JPH1029246A - 繊維強化プラスチックの成形体および浴槽および洗い場および繊維強化プラスチックの成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチックの成形体および浴槽および洗い場および繊維強化プラスチックの成形体の製造方法

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JPH1029246A
JPH1029246A JP8184570A JP18457096A JPH1029246A JP H1029246 A JPH1029246 A JP H1029246A JP 8184570 A JP8184570 A JP 8184570A JP 18457096 A JP18457096 A JP 18457096A JP H1029246 A JPH1029246 A JP H1029246A
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JP
Japan
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weight
gel coat
parts
reinforced plastic
resin
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Application number
JP8184570A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は浴槽、洗い場、カウンター、キッチ
ンカウンターなどの水まわりの材料素材として用いるこ
とのできる繊維強化プラスチックからなる成形体に関す
るもので、防汚性を改善し、さらにはかびや細菌の増殖
を抑制することにより清潔で衛生的な成形体を提供する
ものである。 【解決手段】 有機珪素化合物1を含有する、不飽和ポ
リエステル樹脂系のゲルコート樹脂層4からなる表面層
を有する繊維強化プラスチック層5からなる成形体で構
成され、前記有機珪素化合物1の低表面エネルギー効果
により成形体の撥水性、防汚性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浴槽、洗い場、カウ
ンター、キッチンカウンターなどの水回りの材料素材と
して用いることのできる繊維強化プラスチックからなる
耐汚染性に優れた成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和ポリエステル樹脂とガラス
繊維を用いた繊維強化プラスチックは、浴槽、洗い場な
どの防水性が必要な分野で、かつ、軽量・高強度がが必
要な部分に使用されてきた。これらの積層構造は、一般
的には表面から、単色のゲルコート層と繊維強化プラス
チック層から構成される。ゲルコート層は、耐熱水性や
耐薬品性性を向上させるために用いられる塗膜であり、
スプレイアップ法により塗装して構成する。ゲルコート
樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂を単色の顔料にて着色
し、かつ塗装に適したように微細酸化珪素粉末を加え塗
装に適した状態(チクソトロピックと称す)にすること
によって用いられる。一般的な成形法としては、型にゲ
ルコートを塗装して硬化させ、つづいてガラス繊維と不
飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチックを
積層し、硬化した後、脱型して作られる。
【0003】他方、熱可塑性プラスチックのペレットに
有機珪素化合物や抗菌剤を添加して成形したものは実用
化されているが、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化
性プラスチックに適応された例がない。したがって、浴
室まわりに用いられる熱硬化性プラスチックからなる浴
槽または洗い場などの部材において汚れやかび、ぬめり
の発生することに対する方策はなく、単に掃除により除
去するという方策がとられてきた。ぬめりの原因は細菌
の繁殖によるものが多く、かびや細菌は付着した汚れを
餌にして増殖する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの浴室まわりに
用いられる繊維強化プラスチックからなる部材におい
て、汚れを付着しにくくし、それらの汚れを餌に増殖す
るかびや細菌の繁殖を抑制し、衛生的に使用できるよう
にすることが課題であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の成形体は不飽和
ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層有
する繊維強化プラスチックからなる成形体において、前
記表面層は有機珪素化合物を含有する不飽和ポリエステ
ル樹脂系のゲルコート樹脂で構成するものである。
【0006】上記発明によれば、前記表面層の撥水性が
向上し、汚れ成分との相互作用が減少するため防汚性が
大幅に改善される。また、かびおよび細菌も餌となる汚
れの付着が少ないのでそれらの増殖も抑制される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、不飽和ポリエステル樹
脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊維強化
プラスチックにおいて、前記表面層は有機珪素化合物を
含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で
構成された繊維強化プラスチックの成形体である。
【0008】また、表面層は有機珪素化合物を含有する
不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成され
た繊維強化プラスチックの浴槽である。
【0009】また、表面層は有機珪素化合物を含有する
不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成され
た繊維強化プラスチックの洗い場である。
【0010】そして、有機珪素化合物は低表面自由エネ
ルギー物質のため、それらを含有したゲルコート樹脂表
面層は汚れ成分に対し低活性となり防汚性が向上する。
さらに、汚れ成分の付着が少なくなるので、それらを餌
とするかびや細菌の増殖も抑制される。
【0011】また、表面層は有機珪素化合物と抗菌剤を
含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で
構成された繊維強化プラスチックからなる成形体であ
る。また、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも一
種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなる抗菌
剤と有機珪素化合物を含有する不飽和ポリエステル樹脂
系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチック
からなる成形体である。
【0012】また、有機珪素化合物が、不飽和ポリエス
テル樹脂系ゲルコート樹脂100重量部にたいして0.
