JPH10294989A - 騒音制御ヘッドセット - Google Patents

騒音制御ヘッドセット

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Publication number
JPH10294989A
JPH10294989A JP9116444A JP11644497A JPH10294989A JP H10294989 A JPH10294989 A JP H10294989A JP 9116444 A JP9116444 A JP 9116444A JP 11644497 A JP11644497 A JP 11644497A JP H10294989 A JPH10294989 A JP H10294989A
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noise
detector
signal
sound
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Application number
JP9116444A
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Inventor
Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Kenichi Terai
賢一 寺井
Isao Kakubari
勲 角張
Tetsuya Mori
哲也 毛利
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドホンにおいて、外部の騒音を能動的に
制御することにより騒音環境下での会話を可能とする騒
音制御ヘッドセットを提供する。 【解決手段】 外部騒音を検出するマイクロホン1a〜
1cと、ヘッドホン7a〜7b内部の騒音を検出するマ
イクロホン1d〜1eと、自己音声を検出するマイクロ
ホン1fと、マイクロホン1a〜1cの検出信号をそれ
ぞれ加算する加算器2a〜2bと、その出力をリファレ
ンス信号とする適応フィルタ3a〜3bと、適応フィル
タ3a〜3bの出力とマイクロホン1fの出力と通信機
10の受信信号を加算する加算器2c〜2dと、加算器
2c〜2dの出力を再生するヘッドホン7a〜7b内に
設置されたスピーカ6a〜6bと、スピーカ6a〜6b
とマイクロホン1d〜1e間の伝達関数を補正するFx
フィルタ4a〜4bと、Fxフィルタ4a〜4bの出力
とマイクロホン1d〜1eの出力により適応フィルタ3
a〜3bの係数を演算して更新するLMS演算器5a〜
5bとから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は能動騒音制御に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、スピーカを用いて、例えば空調用
のダクト内の騒音を能動的に消音する制御法が実用化さ
れつつある。また工場などで用いられる、作業者の聴覚
保護などを目的とした騒音制御型のヘッドホン(以後、
騒音制御ヘッドホンと称する)が種種提案されている。
【0003】以下、図面を参照しながら従来の騒音制御
ヘッドホンについて説明する。従来例としては、特開平
3−96199号公報に示されている。図25は、この
従来例の騒音制御ヘッドホンのブロック図を示すもので
ある。図25において、イヤホン25の外筐にマイクロ
ホン23が取り付けられている。また、イヤホン25の
外耳道28Aに面する内側部にはマイクロホン24が取
り付けられている。イヤホン25が耳28に装着された
状態では、マイクロホン23では矢印Nで示す外部騒音
が収音され、マイクロホン24では外耳道28A内の音
が収音される。
【0004】マイクロホン23及び24の出力は適応処
理システム26に供給される。適応処理システム26で
は、マイクロホン23からイヤホン25までの伝達特性
が、マイクロホン24で検出される外部騒音Nが外耳道
28Aに到達するまでの伝達特性と同様な特性となるよ
うに同定される。適応処理システム26の出力はアンプ
27を介してイヤホン25に供給される。イヤホン25
により、アンプ27の出力信号が音に変換され、この音
が外耳道28Aに供給される。外耳道28A内には、外
部から騒音Nが入ってくるが、適応処理システム26の
働きにより、この騒音成分が最小になるように制御され
る。
【0005】すなわち、図26に示すような閉ループ適
応システムが図25の装置により実現されて、騒音成分
を除去するものである。図26において、適応処理シス
テム26は、信号処理システム30の特性と同様の特性
で動作するように働く。すなわち、信号Sが適応処理シ
ステム26と信号処理システム30に供給される。減算
器29で、適応処理システム26の出力yと信号処理シ
ステム30の出力dとの誤差ε(ε=d−y)が求めら
れる。適応処理システム26にはこの誤差成分εが入力
され、この誤差εが最小となるように制御される。適応
処理が完了した後は、信号処理システム30の伝達関数
が適応処理システム26の伝達関数と等しいという意味
で、両システムは同定される。
【0006】図26の適応処理システムと図25の騒音
制御ヘッドホン装置とを対比して説明すると、信号Sが
外部騒音Nと対応し、誤差成分εがマイクロホン24で
検出される信号と対応し、信号処理システム30がマイ
クロホン23からマイクロホン24までの伝達系と対応
したものである。誤差分εに対応する外耳道28Aの音
圧は、マイクロホン24で検出され、このマイクロホン
24の出力に基づいて適応処理システム26が制御され
る。これにより、外耳道28A内における騒音成分の音
圧が最小となる。
【0007】以上のように、適応処理システム26によ
り、マイクロホン23からヘッドホン25までの伝達特
性が、外部騒音が外耳道28Aに入るときの遮音特性と
同様な特性となるように常に同定されるため、外耳道2
8A内の騒音成分を打ち消すことができる。よって、イ
ヤホン25の装着の仕方が変わったり、イヤホン25や
マイクロホン23が経年変化を起こしても遮音特性が悪
化しない。
【0008】次に特開平6−67679号公報に示され
ている他の従来の騒音制御ヘッドホンについて説明す
る。図27は、上記従来の騒音制御ヘッドホンのブロッ
ク図を示すものである。図27において、左右一対で構
成される個人携帯用のヘッドホン31の左右の筺体の内
部には、それぞれ誤差検出用のマイクロホン32と制御
用のスピーカ33が設けられている。これらマイクロホ
ン32とスピーカ33は、左右のそれぞれLチャンネル
及びRチャンネルの誤差信号線32aと制御信号線33
aを介して、ヘッドホン31と一体構成となっている信
号処理装置34に接続されている。振動源または音源と
なる機械38の近傍には、機械38から発生する振動ま
たは音を検出するための検出センサ35と、この検出セ
ンサ35の出力をそれぞれ所定のレベルに増幅する増幅
器35aが一組、または、必要に応じて複数組が、機械
38の振動または発生音と関連度の高い参照信号を生成
するため、予めよく調査された位置に設けられている。
【0009】検出センサ35が複数個設けられる場合
は、機械38を代表する参照信号とするため、それぞれ
の増幅器35aの出力をミキサ36において混合して、
混合の結果生じたミックス信号を機械38の参照信号と
する。この参照信号は機械38近傍に設けられた複数の
出力ジャック36aに出力されている。ヘッドホン31
を機械38の近くで使用する場合は、信号処理装置34
の参照信号入力用の接続ケーブル34aのプラグ34b
を出力ジャック36aに装着して、参照信号を信号処理
装置34内に取り込む。この参照信号に基づいてマイク
ロホン32の出力が最小となるような信号をスピーカ3
3に与えて、能動的消音を行う構成になっている。な
お、ここでは、参照信号はL、Rの両チャンネルに共用
されるようになっている。
【0010】以上のように、検出センサ35を音源であ
る機械38の近傍に複数個適切に配置して設け、さら
に、これらの出力を適正なレベルでミキシング(混合す
ること)しているので、耳に入る音と関連性が高い参照
信号が得られ、この参照信号を使用することで高い消音
効果が得られる。また、検出センサ35は音源である機
械38の近傍に設置されているので、参照信号が信号処
理装置34内に取り込まれる時間と、機械38の音が直
接耳に入る時間との差が十分大きい。したがって、信号
処理装置34が消音用の打ち消し信号を算出して、スピ
ーカ33に与えるために必要な処理時間を確保できる。
このことによりランダム音に対しても適確に消音でき
る。
【0011】図28は図27のシステムにおける参照信
号を無線で伝送する方式を示しており、人が携帯する信
号処理装置34側に無線受信機37aを設け、ミキサ3
6の出力側に無線送信機37bを設けている。これによ
って機械38が発する振動や音を代表する参照信号は無
線送信機37bを介して、所定の強さの電界内にあるす
べての無線受信機37aに送信されて利用可能となる。
このため、図27のような信号処理装置34を接続ケー
ブル34aを介してミキサ36の出力に接続する手間が
省け、しかも人の行動の自由が確保できる。
【0012】さらに図29は音源となる機械が複数存在
する場合を示している。それぞれの機械38−1〜38
−nに対応する同一周波数の無線送信機37bを設け、
各機械の参照信号をそれぞれの無線送信機37bから所
定の強さの電界内にあるすべての無線受信機37aに送
信するものである。人が携帯する信号処理装置34に接
続される無線受信機37aは、各機械38−1〜38−
nから送られる複数の参照信号をミキシングして受信し
て、このミキシングされた受信信号に基づいて、スピー
カ33に送る制御信号を各参照信号を含んだ形で生成
し、消音制御を行う。従って複数の音源の機械38−1
〜38−nから音が聞こえてくるような場合に、非常に
効果がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図25に
示す従来例では、マイクロホン23とマイクロホン24
の距離が非常に近いため、マイクロホン23が外部騒音
を検出してからその騒音がマイクロホン24に到達する
までの時間が短くなる。また使用者はヘッドホン25を
装着した状態で移動するために騒音源とマイクロホン2
3とマイクロホン24の位置関係が必ずしも一直線上に
あるとは限らない。このため、適応処理システム26が
正常に動作するために必要な、当技術分野ではよく知ら
れているので詳細な説明を省略するが、収音した外部騒
音とアンプからイヤホンに供給されるべき信号との間の
因果律が成立しない場合が生じる。従って広帯域ランダ
ム騒音の制御は困難であった。また外部騒音が複数存在
する場合や、残響時間の長い反射性の部屋あるいは大き
な部屋の場合には、1個のマイクロホンでは複数の音源
からの音を平等には検出できず、マイクロホン23とマ
イクロホン24で検出される騒音信号の関連度が低下し
て消音効果が十分に得られないという問題があった。さ
らに、使用者の音声を検出するマイクロホンが付属して
いないために、複数の使用者間での会話ができないとい
う問題点もあった。
【0014】次に図27、図28及び図29に示す従来
例では、騒音源である機械38の近傍に検出センサ35
を設置したことにより、使用者がヘッドホン31を装着
した状態で移動すると信号処理装置34で実現すべき特
性が大きく変化し、その動作が不安定なものとなってし
まう。また信号処理装置34を構成するフィルタが有限
長のFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ、Fi
nite impulse response filter)であったり、次数の小
さなIIRフィルタ(無限インパルス応答フィルタ、Inf
inite impulse response filter)である場合、検出セン
サ35からマイクロホン32までの伝送路のインパルス
に対するレスポンスを十分な程度に実現できない。その
ため、消音効果が劣化する問題がある。また残響時間の
長い反射性の部屋あるいは大きな部屋の場合にも、有限
長のFIRフィルタや、次数の小さなIIRフィルタを
用いたのでは、検出センサ35からマイクロホン32ま
での伝送路のインパルスに対するレスポンスを十分な程
度に実現できず、消音効果が劣化する問題がある。さら
に、音声を検出するマイクロホンが付属していないため
に、複数の使用者間での会話ができないという問題点も
あった。
【0015】本発明の第1の目的は、ヘッドホンを音声
検出器が一体に構成された騒音制御ヘッドセットを装着
した状態で移動することによる騒音源と騒音制御ヘッド
セットの位置を示す制御点の相対位置に変化があった場
合や、外部騒音が複数存在する場合、あるいは残響時間
の長い反射性の部屋あるいは大きな部屋の場合にも、広
帯域ランダム騒音の制御、あるいは周期性騒音の制御を
安定に、しかも消音効果が十分に得られるようにし、さ
らに自己の音声と通信機を介した相手の音声のモニタを
実現することである。
【0016】本発明の第2の目的は、第1の目的に加え
て、自己の音声および相手の音声のモニタによって生じ
る消音制御時の誤動作を防止し、また自己の音声発生時
以外は通信機への音声を送信せず、さらに通信機の省電
力化を可能とすることである。本発明の第3の目的は、
第2の目的に加えて、自己の音声信号に含まれる周囲騒
音を適応フィルタを用いて能動的に低減し、自己の音声
発生時の適応フィルタの誤動作を防止することである。
【0017】本発明の第4の目的は、第3の目的に加え
て、自己の音声の音声判別に要する時間を補償すること
により、自己の音声のモニタによる消音制御時の誤動作
および自己の音声信号の騒音制御時の誤動作の防止を確
実なものとし、さらに自己の音声のモニタおよび通信機
への送信時における音声信号の欠落を防止することであ
る。本発明の第5の目的は、第3の目的をさらに精度よ
く実現することである。本発明の第6の目的は、第4の
目的をさらに精度よく実現することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された本発
明の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側のヘッ
ドホンの筺体であるキャビネットに設けられた支持アー
ムにより使用者の口元近傍に取り付けられている音声検
出器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられた第1の
騒音検出器と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取
り付けられた第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出
器と前記第2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音
信号加算器と、前記第1の騒音信号加算器の出力を信号
処理する第1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加
算器の出力を信号処理する第1の伝達関数補正器と、前
記第1の適応フィルタの出力と前記音声検出器の出力と
前記通信手段からの受信信号とを加算する第1の出力信
号加算器と、前記第1の出力信号加算器の出力を再生す
る左側ヘッドホンと、前記左側ヘッドホンのキャビネッ
トの内部に取り付けられた第1の誤差検出器と、前記第
1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数補正器
の出力とから前記第1の適応フィルタの係数を演算して
更新する第1の係数更新器と、前記ヘッドホンの右側キ
ャビネットに取り付けられた第3の騒音検出器と、前記
第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を加算
する第2の騒音信号加算器と、前記第2の騒音信号加算
器の出力信号を処理する第2の適応フィルタと、前記第
2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の伝達関
数補正器と、前記第2の適応フィルタの出力と前記音声
検出器の出力と前記通信手段からの受信信号を加算する
第2の出力信号加算器と、前記第2の出力信号加算器の
出力を再生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッドホン
のキャビネットの内部に取り付けられた第2の誤差検出
器と、前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝
達関数補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数
を演算して更新する第2の係数更新器とを有している。
【0019】また、第2の目的を達成するために本発明
の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側のヘッド
ホンキャビネットに設けられた支持アームにより使用者
の口元近傍に取り付けられている音声検出器と、前記音
声検出器の出力により音声の有無を判断する音声判別器
と、通信手段の受信信号の有無を判断する受信信号判別
器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられた第1の騒
音検出器と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取り
付けられた第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器
と前記第2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音信
号加算器と、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処
理する第1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加算
器の出力信号を処理する第1の伝達関数補正器と、前記
第1の適応フィルタの出力と前記音声検出器の出力と前
記通信手段からの受信信号とを加算する第1の出力信号
加算器と、前記第1の出力信号加算器の出力を再生する
左側ヘッドホンと、前記左側ヘッドホンのキャビネット
の内部に取り付けられた第1の誤差検出器と、前記第1
の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数補正器の
出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算して更新
する第1の係数更新器と、前記ヘッドホンの右側キャビ
ネットに取り付けられた第3の騒音検出器と、前記第1
の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を加算する
第2の騒音信号加算器と、前記第2の騒音信号加算器の
出力信号を処理する第2の適応フィルタと、前記第2の
騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の伝達関数補
正器と、前記第2の適応フィルタの出力と前記音声検出
器の出力と前記通信手段からの受信信号を加算する第2
の出力信号加算器と、前記第2の出力信号加算器の出力
を再生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッドホンのキ
ャビネットの内部に取り付けられた第2の誤差検出器
と、前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達
関数補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を
演算して更新する第2の係数更新器とを有している。
【0020】また、第3の目的を達成するために本発明
の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側のヘッド
ホンキャビネットに設けられた支持アームにより使用者
の口元近傍に取り付けられている音声検出器と、前記音
声検出器の出力により音声の有無を判断する音声判別器
と、通信手段の受信信号の有無を判断する受信信号判別
器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられた第1の騒
音検出器と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取り
付けられた第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器
と前記第2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音信
号加算器と、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処
理する第1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加算
器の出力信号を処理する第1の伝達関数補正器と、前記
第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受信信
号を加算する第1の出力信号加算器と、前記第1の出力
信号加算器の出力を再生する左側ヘッドホンと、前記左
側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けられた第
1の誤差検出器と、前記第1の誤差検出器からの出力と
前記第1の伝達関数補正器の出力から前記第1の適応フ
ィルタの係数を演算して更新する第1の係数更新器と、
前記ヘッドホンの右側キャビネットに取り付けられた第
3の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第3の
騒音検出器の出力を加算する第2の騒音信号加算器と、
前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
