JPH102875A - 酵素反応センサー及びその製造方法 - Google Patents

酵素反応センサー及びその製造方法

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JPH102875A
JPH102875A JP8271215A JP27121596A JPH102875A JP H102875 A JPH102875 A JP H102875A JP 8271215 A JP8271215 A JP 8271215A JP 27121596 A JP27121596 A JP 27121596A JP H102875 A JPH102875 A JP H102875A
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enzyme
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grooves
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば,血液や尿中に存在しているグルコー
ス濃度を小型装置で多数回測定することを可能にし,か
つ半導体加工技術の利点である量産性の高いことを利用
した酵素反応センサーとその製造方法とを提供するこ
と。 【解決手段】 グルコースセンサは,シリコン基板1
と,シリコン基板1の一表面に形成された複数の溝2
と,前記複数の溝2に夫々形成された一対の白金電極膜
3,4と,前記溝2を覆うパイレックスガラス板5とを
備え,前記溝2及びパイレックスガラス板5とによって
形成されたキャピラリー6内部に酵素としてグルコース
オキシターゼを固定化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,臨床用携帯型マル
チタイプグルコースセンサー等の酵素反応を利用したセ
ンサーに関し,詳しくは,酵素反応を用いて血液中・尿
中のグルコース濃度等を測定するセンサーと,その製造
方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】成人病の1つである糖尿病疾患は1日に
数回血糖値を測定し,インスリンの投与のコントロール
や,食事のコントロールをしなければならない。現在グ
ルコース測定法としては,比色法・酵素反応法等があ
る。
【0003】この比色法としては還元法(Somogyi-Nels
on法)が一般的である。この方法は以下の手順を経て測
定される。まず,硫酸亜鉛と水酸化バリウムを使って妨
害物である蛋白質を除く(除蛋白)。その後,遠心,ろ
過し還元反応・呈色反応を起こさせる。その他の比色法
としては縮合法(o−トルイジン・ホウ酸法)がある。
この方法は,糖を酸性条件下,o−トルイジンとともに
加熱すると青緑色を呈することを利用するものである。
これら比色定量法は,それぞれ反応物質に特有な波長の
吸収光を当てて吸光度を測り,その結果からグルコース
濃度を測定する方法である。
【0004】一方,酵素反応を用いる測定法としては,
グルコースオキシターゼ(GOD)等の酵素を用いてグ
ルコースが反応したときに発生する過酸化水素等の生成
物を測定するか,または,減少する物質(酵素)を定量
することによって,グルコースを定量する方法がある。
実際に検出手段としては,電極を用いる方法(サイクリ
ックボルトアンメトリ)と比色測定法とが存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】比色法は,一般に前処
理が必要でありまた分光学的な測定法を用いることから
検出部が大型になる。また上記したように吸光光度法で
は,測定物質の固有波長に近似した波長を有する他の物
質による影響を受けるため正確な測定値が得られないこ
とがある。
【0006】一方,現在の酵素法による装置は,酵素の
基質選択性を利用することから前処理の必要等はないが
多数のサンプルを測定するためにはポンプ,反応槽等の
装置を取り付ける必要があり,装置が大型化し低コスト
化・量産化が困難となる。また,測定検体のグルコース
濃度を即時に検出し,携帯性・多数サンプル測定という
条件を満たすには問題が残る。
【0007】そこで,本発明の技術的課題は,例えば,
血液や尿中に存在しているグルコース濃度を小型装置で
多数回測定することを可能にし,かつ半導体加工技術の
利点である量産性の高いことを利用した酵素反応センサ
ーとその製造方法とを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,マイクロマシ
ン技術を用いて円形のシリコンウエハー等の半導体基板
上に,例えば,放射状に溝と白金電極膜を多数作製し,
その後,半導体基板とパイレックスガラス等のガラス板
とを一体化させてキャピラリーを形成させ,内部にグル
コースオキシダーゼ等の酵素を固定化する。以上の様に
キャピラリー,電極を単一の半導体基板上に多数作製し
マルチタイプグルコースセンサー等の酵素センサを構築
する事から上記の様な小型化・多数サンプル測定・量産
性という課題を解決している。
【0009】即ち,(1)本発明によれば,半導体基板
と,前記半導体基板の一表面に形成された複数の溝と,
前記複数の溝に夫々形成された貴金属からなる一対の電
