JPH1028949A - 廃棄物焼却灰処理方法および焼却灰処理装置 - Google Patents

廃棄物焼却灰処理方法および焼却灰処理装置

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JPH1028949A
JPH1028949A JP8189496A JP18949696A JPH1028949A JP H1028949 A JPH1028949 A JP H1028949A JP 8189496 A JP8189496 A JP 8189496A JP 18949696 A JP18949696 A JP 18949696A JP H1028949 A JPH1028949 A JP H1028949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰などの焼
却灰中に含まれる重金属などの有害物質を安定化しうる
焼却灰処理方法を提供する。 【解決手段】 湿式灰冷却装置の水槽1から払い出した
焼却灰aをスロープ6を通過させ、スロープ6を通過す
る焼却灰aに薬剤噴射ノズル7から有害物質処理材を噴
射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害な重金属を含
有する廃棄物を安定化処理するのに有効な廃棄物処理方
法に関し、さらに詳しくは、湿式灰冷却装置、別名、灰
出し装置、クリンカチャンネルと呼ばれる焼却灰処理装
置から排出される焼却灰中の有害物質の安定化処理方
法、およびそれに用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみは、悪臭のするものであるが、
従来、この都市ごみは、焼却して減容化し、焼却灰を最
終処分場に廃棄すれば処理は終了すると考えられてき
た。しかし、ごみの中味の変化にともなって、都市ごみ
処理の様相は変化してきた。すなわち、焼却されるプラ
スチック、カラー印刷の紙類、故意にごみの中に捨てら
れた乾電池は、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、クロ
ム(Cr)、水銀(Hg)、などの重金属を含んでい
る。これらを焼却すると、焼却灰の中に重金属が残存す
る。また、焼却に伴って発生するダイオキシンも、焼却
灰中に含まれることになる。前記のような重金属類は、
ダイオキシン同様、発癌性、変異原性、臓器障害性など
生体毒性を有するものがある。例えば、鉛はカドミウ
ム、水銀、クロムなどとともに腎臓に破壊的に作用す
る。また、鉛は、血液成分のヘム合成阻害作用、さらに
は水銀とともに神経系の影響が知られている。カドミウ
ムは、高血圧の可能性、***形成能力の低下が指摘され
ている。従って、都市ごみ焼却灰は、有害廃棄物と考え
られる。日本では、1995年4月から、都市ごみは、
特別管理一般廃棄物として十分な重金属の溶出量の抑制
が求められている。そのために、焼却後のばいじんから
の重金属の溶出を抑制する目的で、セメント類、粉体薬
剤、液体薬剤などによる処理や、溶融処理など様々な処
理が行われている。
【0003】都市ごみ焼却灰の処理装置の1つである湿
式灰冷却装置は、別名、灰出し装置、クリンカチャンネ
ルなどと呼ばれている。この装置は、例えば図4に示す
ように、焼却炉から発生する焼却主灰や飛灰などの焼却
灰aを冷却するための冷却水w(一般に設備水と呼ばれ
る)を収容する水槽11と、該水槽11内の設備水w中に焼
却灰aを投入する灰シューター12と、チェン13と該チェ
ン13に設けられたスクレーパー14とを有し、水槽11内で
冷却された灰を水槽11から払い出す灰払い出しコンベア
16などの灰払い出し手段と、前記水槽11から払い出され
た焼却灰aを受け入れる灰ピット15とを有し、焼却炉か
ら排出された焼却主灰や飛灰などの焼却灰aを灰シュー
ター12から水槽11内の設備水w中に投入し、冷却後、前
記灰払い出しコンベア16のスクレーパー14により水槽11
内から灰ピット15に払い出す装置である。この装置から
排出された灰aは、環境庁告示13号法で抽出試験を行
うと、有害金属の中でも鉛が、規制値以上検出される場
合がある。このような場合、水槽11中の設備水wに、有
害物質処理材などの薬剤を投入して安定化を行う場合が
多い。これは、水w中では、薬剤が焼却灰と均一に混合
されやすいからである。つまり、焼却灰aは、水槽11内
に投入されると水槽11底部に沈澱するが、灰aは浮力を
