JPH10295969A - 多針刺繍ミシン - Google Patents

多針刺繍ミシン

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JPH10295969A
JPH10295969A JP12497897A JP12497897A JPH10295969A JP H10295969 A JPH10295969 A JP H10295969A JP 12497897 A JP12497897 A JP 12497897A JP 12497897 A JP12497897 A JP 12497897A JP H10295969 A JPH10295969 A JP H10295969A
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JP
Japan
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thread
needle
thread take
take
sewing machine
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Application number
JP12497897A
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English (en)
Inventor
Ikuo Tajima
郁夫 田島
Aisuke Murase
愛介 村瀬
Isao Ohashi
功 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸取り部材のフック部に掛けた上糸を、糸案
内を介することなく天秤に直接導く構成として、天秤と
糸取り部材との間における上糸の屈曲部をなくし、糸取
り部材による糸取り動作の応答性を向上させて糸切れを
回避し、高い効率で縫い上がりの良好な刺繍製品を得
る。 【解決手段】 1基のミシンヘッド3に複数本の針棒6
を昇降自在に配設した多針刺繍ミシンにおいて、前記夫
々の針棒6に対応させて設けた糸取り部材30,50,6
0を、上糸aの通過経路に位置する各対応の天秤7の上
流直近に配置し、前記糸取り部材30,50,60のフッ
ク部30c,50c,60cに前記上糸aを掛けて、この
上糸aを糸案内を介することなく前記天秤7に導く構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、1基のミシンヘ
ッドに複数本の針棒を備えた多針刺繍ミシンに関し、更
に詳細には、針棒へ供給される上糸の通過経路に設けた
糸取り部材の配置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】縫い針の往復上下動と回転釜との協動作
用下に本縫いを行なうミシンでは、被縫製物に対する上
糸と下糸とによる縫いが次の行程で形成される。すなわ
ち縫い針が下動して被縫製物を刺通し下死点に達した
後、再上昇し始めたタイミングで外釜の剣先により上糸
が捕捉される。そして外釜の更なる回転により、上糸は
釜をくぐり抜けて内釜と釜支えとの係合部を通り抜け、
該内釜に収容したボビンから繰出された下糸と結絡する
ことで縫製がなされる。この行程において上糸には、天
秤による適度な緩めと引上げが付与されるが、該上糸に
作用する張力の急激な変動に対しては、前記天秤の動作
だけでは追従し得ない。そこで、前記の急激な張力の変
動を吸収する手段として糸取り部材が設けられている。
従来の糸取り部材は、トーションバネで構成されている
ため「糸取りバネ」とも称され、一般の工業用ミシンや家
庭用ミシンでは上糸経路に位置する天秤の上流間近に配
設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した本縫い形式で
あって、1基のミシンヘッドに複数本の針棒を備えた多
針タイプの刺繍ミシンでは、配置スペースに制約がある
ために、前記糸取り部材は上糸経路に位置する天秤の上
流に設けた糸案内より更に上流側に配設されている。従
って糸取り部材と天秤との間で上糸は、前記糸案内によ
り方向が180°転換されて屈曲状態で送られるように
