JPH10282082A - アニオン交換樹脂の性能評価方法及びこれに用いる装置 - Google Patents

アニオン交換樹脂の性能評価方法及びこれに用いる装置

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JPH10282082A
JPH10282082A JP9086835A JP8683597A JPH10282082A JP H10282082 A JPH10282082 A JP H10282082A JP 9086835 A JP9086835 A JP 9086835A JP 8683597 A JP8683597 A JP 8683597A JP H10282082 A JPH10282082 A JP H10282082A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 復水脱塩装置等のイオン交換装置において使
用されているアニオン交換樹脂を、サンプリングするこ
となくインライン状態で性能評価できる方法を提供す
る。 【解決手段】 再生処理したアニオン交換樹脂に性能評
価水を通水し、この性能評価水に漏出するアニオン量を
測定して得た測定値に基づいて、予め求めた物質移動係
数値とアニオン漏出量の関係から物質移動係数値を推定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン成分を含ん
だ水を処理するイオン交換装置で用いられたアニオン交
換樹脂の性能を評価する方法、特に、火力発電所,原子
力発電所等の復水系に設置された復水脱塩装置等のイオ
ン交換装置で用いられたアニオン交換樹脂の性能を評価
する方法、及びこれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の背景技術と従来法を火力あるい
は原子力の発電所に設備された循環水系中の復水脱塩装
置に適用した場合を例にして以下説明する。
【0003】火力発電所あるいは原子力発電所の設備
は、タービンを駆動させた後の蒸気を海水等で冷却して
復水とし、この復水を再び加熱して得た蒸気でタービン
を駆動させるというサイクルを繰り返すものであり、こ
のサイクルで循環される系内の水は各種の不純物イオン
や酸化鉄微粒子(クラッド)で汚染される。そこでその
除去のために上記循環水系の途中に復水脱塩装置(イオ
ン交換装置)が設置される。
【0004】復水脱塩装置は、一般に、混床式脱塩塔
(以下単に「脱塩塔」という)からなる通水系統で構成
され、通常はこの脱塩塔で使用されたイオン交換樹脂を
再生するための再生系統が付帯設備されている。イオン
交換樹脂としてはH形あるいはNH4 形の強酸性カチオ
ン交換樹脂とOH形の強塩基性アニオン交換樹脂のイオ
ン交換樹脂を混合して用い、通水する復水に含まれるN
aイオンやClイオン等の不純物をイオン交換作用によ
り除去し、また必要に応じてイオン除去と共に復水中の
クラッドを濾過作用や吸着作用で除去するように用いら
れる。上記脱塩塔は通常は複数設けられ、一つの脱塩塔
がクラッドの蓄積による圧力損失や定体積処理量に達
し、あるいはイオン交換樹脂が不純物イオンで飽和する
ことなどで通水終点に達した時に、通水終点に達した脱
塩塔を通水系統から切り離し、他の脱塩塔での通水を続
行しながら、切り離した脱塩塔のイオン交換樹脂を再生
系統で再生処理して、通水の継続と再生を可能とする。
【0005】再生処理は、再生処理済みイオン交換樹脂
を貯槽に一時貯溜しておいて、通水終点に達した脱塩塔
のイオン交換樹脂を再生塔に移送させると同時に該貯槽
に一時貯溜した再生処理済イオン交換樹脂をこの脱塩塔
に戻す方式、貯槽を備えずに一つの脱塩塔からのイオン
交換樹脂を再生処理して再び元の脱塩塔に戻す方式など
種々の方法があり、再生操作は、バブリングによるクラ
ッドの水洗除去処理の後、上層にアニオン交換樹脂,下
層にカチオン交換樹脂を比重差で分離させ、カチオン交
換樹脂は硫酸等の酸再生剤を通薬しかつアニオン交換樹
脂には苛性ソーダ等のアルカリ再生剤を通薬して不純物
イオンを脱着させる処理を行なう一塔再生方式、アニオ
ン,カチオンの両オン交換樹脂を別々の再生塔に分離し
てそれぞれの再生塔で再生する別塔再生方式などがあ
る。
【0006】以上のように、復水脱塩塔で使用されるイ
オン交換樹脂は再生処理を繰り返しながら一般に数年に
渡って使用されるが、イオン交換樹脂を長期間使用して
いくと徐々にその性能が劣化することが避けられないの
で、性能が劣化したイオン交換樹脂は交換される。この
性能劣化は、有機物等による汚染を受けることがあるア
ニオン交換樹脂において特に顕著に現れる。