持つために、水w中で圧縮されず、灰aの粒子間の隙間
に薬剤が入って灰と接触する。従って、水槽11内の水w
中に投入された薬剤が、焼却灰aと均一に接触し反応す
ることで、焼却灰a中の有害物質を安定化しうる。ま
た、焼却炉からの焼却灰aは、発生量が変動するので、
灰払い出しコンベア16により連続的に水槽11外の灰ピッ
ト15へ払い出される場合もあれば、2〜3分にわたって
殆ど払い出されない場合もある。このように、不連続に
発生する灰に対しても、一定濃度の薬剤を設備水w中に
加えておくことで、不連続な灰の発生時間に関係なしに
定常的に有害物質を安定可能となる。これに対し、前記
冷却装置から払い出された灰に薬剤を添加する場合、装
置から払い出された灰は圧縮された塊状となっており、
灰に対して薬剤を均一に接触させて安定化させることは
困難である。
【0004】しかしながら、上記のような湿式灰冷却装
置の設備水w中に薬剤を大量に投入した場合、スカムと
呼ばれる泡が水槽11の水面に発生したり、設備水wが濁
ったり、さらには薬剤の影響で異臭が発生するケースが
あり、実用面で問題視されている。なぜならば、水槽11
の水面に発生したスカムが灰シューター12の中に溜まる
と、後から投入される灰aが水面下に落ちるのを妨害し
て、灰シューター12の中に灰が詰まる。また、スカム発
生の機構は明らかではないが、スカムが発生する時、設
備水wが濁ることが多い。そのために、スカム除去の目
的で、設備水を湿式灰冷却装置からオーバーフローさせ
た場合、濁りを伴った設備水が排出される。この排出さ
れた設備水は、専用の沈殿槽に導いたり、灰ピットに流
して、灰ピットに落下した処理物から流れ出した水と混
合した後に、別途設けられた沈殿槽に導く。このような
場合、濁りを伴った水が沈殿槽内に流れ込み、沈澱槽内
の沈澱物を増加させるからである。また、ポリエチレン
イミンにジチオカルボキシル基の結合したポリマーやジ
ブチルジチオカルバミン酸塩などの液体有機処理剤で
は、変異原性のある二硫化炭素が原料として含まれてい
るために、設備水や灰ピットから二硫酸化炭素ガスが発
生する懸念がある。なぜならば、設備水は、夏場には、
48℃近くになること、液体有機処理剤は、熱に不安定
であり分解しやすく、沸点が低い二硫化炭素が発生する
からである。このような背景から、実用上の問題がな
く、しかも確実に有害物質を安定化できる処理方法が望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来における廃棄物処理の問題点に鑑み、都市ごみ焼
却灰、産業廃棄物処理灰などの焼却灰中に含まれる重金
属などの有害物質を安定化しうる焼却灰処理方法を提供
することを目的とするものであり、特に、湿式灰冷却装
置、別名、灰出し装置、クリンカチャンネルと呼ばれる
灰冷却装置から排出される焼却灰の処理を、実用上の問
題なく処理可能な処理方法および処理装置を提供せんと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、湿式灰冷却
装置の水槽から払い出した焼却灰をスロープを通過さ
せ、該スロープを通過する焼却灰に有害物質処理材を噴
射することからなる焼却灰の処理方法を見い出した。
【0007】
【発明の実施の形態】前記のように、本発明の処理方法
では、湿式灰冷却装置の水槽から払い出された後の焼却
灰を、スロープを通過させ、このスロープを通過する焼
却灰に有害物質処理材を噴射することを特徴としてい
る。これを図1〜図2に示した本発明の焼却灰処理装置
の実施例図面に基づいて説明すると、本発明の焼却灰処
理装置は、冷却水wを収容する水槽1と、該水槽1に焼
却灰を投入する灰シューター2と、該水槽1内の冷却水
w中に投入された焼却灰aを水槽1から払い出す灰払い
出し手段3と、前記水槽1から払い出された冷却後の焼
却灰aを受け入れる灰ピット4とを有し、前記水槽1か
ら灰ピット4への焼却灰aの払い出し口5にスロープ6
を設けるとともに、前記水槽1から払い出されて前記ス
ロープ6上を通過する焼却灰に対して有害物質処理材を
噴射する薬剤噴射ノズル7を設けてなる。このように、
本発明の処理方法では、前記冷却装置の水槽1から灰ピ
ット4への灰払い出し口5から灰ピット4に落ちるまで
にスロープ6を設けておき、灰払い出し手段3、例え
ば、図示した実施例装置においては、複数の歯車33に掛
け回されたチェン31と該チェン31に所定の間隔で多数設
