JPH10294517A - レーザ光発生装置 - Google Patents

レーザ光発生装置

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JPH10294517A
JPH10294517A JP9101987A JP10198797A JPH10294517A JP H10294517 A JPH10294517 A JP H10294517A JP 9101987 A JP9101987 A JP 9101987A JP 10198797 A JP10198797 A JP 10198797A JP H10294517 A JPH10294517 A JP H10294517A
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久 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の周波数でQスイッチレーザ光源を発振
させ、かつ、中心周波数と波長幅とを含む縦モード分布
を安定して制御することができるレーザ光発生装置を提
供する。 【解決手段】 Qスイッチレーザ1と、複数の周波数で
発振する連続波レーザ2とを備える。連続波レーザ2よ
りの出射光をQスイッチレーザ1に注入同期させること
により、Qスイッチレーザ1を複数の周波数で発振させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の科学機器、
露光装置、照明装置、ディスプレイ装置等の光源として
用いられるレーザ光発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の科学機器、露光装置、照明
装置、ディスプレイ装置等の光源として用いられるレー
ザ光発生装置として、Qスイッチレーザ光源に単一縦モ
ードの連続波レーザ光源(T.Kane, R.L.Byer, Optics L
etters,VOl.10,p.p.65-67,(1985).)より出射される連
続波レーザ光を注入同期(インジェクションシーディン
グ)して、単一モードのQスイッチパルス光を発生させ
るようにしたものがある(Lightwave Electronics社製
品カタログ,Model-101)。
【0003】また、単一モード以外で、例えば決まった
周波数差をもつ複数モードで発振するレーザ光源を作成
するには、複屈折フィルタ、エタロン等を単独または複
数組み合わせて制御することか行われてきた(Solid-St
ate Laser Engineering, 3rdEdition,Springer Verla
g.)。
【0004】また、Qスイッチレーザ光源の複数モード
化としては、出射光を音響光学変調器、いわゆるAOM
や、電気光学変調器、いわゆるEOMなどの位相変調器
に通過させることで行うようにした報告もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、Qスイッチレーザの注入同期は、縦単一モードの
連続波レーザを注入して縦単一モードのQスイッチパル
ス光を発生させるものであるため、中心波長を安定化さ
せることができるが、波長幅は略々パルス幅で決定され
る値まで小さくなる。しかるに、光源としての応用分野
によっては、波長幅を一定範囲に制御してスペックル低
減及び色収差低減等を同時に行う必要があり、また、特
定の縦モード数が所望の数である科学分野もある。この
とき、単一モードのQスイッチパルスをそのまま用いる
ことかできないことがある。また、注入同期を用いない
と多数の縦モードを含むマルチモード発振になり、これ
も所望の波長幅より大きくなってしまう。
【0006】一方、この問題を解決するため、縦単一モ
ード発振のQスイッチレーザ出力パルスを電気光学素子
等を用いて変調し、波長幅を制御する方法があるが、Q
スイッチレーザのパルス出力の尖塔値が高くなると光学
素子等の損傷等の問題が顕著になる。また、電気光学結
晶が高周波の変調電界で吸収を持つと素子が発熱し、熱
勾配からビームの振れ等が発生しやすくなる。
【0007】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、複数の周波数でQスイッチレー
ザを発振させることができ、かつ、中心周波数と波長幅
とを含む縦モード分布を安定して制御することができる
ようになされたレーザ光発生装置の提供という課題を解
決しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係るレーザ光発生装置は、注入波光源の出