極膜と,前記溝を覆うガラス板とを備え,前記溝及びガ
ラス板とによって形成されたキャピラリー内部に酵素を
固定化したことを特徴とする酵素反応センサーが得られ
る。
【0010】また,(2)本発明によれば,前記酵素反
応センサーにおいて,前記酵素は,グルコースオキシダ
ーゼであることを特徴とする酵素反応センサーが得られ
る。
【0011】また,(3)本発明によれば,前記いずれ
かの酵素反応センサーにおいて,前記半導体基板は,円
形のシリコンウエハーからなり,前記複数の溝は前記シ
リコンウエハーの一面に半径方向に沿って形成されてい
ることを特徴とする酵素反応センサーが得られる。
【0012】また,(4)本発明によれば,前記いずれ
かの酵素反応センサーにおいて,前記貴金属は白金から
なり,前記一対の電極膜は,前記シリコンウエハーの中
心寄りに電極取出端部を備えていることを特徴とする酵
素反応センサーが得られる。
【0013】また,(5)本発明によれば,前記いずれ
かの酵素反応センサーにおいて,前記ガラス板はパイレ
ックスガラスからなり,前記溝以外の前記ガラス板と前
記半導体基板とは互いに接合していることを特徴とする
酵素反応センサーが得られる。
【0014】また,(6)本発明によれば,マイクロマ
シン技術を用いて,半導体基板上にエッチングによっ
て,溝を複数形成し,更に,貴金属からなる一対の電極
膜を形成し,前記溝を覆うようにガラス板を接合し一体
化させて,キャピラリーを形成し,前記キャピラリー内
部に,酵素を固定化することを特徴とする酵素反応セン
サーの製造方法が得られる。
【0015】また,(7)本発明によれば,前記酵素反
応センサーの製造方法において,前記半導体基板は,円
形のシリコンウエハーからなり,前記溝を半径方向に形
成することを特徴とする酵素反応センサーの製造方法が
得られる。
【0016】また,(8)本発明によれば,前記いずれ
かの酵素反応センサーの製造方法において,前記貴金属
は白金からなり,前記一対の電極膜は,スパッタリング
法,及びイオンミリング法によって,前記シリコンウエ
ハーの中心寄りに電極取出端部を有するように,形成す
ることを特徴とする酵素反応センサーの製造方法が得ら
れる。
【0017】また,(9)本発明によれば,前記いずれ
かの酵素反応センサーの製造方法において,前記ガラス
板はパイレックスガラスからなり,前記シリコンウエハ
ーとは陽極接合法によって一体化することを特徴とする
酵素反応センサーの製造方法が得られる。
【0018】また,(10)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーの製造方法において,前記酵素
として,グルコースオキシダーゼを化学結合・包括法に
よって固定化することを特徴とする酵素反応センサーの
製造方法が得られる。
【0019】また,(11)本発明によれば,一対の互
いに重ね合わせられる基板と,前記一対の基板の内の少
なくとも一方の基板の一表面に形成された複数の溝と,
前記複数の溝に対応して,前記一対の基板の内のいずれ
かに形成された貴金属からなる少なくとも2個の電極膜
とを備え,前記溝及基板とによって形成されたキャピラ
リー内部に酵素を固定化したことを特徴とする酵素反応
センサーが得られる。
【0020】また,(12)本発明によれば,前記酵素
反応センサーにおいて,前記酵素は,グルコースオキシ
ダーゼであることを特徴とする酵素反応センサーが得ら
れる。
【0021】また,(13)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーにおいて,前記基板は,円形形
状のプラスチックスからなり,前記複数の溝は前記プラ
スチックス基板の一面に半径方向に沿って形成されてい
ることを特徴とする酵素反応センサーが得られる。
【0022】また,(14)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーにおいて,前記貴金属は白金か
らなり,前記電極膜は,前記プラスチックス基板の中心
寄りに電極取出端部を備えていることを特徴とする酵素
反応センサーが得られる。
【0023】また,(15)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーにおいて,前記複数の電極膜は
3個形成されていることを特徴とする酵素反応センサー
が得られる。
【0024】また,(16)本発明によれば,前記いず
れかの酵素センサーにおいて,前記一対の基板は,互い
に接合されていることを特徴とする酵素反応センサーが
得られる。
【0025】また,(17)本発明によれば,前記いず
れかの酵素センサーにおいて,前記一対の基板は,前記
一対の基板は,プラズマ重合膜を接合面に備え,当該プ
ラズマ重合膜の溶接によって互いに接合されていること
を特徴とする酵素反応センサーが得られる。
【0026】また,(18)本発明によれば,前記いず
れかの酵素センサーにおいて,前記酵素固定は,少なく
とも前記キャピラリーの内壁面に存在するアミノ基を有
するモノマーのプラズマ重合膜の前記アミノ基と前記酵
素に存在するアミノ基とを架橋試薬によって結合させた
ものであることを特徴とする酵素反応センサーが得られ
る。
【0027】また,(19)本発明によれば,マイクロ
マシン技術を用いて,一枚基板上に溝を複数形成し,更