なっている。このため上糸は、その屈曲部における糸案
内との接触抵抗が大きくなり、前記糸取り部材による糸
取り動作の応答速度が低下してしまう。すなわち糸取り
部材は本来の機能を充分に発揮し難くなり、結果として
糸切れを招く要因となっている。
【0004】
【発明の目的】この発明は、前述した従来技術に係る糸
取り部材に内在している欠点に鑑み、これを好適に解決
するべく提案されたものであって、糸取り部材による本
来の機能が充分に発揮し得る多針刺繍ミシンを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、所期
の目的を達成するため本発明は、1基のミシンヘッドに
複数本の針棒を昇降自在に配設した多針刺繍ミシンにお
いて、前記夫々の針棒に対応させて設けた糸取り部材
を、上糸の通過経路に位置する各対応の天秤の上流直近
に配置し、前記糸取り部材のフック部に前記上糸を掛け
て、この上糸を糸案内を介することなく前記天秤に導く
構成としたことを特徴とする。
【0006】この多針刺繍ミシンでは、前記糸取り部材
は前記フック部を一体的に形成したトーションバネによ
り構成され、前記夫々の針棒に対応する各糸取り部材は
前記ミシンヘッドの前面に所要間隔で直列に配置したこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】糸取り部材のフック部に掛けた上糸は、糸案内
を介することなく天秤に直接導かれているため、これら
天秤と糸取り部材との間には上糸の屈曲部が存在しな
い。従って上糸に屈曲抵抗を生ずることがなく、天秤下
流における上糸の張力変動が糸取り部材に直ちに伝達さ
れ、該糸取り部材における本来の機能が充分に発揮され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細について、多針
ヘッドを複数基備える多頭多針刺繍ミシンに適用した好
適実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明す
る。図1において、ミシンテーブル1の上方に上フレー
ム2が水平に配設され、この上フレーム2の前面にミシ
ンヘッド3が所定間隔で複数基(本実施例では8基)設置
されている。夫々のミシンヘッド3は、上フレーム2か
ら前方へ延出させたミシンアームを備え、このミシンア
ームの前面に支持ケース5が横方向へのスライド可能に
支持されている。この支持ケース5には、複数本の針棒
6(本実施例では6本)が上下動可能に支持されると共
に、夫々の針棒6と対応する天秤7(本実施例では6個)
も揺動可能に支持されている。
【0009】夫々のミシンヘッド3が備える前記支持ケ
ース5は、水平に延在する長尺の連結ロッド8によって
連結され、該連結ロッド8の一端部には駆動装置10が
接続されている。そして、駆動装置10を駆動して連結
ロッド8を横方向へスライドさせることで、各支持ケー
ス5は一斉に所要ピッチだけ横方向へスライドさせら
れ、該ケース5に支持した針棒6および天秤7の各対
を、ミシンアームに内蔵した駆動機構(図示せず)に選択
的に連携させるようになっている。各支持ケース5の上
部には、図2および図5に示すように調整台11が固定
され、該調整台11の前面に夫々の針棒6と対応的に第
1糸調子12および第2糸調子13が取付けられてい
る。第1糸調子12は、2枚の調子皿をバネで互いに弾
力的に圧接させ、バネ弾力の調整により圧接力を可変と
した構成を有し、また第2糸調子13は外周に糸が巻回
される回転皿をバネで押え付け、そのバネ弾力の調整に
よって回転皿の回転抵抗を可変とした構成を有し、何れ
も周知の構成からなるものである。
【0010】図2および図5から判明する如く、支持ケ
ース5の前面における上端部に上糸道14、下端部に下
糸道16、中間部に中糸道15が対応的に取付けられ、
夫々の糸道14,15,16には各針棒6に対応する糸穴
14a,15a,16aが穿設されている。図1に示すよ
うに、ミシンヘッド3の後方上部には糸立皿17が上フ
レーム2に設置され、この糸立皿17に立設した糸駒b
から上糸aが該ミシンヘッド3に供給される。
【0011】図1に示すように、ミシンテーブル1上に
