JPH1028585A - 耐熱性リボヌクレアーゼhを用いる核酸増幅法 - Google Patents

耐熱性リボヌクレアーゼhを用いる核酸増幅法

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JPH1028585A
JPH1028585A JP8185918A JP18591896A JPH1028585A JP H1028585 A JPH1028585 A JP H1028585A JP 8185918 A JP8185918 A JP 8185918A JP 18591896 A JP18591896 A JP 18591896A JP H1028585 A JPH1028585 A JP H1028585A
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dna
rna
polymerase
nucleic acid
dependent
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JP8185918A
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Motohiro Kondo
元宏 近藤
Toshiya Aono
利哉 青野
Katsuya Daimon
克哉 大門
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
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    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
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    • C12Q1/70Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving virus or bacteriophage
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来法に比べて、増幅サイクルがよく回転し、
検出感度を向上させる。 【解決手段】RNA(+)からなる標的核酸から1本鎖
RNA(−)を生成し、該1本鎖RNA(−)のコピー
数を増大させる方法であって、耐熱性リボヌクレアーゼ
Hを非耐熱性のRNA依存DNAポリメラーゼ、DNA
依存DNAポリメラーゼ、DNA依存RNAポリメアー
ゼとともに使用することを特徴とする。また、該方法に
利用したDNAの増幅法ならびにこれらの方法により増
幅した核酸を検出する方法およびこれらの方法に使用す
る試薬キットに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複製ベースの核酸配
列の増幅法、特に該増幅法に使用されるリボヌクレアー
ゼ(RNase)Hとして、耐熱リボヌクレアーゼHを
使用する核酸配列の増幅法およびその増幅法により得ら
れた特定核酸配列のRNAコピーから目的とする標的核
酸配列を検出する方法およびそれらの方法に用いる試薬
キットに関する。
【0002】
【従来の技術】細菌やウイルス等の遺伝子を検出するこ
とによる疾病の診断方法が、最近、開発されている。あ
る種の検体では、直接、検出するのに十分な量の核酸が
存在するが、他方、目的遺伝子が非常に少量であった
り、その存在比が非常に小さい場合、直接、目的遺伝子
を検出することは非常に困難である。従来は、細胞培養
法や細菌培養法によりその目的遺伝子を増加させること
が行われてきたが、これらの方法では長時間を要すると
いう欠点があった。また、他の核酸増幅法としてポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)法が知られている。この方法
では、標的核酸の増幅の程度はサイクル数によって調製
される。増幅率は2n (nはサイクル数)で求められ
る。実際に検出可能な量まで標的核酸を増幅するには2
5〜30サイクルが必要であった。
【0003】また、別の核酸増幅法として、複製RNA
ベースの増幅法が知られている(特開平2-5864号、特開
平2-500565号、特開平2-501532号)。これらの方法は、
標的核酸から2本鎖DNAを合成する際に用いるプライ
マーに、DNA依存RNAポリメラーゼのプロモーター
配列を含有させることにより、2本鎖DNA合成に引き
続き、合成された2本鎖DNAを鋳型とし、DNA依存
RNAポリメラーゼによって、標的核酸に相当するRN
Aが合成される。さらに、合成されたRNAからRNA
依存性DNAポリメラーゼによってDNA/RNA鎖が
合成され、次いでRNA鎖を分離し、1本鎖のDNAを
得る。DNAの分離の方法としては加熱変性による方法
(特開平2-500565号、特開平2-501532号)またはリボヌ
レアーゼHを用いる方法(特開平2-5864号)が知られて
いる。
【0004】このようにして得た1本鎖DNAと別なプ
ライマーによって、DNA依存RNAポリメラーゼのプ
ロモーター配列を含む2本鎖DNA合成を行い、RNA
転写反応を行う。この方法によれば、DNA依存RNA
ポリメラーゼにより、1分子の2本鎖核酸から数十から
数千分子のRNAを転写でき、PCR法に比べ1サイク
ルあたりの増幅効率が高い。またリボヌクレアーゼHを
用いた場合、PCR法の際、必要であった温度サイクル
が不要であり、より簡便に増幅が可能である。
【0005】しかし、複製RNAベースの増幅法では増
幅効率が高いが、各反応で使用する従来の酵素、すなわ
ちRNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存RNA
ポリメラーゼ、DNA依存DNAポリメラーゼは一般
に、非耐熱性の酵素である。これらの酵素は熱安定性が
低いため、増幅反応時の温度を高くすることができず、
鋳型となる核酸とプライマー間での非特異ハイブリダイ
ゼーションを避けることが出来ず、特異性の低下に伴
い、検出感度の低下を生じる場合がある。この問題を解
決すべく、これらの発明に使用される酵素として、サー
マス・サーモフィルス由来の耐熱性酵素を用いる方法が
開発された(特開平 7-203999 号) 。この方法では耐熱
酵素を用いて、一定高温度で増幅反応を実施することに
より、非特異的ハイブリダイゼーションを回避すること
を可能としている。
【0006】
【発明が解決しようする課題】本発明の目的は、複製ベ
ースの増幅法において、全酵素を耐熱性酵素に置換する
ことなく、また、反応温度を上げることなく、増幅反応
を行い、検出感度を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はRN
A(+)から1本鎖RNA(−)を生成し、該1本鎖R
NA(−)のコピー数を増加させる方法であって、非耐
熱性RNA依存DNAポリメラーゼ、非耐熱性DNA依
存DNAポリメラーゼ、非耐熱性DNA依存RNAポリ
メラーゼおよび耐熱性RNaseHを使用することを特
徴とする耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法
である。
【0008】また、本発明はRNA(+)からなる標的
核酸から1本鎖RNA(−)を生成し、該1本鎖RNA
(−)のコピー数を増加させる方法であって、下記工程
を含むことを特徴とする耐熱性リボヌクレアーゼHを用
いる核酸増幅法である。 (1)検体から必要によりRNA(+)からなる標的核
酸の抽出操作を行う; (2)RNA(+)を鋳型として、該RNA(+)に相
補的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA依存
RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プ
ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
NAポリメラーゼにより伸長反応させて、RNA/DN
Aハイブリッド伸長生成物を得る; (3)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
を分解して、1本鎖DNAを得る; (4)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
相補的な配列を有する第2プライマーをハイブリダイズ
させ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼによりD
NA伸長反応を行って、5’末端上流に機能可能なプロ
モーター配列を有する2本鎖DNA中間体を生成させ
る;(ここで、第1プライマーの核酸配列は標的核酸、
RNA(+)配列に対して十分に相補的であり、第2プ
ライマーの核酸配列は標的核酸、RNA(+)配列に対
して十分に相同であり、第1プライマーの3’末端は相
補的な鎖上の第2プライマーの3’末端に向けられてい
る) (5)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼにより1本鎖RNA(−)のコピーを増加さ
せる; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(−)を鋳型と
して、該1本鎖RNA(−)に相補的な配列を有する第
2プライマー(RNA(+)配列に対して十分に相同で
ある配列を有する上記第2プライマー)をハイブリダイ
ズさせ、非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼにより
DNA伸長反応を行って、RNA/DNAハイブリッド
伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
相補的な配列および5’末端側に非耐熱性DNA依存R
NAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プラ
イマー(前記RNA(+)配列に対して十分に相補的で
ある配列を有する上記第1プライマー)をハイブリダイ
ズさせ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼにより
DNA伸長反応を行って、5’末端上流に機能可能なプ
ロモーター配列を有する2本鎖DNA中間体を生成させ
る; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼにより1本鎖RNA(−)のコピーを増加さ
せる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(−)を鋳
型として、前記(6)から(9)を繰り返す。
【0009】また、本発明はRNA(+)からなる標的
核酸から1本鎖RNA(+)および(−)を生成し、該
1本鎖RNA(+)および(−)のコピー数を増加させ
る方法であって、下記工程を含むことを特徴とする耐熱
性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法である。 (1)検体から必要によりRNA(+)からなる標的核
酸の抽出操作を行う; (2)RNA(+)を鋳型として、該RNA(+)に相
補的な配列およびその5’末端側にDNA依存RNAポ
リメラーゼのプロモーター配列を有する第1プライマー
をハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存DNAポリ
メラーゼにより伸長反応させて、RNA/DNAハイブ
リッド伸長生成物を得る; (3)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
を分解して、1本鎖DNAを得る; (4)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
相補的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA依
存RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第2
プライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性DNA依存
DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行って、
5’末端上流に機能可能なプロモーター配列を有する2
本鎖DNA中間体を生成させる;(ここで、第1プライ
マーの核酸配列は標的核酸、RNA(+)配列に対して
十分に相補的であり、第2プライマーの核酸配列は標的
核酸、RNA(+)配列に対して十分に相同であり、第
1プライマーの3’末端は相補的な鎖上の第2プライマ
ーの3’末端に向けられている) (5)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼにより1本鎖RNA(+)および(−)のコ
ピーを増加させる; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(+)および
(−)を鋳型として、上記第1プライマーおよび第2プ
ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
NAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行って、RN
A/DNAハイブリッド伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、上記第1プライマ
ーおよび第2プライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱
性DNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応
を行って、5’末端上流に機能可能なプロモーター配列
を有する2本鎖DNA中間体を生成させる; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼにより1本鎖RNA(+)および(−)のコ
ピーを増加させる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(+)およ
び(−)を鋳型とし
【0010】さらに、本発明はDNAからなる標的核酸
配列(+)から1本鎖RNA(−)を生成し、該1本鎖
RNA(−)のコピー数を増加させる方法であって、下
記工程を含むことを特徴とする耐熱性リボヌクレアーゼ
Hを用いる核酸増幅法である。 (1)検体から、必要により標的核酸配列、DNAの抽
出操作を行う; (2)得られたDNAに、5’末端側に非耐熱性DNA
依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有し、標
的核酸配列、DNAに相補的な配列を有するプライマー
(第1プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性D
NA依存DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、2
本鎖DNAを得る; (3)変性処理により、2本鎖DNAから1本鎖DNA
を分離し; (4)該1本鎖DNAに、標的核酸配列、DNAに相同
な配列を有するプライマー(第2プライマー)をハイブ
リダイズさせ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ
により伸長反応させて、上流に機能可能なプロモーター
配列に結合した2本鎖DNA中間体を生成させる; (5)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼを用い
て、該2本鎖DNA中間体から複数の1本鎖RNA
(−)を合成する; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(−)を鋳型と
して、該1本鎖RNA(−)に相補的な配列を有する第
2プライマー(RNA(+)配列に対して十分に相同で
ある上記第2プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐
熱性RNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反
応を行って、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物を
得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
相補的な配列および5’末端側に非耐熱性DNA依存R
NAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プラ
イマー(前記RNA(+)配列に対して十分に相補的で
ある上記第1プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐
熱性DNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反
応を行って、5’末端上流に機能可能なプロモーター配
列を有する2本鎖DNA中間体を生成させる; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼにより1本鎖RNA(−)のコピーを増加さ
せる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(−)を鋳
型として、前記(6)から(9)を繰り返す。
【0011】本発明はDNAからなる標的核酸配列
(+)から1本鎖RNA(+)および(−)を生成し、
該1本鎖RNA(+)および(−)のコピー数を増加さ
せる方法であって、下記工程を含むことを特徴とする耐
熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法。 (1)検体から、必要により標的核酸配列、DNAの抽
出操作を行う; (2)得られたDNAに、5’末端側に非耐熱性DNA
依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列および標的
核酸配列、DNAに相補的な配列を有するプライマー
(第1プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性D
NA依存DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、2
本鎖DNAを得る; (3)変性処理により、2本鎖DNAから1本鎖DNA
を分離し; (4)該1本鎖DNAに、5’末端側に非耐熱性DNA
依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列および標的
核酸配列、DNAに相同な配列を有するプライマー(第
2プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性DNA
依存DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、上流に
機能可能なプロモーター配列に結合した2本鎖DNA中
間体を生成させる; (5)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼを用い
て、該2本鎖DNA中間体から複数の1本鎖RNA
(+)および(−)を合成する; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(+)および
(−)を鋳型として、上記第1プライマーおよび第2プ
ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
NAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行って、RN
A/DNAハイブリッド伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、上記第1プライマ
ーおよび第2プライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱
性DNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応
を行って、5’末端上流に機能可能なプロモーター配列
を有する2本鎖DNA中間体を生成させる; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼにより1本鎖RNA(+)および(−)のコ
ピーを増加させる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(+)およ