3重量部から5重量部含有されている表面層からなる繊
維強化プラスチックの成形体である。また、有機珪素化
合物が、不飽和ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂10
0重量部に対して0.3重量部から5重量部含有され、
更に抗菌剤も含有されている表面層からなる繊維強化プ
ラスチックの成形体である。
【0013】また、表面層は有機珪素化合物と、不飽和
ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂100重量部に対し
て、無機系抗菌剤が0.1重量部から5重量部、さらに
有機系抗菌剤が0.1重量部から5重量部含有されてい
る不飽和ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂からなる繊
維強化プラスチックの成形体である。
【0014】そして、表面層は有機珪素化合物と抗菌剤
とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂
の構成とすることにより、防汚性が向上し、さらに、無
機系抗菌剤の添加により、主としてぬめりの原因となる
細菌の増殖が抑制され、また有機系抗菌剤の添加により
かびの増殖が抑制される。なお、有機珪素化合物の添加
により細菌、かびの餌となる汚れ成分の付着が少なくな
るため、無機系抗菌剤および有機系抗菌剤は小量の添加
で十分な効果が期待できる。
【0015】また、表面層は2種類以上5種類以下のゲ
ルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコー
ト樹脂100重量部に対し、有機珪素化合物を0.3重
量部以上5重量部以下の割合で添加し、霧化して塗装す
ることにより表面層を構成する。
【0016】さらに、表面層に2種類以上5種類以下の
ゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコ
ート樹脂100重量部に対し、有機珪素化合物を0.3
重量部以上5重量部以下含有してなる浴槽である。
【0017】また、表面層に2種類以上5種類以下のゲ
ルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコー
ト樹脂100重量部に対し、有機珪素化合物を0.3重
量部以上5重量部以下含有してなる洗い場である。
【0018】そして、表面層に2種類以上5種類以下の
ゲルコート樹脂を用いることにより模様を付与した成形
体が得られると同時に有機珪素化合物の添加により防汚
効果のある成形体を得ることができる。さらに、霧化し
て塗装して表面層を構成することにより、御影模様など
の模様を付与した成形体が得られると同時に上記のよう
に防汚効果のある成形体を得ることができる。
【0019】さらに、前記成形体を浴槽または洗い場に
適用することにより、模様が付与されると同時に耐汚染
性に優れた浴室部材が提供できる。
【0020】以下本発明を実施例により詳細に説明す
る。本発明における有機珪素化合物としては、ジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフ
ェニルポリシロキサンなどのシリコーン化合物。それら
のシリコーン化合物をアルキッド変性、ポリエステル変
性、アクリル変性、エポキシ変性した変性シリコーン化
合物などが挙げられるが、これに限定するものではな
い。
【0021】本発明における抗菌剤としては、無機系抗
菌剤として、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀など。銀、銅、亜
鉛あるいは錫を担持したゼオライト。および銀、銅、亜
鉛あるいは錫を担持したシリカゲルなどが挙げられる
が、これに限定するものではない。
【0022】有機系抗菌剤として、10,10’−オキ
シビスフェノキサアルシンなどフェニルエーテル誘導
体、シクロフルアニドなどN−ハロアルキルチオ系化合
物、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TB
Zと略称)などイミダゾール誘導体、2、3、5、6テ
トラコロル−4−(メチルスルホニル)ピリジンなどス
ルホン誘導体およびセシルジメチルエチルアンモニウム
ブロミドなど第4級アンモニウム塩などが挙げられる
が、これに限定するものではない。
【0023】(実施例1)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、アクリル変性オルガノポリシロキサン0.3重量