載置した刺繍枠25は、夫々のミシンヘッド3の下方に
位置し、該ミシンテーブル1の下方に配設した駆動機構
(図示せず)によりX−Y座標の合成方向へ自在に移動さ
れるようになっている。またミシンテーブル1の下面に
は、夫々の針棒6に対応して周知の釜26が配設され、
該針棒6の下端に設けた縫い針20との協働作用下に前
記本縫い形式の縫製が行なわれる。すなわちコンピュー
タブロック(図示せず)から出力される刺繍柄データに基
づいて、刺繍枠25と針棒6とが同期的に移動すること
によって、刺繍枠25にセットした被刺繍布に本縫い刺
繍が施される。
【0012】前記糸立皿17に立設した夫々の糸駒bか
ら繰出された上糸aは、該糸立て皿17に設けた糸道1
9(図1参照)を経た後、図2および図3に示すように、
調整台11における第1糸調子12→糸案内18→第2
糸調子13の順で掛けられる。更に上糸aは、支持ケー
ス5における上糸道14の糸穴14aおよび中糸道15
の糸穴15aに通された後、糸引出し方向を上方へ転換
させられて前記天秤7の糸穴7aに通され、ここで再度
糸引出し方向を下方へ転換させられる。次いで上糸a
は、下糸道16の糸穴16aに通され、更に針棒6の下
端部に設けた糸掛け21に掛けられた後に、縫い針20
の目穴へ通される。
【0013】本実施例に係る多針刺繍ミシンでは、支持
ケース5の前面における前記中糸道15に、夫々の針棒
6に対応する糸取り部材30が装着されているので、こ
の糸取り部材30の詳細につき説明する。先ず中糸道1
5は、図4に示すように、前記糸穴15aを合計6つ穿
設してなる水平な天板本体と、この天板本体の両端部に
折曲形成した垂下部15b,15bと、該天板本体の両
端側背面に下方へ折曲形成した取付部15c,15cと
から構成されている。この中糸道15は、夫々の取付部
15cをネジ32で締付けることで、前記支持ケース5
に取付けられている。また中糸道15の両垂下部15
b,15bの間には、支持軸33が水平に差し渡されて
ネジ34,34で固定され、この支持軸33に後述する
糸取り部材30が支持されるようになっている。
【0014】この実施例に係る糸取り部材30は、一般
的な形態としてトーションバネが採用され、図7に明確
に示すように、バネ線材をコイル状に巻回してなるコイ
ル部30aと、このコイル部30aの一端に半径方向外
方へ真直に延出するよう連成したレバー部30bと、こ
のレバー部30bの先端部に連成した上糸引掛け用フッ
ク部30cと、前記コイル部30aの他端に連成したス
トッパ部30dとから構成される。この糸取り部材30
は有底の円筒ケース31にそっくり収容され、その収容
時に前記ストッパ部30dを該円筒ケース31の底面に
穿設した係止孔31aに挿入することによって、該円筒
ケース31の回止めがなされている。円筒ケース31の
開口端には、図5に示すように、内径より若干拡大した
直径を有する装着段部31bが形成されている。また、
円筒ケース31の底部には中心孔31cが透設され、こ
の中心孔31cを前記支持軸33に外挿させることで、
該円筒ケース31は糸取り部材30と共に、支持軸33
の周りに回転自在に嵌装される。すなわち糸取り部材3
0を収容した円筒ケース31は、図5に示すように、支
持軸33に沿って前記針棒6の数だけ連設されているも
のである。
【0015】夫々の円筒ケース31の両側には、図5お
よび図7に示す如く、調整部材35が嵌装されるように
なっている。この調整部材35は、左側に位置するとス
トッパ機能を果し、また右側に位置するとロック機能を
果するものである。すなわち調整部材35は、円筒ケー
ス31と同一の外径を有し、かつ支持軸33の挿通を許
容する中心孔35aが穿設されている。前記調整部材3
5の右側端面には嵌装孔35bが形成され、該嵌装孔3
5bの内部に移動体36(これも支持軸33に外挿され
ている)が軸方向への移動自在に嵌合される。このとき
嵌装孔35bの底部と移動体36との間には、コイルバ
ネ37が弾力的に介装されているので、該コイルバネ3
7の弾性力により該移動体36は突出方向へ付勢されて
いる。移動体36の右端面には、略三角断面をなす複数
の突条を放射状に形成してなるクラッチ面36aが設け
られている。また該クラッチ面36aと同一の構成を有