適応フィルタと、前記第2の騒音信号加算器の出力信号
を処理する第2の伝達関数補正器と、前記第2の適応フ
ィルタの出力と前記通信手段からの受信信号を加算する
第2の出力信号加算器と、前記第2の出力信号加算器の
出力を再生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッドホン
のキャビネットの内部に取り付けられた第2の誤差検出
器と、前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝
達関数補正器の出力とから前記第2の適応フィルタの係
数を演算して更新する第2の係数更新器と、前記音声検
出器の出力を遅延させる遅延器と、前記第1の騒音検出
器の出力信号を処理する第3の適応フィルタと、前記遅
延器の出力から前記第3の適応フィルタの出力を減算す
る減算器と、前記第1の騒音検出器の出力と前記減算器
の出力から前記第3の適応フィルタの係数を演算して更
新する第3の係数更新器と、前記減算器の出力を通過さ
せるかさせないかを制御するミュート回路とを有してい
る。
【0021】また、第4の目的を達成するために本発明
の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側のヘッド
ホンキャビネットに設けられた支持アームにより使用者
の口元近傍に取り付けられている音声検出器と、前記音
声検出器の出力により音声の有無を判断する音声判別器
と、通信手段の受信信号の有無を判断する受信信号判別
器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主
に周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、前記ヘッ
ドホンの左側キャビネットに取り付けられた第2の騒音
検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出
器の出力を加算する第1の騒音信号加算器と、前記第1
の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の適応フィ
ルタと、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理す
る第1の伝達関数補正器と、前記第1の適応フィルタの
出力と前記通信手段からの受信信号を加算する第1の出
力信号加算器と、前記第1の出力信号加算器の出力を再
生する左側ヘッドホンと、前記左側ヘッドホンのキャビ
ネットの内部に取り付けられた第1の誤差検出器と、前
記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数補
正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算し
て更新する第1の係数更新器と、前記ヘッドホンの右側
キャビネットに取り付けられた第3の騒音検出器と、前
記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を加
算する第2の騒音信号加算器と、前記第2の騒音信号加
算器の出力信号を処理する第2の適応フィルタと、前記
第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の伝達
関数補正器と、前記第2の適応フィルタの出力と前記通
信手段からの受信信号を加算する第2の出力信号加算器
と、前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘ
ッドホンと、前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部
に取り付けられた第2の誤差検出器と、前記第2の誤差
検出器からの出力と前記第2の伝達関数補正器の出力か
ら前記第2の適応フィルタの係数を演算して更新する第
2の係数更新器と、前記音声検出器の出力を遅延させる
第1の遅延器と、前記第1の騒音検出器の出力を遅延さ
せる第2の遅延器と、前記第2の遅延器の出力信号を処
理する第3の適応フィルタと、前記第1の遅延器の出力
から前記第3の適応フィルタの出力を減算する減算器
と、前記第2の遅延器の出力と前記減算器の出力から前
記第3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3の
係数更新器と、前記減算器の出力を通過させるかさせな
いかを選択するミュート回路と、前記ミュート回路の動
作を制御するミュート制御回路とを有している。
【0022】また、第5の目的を達成するために本発明
の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側のヘッド
ホンのキャビネットに設けられた支持アームにより使用
者の口元近傍に取り付けられている音声検出器と、前記
音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声判別
器と、通信手段の受信信号の有無を判断する受信信号判
別器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられた第1の
騒音検出器と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取
り付けられた第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出
器と前記第2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音
信号加算器と、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を
処理する第1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加
算器の出力信号を処理する第1の伝達関数補正器と、前
記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受信
信号を加算する第1の出力信号加算器と、前記第1の出
力信号加算器の出力を再生する左側ヘッドホンと、前記
左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けられた
第1の誤差検出器と、前記第1の誤差検出器からの出力
と前記第1の伝達関数補正器の出力から前記第1の適応
フィルタの係数を演算して更新する第1の係数更新器
と、前記ヘッドホンの右側キャビネットに取り付けられ
た第3の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第
3の騒音検出器の出力を加算する第2の騒音信号加算器
と、前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第
2の適応フィルタと、前記第2の騒音信号加算器の出力
信号を処理する第2の伝達関数補正器と、前記第2の適
応フィルタの出力と前記通信手段からの受信信号を加算
する第2の出力信号加算器と、前記第2の出力信号加算
器の出力を再生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッド
ホンのキャビネットの内部に取り付けられた第2の誤差
検出器と、前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2
の伝達関数補正器の出力から前記第2の適応フィルタの
係数を演算して更新する第2の係数更新器と、前記音声
検出器の出力を遅延させる遅延器と、前記第1の騒音検
出器の出力信号を処理する第3の適応フィルタと、前記
第2の騒音検出器の出力信号を処理する第4の適応フィ
ルタと、前記第3の騒音検出器の出力信号を処理する第
5の適応フィルタと、前記遅延器の出力から前記第3の
適応フィルタの出力と前記第4の適応フィルタの出力と
前記第5の適応フィルタの出力とを減算する減算器と、
前記第1の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
記第3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3の
係数更新器と、前記第2の騒音検出器の出力と前記減算
器の出力から前記第4の適応フィルタの係数を演算して
更新する第4の係数更新器と、前記第3の騒音検出器の
出力と前記減算器の出力から前記第5の適応フィルタの
係数を演算して更新する第5の係数更新器と、前記減算
器の出力を通過させるかさせないかを制御するミュート
回路とを有している。
【0023】また同様に、第5の目的を達成するために
本発明の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側の
ヘッドホンのキャビネットに設けられた支持アームによ
り使用者の口元近傍に取り付けられている音声検出器
と、前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する
音声判別器と、前記通信手段の受信信号の有無を判断す
る受信信号判別器と、前記音声検出器の近傍に取り付け
られており、主に周囲の騒音を検出する第1の騒音検出
器と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取り付けら
れた第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器と前記
第2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音信号加算
器と、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する
第1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加算器の出
力信号を処理する第1の伝達関数補正器と、前記第1の
適応フィルタの出力と前記通信手段からの受信信号を加
算する第1の出力信号加算器と、前記第1の出力信号加
算器の出力を再生する左側ヘッドホンと、前記左側ヘッ
ドホンのキャビネットの内部に取り付けられた第1の誤
差検出器と、前記第1の誤差検出器からの出力と前記第
1の伝達関数補正器の出力から前記第1の適応フィルタ
の係数を演算して更新する第1の係数更新器と、前記ヘ
ッドホンの右側キャビネットに取り付けられた第3の騒
音検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検
出器の出力を加算する第2の騒音信号加算器と、前記第
2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の適応フ
ィルタと、前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理
する第2の伝達関数補正器と、前記第2の適応フィルタ
の出力と前記通信手段からの受信信号を加算する第2の
出力信号加算器と、前記第2の出力信号加算器の出力を
再生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッドホンのキャ
ビネットの内部に取り付けられた第2の誤差検出器と、
前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
して更新する第2の係数更新器と、前記音声検出器の出
力を遅延させる第1の遅延器と、前記第1の騒音検出器
の出力信号を処理する第3の適応フィルタと、前記第2
の騒音検出器の出力信号を処理する第4の適応フィルタ
と、前記第3の騒音検出器の出力信号を処理する第5の
適応フィルタと、前記第1の遅延器の出力から前記第4
の適応フィルタの出力と前記第5の適応フィルタの出力
とを減算する第1の減算器と、前記第1の減算器の出力
を遅延させる第2の遅延器と、前記第2の遅延器の出力
から前記第3の適応フィルタの出力を減算する第2の減
算器と、前記第1の騒音検出器の出力と前記第2の減算
器の出力から前記第3の適応フィルタの係数を演算して
更新する第3の係数更新器と、前記第2の騒音検出器の
出力と前記第1の減算器の出力から前記第4の適応フィ
ルタの係数を演算して更新する第4の係数更新器と、前
記第3の騒音検出器の出力と前記第1の減算器の出力か
ら前記第5の適応フィルタの係数を演算して更新する第
5の係数更新器と、前記第2の減算器の出力を通過させ
るかさせないかを制御するミュート回路とを有してい
る。
【0024】また、第6の目的を達成するために本発明
の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側のヘッド
ホンのキャビネットに設けられた支持アームにより使用
者の口元近傍に取り付けられている音声検出器と、前記
音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声判別
器と、通信手段の受信信号の有無を判断する受信信号判
別器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられた第1の
騒音検出器と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取
り付けられた第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出
器と前記第2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音
信号加算器と、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を
処理する第1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加
算器の出力信号を処理する第1の伝達関数補正器と、前
記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受信
信号を加算する第1の出力信号加算器と、前記第1の出
力信号加算器の出力を再生する左側ヘッドホンと、前記
左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けられた
第1の誤差検出器と、前記第1の誤差検出器からの出力
と前記第1の伝達関数補正器の出力から前記第1の適応
フィルタの係数を演算して更新する第1の係数更新器
と、前記ヘッドホンの右側キャビネットに取り付けられ
た第3の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第
3の騒音検出器の出力を加算する第2の騒音信号加算器
と、前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第
2の適応フィルタと、前記第2の騒音信号加算器の出力
信号を処理する第2の伝達関数補正器と、前記第2の適
応フィルタの出力と前記通信手段からの受信信号を加算
する第2の出力信号加算器と、前記第2の出力信号加算
器の出力を再生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッド
ホンのキャビネットの内部に取り付けられた第2の誤差
検出器と、前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2
の伝達関数補正器の出力から前記第2の適応フィルタの
係数を演算して更新する第2の係数更新器と、前記音声
検出器の出力を遅延させる第1の遅延器と、前記第1の
騒音検出器の出力を遅延させる第2の遅延器と、前記第
2の遅延器の出力信号を処理する第3の適応フィルタ
と、前記第2の騒音検出器の出力信号を処理する第4の
適応フィルタと、前記第3の騒音検出器の出力信号を処
理する第5の適応フィルタと、前記第1の遅延器の出力
から前記第3の適応フィルタの出力と前記第4の適応フ
ィルタの出力と前記第5の適応フィルタの出力とを減算
する減算器と、前記第2の遅延器の出力と前記減算器の
出力から前記第3の適応フィルタの係数を演算して更新
する第3の係数更新器と、前記第2の騒音検出器の出力
と前記減算器の出力から前記第4の適応フィルタの係数
を演算して更新する第4の係数更新器と、前記第3の騒
音検出器の出力と前記減算器の出力から前記第5の適応
フィルタの係数を演算して更新する第5の係数更新器
と、前記減算器の出力を通過させるかさせないかを制御
するミュート回路と、前記ミュート回路の動作を制御す
るミュート制御回路とを有している。
【0025】また同様に、第6の目的を達成するために
本発明の騒音制御ヘッドセットは、左側あるいは右側の
ヘッドホンのキャビネットに設けられた支持アームによ
り使用者の口元近傍に取り付けられている音声検出器
と、前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する
音声判別器と、通信手段の受信信号の有無を判断する受
信信号判別器と、前記音声検出器の近傍に取り付けられ
ており、主に周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器
と、前記ヘッドホンの左側キャビネットに取り付けられ
た第2の騒音検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第
2の騒音検出器の出力を加算する第1の騒音信号加算器
と、前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第
1の適応フィルタと、前記第1の騒音信号加算器の出力
信号を処理する第1の伝達関数補正器と、前記第1の適
応フィルタの出力と前記通信手段からの受信信号を加算
する第1の出力信号加算器と、前記第1の出力信号加算
器の出力を再生する左側ヘッドホンと、前記左側ヘッド
ホンのキャビネットの内部に取り付けられた第1の誤差
検出器と、前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1
の伝達関数補正器の出力から前記第1の適応フィルタの
係数を演算して更新する第1の係数更新器と、前記ヘッ
ドホンの右側キャビネットに取り付けられた第3の騒音
検出器と、前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出
器の出力を加算する第2の騒音信号加算器と、前記第2
の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の適応フィ
ルタと、前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理す
る第2の伝達関数補正器と、前記第2の適応フィルタの
出力と前記通信手段からの受信信号を加算する第2の出
力信号加算器と、前記第2の出力信号加算器の出力を再
生する右側ヘッドホンと、前記右側ヘッドホン内部に取
り付けられた第2の誤差検出器と、前記第2の誤差検出
器からの出力と前記第2の伝達関数補正器の出力から前
記第2の適応フィルタの係数を演算して更新する第2の
係数更新器と、前記音声検出器の出力を遅延させる第1
の遅延器と、前記第1の騒音検出器の出力を遅延させる
第2の遅延器と、前記第2の遅延器の出力信号を処理す
る第3の適応フィルタと、前記第2の騒音検出器の出力
信号を処理する第4の適応フィルタと、前記第3の騒音
検出器の出力信号を処理する第5の適応フィルタと、前
記第1の遅延器の出力から前記第4の適応フィルタの出
力と前記第5の適応フィルタの出力とを減算する第1の
減算器と、前記第1の減算器の出力を遅延させる第3の
遅延器と、前記第3の遅延器の出力から前記第3の適応
フィルタの出力を減算する第2の減算器と、前記第2の
遅延器の出力と前記第2の減算器の出力から前記第3の
適応フィルタの係数を演算して更新する第3の係数更新
器と、前記第2の騒音検出器の出力と前記第1の減算器
の出力から前記第4の適応フィルタの係数を演算して更
新する第4の係数更新器と、前記第3の騒音検出器の出
力と前記第1の減算器の出力から前記第5の適応フィル
タの係数を演算して更新する第5の係数更新器と、前記
第2の減算器の出力を通過させるかさせないかを制御す
るミュート回路と、前記ミュート回路の動作を制御する
ミュート制御回路とを有している。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、図1から図24を用いて説明する。
【0027】《実施例1》実施例1を図1ないし図8を
参照して説明する。図1は本発明の実施例1における騒
音制御ヘッドセットのブロック図を示すものである。図
1において、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成され
た騒音制御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された
第1の騒音検出器であるところのマイクロホン1a、左
側ヘッドホン7aのキャビネットの外側に配置された第
2の騒音検出器であるところのマイクロホン1b、右側
ヘッドホン7bのキャビネットの外側に配置された第3
の騒音検出器であるところのマイクロホン1c、キャビ
ネット内に配置された第1の誤差検出器であるところの
マイクロホン1d、キャビネット内に配置された第2の
誤差検出器であるところのマイクロホン1e、口元に配
置された音声検出器であるところのマイクロホン1fを
有する。マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信
号加算器であるところの加算器2aに入力され、マイク
ロホン1a、1cの出力は第2の騒音信号加算器である
ところの加算器2bに入力される。マイクロホン1fの
出力と無線又は有線の通信機10の受信信号は第1の出
力信号加算器であるところの加算器2c、第2の出力信
号加算器であるところの加算器2dに入力される。加算
器2a、2bの出力は、第1の適応フィルタ3a、第2
の適応フィルタ3b(図中ではAFIRと表示する)、
にそれぞれ入力される。また加算器2a、2bの出力は
第1の伝達関数補正器であるところのFxフィルタ4