部、銀ゼオライト0.1重量部、TBZ0.1重量部添
加し、撹拌することにより均一に分散させた。これに所
定の硬化剤および硬化促進剤を添加し、スプレーガンに
より約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層
を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステ
ル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で
形成した。これを脱型する事により、目的とする成形体
を得た。
【0024】図1は本発明の実施例1における成形体の
表面部を示す模式図である。1はアクリル変性オルガノ
ポリシロキサンに代表される有機珪素化合物である。2
は銀ゼオライトに代表される無機系抗菌剤である。3は
TBZに代表される有機系抗菌剤である。1,2および
3はそれぞれゲルコート樹脂層4中に分散されている。
5はガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維
強化プラスチック層である。
【0025】(実施例2)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、アクリル変性オルガノポリシロキサン1重量部、銀
ゼオライト0.5重量部、TBZ0.5重量部添加し、
撹拌することにより均一に分散させた。これに所定の硬
化剤および硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約
0.5mmの塗膜を形成し、硬化させた。引き続き、実施
例1と同様の方法で目的とする成形体を得た。
【0026】(実施例3)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、アクリル変性オルガノポリシロキサン2重量部、銀
ゼオライト1重量部、TBZ1重量部添加し、撹拌する
ことにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤およ
び硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mm
の塗膜を形成し、硬化させた。引き続き、実施例1と同
様の方法で目的とする成形体を得た。
【0027】(実施例4)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、アクリル変性オルガノポリシロキサン3重量部、銀
ゼオライト2重量部、TBZ2重量部添加し、撹拌する
ことにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤およ
び硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mm
の塗膜を形成し、硬化させた。引き続き、ガラス繊維と
不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック
層を既知の方法で形成した。これを脱型することによ
り、目的とする浴槽を得た。
【0028】(実施例5)3つのゲルコートタンクの圧
により、3つのゲルコート樹脂がある一定の混合パイプ
を通過した後ガンから吐出され、硬化剤と混合後任意の
霧化圧にて霧化されるという多色ガン装置を用い、霧化
圧2.0kg/cm2の条件で塗布した。多色ガン装置
の3つのゲルコートタンクの中の3種類のゲルコート樹
脂と吐出重量比を以下に示す。
【0029】 前記黒色ゲルコート樹脂100重量部に対し、あらかじ
めアクリル変性オルガノポリシロキサン2重量部を添加
し、撹拌することにより均一に分散させた黒色ゲルコー
ト樹脂を用いた。このように塗布されたゲルコート樹脂
を50℃、30分の条件で硬化させた。硬化後のゲルコ
ートの膜厚は0.4mmであった。引き続き、ガラス繊
維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチ
ック層を既知の方法で形成した。これを脱型することに
より、目的とする模様付成形体を得た。
【0030】このような方法で得た成形体は、図2に示
すように、アクリル変性オルガノポリシロキサンに代表
される有機珪素化合物が入ったゲルコート樹脂の部分6
と、それらの入ってないゲルコート樹脂の部分7とが点
在している構成となっている。このように点在させるこ
とにより、表面意匠は斑点模様となる。
【0031】(実施例6)2つのゲルコートタンクの圧