するクラッチ面31dが、図5に示すように、前記円筒
ケース31の左端面にも形成されている。そして移動体
36のクラッチ面36aと、円筒ケース31のクラッチ
面31dとが強制的に噛合することにより、前述したロ
ック機能が発揮されることになる。
【0016】前記移動体36の外周面には、その軸方向
に延在する1本の突条36bが形成され、また前記調整
部材35における嵌装孔35bの内周面には、同じく軸
方向に延在する1本の凹条38が形成されている。そし
て前記移動体36を調整部材35の嵌装孔35bに収容
する際に、前記突条36bを凹条38に嵌合させること
により、該移動体36は調整部材35に対して軸方向へ
の移動は可能で、かつ回転不能に保持される。また調整
部材35の左側の端面には、円筒段部35cが略240
°の角度範囲に亘って形成されている。この円筒段部3
5cの内周径は、円筒ケース31における装着段部31
bの内周径と同一になるよう設定され、従って該円筒段
部35cは装着段部31bに略緊密に嵌合可能となって
いる。更に前記円筒段部35cにおける底面40は、該
円筒段部35cの外周面に隣接する突当面35dより深
い奥行きに位置すると共に、円筒段部35cの形成され
ていない部分については、調整部材35の開放端面にま
で到達している。すなわち、円筒段部35cの底面40
であって調整部材35の開放端面にまで及ぶ領域が、後
述する糸取り部材30のレバー部30bの移動空間とし
て機能する切り欠41になるものである。そして円筒段
部35cにおける切り欠41側の端面41aが、前述し
たストッパ機能を発揮することとなる。なお調整部材3
5の外周には、中心孔35aに到達するネジ孔35eが
穿設され、このネジ孔35eにネジ43を螺合させるこ
とにより、該調整部材35は支持軸33に対し移動不能
に固定されるものである。
【0017】1つの円筒ケース31と、その両側に配置
される2つの調整部材35,35によって、1本の針棒
6のための糸取り機構が構成される。例えば図5(b)に
は、前記円筒ケース31と調整部材35とを支持軸33
に外挿した状態が示されている。夫々の調整部材35
は、支持軸33に外挿した後に、所定の位置でネジ43
をネジ孔35eに螺合させて固定するが、図7に示すよ
うに、先ずネジ43が正面を向く姿勢にして固定する。
なお調整部材35における前記切り欠41は、このよう
な姿勢とした際に、正面を向くように予め設定してある
ものとする。
【0018】支持軸33に対する調整部材35および円
筒ケース31の取付けは、次の工程を経てなされる。例
えば、先ず左側の調整部材35を支持軸33に外挿し、
所定の位置でネジ固定した後、その右側から円筒ケース
31を支持軸33に外挿する。更に右側の調整部材35
を支持軸33に外挿する。そして右側の調整部材35の
円筒段部35cを円筒ケース31の装着段部31bに内
嵌させ、糸取り部材31におけるレバー部30bを前記
切り欠41に位置させる。そして右側の調整部材35
を、前記円筒ケース31と共に既にネジ固定しておいた
左側の調整部材35に向けて左側へ軸方向移動させる。
これにより左側の調整部材35に内蔵した前記コイルバ
ネ37は圧縮され、その移動体36のクラッチ面35a
と円筒ケース31のクラッチ面31dとが弾力的に噛合
するに至る。この噛合状態の下で、後から装着した右側
の調整部材35を支持軸33にネジ43で固定する。前
記の一連の作業を、針棒6の数に相当する回数(本実施
例では6回)だけ繰返すことで、支持軸33上には全針
数分の糸取り部材30が整然とセットされることにな
る。なお、このようにセットされた糸取り部材31が隣
合う間隔は、夫々の針棒6が隣合う間隔と等しくなるよ
う予め設定されている。
【0019】ところで最も右側に位置させられる調整部
材35に関しては、該調整部材35の右端部にロック機
能を持たせる必要はない。また、最も左側に位置させら
れる調整部材35については、該調整部材35の左端部
にストッパ機能を持たせる必要がない。このため本実施
例では、図5(b)に示すように、最も右側および最も左
側に位置する調整部材については、前述したロック機能
やストッパ機能を除外した端末用の調整部材45,46
が使用されている。しかし、このように端末用の専用部