a、第2の伝達関数補正器であるところのFxフィルタ
4bにそれぞれ入力される。Fxフィルタ4a、4bの
出力は第1の係数更新器であるところのLMS(最小二
乗平均)演算器5a、第2の係数更新器であるところの
LMS演算器5bにそれぞれ入力される。マイクロホン
1d、1eの出力はそれぞれLMS演算器5a、5bに
入力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フィ
ルタ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ3
a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホン7b
のキャビネット内にあるスピーカ6bにそれぞれ入力さ
れる。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホン7bはヘッ
ドバンド8で結合されている。支持アーム9はマイクロ
ホン1a、1fを口元に近づけるように支持する。、以
上のように構成された騒音制御ヘッドヘットについて、
以下その動作について説明する。以後の説明において、
騒音を抑制してヘッドセットのスピーカ6a、6bから
出る音の耳元で音圧レベルを低減させることを「騒音制
御」と称する。
【0028】まずマイクロホン1a、1b及び1cで検
出した周囲騒音は、加算器2a及び2bにおいてそれぞ
れ所定のレベル比で加算され、適応フィルタ3a及び3
bおよびFxフィルタ4a及び4bにそれぞれ入力され
る。適応フィルタ3a及び3bから出力される制御信号
は、それぞれの加算器2c及び2dにおいて、マイクロ
ホン1fからの音声信号及び通信機10からの受信信号
とそれぞれ所定のレベル比で加算され、それぞれのヘッ
ドホン7a及び7b内に設置されているスピーカ6a及
び6bに印加され制御音として再生される。ヘッドホン
7a及び7b内にそれぞれ設置されているマイクロホン
1d及び1eは、スピーカ6a及び6bからの制御音
と、ヘッドホン7a及び7bを伝わって内部に進入して
くる騒音が検出され、この制御音と騒音が干渉した結果
のそれぞれの誤差信号がLMS演算器5a及び5bに入
力される。
【0029】一方、加算器2a及び2bからの騒音信号
は、それぞれのFxフィルタ4a及び4bにおいてその
係数との畳み込み演算が行われ、それぞれLMS演算器
5a及び5bに入力される。そしてLMS演算器5a及
び5bは、それぞれFxフィルタ4a及び4bからの信
号とマイクロホン1d及び1eからの信号により、それ
ぞれのマイクロホン1d及び1eからの出力信号を最小
とするように、適応フィルタ3a及び3bの係数を演算
しその値を更新する。ここで、Fxフィルタ4aはスピ
ーカ6a(正確には加算器2c)からマイクロホン1d
までの伝達関数に係数として近似するようになされてお
り、Fxフィルタ4bはスピーカ6b(正確には加算器
2d)からマイクロホン1eまでの伝達関数に係数とし
て近似するようになされている。
【0030】この方法をFiltered-x LMSアルゴリズム
(例えば参考文献として、B. Widrowand S. Stearns,「A
daptive Signal Processing」(Prentice-Hall,Englewood
Cliffs,NJ,1985))という。そして、Filtered-x LMSア
ルゴリズムの係数更新演算は、以下の式で表される。
【0031】 w(n+1)=w(n)+μr(n)e(n)・・・・(1)
【0032】ただし、r(n)=x(n)Tc(n)
【0033】w(n);適応フィルタ3aあるいは3b
の係数
【0034】c(n);Fxフィルタ4aあるいは4b
の係数
【0035】x(n);加算器2cあるいは2dからの
騒音信号
【0036】e(n);マイクロホン1dあるいは1e
からの誤差信号
【0037】μ ;ステップパラメータ
【0038】Tは転置を示す。
【0039】以上の動作を繰り返すことにより、ヘッド
ホン7a及び7bの空間内(つまり耳元)の騒音が低減
される。
【0040】ところで、各マイクロホン1a、1b、1
c、1e及び〜1fの位置関係は図2に示すように、マ
イクロホン1aはマイクロホン1fと共に使用者の口元
近傍に設置される。マイクロホン1bはヘッドホン7a
の外側の後方上部、すなわち図2の(c)に示すよう
に、左側ヘッドホン7aをキャビネット外側を側方から
見た場合に、左側ヘッドホン7aの中心点P1を通る水
平軸と垂直軸により左上部、左下部、右上部および右下
部の4領域に分割した右上部領域に設置される。マイク
ロホン1cはヘッドホン7bの外側の後方上部すなわち
図2の(a)に示すように、右側ヘッドホン7bのキャ
ビネット外側を側方から見た場合に、右側ヘッドホン7
bの中心点P2を通る水平軸と垂直軸により左上部、左
下部、右上部および右下部の4領域に分割した左上部領
域に設置される。マイクロホン1dは、図1に示すよう
に、ヘッドホン7a内のスピーカ6aの前面で外耳穴近
くに設置され、マイクロホン1eはヘッドホン7b内の
スピーカ6bの前面で外耳穴近くに設置されている。つ
まり、図2の(c)に示すように、マイクロホン1a、
1d及び1bが側方から見ておよそ一本の直線L1上に
位置するように設置されている。同様に、図2の(a)
に示すように、マイクロホン1a、1e及び1cが側方
から見ておよそ一本の直線L2上に位置するように設置
されている。
【0041】このように設置した構成とすることによ
り、図3に示すように、使用者の前方から騒音が来る場
合はマイクロホン1aが主に騒音を検出し、左方から騒
音が来る場合はマイクロホン1bが主に騒音検出をす
る。また使用者の右方から騒音が来る場合はマイクロホ
ン1cが主に騒音を検出し、後方から騒音が来る場合は
マイクロホン1b及び1cが主に騒音を検出をする。こ
れによって、どのような方向から騒音が到来しても、つ
まりどこに騒音源があっても、また騒音源が複数であっ
ても、残響時間の長い空間であっても、さらに使用者が
どのように移動しても、騒音を適確に検出することがで
きる。
【0042】図4は拡散音場である残響室において実測
した複数の騒音源が存在する場合の騒音制御効果を示す
グラフであり、横軸は周波数、縦軸は耳元での音圧レベ
ルを表している。曲線Aはヘッドセットを装着しないと
きの音圧レベルである。曲線Bはヘッドセットを装着
し、騒音制御を行わないときのヘッドホン7a及び7b
の遮音特性により減衰した音圧レベルを示す。曲線Cは
騒音制御を行うヘッドセットを装着したときの音圧レベ
ルであり、曲線BとCの差が適応フィルタ3a及び3b
による能動的騒音制御の効果を示す。残響室で複数の騒
音を発生させると、図3に示すように全ての方向から騒
音が到来していると考えられるが、それでもヘッドホン
7a及び7bの遮音特性があまりよくない低周波では騒
音が低減されている。
【0043】このように、高周波についてはヘッドホン
7a及び7bの遮音により遮断し、遮音しきれない低周
波についてはその制御帯域において騒音制御の因果律を
満たすようにシステムの動作速度を上げれば、図4のよ
うに安定に消音できる。また、騒音検出をマイクロホン
1aだけでなく、マイクロホン1b及び1cでも行い、
加算器2a及び2bでマイクロホン1aの出力と加算す
ることにより、ある一定方向だけでなく、周囲の騒音を
くまなく検出でき、それによって因果律を満たすように
ある程度補正することができる。
【0044】図5は、騒音源の直前での騒音制御効果
で、つまり図3における前方騒音源だけが存在する場合
の騒音制御効果を示している。図5の曲線A,曲線B及
び曲線Cはそれぞれ図4と同じ測定条件のとき音圧レベ
ルを示す。この場合は、マイクロホン1aからマイクロ
ホン1d及び1eまでの距離がある程度確保できるの
で、図4では制御されなかった高い周波数まで制御でき
るようになる。これは騒音制御の因果律を満足する周波
数帯域が拡大したことによる。つまり、マイクロホン1
dあるいはマイクロホン1eにおいて、騒音源と各マイ
クロホン1d及び1eの間に、騒音検出用のマイクロホ
ン1a、1b及び1cが存在するとき、騒音制御に要す
る時間が騒音の伝達時間に近づくことになる。換言すれ
ば、騒音の伝達時間が一番大きくなるとき、騒音制御に
対する時間的余裕が生まれることになる。
【0045】図6は、1KHzの音の制御効果を示して
いる。図において、曲線A,B、Cは、それぞれヘッド
セットを装着しない場合、騒音制御をしないヘッドセッ
トを装着した場合、騒音制御をするヘッドセットを装着
した場合の音圧レベルである。このように適応フィルタ
3a及び3bを用いれば、従来のアナログ式騒音制御ヘ
ッドホンでは不可能であった高周波音の制御が可能とな
る。以上のように、本実施例の騒音制御ヘッドセット
は、どのような騒音源、あるいは音場であっても、安定
かつ十分に消音効果を得ることができる。また音声検出
用のマイクロホン1fを使用者の口の方向に指向性のあ
る双指向性、あるいは単一指向性のマイクロホンを用い
ることにより、音声以外の余計な周囲騒音を極力検出し
ないようにすることができる。そしてこの音声信号を加
算器2c及び2dにおいて制御信号および通信機10か
らの受信信号と加算することにより、騒音を低減しなが
ら自己の音声と相手方の音声をモニタすることができ
る。当然、この音声信号は通信機10を介して相手方に
送信されるので、例えばこの騒音制御ヘッドセットを双
方が使用していれば、通常会話できないような騒音環境
であっても十分に会話ができ意志疎通を図ることができ
る。
【0046】なお、本実施例ではヘッドホン7a及び7
bをヘッドバンド8で結ぶ構成としているが、図7に示
すように支持部12を介してヘルメット11に取り付け
る構成でもよい。また、ヘッドホン7a及び7bについ
ては、密閉型でも開放型でもよく、さらにイヤホン型で
もよい。また、マイクロホン1a、1b、及び1cの出
力のAD変換は、加算器2a及び2bの前で行ってもよ
く、また後で行ってもよい。加算器2a及び2bの後で
アナログの加算信号をデジタル信号に変換すれば、AD
コンバータの数が削減できる。
【0047】さらにLMS演算器5a及び5bは、それ
ぞれのFxフィルタ4a及び4bの出力によりマイクロ
ホン1d及び1eからの誤差信号を正規化する、よく知
られたいわゆる学習同定法を用いるものであってもよ
い。通信機10は、騒音制御ヘッドセット内に内蔵して
いてもよく、あるいは外部の通信機を使用してもよい。
さらに、図8に示すように、加算器2a及び2bがマイ
クロホン1a、1b及び1cの検出信号を全て加算する
構成でもよい。
【0048】《実施例2》実施例2を図9を参照して説
明する。図9は本発明の実施例2における騒音制御ヘッ
ドセットのブロック図を示すものである。図9におい
て、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された騒音制
御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された第1の騒
音検出器であるところのマイクロホン1a、左側ヘッド
ホン7aのキャビネットの外側に配置された第2の騒音
検出器であるところのマイクロホン1b、右側ヘッドホ
ン7bのキャビネットの外側に配置された第3の騒音検
出器であるところのマイクロホン1c、キャビネット内
に配置された第1の誤差検出器であるところのマイクロ
ホン1d、キャビネット内に配置された第2の誤差検出
器であるところのマイクロホン1e、口元に配置された
音声検出器であるところのマイクロホン1fを有する。
マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信号加算器
であるところの加算器2aに入力され、マイクロホン1
a、1cの出力は第2の騒音信号加算器であるところの
加算器2bに入力される。無線又は有線の通信機10の
受信信号は第1の出力信号加算器であるところの加算器
2c、第2の出力信号加算器であるところの加算器2d
に入力される。加算器2a、2bの出力は、第1の適応
フィルタ3a、第2の適応フィルタ3b(図中ではAF
IRと表示する)、にそれぞれ入力される。また加算器
2a、2bの出力は第1の伝達関数補正器であるところ
のFxフィルタ4a、第2の伝達関数補正器であるとこ
ろのFxフィルタ4bにそれぞれ入力される。Fxフィ
ルタ4a、4bの出力は第1の係数更新器であるところ
のLMS(最小二乗平均)演算器5a、第2の係数更新
器であるところのLMS演算器5bにそれぞれ入力され
る。マイクロホン1d、1eの出力はそれぞれのスイッ
チ15a、15bを介してLMS演算器5a、5bに入
力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フィル
タ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ3
a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホン7b
のキャビネット内にあるスピーカ6bにそれぞれ入力さ
れる。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホン7bはヘッ
ドバンド8で結合されている。支持アーム9はマイクロ
ホン1a、1fを口元に近づけるように支持する。マイ
クロホン1fの出力は音声判別器13に入力されかつス
イッチ15cを介して無線通信機10に入力される。ま
た前記の受信信号は受信信号判別器14にも入力され
る。本実施例の騒音制御ヘッドセットは、図1における
実施例1の騒音制御ヘッドセットの構成要素にさらに音
声判別器13と、受信信号判別器14と、スイッチ15
a、15b及び15cとを加えたものであり、以下にそ
の動作について説明する。
【0049】使用者が音声を発すると、その音声はマイ
クロホン1fで検出されて音声信号が音声判別器13に
印加され、音声判別器13で音声が発生されたことを検
知する。音声判別器13の出力の検知信号によってスイ
ッチ15cが導通し、これによって音声信号が加算器2
c及び2dに加えられてスピーカ6a及び6bによって
自己の音声が再生される。また音声信号は通信機10に
も入力される。このとき音声判別器13からの検知信号
により通信機10の送信用電源を立ち上げることによ
り、自己の音声信号が相手方に送信される。同時に、こ
の検知信号によってスイッチ15a及び15bが開放さ
れ、これによってLMS演算器5a及び5bの誤差信号
(式1におけるe(n))が0となるので、適応フィル
タ3a及び3bの係数更新動作が停止する。
【0050】使用者が話すのを止めて音声が無くなる
と、音声判別器13が音声の無いことを検出し、これに
よってスイッチ15cが開放されるので加算器2c及び
2dおよび通信機10にはマイクロホン1fからの出力
信号が入力されなくなる。このとき音声判別器13から
の検知信号により通信機10の送信用電源を切ることに
より、通信機10の消費電力を削減することができる。
そして同時に、スイッチ15a及び15bが導通し、L
MS演算器5a〜5bの係数更新動作が再び開始され
る。
【0051】これによって、音声発生時にスピーカ6a
及び6bで再生される自己の音声がマイクロホン1d及
び1eで検出され、LMS演算器5a及び5bの係数更
新動作に影響を及ぼし、適応フィルタ3a及び3bを不
安定にすることを防止できる。また、スイッチ15cの
開放によって音声の無い無言時には周囲騒音を相手に送
信しないようにすることが可能となる。また、受信信号
判別器14は通信機10から印加される受信信号の有無
を検出し、受信信号がある場合には受信信号を加算器2
c及び2dを経てスピーカ6a及び6bで再生する。ま
たスイッチ15a及び15bは開放されて適応フィルタ
3a〜3bの係数更新動作が停止する。
【0052】これによって、無線信号の受信時に適応フ
ィルタ3a及び3bが不安定になることを防止できる。
以上より、無言時あるいは通信機10からの受信信号が
無い場合に、本実施例の騒音制御ヘッドセットは、使用
者の耳元での騒音を低減する。また音声発生時あるいは
通信機10からの受信信号がある場合には、騒音を低減
するとともに、適応フィルタ3a及び3bの動作が不安
定になることを防止できる。また、無言時には周囲騒音
を相手に送信しないとともに通信機10の消費電力を低
減することが可能となる。
【0053】なお、本実施例ではヘッドホン7a及び7
bをヘッドバンド8で結合した構成としているが、図7
に示すようにヘルメット11に取り付けた構成でもよ
い。また、ヘッドホン7a及び7bについては、密閉型
でも開放型でもよく、さらにイヤホン型でもよい。ま
た、マイクロホン1a、1b及び1cの出力のAD変換
は加算機2a及び2bの前で行ってもよく、また後で行
ってもよい。加算器2a及び2bの後でアナログの加算
信号をデジタル信号に変換すれば、ADコンバータの数
が削減できる。
【0054】さらに、音声判別器13および受信信号判
別器14は、マイクロホン1fからの音声信号と通信機
10からの受信信号をそれぞれデジタル化して所定の音
声検出アルゴリズムにより音声の有無の判別をしてもよ
いが、例えば音声信号をアナログ信号のまま、コンパレ
ータによって基準しきい値と比較して判別する構成でも
よい。
【0055】さらにLMS演算器5a及び5bは、Fx
フィルタ4a及び4bの出力によりマイクロホン1d及
び1eからの誤差信号を正規化する、いわゆる学習同定
法であってもよい。通信機10は、騒音制御ヘッドセッ
トに内蔵しても、あるいは外部の通信機を使用してもよ
い。さらに、図8で説明したように、図9において加算
器2a及び2bでマイクロホン1a、1b及び1cの検
出信号を全て加算する構成でもよい。
【0056】《実施例3》図10は本発明の実施例3に
おける騒音制御ヘッドセットのブロック図を示すもので
ある。図10において、ヘッドホンと音声検出器が一体
に構成された騒音制御ヘッドセットは、使用者の口元に
配置された第1の騒音検出器であるところのマイクロホ
ン1a、左側ヘッドホン7aのキャビネットの外側に配
置された第2の騒音検出器であるところのマイクロホン
1b、右側ヘッドホン7bのキャビネットの外側に配置
された第3の騒音検出器であるところのマイクロホン1
c、キャビネット内に配置された第1の誤差検出器であ
るところのマイクロホン1d、キャビネット内に配置さ
れた第2の誤差検出器であるところのマイクロホン1
e、口元に配置された音声検出器であるところのマイク
ロホン1fを有する。マイクロホン1a、1bの出力は
第1の騒音信号加算器であるところの加算器2aに入力
され、マイクロホン1a、1cの出力は第2の騒音信号
加算器であるところの加算器2bに入力される。無線又
は有線の通信機10の受信信号は第1の出力信号加算器
であるところの加算器2c、第2の出力信号加算器であ
るところの加算器2dに入力される。加算器2a、2b
の出力は、第1の適応フィルタ3a、第2の適応フィル
タ3b(図中ではAFIRと表示する)、にそれぞれ入
力される。また加算器2a、2bの出力は第1の伝達関
数補正器であるところのFxフィルタ4a、第2の伝達
関数補正器であるところのFxフィルタ4bにそれぞれ
入力される。Fxフィルタ4a、4bの出力は第1の係
数更新器であるところのLMS(最小二乗平均)演算器
5a、第2の係数更新器であるところのLMS演算器5
bにそれぞれ入力される。マイクロホン1d、1eの出
力はそれぞれのスイッチ15a、15bを介してLMS
演算器5a、5bに入力される。LMS演算器5a、5
bの出力は適応フィルタ3a、3bにそれぞれ入力され
る。適応フィルタ3a、3bの出力は加算器2c、2d
にそれぞれ入力され、加算器2c、2dの出力は左側ヘ
ッドホン7aのキャビネット内にあるスピーカ6a、右
側ヘッドホン7bのキャビネット内にあるスピーカ6b
にそれぞれ入力される。左側ヘッドホン7aと右側ヘッ
ドホン7bはヘッドバンド8で結合されている。支持ア
ーム9はマイクロホン1a、1fを口元に近づけるよう
に支持する。マイクロホン1fの出力は音声判別器13
と遅延器16に入力される。また前記の受信信号は受信
信号判別器14にも入力される。遅延器16の出力は減
算器17に入力される。マイクロホン1aの出力は第3
の適応フィルタ3cと第3のLMS演算器5cにも入力
される。第3のLMS演算器5cの出力は第3の適応フ
ィルタ3cに入力され、第3の適応フィルタ3cの出力
は減算器17に入力される。減算器17の出力はスイッ
チ15cを介してLMS演算器5cに入力され、ミュー
ト回路であるところのスイッチ15dを介して無線通信
機10に入力される。本実施例の騒音制御ヘッドセット
は、図9における騒音制御ヘッドセットの構成要素にさ
らに適応フィルタ3cと、LMS演算器5cと、スイッ
チ15c及び15dと、遅延器16と減算器17とを加
えたものであり、以下にその動作について説明する。
【0057】マイクロホン1fで検出された周囲騒音の
信号は、遅延器16で所定の、適応フィルタ3cが因果
律を満たす時間だけ遅延され、減算器17に入力され
る。一方、マイクロホン1aで検出された騒音信号は、
適応フィルタ3cで信号処理され、その出力が減算器1
7に入力される。減算器17では、遅延器16の出力か
ら適応フィルタ3cの出力が減算され、その結果の出力
信号がスイッチ15c及び16dに入力される。そして
LMS演算器5cは、マイクロホン1aからの騒音信号
とスイッチ15cを経て入力される誤差信号とにより、
スイッチ15cを経て入力される誤差信号を最小にする
ように適応フィルタ3cの係数を演算して更新する。こ
れによって、減算器17の出力信号に含まれる騒音成分
が低減されることになる。
【0058】マイクロホン1a及び1fは、図11およ
び図12に示すように、マイクロホン1fが使用者の口
の方向に点線の長円D1で示す指向性を有する単一指向
性型であり、マイクロホン1aはマイクロホン1fとは
正反対の方向の面に音孔を有し、マイクロホン1fの真
横に設置されている点線の円D2で示す無指向性のマイ
クロホンとなっている。
【0059】図13は拡散音場である残響室で複数の騒
音源から音を発生させたときのマイクロホン1fの検出
信号における騒音制御効果を示している。曲線Bは騒音
制御を行っていない場合の減算器17の出力レベルであ