けられたスクレーパー32からなる灰払い出しコンベア30
の前記スクレーパー32により、塊となって排出される焼
却灰aは、このスロープ6を通過する過程で、スロープ
6の上を灰ピット4方向へ落下しながら重力の作用でス
ロープ6上で広がり、スロープ6の上を薄い層状となり
通過する。このように、薄く広がった焼却灰aに薬剤を
噴射することで、焼却灰aに対して有害物質処理材を均
一に添加することができ、焼却灰a中で有害物質を均一
に安定化可能となるのである。
【0008】次に、本発明の処理装置におけるスロープ
6の形態について説明する。このスロープ6は、その傾
斜角が、水平面に対して20度以上であるのが好まし
く、また、60度以下であるのが好ましい。これは、ス
ロープ6の傾斜角が小さいと、水槽1から払い出された
焼却灰aが、塊のままスロープ6上を通過してしまい、
スロープ6上に広がらないからである。一方、スロープ
6の傾斜角が大き過ぎると、焼却灰aの落下速度が大き
すぎ、やはり焼却灰aはスロープ6の上で広がることな
く、灰ピット4に落下してしまい、灰中に処理材を均一
に噴射することができない。なお、実際上のスロープ6
の角度は、スロープを作製する素材の種類、すなわち鉄
板であるのかプラスチック板であるのか、また、その表
面の形態、すなわち表面が平面であるのか、蒲鉾状であ
るのか、さらには網状であるのかによって、スロープ6
表面と焼却灰aとの間の摩擦係数などが異なり灰の落下
速度が変化し、スロープ6上における焼却灰aの広がり
方が違うので、適宜調節するのがよい。
【0009】前記スロープ6表面形状は、単なる平面状
でもよいが、スロープ6が、灰が排出される方向に進む
に従って、反っている、すなわち、スロープ6の水平面
に対する傾斜角が、スロープ6の下端側、すなわち灰ピ
ット4側にゆくに従って大きくなっていることが好まし
い。これは、スロープ6に落ちた焼却灰aは、水分を含
んだ細かい灰が薄い層となってまず流れ出すが、次い
で、比較的大きな灰がスロープ6の途中で留まり、塊を
作る。そこで、このような塊の灰であっても拡がるよう
に、灰ピット4に近づくにしたがって、水平面に対する
角度が大きくなっていることが好ましいのである。
【0010】次に、このスロープ6の大きさについて説
明する。スロープ6の大きさは、灰冷却装置の規模によ
って具体的な大きさは異なるが、いずれにしても実用上
の制限を受ける。つまり、一般的に、スロープ6から灰
ピット4内に落ちた焼却灰aは、クラブバケットクレー
ンなどによって搬出される。従って、スロープ6が灰ピ
ット4内に必要以上にせり出していると、クレーンがぶ
つかり壊れるおそれがある。また、その一方で、スロー
プ6の長さが短いと、灰が十分に広がらない。通常の場
合、スロープの長さは、30cm以上1メートル以内で
あることが好ましい。なお、実用上の問題がなければ、
更にスロープ6を長くするのを妨げるものでない。
【0011】本発明における前記スロープ6上に設置さ
れる薬剤噴射ノズル7について説明する。薬剤噴射ノズ
ル7の設置位置は、スロープ6上の灰に対して有害物質
処理材が均一に噴射できるような位置であればどのよう
な位置でもよい。ただし、灰の中には、鉄骨などの破砕
ごみ焼却物、空缶の塊、未燃の巨大なマットなどが混在
する場合がある。このような場合には、薬剤噴射ノズル
7が、スロープ6上にあると危険である。そのために
は、薬剤噴射ノズル7の位置を灰から遠ざける必要があ
る。一方、スロープ6の両脇に薬剤噴射ノズル7を設置
する場合には、灰の種類に関係なく噴射できる。薬剤噴
射ノズル7からの有害物質処理材の噴射量は、均一に噴
射してもよいが、灰ピット4に近い側、すなわちスロー
プ6の下端側に多く噴射することが好ましい。これは、
灰ピット4から遠い側、すなわちスロープ6の上端側の
灰は塊となっているので、灰への処理材の混ざり方が不
均一になるからである。従って、薬剤噴射ノズル7は、
スロープ6の上端側から下端側に向かって所定の間隔で
複数箇所に設け、しかも、スロープ6の下端側に向かう
に従って、隣接する薬剤噴射ノズル7,7間の設置間隔
を短くして、焼却灰が、スロープ6上で広がるに従って
有害物質処理材の噴射量が増加するように設けることが
好ましい。なお、薬剤噴射ノズル7からの有害物質処理
材の噴射間隔は、連続でも、また、灰払い出しコンベア
30のスクレーパー32により灰が排出される毎に間欠的に
噴射するようにしてもよい。
【0012】本発明で使用される有害物質処理材は、液