により2つのゲルコート樹脂が、ある一定の混合パイプ
を通過した後ガンから吐出され、硬化剤と混合後任意の
霧化圧にて霧化されるという多色ガン装置を用い、霧化
圧2.0kg/cm2の条件で洗い場の型に塗布した。
多色ガン装置の2つのゲルコートタンクの中の2種類の
ゲルコート樹脂と吐出重量比を以下に示す。
【0032】 前記黒色ゲルコート樹脂100重量部に対し、あらかじ
めアクリル変性オルガノポリシロキサン2重量部添加
し、撹拌することにより均一に分散させた黒色ゲルコー
ト樹脂を用いた。このように塗布されたゲルコート樹脂
を50℃、30分の条件で硬化させた。硬化後のゲルコ
ートの膜厚は0.4mmであった。引き続き、ガラス繊
維と不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチ
ック層を既知の方法で形成した。これを脱型することに
より、目的とする模様付洗い場を得た。
【0033】(比較例1)実施例1と同様なイソフタル
酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂
に、所定の硬化剤および硬化促進剤を添加し、スプレー
ガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲル
コート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポ
リエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知
の方法で形成した。これを脱型することにより、目的と
する成形体を得た。
【0034】(比較例2)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、アクリル変性オルガノポリシロキサン0.2重量
部、銀ゼオライト0.05重量部、TBZ0.05重量
部添加し、撹拌し分散させた。これに所定の硬化剤およ
び硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5m
mの塗膜を形成し、硬化させた。引き続き、実施例1と
同様な方法で目的とする成形体を得た。
【0035】各実施例および比較例で得たそれぞれの成
形体、浴槽および洗い場表面の撥水性を協和界面科学
(株)製.接触角測定装置(CA−Z型)で測定した。
また、耐汚染性をJIS K3370に準じて確認し
た。なお、耐汚染性の比較は目視で行い、比較例1にお
ける汚れ具合を(△)とし、それより悪い場合(×)、
良い場合を(○)とし各々相対評価した。その結果を
(表1)に示す。
【0036】
【表1】
【0037】次に、各実施例および比較例で得たそれぞ
れの成形体、浴槽および洗い場の抗菌性能およびかび抵
抗性について試験を行った。前記成形体などから50m
m×50mmの試料を切り出し、それぞれに菌液(一般
細菌および大腸菌)1ccを滴下し、37℃で24時間
培養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて菌を洗い
出した。この洗い出した液中の生菌数を、菌数測定用培
地を用いて混釈平板法にて測定した。その結果を(表
2)に示す。
【0038】
【表2】
【0039】寒天培地上においた各試料(50mm×5
0mm)にアスペルギルス・ニガー菌液を噴霧し、25
℃、7日間培養した。その結果を(表3)に示す。
【0040】
【表3】
【0041】(表1)から明らかなように、実施例の1
から6までの成形体は、比較例1に比べ撥水性の向上が
著しく、また耐汚染性も改善されていた。これに対し、
比較例2の成形体は比較例1に対し、撥水性も耐汚染性
もほとんど改善されなかった。
【0042】また、表面に均一に有機珪素化合物を分散
した場合(実施例1〜4)は勿論、実施例5および6の
ように有機珪素化合物を点在させた場合においても良好
な撥水性および耐汚染性が得られることが明らかになっ
た。この理由は、表面に図2に示すように水滴8が付着
したときに、水滴8の一部に有機珪素化合物の入ったゲ
ルコート樹脂の部分6が接触し、良好な撥水性および耐
汚染性が得られるものと考える。また、ゲルコート樹脂
を5種類を越えてさまざまな色を用い、成形体を作成す
ると著しい撥水効果、防汚効果が得られないので、ゲル
コート樹脂は2種類以上5種類以下が適している。この
理由は、ゲルコート樹脂が6種類以上になると図2に示
したごとく表面に付着した水滴が、有機珪素化合物の入
ったゲルコート樹脂の部分6に接触しない確率が増え、
撥水効果および防汚効果が低下するものと考えられる。