射光をQスイッチレーザ光源に注入同期して、Qスイッ
チレーザ光源を複数の周波数で発振させることを特徴と
するものであり、注入波光源は、Qスイッチレーザ光源
の複数の共振器縦モードに亘って波長広がりをもつ出射
光を出射することとしたものである。
【0009】また、本発明に係るレーザ光発生装置は、
注入波レーザ光源の出射光をQスイッチレーザ光源に注
入同期して、Qスイッチレーザ光源を複数の周波数で発
振させることを特徴とするものであり、注入波レーザ光
源は、複数の周波数で発振することとしたものである。
【0010】すなわち、本発明に係るレーザ光発生装置
においては、複数の周波数でQスイッチレーザ光源を発
振させることができ、かつ、中心周波数と波長幅とを含
む縦モード分布を安定して制御することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0012】本発明に係るレーザ光発生装置は、図1に
示すように、Qスイッチレーザ光源となるQスイッチレ
ーザ部1と、このQスイッチレーザ部1に対して注入同
期、すなわち、インジェクションシーディングを行う注
入波光源となる注入レーザ部2とを有して構成されてい
る。
【0013】Qスイッチレーザ部1においては、励起光
源11からの出射光がレーザ媒質12に照射され、この
レーザ媒質12は、蛍光を発光する。このレーザ媒質1
2から発光する蛍光は、このレーザ媒質12の前後に配
設された共振器ミラー13,14間で反射されながら誘
導放出により増幅され、出射側、すなわち、前方側の共
振器ミラ一14から一部が出力光として取り出される。
なお、このQスイッチレーザ部1は、例えば、ネオジミ
ウムヤグレーザ(Nd:YAGレーザ)、ネオジミウム
パナデートレーザ(Nd:YVO4レーザ)等によって
構成することができる。
【0014】共振器ミラー13,14間には、レーザ媒
質12の前後に位置して、複数のλ/4板、すなわち、
四分の一波長板、QWP18,18が配設されている。
また、レーザ媒質12の後方側のQWP18とこの例に
おいては後方側の共振器ミラー13との間には、図2に
一例を示すように、Qスイッチ、例えば、音響光学変調
器、いわゆるAOMや電気光学変調器、いわゆるEOM
15又はポッケルスセル及びポラライザ17が配設され
ている。これらは、図1において、レーザ媒質12の前
方側QWP18と前方側の共振器ミラー14との間に置
かれることも多い。さらに、共振器ミラー13,14間
の間隔、すなわち、共振器長は、共振器ミラー13を移
動操作する素子、通常は圧電素子(いわゆるPZT)か
らなるアクチュエータ24により、制御可能となってい
る。
【0015】Qスイッチ動作の一例として、Qスイッチ
15がオフのときには、図6中の(a)、(b)に示す
ように、通過するビームの偏光状態が変化、または、偏
向して共振器損失が大きくなり、Qスイッチレーザは発
振しない。Qスイッチ15がオンになった瞬間、図7中
の(a)、(b)に示すように、外部からの注入光が遮
断されて、既に共振器内に入っていた注入光が共振器内
を低損失で往復しながらレーザ媒質12中に蓄えられた
エネルギーを誘導放出の形で増幅に利用し光パルスとし
て取り出される。Qスイッチの動作及び励起光源11の
駆動、制御、並びに、レーザ媒質12の温度制御は、駆
動制御回路16により行われる。アクチュエータ24
は、駆動制御回路16により制御されて、パルスの立上
がり時間をもとに共振器長を精密に制御する。
【0016】注入レーザ部2も、励起光源21及びレー
ザ共振器22を有して構成されている。この注入レーザ
部2の共振器22より出射される出力光のビームは、必
要に応じて置かれた光アイソレータ2、光変調器26を
通過しながらミラー23及ぴポラライザ17、または、
ミラーで反射されて、Qスイッチレーザ部1の共振器内
に注入レーザ光として導入される。注入レーザ部2は、
通常の場合は連続波で発振し、常時、Qスイッチレーザ
部1ヘビームを注入する。この注入レーザ部2の共振器
22はモノリシック共振器が用いられることも多く、温
度調節のほか、圧電素子等により周波数を可変にするこ
とも可能である。
【0017】なお、この注入レーザ部2は、ネオジミウ
ムヤグレーザ、ネオジミウムパナデートレーザ等の固体
レーザにより構成することができる。また、この注入レ
ーザ部2は、レーザダイオード、すなわち、半導体レー
ザにより構成されることとしてもよい。また、波長可変
レーザを用いることもできる。この場合において、この
注入レーザ部2は、連続波で発振するものとしてもよい