体状であれば使用可能である。また、液体の中に、活性
炭などの微粒子を含んでいても構わない。本発明で使用
可能な有害物質処理材の組成としては、珪酸ナトリウム
や珪酸カリウムなどの可溶性珪酸塩、燐酸1水素ナトリ
ウム、燐酸2水素ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸1
水素カリウム、燐酸2水素カリウム、燐酸カリウムなど
の可溶性燐酸塩、およびジエチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウム、ジブ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカ
ルバミン酸カリウム、ポリエチレンイミンにジチオカル
ボキシル基を含む有機物、硫酸バンド、燐酸アルミニウ
ム溶液などが挙げられる。
【0013】本発明を適用し得る焼却灰としては、都市
ごみ焼却灰や産業廃棄物焼却灰から発生する飛灰、主灰
がある。ここで、飛灰は、焼却に伴って発生する粉状の
ばいじんや、溶融炉から発生するばいじんを集塵したも
のであり、電気集塵器で集塵したEP灰があげられる。
一方、主灰は、都市ごみや産業廃棄物の焼却場で、焼却
炉下部より排出される灰であり、有害な重金属を含むも
のが対象となる。また、産業廃棄物焼却灰も処理対象と
することができる。また、本発明方法により安定化可能
な有害物質としては、ダイオキシン、PCBなどの有害
有機物や、鉛、カドミウム、水銀、セレン、ヒソ、亜
鉛、クロムなどが挙げられる。
【0014】
【発明の効果】本発明の焼却灰処理方法および処理装置
を用いて、有害物質を含有する産業廃棄物や都市ごみの
焼却炉から発生し湿式灰冷却装置から排出される焼却灰
を処理することで、焼却灰中の有害物質を均一、かつ確
実に安定化できる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0016】(実施例1)1時間の焼却灰発生量(乾燥
灰換算)が1トンの湿式灰冷却装置(幅1.25m、設
備水量60トン、設備水温度40〜43℃)の灰ピット
への灰払い出し口に、幅1.4m、長さ0.8m、傾き
45度の平面状鉄製スロープ板を設置した。薬剤噴射ノ
ズルは、図3に示すように前記スロープ板の左右に3箇
所ずつ、すなわち、スロープ板の下端側(灰ピットに近
い側)20cm以内に左右に2箇所ずつ、灰ピットから
40cmの所に左右に1箇所ずつを取り付け、スロープ
に向かって噴射するようにした。有害物質処理材として
は、珪酸ナトリウム(3号水ガラス)を2倍量の水で3
倍に希釈した水溶液を用い、その噴射量は、6本の薬剤
噴射ノズルから1分当たり1.5Kg(薬剤が0.5K
g)になるように灰払い出しコンベアのスクレーパーに
より灰がスロープにかき出される毎に間欠的に噴射し
た。前記のように有害物質処理材を噴射したスロープを
通過して灰ピットに落ちた焼却灰をクレーンでつり上
げ、地面に落とした後、3箇所からサンプリングした。
比較例2として、湿式灰冷却装置においてスクレーパー
により払い出されてピットに落ちる境界部分(図1にお
ける払い出し口5部分)の6箇所に設けた薬剤噴射ノズ
ルから上記と同様の有害物質処理材を噴射した場合の焼
却灰をサンプリングした。さらに、上記と同様の有害物
質処理材を灰に対して3%になるように水槽中の設備水
に加えて2日後の灰ピットからサンプリングした灰につ
いても3箇所からサンプリングして比較例3とした。
【0017】これらの焼却灰50gを、20℃で1日間
養生させた後、各処理方法を用いた場合の無害化効果を
調べるために、環境庁告示13号法(日本)に従って抽
出試験を行い、鉛の溶出濃度を測定した。この時の実験
結果を以下の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1と比較例2を比較すると、水槽か
ら払い出された焼却灰に有害金属処理材を噴射した場合
であっても、スロープがない比較例2の場合には、焼却
灰中で鉛の濃度が偏在しているのが分かる。これに対
し、スロープを通過する焼却灰に有害物質処理材を噴射
した実施例1では、灰中の鉛濃度の偏在が小さい。従っ
て、灰中の有害金属を均一に安定するには、スロープ上
を通過する焼却灰に処理材を噴射することが有効である
ことが分かる。また、実施例1の場合には、設備水から
払い出された後の灰に対して有害物質処理材を噴射する
ものであるにもかわらず、有害物質処理材を設備水中に
