JPH1028387A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH1028387A
JPH1028387A JP9091974A JP9197497A JPH1028387A JP H1028387 A JPH1028387 A JP H1028387A JP 9091974 A JP9091974 A JP 9091974A JP 9197497 A JP9197497 A JP 9197497A JP H1028387 A JPH1028387 A JP H1028387A
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JP
Japan
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center line
relative motion
line average
average roughness
vibrator
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Pending
Application number
JP9091974A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiko Shibata
美子 柴田
Kazuyasu One
一泰 大根
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Publication of JPH1028387A publication Critical patent/JPH1028387A/ja
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触面が鏡面ラップされた相対運動部材をそ
なえる振動アクチュエータでは、接触面の摩耗や滑り音
が発生し、実用化の障害となる。 【解決手段】 駆動力取出部2a,2bを有する弾性体
2と,駆動力取出部2a,2bに装着された摺動材5a
〜5dを介して弾性体2に加圧接触し、1次元の相対運
動を行う相対運動部材6とを備える超音波アクチュエー
タ11であって、相対運動部材6の弾性体2との接触面
に、相対運動の方向と平行な方向への研削条痕6が形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動アクチュエー
タに関し、より具体的には、電気機械変換素子により弾
性体を励振し、複数の振動を調和的に発生させることに
より弾性体の表面に楕円運動を生じさせ、弾性体に加圧
接触する相対運動部材との間で1次元の相対運動を発生
する振動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性体に少なくとも2つの電気機械変換
素子を接合し、これらの電気機械変換素子にそれぞれ駆
動信号である交流電圧を印加することにより、弾性体に
複数の振動を調和的に発生させて、弾性体の表面に楕円
運動を発生させる振動アクチュエータが知られている。
【0003】このような振動アクチュエータとしては、
「光ピックアップ移動を目的とした圧電リニア・モー
タ」(富川義朗氏他:第5回電磁力関連のダイナミック
シンポジウム講演論文集,第393頁〜第398頁)に
より、その構成及び負荷特性が詳細に説明されている。
【0004】図10は、このような振動アクチュエータ
1の構成を示す説明図であって、図10(a)は上面
図,図10(b)は正面図,図10(c)は右側面図,
図10(d)は底面図である。図10(d)において
は、摩擦材5a,5bは一部を破断した状態で示す。
【0005】この振動アクチュエータ1は、矩形平板状
であって一方の平面に突起状に駆動力取出部2a,2b
が形成された弾性体2(ステンレス鋼,アルミ合金等の
金属材料又はプラスチック材料等の弾性材料により構成
される。)と、駆動力取出部2a,2bを介して図示し
ない加圧機構により弾性体1に加圧接触する相対運動部
材3とにより構成される。駆動力取出部2a,2bは、
後述するように、弾性体2に発生する4次の屈曲振動の
腹位置の2か所に形成される。
【0006】弾性体2の他方の平面には、矩形薄板状の
電気機械変換素子である圧電体4a,4b,4p,4
p’が装着される。
【0007】圧電体4a,4bは駆動用の圧電体であ
る。圧電体4a,4bには電気的に位相が90°異なる
交流電圧が印加される。なお、圧電体4p,4p’は、
弾性体2に発生する振動状態を検出するための機械電気