に,他の一枚の基板上に前記溝に対応して貴金属からな
る少なくとも一対の電極膜群を夫々形成し,前記溝と前
記貴金属とを対応させて前記一対の基板を重ね合わせて
接合し一体化させて,キャピラリーを形成し,前記キャ
ピラリー内部に,酵素を固定化することを特徴とする酵
素反応センサーの製造方法が得られる。
【0028】また,(20)本発明によれば,前記酵素
反応センサーの製造方法において,前記基板は,円形の
プラスチックからなり,前記溝を半径方向に形成するこ
とを特徴とする酵素反応センサーの製造方法が得られ
る。
【0029】また,(21)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーの製造方法において,前記貴金
属は白金からなり,前記一対の電極膜は,スパッタリン
グ法,及びイオンミリング法によって,前記基板の中心
寄りに電極取出端部を有するように,形成することを特
徴とする酵素反応センサーの製造方法が得られる。
【0030】また,(22)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーの製造方法において,前記基板
はアクリル樹脂からなり,互いに接合されて一体化する
ことを特徴とする酵素反応センサーの製造方法が得られ
る。
【0031】また,(23)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーの製造方法において,前記一枚
の基板に溝を形成した後,及び前記他の一枚の基板に電
極群を形成する前に,前記夫々の基板の互いに接合され
る面の表面に,アミノ基を含むプラズマ重合膜を形成す
ることを特徴とする酵素反応センサーの製造方法が得ら
れる。
【0032】また,(24)本発明によれば,前記いず
れかの酵素反応センサーの製造方法において,前記酵素
として,グルコースオキシダーゼを化学結合・包括法に
よって固定化することを特徴とする酵素反応センサーの
製造方法が得られる。
【0033】また,(25)本発明によれば,前記酵素
反応センサーの製造方法において,前記酵素はアミノ基
を備え,前記酵素の固定化は,前記プラズマ重合膜のア
ミノ基と前記酵素のアミノ基との架橋試薬の作用により
結合させることを含むことを特徴とする酵素反応センサ
ーの製造方法が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本発明の実施の形態におい
ては,酵素反応センサーとして,グルコースセンサの例
を示したが,本発明はこれらに限定されるものではない
ことは明らかである。
【0035】図1(a)は本発明の第1の実施の形態に
よるグルコースセンサーを示す組立分解斜視図,(b)
は平面図である。図1(a)及び(b)を参照すると,
グルコースセンサー10は集積化センサーデバイスであ
り,シリコン基板1の一面上には,溝2が半径方向に形
成されている。この溝2には,白金電極膜3,4が形成
され,パイレックスガラス板5に覆われている。このパ
イレックスガラス板とシリコン基板1とは,接合され一
体化しており,溝2部分はパイレックス板に覆われてキ
ャピラリー6を形成している。このキャピラリー6に
は,グルコースオキシダーゼが固定化される。
【0036】図1(b)に示すグルコースセンサーを次
に示す手順で作成した。
【0037】まず,直径2インチ,結晶格子100面,
片面鏡面仕上げのシリコンウエハー1に対しRCA社の
方法に準じた洗浄を行った後,水素燃焼法の熱酸化で約
0.8オングストロームの酸化膜を形成させた。これに
フォトレジストをスピンコートしフォトマスクでパター
ニングを行い,フッ化水素酸,フッ化アンモニウム溶液
で酸化膜のエッチングを行いEPW溶液(エチレンジア
ミン−ピロカテコール−水)のエッチング溶液を用い結
晶異方性ウエットエッチング法により長さ12mm,幅
1mm,深さ56μmの放射状の溝2を16本作成し
た。シリコンウエハー1は,大気中に放置もしくは,直
接加熱することによって,表面に絶縁性を備えた被膜が
形成されている。この溝2を多数作成したシリコンウエ
ハー1全面に対し,スパッタリング装置を用いて白金膜
を厚さ約200オングストローム形成しフォトレジスト
をスピンコートし,白金膜のパターニングを行った後イ
オンミリング装置で,ドライエッチングを行い白金電極
膜3,4をそれぞれの溝に対して1対(2電極)形成さ
せた(単一あたりの電極面積1mm2 )。さらにこのシ
リコンウエハー1とパイレックス製で外径2インチ内径
1.2インチのガラス基板5とを陽極接合することによ
り立体構造を形成させた。以上の操作を経て微細管構造
−キャピラリー6と白金電極膜3,4を成形した。な
お,キャピラリーの内側に電極取出部3a,4aがそれ
ぞれ露出して形成されている。
【0038】次に,酵素固定化方法について述べる。酵
素としてのグルコースオキシダーゼ(GOD)は,ガラ
スやシリコン表面をアミノ化し架橋剤にグルタルアルデ
ヒド(GA)を用いてこれを酵素のアミノ基と架橋させ
る方法で固定化した。製作したキャピラリー6に3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン(aminopropyltrietoxy
silane, γ−APTES)のトルエン溶液10μlを室
温で通過させ終夜115℃に加熱した。2.5%(v/
