項7に記載の発明に係る汚水浄化槽の
汚泥調整方法では、処理槽に堆積した活性汚泥のうち、
移流口の下端より上層に堆積した汚泥のみがポンプ槽へ
流れ込み、汚泥ポンプにより汚泥貯留槽に移送されるの
で、その移流口の下端の位置を適当に設定することで、
処理槽に堆積する活性汚泥の体積つまり処理槽の汚泥濃
度を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥調整方法を、好気槽と嫌気槽で処
理水を循環しながら処理する方式の汚水浄化槽に適用し
た例を示す図
【図2】本発明の汚泥調整方法を、好気槽と嫌気槽で処
理水を循環しながら処理する方式の汚水浄化槽に適用し
た他の例を示す図
【図3】本発明の汚泥調整方法を、処理槽でばっ気運転
/停止を行いながら処理水を処理する方式の汚水浄化槽
に適用した例を示す図で、ばっ気運転中の状態を示す図
【図4】同じく汚水浄化槽に適用した例を示す図で、ば
っ気停止中の状態を示す図
【図5】本発明の汚泥調整方法を、処理槽でばっ気運転
/停止を行いながら処理水を処理する方式の汚水浄化槽
に適用した他の例を示す図
【図6】本発明の比較例1に用いる汚水浄化槽の構成を
示す図
【図7】本発明の比較例2に用いる汚水浄化槽の構成を
示す図
【符号の説明】
1 浄化槽本体 2,3,4 仕切板 5 流量調整槽 6 汚泥貯留槽 7 嫌気槽 8 好気槽 9 移送ポンプ 10 連通口 11 散気装置 12 ブロワ 13 空気配管 14 循環ポンプ 15 濾過膜 16 吸引配管 17 吸引ポンプ 18 汚泥 19 汚泥ポンプ 20 吸引口 21 汚泥界面 22 移流口 23 汚泥ポンプ槽 24 移流口 101 浄化槽本体 102,103 仕切板 104 流量調整槽 105 汚泥貯留槽 106 処理槽 107 移送ポンプ 108 散気装置 109 ブロワ 110 空気配管 111 濾過膜 112 吸引配管 113 吸引ポンプ 114 汚泥ポンプ 115 吸引口 116 汚泥界面 117 移流口 118 汚泥ポンプ槽 119 移流口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 3/12 C02F 3/12 K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水を膜濾過して処理する汚水浄化槽に
    おいて発生した余剰汚泥を貯留する際に、処理水を沈降
    汚泥と上澄み水に分離し、その沈降汚泥と上澄み水との
    界面に吸引口を開口し、この吸引口から汚泥含有処理水
    を吸引して汚泥貯留槽に移送することを特徴とする汚水
    浄化槽の汚泥調整方法。
  2. 【請求項2】 膜分離装置を内装した好気槽と嫌気槽で
    処理水を循環しながら処理する方式の汚水浄化槽におい
    て、嫌気槽の沈降汚泥と上澄み水の界面に吸引口を開口
    してなる移送手段を設けて汚泥含有処理水を汚泥貯留槽
    に移送することを特徴とする、請求項1に記載の汚水浄
    化槽の汚泥調整方法。
  3. 【請求項3】 上記移送手段として、吸引口が上向きに
    開口した汚泥ポンプを用いるとともに、上記汚泥貯留槽
    として、嫌気槽の水位よりも高い水位から上澄み水が嫌
    気槽へ越流する構造の貯留槽を設置したことを特徴とす
    る、請求項2に記載の汚水浄化槽の汚泥調整方法。
  4. 【請求項4】 上記移送手段として、嫌気槽の水面下で
    沈降汚泥と上澄み水の界面に開口した移流口で連通され
    た汚泥ポンプ槽と、この汚泥ポンプ槽から汚泥貯留槽へ
    汚泥を移送する汚泥ポンプを設置したことを特徴とす
    る、請求項2に記載の汚水浄化槽の汚泥調整方法。
  5. 【請求項5】 膜分離装置を内装した処理槽で処理水を
    ばっ気運転を行いながら処理する方式の汚水浄化槽にお
    いて、ばっ気停止中における処理槽の沈降汚泥と上澄み
    水の界面に吸引口を開口してなる移送手段を設けて、こ
    の移送手段をばっ気停止中に運転して汚泥含有処理水を
    汚泥貯留槽に移送することを特徴とする、請求項1に記
    載の汚水浄化槽の汚泥調整方法。
  6. 【請求項6】 上記移送手段として、吸引口が上向きに
    開口した汚泥ポンプを用いるとともに、上記汚泥貯留槽
    として、処理槽の水位よりも高い水位から上澄み水が処
    理槽へ越流する構造の貯留槽を設置したことを特徴とす
    る、請求項5に記載の汚水浄化槽の汚泥調整方法。
  7. 【請求項7】 上記移送手段として、処理槽の水面下で
    ばっ気停止中の沈降汚泥と上澄み水の界面に開口した移
    流口で連通された汚泥ポンプ槽と、この汚泥ポンプ槽か
    ら汚泥貯留槽へ汚泥を移送する汚泥ポンプを設置したこ
    とを特徴とする、請求項5に記載の汚水浄化槽の汚泥調
    整方法。
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