変換素子である圧電体である。これらの圧電体4a,4
b,4p,4p’には図示しないリード線が半田付けさ
れており、各リード線は同じく図示しない制御回路に接
続される。
【0008】圧電体4a,4bにそれぞれ図示しない駆
動電圧発生装置から駆動信号である交流電圧を印加する
ことにより、弾性体2に1次の縦振動及び4次の屈曲振
動が調和的に発生する。発生した縦振動及び屈曲振動は
合成されて、駆動力取出部2a,2bの端面に弾性体長
手方向に関する楕円状変位を発生し、駆動力取出部2
a,2bを介して弾性体2に加圧接触する相対運動部材
3に対して相対運動を生じる。この相対運動を外部に取
り出して推力として利用する。
【0009】このような振動アクチュエータ1では、1
次の縦振動及び4次の屈曲振動それぞれの固有振動数
が、互いに非常に近い値又は同じ値になるように設計さ
れる。そのため、圧電体4a,4bそれぞれに、2つの
固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加することによ
り、1次の縦振動及び4次の屈曲振動を調和的に発生さ
せることができる。
【0010】ここで、突起状に形成された駆動力取出部
2a,2bの端面は、弾性体2との摺動面であるため、
その全面に、相対運動部材3との摺動抵抗を低減するた
めの摩擦材5a,5bが貼付される。摩擦材5a,5b
は、樹脂材や金属材等からなるシート材を、例えばエポ
キシ樹脂系接着剤により駆動力取出部2a,2bの端面
に接着することにより、形成される。なお、摩擦材5
a,5bの素材としては、有機材(ポリエーテルニトリ
ル等)や無機材(無電解Ni−Pメッキ層等)を用いる
ことも可能である。
【0011】一方、摩擦材5a,5bが接触する相手材
である相対運動部材3の表面は、これまで、鏡面ラップ
加工を行うことにより平滑な金属面(中心線平均粗さR
aが0.01μm以下)に仕上げていた。これは、弾性
体2と相対運動部材3との接触状態を安定させて振動ア
クチュエータ1の駆動効率を高めるためには、接触面の
平滑度をできるだけ高くして均一な接触を保つことが有
利であると考えられていたからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、振動アクチ
ュエータ1では、弾性体2,相対運動部材3それぞれの
接触面の摩擦係数μが高いと、駆動力を上げることがで
きる。しかし、弾性体2及び相対運動部材3の間に介在
させる摩擦材5a,5bの耐摩耗性が高いと、弾性体2
や相対運動部材3は、通常、鉄系,ステンレス鋼系ない
しはアルミニウム合金系等の弾性率の大きな材料により
構成されているため、それぞれの接触面を摩滅させてし
まう。
【0013】このため、駆動初期における制御が困難と
なり、また、摩耗粉が発生するためその使用場所が著し
く限定されてしまう。さらに、それぞれの接触面におけ
る摩滅により発生する凹凸がさらに摩耗を促進し、振動
アクチュエータ1の寿命を極めて短くしてしまう。
【0014】また、振動アクチュエータ1の特徴の一つ
として静粛性があるが、本発明者の検討によれば、相対
運動部材3の表面に鏡面ラップ加工を行うと、異音が発
生することがあった。これは、振動アクチュエータ1の
静粛性を損なう重要な課題である。
【0015】鏡面ラップ加工を行う代わりに切削加工を
行うことも考えられる。しかし、本発明者の検討によれ
ば、切削加工では表面に大きなうねり成分が残存して接
触面の平滑度が不足するため、摩擦材の接触状態が不安
定になり相対運動部材3の駆動が不安定になってしま
う。
【0016】さらに、振動アクチュエータ1の駆動に伴
って摩擦材5a,5bが摩耗する。そのため、切削加工
を行った接触面ではその表面に摩耗粉が堆積し、振動ア
クチュエータ1の駆動が停止したり、一時停止後の再起
動が困難になってしまう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、以下に列記する内
容の新規な知見を得た。
【0018】(1)弾性体又は相対運動部材の接触面
を、この接触面内における中心線平均粗さが方向性を有
するように形成し、かつ、この中心線平均粗さが最大と
なる方向(以下、「第1の方向」という。)に関する中
心線平均粗さが、中心線平均粗さが最小となる方向(以
下、「第2の方向」という。)に関する中心線平均粗さ
の3倍以上に設定することが、上述した課題の解決に有
効である。
【0019】(2)前記接触面は、研削加工を行うこと
により、容易、確実に形成される。 (3)前記第1の方向に関する中心線平均粗さが、0.