び(−)を鋳型として、前記(6)から(9)を繰り返
す。
【0012】また、本発明は試料中の標的核酸を上記核
酸増幅法により増幅させ、増幅された核酸を検出プロー
ブとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズした核酸を検
出することを特徴とする試料中の標的核酸の検出法であ
る。
【0013】本発明は下記試薬を含むことを特徴とする
特定の核酸配列を増幅するための試薬キットである。 (a)RNA(+)に相補的な配列およびその5’末端
側に非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモー
ター配列を有する第1プライマー、(b)RNA(+)
に相同的な配列を有する第2プライマー、(c)耐熱性
リボヌクレアーゼH、(d)非耐熱性DNA依存RNA
ポリメラーゼ、(e)非耐熱性RNA依存DNAポリメ
ラーゼ、(f)非耐熱性DNA依存DNAポリメラー
ゼ、(g)リボヌクレオシドトリフォスフェート、
(h)デオキシリボヌクレオシドトリフォスフェートお
よび(i)緩衝液
【0014】また、本発明は下記試薬を含むことを特徴
とする特定の核酸配列を増幅するための試薬キットであ
る。 (a)RNA(+)に相補的な配列およびその5’末端
側に非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモー
ター配列を有する第1プライマー、(b)RNA(+)
に相同的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA
依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第
2プライマー、(c)耐熱性リボヌクレアーゼH、
(d)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼ、(e)
非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼ、(f)非耐熱
性DNA依存DNAポリメラーゼ、(g)リボヌクレオ
シドトリフォスフェート、(h)デオキシリボヌクレオ
シドトリフォスフェートおよび(i)緩衝液
【0015】
【発明の実施態様】本発明の標的核酸はDNAであって
もRNAであってもよい。2本鎖の場合や1本鎖の場合
であっても、高次構造をとっているような場合は、予め
加熱、酸、アルカリ等の変性処理により1本鎖として増
幅反応に供する。標的核酸がタンパク質、脂質や糖質等
の混合物中または生体試料中に存在する場合、常法に従
い標的核酸を抽出した後、本発明の核酸増幅法あるいは
検出法に利用できる。具体的な抽出方法としては、プロ
テイナーゼや界面活性剤等を含む溶液を加え約30分間
インキュベート後、得られる溶液をフェノールやクロロ
ホルム等で抽出し、エタノール沈殿して核酸を得ればよ
い。また、別の方法としてカオトロピックス剤およびシ
リカ粒子担体を用いても良い。本発明においてRNA
(+)とRNA(−)とは互いに相補的な配列を有する
RNAである。DNA(+)に対してもRNA(−)は
相補的な配列を意味する。
【0016】本発明において、「伸長反応」とは核酸配
列に十分に相補的な配列を持つプライマーを鋳型である
核酸配列にハイブリダイズした後、DNA依存DNAポ
リメラーゼとデオキシアデノシン5’−三リン酸(dAT
P)、デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシ
グアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン
5’−三リン酸(dTTP)の存在下、プライマーのデオキシ
ヌクレオチドを共有結合し、核酸配列に相補的なDNA
配列を順次、合成する反応である。
【0017】本発明において、「プロモーター配列」と
は非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼが特異的に結
合して作用する配列であり、例えばT7RNAポリメラ
ーゼのプロモーター配列などがある。非耐熱性DNA依
存RNAポリメラーゼは、該プロモーター配列に特異的
に結合して、該プロモーター配列よりも下流のDNA配
列と相同なRNAを合成する。
【0018】本発明において、「耐熱性リボヌクレアー
ゼ(RNase)H」とは大腸菌由来のRNaseHよ
りも熱安定性が優れている酵素をいう。耐熱性細菌より
分離精製されたRNaseHや耐熱性を有するよう改変
された大腸菌由来のRNaseHなどが含まれる。これ
らの酵素は、通常、50〜90℃で10分間処理しても
50%以上の残存活性を有する酵素がある。本発明では
耐熱性細菌より分離精製されたRNaseHが好まし
く、さらに好ましくはサーマス・サーモフィルス(Ther
mus thermophilus) 由来のTthRNaseHが有用で
ある。
【0019】耐熱性RNaseHの最適な濃度は20μ
lの反応系に、0.001Uから0.1U添加すればよ
い。0.1Uより多いと、1本鎖RNAにプライマーが
結合した瞬間に、1本鎖RNAが分解され、増幅反応が
生じない。また、0.001Uより少ない場合には、1
本鎖RNAと第1プライマー伸長物との分離が生じにく
くなり、検出感度の低下を導く。このように、高感度を
目的とするならば、上記の濃度範囲の耐熱性RNase
Hを用いれば良い。
【0020】本発明において、「非耐熱性酵素」とは、
常温付近に至適温度を有する酵素を意味し、非耐熱性R
NA依存DNAポリメラーゼとは、オリゴデオキシリボ
ヌクレオチドプライマーおよびRNA鋳型からDNAを
合成する酵素であって、この酵素はさらにDNA依存D
NAポリメラーゼ活性を含んでいてもよい。例えばトリ
筋芽細胞腫ウイルスポリメラーゼ(AMV逆転写酵
素)、モロニー(Maloney)マウス白血病ウイルス(MM
LV逆転写酵素)などが挙げられる。また、別の真核細
胞由来のRNA依存DNAポリメラーゼを使用してもよ
い。
【0021】非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼと
は、プロモーター配列に結合でき、かつプロモーターに
極めて接近した所定の開始部位でRNAのin vitro合成
を特異的に開始する酵素であって、例えば、バクテリオ
ファージT7RNAポリメラーゼ、T3RNAポリメラ
ーゼ、SP6RNAポリメラーゼ、ファージφII、Sa
lmonellaファージsp6 または Pseudomonasファージgh-1
などが例示されるが、特にT7RNAポリメラーゼ、T
3RNAポリメラーゼ、SP6RNAポリメラーゼが好
ましい。
【0022】非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼと
は、オリゴデオキシリボヌクレオチドプライマーとDN
A鋳型からDNAを合成する酵素であって、真核細胞由
来のDNAポリメラーゼ、例えばポリメラーゼαまたは
βなど、子ウシ胸線のごとき哺乳類組織から単離される
DNAポリメラーゼ、大腸菌ポリメラーゼIのクレノー
断片、バクテリオファージT7DNAポリメラーゼな
ど、多くのDNAポリメラーゼが例示される。5’−ま
たは3’−エキソヌクレアーゼ活性を欠く酵素、例えば
AMV逆転写酵素が好ましい。5’−または3’−エキ
ソヌクレアーゼ活性が本来欠如した別のDNA依存DN
Aポリメラーゼも使用できる。RNA依存性DNAポリ
メラーゼ活性とDNA依存性DNAポリメラーゼ活性の
双方を同じ酵素によって与えられるものが特に好まし
い。
【0023】本発明において使用する第1プライマー
は、標的核酸配列、RNAまたはDNAに対して十分に
相補的な核酸配列およびその5’末端側に上記プロモー
ター配列を有する。該プライマーの3’末端は相補的鎖
上の別なプライマーの3’末端に向けられている。
【0024】本発明に用いるプロモーター配列は特に制
限はないが、例えば、T7RNAポリメラーゼならば、 5'-AAT TCT AAT ACG ACT CAC TAT AGG G-3' が知られている。
【0025】プロモーター配列としては、その他に、下
記のものがある。例えば、T3RNAポリメラーゼなら
ば、 5'-ATT AAC CCT CAC TAA AG-3' 例えば、SP6RNAポリメラーゼならば、 5'-ATT TAG GTG ACA CTA TA-3'
【0026】本発明に用いる非耐熱性DNA依存RNA
ポリメラーゼと併用するプロモーター配列は上記の3種
のいずれかが好ましいが、これらに限定はされない。特
に好ましくは、T7RNAポリメラーゼとそのプロモー
ター配列を使用するのが好ましい。
【0027】一般的にプロモーター配列には、その後に
続く複製開始点までのスペーサーを含んでいても良い。
必要により任意の配列をプロモーター配列の3’末端に
結合すれば良い。増幅領域によっては、スペーサー配列
を挿入することで、増幅効率の向上が可能である。
【0028】本発明において使用する第2プライマー
は、第1プライマー伸長物の核酸配列に対して相補的な
核酸配列を有し、標的核酸配列、RNAまたはDNAに
対して十分に相同的な核酸配列を有する。必要によりさ
らに、その5’末端側にプロモーター配列を有する。該
プライマーの3’末端は相補的鎖上の別なプライマーの
3’末端に向けられている。
【0029】第2プライマーがプロモーター配列を有し
ている場合、第1プライマーのプロモーター配列と異な
っていても同一であっても良い。異なる場合には、それ
ぞれのプロモーターに作用する非耐熱性DNA依存性R
NAポリメラーゼを必要により複数用いる。例えば、第
2プライマーのプロモーター配列にT7プロモーターを
用いる場合にはT7RNAポリメラーゼを、T3プロモ
ーターを用いる場合にはT3RNAポリメラーゼを、S
P6プロモーターを用いる場合にはSP6RNAポリメ
ラーゼを用いる。用いる非耐熱性DNA依存RNAポリ
メラーゼと付随するプロモーター配列は上記の3種が好
ましいが、これらに限定されない。特に好ましくは、T
7RNAポリメラーゼとそのプロモーター配列を使用す
るのが好ましい。
【0030】第2プライマーがプロモーター配列を有し
ている場合、第1プライマーも第2プライマーもT7R
NAポリメラーゼのプロモーター配列を結合させ、T7
RNAポリメラーゼを用いてコピー数を増幅させること