り、曲線Cは騒音制御を行っている場合の減算器17の
出力における騒音レベルである。また図14は、前記の
拡散音場で音声を発した場合の音声信号の変化を示して
いる。曲線B及びCはそれぞれ騒音制御を行っていない
場合と行っている場合の減算器17の出力における音声
レベルを示す。
【0060】図13に示すように、マイクロホン1fで
検出される音声信号に含まれる騒音成分は十分に減衰さ
れるが、音声成分のレベル変化は図14に示すようにほ
とんど無いことがわかる。図15は、騒音源の直前での
騒音制御効果で、つまり図3における前方騒音源だけが
存在する場合の制御効果を示している。曲線BとCとの
比較からわかるように、曲線Cで示す騒音制御を行う場
合には、騒音の出力レベルが大幅に低減される。
【0061】このように、騒音源の直前で制御すれば、
騒音低減量が増加するのがわかる。ところで、使用者が
音声を発すると、音声判別器13では音声が発生したこ
とを検知し、検知信号を出力する。この検知信号によっ
てスイッチ15dが導通し、これによって音声信号が加
算器2c及び2dに加えられてそれぞれのスピーカ6a
及び6bで自己音声が再生される。検知信号は通信機1
0にも入力される。このとき音声判別器13からの検知
信号により通信機10の送信用電源が立ち上げられ、自
己の音声信号が相手側に送信される。そして同時に、こ
の検知信号によってスイッチ15a〜15cが開放さ
れ、これによってLMS演算器5a〜5cの誤差信号が
0となるので、適応フィルタ3a〜3cの係数更新動作
が停止する。
【0062】次に話すのを止めて音声が無くなると、音
声判別器13が音声の無いことを検出し、これによって
スイッチ15dが開放されるので加算器2c及び2dお
よび通信機10にはマイクロホン1fからの出力信号が
入力されなくなる。このとき音声判別器13からの検知
信号により通信機10の送信用電源を切ることにより、
通信機10の消費電力を削減することができる。このと
き、スイッチ15a〜15cが導通し、これによってL
MS演算器5a〜5cの係数更新動作が再び開始され
る。
【0063】その結果音声発生時にスピーカ6a及び6
bで再生される自己の音声がマイクロホン1d及び1e
で検出されて、LMS演算器5a及び5bの係数更新動
作に影響を及ぼし、適応フィルタ3a及び3bの動作を
不安定にするのを防止できる。また音声発生時にLMS
演算器5cの誤差信号に残る音声信号が、LMS演算器
5cの係数更新動作に影響を及ぼし、適応フィルタ3c
の動作を不安定にするのを防止できる。さらにマイクロ
ホン1aに音声が混入した場合、適応フィルタ3cの出
力によって減算器17において音声信号が低減されるこ
とを防止できる。そして、スイッチ15dによって無言
時には余計な周囲騒音を相手に送信しないようにするこ
とが可能となる。
【0064】また、受信信号判別器14は通信機10か
らの受信信号の有無を検出し、受信信号がある場合に
は、その受信信号は加算器2c及び2dを経てスピーカ
6a及び6bで再生され、その間はスイッチ15a及び
15bが開放されて適応フィルタ3a及び3bの係数更
新動作が停止する。これによって、無線受信時に適応フ
ィルタ3a及び3bの動作を不安定にすることを防止で
きる。
【0065】以上より、無言時あるいは通信機10から
の受信信号が無い場合、本実施例の騒音制御ヘッドセッ
トは、図1で説明したように使用者の耳元での騒音を低
減し、同時に無言時には、適応フィルタ3cによりマイ
クロホン1fからの検出信号に含まれる周囲騒音信号を
低減できる。音声発生時あるいは通信機10からの受信
信号がある場合には、騒音を低減しながら適応フィルタ
3a及び3bの動作が不安定にならないように制御で
き、同時に音声発生時には、音声信号に混入する周囲騒
音成分を低減しながら適応フィルタ3cが不安定になら
ないように、あるいは音声信号を低減しないように制御
できる。また、無言時には余計な周囲騒音を相手に送信
しないことと通信機10の消費電力を低減することが可
能となる。
【0066】なお、本実施例ではヘッドホン7a及び7
bをヘッドバンド8で結ぶ構成としているが、図7に示
すようにヘルメット11に取り付けた構成でもよい。ま
た、ヘッドホン7a及び7bについては、密閉型でも開
放型でもよく、さらにイヤホン型でもよい。また、加算
器2a及び2bの後でアナログの加算信号をデジタル信
号に変換すれば、ADコンバータが削減できる。さら
に、音声判別器13および受信信号判別器14は、マイ
クロホン1fからの音声信号と通信機10からの受信信
号をデジタル化して所定の音声検出アルゴリズムにより
音声判別してもよいが、例えば音声信号をアナログ信号
のまま、コンパレータによって基準しきい値と比較して
判別する構成でもよい。
【0067】また、マイクロホン1aとマイクロホン1
fの振動板直径は、同じでもよいが、発明者による実験
の結果マイクロホン1fの振動板直径がマイクロホン1
aのものの2倍以上あれば、より好ましい。これはマイ
クロホン1fの感度がマイクロホン1aより高い方が好
ましいからである。さらに、図16に示すように、マイ
クロホン1aとマイクロホン1fの騒音源方向の面(口
の方向とは正反対の面)に、マイクロホン1a及び1f
の音孔を覆うように、例えば不織布などの吸音材18を
かぶせてもよい。
【0068】さらにLMS演算器5a、5b及び5c
は、Fxフィルタ4a及び4bの出力およびマイクロホ
ン1aの出力により、マイクロホン1d及び1eと減算
器17からの誤差信号を正規化する、いわゆる学習同定
法であってもよい。通信機10は、騒音制御ヘッドセッ
トに内蔵していてもよく、またあるいは外部の通信機を
使用してもよい。さらに、図8で説明したように、図1
0において加算器2a及び2bがマイクロホン1a、1
b及び1cの検出信号を全て加算する構成でもよい。
【0069】《実施例4》実施例4を図17を参照して
説明する。図17は本発明の実施例4における騒音制御
ヘッドセットのブロック図を示すものである。図17に
おいて、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された騒
音制御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された第1
の騒音検出器であるところのマイクロホン1a、左側ヘ
ッドホン7aのキャビネットの外側に配置された第2の
騒音検出器であるところのマイクロホン1b、右側ヘッ
ドホン7bのキャビネットの外側に配置された第3の騒
音検出器であるところのマイクロホン1c、キャビネッ
ト内に配置された第1の誤差検出器であるところのマイ
クロホン1d、キャビネット内に配置された第2の誤差
検出器であるところのマイクロホン1e、口元に配置さ
れた音声検出器であるところのマイクロホン1fを有す
る。マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信号加
算器であるところの加算器2aに入力され、マイクロホ
ン1a、1cの出力は第2の騒音信号加算器であるとこ
ろの加算器2bに入力される。無線又は有線の通信機1
0の受信信号は第1の出力信号加算器であるところの加
算器2c、第2の出力信号加算器であるところの加算器
2dに入力される。加算器2a、2bの出力は、第1の
適応フィルタ3a、第2の適応フィルタ3b(図中では
AFIRと表示する)、にそれぞれ入力される。また加
算器2a、2bの出力は第1の伝達関数補正器であると
ころのFxフィルタ4a、第2の伝達関数補正器である
ところのFxフィルタ4bにそれぞれ入力される。Fx
フィルタ4a、4bの出力は第1の係数更新器であると
ころのLMS(最小二乗平均)演算器5a、第2の係数
更新器であるところのLMS演算器5bにそれぞれ入力
される。マイクロホン1d、1eの出力はそれぞれのス
イッチ15a、15bを介してLMS演算器5a、5b
に入力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フ
ィルタ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ
3a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホン7b
のキャビネット内にあるスピーカ6bにそれぞれ入力さ
れる。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホン7bはヘッ
ドバンド8で結合されている。支持アーム9はマイクロ
ホン1a、1fを口元に近づけるように支持する。マイ
クロホン1fの出力は音声判別器13と遅延器16aに
入力される。また前記の受信信号は受信信号判別器14
にも入力される。遅延器16aの出力は減算器17に入
力される。マイクロホン1aの出力は遅延器16bを経
て第3の適応フィルタ3cと第3のLMS演算器5cに
も入力される。第3のLMS演算器5cの出力は第3の
適応フィルタ3cに入力され、第3の適応フィルタ3c
の出力は減算器17に入力される。減算器17の出力は
スイッチ15cを介してLMS演算器5cに入力され、
ミュート回路であるところのスイッチ15dを介して無
線通信機10に入力される。音声判別器13の出力はミ
ュート制御回路19に入力され、ミュート制御回路19
の出力は無線通信機10に入力される。本実施例の騒音
制御ヘッドセットは、図10における騒音制御ヘッドセ
ットの構成要素に遅延器16bとミュート制御回路19
とを加えたものであり、以下にその動作について説明す
る。
【0070】マイクロホン1fで検出された周囲騒音の
信号は、遅延器16aで所定の、適応フィルタ3cが因
果律を満たす時間だけ遅延され、減算器17に入力され
る。一方、マイクロホン1aで検出された騒音信号は、
遅延器16bで所定の、音声判別器13が音声の発生を
確実に判別するのに要する時間だけ遅延され、適応フィ
ルタ3cで信号処理され、その出力が減算器17に入力
される。減算器17では、遅延器16aの出力から適応
フィルタ3cの出力が減算され、その結果の誤差信号が
スイッチ15c及び15dに入力される。LMS演算器
5cは、遅延器16bからの騒音信号とスイッチ15c
からの誤差信号により、スイッチ15cからの誤差信号
を最小にするように適応フィルタ3cの係数を演算し更
新する。これによって、減算器17の出力信号に含まれ
る騒音成分が低減されることになる。
【0071】ここで、マイクロホン1a及び1fは、実
施例3の場合と同様に、図11あるいは図16に示され
るように構成されており、そのときの制御効果は、図1
3、図14及び図15に示すグラフのようになる。図1
7において、音声を発すると、音声判別器13で音声が
発生したことを検知し検知信号を出力する。この検知信
号はミュート制御回路19に入力される。ミュート制御
回路19は音声判別器13からの検知信号を受けるとス
イッチ15dを導通させる。これによって音声信号が加
算器2c及び2dに加えられてスピーカ6a及び6bで
自己の音声が再生されるとともに、通信機10にも入力
される。このとき音声判別器13からの検知信号により
通信機10の送信用電源を立ち上げることにより、自己
の音声信号が相手方に送信される。また同時に、音声判
別器13の検知信号によってスイッチ15a、15b及
び15cが開放され、これによってLMS演算器5a、
5b及び5cの誤差信号が0となるので、適応フィルタ
3a、3b及び3cの係数更新が停止する。
【0072】音声が無くなると、音声判別器13が音声
の無いことを検出し、その検知信号がミュート制御回路
19に入力される。ミュート制御回路19はこの検出信
号を受けてから一定時間後にスイッチ15dを開放し、
これによって加算器2c及び2d、および通信機10に
はマイクロホン1fからの出力信号が入力されなくな
る。このときミュート制御回路19からの信号により通
信機10の送信用電源を切ることにより、通信機10の
消費電力を節減することができる。また同時に、スイッ
チ15a〜15cが導通し、これによってLMS演算器
5a、5b及び5cの係数更新動作が再び開始される。
【0073】ここで音声判別器13は、例えば図18に
示すように、バンドパスフィルタ20とパワー演算器2
1a及び21bと比較器22a及び22bとから構成さ
れている。バンドパスフィルタ20はマイクロホン1f
で検出した信号のうち、音声帯域成分のみを通過させ、
パワー演算器21a及び21bに入力する。パワー演算
器21a及び21bは、ある一定期間のパワー(二乗
和)を求めるが、パワー演算器21aとパワー演算器2
1bは、位相がずれて動作するようになされる。次にパ
ワー演算器21a及び21bの出力としきい値設定器2
2で設定されている所定のしきい値とをそれぞれの比較
器22a及び22bで比較し、パワー演算器21a及び
21bの両方の出力が、このしきい値より小さければス
イッチ15cを導通させ、いずれかが大きければスイッ
チ15cを開放する。また、パワー演算器21a及び2
1bのいづれかの出力がしきい値より大きければ、ミュ
ート制御回路19はスイッチ15dを導通させ、どちら
も小さくなれば一定時間後にスイッチ15dを開放す
る。
【0074】ところで、音声判別器13をこのように構
成すると、音声を発してからパワー演算器21a及び2
1bの出力がしきい値以上になるまでにある一定の時間
が必要となる。つまり音声を発してから、スイッチ15
cとミュート制御回路19に音声判別器13より検知信
号が入力されるまで、遅延時間があることになる。そこ
でこの遅延時間を補正するために、マイクロホン1aの
出力を遅延器16bで遅延させ、さらにマイクロホン1
fの出力を遅延器16aで音声検出に要する遅延時間
(遅延器16bの遅延時間に等しい)を含めて適応フィ
ルタ3cが因果律を満たす時間だけ遅延させる。これに
よって、音声発声初期における音声判別器13の音声を
検出するのに要する時間中、適応フィルタ3cはその音
声信号を制御しない。
【0075】また、音声判別器13が音声がないと判断
してからミュート制御回路19が一定時間後にスイッチ
15dを開放することにより、音声レベルが小さくなっ
たときや、言葉(会話)の最後の部分を途切れることな
く通信機10および加算器2c及び2dに入力すること
ができる。これによって、音声発生時にスピーカ6a及
び6bで再生される自己の音声がマイクロホン1d及び
1eで検出されるためにLMS演算器5a及び5bの係
数更新動作に影響を及ぼし、適応フィルタ3a及び3b
の動作を不安定にすることを防止できる。また音声発生
時にLMS演算器5cの誤差信号に残る音声信号によっ
てLMS演算器5cの係数更新動作が影響を受け、適応
フィルタ3cの動作を不安定にすることを防止できる。
さらにマイクロホン1aに音声が混入した場合、適応フ
ィルタ3cの出力によって減算器17において音声信号
が低減されることを防止できる。そして、スイッチ15
dによって無言時には余計な周囲騒音を相手に送信しな
いようにすることが可能となる。
【0076】また、受信信号判別器14は通信機10か
らの受信信号の有無を検出し、受信信号がある場合に
は、加算器2c及び2dによりスピーカ6a及び6bで
それぞれ再生されるとともに、スイッチ15a及び15
bが開放されて適応フィルタ3a及び3bの係数更新動
作が停止する。これによって、無線受信時に適応フィル
タ3a及び3bの動作が不安定になるのを防止できる。
【0077】以上より、無言時あるいは通信機10から
の受信信号が無い場合、本実施例の騒音制御ヘッドセッ
トは、図1の実施例1で説明したように耳元での騒音を
低減する。そして無言時に適応フィルタ3cによりマイ
クロホン1fからの検出信号に含まれる周囲騒音信号を
低減できる。音声発生時あるいは通信機10からの受信
信号がある場合には、騒音を低減しながら適応フィルタ
3a及び3bの動作が不安定にならないようにできる。
そして同時に音声発生時に音声信号に混入する周囲騒音
成分を低減しながら適応フィルタ3cが不安定にならな
いように、あるいは音声信号を低減してしまわないよう
にできる。また、無言時に余計な周囲騒音を相手に送信
しないことと通信機10の消費電力を低減することが可
能となる。さらに、ミュート制御回路19の出力によっ
て通信機10の送信用電源を制御することにより、スイ
ッチ15dが導通状態の期間と送信用電源が入っている
期間が同じになるので、音声信号を途切れることなく相
手に送信できる。
【0078】なお、図17に示す本実施例ではヘッドホ
ン7a及び7bをヘッドバンド8で結合する構成として
いるが、図7に示すように、ヘルメット11に取り付け
る構成でもよい。また、ヘッドホン7a及び7bについ
ては、密閉型でも開放型でもよく、さらにイヤホン型で
もよい。また、加算器2a及び2bの後でアナログの加
算信号をデジタル信号に変換すれば、ADコンバータが
削減できる。
【0079】さらに、受信信号判別器14は、通信機1
0からの受信信号をデジタル化して所定の音声検出アル
ゴリズムにより音声判別してもよいが、受信音声信号を
アナログ信号のまま、コンパレータによって基準しきい
値と比較して判別する構成でもよい。同様に、音声判別
器13も図18のような構成ではなく、音声信号をアナ
ログ信号のまま、コンパレータによって基準しきい値と
比較して判別してもよい。また、マイクロホン1aとマ
イクロホン1fの振動板直径は、同じでもよいが、マイ
クロホン1fの振動板直径の方がマイクロホン1aの2
倍以上あれば、より好ましい。
【0080】さらにLMS演算器5a、5b及び5c
は、Fxフィルタ4a及び4bの出力および遅延器16
bの出力により、マイクロホン1d及び1eと減算器1
7からの誤差信号を正規化する、いわゆる学習同定法で
あってもよい。通信機10は、騒音制御ヘッドセットと
して内蔵してよく、また外部の通信機を使用してもよ
い。さらに、実施例1の図8で説明したように、図17
において加算器2a及び2bがマイクロホン1a、1b
及び1cの検出信号を全て加算する構成でもよい。
【0081】《実施例5》実施例5を図19を参照して
説明する。図19は本発明の実施例5における騒音制御
ヘッドセットのブロック図を示すものである。図19に
おいて、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された騒
音制御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された第1
の騒音検出器であるところのマイクロホン1a、左側ヘ
ッドホン7aのキャビネットの外側に配置された第2の
騒音検出器であるところのマイクロホン1b、右側ヘッ
ドホン7bのキャビネットの外側に配置された第3の騒
音検出器であるところのマイクロホン1c、キャビネッ
ト内に配置された第1の誤差検出器であるところのマイ
クロホン1d、キャビネット内に配置された第2の誤差
検出器であるところのマイクロホン1e、口元に配置さ
れた音声検出器であるところのマイクロホン1fを有す
る。マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信号加
算器であるところの加算器2aに入力され、マイクロホ
ン1a、1cの出力は第2の騒音信号加算器であるとこ
ろの加算器2bに入力される。無線又は有線の通信機1
0の受信信号は第1の出力信号加算器であるところの加
算器2c、第2の出力信号加算器であるところの加算器
2dに入力される。加算器2a、2bの出力は、第1の
適応フィルタ3a、第2の適応フィルタ3b(図中では
AFIRと表示する)、にそれぞれ入力される。また加
算器2a、2bの出力は第1の伝達関数補正器であると
ころのFxフィルタ4a、第2の伝達関数補正器である
ところのFxフィルタ4bにそれぞれ入力される。Fx
フィルタ4a、4bの出力は第1の係数更新器であると
ころのLMS(最小二乗平均)演算器5a、第2の係数
更新器であるところのLMS演算器5bにそれぞれ入力
される。マイクロホン1d、1eの出力はそれぞれのス
イッチ15a、15bを介してLMS演算器5a、5b
に入力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フ
ィルタ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ
3a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホン7b
のキャビネット内にあるスピーカ6bにそれぞれ入力さ
れる。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホン7bはヘッ
ドバンド8で結合されている。支持アーム9はマイクロ
ホン1a、1fを口元に近づけるように支持する。マイ
クロホン1fの出力は音声判別器13と遅延器16に入
力される。また前記の受信信号は受信信号判別器14に
も入力される。遅延器16の出力は減算器17に入力さ
れる。マイクロホン1aの出力は第3の適応フィルタ3
cと第3のLMS演算器5cにも入力される。第3のL
MS演算器5cの出力は第3の適応フィルタ3cに入力
され、第3の適応フィルタ3cの出力は減算器17に入
力される。減算器17の出力はスイッチ15cを介して
LMS演算器5cに入力され、ミュート回路であるとこ
ろのスイッチ15dを介して通信機10と加算器2c、
2dに入力される。マイクロホン1bの出力は第4の適
応フィルタ3dと第4のLMS演算器5dにも入力され
る。またマイクロホン1cの出力は第5の適応フィルタ
3eと第5のLMS演算器5eにも入力される。適応フ
ィルタ3d、3eの出力は減算器17に入力される。L
MS演算器5dの出力は適応フィルタ3dに入力され、
LMS演算器5eの出力は適応フィルタ3eに入力され
る。減算器17の出力はLMS演算器5d、5eに入力
される。本実施例の騒音制御ヘッドセットは、図10に
おける騒音制御ヘッドセットの構成要素に第4及び第5
の適応フィルタ3d及び3eと、第4及び第5のLMS
演算器5d及び5eとを加えたものであり、以下にその
動作について説明する。
【0082】マイクロホン1fで検出された周囲騒音の
信号は、遅延器16で所定の、適応フィルタ3cが因果
律を満たす時間だけ遅延され、減算器17に入力され