1μm以上1.0μm以下の範囲であり、前記第2の方
向に関する中心線平均粗さが、0.01μm以上0.3
μm以下の範囲であることが望ましい。
【0020】本発明者は、これらの新規知見に基づいて
さらに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0021】請求項1の発明は、複数種類の振動を発生
する振動子と,前記振動子に加圧された状態で面接触
し、前記振動子との間で1次元の相対運動を行う相対運
動部材とを備える振動アクチュエータであって、前記振
動子の前記相対運動部材との接触面,又は前記相対運動
部材の前記振動子との接触面は、この接触面内における
中心線平均粗さについて方向性を有し、かつ、前記中心
線平均粗さが最大となる第1の方向に関する中心線平均
粗さは、最小となる第2の方向に関する中心線平均粗さ
の3倍以上であることを特徴とする。
【0022】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、前記第1の方向に関する
中心線平均粗さが、0.1μm以上1.0μm以下であ
るとともに、前記第2の方向に関する中心線平均粗さ
が、0.01μm以上0.3μm以下であることを特徴
とする。
【0023】請求項3の発明は、複数種類の振動を発生
する振動子と,前記振動子に加圧された状態で面接触
し、前記振動子との間で1次元の相対運動を行う相対運
動部材とを備える振動アクチュエータであって、前記振
動子の前記相対運動部材との接触面,又は前記相対運動
部材の前記振動子との接触面は、研削加工により形成さ
れていることを特徴とする。
【0024】請求項4の発明は、請求項3に記載された
振動アクチュエータにおいて、前記研削加工が、前記相
対運動の方向と略平行な方向について行われていること
を特徴とする。
【0025】請求項5の発明は、請求項3に記載された
振動アクチュエータにおいて、前記研削加工が、前記相
対運動の方向と平行でない方向について行われているこ
とを特徴とする。
【0026】請求項6の発明は、請求項3から請求項5
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、前記研削加工の際の研削方向と略平行な方向に
関する中心線平均粗さが、0.01μm以上0.3μm
以下であるとともに、前記研削方向と略直交する方向に
関する中心線平均粗さが、0.1μm以上1.0μm以
下であることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明にかかる振動アクチュエ
ータを添付図面を参照しながら、詳細に説明する。な
お、以降の本実施形態の説明は、振動アクチュエータと
して超音波の振動域を利用する超音波アクチュエータを
例にとって、行う。
【0028】図1は、本実施形態における超音波アクチ
ュエータ11に用いる相対運動部材6を示す説明図であ
り、図1(a)は相対運動部材6の平面形状を示す上面
図,図1(b)は接触面に相対運動の方向と略平行な方
向に研削加工が行われた本実施形態の一態様にかかる相
対運動部材6の上面図,図1(c)及び図1(d)は接
触面に相対運動の方向と平行でない方向に研削加工が行
われた本実施形態の他の態様にかかる相対運動部材6の
上面図である。
【0029】本発明にかかる振動アクチュエータ11
が、図16に示す従来の超音波アクチュエータ1と相違
するのは、相対運動部材の表面状態だけであるため、以
降の実施形態の説明は、この相違点を説明することと
し、同一の部分については、説明を省略する。
【0030】図1(b)〜図1(d)に示すように、本
実施形態の超音波アクチュエータ11では、相対運動部