が好ましい。
【0031】第1プライマーまたは第2プライマーの標
的核酸配列とハイブリダイズする領域の長さは特に制限
はなく、好ましくは10〜100bp、さらに好ましく
は10〜50bp、特に好ましくは18〜30bpであ
るが、これらに限定されるものではない。
【0032】第1プライマーおよび第2プライマーとな
るオリゴヌクレオチドは、例えばパーキン・エルマー社
のDNAシンセサイザー391型を用いてホスホアミダ
イト法により合成できる。各種オリゴヌクレオチドの脱
保護はアンモニア水で実施する。生成はFPLCで逆相
カラムにて実施しても良い。他の合成方法としてリン酸
トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホスファイ
ト法等がある。また生物学的起源、例えば、制限エンド
ヌクレアーゼ消化物から単離してもしても構わない。
【0033】本発明の反応条件は、上記酵素反応が速や
かに反応する条件であればよい。具体的にはそれぞれの
反応に適した緩衝液中で、37〜45℃付近の温度で反
応を行う。本発明では耐熱性RNaseHを37〜45
℃付近の温度で反応させることにより、従来の非耐熱性
RNaseHを使用した場合に比べて、反応性が高いこ
とが特徴的である。本発明の増幅サイクルは、これらの
酵素が失活するまで続けられるが、RNaseHのみを
耐熱性酵素に置換するだけで、増幅サイクルがよく回転
し、検出感度が向上する。
【0034】以下に、本発明を図面を用いて説明する。
本発明は図1に示す増幅サイクルが基本となる。 第1工程:まず、1本鎖RNA(−,a)を鋳型とし
て、該RNAの3’領域に,該1本鎖RNA(−)に相
補的な配列を有する第2プライマー(RNA(+)に対
して相同である)をハイブリダイズさせ、非耐熱性RN
A依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行っ
て、第2プライマー伸長生成物(+,b)を合成し、R
NA/DNAハイブリッド伸長生成物を得る。ここで使
用される非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼはAM
V逆転写酵素が好ましい。 第2工程:次いでRNA/DNAハイブリッド伸長生成
物から、1本鎖DNA(+,b)を分離するために、耐
熱性リボヌクレアーゼ(RNase)Hを用いて、第2
プライマー伸長物(+,b)と結合している1重鎖RN
A(−,a)のみを特異的に分解する。耐熱性RNas
eHはDNAと結合しているRNAのみを分解するとい
う性質を有しているので、単独の1本鎖RNA(−,
a)は分解される。
【0035】第3工程:次いで、分離された第2プライ
マー伸長物(+,b)を鋳型として、該DNAの3’領
域に対して、該1本鎖DNA(+)に相補的な配列(R
NA(−)に相同な配列、RNA(−)に対して相補的
な配列)およびその5’末端に非耐熱性DNA依存RN
Aポリメラーゼのプロモーターを有する第1プライマー
をハイブリダイズさせる。次いで非耐熱性DNA依存D
NAポリメラーゼにより第1プライマー伸長物(−,
c)を合成して、5’末端上流に機能可能なプロモータ
ー配列を有する2本鎖DNA中間体を生成させる。 第4工程:次いで、上流に機能可能なプロモーター配列
に結合した2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター
配列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNA
ポリメラーゼにより1本鎖RNA(−,a)のコピーを
増加させる。ここでは、AMV逆転写酵素が所有するD
NA依存DNAポリメラーゼ活性を利用することで十分
であり、別途、DNA依存DNAポリメラーゼを添加す
る必要性はない。非耐熱性DNA依存RNAポリメラー
ゼは1つの鋳型から50〜1000コピーの1本鎖RN
A(−,a)を合成できる。従って、このサイクルを少
なくとも5回繰り返せば、1コピーの1本鎖RNA
(−,a)から少なくとも数億コピーの増幅産物RNA
(−,a)が得られる。
【0036】図1の増幅サイクルを基本として生体試料
からの核酸増幅を行うには、試料中の核酸から1本鎖R
NAを得る必要がある。生体試料から得た1本鎖RNA
の増幅の程度を知ることで、試料中の標的核酸配列の有
無や濃度がわかる。
【0037】図2では標的核酸配列がRNAの場合の増
幅法を、図3ではDNAの場合の増幅法を示す。試料か
らの核酸の調製方法は、前記に示したような前処理方法
を行えなばよい。
【0038】次に標的核酸配列がRNA(+)の場合に
ついて説明する(図2)。 第1工程:RNA(+)を鋳型として、該RNA(+)
に相補的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA
依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第
1プライマーをハイブリダイズさせる。プライマーを添
加するだけでハイブリダイズする場合もあるが、ハイブ
リダイゼーション効率を上げるために65℃で5分間程
度処理すればよい。95℃で処理しても構わないが、R
NAが分解する恐れがある。この時、使用される非耐熱
性DNA依存RNAポリメラーゼとプロモーター配列は
図1で使用される酵素および塩基配列と同じものを用い
る。続いて、非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼに
より第1プライマーを伸長反応させて、標的核酸配列R
NA(+)に相補的な第1プライマー伸長物(−,d)
を合成させ、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物を
得る。 第2工程:第1プライマー伸長物(−,d)をRNA/
DNAハイブリッド伸長生成物から分離するため、耐熱
性RNaseHを用いて標的核酸配列RNA(+)を消
化し、第1プライマー伸長物DNA(−,d)を分離す
る。
【0039】第3工程:該1本鎖DNA(−,d)を鋳
型として、該1本鎖DNA(−,d)に相補的な配列
(RNA(+)に相同な配列)を有する第2プライマー
を第1プライマー伸長物(−,d)の3’領域にハイブ
リダイズさせ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ
により伸長反応を行って、5’末端上流に機能可能なプ
ロモーター配列を有する2本鎖DNA中間体(e)を生
成させる。ここで、第1プライマーの核酸配列は標的核
酸、RNA(+)配列に対して充分に相補的であり、第
2プライマーの核酸配列は標的核酸、RNA(+)配列
に対して充分に相同であり、第1プライマーの3’末端
は相補的な鎖上の第2プライマーノ3’末端に向けられ
ている。 第4工程:得られた2本鎖DNA中間体(e)から、前
記プロモーター配列を認識することができる非耐熱性D
NA依存RNAポリメラーゼを用いて、複数の1本鎖R
NA(−)を合成して、図1の増幅サイクルに供し、1
本鎖RNAコピー数を増幅させる。必要により、増幅さ
れた1本鎖RNA(−)をプローブにより検出すること
で検体中の標的核酸配列の存在の有無を知ることができ
る。
【0040】標的核酸配列がDNAの場合について説明
する(図3、左端)。 第1工程:標的核酸が2本鎖DNAである場合は1本鎖
DNAとする。 第2工程:該1本鎖DNA(+)に、その5’末端側に
非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモーター
配列を有し、かつ該1本鎖DNA(+)に相補的な配列
を有する第1プライマーをハイブリダイズさせる。プラ
イマーを添加するだけで結合する場合もあるが、結合効
率を上げるために95℃で5分間程度処理すればよい。
この時、使用される非耐熱性DNA依存RNAポリメラ
ーゼとプロモーターは図1で使用される酵素および塩基
配列と同じものを用いる。続いて、非耐熱性DNA依存
DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、1本鎖DN
Aに相補的な第1プライマー伸長物(−)を合成して、
2本鎖DNA(f)を得る。 第3工程:次いで、2本鎖DNA(f)から第1プライ
マー伸長物DNA(−)を分離するため変性処理を行
う。変性操作は加熱、酸、アルカリ処理等を行えばよい
が、加熱処理が簡単に実施できる。
【0041】第4工程:分離した1本鎖DNA(−)に
DNA(+)に相同な配列を有するプライマー(第2プ
ライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性DNA依存
DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、上流に機能
可能なプロモーター配列に結合した2本鎖DNA中間体
(g)を生成させる。 第5工程:続いて、得られた2本鎖DNA中間体(g)
から非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼを用いて複
数の1本鎖RNA(−)を合成する。 第6工程:上記工程から得られた1本鎖RNA(−)を
鋳型として、図1の増幅サイクルに供し、1本鎖RNA
コピー数を増幅させる。必要により、1本鎖RNAの存
在をプローブにより検出することで検体中の標的核酸配
列の存在の有無を知ることが出来る。
【0042】図1〜図3では、第1プライマーのみが、
非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモーター
配列を有する場合を説明した。次に、第1プライマーお
よび第2プライマーが非耐熱性DNA依存RNAポリメ
ラーゼのプロモーター配列を所有し、1本鎖RNA
(−)と1本鎖RNAに相補的RNA(+)のコピー数
を増幅する方法(図4)を説明する。この方法は図4に
示すように、1本鎖RNA(−)と1本鎖RNAに相補
的RNA(+)が、上流域と下流域に機能可能なプロモ
ーター配列に結合した共通の2本鎖DNA中間体(l)
を経て増幅されている。基本的には第1プライマーに非
耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモーター配
列を結合させる以外は、前記反応機構と大差はない。第
1プライマーと第2プライマーのプロモーター配列は異
なっても良いが、その場合にはプロモーター配列に合う