る。一方、マイクロホン1aで検出された騒音信号は、
適応フィルタ3cで信号処理され、その出力が減算器1
7に入力される。また、マイクロホン1bで検出された
騒音信号は、適応フィルタ3dで信号処理され、マイク
ロホン1cで検出された騒音信号は、適応フィルタ3e
で信号処理される。適応フィルタ3d及び3eの出力は
減算器17に入力される。減算器17では、遅延器16
の出力から適応フィルタ3c、3d及び3eの出力が減
算され、その結果の誤差信号はスイッチ15c及び15
dとLMS演算器5d及び5eに入力される。LMS演
算器5cは、マイクロホン1aからの騒音信号とスイッ
チ15cからの誤差信号により、スイッチ15cからの
誤差信号を最小にするように適応フィルタ3cの係数を
演算し更新する。同様に、LMS演算器5dは、マイク
ロホン1bからの騒音信号と減算器17からの誤差信号
により、減算器17からの誤差信号を最小にするように
適応フィルタ3dの係数を更新する。LMS演算器5e
は、マイクロホン1cからの騒音信号と減算器17から
の誤差信号により、減算器17からの誤差信号を最小に
するように適応フィルタ3eの係数を更新する。これに
よって、減算器17の出力信号に含まれる騒音成分が低
減されることになる。
【0083】ここで、マイクロホン1a、1fは実施例
3の場合と同様に、図11あるいは図16に示されるよ
うに構成されており、そのときの制御効果は、図20に
示すグラフのようになる。図20を図13と比べれば、
騒音制御を行わないときの曲線Bと騒音制御を行うとき
の曲線Cの出力レベルの差が増加して騒音制御効果が向
上しているのがわかる。また、音声判別器13および受
信信号判別器14による適応フィルタ3a、3b及び3
cの係数更新動作の制御と、スイッチ15dの制御、お
よび通信機10の送信用電源の制御についての動作と効
果は図10に示す実施例3の場合と同様である。
【0084】ただし、適応フィルタ3d及び3eの係数
更新動作において、それぞれの騒音信号は図2で示すよ
うに口元から遠いために音声を検出しにくいマイクロホ
ン1b及び1cからの検出信号なので、音声信号が含ま
れない。従って減算器17の出力における音声信号成分
は図14に示すように低減しないので、適応フィルタ3
d及び3eの係数更新動作は停止しないようになってい
る。
【0085】以上より、無言時あるいは通信機10から
の受信信号が無い場合、本実施例の騒音制御ヘッドセッ
トは、図1の実施例1で説明したように耳元での騒音を
低減する。そして無言時に適応フィルタ3c〜3eによ
りマイクロホン1fからの検出信号に含まれる周囲騒音
信号を低減できる。音声発生時あるいは通信機10から
の受信信号がある場合には、騒音を低減しながら適応フ
ィルタ3a及び3bが不安定にならないようにできる。
そして音声発生時に音声信号に混入する周囲騒音成分を
低減しながら適応フィルタ3cが不安定にならないよう
に、あるいは音声信号を低減してしまわないようにでき
る。また、無言時に余計な周囲騒音を相手に送信しない
ことと通信機10の消費電力を低減することが可能とな
る。
【0086】なお、本実施例ではヘッドホン7a及び7
bをヘッドバンド8で結合する構成としているが、図7
に示すようにヘルメット11に取り付ける構成でもよ
い。また、ヘッドホン7a及び7bについては、密閉型
でも開放型でもよく、さらにイヤホン型でもよい。ま
た、加算器2a及び2bの後でアナログの加算信号をデ
ジタル信号に変換すれば、ADコンバータが削減でき
る。
【0087】さらに、音声判別器13および受信信号判
別器14は、マイクロホン1fからの音声信号と通信機
10からの受信信号をデジタル化して所定の音声検出ア
ルゴリズムにより音声判別してもよいが、例えば音声信
号をアナログ信号のまま、コンパレータによって基準し
きい値と比較して判別する構成でもよい。また、マイク
ロホン1aとマイクロホン1fの振動板直径は、同じで
もよいが、マイクロホン1fの振動板直径の方がマイク
ロホン1aの2倍以上あれば、より好ましい。
【0088】さらにLMS演算器5a〜5cは、Fxフ
ィルタ4a及び4bの出力およびマイクロホン1aの出
力により、マイクロホン1d及び1eと減算器17から
の誤差信号を正規化する、いわゆる学習同定法であって
もよい。加えて、図21に示すように、LMS演算器5
d及び5eの誤差信号をスイッチ15e及び15fによ
って制御するようにしてもよい。この場合、音声判別器
13で音声があると判断すればスイッチ15e及び15
fを開放し、無言と判断すればスイッチ15e及び15
fを導通することにより、減算器17に含まれる音声レ
ベルが大きい場合でも、適応フィルタ3d及び3eが不
安定にならないようにできる。
【0089】通信機10は、騒音制御ヘッドセットとし
て内蔵してよく、あるいは外部の通信機を使用してもよ
い。さらに、図8で説明したように、図19において加
算器2a及び2bがマイクロホン1a、1b及び1cの
検出信号を全て加算する構成でもよい。
【0090】《実施例6》実施例6を図22を参照して
説明する。図22は本発明の実施例6における騒音制御
ヘッドセットのブロック図を示すものである。図22に
おいて、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された騒
音制御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された第1
の騒音検出器であるところのマイクロホン1a、左側ヘ
ッドホン7aのキャビネットの外側に配置された第2の
騒音検出器であるところのマイクロホン1b、右側ヘッ
ドホン7bのキャビネットの外側に配置された第3の騒
音検出器であるところのマイクロホン1c、キャビネッ
ト内に配置された第1の誤差検出器であるところのマイ
クロホン1d、キャビネット内に配置された第2の誤差
検出器であるところのマイクロホン1e、口元に配置さ
れた音声検出器であるところのマイクロホン1fを有す
る。マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信号加
算器であるところの加算器2aに入力され、マイクロホ
ン1a、1cの出力は第2の騒音信号加算器であるとこ
ろの加算器2bに入力される。無線又は有線の通信機1
0の受信信号は第1の出力信号加算器であるところの加
算器2c、第2の出力信号加算器であるところの加算器
2dに入力される。加算器2a、2bの出力は、第1の
適応フィルタ3a、第2の適応フィルタ3b(図中では
AFIRと表示する)、にそれぞれ入力される。また加
算器2a、2bの出力は第1の伝達関数補正器であると
ころのFxフィルタ4a、第2の伝達関数補正器である
ところのFxフィルタ4bにそれぞれ入力される。Fx
フィルタ4a、4bの出力は第1の係数更新器であると
ころのLMS(最小二乗平均)演算器5a、第2の係数
更新器であるところのLMS演算器5bにそれぞれ入力
される。マイクロホン1d、1eの出力はそれぞれのス
イッチ15a、15bを介してLMS演算器5a、5b
に入力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フ
ィルタ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ
3a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホン7b
のキャビネット内にあるスピーカ6bにそれぞれ入力さ
れる。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホン7bはヘッ
ドバンド8で結合されている。支持アーム9はマイクロ
ホン1a、1fを口元に近づけるように支持する。マイ
クロホン1fの出力は音声判別器13と遅延器16aに
入力される。また前記の受信信号は受信信号判別器14
にも入力される。遅延器16aの出力は減算器17aに
入力される。マイクロホン1aの出力は第3の適応フィ
ルタ3cと第3のLMS演算器5cにも入力される。第
3のLMS演算器5cの出力は第3の適応フィルタ3c
に入力され、第3の適応フィルタ3cの出力は減算器1
7bに入力される。減算器17bの出力はスイッチ15
cを介してLMS演算器5cに入力され、ミュート回路
であるところのスイッチ15dを介して通信機10と加
算器2c、2dに入力される。マイクロホン1bの出力
は第4の適応フィルタ3dと第4のLMS演算器5dに
も入力される。またマイクロホン1cの出力は第5の適
応フィルタ3eと第5のLMS演算器5eにも入力され
る。適応フィルタ3d、3eの出力は減算器17aに入
力される。LMS演算器5dの出力は適応フィルタ3d
に入力され、LMS演算器5eの出力は適応フィルタ3
eに入力される。減算器17aの出力はLMS演算器5
d、5eに入力され、かつ遅延器16bを経て減算器1
7bに入力される。本実施例の騒音制御ヘッドセット
は、図19における騒音制御ヘッドセットの構成要素に
遅延器16aと、減算器17aを加えたものであり、以
下にその動作について説明する。
【0091】マイクロホン1fで検出された周囲騒音の
信号は、遅延器16aで所定時間の、適応フィルタ3d
及び3eが因果律を満たす時間だけ遅延され、減算器1
7aに入力される。一方、マイクロホン1bで検出され
た騒音信号は適応フィルタ3dで信号処理される。また
マイクロホン1cで検出された騒音信号は適応フィルタ
3eで信号処理される。適応フィルタ3d及び3eの出
力は減算器17aに入力される。減算器17aでは、遅
延器16aの出力から適応フィルタ3d及び3eの出力
が減算される。LMS演算器5dは、マイクロホン1b
からの騒音信号と減算器17aからの誤差信号により、
減算器17aからの誤差信号を最小にするように適応フ
ィルタ3dの係数を更新する。またLMS演算器5e
は、マイクロホン1cからの騒音信号と減算器17aか
らの誤差信号により、減算器17aからの誤差信号を最
小にするように適応フィルタ3eの係数を更新する。こ
れによって、減算器17aの出力信号に含まれる騒音成
分が低減されることになる。
【0092】次に、減算器17aの出力は遅延器16b
で所定の、適応フィルタ3cが因果律を満たす時間だけ
遅延され、減算器17bに入力される。一方マイクロホ
ン1aで検出された騒音信号は、適応フィルタ3cで信
号処理され、その出力が減算器17bに入力される。減
算器17bでは、遅延器16bの出力から適応フィルタ
3cの出力が減算され、その結果の出力信号がスイッチ
15c及び15dに入力される。LMS演算器5cは、
マイクロホン1aからの騒音信号とスイッチ15cから
の誤差信号により、スイッチ15cからの誤差信号を最
小にするように適応フィルタ3cの係数を演算し更新す
る。これによって、減算器17bの出力信号に含まれる
騒音成分が低減されることになる。
【0093】ここで、マイクロホン1a、1fは実施例
3の場合と同様に、図11あるいは図16に示されるよ
うに構成されており、そのときの制御効果は、図20の
グラフのようになる。図20において、曲線Bは騒音制
御を行わないときの減算器17の出力レベルであり、曲
線Cは騒音制御を行うときの同出力レベルである。ま
た、音声判別器13および受信信号判別器14による適
応フィルタ3a、3b及び3cの係数更新動作の制御
と、スイッチ15dの制御、および通信機10の送信用
電源の制御については、その動作と効果は実施例5の場
合と同様である。
【0094】以上より、無言時あるいは通信機10から
の受信信号が無い場合、本実施例の騒音制御ヘッドセッ
トは、図1の実施例1で説明したように耳元での騒音を
低減する。そして無言時に適応フィルタ3c、3d及び
3eによりマイクロホン1fからの検出信号に含まれる
周囲騒音信号を低減できる。音声発生時あるいは通信機
10からの受信信号がある場合には、騒音を低減しなが
ら適応フィルタ3a及び3bが不安定にならないように
できる。そして音声発生時に音声信号に混入する周囲騒
音成分を低減しながら適応フィルタ3cが不安定になら
ないように、あるいは音声信号を低減してしまわないよ
うにできる。また、無言時に余計な周囲騒音を相手に送
信しないことと通信機10の消費電力を低減することが
可能となる。
【0095】また、遅延器16a及び16bと減算器1
7a及び17bを設けたことにより、適応フィルタ3
c、3d及び3eに実現すべき係数のインパルス応答を
最適に調整することができる。なお、本実施例ではヘッ
ドホン7a及び7bをヘッドバンド8で結ぶ構成として
いるが、図7に示すようにヘルメット11に取り付ける
構成でもよい。また、ヘッドホン7a及び7bについて
は、密閉型でも開放型でもよく、さらにイヤホン型でも
よい。
【0096】また、加算器2a及び2bの後でアナログ
の加算信号をデジタル信号に変換すれば、ADコンバー
タが削減できる。さらに、音声判別器13および受信信
号判別器14は、マイクロホン1fからの音声信号と通
信機10からの受信信号をデジタル化して所定の音声検
出アルゴリズムにより音声判別してもよいが、例えば音
声信号をアナログ信号のまま、コンパレータによって基
準しきい値と比較して判別する構成でもよい。
【0097】また、マイクロホン1aとマイクロホン1
fの振動板直径は、同じでもよいが、マイクロホン1f
の振動板直径の方がマイクロホン1aの2倍以上あれ
ば、より好ましい。さらにLMS演算器5a、5b及び
5cは、Fxフィルタ4a及び4bの出力およびマイク
ロホン1aの出力により、マイクロホン1d及び1eと
減算器17からの誤差信号を正規化する、いわゆる学習
同定法であってもよい。
【0098】加えて、図21に示す実施例5で説明した
ように、図22においてLMS演算器5d及び5eの誤
差信号をスイッチ15e及び15fを設けて制御するよ
うにしてもよい。さらに、図8で説明したように、図2
2において、加算器2a及び2bがマイクロホン1a、
1b及び1cの検出信号を全て加算する構成でもよい。
通信機10は、騒音制御ヘッドセットとして内蔵して
も、あるいは外部の通信機を使用してもよい。
【0099】《実施例7》実施例7を図23を参照して
説明する。図23は本発明の実施例7における騒音制御
ヘッドセットのブロック図を示すものである。図23に
おいて、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された騒
音制御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された第1
の騒音検出器であるところのマイクロホン1a、左側ヘ
ッドホン7aのキャビネットの外側に配置された第2の
騒音検出器であるところのマイクロホン1b、右側ヘッ
ドホン7bのキャビネットの外側に配置された第3の騒
音検出器であるところのマイクロホン1c、キャビネッ
ト内に配置された第1の誤差検出器であるところのマイ
クロホン1d、キャビネット内に配置された第2の誤差
検出器であるところのマイクロホン1e、口元に配置さ
れた音声検出器であるところのマイクロホン1fを有す
る。マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信号加
算器であるところの加算器2aに入力され、マイクロホ
ン1a、1cの出力は第2の騒音信号加算器であるとこ
ろの加算器2bに入力される。無線又は有線の通信機1
0の受信信号は第1の出力信号加算器であるところの加
算器2c、第2の出力信号加算器であるところの加算器
2dに入力される。加算器2a、2bの出力は、第1の
適応フィルタ3a、第2の適応フィルタ3b(図中では
AFIRと表示する)、にそれぞれ入力される。また加
算器2a、2bの出力は第1の伝達関数補正器であると
ころのFxフィルタ4a、第2の伝達関数補正器である
ところのFxフィルタ4bにそれぞれ入力される。Fx
フィルタ4a、4bの出力は第1の係数更新器であると
ころのLMS(最小二乗平均)演算器5a、第2の係数
更新器であるところのLMS演算器5bにそれぞれ入力
される。マイクロホン1d、1eの出力はそれぞれのス
イッチ15a、15bを介してLMS演算器5a、5b
に入力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フ
ィルタ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ
3a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット27a内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホ
ン7bのキャビネット27b内にあるスピーカ6bにそ
れぞれ入力される。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホ
ン7bはヘッドバンド8で結合されている。支持アーム
9はマイクロホン1a、1fを口元に近づけるように支
持する。マイクロホン1fの出力は音声判別器13と遅
延器16aに入力される。また前記の受信信号は受信信
号判別器14にも入力される。遅延器16aの出力は減
算器17に入力される。マイクロホン1aの出力は遅延
器16bを経て第3の適応フィルタ3cと第3のLMS
演算器5cにも入力される。第3のLMS演算器5cの
出力は第3の適応フィルタ3cに入力され、第3の適応
フィルタ3cの出力は減算器17に入力される。減算器
17の出力はスイッチ15cを介してLMS演算器5c
に入力され、ミュート回路であるところのスイッチ15
dを介して無線通信機10に入力される。音声判別器1
3の出力はミュート制御回路19に入力され、ミュート
制御回路19の出力は無線通信機10に入力される。マ
イクロホン1bの出力は第4の適応フィルタ3dと第4
のLMS演算器5dにも入力される。またマイクロホン
1cの出力は第5の適応フィルタ3eと第5のLMS演
算器5eにも入力される。LMS演算器5d、5eの出
力はそれぞれ適応フィルタ3d、3eに入力される。適
応フィルタ3d、3eの出力は減算器17に入力され
る。本実施例の騒音制御ヘッドセットは、図17におけ
る騒音制御ヘッドセットの構成要素に第4及び第5の適
応フィルタ3d及び3eと、第4及び第5のLMS演算
器5d及び5eを加えたものであり、以下にその動作に
ついて説明する。
【0100】マイクロホン1fで検出された周囲騒音の
信号は、遅延器16aで所定の、適応フィルタ3cが因
果律を満たす時間だけ遅延され、減算器17に入力され
る。一方、マイクロホン1aで検出された騒音信号は、
遅延器16bで所定の、音声判別器13が音声を確実に
判別するのに要する時間だけ遅延され、適応フィルタ3
cで信号処理され、その出力が減算器17に入力され
る。マイクロホン1bで検出された騒音信号は、適応フ
ィルタ3dで信号処理され、マイクロホン1cで検出さ
れた騒音信号は、適応フィルタ3eで信号処理され、そ
れぞれの出力が減算器17に入力される。減算器17で
は、遅延器16aの出力から適応フィルタ3c、3d及
び3eの出力が減算され、その結果の出力信号はスイッ
チ15c及び15dとLMS演算器5d及び5eに入力
される。LMS演算器5cは、遅延器16bからの騒音
信号とスイッチ15cからの誤差信号により、スイッチ
15cからの誤差信号を最小にするように適応フィルタ
3cの係数を演算し更新する。同様に、LMS演算器5
dは、マイクロホン1bからの騒音信号と減算器17か
らの誤差信号により、減算器17からの誤差信号を最小
にするように適応フィルタ3dの係数を更新する。LM
S演算器5eは、マイクロホン1cからの騒音信号と減
算器17からの誤差信号により、減算器17からの誤差
信号を最小にするように適応フィルタ3eの係数を更新
する。これによって、減算器17の出力信号に含まれる
騒音成分が低減されることになる。
【0101】ここで、マイクロホン1a及び1fは図1
1あるいは図16に示されるように構成されており、そ
のときの制御効果は、図20のグラフに示すようにな
る。また、音声判別器13および受信信号判別器14に
よる適応フィルタ3a、3b及び3cの係数更新動作の
制御と、ミュート制御回路19とスイッチ15dの制
御、および通信機10の送信用電源の制御については、
その動作と効果は図17に示す実施例4の場合と同様で
ある。
【0102】以上より、無言時あるいは通信機10から
の受信信号が無い場合、本実施例の騒音制御ヘッドセッ
トは、実施例1で説明したように耳元での騒音を低減す
る。そして無言時に適応フィルタ3c、3b及び3eに
よりマイクロホン1fからの検出信号に含まれる周囲騒
音信号を低減できる。音声発生時あるいは通信機10か
らの受信信号がある場合には、騒音を低減しながら適応
フィルタ3a及び3bが不安定にならないようにでき
る。そして音声発生時に音声信号に混入する周囲騒音成
分を低減しながら適応フィルタ3cが不安定にならない
ように、あるいは音声信号を低減してしまわないように
できる。また、無言時に余計な周囲騒音を相手に送信し
ないことと通信機10の消費電力を低減することが可能
となる。さらに、ミュート制御回路19の出力により通
信機10の送信用電源を制御することにより、スイッチ
15dが導通状態の期間と送信用電源が入っている期間
が同じになるので、音声信号を途切れることなく相手に
送信できる。
【0103】なお、本実施例ではヘッドホン7a及び7
bをヘッドバンド8で結合する構成としているが、図7
に示すようにヘルメット11に取り付ける構成でもよ
い。また、ヘッドホン7a及び7bについては、密閉型
でも開放型でもよく、さらにイヤホン型でもよい。ま
た、加算器2a及び2bの後でアナログの加算信号をデ
ジタル信号に変換すれば、ADコンバータが削減でき
る。
【0104】さらに、音声判別器13と受信信号判別器
14は、マイクロホン1fからの音声信号と通信機10
からの受信信号をデジタル化して所定の音声検出アルゴ
リズムにより音声判別してもよいが、例えば音声信号を
アナログ信号のまま、コンパレータによって基準しきい
値と比較して判別する構成でもよい。また、マイクロホ
ン1aとマイクロホン1fの振動板直径は、同じでもよ
いが、マイクロホン1fの振動板直径の方がマイクロホ
ン1aの2倍以上あれば、より好ましい。
【0105】さらにLMS演算器5a、5b及び5c