材を用いることは要件ではなく、中間に設けられる調整
部材35と同一の調整部材35を用いてもよいことは勿
論である。
【0020】次に本発明の好適実施例に関して、糸取り
部材30における糸取り動作の強弱調整およびストロー
ク調整につき説明する。図6に示すように、糸取り部材
30のレバー部30bは、コイル部30aの弾性力によ
り反時計方向に付勢されており、該レバー部30bの根
本付近が調整部材35の突当面41a(図7参照)に当接
している。ここで糸取り動作の強弱を調整するには、前
記コイル部30aのバネ弾力を変更すればよいので、こ
れは円筒ケース31を支持軸33の周りに回動させ、糸
取り部材30におけるストッパ部30dの周方向の位置
を変更することで行なう。この場合に、前記移動体37
は回転不能になっており、しかも円筒ケース31のクラ
ッチ面31dと移動体36のクラッチ面36aとを構成
する各突条は前述の如く三角断面となっている。このた
め前記円筒ケース31を回転させると、移動体36がコ
イルバネ37の弾力に抗して左方へ退避することでクラ
ッチ面31d,36a同士の相対空転が可能となり、該
円筒ケース31の回転が許容される。そして円筒ケース
31を所望する回転角度だけ回転させて解放すれば、移
動体36がコイルバネ37の弾力により復帰し、クラッ
チ面31d,36aが再び噛合うため、円筒ケース31
はその位置に保持されることとなる。
【0021】また図6において、円筒ケース31を反時
計方向に回せば、コイル部30aのバネ弾力が高まって
糸取り動作は強くなり、逆に時計方向に回せば、該コイ
ル部30aのバネ弾力が弱まって糸取り動作は弱くな
る。一方、糸取り動作のストロークを変更するために
は、調整する対象となる糸取り部材30の右隣に位置す
る調整部材35のネジ43を緩め、該調整部材35を支
持軸33の周りに回動させることにより、その突当面4
1aの位置を変更する。この図6では、前記調整部材3
5を反時計方向に回せばストロークは増大し、時計方向
に回せばストロークは減少する。
【0022】図4および図6に詳細に示す如く、中糸道
15における天板の下面には、全ての糸孔15aに亘る
円形断面のガイド棒47が、該糸孔15aの前方位置に
固定的に配置されている。また上糸道14(図2,図3参
照)から垂下させた上糸aは、中糸道15の糸孔15a
を通って糸取り部材30のフック部30cに引っ掛けら
れた後、糸送り方向を上方へ転換させられて、前記天秤
7に導かれるようになっている。ミシンの作動中に糸取
り部材30のフック部30cは、揺動する天秤7(針棒
6の上下動に伴い揺動する)の動きに応じて生ずる上糸
aの張力変化により、図6に実線と想像線で示すように
揺動する。
【0023】本実施例によれば、糸取り部材30が上糸
aの経路における天秤7の直ぐ上流位置に配設されてい
るため、天秤7の下流において生ずる上糸aの張力変化
に対して鋭敏に反応する。このため、従来装置の場合の
如く糸取り部材の反応が鈍いことに起因する糸切れの発
生が有効に回避される。
【0024】(第2実施例)図8〜図10は、本発明の第
2実施例を示すものである。この実施例に係る糸取り部
材50は、中糸道51に配設した1本の支持軸52に支
持されている。この支持軸52の両端部は、中糸道51
の左右両端部に固定した支持ブロック53,53の取付
孔53a,53aに夫々嵌合され、止めネジ54,54の
締付けにより固定されている。糸取り部材50はトーシ
ョンバネからなり、コイル部50aの一端部にレバー部
50bが、更にその先端にフック部50cが連成され、
他端には内向きの係止部50dが連成されている。そし
て合計6つの糸取り部材50が、そのコイル部50aを
支持軸52に遊嵌させることにより支持され、隣合う糸
取り部材50同士の間にはリングスペーサ55が介装さ
れている。
【0025】支持軸52の外周には軸方向の係止溝52
aが形成され、この係止溝52aに各糸取り部材50の
係止部50dが係止されている。両支持ブロック53,
53の間には、ストッパ56が支持軸52と平行に差し
渡され、ネジ57の締め付けにより取付けられている。
ストッパ56は、ネジ57を緩めることで上下位置の調
節が可能となっている。各糸取り部材50のレバー部5
