JPH1029268A - 蓄光性を有する金属調の樹脂部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、昼間もしくは夜間の光を受ける明
るい場所では金属の光沢が部品の表面に表れ、夜間暗や
みの中では蓄光顔料による淡い光を発して容易にその部
品の存在が視認できるような蓄光性を有する金属調の樹
脂部品の提供を目的とするものである。 【解決手段】 本発明の蓄光性を有する金属調の樹脂部
品は、透明な樹脂プレート２ａの裏面に、１０〜４０％
の光を透過させるような金属蒸着によるハーフ蒸着層２
ｂと、蓄光顔料を含む塗料を塗装もしくは印刷により設
けた蓄光顔料層２ｃと、白色塗料を塗装もしくは印刷に
より設けた塗料層２ｄとにより構成されたことを特徴と
する蓄光性を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属調の意匠を表
現した樹脂部品に係り、昼間もしくは夜間の光を受ける
明るい場所では金属の光沢が部品の表面に表れ、夜間暗
やみの中では蓄光顔料による淡い光を発して容易にその
部品の存在が視認できるような蓄光性を有する金属調の
樹脂部品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より蓄光性蛍光体を利用したものと
しては、非常灯、反射テープ、道路表示板、さらにはシ
ャープペンやボールペンの中空軸がある。前記非常灯、
反射テープ、道路表示板等では、蓄光顔料を含んだ塗料
を塗装又は印刷するのが一般的であった。また、ボール
ペンの中空軸のように低コストが要求される事務用品に
おいては、蓄光顔料を含んだ樹脂材料にて射出成形され
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非常灯や反射テープで用いられる蓄光顔料を含んだ塗料
を塗装又は印刷したり、蓄光顔料を混ぜて射出成形する
という方法では、次に示すような欠点を有していた。す
なわち、従来品の本来の目的が暗やみの中でも物の視認
ができれば良いというものであるから、昼間の明るい時
の意匠性（色調）については、顔料自体の色目である黄
緑色を呈するかもしくは、蓄光顔料に他の着色顔料を混
ぜることにより表現された色調にしか仕上がらなかっ
た。また、金属調の色調を得るために前記の混ぜ合わせ
の着色顔料として、メタリック調の顔料を用いたとして
も金属調の意匠（色調）にはほど遠いものであった。

【０００４】また、仮に、金属板もしくは樹脂プレート
の表面に、蓄光顔料を含む塗料にて塗布・印刷した後に
メッキ、蒸着等によって金属被膜を形成したとすると、
この場合には金属意匠の表現は実現できるが、反面、蓄
光顔料の光エネルギーは金属被膜により遮断され、暗や
みでは全く光らせることができない。

【０００５】本発明は、昼間もしくは夜間の光を受ける
明るい場所では、透明な樹脂プレートを通して金属蒸着
による金属の光沢が部品の表面に表れ、夜間暗やみの中
では金属蒸着による蒸着層を通して蓄光顔料による淡い
光を発し、容易にその部品の存在が視認できるような蓄
光性を有する金属調の樹脂部品の提供を目的とするもの
である。

【０００６】すなわち、本発明の蓄光性を有する金属調
の樹脂部品は、透明な樹脂プレート２ａの裏面に、１０
〜４０％の光を透過させるような金属蒸着によるハーフ
蒸着層２ｂと、蓄光顔料を含む塗料を塗装もしくは印刷
により設けた蓄光顔料層２ｃと、白色塗料を塗装もしく
は印刷により設けた塗料層２ｄとにより構成されたこと
を特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例であ蓄光性
を有する金属調の樹脂部品（以下、単に「樹脂部品」と
いう。）について図１〜図２に基づいて説明する。図１
は、本発明の一実施例を示す正面図、図２は図１の拡大
Ａ−Ａ縦断側面図である。この実施例では、樹脂部品１
として車両のドアハンドルベゼルを取り上げている。

【０００９】本発明の樹脂部品１は、透明な樹脂プレー
ト２ａと金属蒸着によるハーフ蒸着層２ｂと、蓄光顔料
層２ｃと塗料層２ｄとにより構成されている。前記樹脂
プレート２ａとしては、透明なアクリル、ポリエチレ
ン、ポリブロピレン、ポリカーボネイト、ＡＢＳ等の樹
脂が用いられている。そして、樹脂プレート２ａの裏面
側には、アルミニウム、クロム、金等の金属色調を有
し、且つ正面からの光の１０〜４０％を透過するレベル
のハーフ蒸着による蒸着層２ｂが形成されている。

【００１０】また、前記蒸着層２ｂの上には、蓄光顔料
を含む塗料を塗布又は印刷して蓄光顔料層２ｅが形成さ
れている。従って、昼間や夜の光が当たるところでは、
透明樹脂プレート２ａ→ハーフ蒸着層２ｂを透過した光
により蓄光し、暗やみの中ではその残光がハーフ蒸着層
２ｂを透過し、正面側に発光するようになっている。つ
まり、明るいところでは樹脂部品が金属調の意匠を呈
し、暗いところでは光るようになっている。

【００１１】また、白色の塗料層２ｅは、前記蓄光顔料
層２ｄの上に塗布又は印刷によって形成される層であ
り、この塗料層２ｅによって裏面からの水、薬品、塩水
等による蓄光顔料への影響がカットでき、蓄光顔料の弱
点である耐水性、耐塩水性、耐薬品性、耐候性等を著し
く向上させることができる。また、塗料層２ｅの色調を
白色にすることにより、裏面および周囲への光の散乱・
吸収を防止し、蓄光顔料による輝度の向上と残光時間の
増大がはかれ、視認性を向上させることができる。

【００１２】上記の実施例においては、車両のドアハン
ドルベゼルを取り上げているが、本発明は製品を限定す
るものではなく、車両のエンブレム等にも適用できるの
は言うまでもない。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明により理解されるごとく、本
発明の蓄光性を有する金属調樹脂部品は、透明な樹脂プ
レートの裏面に、金属色を呈するハーフ蒸着層と蓄光顔
料層と白色の塗料層とを順次形成したものであるから、
従来、全く不可能と言われていた、明るいところで金属
調の意匠による高級感が表現でき、反対に暗やみでは蓄
光顔料により発光させることができる。つまり、昼間も
しくは夜間の光を受ける明るい場所では、透明な樹脂プ
レートを通して金属蒸着による金属の光沢が部品の表面
に表れ、夜間暗やみの中では金属蒸着による蒸着層を通
して蓄光顔料による淡い光を発し、容易にその部品の存
在が視認できるというものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の蓄光性を有する金属調樹脂部品の正
面図。

【図２】 図１のＡ−Ａ拡大縦断側面図。

【符号の説明】

１ 蓄光性を有する金属調樹脂部品 ２ａ 透明な樹脂プレート ２ｂ ハーフ蒸着層 ２ｃ 蓄光顔料層 ３ａ 白色塗料層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明な樹脂プレート２ａの裏面に、１０〜
   ４０％の光を透過させるような金属蒸着によるハーフ蒸
   着層２ｂと、蓄光顔料を含む塗料を塗装もしくは印刷に
   より設けた蓄光顔料層２ｃと、白色塗料を塗装もしくは
   印刷により設けた塗料層２ｄとにより構成されたことを
   特徴とする蓄光性を有する金属調の樹脂部品。