は、Fxフィルタ4a及び4bの出力および遅延器16
bの出力により、マイクロホン1d及び1eと減算器1
7からの誤差信号を正規化する、いわゆる学習同定法で
あってもよい。通信機10は、騒音制御ヘッドセットと
して内蔵しても、あるいは外部の通信機を使用してもよ
い。
【0106】加えて、図21で説明したように、図23
においてLMS演算器5d及び5eの誤差信号をスイッ
チ15e及び15fを設けて制御するようにしてもよ
い。さらに、実施例1の図8で説明したように、図23
において加算器2a及び2bがマイクロホン1a及び1
cの検出信号を全て加算する構成でもよい。
【0107】《実施例8》実施例8を図24を参照して
説明する。図24は本発明の実施例8における騒音制御
ヘッドセットのブロック図を示すものである。図24に
おいて、ヘッドホンと音声検出器が一体に構成された騒
音制御ヘッドセットは、使用者の口元に配置された第1
の騒音検出器であるところのマイクロホン1a、左側ヘ
ッドホン7aのキャビネットの外側に配置された第2の
騒音検出器であるところのマイクロホン1b、右側ヘッ
ドホン7bのキャビネットの外側に配置された第3の騒
音検出器であるところのマイクロホン1c、キャビネッ
ト内に配置された第1の誤差検出器であるところのマイ
クロホン1d、キャビネット内に配置された第2の誤差
検出器であるところのマイクロホン1e、口元に配置さ
れた音声検出器であるところのマイクロホン1fを有す
る。マイクロホン1a、1bの出力は第1の騒音信号加
算器であるところの加算器2aに入力され、マイクロホ
ン1a、1cの出力は第2の騒音信号加算器であるとこ
ろの加算器2bに入力される。無線又は有線の通信機1
0の受信信号は第1の出力信号加算器であるところの加
算器2c、第2の出力信号加算器であるところの加算器
2dに入力される。加算器2a、2bの出力は、第1の
適応フィルタ3a、第2の適応フィルタ3b(図中では
AFIRと表示する)、にそれぞれ入力される。また加
算器2a、2bの出力は第1の伝達関数補正器であると
ころのFxフィルタ4a、第2の伝達関数補正器である
ところのFxフィルタ4bにそれぞれ入力される。Fx
フィルタ4a、4bの出力は第1の係数更新器であると
ころのLMS(最小二乗平均)演算器5a、第2の係数
更新器であるところのLMS演算器5bにそれぞれ入力
される。マイクロホン1d、1eの出力はそれぞれのス
イッチ15a、15bを介してLMS演算器5a、5b
に入力される。LMS演算器5a、5bの出力は適応フ
ィルタ3a、3bにそれぞれ入力される。適応フィルタ
3a、3bの出力は加算器2c、2dにそれぞれ入力さ
れ、加算器2c、2dの出力は左側ヘッドホン7aのキ
ャビネット内にあるスピーカ6a、右側ヘッドホン7b
のキャビネット内にあるスピーカ6bにそれぞれ入力さ
れる。左側ヘッドホン7aと右側ヘッドホン7bはヘッ
ドバンド8で結合されている。支持アーム9はマイクロ
ホン1a、1fを口元に近づけるように支持する。マイ
クロホン1fの出力は音声判別器13と遅延器16aに
入力される。また前記の受信信号は受信信号判別器14
にも入力される。遅延器16aの出力は減算器17aに
入力される。マイクロホン1aの出力は遅延器16bを
経て第3の適応フィルタ3cと第3のLMS演算器5c
にも入力される。第3のLMS演算器5cの出力は第3
の適応フィルタ3cに入力され、第3の適応フィルタ3
cの出力は減算器17bに入力される。減算器17bの
出力はスイッチ15cを介してLMS演算器5cに入力
され、ミュート回路であるところのスイッチ15dを介
して通信機10に入力される。音声判別器13の出力は
ミュート制御回路19に入力され、ミュート制御回路1
9の出力は通信機10に入力される。マイクロホン1b
の出力は第4の適応フィルタ3dと第4のLMS演算器
5dにも入力される。またマイクロホン1cの出力は第
5の適応フィルタ3eと第5のLMS演算器5eにも入
力される。LMS演算器5d、5eの出力はそれぞれ適
応フィルタ3d、3eに入力される。適応フィルタ3
d、3eの出力は減算器17aに入力される。減算器1
7aの出力は遅延器16cを経て減算器17bに入力さ
れる。本実施例の騒音制御ヘッドセットは、図23にお
ける騒音制御ヘッドセットの構成要素に遅延器16a
と、減算器17aを加えたものであり、以下にその動作
について説明する。
【0108】マイクロホン1fで検出された周囲騒音の
信号は、遅延器16aで所定時間の、適応フィルタ3d
及び3eが因果律を満たす時間だけ遅延され、減算器1
7aに入力される。一方、マイクロホン1bで検出され
た騒音信号は、適応フィルタ3dで信号処理され、また
マイクロホン1cで検出された騒音信号は、適応フィル
タ3eで信号処理され、それぞれの出力が減算器17a
に入力される。減算器17aでは、遅延器16aの出力
から適応フィルタ3d及び3eの出力が減算され、結果
の出力はLMS演算器5d及び5eに入力される。そし
てLMS演算器5dは、マイクロホン1bからの騒音信
号と減算器17aからの誤差信号により、減算器17a
からの誤差信号を最小にするように適応フィルタ3dの
係数を更新する。またLMS演算器5eは、マイクロホ
ン1cからの騒音信号と減算器17aからの誤差信号に
より、減算器17aからの誤差信号を最小にするように
適応フィルタ3eの係数を更新する。これによって、減
算器17aの出力信号に含まれる騒音成分が低減される
ことになる。
【0109】次に、減算器17aの出力は、遅延器16
cで所定時間の、適応フィルタ3cが因果律を満たす時
間だけ遅延され、減算器17bに入力される。一方、マ
イクロホン1aで検出された騒音信号は、遅延器16b
で所定時間の、音声判別器13が音声を確実に判別する
のに要する時間だけ遅延され、適応フィルタ3cで信号
処理され、その出力が減算器17b入力される。減算器
17bでは、遅延器16cの出力から適応フィルタ3c
の出力が減算され、その結果の信号をスイッチ15c及
び15dに入力する。これによって、減算器17bの出
力信号に含まれる騒音成分が低減されることになる。
【0110】ここで、マイクロホン1a、1fは実施例
7の場合と同様に、図11あるいは図16に示されるよ
うに構成されており、そのときの制御効果は、図20の
グラフに示すようにとなる。また、音声判別器13およ
び受信信号判別器14による適応フィルタ3a、3b及
び3cの係数更新動作の制御と、ミュート制御回路19
とスイッチ15dの制御、および通信機10の送信用電
源の制御については、その動作と効果は図23に示す実
施例7の場合と同様である。
【0111】以上により、無言時あるいは通信機10か
らの受信信号が無い場合、本実施例の騒音制御ヘッドセ
ットは、図1の実施例1で説明したように耳元での騒音
を低減する。そして無言時に適応フィルタ3c、3d及
び3eによりマイクロホン1fからの検出信号に含まれ
る周囲騒音信号を低減できる。音声発生時あるいは通信
機10からの受信信号がある場合には、騒音を低減しな
がら適応フィルタ3a及び3bが不安定にならないよう
にできる。そして音声発生時に音声信号に混入する周囲
騒音成分を低減しながら適応フィルタ3cが不安定にな
らないように、あるいは音声信号を低減してしまわない
ようにできる。また、無言時に余計な周囲騒音を相手に
送信しないことと通信機10の消費電力を低減すること
が可能となる。さらに、ミュート制御回路19の出力に
より通信機10の送信用電源を制御することにより、ス
イッチ15dが導通状態の期間と送信用電源が入ってい
る期間が同じになるので、音声信号を途切れることなく
相手に送信できる。
【0112】また、遅延器16a及び16cと減算器1
7a及び17bを設けたことにより、適応フィルタ3
c、3d及び3eに実現するべき係数のインパルス応答
を最適に調整することができる。なお、本実施例ではヘ
ッドホン7a及び7bをヘッドバンド8で結合する構成
としているが、図7に示すようにヘルメット11に取り
付ける構成でもよい。また、ヘッドホン7a及び7bに
ついては、密閉型でも開放型でもよく、さらにイヤホン
型でもよい。
【0113】また、加算器2a及び2bの処理の後でア
ナログの加算信号をデジタル信号に変換すれば、ADコ
ンバータが削減できる。さらに、音声判別器13と受信
信号判別器14は、マイクロホン1fからの音声信号と
通信機10からの受信信号をデジタル化して所定の音声
検出アルゴリズムにより音声判別してもよいが、例えば
音声信号をアナログ信号のまま、コンパレータによって
基準しきい値と比較して判別する構成でもよい。
【0114】また、マイクロホン1aとマイクロホン1
fの振動板直径は、同じでもよいが、マイクロホン1f
の振動板直径の方がマイクロホン1aの2倍以上あれ
ば、より好ましい。さらにLMS演算器5a、5b及び
5cは、Fxフィルタ4a及び4bの出力および遅延器
16bの出力により、マイクロホン1d及び1eと減算
器17からの誤差信号を正規化する、いわゆる学習同定
法であってもよい。
【0115】通信機10は、騒音制御ヘッドセットとし
て内蔵していても、あるいは外部の通信機を使用しても
よい。加えて、図21で説明したように、図24におい
てLMS演算器5d及び5eの誤差信号をスイッチ15
e及び15fを設けて制御するようにしてもよい。さら
に、実施例1の図8で説明したように、図24において
加算器2a及び2bがマイクロホン1a及び1cの検出
信号を全て加算する構成でもよい。
【0116】
【発明の効果】以上のように図1の実施例について説明
した第1の発明によれば、 口元近傍の第1の騒音検出
器と左右のヘッドホンに設置された第2および第3の騒
音検出器からの騒音信号を、それぞれ第1および第2の
騒音信号加算器で加算し、その出力を第1および第2の
適応フィルタのリファレンス信号とする。これによっ
て、使用者が騒音制御ヘッドセットを装着した状態で移
動することによる騒音源と制御点の相対位置の変化があ
った場合や、外部騒音が複数存在する場合や、残響時間
の長い反射性の部屋あるいは大きな部屋の場合にも、広
帯域ランダム騒音の制御、あるいは周期性騒音の制御を
安定に行うことができ、しかも消音効果を十分に得るこ
とができる。さらに音声検出器の出力と第1および第2
の適応フィルタの出力と通信機からの受信信号を第1お
よび第2の出力信号加算器で加算して、左側ヘッドホン
と右側ヘッドホンより再生する。これによって、自己の
音声と通信機を介した相手の音声のモニタを実現でき
る。
【0117】また図9の実施例について説明した第2の
発明によれば、第1の発明の効果に加えて、音声判別器
と受信信号判別器により自己の音声発生時あるいは受信
信号検出時には第1および第2の適応フィルタのそれぞ
れの第1および第2の係数更新器の係数更新動作を停止
することにより、自己音声および相手音声のモニタによ
る消音制御時の誤動作を防止する。また自己の音声発生
時以外は通信機へ自己音声を送信せず、さらに通信機の
省電力化を可能とする。さらに図10の実施例について
説明した第3の発明によれば、第2の発明の効果に加え
て、第3の適応フィルタにより自己の音声信号に含まれ
る周囲騒音を能動的に低減し、さらに音声判別器により
自己の音声発生時の第3の適応フィルタの誤動作を防止
することができる。
【0118】さらに図17の実施例について説明した第
4の発明によれば、第3の発明の効果に加えて、第1お
よび第2の遅延器を用いて自己の音声の音声判別に有す
る時間を補償する。これによって、自己の音声のモニタ
よる消音制御時の誤動作および自己の音声信号の騒音制
御時の誤動作の防止を確実なものにすることができる。
さらにミュート制御回路で音声判別器からの音声検出信
号がなくなってから一定時間後に自己の音声をミュート
することにより、自己の音声のモニタおよび通信機への
送信時における音声信号の欠落を防止することである。
【0119】また図19の実施例について説明した第5
の発明によれば、音声信号に含まれる周囲騒音を低減す
るために、第1、第2および第3の騒音検出器の信号を
それぞれ第3、第4および第5の適応フィルタのリファ
レンス信号として用い音声検出器からの出力を制御する
ことにより、第3の発明の効果をさらに精度よく実現で
きる。本発明の第6の発明によれば、第4の発明の効果
に加えて、音声信号に含まれる周囲騒音の信号を低減す
るために、第1、第2および第3の騒音検出器の信号を
それぞれ第3、第4および第5の適応フィルタのリファ
レンス信号として用いて音声検出器からの出力を制御す
ることにより、第4の発明の効果をさらに精度よく実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の騒音制御ヘッドセットを示
すブロック図である。
【図2】(a)は各マイクロホンの設置場所を示す右側
面図である。(b)は各マイクロホンの設置場所を示す
平面図である。(c)は各マイクロホンの設置場所を示
す左側面図である。
【図3】各マイクロホンと騒音到来方向の位置関係を示
す図である。
【図4】拡散音場でのヘッドホンの騒音制御効果を示す
グラフである。
【図5】直接音場でのヘッドホンの騒音制御効果を示す
グラフである。
【図6】1KHzの周期騒音のある音場でのヘッドホン
の騒音制御効果を示すグラフである。
【図7】(a)は本発明のヘルメットへの応用を示す平
面図である。(b)は本発明のヘルメットへの応用を示
す左側面図である。
【図8】実施例1の他の例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例2の騒音制御ヘッドセットを示
すブロック図である。
【図10】本発明の実施例3の騒音制御ヘッドセットを
示すブロック図である。
【図11】(a)は実施例3におけるマイクロホン1a
とマイクロホン1fの位置関係を示す正面図である。
(b)は実施例3におけるマイクロホン1aとマイクロ
ホン1fの位置関係を示す側面図である。(c)は実施
例3におけるマイクロホン1aとマイクロホン1fの位
置関係を示す背面図である。
【図12】実施例3におけるマイクロホン1aとマイク
ロホン1fの指向性を示す図である。
【図13】拡散音場での音声マイクの騒音制御効果を示
すグラフである。
【図14】騒音制御の影響による音声マイクの特性変化
を示すグラフである。
【図15】直接音場での音声マイクの騒音制御効果を示
すグラフである。
【図16】(a)は実施例3の他の例におけるマイクロ
ホン1aとマイクロホン1fの位置関係を示す正面図で
ある。(b)は実施例3の他の例におけるマイクロホン
1aとマイクロホン1fの位置関係を示す側面図であ
る。(c)は実施例3の他の例におけるマイクロホン1
aとマイクロホン1fの位置関係を示す背面図である。
【図17】本発明の実施例4の騒音制御ヘッドセットを
示すブロック図である。
【図18】実施例4における音声判別回路の1例を示す
ブロック図である。
【図19】本発明の実施例5の騒音制御ヘッドセットを
示すブロック図である。
【図20】拡散音場での音声マイクの騒音制御効果を示
すグラフである。
【図21】実施例5の他の例を示すブロック図である。
【図22】本発明の実施例6の騒音制御ヘッドセットを
示すブロック図である。
【図23】本発明の実施例7の騒音制御ヘッドセットを
示すブロック図である。
【図24】本発明の実施例8の騒音制御ヘッドセットを
示すブロック図である。
【図25】従来の騒音制御ヘッドホンを示すブロック図
である。
【図26】従来の適応フィルタを示すブロック図であ
る。
【図27】従来の騒音制御ヘッドホンの他の例を示すブ
ロック図である。
【図28】従来の騒音制御ヘッドホンの更に他の例を示
すブロック図である。
【図29】従来の騒音制御ヘッドホンの更に他の例を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d、1e、1f マイクロホン 2a、2b、2c、2d 加算器 3a、3b、3c、3d、3e 適応フィルタ 4a、4b Fxフィルタ 5a、5b、5c、5d、5e LMS演算器 6a、6b スピーカ 7a、7b ヘッドホン 8 ヘッドバンド 9 支持アーム 10 通信機 11 ヘルメット 13 音声判別器 14 受信信号判別器 15a、15b、15c、15d、15e、15f ス
イッチ 16、16a、16b、16c 遅延器 17、17a、17b 減算器 18 吸音材 19 ミュート制御回路 20 バンドパスフィルタ 21a、21b パワー演算器 22a、22b 比較器 23 マイクロホン 24 マイクロホン 25 ヘッドホン 26 適応処理システム 27 アンプ 28 耳 28A 外耳道 29 減算器 30 システム 31 ヘッドホン 32 マイクロホン 32a 誤差信号線 33 スピーカ 33a 制御信号線 34 信号処理装置 34a 接続ケーブル 34b プラグ 35 検出センサ 35a 増幅器 36 ミキサ 36a 出力ジャック 37a 無線受信機 37b 無線送信機 38−l、38−n 機械
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04R 1/10 101 H04R 5/033 Z 5/033 G10K 11/16 H (72)発明者 毛利 哲也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャビ
    ネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近傍
    に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられ、主として周囲の
    騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記音声検出器の出力
    と、他の人との通信を行う通信手段からの受信信号とを
    加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記音声検出器の出力
    と前記通信手段からの受信信号を加算する第2の出力信
    号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器と、 を有し、但し、 前記音声検出器は使用者の口の方向に強い指向性を有す
    る単一指向性あるいは双指向性を有し、その出力信号を
    前記通信手段の送信信号とし、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は右側ヘッドホンから
    第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れている、よう構成したことを特徴とする騒音制御ヘッ
    ドセット。
  2. 【請求項2】 前記音声検出器が使用者の口元に来るよ
    うに騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、前
    記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネット
    の外側を、使用者の側方から見た場合に、左側ヘッドホ
    ンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と
    右上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り付
    けられている、 ことを特徴とする請求項1記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記音声検出器が使用者の口元に来るよ
    うに騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、前
    記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネット
    の外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッドホ
    ンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と
    右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り付
    けられている、 ことを特徴とする請求項1記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  4. 【請求項4】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャビ
    ネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近傍
    に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声
    判別器と、 他の人との通信を行なう通信手段の受信信号の有無を判
    断する受信信号判別器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記音声検出器の出力
    と前記通信手段からの受信信号とを加算する第1の出力
    信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記音声検出器の出力
    と前記通信手段からの受信信号を加算する第2の出力信
    号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器とを有し、但し前記音声
    検出器は使用者の口の方向に強い指向性を有する単一指
    向性あるいは双指向性を有し、前記音声判別器により音
    声が発生していると判断した間だけその出力信号を前記
    通信手段の送信信号および前記第1、第2の出力信号加
    算器への入力信号として用いており、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は、右側ヘッドホンか
    ら第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようにな
    されており、 前記第1および第2の係数更新器は前記音声判別器によ
    り音声が発生していると判断した場合、あるいは前記受
    信信号判別器により受信信号が存在すると判断した場合
    の少なくともいずれかの場合の間だけ、前記第1および
    第2の適応フィルタの係数更新を停止するよう構成した
    ことを特徴とする騒音制御ヘッドセット。
  5. 【請求項5】 前記音声検出器が使用者の口元に来るよ
    うに騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、前
    記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネット
    の外側を使用者の側方から見た場合に、左側ヘッドホン
    の中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と右
    上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り付け
    られている、 ことを特徴とする請求項4記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記音声検出器が使用者の口元に来るよ
    うに騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、前
    記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネット
    の外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッドホ
    ンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と
    右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り付
    けられている、 ことを特徴とする請求項4記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  7. 【請求項7】 音声判別器が音声を検出している期間、
    通信手段の送信電源が立ち上がっているように制御する
    よう構成したことを特徴とする請求項4記載の騒音制御
    ヘッドセット。
  8. 【請求項8】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャビ
    ネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近傍
    に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声
    判別器と、 他の人との通信を行なう通信手段の受信信号の有無を判
    断する受信信号判別器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第2の出力信号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力とから前記第2の適応フィルタの係数を演
    算して更新する第2の係数更新器と、 前記音声検出器の出力を遅延させる遅延器と、 前記第1の騒音検出器の出力信号を処理する第3の適応
    フィルタと、 前記遅延器の出力から前記第3の適応フィルタの出力を
    減算する減算器と、 前記第1の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
    記第3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3の
    係数更新器と、 前記減算器の出力を通過させるかさせないかを制御する
    ミュート回路とを有し、但し、 前記音声判別器は音声が発生していると判断した間だけ
    前記ミュート回路を導通状態にしてその出力を前記第1
    および第2の出力信号加算器に入力し、第1の出力信号
    加算器において第1の適応フィルタの出力と通信手段か
    らの受信信号とミュート回路の出力が加算され、また第
    2の出力信号加算器において第2の適応フィルタの出力
    と通信手段からの受信信号とミュート回路の出力が加算
    され、さらにミュート回路の出力を前記通信手段の送信
    信号としており、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は、右側ヘッドホンか
    ら第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようにな
    されており、 前記第1および第2の係数更新器は前記音声判別器によ
    り音声が発生していると判断された場合、あるいは前記
    受信信号判別器により受信信号が存在すると判断した場
    合の少なくともいずれかの場合の間だけ、前記第1およ
    び第2の適応フィルタの係数更新を停止し、 前記第3の係数更新器は前記音声判別器により音声が発
    生していると判断した間だけ、前記第3の適応フィルタ
    の係数更新を停止するよう構成したことを特徴とする騒
    音制御ヘッドセット。
  9. 【請求項9】 前記音声検出器が使用者の口元に来るよ
    うに騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、前
    記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネット
    の外側を、使用者の側方から見た場合に、左側ヘッドホ
    ンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と
    右上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り付
    けられている、 ことを特徴とする請求項8記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  10. 【請求項10】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項8記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  11. 【請求項11】 前記第1の騒音検出器は無指向性であ
    り、前記音声検出器は指向性を有する、 ことを特徴とする請求項8記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  12. 【請求項12】 前記音声検出器の振動板直径が前記第
    1の騒音検出器の振動板直径の2倍以上である、 ことを特徴とする請求項8記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  13. 【請求項13】 前記音声検出器は使用者の口の方向へ
    指向性を有するように取り付けられており、 前記第1の騒音検出器は無指向性であり、かつ前記音声
    検出器の指向性を有する方向とは正反対の方向に音孔が
    向くように取り付けられており、 前記音声検出器の指向性を有する方向に垂直である軸上
    で前記音声検出器の真横に前記第1の検出器を設置した
    ことを特徴とする請求項8記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  14. 【請求項14】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔を吸音材で覆った、 ことを特徴とする請求項13記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  15. 【請求項15】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔と、前記正反対の面と同
    じ面にある前記第1の騒音検出器の音孔を吸音材で覆っ
    た、 ことを特徴とする請求項13記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  16. 【請求項16】 前記音声判別器が音声を検出している
    期間、通信手段の送信電源が立ち上がっているように制
    御することを特徴とする請求項8記載の騒音制御ヘッド
    セット。
  17. 【請求項17】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャ
    ビネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近
    傍に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声
    判別器と、 他の人との通信を行なう通信手段の受信信号の有無を判
    断する受信信号判別器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第2の出力信号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器と、 前記音声検出器の出力を遅延させる第1の遅延器と、 前記第1の騒音検出器の出力を遅延させる第2の遅延器
    と、 前記第2の遅延器の出力信号を処理する第3の適応フィ
    ルタと、 前記第1の遅延器の出力から前記第3の適応フィルタの
    出力を減算する減算器と、 前記第2の遅延器の出力と前記減算器の出力から前記第
    3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3の係数
    更新器と、 前記減算器の出力を通過させるかさせないかを制御する
    ミュート回路と、 前記ミュート回路の動作を制御するミュート制御回路
    と、 を有し、但し、 前記音声判別器は音声が発生していると判断した間だけ
    前記ミュート制御回路に音声発生信号を入力し、ミュー
    ト制御回路はその信号を入力している間と音声発生信号
    がなくなってから一定時間内は、前記ミュート回路を導
    通状態にするミュート制御信号を発生させ、その信号を
    ミュート回路に入力している間は導通状態にしてミュー
    ト回路の出力を前記第1および第2の出力信号加算器に
    入力し、第1の出力信号加算器において第1の適応フィ
    ルタの出力と通信手段からの受信信号とミュート回路の
    出力が加算され、また第2の出力信号加算器において第
    2の適応フィルタの出力と通信手段からの受信信号とミ
    ュート回路の出力が加算され、さらにミュート回路の出
    力を前記通信手段の送信信号とし、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は、右側ヘッドホンか
    ら第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようにな
    されており、 前記第1および第2の係数更新器は前記音声判別器によ
    り音声が発生していると判断された場合、あるいは前記
    受信信号判別器により受信信号が存在すると判断された
    場合の少なくともいずれかの間だけ、前記第1および第
    2の適応フィルタの係数更新を停止し、 前記第3の係数更新器は前記音声判別器により音声が発
    生していると判断された間だけ、前記第3の適応フィル
    タの係数更新を停止する、 よう構成したことを特徴とする騒音制御ヘッドセット。
  18. 【請求項18】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、左側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項17記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  19. 【請求項19】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項17記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  20. 【請求項20】 前記第1の騒音検出器は無指向性であ
    り、前記音声検出器は指向性を有することを特徴とする
    請求項17記載の騒音制御ヘッドセット。
  21. 【請求項21】 前記音声検出器の振動板直径が、前記
    第1の騒音検出器の振動板直径の2倍以上である、 ことを特徴とする請求項17記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  22. 【請求項22】 前記音声検出器は使用者の口の方向へ
    指向性を有するように取り付けられており、 前記第1の騒音検出器は無指向性であり、かつ前記音声
    検出器の指向性を有する方向とは正反対の方向に音孔が
    向くように取り付けられており、 前記音声検出器の指向性を有する方向に垂直である軸上
    でしかも前記音声検出器の真横に前記第1の検出器を設
    置した、 ことを特徴とする請求項17記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  23. 【請求項23】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔を吸音材で覆った、 ことを特徴とする請求項22記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  24. 【請求項24】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔と、前記正反対の面と同
    じ面にある前記第1の騒音検出器の音孔を吸音材で覆っ
    た、 ことを特徴とする請求項22記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  25. 【請求項25】 前記ミュート制御回路からのミュート
    制御信号が発生している間だけ通信手段の送信電源が立
    ち上がっているように制御するよう構成したことを特徴
    とする請求項17記載の騒音制御ヘッドセット。
  26. 【請求項26】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャ
    ビネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近
    傍に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声
    判別器と、 他の人との通信を行なう通信手段の受信信号の有無を判
    断する受信信号判別器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第2の出力信号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器と、 前記音声検出器の出力を遅延させる遅延器と、 前記第1の騒音検出器の出力信号を処理する第3の適応
    フィルタと、 前記第2の騒音検出器の出力信号を処理する第4の適応
    フィルタと、 前記第3の騒音検出器の出力信号を処理する第5の適応
    フィルタと、 前記遅延器の出力から前記第3の適応フィルタの出力と
    前記第4の適応フィルタの出力と前記第5の適応フィル
    タの出力とを減算する減算器と、 前記第1の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
    記第3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3の
    係数更新器と、 前記第2の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
    記第4の適応フィルタの係数を演算して更新する第4の
    係数更新器と、 前記第3の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
    記第5の適応フィルタの係数を演算して更新する第5の
    係数更新器と、 前記減算器の出力を通過させるかさせないかを制御する
    ミュート回路と、 を有し、但し、 前記音声判別器は音声が発生していると判断した間だけ
    前記ミュート回路を導通状態にしてその出力を前記第1
    および第2の出力信号加算器に入力し、第1の出力信号
    加算器において第1の適応フィルタの出力と通信手段か
    らの受信信号とミュート回路の出力が加算され、また第
    2の出力信号加算器において第2の適応フィルタの出力
    と通信手段からの受信信号とミュート回路の出力が加算
    され、さらにミュート回路の出力を前記通信手段の送信
    信号としており、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は、右側ヘッドホンか
    ら第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようにな
    されており、 前記第1および第2の係数更新器は前記音声判別器によ
    り音声が発生していると判断した場合、あるいは前記受
    信信号判別器により受信信号が存在すると判断した場合
    の少なくともいずれかの場合の間だけ、前記第1および
    第2の適応フィルタの係数更新を停止し、 前記第3の係数更新器は前記音声判別器により音声が発
    生していると判断した間だけ、前記第3の適応フィルタ
    の係数更新を停止するよう構成したことを特徴とする騒
    音制御ヘッドセット。
  27. 【請求項27】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、左側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り
    付けられていることを特徴とする請求項26記載の騒音
    制御ヘッドセット。
  28. 【請求項28】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項26記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  29. 【請求項29】 前記第4および第5の係数更新器は、
    前記音声判別器により音声が発生していると判断した間
    だけ、前記第4および第5の適応フィルタの係数更新を
    停止するよう構成したことを特徴とする請求項26記載
    の騒音制御ヘッドセット。
  30. 【請求項30】 前記第1の騒音検出器は無指向性であ
    り、前記音声検出器は指向性を有することを特徴とする
    請求項26記載の騒音制御ヘッドセット。
  31. 【請求項31】 前記音声検出器の振動板直径が、前記
    第1の騒音検出器の振動板直径の2倍以上であることを
    特徴とする請求項26記載の騒音制御ヘッドセット。
  32. 【請求項32】 前記音声検出器は使用者の口の方向へ
    指向性を有するように取り付けられており、 前記第1の騒音検出器は無指向性であり、かつ前記音声
    検出器の指向性を有する方向とは正反対の方向に音孔が
    向くように取り付けられており、 前記音声検出器の指向性を有する方向に垂直である軸上
    でしかも前記音声検出器の真横に前記第1の検出器を設
    置したことを特徴とする請求項26記載の騒音制御ヘッ
    ドセット。
  33. 【請求項33】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔を吸音材で覆ったことを
    特徴とする請求項32記載の騒音制御ヘッドセット。
  34. 【請求項34】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔と、前記正反対の面と同
    じ面にある第1の騒音検出器の音孔を吸音材で覆ったこ
    とを特徴とする請求項32記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  35. 【請求項35】 前記音声判別器が音声を検出している
    期間、前記通信手段の送信電源が立ち上がっているよう
    に制御するよう構成したことを特徴とする請求項26記
    載の騒音制御ヘッドセット。
  36. 【請求項36】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャ
    ビネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近
    傍に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声
    判別器と、 前記通信手段の受信信号の有無を判断する受信信号判別
    器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第2の出力信号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器と、 前記音声検出器の出力を遅延させる第1の遅延器と、 前記第1の騒音検出器の出力信号を処理する第3の適応
    フィルタと、 前記第2の騒音検出器の出力信号を処理する第4の適応
    フィルタと、 前記第3の騒音検出器の出力信号を処理する第5の適応
    フィルタと、 前記第1の遅延器の出力から前記第4の適応フィルタの
    出力と前記第5の適応フィルタの出力とを減算する第1
    の減算器と、 前記第1の減算器の出力を遅延させる第2の遅延器と、 前記第2の遅延器の出力から前記第3の適応フィルタの