【0043】有機珪素化合物の上限の添加量について
は、ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越
えるとゲルコート樹脂の耐熱水性や耐薬品性などの基本
物性が損なわれ好ましくなかった。以上の結果から、ゲ
ルコート樹脂100重量部に対し、0.3重量部以上5
重量部以下の有機珪素化合物を添加すれば、本発明の作
用効果は得られることがわかった。
【0044】なお、以上の説明では、2種類以上5種類
以下のゲルコート樹脂の中の少なくとも1種類のゲルコ
ート樹脂に有機珪素化合物を入れる方法のみ説明してき
たが、2種類以上のゲルコート樹脂に有機珪素化合物を
いれても良いのはいうまでもない。
【0045】(表2)から明らかなように、実施例の1
から4までの成形体は、比較例1に比べ一般細菌および
大腸菌に対する著しい抗菌効果を得ることができた。こ
れに対し、比較例2の成形体は比較例1に対し、抗菌性
が明かではない。
【0046】無機系抗菌剤の上限の添加量については、
ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越える
とゲルコート樹脂の耐薬品性などの基本物性が損なわれ
好ましくなかった。以上の結果から、ゲルコート樹脂1
00重量部に対し、0.1重量部以上5重量部以下の無
機系抗菌剤を添加すれば、本発明の作用効果は得られる
ことがわかった。
【0047】(表3)から明らかなように、実施例の1
から4までの成形体は、比較例1に比べ著しい抗かび性
能を得ることができた。これに対し、比較例2の成形体
は比較例1に対し、抗かび効果が顕著ではない。
【0048】有機系抗菌剤の上限の添加量については、
ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越える
とゲルコート樹脂の耐熱水性などの基本物性が損なわれ
好ましくなかった。以上の結果から、ゲルコート樹脂1
00重量部に対し、0.1重量部以上5重量部以下の有
機系抗菌剤を添加すれば、本発明の作用効果は得られる
ことがわかった。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の繊維強化プラス
チックの成形体および浴槽または洗い場によれば、次の
効果が得られる。
【0050】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
る成形体において、前記表面層は有機珪素化合物を含有
することにより、有機珪素化合物の低表面エネルギー効
果によりゲルコート樹脂表面層は汚れ成分に対し低活性
となり防汚性が向上する。さらに、汚れ成分の付着が少
なくなるので、それらを餌とするかびや細菌の増殖も抑
制されるという有利な効果を有する。
【0051】さらに、表面層は有機珪素化合物を含有す
る不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成さ
れた繊維強化プラスチックの浴槽とすることにより、汚
れの付着しにくい清潔でクリーンな浴室部材を得ること
ができる。
【0052】さらに、表面層は有機珪素化合物を含有す
る不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成さ
れた繊維強化プラスチックの洗い場とすることにより、
汚れの付着しにくい清潔でクリーンな浴室部材を得るこ
とができる。
【0053】また、表面層は有機珪素化合物と抗菌剤を
含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で
構成された繊維強化プラスチックからなる成形体とする
ことにより、汚れの付着が少なく、細菌の増殖をより積
極的に抑制することにより衛生的でクリーンな成形体を
得ることができる。
【0054】また、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なく
とも一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からな
る抗菌剤と有機珪素化合物を含有する不飽和ポリエステ
ル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラス
チックからなる成形体とすることにより、汚れの付着が
少なく、大腸菌や一般細菌やかびの増殖を積極的に抑制
する成形体を得ることができる。
【0055】また、有機珪素化合物が、不飽和ポリエス
テル樹脂系ゲルコート樹脂100重量部に対して、0.