v)のグルタルアルデヒド(GA)を含むリン酸緩衝液
(pH7.1)でカラムを満たし1時間保持し,これを
排出後リン酸緩衝液を通過させて洗浄し,10%(w/
v)のGOD(Type II ,Sigma )を含むリン酸緩衝液
でカラムを満たし終夜保持し内部に,グルコースオキシ
ダーゼを固定化した。
【0039】次に,本発明の第1の実施の形態によるグ
ルコースセンサーの測定原理について説明する。
【0040】本発明の第1の実施の形態によるマルチタ
イプグルコースセンサーは,グルコース溶液および検査
試料を毛細血管現象によりシリコンウエハー先端のキャ
ピラリー6から内部に導入される。導入されたグルコー
ス溶液は,キャピラリー内部で固定化されたGODの触
媒作用により下記化1式に示すように,グルコノラクト
ンと過酸化水素に変換される。
【0041】
【化1】
【0042】生成した過酸化水素はキャピラリー内の白
金電極膜で,下記化2式の電極反応に従って電気化学的
に検出される。
【0043】
【化2】
【0044】電気化学検出は,酸素や過酸化水素など多
くの酵素反応の基質や生成物が電気化学的に活性であり
又それぞれの化学種は電気化学的に分別定量可能であり
これらの電気化学検出が有効な測定デバイスになる。ま
た一般的に,分光学的検出での検出対象がサイズの3乗
に比例して減少していくのに対して,電気化学検出では
サイズの2乗に比例して減少する。本発明によるグルコ
ースセンサを用いた検出法では,電気化学検出法を採用
しているため,微小化に伴い相対的に電気化学検出法の
効率が高くなる。更に微小化により試薬や試料の消費量
を抑えることができる,すなわち測定時間の短縮を図る
ことができる。生成した過酸化水素は白金電極膜の片方
の電極−アノード電極により酸化されアノード電流が観
測される。以上のことから過酸化水素濃度の電流値変化
を観測することからグルコースの定量が可能となった。
【0045】次に,本発明の第1の実施の形態によるグ
ルコースセンサーを用いたグルコースの測定例について
説明する。
【0046】GODを用いてグルコースを測定すると
き,通常生成する酸化還元種は過酸化水素である。過酸
化水素を製作したデバイスで定量的に検出することがで
きるかを確認するためにデバイスのグルコースの検出に
先立って,過酸化水素溶液を導入して電気化学反応を行
わせた。それぞれの濃度の調整した過酸化水素溶液でキ
ャピラリーセルを満たし,サイクリックボルタンメトリ
ーを行った。デバイス内の2つの電極間に,0から10
00mVまでの電位をスキャンした時の電流値変化を図
2に示す。図2に示すように,800mV付近の電流値
に,過酸化水素由来の酸化電流が観測された。過酸化水
素濃度と電流値の間で相対的な関係が認められ,製作し
たデバイスが過酸化水素検出用の電気化学セルとして機
能することが判明した。同様の方法で今度は試料導入用
の穴からグルコース溶液を導入する。キャピラリー内の
GODによりグルコースが酸化され,このとき溶存酸素
が過酸化水素になる。下記表1はこれら試料を導入した
場合の応答値を表す。
【0047】
【表1】
【0048】図3は本発明の第2の実施の形態によるグ
ルコースセンサーのガラス板を取り除いた状態を示す平
面図である。図3に示すように,シリコン基板1上に,
溝12が形成され,白金電極膜13,14が夫々形成さ
れている。本発明の第1の実施の形態においては,溝
数,即ち,キャピラリー数が16本であったが,第2の
実施の形態によるものは,溝数72本と密度が高められ
ている。また,そのために,電極取出部分も一対づつ並
んで形成されている。
【0049】本発明の第1及び第2の実施の形態による
グルコースセンサーは,その使用に際しては,白金電極
膜にボルタンメータを備えた測定装置を接続したものを
用意し,採血した血液を一滴,センサーのキャピラリー
に毛管現象によって吸い込ませて,測定すれば良い。
【0050】採血に際しては,例えば,消毒綿で指先を
消毒し,乾燥させた後,採血器等を用いて穿刺して,血
液を一滴しぼりだす等で良い。
【0051】第2の実施の形態によるグルコースセンサ
ーも第1の実施の形態によるものと同様に,ガラス板を
重ねて陽極接合して一体化した後,酵素固定化されても
用いられる。
【0052】図4は本発明の第3の実施の形態によるグ
ルコースセンサーを示す分解組み立て斜視図であり,
(a)は第1のアクリル板,(b)は第2のアクリル板
を示している。図4(a)を参照すると,第1のアクリ
ル板21は,中央に孔部22を有し,一面23には,外
周からこの孔部22に向かって断面角型の溝24が半径
方向に複数設けられている。
【0053】図4(b)を参照すると,第2のアクリル
板25は,表面に,先端部が直角に屈曲した白金電極2
7,28,29が,半径方向に途中で段を為し延在して
夫々設けられている。この白金電極27,28,29
は,スパッタリングに,よって形成され,この3本の電
極27,28,29の内の電極28の基部は,この第2
のアクリル板25の中心部付近で,中心電極30に夫々
接続されている。
【0054】これらの第1及び第2のアクリル板21及
び25は,図に示されている一面を,エチレンジアミン
のプラズマ重合によって処理され,互いに張り合わされ
たのち,後に詳しく述べるように,半径方向に形成され
たキャピラリー内に酵素が固定化される。