材6の表面に、研削加工により形成される研削条痕7,
8又は9がそれぞれ形成される。研削条痕7は相対運動
の方向と平行な方向(B方向)に、研削条痕8は相対運
動の方向と角度α(ただし、0°<α<90°)をなす
方向に、さらに研削条痕9は相対運動の方向と直交する
方向(A方向)に、それぞれ形成される。
【0031】図2(a)は、研削条痕7,8又は9が形
成された相対運動部材6の表面を、中心線平均粗さが最
小となる第2の方向において拡大した状態の一例を示す
説明図である。図2(b)は、ラップ面の表面状態の一
例を拡大した状態で示す説明図である。なお、図2
(a)と図2(b)とは等倍ではなく、表面状態の概略
を示すものである。
【0032】図2(a)から分かるように、研削条痕
7,8又は9が形成された表面には、高周波成分(表面
粗さ)が形成されるとともに、低周波成分(表面うね
り)が形成されている。一方、図2(b)から分かるよ
うに、ラップ面には表面粗さが存在するが、表面うねり
は殆ど存在しない。
【0033】このような研削面は、中心線平均粗さが最
大となる第1の方向に関する中心線平均粗さが、最小と
なる第2の方向に関する中心線平均粗さの3倍以上であ
るという条件を満足する。
【0034】図3は、第1の方向について、中心線平均
粗さRa(μm)と駆動効率との関係を示すグラフであ
る。図4は、第2の方向について、中心線平均粗さRa
(μm)と駆動効率との関係を示すグラフである。さら
に、図5は、(第1の方向に関する中心線平均粗さR
a)/(第2の方向に関する中心線平均粗さRa)と、
駆動効率との関係を示すグラフである。
【0035】なお、図3〜図5に示す関係は、ステンレ
ス鋼(SUS304)からなる弾性体2の駆動力取出部
2a,2bに、エポキシ系接着剤により摩擦材5a〜5
dを接着することにより構成した振動子と、SUS30
4からなる板材の表面を研削砥石GC46〜80,SG
60〜100,周速22m/sにより研削加工した相対
運動部材6とを、所定の加圧力で接触させることによ
り、動特性試験を行って得たものである。
【0036】図3及び図4に示す関係から、研削面で
は、第1の方向に関して中心線平均粗さRaが0.1μ
m以上1.0μm以下であるとともに、第2の方向に関
して中心線平均粗さRaが0.01μm以上0.3μm
以下であることが、高い駆動効率を安定的に得るために
は望ましいことがわかる。
【0037】また、図5に示す関係から、(第1の方向
に関する中心線平均粗さRa)/(第2の方向に関する
中心線平均粗さRa)の値が3以上であることが、同様
の観点からは望ましいことがわかる。
【0038】以上のように構成された本実施形態の超音
波アクチュエータ11によれば、弾性体2や相対運動部
材3の接触面における摩耗が抑制され、超音波アクチュ
エータ11の長寿命化を図ることができる。また、摩耗
量が少ないことから、安定した性能を長期間にわたって
発揮することができる。さらに、接触面における摩耗粉
の堆積量が低減され、摩耗粉の堆積に起因した異常停止
が発生しない。
【0039】本実施形態の超音波アクチュエータ11
は、滑り音の発生もなく、極めて静粛である。
【0040】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細
に説明する。図1に示す超音波アクチュエータ11にお
いて、相対運動部材6をステンレス鋼(SUS304)
により構成した。この相対運動部材6に表1に示す6種
の加工を行うことにより、試料 No.1〜試料 No.6の超
音波アクチュエータを得た。
【0041】試料 No.5、6には、相対運動方向と略平
行な方向に研削加工を施してある。このとき、試料 No.