が、Qスイッチレーザ部1におけるQスイッチパルスの
出力に同期してパルス出力を行うパルスレーザであるこ
ととしてもよい。さらに、この注入波光源としては、レ
ーザに限らず、発光ダイオードや、電子、分子、イオン
等からの発光を用いることとしてもよい。
【0018】Qスイッチレーザ部1においては、Qスイ
ッチパルスが立ち上がっている間は、注入レーザ部2よ
りのビームの導入が中断され、Qスイッチパルスが注入
レーザ部2に戻りにくくなる。さらに、Qスイッチレー
ザ部1には、必要に応じて光アイソレータ25が設けら
れる。Qスイッチ15としてEOMの代わりにAOMを
用いる場合、ポラライザの代わりにミラーが用いられ
る。このときは、偏光制御ではなくQスイッチレーザの
共振器内ビーム光路が変化してパルスが立上がる。
【0019】Qスイッチレーザについて簡単に説明する
と以下のようになる。このQスイッチレーザにおいて
は、レーザ媒質12中の励起光源により照射されたイオ
ン、または原子が励起状態に励起される。励起されるイ
オンは、固体レーザの場合、クロム等の遷移金属イオ
ン、ネオジミウム等の希土類の金属イオンの添加された
物質であり、有効に励起光を吸収するよう励起波長が選
択される。励起されたイオンは上位準位に電子状態を変
え、一定時間の間励起状態に留まるが、やがて自然放出
により蛍光を発しながら下位準位に遷移し、やがて基底
状態まで電子準位を下げる。イオンの電子準位が熱平衡
状態に比べて上位準位に多い反転分布の間に、上下準位
のエネルギー差に等しい波長の光が入射すると誘導放出
により光を発して下位順位に遷移するが、このとき入射
光が増幅される。誘導放出を起こす最初の光は、自然放
出の蛍光、外部からの注入光等が考えられ、前者の場
合、通常スペクトル幅が広いため、エタロン等の波長制
御素子を用いないと、利得幅の中の共振器モードが多い
場合、縦多モード発振しやすい。後者の場合、注入光の
波長または波長分布と重複する共振器モードでQスイッ
チレーザの利得が利用され易いため、縦単一モードの注
入光を入射すると、注入無しで縦多モード発振するQス
イッチレーザも縦単一モードで発振させることが可能で
ある。このとき、注入光の波長とQスイッチレーザの共
振器モードのいずれかを合わせる必要があり、このため
にアクチュエータによりQスイッチレーザの共振器長を
制御してこれを行うことが多い。アクチュエータの移動
方向の決定は、アクチュエータを微少量前後に移動し、
パルスの立ち上がり時間の減少分が最大になる点に保持
することで、実現される。また、利得中心の周波数が温
度依存性をもつ場合、レーザ媒質の温度を制御して利得
中心付近に発振モードが来るようにすることで、安定
に、多少大きな利得を利用できる。こうして実現される
縦単一モードのQスイッチレーザは、科学用途等に幅広
く利用されている。
【0020】そして、本発明を用いれば、複数モードで
Qスイッチレーザ部1を発振させることができる。すな
わち、注入光に二周波数以上のスペクトルをもつ光を用
い、注入光の波長分布と、Qスイッチレーザ部1の共振
器モードが重複するように選択することで、複数モード
でQスイッチレーザ部1を発振させることができる。注
入レーザ部2が複数の波長で安定に発振していれば、こ
の注入レーザ部2の出射光を注入されたQスイッチレー
ザ部1も安定に発振させることができる。インジェクシ
ョンロッキングで要求される波長の同一性に比べ、注入
同期、すなわち、インジェクションシーディングで要求
される波長差のマージンは通常広いから、複数モードの
場合、多少の周波数差があっても動作可能である。注入
レーザ部2の縦モードの周波数ν(q)は、 ν(q)=qc/(2l) ・・・(式1) で与えられ、波長λ(q)は、 λ(q)=2l/q ・・・(式2) で与えられる。ここで、νqは注入レーザ部2のレーザ
発振周波数、lは往復又は一周の共振器光路長、cは真
空中の光速、qは自然数である。また、Qスイッチレー
ザ部1の共振器モードの周波数は、Lを往復の共振器光
路長、Qを自然数として、 ν(Q)=Qc/(2L) ・・・(式3) で与えられ、波長λ(Q)は、 λ(Q)=2L/Q ・・・(式4) で与えられる。注入レーザ部2が、図3に示すように、
q=q1、q2、・・・qN(ただし、q1<q2<・
・・<qN、Nは2以上の自然数、q1,q2,・・・
qNは自然数)で発振し、Qスイッチレーザ部1が、図
4に示すように、Q=Q1、Q2、・・・QN(ただ
し、Q1<Q2<・・・<QN、Nは2以上の自然数、
Q1,Q2,・・・QNは自然数)で発振するものとす