    出力を減算する第2の減算器と、 前記第1の騒音検出器の出力と前記第2の減算器の出力
    から前記第3の適応フィルタの係数を演算して更新する
    第3の係数更新器と、 前記第2の騒音検出器の出力と前記第1の減算器の出力
    から前記第4の適応フィルタの係数を演算して更新する
    第4の係数更新器と、 前記第3の騒音検出器の出力と前記第1の減算器の出力
    から前記第5の適応フィルタの係数を演算して更新する
    第5の係数更新器と、 前記第2の減算器の出力を通過させるかさせないかを制
    御するミュート回路と、 を有し、但し、 前記音声判別器は音声が発生していると判断した間だけ
    前記ミュート回路を導通状態にしてその出力を前記第1
    および第2の出力信号加算器に入力し、第1の出力信号
    加算器において第1の適応フィルタの出力と通信手段か
    らの受信信号とミュート回路の出力が加算され、また第
    2の出力信号加算器において第2の適応フィルタの出力
    と通信手段からの受信信号とミュート回路の出力が加算
    され、さらにミュート回路の出力を前記通信手段の送信
    信号としており、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は右側ヘッドホンから
    第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第1および第2の係数更新器は前記音声判別器によ
    り音声が発生していると判断した場合、あるいは前記受
    信信号判別器により受信信号が存在すると判断した場合
    の少なくともいずれかの場合の間だけ、前記第1および
    第2の適応フィルタの係数更新を停止し、 前記第3の係数更新器は、前記音声判別器により音声が
    発生していると判断した間だけ、前記第3の適応フィル
    タの係数更新を停止するよう構成したことを特徴とする
    騒音制御ヘッドセット。
  37. 【請求項37】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、左側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項36記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  38. 【請求項38】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り
    付けられていることを特徴とする請求項36記載の騒音
    制御ヘッドセット。
  39. 【請求項39】 前記第4および第5の係数更新器は、
    前記音声判別器により音声が発生していると判断した間
    だけ、前記第4および第5の適応フィルタの係数更新を
    停止する、ことを特徴とする請求項36記載の騒音制御
    ヘッドセット。
  40. 【請求項40】 前記第1の騒音検出器は無指向性であ
    り、前記音声検出器は指向性を有する、 ことを特徴と
    する請求項36記載の騒音制御ヘッドセット。
  41. 【請求項41】 前記音声検出器の振動板直径が、前記
    第1の騒音検出器の振動板直径の2倍以上である、 ことを特徴とする請求項36記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  42. 【請求項42】 前記音声検出器は使用者の口の方向へ
    指向性を有するように取り付けられており、 前記第1の騒音検出器は無指向性であり、かつ前記音声
    検出器の指向を有する方向とは正反対の方向に音孔が向
    くように取り付けられており、 前記音声検出器の指向性を有する方向に垂直である軸上
    で前記音声検出器の真横に前記第1の検出器を設置し
    た、 ことを特徴とする請求項36記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  43. 【請求項43】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔を吸音材で覆った、 ことを特徴とする請求項42記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  44. 【請求項44】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔と、前記正反対の面と同
    じ面にある前記第1の騒音検出器の音孔を吸音材で覆っ
    た、 ことを特徴とする請求項42記載の騒音制御ヘッ
    ドセット。
  45. 【請求項45】 前記音声判別器が音声を検出している
    期間、通信手段の送信電源が立ち上がっているように制
    御する、 ことを特徴とする請求項36記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  46. 【請求項46】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャ
    ビネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近
    傍に取り付けられている音声検出器と、 音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声判別
    器と、 他の人との通信を行う通信手段の受信信号の有無を判断
    する受信信号判別器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第2の出力信号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第2の誤差検出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器と、 前記音声検出器の出力を遅延させる第1の遅延器と、 前記第1の騒音検出器の出力を遅延させる第2の遅延器
    と、 前記第2の遅延器の出力信号を処理する第3の適応フィ
    ルタと、 前記第2の騒音検出器の出力信号を処理する第4の適応
    フィルタと、 前記第3の騒音検出器の出力信号を処理する第5の適応
    フィルタと、 前記第1の遅延器の出力から前記第3の適応フィルタの
    出力と前記第4の適応フィルタの出力と前記第5の適応
    フィルタの出力とを減算する減算器と、 前記第2の遅延器の出力と前記減算器の出力から前記第
    3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3の係数
    更新器と、 前記第2の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
    記第4の適応フィルタの係数を演算して更新する第4の
    係数更新器と、 前記第3の騒音検出器の出力と前記減算器の出力から前
    記第5の適応フィルタの係数を演算して更新する第5の
    係数更新器と、 前記減算器の出力を通過させるかさせないかを制御する
    ミュート回路と、 前記ミュート回路の動作を制御するミュート制御回路
    と、 を有し、但し、 前記音声判別器は音声が発生していると判断した間だけ
    前記ミュート制御回路に音声発生信号を入力し、ミュー
    ト制御回路はその信号を入力している間と音声発生信号
    がなくなってから一定時間内は、前記ミュート回路を導
    通状態にするミュート制御信号を発生させ、その信号を
    ミュート回路に入力している間はミュート回路を導通状
    態にしてミュート回路の出力を前記第1および第2の出
    力信号加算器に入力し、第1の出力信号加算器において
    第1の適応フィルタの出力と通信手段からの受信信号と
    ミュート回路の出力が加算され、また第2の出力信号加
    算器において第2の適応フィルタの出力と通信手段から
    の受信信号とミュート回路の出力が加算され、さらにミ
    ュート回路の出力を前記通信手段の送信信号とし、 前記第1の伝達関数補正器の係数は左側ヘッドホンから
    第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は右側ヘッドホンから
    第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようになさ
    れており、 前記第1および第2の係数更新器は前記音声判別器によ
    り音声が発生していると判断した場合、あるいは前記受
    信信号判別器により受信信号が存在すると判断した場合
    の少なくともいずれかの場合の間だけ、前記第1および
    第2の適応フィルタの係数更新を停止し、 前記第3の係数更新器は、前記音声判別器により音声が
    発生していると判断した間だけ、前記第3の適応フィル
    タの係数更新を停止するよう構成したことを特徴とする
    騒音制御ヘッドセット。
  47. 【請求項47】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着し状態において、前
    記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネット
    外側を、使用の側方から見た場合に、左側ヘッドホンの
    中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と右上
    部および右下部に4分割した右上部の領域に取り付けら
    れている、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  48. 【請求項48】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着し状態において、前
    記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネット
    の外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッドホ
    ンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部と
    右上部および右下部に4分割し左上部の領域に取り付け
    られている、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  49. 【請求項49】 第4および第5の係数更新器は、前記
    音声判別器により音声が発生していると判断した間だ
    け、前記第4および第5の適応フィルタの係数更新を停
    止する、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  50. 【請求項50】 前記第1の騒音検出器は無指向性であ
    り、前記音声検出器は指向性を有する、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  51. 【請求項51】 前記音声検出器の振動板直径が、前記
    第1の騒音検出器の振動板直径の2倍以上である、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  52. 【請求項52】 前記音声検出器は使用者の口の方向へ
    指向性を有するように取り付けられており、 前記第1の騒音検出器は無指向性であり、かつ前記音声
    検出器の指向性を有する方向とは正反対の方向に音孔が
    向くように取り付けられており、 前記音声検出器の指向性を有する方向に垂直である軸上
    でしかも前記音声検出器の真横に前記第1の騒音検出器
    を設置した、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  53. 【請求項53】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔を吸音材で覆った、 ことを特徴とする請求項52記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  54. 【請求項54】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る面とは正反対の面にある音孔と、同じ面にある第1の
    騒音検出器の音孔を吸音材で覆った、 ことを特徴とする請求項52記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  55. 【請求項55】 前記ミュート制御回路からのミュート
    制御信号が発生している間だけ通信手段の送信電源が立
    ち上がっているように制御する、 ことを特徴とする請求項46記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  56. 【請求項56】 左側あるいは右側のヘッドホンのキャ
    ビネットに設けられた支持アームにより使用者の口元近
    傍に取り付けられている音声検出器と、 前記音声検出器の出力により音声の有無を判断する音声
    判別器と、 他の人との通信を行なう通信手段の受信信号の有無を判
    断する受信信号判別器と、 前記音声検出器の近傍に取り付けられており、主として
    周囲の騒音を検出する第1の騒音検出器と、 前記ヘッドホンの左側キャビネットの外側取り付けられ
    た第2の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第2の騒音検出器の出力を
    加算する第1の騒音信号加算器と、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    適応フィルタと、 前記第1の騒音信号加算器の出力信号を処理する第1の
    伝達関数補正器と、 前記第1の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第1の出力信号加算器と、 前記第1の出力信号加算器の出力を再生する左側ヘッド
    ホンと、 前記左側ヘッドホンのキャビネットの内部に取り付けら
    れた第1の誤差検出器と、 前記第1の誤差検出器からの出力と前記第1の伝達関数
    補正器の出力から前記第1の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第1の係数更新器と、 前記ヘッドホンの右側キャビネットの外側に取り付けら
    れた第3の騒音検出器と、 前記第1の騒音検出器と前記第3の騒音検出器の出力を
    加算する第2の騒音信号加算器と、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    適応フィルタと、 前記第2の騒音信号加算器の出力信号を処理する第2の
    伝達関数補正器と、 前記第2の適応フィルタの出力と前記通信手段からの受
    信信号を加算する第2の出力信号加算器と、 前記第2の出力信号加算器の出力を再生する右側ヘッド
    ホンと、 前記右側ヘッドホン内部に取り付けられた第2の誤差検
    出器と、 前記第2の誤差検出器からの出力と前記第2の伝達関数
    補正器の出力から前記第2の適応フィルタの係数を演算
    して更新する第2の係数更新器と、 前記音声検出器の出力を遅延させる第1の遅延器と、 前記第1の騒音検出器の出力を遅延させる第2の遅延器
    と、 前記第2の遅延器の出力信号を処理する第3の適応フィ
    ルタと、 前記第2の騒音検出器の出力信号を処理する第4の適応
    フィルタと、 前記第3の騒音検出器の出力信号を処理する第5の適応
    フィルタと、 前記第1の遅延器の出力から前記第4の適応フィルタの
    出力と前記第5の適応フィルタの出力とを減算する第1
    の減算器と、 前記第1の減算器の出力を遅延させる第3の遅延器と、 前記第3の遅延器の出力から前記第3の適応フィルタの
    出力を減算する第2の減算器と、 前記第2の遅延器の出力と前記第2の減算器の出力から
    前記第3の適応フィルタの係数を演算して更新する第3
    の係数更新器と、 前記第2の騒音検出器の出力と前記第1の減算器の出力
    から前記第4の適応フィルタの係数を演算して更新する
    第4の係数更新器と、 前記第3の騒音検出器の出力と前記第1の減算器の出力
    から前記第5の適応フィルタの係数を演算して更新する
    第5の係数更新器と、 前記第2の減算器の出力を通過させるかさせないかを制
    御するミュート回路と、 前記ミュート回路の動作を制御するミュート制御回路と
    を有し、但し、 前記音声判別器は、音声が発生していると判断した間だ
    け前記ミュート制御回路に音声発生信号を入力し、ミュ
    ート制御回路はその信号を入力している間と音声発生信
    号がなくなってから一定時間内は、前記ミュート回路を
    導通状態にするミュート制御信号を発生させ、その信号
    をミュート回路に入力している間はミュート回路を導通
    状態にしてミュート回路の出力を前記第1および第2の
    出力信号加算器に入力し、第1の出力信号加算器におい
    て第1の適応フィルタの出力と通信手段からの受信信号
    とミュート回路の出力が加算され、また第2の出力信号
    加算器において第2の適応フィルタの出力と通信手段か
    らの受信信号とミュート回路の出力が加算され、さらに
    ミュート回路の出力を前記通信手段の送信信号とし、 前記第1の伝達関数補正器の係数は、左側ヘッドホンか
    ら第1の誤差検出器までの伝達関数に近似するようにな
    されており、 前記第2の伝達関数補正器の係数は、右側ヘッドホンか
    ら第2の誤差検出器までの伝達関数に近似するようにな
    されており、 前記第1および第2の係数更新器は、前記音声判別器に
    より音声が発生していると判断した場合、あるいは前記
    受信信号判別器により受信信号が存在すると判断した場
    合の少なくともいずれかの間だけ、前記第1および第2
    の適応フィルタの係数更新を停止し、 前記第3の係数更新器は、前記音声判別器により音声が
    発生していると判断した間だけ、前記第3の適応フィル
    タの係数更新を停止するよう構成したことを特徴とする
    騒音制御ヘッドセット。
  57. 【請求項57】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第2の騒音検出器は、左側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、左側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した右上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  58. 【請求項58】 前記音声検出器が使用者の口元に来る
    ように騒音制御ヘッドセットを装着した状態において、
    前記第3の騒音検出器は、右側ヘッドホンのキャビネッ
    トの外側を、使用者の側方から見た場合に、右側ヘッド
    ホンの中心点から水平軸と垂直軸により左上部と左下部
    と右上部および右下部に4分割した左上部の領域に取り
    付けられている、 ことを特徴とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  59. 【請求項59】 前記第4および第5の係数更新器は、
    前記音声判別器により音声が発生していると判断された
    間だけ、前記第4および第5の適応フィルタの係数更新
    を停止する、 ことを特徴とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  60. 【請求項60】 前記第1の騒音検出器は無指向性であ
    り、前記音声検出器は指向性を有する、 ことを特徴とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  61. 【請求項61】 前記音声検出器の振動板直径が、前記
    第1の騒音検出器の振動板直径の2倍以上である、 ことを特徴とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  62. 【請求項62】 前記音声検出器は使用者の口の方向へ
    指向性を有するように取り付けられており、 前記第1の騒音検出器は無指向性であり、かつ前記音声
    検出器の指向性を有する方向とは正反対の方向に音孔が
    向くように取り付けられており、 前記音声検出器の指向性の方向に垂直である軸上でしか
    も前記音声検出器の真横に前記第1の検出器を設置し
    た、 ことを特徴とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  63. 【請求項63】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る方向面とは正反対の面にある音孔を吸音材で覆った、 ことを特徴とする請求項62記載の騒音制御ヘッドセッ
    ト。
  64. 【請求項64】 前記音声検出器の使用者の口に対向す
    る方向面とは正反対の面にある音孔と、前記正反対の面
    と同じ面にある前記第1の騒音検出器の音孔を吸音材で
    覆ったことを特徴とする請求項62記載の騒音制御ヘッ
    ドセット。
  65. 【請求項65】 前記ミュート制御回路からのミュート
    制御信号が発生している間だけ通信手段の送信電源が立
    ち上がっているように制御するよう構成したことを特徴
    とする請求項56記載の騒音制御ヘッドセット。
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