【0055】図5(a),図5(b)及び図5(c)
は,図4(a)及び図4(b)の第1及び第2のアクリ
ル板21及び25の一部を示す斜視図である。
【0056】図5(a)に示すように,厚さ2mm,半
径30mm,内径20mmのドーナツ型の円板の一面
に,深さ1mm,幅1mmの溝24が半径方向に複数本
形成されている。
【0057】図5(b)に示すように,厚さ2mm,半
径30mmの円板の一面で,溝24に対応するように,
半径方向に電極27,28,29が形成されている。こ
の溝24は,電極の周方向に長い先端部27b,28
b,29bが夫々横断する。
【0058】図5(c)に示すように,図5(a)の第
1のアクリル板及び図5(b)の第2のアクリル板を図
に示された一面を互いに合わせることによって,第1の
アクリル板21の溝24は,第2のアクリル板25の一
面によって,蓋がなされ,半径方向にキャピラリー31
が形成される。
【0059】次に,本発明の第3の実施の形態による酵
素反応センサーの製造方法について図6乃至図9を参照
して説明する。
【0060】図6はプラズマ重合を行う装置の概略を示
している。図6に示すように,装置は,装置本体50内
の上部にサンプルステージ60が設けられ,その上にプ
ラズマ発生器53が設けられている。プラズマ発生器5
3には,発振器52及び整合器51が接続されている。
サンプルステージの下側のチャンバー内には,エチレン
ジアミン等の原料を蓄えるリザーバ59と,これに接続
され,バルブを備えた配管からなる流路62と,流路6
2の一端に設けられた流量調整器58を介して,チャン
バー内に導入管55が接続されている。
【0061】一方,チャンバー内のガスを排気するため
に,チャンバーには,拡散ポンプ56及びロータリーポ
ンプ57に接続された排気管54が設けられている。こ
の装置は,アミノ基導入のため,プラズマ重合膜のモノ
マー原料としてはエチレンジアミンを使用する。プラズ
マ重合の条件は,以下の表2の通りである。
【0062】
【表2】
【0063】上記表2の条件で,プラズマ重合膜の成膜
速度は,1000オングストローム/minであり,プ
ラズマの重合膜の厚さは1000オングストロームであ
る。
【0064】次に,具体的手順を説明する。
【0065】まず,図7(a)及び図8(a)に示すよ
うに,外径30mm,厚さ2mmのアクリル基板と外径
30mm,内径20mm,厚さ2mmのアクリル板を用
意する。図7(b)に示すように,アクリル板21の表
面にキャピラリー形成用の溝24を機械加工により,半
径方向に長さ10mm,深さlmm,幅1mmの溝24
を複数本形成する。図7(c)に示すように,アクリル
板の一面にエチレンジアミンプラズマ処理によりアクリ
ル基板表面にアミノ基を導入する。ここで,エチレンジ
アミンプラズマ重合膜の作製について,詳細に説明す
る。プラズマとは,電離によってできた電子と正イオン
がほぼ等しい密度となって全体として中性になっている
物質の状態のことである。プラズマ重合法は,このプラ
ズマ中で重合し高分子合成を行う方法である。この方法
あるいはこの方法で得られた膜は,(ア)どのようなモ
ノマーでも製膜可能であること,(イ)ピンホールフリ
ーの非晶質であること,(ウ)薄膜形成(〜10nm)
可能であり均質であること,(エ)膜形成だけでなく,
プラズマガスの種類を変えることにより表面改質,修飾
(例えば官能基導入)が可能であること,(オ)ドライ
プロセスであるので半導体技術との融合が容易であるこ
となどの利点を備えている。
【0066】一方,図8(b)に示すように,アクリル
板の一面に,図6に示した装置を用いるエチレンジアミ
ンプラズマ処理によりアミノ基を導入する。
【0067】図8(c)に示すように,溝を形成してい
ないアクリル基板上にスパッタリングによって白金電極
パターン32を形成する。ここで,スパッタリングと
は,素材の金属等をプラズマ状態にまで持っていき,対
向する基板上に付着させる技術であり,主に電極形成用
の金属薄膜に用いられるプロセスである。白金膜の付着
速度は,毎秒数オングストロームであり,膜厚は時間に
より制御可能である。ここでは,前記のプラズマ重合処
理をしたアクリル基板の上にスパッタリングで白金電極
を形成する。電極パターン作製にはメタルマスクを使用
し,1対の電極パ夕ーン当たり3電極を夫々同時に形成
する。また,スパッタリングの条件は以下の表3の通り
である。
【0068】
【表3】
【0069】上記表2の条件で,白金膜の成膜速度は1
00オングストローム/minであり,白金膜の厚さは
1000オングストロームとなる。
【0070】次に図9(a)に示すように,キャピラリ
ー及び電極対を一体化させるため,基板間に1,2−ジ
クロロエタンを塗布し,アクリル基板同士の溶接接合を
行う。続いて,図9(b)に示すように,グルタルアル
デヒドによって形成されたキャピラリー31内に酵素を
固定化する。
【0071】酵素固定化は,プラズマ重合膜表面にある
アミノ基と酵素に存在するアミノ基を二価の架橋試薬で
あるグルタルアルデヒドを用いて行う。この反応は,次
の化3式で示される。
【0072】
【化3】
【0073】また,酵素固定化の詳細な手順は以下のよ
うにして行う。
【0074】まず,(i)2.5%(v/v)のグルタ
ルアルデヒド(GA)を含むリン酸緩衝液(pH5.