投入した比較例3の場合と同様に、焼却灰中で均一に鉛
を安定化可能であり、本発明によれば、有害物質処理材
を設備水中に投入する場合のような実用上の問題もな
く、焼却灰中の有害物質を均一に安定化できることが分
かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る焼却灰処理装置の1実施例を示
す模式的側断面図。
【図2】 前記焼却灰処理装置の模式的平面図。
【図3】 前記焼却灰処理装置の要部を示す模式的斜視
図。
【図4】 従来の湿式灰冷却装置を示す模式的側断面
図。
【符号の説明】
1 水槽、 2 灰シューター、 3 灰払い出し手
段、4 灰ピット、 5 灰払い出し口、 6 スロー
プ、7 薬剤噴射ノズル、 30 灰払い出しコンベア、
11 水槽、 12 灰シューター、 13 チェン、14 ス
クレーパー、 15 灰ピット、 16 灰払い出しコンベ
ア、31 チェン、 32 スクレーパー、 33 歯車、a
焼却灰。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式灰冷却装置の水槽から払い出した焼
    却灰をスロープを通過させ、該スロープを通過する焼却
    灰に有害物質処理材を噴射することを特徴とする廃棄物
    焼却灰処理方法。
  2. 【請求項2】 焼却灰が、鉛、カドミウム、水銀、セレ
    ン、ヒソ、亜鉛、クロムからなる群から選択される少な
    くとも1種の有害物質を含んでいる請求項1の廃棄物焼
    却灰処理方法。
  3. 【請求項3】 有害物質処理材が、可溶性珪酸塩、燐酸
    塩、およびジチオカルボキシル基を含む有機物のうちか
    ら選択される少なくとも1種を含んでいる請求項1記載
    の廃棄物焼却灰処理方法。
  4. 【請求項4】 可溶性珪酸塩が、珪酸ナトリウム、もし
    くは珪酸カリウムである請求項3記載の廃棄物焼却灰処
    理方法。
  5. 【請求項5】 廃棄物焼却灰が、都市ごみの焼却飛灰、
    主灰、溶融飛灰、または産業廃棄物焼却灰である請求項
    1記載の廃棄物焼却灰処理方法。
  6. 【請求項6】 冷却水を収容する水槽と、該水槽に焼却
    灰を投入する灰シューターと、該水槽内の冷却水中に投
    入された焼却灰を水槽から払い出す灰払い出し手段と、
    前記水槽から払い出された焼却灰を受け入れる灰ピット
    とを有する焼却灰の処理装置において、前記水槽から灰
    ピットへの焼却灰の払い出し口にスロープを設けるとと
    もに、前記水槽から払い出されて前記スロープ上を通過
    する焼却灰に対して有害物質処理材を噴射する薬剤噴射
    ノズルを設けてなる廃棄物焼却灰処理装置。
  7. 【請求項7】 スロープの傾斜角が、水平面に対して2
    0度以上、60度以下である請求項6記載の廃棄物焼却
    灰処理装置。
  8. 【請求項8】 スロープの傾斜角が、スロープの下端側
    にゆくに従って大きくなっている請求項7記載の廃棄物
    焼却灰処理装置。
  9. 【請求項9】 スロープの上端側から下端側に向かって
    所定の間隔で複数箇所に薬剤噴射ノズルを設けてなる請
    求項6記載の廃棄物焼却灰処理装置。
  10. 【請求項10】 スロープの下端側に向かうに従って、
    隣接する薬剤噴射ノズル間の設置間隔を短くしてなる請
    求項9記載の廃棄物焼却灰処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017186579A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 住友金属鉱山株式会社 クリンカーの保管方法
JP2020016398A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 Jfeエンジニアリング株式会社 焼却灰冷却装置及び焼却灰冷却方法

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JP2017186579A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 住友金属鉱山株式会社 クリンカーの保管方法
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