非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼを2種類添加す
る必要がある。最も効率的に行うには同じプロモーター
配列を用いればよい。好ましくは、T7RNAポリメラ
ーゼとプロモーターを使用する。試料中のDNAから核
酸増幅させる場合も、DNA依存RNAポリメラーゼの
プロモーター配列を有している第1プライマーを使用す
ればよく、その原理は同じである。
【0043】本発明方法において増幅される1本鎖RN
Aを検出するためには、標的核酸に相補的な配列を有す
る検出プローブを用いて検出すればよい。例えば固相に
捕捉プローブを固定し、試料中の標的核酸から増幅され
た核酸をハイブリダイズさせ、さらに標識を有する検出
プローブをハイブリダイズさせ、ハイブリダイズした検
出プローブの標識を測定することにより、試料中の標的
核酸を検出する。また、増幅された核酸を含む反応溶液
数μlをナイロン膜に滴下し、放射性プローブまたは酵
素標識プローブである検出プローブをハイブリダイズさ
せて、ハイブリダイズした検出プローブの放射線量また
は酵素活性を測定することにより、試料中の標的核酸を
検出する。
【0044】本発明の特定の核酸配列を増幅するための
試薬キットは、上記第1プロモーター、第2プロモータ
ー、耐熱性RNaseH、非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼ、非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼ、
非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ、リボヌクレオ
シドトリホスフェート、デオキシリボヌクレオシドトリ
ホスフェートおよび緩衝液を含む。耐熱性RNaseH
としては、Thermus thermophilus由来のRNaseHが
好ましい。その濃度は、20μlの反応系に、0.00
1Uから0.1Uであればよい。非耐熱性DNA依存D
NAポリメラーゼは、例えばポリメラーゼαまたはβな
ど、子ウシ胸線のごとき哺乳類組織から単離されるDN
Aポリメラーゼ、大腸菌ポリメラーゼIのクレノー断
片、バクテリオファージT7DNAポリメラーゼなど、
多くのDNAポリメラーゼが例示される。5’−または
3’−エキソヌクレアーゼ活性を欠く酵素、例えばAM
V逆転写酵素が好ましい。5’−または3’−エキソヌ
クレアーゼ活性が本来欠如した別のDNA依存DNAポ
リメラーゼなどが例示されるが、DNA依存RNAポリ
メラーゼ(逆転写酵素)であってもよい。例えばトリ筋
芽細胞腫ウイルスポリメラーゼ(AMV逆転写酵素)、
モロニー(Maloney) マウス白血病ウイルス(MMLV逆
転写酵素)などが挙げられる。また、別の真核細胞由来
のRNA依存DNAポリメラーゼを使用してもよい。そ
の濃度は、特に制限されない。
【0045】非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼと
しては、バクテリオファージT7RNAポリメラーゼ、
T3RNAポリメラーゼ、SP6RNAポリメラーゼ、
ファージφII、Salmonellaファージsp6 または Pseud
omonasファージgh-1などが例示されるが、特にT7RN
Aポリメラーゼ、T3RNAポリメラーゼ、SP6RN
Aポリメラーゼなどが挙げられる。その濃度は、特に制
限されない。緩衝液としては、それぞれの酵素に応じて
適当な緩衝液が選択される。
【0046】
【発明の効果】本発明は、複製ベースの増幅法に耐熱性
RNaseHを用いることにより、非耐熱性RNase
Hを使用する場合に比べて、37〜45℃付近にて増幅
サイクルがよく回転し、検出感度を従来より向上させる
ことができる。
【0047】
【実施例】実施例1 (オリゴヌクレオチドの合成)ABI社DNAシンセサ
イザー391型を用いて、ホスホアミダイト法にて配列
表に示される配列、すなわち、T7RNAポリメラーゼ
のプロモーター配列およびサイトメガロウイルスのmR
NAに相補的な配列を有する第1プライマー(配列番号
2)とサイトメガロウイルスのmRNAに相同な配列を
有する第2プライマー(配列番号1)を合成した。具体
的な手法はABI社マニュアルに従い、0.2Mスケー
ルで実施した。各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアン
モニア水で、55℃で一夜実施した。精製はファルマシ
ア社製、FPLCで逆相カラムにて実施した。
【0048】(CMV培養液からRNAの調製)Boo
mらの手法(J. Clin. Microbiol.,28:495-503, 1990)
に基づき、CMV(AD169株)感染細胞からRNAを調製
した。すなわち、培養細胞液を、トリトンX−100と
グアニジウムチオシアネート(GuSCN)を含む溶解
用緩衝液中で処理後、シリカを添加し、mRNAを吸着
させた。mRNA吸着シリカをGuSCNを含む洗浄用
緩衝液で2〜3回洗浄後、アセトンでGnSCNを除去
し、乾燥させた。溶出はヌクレアーゼを含まない蒸留水
で行った。溶出液は、同じ蒸留水で段階希釈した。
【0049】(検出用プローブの調製) (1)リンカーアームを有するCMV検出用オリゴヌク
レオチドの合成 ABI社DNAシンセサイザー391型を用いて、ホス
ホアミダイト法にて配列表に示される配列、すなわち、
検出用プローブ(配列番号3)を合成した。この際、特
表昭 60-500717号公報に掲載された合成法により、デオ
キシウリジンから化学合成した5位にリンカーアームを
有するウリジンを上記オリゴヌクレオチドに導入した。
このウリジンはオリゴヌクレオチド内に任意のTと置換
しうるが、この実施例においては、5’末端に結合し
た。合成されたリンカーオリゴヌクレオチドの脱保護は
アンモニア水で、55℃で一夜実施した。精製はファル
マシア社製FPLCで逆相カラムにて実施した。
【0050】(2)リンカーオリゴヌクレオチドのアル
カリホスファターゼによる標識化 上記リンカーオリゴヌクレオチドのアルカリホスファタ
ーゼを介して、アルカリホスファターゼを文献(Nuclei
c Acids Research, vol.14, p.6114,1986)に従って結合
した。リンカーオリゴヌクレオチド1.5 A260を0.1M
NaHCO312.5μlに溶解し、ここへ10mg
スベリン酸スクシニミジル(DSS)25μlを加え
て、室温で2分間反応させた。反応液を1mM CH3
COONa(pH5.0)で平衡化したセファデックス
G−25カラムでゲル濾過して過剰のDSSを除去し
た。
【0051】末端のアミノ基が活性化されたリンカーオ
リゴヌクレオチドを、さらにモル比で2倍量のアルカリ
ホスファターゼ(100mM NaHCO3, 3M HCl に溶解したも
の)と室温で16時間反応させることにより、アルカリ
ホスファターゼ標識プローブを得た。得られた標識プロ
ーブはファルマシア製FPLCで陰イオン交換カラムを
用いて精製した標識プローブを含む画分を集め、セント
リコン30K(アミコン社)を用いて限外濾過法により
濃縮した。
【0052】(増幅反応)増幅反応は文献(J. Virol.
Methods 35:273-286,1991)に基づき実施した。25μl
の反応系において、酵素添加後の終濃度が40mM T
ris(pH8.5);20mM MgCl2 ; 40m
M KCl;5mM DTT;15% DMSO;1m
M dNTP;4.1mM rNTP;0.2μM第2
プライマー(配列番号1); 0.2μM第1プライマー
(配列番号2)になるよう設定し、抽出RNAと混ぜ
て、65℃で5分間加熱した。2.5μg BSA、1
2URNA Guard(ファルマシア)、20U T
7RNAポリメラーゼ、4UAMV逆転写酵素; および
0.03U Thermus thermophilus由来の耐熱性RNa
seHを添加し、25μlとし、41℃で3時間インキ
ュベートした。
【0053】(検出)反応溶液1μlをナイロン膜に滴
下後、アルカリ性条件下で核酸を固定した。この膜を中
和後、アルカリ性条件下で固定した。この膜を中和後、
ハイブリダイゼーションバックに移し、上記アルカリフ
ォスファターゼ標識核酸プローブを含むハイブリダイゼ
ーションバッファー(5xSSC、0.5%BSA、
0.5%PVP、1%SDS)を加えて、50℃で15
分間ハイブリダイゼーションを行った。ナイロン膜をポ
リバックから取り出し、洗浄液1(1xSSC,1%S
DS)で50℃、10分間浸透洗浄した。さらに洗浄液
2(1xSSC)で室温10分間浸透洗浄した。膜を新
しいハイブリダイゼーションバックに移し、基質液(0.
1M Tris, 0.1M NaCl, 0.1M MgCl2, 0.3M MgCl2, ニトロ
ブルーテトラゾリウム、0.3mg/mlブロムクロロフェリー
ルホスフェート pH7.5)を入れ、シール後、37℃で3
0分間インキュベートした。 (結果)図5に示すように抽出RNAの107 倍希釈ま
で検出できた。
【0054】比較例1 (増幅反応)増幅反応は文献(J. Virol. Methods 35:2
73-286,1991)に基づき実施した。25μlの反応系にお
いて酵素添加後の終濃度が40mM Tris(pH
8.5);20mM MgCl2 ;40mM KCl;
5mM DTT;15%DMSO;1mMdNTP;
4.1mMrNTP;0.2μM第2プライマー(配列
番号1); 0.2μM第1プライマー(配列番号2)に
なるよう設定し、抽出RNAと混ぜて、65℃で5分間
加熱した。2.5μg BSA、12U RNAGua
rd、20U T7RNAポリメラーゼ、4U AMV
逆転写酵素および0.2U大腸菌由来RNaseHを添
加し、25μlとし、41℃で3時間インキュベートし
た。
【0055】(検出)実施例1と同様の方法で実施し
た。 (結果)図6に示すように抽出RNAの106 倍希釈ま
で検出できた。増幅は実施例1と同時に行ったが、文献
(J. Virol. Methods 35:273-286)で使用される大腸菌
由来RNaseH(ファルマシア製)を使用するより
も、耐熱性RNaseHを使用した方が検出感度が良か
った。
【0056】実施例2 (オリゴヌクレオチドの合成)実施例1と同様に行っ
た。
【0057】(CMV培養液からDNAの調製)培養細
胞を300μlの0.1M NaH2 PO4 (pH7.