れぱ、 λ(q1)=λ(Q1)かつ、λ(q2)=λ(Q2) ・・・(式5) が要求されるが、(式5)を満たすかぎり、利得中心波
長から大きくずれていなければ、q1、q2、Q1、Q
2は自由に選択可能である。したがって、所望のQスイ
ッチレーザ部1の複数のモード(Q1、Q2、・・・)
が決まれば、(式1)−(式5)より、 q1/Q1=q2/Q2=q3/Q3=・・・=qN/QN ・・・(式6) を満たすように注入レーザ部2の共振器長を選べばよ
い。モード数が増えても、同様の原理に従って、2種の
レーザを選べぱよい。
【0021】なお、上述のような条件を満足させる手段
としては、注入レーザ部2に圧電素子、いわゆるPZT
からなるアクチュエータを設け、この注入レーザ部2の
共振器長を制御して、注入レーザ光の周波数を制御する
こととしてもよい。そして、注入レーザ部2より出力さ
れた注入レーザ光を、音響光学変調器、いわゆるAOM
や電気光学変調器、いわゆるEOM、位相変調器によっ
て周波数変調することとしてもよい。
【0022】そして、注入レーザ部2がレーザダイオー
ドである場合においては、この注入レーザ部2よりの出
力光、すなわち、注入レーザ光は、Qスイッチレーザ部
1の複数の縦モードに亘って波長広がりを持つことも可
能となる。この場合においては、注入レーザ光の波長広
がりの範囲内において、Qスイッチレーザ部1において
複数の縦モードの発振が行われる。
【0023】この場合においては、レーザダイオードの
発振波長の選択や選別を行うことにより、レーザダイオ
ードの出射光の中心周波数をQスイッチレーザ光源の発
振利得中心に略々一致させることができる。レーザダイ
オードにおいては、周波数調整電流の調整、温度の調
整、印加電圧の調整によって、発振波長の選択や選別を
行うことができる。
【0024】また、注入レーザ部2が電子、分子、イオ
ン等からの発光を用いる光源である場合においては、電
子、分子、イオン等からの発光波長の選択や選別を行う
ことにより、注入レーザ部2の出射光の中心周波数をQ
スイッチレーザ光源の発振利得中心に略々一致させるこ
とができる。
【0025】また、注入レーザ部2が、図5中(a)に
示すように、横多モードで発振しており、複数の周波数
で発振していても、同様の手法が利用できる。通常、Q
スイッチレーザ部1の共振器長Lは長く、注入レーザ部
2の共振器長lは短いから、Qスイッチレーザ部1の共
振器モード間隔に対して注入レーザ部2の縦モード間隔
は何倍かに広くなる。したがって、Qスイッチレーザ部
1において互いに近接する共振器縦モードを同時に励振
する注入レーザ部2の縦モードを発振させることは難し
い。このときは、注入レーザ部2の横モードを利用する
ことで、この注入レーザ部2の縦モード間隔よりも小さ
い間隔の複数モードを発振させることができ、このとき
の出力光をQスイッチレーザ部1に注入すればよい。こ
のとき、注入レーザ部2の発振波長λqmnは、 λqmn=2l/〔q+(m+n+1)(Arccos(±√g12))/π〕 ・・・(式7) で与えられる。ここに、q、m、nは自然数で、qは縦
モードの次数、m、nは横モードの次数に相当する。ま
た、g1、g2は共振器を構成するミラーの曲率半径をR
1、R2としておおよそ次の量で与えられる。
【0026】 g1=1−l/R1,g2=1−l/R2 ・・・(式8) このように、注入レーザ部2の横モードの使用により、
注入レーザ部2の共振器長を長くすることによって共振
器縦モード間隔を狭くすることなく、すなわち、注入レ
ーザ部2の共振器長を適当なサイズとしたままで、図5
中(b)に示すように、Qスイッチレーザ部1から、狭
い周波数間隔の複数の波長の出力光を得ることが可能に
なる。
【0027】例えば、簡単な例としてR1=∞、R2=
50mm、l=30mmの場合、g1=1、g2=0.4
となり、m=1、n=0のTEM10モードの場合、q
の等しいTEM00モードとの波長差は(式7)を計算
して、qの1だけ異なる縦モード間隔に比べて0.28
倍の小さい波長差になる。したがって、この注入レーザ
部2を複数横モードで発振させ、この複数波長の出力光
を注入することで、横基本モードのQスイッチレーザ部
1における近接する共振器縦モードを発振させることが
可能となる。
【0028】そして、このレーザ光発生装置において
は、Qスイッチレーザ部1よりの出力光を、周波数制御
手段、例えば、音響光学変調器、いわゆるAOMや電気
光学変調器、いわゆるEOMや位相変調器を用いて変調
することとしてもよい。このような変調を行うことで、
波長幅を広くできるとともに、発振モード数を増やすこ
とができる。また、Qスイッチレーザ部1よりの出力光