3重量部から3重量部、さらに、無機系抗菌剤が0.1
重量部から5重量部、さらに、有機系抗菌剤が0.1重
量部から5重量部含有されている不飽和ポリエステル樹
脂系ゲルコート樹脂からなる繊維強化プラスチックの成
形体とすることにより、機械的強度あるいは耐熱水性と
いった基本的な物性を保持しつつ防汚性、抗菌性および
抗かび性を有した成形体を得ることができる。
【0056】また、表面層は2種類以上5種類以下のゲ
ルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコー
ト樹脂100重量部に対し、有機珪素化合物を0.3重
量部以上5重量部以下含有してなる成形体とすることに
より、模様を付与した成形体が得られると同時に撥水性
および防汚性を有した成形体を得ることができる。ま
た、浴槽あるいは洗い場とすることにより、模様が付与
されると同時に撥水性および防汚性を有する清潔でクリ
ーンな水まわり構成部材を得ることができる。
【0057】また、霧化して塗装することにより、御影
模様などの模様を付与した成形体が得られると同時に、
撥水性および防汚性を有した成形体を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における成形体の表面部を示
す模式図
【図2】本発明の実施例5における成形体の表面部を示
す模式図
【符号の説明】
1 有機珪素化合物 2 無機系抗菌剤 3 有機系抗菌剤 4 ゲルコート樹脂 5 繊維強化プラスチック 6 有機珪素化合物の入ったゲルコート樹脂の部分 7 有機珪素化合物の入っていないゲルコート樹脂の部
分 8 水滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 31:10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る成形体において、前記表面層は有機珪素化合物を含有
    する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成
    された繊維強化プラスチックの成形体。
  2. 【請求項2】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る浴槽において、前記表面層は有機珪素化合物を含有す
    る不飽和ポリエステル樹脂で構成された繊維強化プラス
    チックの浴槽。
  3. 【請求項3】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る洗い場において、前記表面層は有機珪素化合物を含有
    する不飽和ポリエステル樹脂で構成された繊維強化プラ
    スチックの洗い場。
  4. 【請求項4】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂は有機珪素化合物および抗菌剤を含有してなることを
    特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチックの成形
    体。
  5. 【請求項5】抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも一
    種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなること
    を特徴とする請求項4記載の繊維強化プラスチックの成
    形体。
  6. 【請求項6】有機珪素化合物が、不飽和ポリエステル系
    ゲルコート樹脂100重量部に対して0.3重量部から
    5重量部含有されていることを特徴とする請求項1また
    は4記載の繊維強化プラスチックの成形体。
  7. 【請求項7】抗菌剤として無機系抗菌剤が、不飽和ポリ
    エステル系ゲルコート樹脂100重量部に対して0.1
    重量部から5重量部、および有機系抗菌剤が不飽和ポリ
    エステル系ゲルコート樹脂100重量部に対して0.1
    重量部から5重量部含有されていることを特徴とする請
    求項5記載の繊維強化プラスチックの成形体。
  8. 【請求項8】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る成形体において、前記表面層は2種類以上5種類以下
    のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲル
    コート樹脂100重量部に対し、有機珪素化合物を0.
    3重量部以上5重量部以下の割合で添加し、霧化して塗
    装することにより表面層を構成する繊維強化プラスチッ
    クの成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る浴槽において、前記表面層は2種類以上5種類以下の
    ゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコ
    ート樹脂100重量部に対して有機珪素化合物を0.3
    重量部以上5重量部以下含有してなる繊維強化プラスチ
    ックの浴槽。
  10. 【請求項10】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート
    樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックから
    なる洗い場において、前記表面層は2種類以上5種類以
    下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲ
    ルコート樹脂100重量部に対して有機珪素化合物を
    0.3重量部以上5重量部以下含有してなる繊維強化プ
    ラスチックの洗い場。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0943743A1 (en) * 1998-03-19 1999-09-22 Muovilami Oy Construction element
US6476159B1 (en) * 1999-08-23 2002-11-05 Bridgestone Corporation Gelcoat composition
JP2015113383A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 成形材料用樹脂組成物及びこれを用いた成形材料の製造方法
JP2021021017A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 昭和電工株式会社 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び該不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む複合材料

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