0)の緩衝液に懸濁後、プロテイナーゼK0.6mg、
溶解液(8M尿素、0.25% SDS、0.25%ラ
ウリルサルコシンナトリウム、50mM EDTA、p
H7.6)600μlを加えて撹拌し、60℃一晩反応
させた。
【0058】得られた溶解物をフェノールで2回、クロ
ロホルムで1回抽出後、エタノール沈殿した。再溶解
後、RNaseA処理でRNAを完全に分解し、フェノ
ールで2回、クロロホルムで1回抽出後、エタノール沈
殿した。再溶解はRNaseやDNaseを含まない蒸
留水で行い、同蒸留水で段階希釈した。
【0059】(検出用プローブの調製)実施例1と同様
に行った。 (増幅反応)増幅反応は文献(J. Virol. Methods 35:2
73-286,1991)に基づき実施した。25μlの反応系にお
いて、酵素添加後の終濃度が40mM Tris(pH
8.5);20mM MgCl2 ;40mM KCl;
5mM DTT;15% DMSO;1mM dNT
P;4.1mMrNTP;0.2μM第2プライマー
(配列番号1); 0.2μM第1プライマー(配列番号
2)になるよう設定し、抽出DNAと混ぜて、95℃で
5分間加熱した。4U AMV逆転写酵素を添加し、4
1℃10分間処理した。再び、95℃で5分間加熱した
後、2.5μgBSA、12U RNA Guard、
20U T7RNAポリメラーゼ、4U AMV逆転写
酵素、および0.03U Thermus thermophilus由来の
耐熱性RNaseHを添加し、25μlとし、41℃で
3時間インキュベートした。
【0060】(検出)実施例1と同様の方法で実施し
た。 (結果)図7に示すように抽出DNAの104 倍希釈ま
で検出できた。
【0061】比較例2 (増幅反応)増幅反応は文献(J. Virol. Methods 35:2
73-286,1991)に基づき実施した。25μlの反応系にお
いて酵素添加後の終濃度が40mM Tris(pH
8.5);20mM MgCl2 ;40mM KCl;
5mM DTT;15%DMSO;1mMdNTP;
4.1mMrNTP;0.2μM第2プライマー(配列
番号1); 0.2μM第1プライマー(配列番号2)に
なるよう設定し、抽出DNAと混ぜて、95℃で5分間
加熱した。4U AMV逆転写酵素を添加し、41℃1
0分間処理した。再び、95℃で5分間加熱した後、
2.5μgBSA、12U RNA guard、20
U T7RNAポリメラーゼ、4U AMV逆転写酵
素、0.2U大腸菌由来RNaseHを添加し、25μ
lとし、○○℃で3時間インキュベートした。
【0062】(検出)実施例1と同様の方法で実施し
た。 (結果)図8に示すように抽出DNAの103 倍希釈ま
で検出できた。増幅は実施例1と同時に行ったが文献
(J. Virol. Methods 35:273-286)で使用される大腸菌
由来RNaseHを使用するよりも、耐熱性RNase
Hを使用した方が検出感度が良かった。
【0063】実施例3 (オリゴヌクレオチドの合成)ABI社DNAシンセサ
イザー 391型を用いて、ホスホアミダイト法にて配列表
に示される配列、すなわち、T7RNAポリメラーゼの
プロモーター配列及びサイトメガロウイルスのmRNA
に相補的な配列を有する第1プライマー(配列番号2)
とT7RNAポリメラーゼのプロモーター配列及びサイ
トメガロウイルスのmRNAに相同な配列を有する第2
プライマー(配列番号4)を合成した。具体的な手法は
ABI社マニュアルに従い、0.2Mスケールで実施し
た。各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で
55℃で一夜実施した。精製はファルマシア社製FPL
Cで逆相カラムにて実施した。
【0064】(増幅反応)実施例1の手法を用いた。 (検出)実施例1と同様の方法で実施した。
【0065】(結果)図9に示すように、抽出RNAの
107 倍希釈まで検出できた。検出感度は実施例1と同
じであったが、検出量は実施例1の場合と比較し、10
7 倍希釈が濃くなった一重鎖RNAと一重鎖RNAに相
補的な配列の両方を増幅するため、検出量が高くなると
考えられる。
【0066】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の特徴:サイトメガロウイルスのmRNAに相同な
配列 配列 ACTGTCTGCA GGACGCCGTA 20
【0067】配列番号:2 配列の長さ:47 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の特徴: 1〜27: T7RNAポリメラーゼのプロモーター配列 28〜47: サイトメガロウイルスのmRNAに相補的な配
列 配列 AATTCTAATA CGACTCACTA TAGGGAGGAG GTGTAGATAC GGATCTG 47
【0068】配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の特徴:CMV配列に相同な配列 配列: ATTCCGTTGC GGCGTGTCAT CTTT 24
【0069】配列番号:4 配列の長さ:47 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の特徴: 1〜27:T7RNAポリメラーゼのプロモーター配列 28〜47:サイトメガロウイルスのmRNAに相同な配列 配列 AATTCTAATA CGACTCACTA TAGGGAGACT GTCTGCAGGA CGCCGTA 47
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1本鎖RNAの増幅サイクル系を示
す。
【図2】 標的核酸配列がRNAの場合の1本鎖RNA
増幅方法を示す。
【図3】 標的核酸配列がDNAの場合の1本鎖RNA
増幅方法を示す。
【図4】 第1プライマーおよび第2プライマーがプロ
モーター配列を有する場合のRNAの増幅サイクル系を
示す。
【図5】 実施例1のハイブリダイゼーションの結果を
示す。
【図6】 比較例1のハイブリダイゼーションの結果を
示す。
【図7】 実施例2のハイブリダイゼーションの結果を
示す。
【図8】 比較例2のハイブリダイゼーションの結果を
示す。
【図9】 実施例3のハイブリダイゼーションの結果を
示す。
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼと
は、オリゴデオキシリボヌクレオチドプライマーとDN
A鋳型からDNAを合成する酵素であって、真核細胞由
来のDNAポリメラーゼ、例えばポリメラーゼαまたは
βなど、子ウシ胸線のごとき哺乳類組織から単離される
DNAポリメラーゼ、大腸菌ポリメラーゼIのクレノー
断片、バクテリオファージT7DNAポリメラーゼな
ど、多くのDNAポリメラーゼが例示される。好ましい
酵素としては、例えば、AMV逆転写酵素などがある。
特に、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性とDNA依
存性DNAポリメラーゼ活性の双方を同じ酵素によって
与えられるものが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】第3工程:次いで、分離された第2プライ
マー伸長物(+,b)を鋳型として、該DNAの3’領
域に対して、該1本鎖DNA(+)に相補的な配列(R
NA(−)に相同な配列、RNA(−)に対して相補的
な配列)およびその5’末端に非耐熱性DNA依存RN
Aポリメラーゼのプロモーターを有する第1プライマー
をハイブリダイズさせる。次いで非耐熱性DNA依存D
NAポリメラーゼにより第1プライマー伸長物を合成し
て、5’末端上流に機能可能なプロモーター配列を有す
る2本鎖DNA中間体(c)を生成させる。ここでは、
AMV逆転写酵素が所有するDNA依存DNAポリメラ
ーゼ活性を利用することで十分であり、別途、DNA依
存DNAポリメラーゼを添加する必要性はない。 第4工程:次いで、上流に機能可能なプロモーター配列
に結合した2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター
配列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNA
ポリメラーゼにより1本鎖RNA(−,a)のコピーを
増加させる。非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼは
1つの鋳型から50〜1000コピーの1本鎖RNA
(−,a)を合成できる。従って、このサイクルを少な
くとも5回繰り返せば、1コピーの1本鎖RNA(−,
a)から少なくとも数億コピーの増幅産物RNA(−,
a)が得られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】本発明の特定の核酸配列を増幅するための
試薬キットは、上記第1プロモーター、第2プロモータ
ー、耐熱性RNaseH、非耐熱性DNA依存RNAポ
リメラーゼ、非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼ、
非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ、リボヌクレオ
シドトリホスフェート、デオキシリボヌクレオシドトリ
ホスフェートおよび緩衝液を含む。耐熱性RNaseH
としては、Thermus thermophilus由来のRNaseHが
好ましい。その濃度は、20μlの反応系に、0.00
1Uから0.1Uであればよい。非耐熱性DNA依存D
NAポリメラーゼは、例えばポリメラーゼαまたはβな
ど、子ウシ胸線のごとき哺乳類組織から単離されるDN
Aポリメラーゼ、大腸菌ポリメラーゼIのクレノー断
片、バクテリオファージT7DNAポリメラーゼなど、
多くのDNAポリメラーゼが例示される。また、RNA
依存DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)が所有するDN
A依存DNAポリメラーゼ活性を利用してもよく、例え
ば、トリ筋芽細胞腫ウイルスポリメラーゼ(AMV逆転
写酵素)、モロニー(Maloney) マウス白血病ウイルス
(MMLV逆転写酵素)などが挙げられる。また、DN
A依存DNAポリメラーゼ活性を有する別の真核細胞由
来のRNA依存DNAポリメラーゼを使用してもよい。
その濃度は、特に制限されない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】比較例2 (増幅反応)増幅反応は文献(J. Virol. Methods 35:2
73-286,1991)に基づき実施した。25μlの反応系にお
いて酵素添加後の終濃度が40mM Tris(pH
8.5);20mM MgCl2 ;40mM KCl;
5mM DTT;15%DMSO;1mMdNTP;
4.1mMrNTP;0.2μM第2プライマー(配列
番号1); 0.2μM第1プライマー(配列番号2)に
なるよう設定し、抽出DNAと混ぜて、95℃で5分間
加熱した。4U AMV逆転写酵素を添加し、41℃1
0分間処理した。再び、95℃で5分間加熱した後、4
1℃に温度を下げ、2.5μgBSA、12U RNA
guard、20U T7RNAポリメラーゼ、4U
AMV逆転写酵素、0.2U大腸菌由来RNaseH
を添加し、25μlとし、41℃で3時間インキュベー
トした。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RNA(+)から1本鎖RNA(−)を
    生成し、該1本鎖RNA(−)のコピー数を増加させる
    方法であって、非耐熱性RNA依存DNAポリメラー