を、非線形光学素子を用いて波長変換したり、n次高調
波(ただし、nは、2以上の整数)を発生させることと
してもよい。このように、Qスイッチレーザ部1よりの
出力光を波長変換する場合には、この波長変換後の波長
に応じて、注入レーザ部2の発振波長を選択することが
できる。
【0029】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るレーザ光発
生装置においては、複数の周波数でQスイッチレーザ光
源を発振させることができ、かつ、中心周波数と波長幅
とを含む縦モード分布を安定して制御することができ
る。
【0030】そのため、このレーザ光発生装置において
は、広い波長範囲で、出力光の波長幅を所望の範囲に安
定に制御することが可能である。また、このレーザ光発
生装置においては、場合によっては、複数モードのQス
イッチ出力光を変調素子に通すことで、さらに精密な波
長幅の制御が可能である。
【0031】さらに、このレーザ光発生装置において
は、従来の装置に比べて高周波における変調を避けるこ
とができるため、使用する部品の点数、価格及びビーム
の振れ、外部への高周波の漏れを低減させることが可能
である。そして、このレーザ光発生装置においては、波
長変換の効率を上昇させることも可能である。
【0032】これによって、応用分野における光のコヒ
ーレンス特性を広い範囲で制御し、波長分散回避、波長
変換効率の最適化、スぺックル除去、複数波長分光の目
的において、可能性を拡大することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ光発生装置の構成を示す平
面図である。
【図2】上記レーザ光発生装置の要部の構成を示す斜視
図である。
【図3】上記レーザ光発生装置における注入レーザ部の
共振器縦モードと出力波長分布を示すグラフである。
【図4】上記レーザ光発生装置におけるQスイッチレー
ザ部の共振器縦モードと出力波長分布を示すグラフであ
る。
【図5】(a)は上記レーザ光発生装置における注入レ
ーザ部の共振器縦モード及び横モードと出力波長分布を
示すグラフであり、(b)は上記レーザ光発生装置にお
いて注入レーザ部の横モードを用いて発振させたQスイ
ッチレーザ部の共振器縦モードと出力波長分布を示すグ
ラフである。
【図6】Qスイッチレーザ部においてQスイッチがオフ
の場合の光路を示す斜視図である。
【図7】Qスイッチレーザ部においてQスイッチがオン
の場合の光路を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 Qスイッチレーザ部、2 注入レーザ部、13,1
4 共振器ミラー、18 QWP、22 共振器、24
アクチュエータ、25 光アイソレータ、26 光変
調器

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Qスイッチレーザ光源と、 上記Qスイッチレーザ光源の複数の共振器縦モードに亘
    って波長広がりをもつ出射光を出射する注入波光源とを
    備え、 上記注入波光源の出射光を上記Qスイッチレーザ光源に
    注入同期して、Qスイッチレーザ光源を複数の周波数で
    発振させることを特徴とするレーザ光発生装置。
  2. 【請求項2】 注入波光源の中心周波数が、Qスイッチ
    レーザ光源の発振利得中心に略々一致していることを特
    徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  3. 【請求項3】 注入波光源の中心周波数と、Qスイッチ
    レーザ光源の発振利得中心とを略々一致させる調整手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生
    装置。
  4. 【請求項4】 注入波光源の出射光が連続波であること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  5. 【請求項5】 注入波レーザ光源は、Qスイッチレーザ
    光源の出射光に同期して注入されるパルス光を出射する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  6. 【請求項6】 複数周波数で発振するQスイッチレーザ
    光源よりの出力光を、このQスイッチレーザ光源の外部
    に設けられた音響光学素子または電気光学素子によって
    変調し、該出力光の波長分布を変更することを特徴とす
    る請求項1記載のレーザ光発生装置。