5、6の上面には、図1(b)の研削条根7と同様な条
痕が形成される。
【0042】
【表1】
【0043】なお、本実施形態では、摩擦材5a〜5d
として、ポリフロンMG−1431F(ダイキン工業
(株))を用いた。また、弾性体2に発生する縦振動1
次モードの***振周波数は、47.2kHzであった。
【0044】このような超音波アクチュエータ11を用
い、弾性体2を相対運動部材6に適当な加圧力で加圧接
触させ、試料 No.1〜試料 No.6の超音波アクチュエー
タ11を駆動させた。そして、これらの試料について動
特性の測定を行った。
【0045】以下、評価内容を列記する。図6は、試料
No.1,試料 No.2及び試料 No.5に関する超音波アク
チュエータにおける速度と負荷との関係を示すグラフで
ある。また、図7は、試料 No.1,試料 No.2及び試料
No.5に関する超音波アクチュエータの効率と負荷との
関係を示すグラフである。
【0046】試料 No.5は、試料 No.1,試料 No.2と
比較して、起動推進力,効率ともに大きく、超音波アク
チュエータから発生する異音は極めて小さかった。これ
に対し、試料 No.1,試料 No.2は、ともに、起動推進
力,効率が小さく、駆動中に異音が発生した。これは、
弾性体2と相対運動部材6との接触面に滑り(いわゆる
付着滑り)が発生していることが原因と考えられる。
【0047】以上の結果から、研削加工した相対運動部
材を備える超音波アクチュエータ(試料 No.5)は、ラ
ップ処理した相対運動部材を備える超音波アクチュエー
タ(試料 No.1,試料 No.2)に比較すると、起動推進
力,効率がともに大きく、騒音の発生も充分に抑制され
るため、超音波アクチュエータとしての一般的用途を考
えると、試料 No.5が有利である。
【0048】図8は、試料 No.2,試料 No.3,試料 N
o.5及び試料 No.6に関する超音波アクチュエータにお
ける速度と負荷との関係を示すグラフである。また、図
7は、試料 No.2,試料 No.3,試料 No.5及び試料 N
o.6に関する超音波アクチュエータの効率と負荷との関
係を示すグラフである。図7,図8から、試料 No.2の
起動推進力がかなり小さく、試料 No.6の起動推進力、
効率ともに大きいことがわかる。
【0049】(摩耗粉の堆積)相対運動部材6の接触面
が、超音波アクチュエータの性能に影響を及ぼす要因の
一つとして、摩耗粉の堆積がある。
【0050】試料 No.1〜試料 No.6について、相対運
動部材6の接触面を実体顕微鏡(×3.96)で観察し
た。摩耗粉の堆積量が最も多かったものは、試料 No.4
である。試料 No.4は、いわばやすりのような表面を呈
しており、摩耗粉の堆積が最も著しく、駆動開始から数
時間で性能の急激な低下が認められた。
【0051】次に、摩耗粉の堆積量が多かったのは試料
No.3であり、最も摩耗粉が付着し易い位置であるモー
タ反転部では、低速モータの場合には停止してしまうほ
どの抵抗となっていた。
【0052】試料 No.1,2には、肉眼では摩耗粉の付
着は顕著には認められないが、細かい摩耗粉が研磨条痕
に存在し、やはり駆動時の抵抗となっていた。これに対
し、試料 No.5,6は、研削が粗いほど堆積量は増加す
るが、試料 No.1〜試料 No.4に比較すると、堆積量は
少ない。研削面に存在する表面粗さ等が、発生する摩耗
粉が残存し難い程度に形成されているためと考えられ
る。
【0053】(駆動時における発生音)超音波アクチュ
エータの特徴の一つとして、駆動時に騒音の発生が少な
いことがある。各試料について、発生する騒音を官能評
価した。結果を表1にまとめて示す。
【0054】表1から、表面粗さの粗い相対運動部材ほ
ど発生する音は小さくなる傾向にあることがわかる。こ
れは、表面粗さが大きいと、加圧力及び接触面積が一定
である場合には、摩擦材と相対運動部材との真の接触面
積が小さくなるため、音の発生が少なくなるものと考え
られる。
【0055】また、研削方向も前記相対運動方向と平行
な方向に近いものほど、騒音が少ないことを実験によっ
て確認した。
【0056】(変形形態)各実施形態及び各実施例で
は、振動アクチュエータとして超音波の振動域を利用す
る超音波アクチュエータを例にとったが、本発明にかか
る振動アクチュエータは、このような態様だけに限定さ
れるものではなく、他の振動域を利用した超音波アクチ
ュエータについても適用することができる。
【0057】また、各実施形態及び各実施例では、電気
機械変換素子として圧電体を用いたが、本発明はこのよ
うな態様に限定されるものでなく、他の電気エネルギー
を機械的変位に変換することができるものあれば等しく
適用することができる。例えば、電歪素子を例示するこ
とができる。
【0058】また、各実施形態及び各実施例では、弾性
体の駆動力取出部に摩擦材を貼付するとともに相対運動
部材の接触面に研削条痕を形成するようにしたが、この