    ゼ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ、非耐熱性
    DNA依存RNAポリメラーゼおよび耐熱性RNase
    Hを使用すること特徴とする耐熱性リボヌクレアーゼH
    を用いる核酸増幅法。
  2. 【請求項2】 RNA(+)からなる標的核酸から1本
    鎖RNA(−)を生成し、該1本鎖RNA(−)のコピ
    ー数を増加させる方法であって、下記工程を含むことを
    特徴とする耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅
    法。 (1)検体から必要によりRNA(+)からなる標的核
    酸の抽出操作を行う; (2)RNA(+)を鋳型として、該RNA(+)に相
    補的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA依存
    RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プ
    ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
    NAポリメラーゼにより伸長反応させて、RNA/DN
    Aハイブリッド伸長生成物を得る; (3)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
    り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
    を分解して、1本鎖DNAを得る; (4)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
    相補的な配列を有する第2プライマーをハイブリダイズ
    させ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼによりD
    NA伸長反応を行って、5’末端上流に機能可能なプロ
    モーター配列を有する2本鎖DNA中間体を生成させ
    る;(ここで、第1プライマーの核酸配列は標的核酸、
    RNA(+)配列に対して十分に相補的であり、第2プ
    ライマーの核酸配列は標的核酸、RNA(+)配列に対
    して十分に相同であり、第1プライマーの3’末端は相
    補的な鎖上の第2プライマーの3’末端に向けられてい
    る) (5)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
    列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
    リメラーゼにより1本鎖RNA(−)のコピーを増加さ
    せる; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(−)を鋳型と
    して、該1本鎖RNA(−)に相補的な配列を有する第
    2プライマー(RNA(+)配列に対して十分に相同で
    ある配列を有する上記第2プライマー)をハイブリダイ
    ズさせ、非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼにより
    DNA伸長反応を行って、RNA/DNAハイブリッド
    伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
    り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
    を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
    相補的な配列および5’末端側に非耐熱性DNA依存R
    NAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プラ
    イマー(前記RNA(+)配列に対して十分に相補的で
    ある上記第1プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐
    熱性DNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反
    応を行って、5’末端上流に機能可能なプロモーター配
    列を有する2本鎖DNA中間体を生成させる; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
    列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
    リメラーゼにより1本鎖RNA(−)のコピーを増加さ
    せる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(−)を鋳
    型として、前記(6)から(9)を繰り返す。
  3. 【請求項3】 RNA(+)からなる標的核酸から1本
    鎖RNA(+)および(−)を生成し、該1本鎖RNA
    (+)および(−)のコピー数を増加させる方法であっ
    て、下記工程を含むことを特徴とする耐熱性リボヌクレ
    アーゼHを用いる核酸増幅法。 (1)検体から必要によりRNA(+)からなる標的核
    酸の抽出操作を行う; (2)RNA(+)を鋳型として、該RNA(+)に相
    補的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA依存
    RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プ
    ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
    NAポリメラーゼにより伸長反応させて、RNA/DN
    Aハイブリッド伸長生成物を得る; (3)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
    り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
    を分解して、1本鎖DNAを得る; (4)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
    相補的な配列およびその5’末端側に非耐熱性DNA依
    存RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第2
    プライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性DNA依存
    DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行って、
    5’末端上流に機能可能なプロモーター配列を有する2
    本鎖DNA中間体を生成させる;(ここで、第1プライ
    マーの核酸配列は標的核酸、RNA(+)配列に対して
    十分に相補的であり、第2プライマーの核酸配列は標的
    核酸、RNA(+)配列に対して十分に相同であり、第
    1プライマーの3’末端は相補的な鎖上の第2プライマ
    ーの3’末端に向けられている) (5)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
    列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
    リメラーゼにより1本鎖RNA(+)および(−)のコ
    ピーを増加させる; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(+)および
    (−)を鋳型として、上記第1プライマーおよび第2プ
    ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
    NAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行って、RN
    A/DNAハイブリッド伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
    り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
    を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、上記第1プライマ
    ーおよび第2プライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱
    性DNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応
    を行って、5’末端上流に機能可能なプロモーター配列
    を有する2本鎖DNA中間体を生成させる; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
    列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
    リメラーゼにより1本鎖RNA(+)および(−)のコ
    ピーを増加させる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(+)およ
    び(−)を鋳型として、前記(6)から(9)を繰り返
    す。
  4. 【請求項4】 DNAからなる標的核酸配列(+)から
    1本鎖RNA(−)を生成し、該1本鎖RNA(−)の
    コピー数を増加させる方法であって、下記工程を含むこ
    とを特徴とする耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸
    増幅法。 (1)検体から、必要により標的核酸配列、DNAの抽
    出操作を行う; (2)得られたDNAに、5’末端側に非耐熱性DNA
    依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列を有し、標
    的核酸配列、DNAに相補的な配列を有するプライマー
    (第1プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性D
    NA依存DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、2
    本鎖DNAを得る; (3)変性処理により、2本鎖DNAから1本鎖DNA
    を分離し; (4)該1本鎖DNAに、標的核酸配列、DNAに相同
    な配列を有するプライマー(第2プライマー)をハイブ
    リダイズさせ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ
    により伸長反応させて、上流に機能可能なプロモーター
    配列に結合した2本鎖DNA中間体を生成させる; (5)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼを用い
    て、該2本鎖DNA中間体から複数の1本鎖RNA
    (−)を合成する; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(−)を鋳型と
    して、該1本鎖RNA(−)に相補的な配列を有する第
    2プライマー(RNA(+)配列に対して十分に相同で
    ある配列を有する上記第2プライマー)をハイブリダイ