0bが、ストッパ56のストッパ面66aに夫々当接し
ている。本実施例において、糸取り部材50の糸取り動
作の強弱を調整するには、支持軸52の両止めネジ54
を緩め、支持軸52を軸周りに回転させることで行な
う。また、フック部50cのストロークを調整するに
は、ストッパ56の上下位置を調節することで行なう。
【0026】(第3実施例)図11に、本発明の第3実施
例を示す。この実施例では、先の別実施例の支持ブロッ
ク53,53の間に支持軸61を差し渡し、この軸上に
嵌合した別の支持円筒62に夫々糸取り部材60が嵌装
されている。糸取り部材60は、同じくトーションバネ
からなり、コイル部60aの一端部にレバー60bが、
更にその先端にフック部60cが連成され、他端には軸
方向を向いた係止部60dが連成されている。支持円筒
62における拡大径部62aの外周には係止溝62bが
形成され、各糸取り部材60の係止部60dが係合され
ている。また支持円筒62は、その拡大径部62aに形
成したネジ孔63に螺合したネジ65の締付けにより、
支持軸61に固定されている。各糸取り部材60のレバ
ー部60bは、前記実施例のストッパ56と同様のスト
ッパ(図示せず)に当接している。本実施例で糸取り部材
60における糸取り動作の強弱は、支持円筒62のネジ
65を緩めて、その支持円筒62を支持軸61の周りに
回転させることで行なう。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、糸取り部材のフック部
に掛けた上糸は、糸案内を介することなく天秤に直接導
かれることになるため、これら天秤と糸取り部材との間
には上糸の屈曲部が存在しない。従って上糸に屈曲抵抗
を生ずることがなく、天秤下流における上糸の張力変動
が糸取り部材に直ちに伝達される。すなわち糸取り部材
による糸取り動作の応答性が向上するため、従来の糸取
り部材の緩慢な応答性に起因する糸切れが回避され、高
い効率で縫い上がりの良好な刺繍製品を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な第1実施例に係る多頭多針刺繍
ミシンの全体正面図である。
【図2】ミシンヘッドの拡大正面図である。
【図3】ミシンヘッドの一部の破断側面図である。
【図4】中糸道の斜視図である。
【図5】第1実施例において、糸取り部材および関連部
材の組立て状態を説明する断面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】糸取り部材および関連部材の分解斜視図であ
る。
【図8】第2実施例に係る糸取り部材および関連部材の
組立状態を示す正面図である。
【図9】図8の拡大縦断面図である。
【図10】糸取り部材および関連部材の分解斜視図であ
る。
【図11】第3実施例に係る糸取り部材および関連部材
の部分図である。
【符号の説明】
3 ミシンヘッド 6 針棒 7 天秤 30 糸取り部材 30c フック部 50 糸取り部材 50c フック部 60 糸取り部材 60c フック部 a 上糸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1基のミシンヘッド(3)に複数本の針棒
    (6)を昇降自在に配設した多針刺繍ミシンにおいて、 前記夫々の針棒(6)に対応させて設けた糸取り部材(30,5
    0,60)を、上糸(a)の通過経路に位置する各対応の天秤
    (7)の上流直近に配置し、 前記糸取り部材(30,50,60)のフック部(30c,50c,60c)に
    前記上糸(a)を掛けて、この上糸(a)を糸案内を介するこ
    となく前記天秤(7)に導く構成としたことを特徴とする
    多針刺繍ミシン。
  2. 【請求項2】 前記糸取り部材(30,50,60)は前記フック
    部(30c,50c,60c)を一体的に形成したトーションバネに
    より構成され、前記夫々の針棒(6)に対応する各糸取り
    部材(30,50,60)は前記ミシンヘッド(3)の前面に所要間
    隔で直列に配置されている請求項1記載の多針刺繍ミシ
    ン。
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