逆に、相対運動部材に摩擦材を貼付するとともに弾性体
の駆動力取出部に研削条痕を形成するようにしても、全
く同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における超音波アクチュエータに
用いる相対運動部材を示す説明図であり、図1(a)は
相対運動部材の平面形状を示す上面図,図1(b)は接
触面に相対運動の方向と略平行な方向に研削加工が行わ
れた本実施形態の一態様にかかる相対運動部材の上面
図,図1(c)及び図1(d)は接触面に相対運動の方
向と平行でない方向に研削加工が行われた本実施形態の
他の態様にかかる相対運動部材の上面図である。
【図2】図2(a)は、研削条痕が形成された相対運動
部材の表面を、中心線平均粗さが最小となる第2の方向
において拡大した状態の一例を示す説明図であり、図2
(b)は、ラップ面の表面状態の一例を拡大した状態で
示す説明図である。
【図3】第2の方向について、中心線平均粗さRa(μ
m)と駆動効率との関係を示すグラフである。
【図4】第1の方向について、中心線平均粗さRa(μ
m)と駆動効率との関係を示すグラフである。
【図5】(第1の方向に関する中心線平均粗さRa)/
(第2の方向に関する中心線平均粗さRa)と駆動効率
との関係を示すグラフである。
【図6】実施例における速度と負荷との関係を示すグラ
フである。
【図7】実施例における効率と負荷との関係を示すグラ
フである。
【図8】実施例における速度と負荷との関係を示すグラ
フである。
【図9】実施例における速度と負荷との関係を示すグラ
フである。
【図10】従来の振動アクチュエータの構成を示す説明
図であって、図10(a)は上面図,図10(b)は正
面図,図10(c)は右側面図,図10(d)は底面図
である。
【符合の説明】
2 弾性体 2a,2b 駆動力取出部 3 相対運動部材 4a,4b 圧電体(電気機械変換素子) 4p,4p’ 圧電体(機械電気変換素子) 5a〜5d 摩擦材 11 超音波アクチュエータ(振動アクチュエータ)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の振動を発生する振動子と,前
    記振動子に加圧された状態で面接触し、前記振動子との
    間で1次元の相対運動を行う相対運動部材とを備える振
    動アクチュエータであって、 前記振動子の前記相対運動部材との接触面,又は前記相
    対運動部材の前記振動子との接触面は、この接触面内に
    おける中心線平均粗さについて方向性を有し、かつ、 前記中心線平均粗さが最大となる第1の方向に関する中
    心線平均粗さは、最小となる第2の方向に関する中心線
    平均粗さの3倍以上であることを特徴とする振動アクチ
    ュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記第1の方向に関する中心線平均粗さが、0.1μm
    以上1.0μm以下であるとともに、前記第2の方向に
    関する中心線平均粗さが、0.01μm以上0.3μm
    以下であることを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 複数種類の振動を発生する振動子と,前
    記振動子に加圧された状態で面接触し、前記振動子との
    間で1次元の相対運動を行う相対運動部材とを備える振
    動アクチュエータであって、 前記振動子の前記相対運動部材との接触面,又は前記相
    対運動部材の前記振動子との接触面は、研削加工により
    形成されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記研削加工は、前記相対運動の方向と略平行な方向に
    ついて行われていることを特徴とする振動アクチュエー
    タ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記研削加工は、前記相対運動の方向と平行でない方向
    について行われていることを特徴とする振動アクチュエ
    ータ。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記研削加工の際の研削方向と略平行な方向に関する中
    心線平均粗さが、0.01μm以上0.3μm以下であ
    るとともに、前記研削方向と略直交する方向に関する中
    心線平均粗さが、0.1μm以上1.0μm以下である
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176078A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 オリンパス株式会社 超音波ステージ

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