    ズさせ、非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼにより
    DNA伸長反応を行って、RNA/DNAハイブリッド
    伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
    り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
    を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、該1本鎖DNAに
    相補的な配列および5’末端側に非耐熱性DNA依存R
    NAポリメラーゼのプロモーター配列を有する第1プラ
    イマー(前記RNA(+)配列に対して十分に相補的で
    ある配列を有する上記第1プライマー)をハイブリダイ
    ズさせ、非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼにより
    DNA伸長反応を行って、5’末端上流に機能可能なプ
    ロモーター配列を有する2本鎖DNA中間体を生成させ
    る; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
    列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
    リメラーゼにより1本鎖RNA(−)のコピーを増加さ
    せる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(−)を鋳
    型として、前記(6)から(9)を繰り返す。
  5. 【請求項5】 DNAからなる標的核酸配列(+)から
    1本鎖RNA(+)および(−)を生成し、該1本鎖R
    NA(+)および(−)のコピー数を増加させる方法で
    あって、下記工程を含むことを特徴とする耐熱性リボヌ
    クレアーゼHを用いる核酸増幅法。 (1)検体から、必要により標的核酸配列、DNAの抽
    出操作を行う; (2)得られたDNAに、5’末端側に非耐熱性DNA
    依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列および標的
    核酸配列、DNAに相補的な配列を有するプライマー
    (第1プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性D
    NA依存DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、2
    本鎖DNAを得る; (3)変性処理により、2本鎖DNAから1本鎖DNA
    を分離し; (4)該1本鎖DNAに、5’末端側に非耐熱性DNA
    依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列および標的
    核酸配列、DNAに相同な配列を有するプライマー(第
    2プライマー)をハイブリダイズさせ、非耐熱性DNA
    依存DNAポリメラーゼにより伸長反応させて、上流に
    機能可能なプロモーター配列に結合した2本鎖DNA中
    間体を生成させる; (5)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼを用い
    て、該2本鎖DNA中間体から複数の1本鎖RNA
    (+)および(−)を合成する; (6)上記工程で得られた1本鎖RNA(+)および
    (−)を鋳型として、上記第1プライマーおよび第2プ
    ライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱性RNA依存D
    NAポリメラーゼによりDNA伸長反応を行って、RN
    A/DNAハイブリッド伸長生成物を得る; (7)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解する耐熱性リボヌクレアーゼHによ
    り、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物からRNA
    を分解して、1本鎖DNAを得る; (8)該1本鎖DNAを鋳型として、上記第1プライマ
    ーおよび第2プライマーをハイブリダイズさせ、非耐熱
    性DNA依存DNAポリメラーゼによりDNA伸長反応
    を行って、5’末端上流に機能可能なプロモーター配列
    を有する2本鎖DNA中間体を生成させる; (9)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配
    列を認識することができる非耐熱性DNA依存RNAポ
    リメラーゼにより1本鎖RNA(+)および(−)のコ
    ピーを増加させる;そして (10)必要により、得られた1本鎖RNA(+)およ
    び(−)を鋳型として、前記(6)から(9)を繰り返
    す。
  6. 【請求項6】 変性処理が加熱、酸またはアルカリ処理
    である請求項4または5記載の耐熱性リボヌクレアーゼ
    Hを用いる核酸増幅法。
  7. 【請求項7】 耐熱性リボヌクレアーゼHが、Thermus
    thermophilus由来のリボヌクレアーゼHである請求項1
    〜5のいずれか1項記載の耐熱性リボヌクレアーゼHを
    用いる核酸増幅法。
  8. 【請求項8】 非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ
    が逆転写酵素である請求項1〜5のいずれか1項記載の
    耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法。
  9. 【請求項9】 非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼ
    が逆転写酵素である請求項1〜5のいずれか1項記載の
    耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法。
  10. 【請求項10】 逆転写酵素がAMV(Avian myeloblas
    tsis virus) 由来の逆転写酵素である請求項8記載の耐
    熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法。
  11. 【請求項11】 逆転写酵素がAMV(Avian myeloblas
    tsis virus) 由来の逆転写酵素である請求項9記載の耐
    熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法
  12. 【請求項12】 非耐熱性DNA依存RNAポリメラー
    ゼがT7RNAポリメラーゼ、T3RNAポリメラーゼ
    またはSP6RNAポリメラーゼである請求項1〜5の
    いずれか1項記載の耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる
    核酸増幅法。
  13. 【請求項13】 非耐熱性DNA依存RNAポリメラー
    ゼのプロモーター配列がT7RNAポリメラーゼ、T3
    RNAポリメラーゼまたはSP6RNAポリメラーゼの
    プロモーター配列である請求項1〜5のいずれか1項記
    載の耐熱性リボヌクレアーゼHを用いる核酸増幅法。
  14. 【請求項14】 試料中の標的核酸を請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載される核酸増幅法により増幅させ、増
    幅された核酸を検出プローブとハイブリダイズさせ、ハ
    イブリダイズした核酸を検出することを特徴とする試料
    中の標的核酸の検出法。
  15. 【請求項15】 下記試薬を含むことを特徴とする特定
    の核酸配列を増幅するための試薬キット。 (a)RNA(+)に相補的な配列およびその5’末端
    側に非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモー
    ター配列を有する第1プライマー、 (b)RNA(+)に相同的な配列を有する第2プライ
    マー、 (c)耐熱性リボヌクレアーゼH、 (d)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼ、 (e)非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼ、 (f)非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ、 (g)リボヌクレオシドトリフォスフェート、 (h)デオキシリボヌクレオシドトリフォスフェートお
    よび (i)緩衝液
  16. 【請求項16】 下記試薬を含むことを特徴とする特定
    の核酸配列を増幅するための試薬キット。 (a)RNA(+)に相補的な配列およびその5’末端
    側に非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモー
    ター配列を有する第1プライマー、 (b)RNA(+)に相同的な配列およびその5’末端
    側に非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼのプロモー
    ター配列を有する第2プライマー、 (c)耐熱性リボヌクレアーゼH、 (d)非耐熱性DNA依存RNAポリメラーゼ、 (e)非耐熱性RNA依存DNAポリメラーゼ、 (f)非耐熱性DNA依存DNAポリメラーゼ、 (g)リボヌクレオシドトリフォスフェート、 (h)デオキシリボヌクレオシドトリフォスフェートお
    よび (i)緩衝液
  17. 【請求項17】 耐熱性リボヌクレアーゼHが、Thermu
    s thermophilus由来のリボヌクレアーゼHである請求項
    15または16項記載の特定の核酸配列を増幅するため
    の試薬キット。
  18. 【請求項18】 非耐熱性DNA依存DNAポリメラー
    ゼが逆転写酵素である請求項15または16項記載の特
    定の核酸配列を増幅するための試薬キット。
  19. 【請求項19】 非耐熱性RNA依存DNAポリメラー
    ゼが逆転写酵素である請求項15または16項記載の特
    定の核酸配列を増幅するための試薬キット。
  20. 【請求項20】 逆転写酵素がAMV(Avian myeloblas
    tsis virus) 由来の逆転写酵素である請求項18項記載
    の特定の核酸配列を増幅するための試薬キット。
  21. 【請求項21】 逆転写酵素がAMV(Avian myeloblas
    tsis virus) 由来の逆転写酵素である請求項19項記載
    の特定の核酸配列を増幅するための試薬キット。
  22. 【請求項22】 非耐熱性DNA依存RNAポリメラー
    ゼがT7RNAポリメラーゼ、T3RNAポリメラーゼ
    またはSP6RNAポリメラーゼである請求項15また
    は16記載の特定の核酸配列を増幅するための試薬キッ
    ト。
  23. 【請求項23】 非耐熱性DNA依存RNAポリメラー
    ゼのプロモーター配列がT7RNAポリメラーゼ、T3
    RNAポリメラーゼまたはSP6RNAポリメラーゼの
    プロモーター配列である請求項14または15記載の特
    定の核酸配列を増幅するための試薬キット。
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