6)を用意し,前記のプラズマ処理を行ったキャピラリ
ー内に塗布して30分放置する。(ii) これをリン酸酸
緩衝溶液で洗浄後,10%(W/V)のGOD(Type I
I ,Sigma)を含むリン酸緩衝液を塗布したのち,30分
室温で保持する。(iii)リン酸緩衝液で物理的吸着して
いる酵素を洗い流す。
【0075】図10は,本発明の第3の実施の形態によ
るキャピラリー電極による過酸化水素の電極応答を示す
サイクリックボルタモグラムである。図10において,
横軸に電位E(mV),縦軸に電流値(A)を示してい
る。
【0076】(a)の状態では,まったく電流が流れな
い,即ち,回路のショートがない。
【0077】(b)の状態では,400〜800mVに
おいて目立った電流変化が観測されない。
【0078】(c)の過酸化水素を入れると,300〜
800mVにおいて酸化電流が観測され,過酸化水素が
検出できる事が分かる。測定条件等は図10に示されて
いる通り,リン酸バッファ(pH5.6)20mM,走
査速度(Scan rate)100mV/secのCV測定で,
室温(27℃)により行われている。
【0079】図11は本発明の第3の実施の形態による
キャピラリー電極によるグルコースの電極応答のサイク
リックボルタモグラムである。測定条件は図10と同様
に行われており,溶液導入後3分後に測定を開始してい
る。
【0080】図11に示すように,バッファ溶液のみの
時では,目立った電流値が観測されないが,(d)グル
コースオキシダーゼ(GOD)によりグルコノラクトン
と過酸化水素に変換され,この過酸化水素が検出できた
事が分かる。また,このCV図での600mVにおける
電流値の度合いを測る事によって,グルコースの定量が
可能となる。
【0081】図12は本発明の第3の実施の形態による
酵素反応センサーのグルコース濃度による電流値変化
(検量線)を示す図であり,図11において得られた最
適な電位(600mV)におけるグルコース濃度を変化
させた時の電流変化を示している。図12を参照する
と,グルコース0〜10mMの範囲において0〜0.8
μAの電流値変化が観測された。
【0082】ここで,この検量線は,電流値をYとおく
と以下の数1式のように示される。
【0083】
【数1】
【0084】図13は本発明の第3の実施の形態による
デバイスに設けられた任意の4つのキャピラリー(夫々
G,H,I,Jと呼ぶ)を用いて,それぞれのキャピラ
リーによるグルコース濃度による依存性を測定した結果
を示している。測定条件は,図12と同様に行った。
【0085】図13に示すように,それぞれ0〜10m
Mのグルコース溶液において,0〜1.5μAの範囲で
変化していることが判る。
【0086】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明では,マ
イクロマシン技術を用いることによって,シリコン基板
とガラスとで構成されるマイクロ酵素反応キャピラリー
と電気化学測定用電極を製作し,一体化及び集積化を行
い,迅速かつ簡便であるという長所を持つバイオセンサ
ーを微小化・一体化・集積化・量産化が可能なバイオセ
ンサーシステムを構築することができ,さらに広い範囲
に適用することができる酵素反応センサーとその製造方
法とを提供することができる。
【0087】また,本発明においては,液体クロマトグ
ラフィー等の測定装置では,試料溶液の導入用にポンプ
などの輸送系が必要となるが,システム中のデバイスは
すべてキャピラリー構造が必要であり,この構造を持た
せるために異方性エッチングによる溝を持つシリコン基
板とガラスとの接合により得られるシリコンキャピラリ
ーを採用し,シリコンキャピラリーを酵素反応カラムと
しても用いることとしたので,キャピラリー自身が微小
化による毛細管現象により試料輸送を担当し,内面の化
学修飾により酵素を固定化することが可能となり,微量
なグルコース溶液に対しても十分な応答を示したことか
ら製作したデバイスがマイクロ酵素センサーとして機能
する酵素反応センサーを提供することができる。
【0088】さらに,本発明によれば,単一のシリコン
ウエハー上に各々のデバイスを放射状に配列・多数のセ
ンサーを組み込む事によって,各々のデバイスはディス
ポーザブルタイプのセンサーとして使用可能で,かつシ
リコンウエハー単位として組み込んだデバイスの数だけ
連続使用可能な酵素反応センサーを提供することができ
る。
【0089】また,本発明によれば,プラスチック基板
を用いているために,機械的な加工が容易であるととも
に,製造コストの低廉価ができる酵素反応センサーを提
供することができる。
【0090】また,本発明によれば,プラズマ重合処理
を行っているために,基板同士の接合が容易であるとと
もに,酵素の固定化がさらに容易である酵素反応センサ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態によるグル
コースセンサーのガラス板とシリコンウエハーとの接合
前の状態を示す分解組立斜視図である。(b)はグルコ
ースセンサーの平面図である。
【図2】過酸化水素濃度と,電流値増加量との特性を示
すグラフ,表は緩衝溶液およびグルコース溶液に対する
電流値を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による酵素反応セン
サーのガラス板とシリコンウエハとの接合前の状態を示
す平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による酵素反応セン
サーを示す分解組立斜視図であり,(a)は第1のアク
リル板,(b)は第2のアクリル板を示している。