  7. 【請求項7】 注入波光源及びQスイッチレーザ光源
    は、Nd:YAGレーザまたはNd:YVO4レーザで
    あることを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装
    置。
  8. 【請求項8】 複数モードで発振するQスイッチレーザ
    光源よりの出力光を、非線形光学素子を用いて波長変換
    し、該Qスイッチレーザ光源よりの出力光とは異なる波
    長の出力光を発生させることを特徴とする請求項1記載
    のレーザ光発生装置。
  9. 【請求項9】 Qスイッチレーザ光源よりの出力光を、
    非線形光学素子を用いて波長変換し、所望の波長幅を持
    つn次高調波光(ただし、nは2以上の自然数)を出力
    することを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装
    置。
  10. 【請求項10】 Qスイッチレーザ光源と、 複数の周波数で発振する注入レーザ光源とを備え、 上記注入レーザ光源の出射光を上記Qスイッチレーザ光
    源に注入同期して、Qスイッチレーザ光源を複数の周波
    数で発振させることを特徴とするレーザ光発生装置。
  11. 【請求項11】 Qスイッチレーザ光源の発振周波数を
    ν(Q1),ν(Q2),・・・ν(QN)(ただし、
    Nは2以上の自然数で、1乃至Nは発振縦モード数を表
    し、Q1,Q2,・・・QNは自然数を表す)とし、注
    入レーザ光源の発振周波数をν(q1),ν(q2),
    ・・・ν(qN)(ただし、Nは2以上の自然数で、1
    乃至Nは発振縦モード数を表し、q1,q2,・・・q
    Nは自然数を表す)としたとき、 q1/Q1=q2/Q2=・・・=qN/QN (ただし、ν(q)=qc/(2l)、ν(Q)=Qc
    /(2L)、ここで、cは真空中の光速、lは連続波レ
    ーザ光源の共振器光路長、LはQスイッチレーザ光源の
    共振器光路長)が満足されていることを特徴とする請求
    項10記載のレーザ光発生装置。
  12. 【請求項12】 注入波レーザ光源は、縦単一周波数で
    発振する連続波レーザ光源と、この連続波レーザ光源の
    出射光の波長分布を制御して複数周波数に変調する波長
    制御手段とから構成されていることを特徴とする請求項
    10記載のレーザ光発生装置。
  13. 【請求項13】 注入波レーザ光源の発振周波数が、Q
    スイッチレーザ光源の共振器縦モード周波数と略々一致
    していることを特徴とする請求項10記載のレーザ光発
    生装置。
  14. 【請求項14】 注入波レーザ光源とQスイッチレーザ
    光源との相対的周波数または間隔を調整する調整手段を
    備えたことを特徴とする請求項10記載のレーザ光発生
    装置。
  15. 【請求項15】 注入波レーザ光源が連続波光源である
    ことを特徴とする請求項10記載のレーザ光発生装置。
  16. 【請求項16】 注入波レーザ光源は、Qスイッチレー
    ザ光源の出射光に同期して注入されるパルス光を出射す
    ることを特徴とする請求項10記載のレーザ光発生装
    置。
  17. 【請求項17】 複数周波数で発振するQスイッチレー
    ザ光源よりの出力光を、このQスイッチレーザ光源の外
    部に設けられた音響光学素子または電気光学素子によっ
    て変調し、該出力光の波長分布を変更することを特徴と
    する請求項10記載のレーザ光発生装置。
  18. 【請求項18】 注入波レーザ光源及びQスイッチレー
    ザ光源は、Nd:YAGレーザまたはNd:YVO4
    ーザであるを特徴とする請求項10記載のレーザ光発生
    装置。
  19. 【請求項19】 複数モードで発振するQスイッチレー
    ザ光源よりの出力光を、非線形光学素子を用いて波長変
    換し、該Qスイッチレーザ光源よりの出力光とは異なる
    波長の出力光を発生させることを特徴とする請求項10
    記載のレーザ光発生装置。
  20. 【請求項20】 Qスイッチレーザ光源よりの出力光
    を、非線形光学素子を用いて波長変換し、所望の波長幅
    を持つn次高調波光(ただし、nは2以上の自然数)を
    出力することを特徴とする請求項10記載のレーザ光発
    生装置。
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