【図5】(a),(b),及び(c)は図4(a),
(b),に示したアクリル板21及び25の一部を示す
斜視図である。
【図6】プラズマ重合を行う装置の概略を示す図であ
る。
【図7】(a),(b),及び(c)は本発明の第3の
実施の形態による酵素反応センサーの製造方法を示す図
である。
【図8】(a),(b),及び(c)は本発明の第3の
実施の形態による酵素反応センサーの製造方法を示す図
である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第3の実施の形態
による酵素反応センサーの製造方法を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による酵素反応セ
ンサーのキャピラリー電極による過酸化水素の電極応答
を示すサイクリックボルタモグラムである。
【図11】本発明の第3の実施の形態による酵素反応セ
ンサーのキャピラリー電極による過酸化水素の電極応答
を示すサイクリックボルタモグラムである。
【図12】本発明の第3の実施の形態による酵素反応セ
ンサーのグルコース濃度による電流値変化(検量線)を
示す図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態による酵素反応セ
ンサーのキャピラリー(G,H,I,J)によるグルコ
ース濃度による依存性を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 溝 3,4 白金電極膜 3a,4a 電極取出部 5 ガラス板 6 キャピラリー 10 グルコースセンサー 11 シリコン基板 12 溝 13,14 白金電極膜 13a,14a 電極取出部 21 第1のアクリル板 22 孔部 23 一面 24 溝 25 第2のアクリル板 27,28,29 電極 30 中心電極 50 チャンバー 51 整合器 52 発振器 53 プラズマ発生器 54 排気管 55 導入管 56 拡散ポンプ 57 ロータリポンプ 58 流量調整器 59 リザーバー 60 サンプルステージ 61 導線 62 流路

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と,前記半導体基板の一表面
    に形成された複数の溝と,前記複数の溝に夫々形成され
    た貴金属からなる一対の電極膜と,前記溝を覆うガラス
    板とを備え,前記溝及びガラス板とによって形成された
    キャピラリー内部に酵素を固定化したことを特徴とする
    酵素反応センサー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酵素反応センサーにおい
    て,前記酵素は,グルコースオキシダーゼであることを
    特徴とする酵素反応センサー。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の酵素反応センサー
    において,前記半導体基板は,円形のシリコンウエハー
    からなり,前記複数の溝は前記シリコンウエハーの一面
    に半径方向に沿って形成されていることを特徴とする酵
    素反応センサー。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    酵素反応センサーにおいて,前記貴金属は白金からな
    り,前記一対の電極膜は,前記シリコンウエハーの中心
    寄りに電極取出端部を備えていることを特徴とする酵素
    反応センサー。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    酵素反応センサーにおいて,前記ガラス板はパイレック
    スガラスからなり,前記溝以外の前記ガラス板と前記半
    導体基板とは互いに接合していることを特徴とする酵素
    反応センサー。
  6. 【請求項6】 マイクロマシン技術を用いて,半導体基
    板上にエッチングによって,溝を複数形成し,更に,貴
    金属からなる一対の電極膜を形成し,前記溝を覆うよう
    にガラス板を接合し一体化させて,キャピラリーを形成
    し,前記キャピラリー内部に,酵素を固定化することを
    特徴とする酵素反応センサーの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の酵素反応センサーの製造
    方法において,前記半導体基板は,円形のシリコンウエ
    ハーからなり,前記溝を半径方向に形成することを特徴
    とする酵素反応センサーの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の酵素反応センサー
    の製造方法において,前記貴金属は白金からなり,前記
    一対の電極膜は,スパッタリング法,及びイオンミリン
    グ法によって,前記シリコンウエハーの中心寄りに電極
    取出端部を有するように,形成することを特徴とする酵
    素反応センサーの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8の内のいずれかに記載の
    酵素反応センサーの製造方法において,前記ガラス板は
    パイレックスガラスからなり,前記シリコンウエハーと
    は陽極接合法によって一体化することを特徴とする酵素
    反応センサーの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至9の内のいずれかに記載
    の酵素反応センサーの製造方法において,前記酵素とし
    て,グルコースオキシダーゼを化学結合・包括法によっ
    て固定化することを特徴とする酵素反応センサーの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 一対の互いに重ね合わせられる基板
    と,前記一対の基板の内の少なくとも一方の基板の一表
    面に形成された複数の溝と,前記複数の溝に対応して,
    前記一対の基板の内のいずれかに形成された貴金属から
    なる少なくとも2個の電極膜とを備え,前記溝及基板と
    によって形成されたキャピラリー内部に酵素を固定化し
    たことを特徴とする酵素反応センサー。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の酵素反応センサーに
    おいて,前記酵素は,グルコースオキシダーゼであるこ
    とを特徴とする酵素反応センサー。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12記載の酵素反応セ
    ンサーにおいて,前記基板は,円形形状のプラスチック
    スからなり,前記複数の溝は前記プラスチックス基板の
    一面に半径方向に沿って形成されていることを特徴とす
    る酵素反応センサー。
  14. 【請求項14】 請求項11乃至13の内のいずれかに
    記載の酵素反応センサーにおいて,前記貴金属は白金か
    らなり,前記電極膜は,前記プラスチックス基板の中心
    寄りに電極取出端部を備えていることを特徴とする酵素
    反応センサー。
  15. 【請求項15】 請求項11乃至14の内のいずれかに
    記載の酵素反応センサーにおいて,前記複数の電極膜は
    3個形成されていることを特徴とする酵素反応センサ
    ー。
  16. 【請求項16】 請求項11乃至15の内のいずれかに
    記載の酵素センサーにおいて,前記一対の基板は,互い
    に接合されていることを特徴とする酵素反応センサー。
  17. 【請求項17】 請求項11乃至16の内のいずれかに
    記載の酵素センサーにおいて,前記一対の基板は,前記
    一対の基板は,プラズマ重合膜を接合面に備え,当該プ
    ラズマ重合膜の溶接によって互いに接合されていること
    を特徴とする酵素反応センサー。
  18. 【請求項18】 請求項11乃至16記載の酵素センサ
    ーにおいて,前記酵素固定は,少なくとも前記キャピラ
    リーの内壁面に存在するアミノ基を有するモノマーのプ
    ラズマ重合膜の前記アミノ基と前記酵素に存在するアミ
    ノ基とを架橋試薬によって結合させたものであることを
    特徴とする酵素反応センサー。
  19. 【請求項19】 マイクロマシン技術を用いて,一枚基
    板上に溝を複数形成し,更に,他の一枚の基板上に前記
    溝に対応して貴金属からなる少なくとも一対の電極膜群
    を夫々形成し,前記溝と前記貴金属とを対応させて前記
    一対の基板を重ね合わせて接合し一体化させて,キャピ
    ラリーを形成し,前記キャピラリー内部に,酵素を固定
    化することを特徴とする酵素反応センサーの製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の酵素反応センサーの
    製造方法において,前記基板は,円形のプラスチックか
    らなり,前記溝を半径方向に形成することを特徴とする
    酵素反応センサーの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20記載の酵素反応セ
    ンサーの製造方法において,前記貴金属は白金からな
    り,前記一対の電極膜は,スパッタリング法,及びイオ
    ンミリング法によって,前記基板の中心寄りに電極取出
    端部を有するように,形成することを特徴とする酵素反
    応センサーの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項19乃至21の内のいずれかに
    記載の酵素反応センサーの製造方法において,前記基板
    はアクリル樹脂からなり,互いに接合されて一体化する
    ことを特徴とする酵素反応センサーの製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項19乃至22の内のいずれかに
    記載の酵素反応センサーの製造方法において,前記一枚
    の基板に溝を形成した後,及び前記他の一枚の基板に電
    極群を形成する前に,前記夫々の基板の互いに接合され
    る面の表面に,アミノ基を含むプラズマ重合膜を形成す
    ることを特徴とする酵素反応センサーの製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項19乃至23の内のいずれかに
    記載の酵素反応センサーの製造方法において,前記酵素
    として,グルコースオキシダーゼを化学結合・包括法に
    よって固定化することを特徴とする酵素反応センサーの
    製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の酵素反応センサーの
    製造方法において,前記酵素はアミノ基を備え,前記酵
    素の固定化は,前記プラズマ重合膜のアミノ基と前記酵
    素のアミノ基との架橋試薬の作用により結合させること
    を含むことを特徴とする酵素反応センサーの製造方法。
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