【0007】性能が劣化したイオン交換樹脂を交換する
ためには、劣化程度をできるだけ正確に判断してその交
換時期を適切に管理することが工業的装置では強く求め
られる。この管理を適切に行うことで、使用資材を有効
利用でき、特に原子力発電所では廃棄物量の削減を達成
できるため極めて有益であり、更にこれらを通じて例え
ば発電所における復水脱塩系統の運用コストを低減でき
るからである。
【0008】このような観点から、イオン交換樹脂の性
能(劣化の状態)を出来るだけ正確に把握するための提
案は従来からされているが、復水脱塩塔で実際に使用し
ているイオン交換樹脂の性能評価は技術的にも簡単では
ないため、工業的装置においてイオン交換樹脂の交換時
期を適切に管理することは容易でない。
【0009】例えば、特開昭61−162749号公報
では、実装置からサンプリングしたイオン交換樹脂を実
装置と同様な樹脂層高をもったカラムに充填し、これに
試験水を通してその処理水の水質からイオン交換樹脂の
性能を判断する方法(以下「サンプリング方式」とい
う)が提案されている。しかしこの方法は、実装置から
イオン交換樹脂を抜き、別の試験カラムを用いて性能評
価試験を行なうサンプリング方式の操作によるため数日
以上の時間がかかり、即時的対応ができないという問題
がある。またこの方法による試験結果は実際に使用され
ているイオン交換樹脂の性能を正確に示しているとは言
えない欠点もある。すなわち、復水脱塩装置で使用され
るアニオン交換樹脂(カチオン交換樹脂も同様)は粒径
について一定の分布幅があり、この粒径の違いが性能劣
化の度合に関係し、少量サンプリングしたイオン交換樹
脂を試験してもそれが実装置のアニオン交換樹脂全体の
性能を正確に反映していないことの影響を無視できない
からである(特開昭62−4448号公報参照)。
【0010】別の従来法として特開昭62−4448号
公報,特開平2−36340号公報の提案があるが、こ
れらも上記と同様にイオン交換樹脂をサンプリングして
性能評価する方法であるため、工業的装置で利用するに
は上述したサンプリング方式の欠点を克服できない。
【0011】これらのサンプリング(オフライン)方式
とは別に、実装置から直接得られる情報を測定して、ア
ニオン交換樹脂の性能評価をする方法が提案(特開平4
−220562号公報)されている。この方法は、再生
処理後のイオン交換樹脂を通水塔に戻して純水,復水等
を通水したときにこの通水塔から漏出するアニオン漏出
量を直接測定する操作を再生処理毎に繰り返し、再生処
理毎のアニオン漏出量の変化の履歴を調べて、これに基
づいてアニオン交換樹脂の性能劣化の進行程度を判断す
る方法である。
【0012】この方法には次の利点がある。すなわち、
再生したイオン交換樹脂を運転状態に復帰させた後の通
常通水運転中に漏出するアニオン(カチオン交換樹脂の
再生剤が硫酸の場合はSO4 -:以下この硫酸の場合で説
明する)の量は極めて微量であり、また実装置から得ら
れるデータであるため種々の要因で変動することは避け
られないのでアニオン交換樹脂の性能を評価する情報と
しては信頼性が乏しいが、再生済イオン交換樹脂を通水
塔に戻した初期通水時にはイオン交換樹脂からSO4
オンがある程度の時間続けて漏出する現象が認められ、
このSO4 -漏出は微量とはいえ通常運転状態時に比べれ
ば多い。そこで、イオンクロマト分析装置(例えば横河
電機(株)製のイオンクロマトアナライザーIC−70
00を搭載したプロセス用イオンクロマト測定装置(A
U−10))等を用いれば実装置の通水塔から流出する
水中のイオン種を特定してその量をオンライン(インラ
イン)で検出でき、しかもこの通水復帰初期のSO4 -
漏出挙動(漏出量が漸減する特性)は再生を繰り返して
いるうちに変化し、その変化がアニオン交換樹脂の性能
の劣化を反映しているから、実装置の通水塔に再生済イ
オン交換樹脂を戻し通水を再開した際のSO4 -の漏出挙
動を再生処理毎に測定し、アニオン交換樹脂の変化履歴
を調べれば、アニオン交換樹脂の性能劣化の進行度合を
判断できるのである。
【0013】この方法によれば、工業的に使用されてい
る実装置の通水塔からSO4 -が漏出する情報を直接用い
て性能劣化の状態を判断できるので、イオン交換樹脂の
一部を取り出さなければならない上記サンプリング方式
の問題を解消できる点で優れている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記方法は
樹脂サンプリングを必要としない点で工業的復水脱塩装
置のアニオン交換樹脂の性能評価法として優れている。
しかしながら、特定の装置で得られたデータを他の装置
に応用することは難しいという問題がある。
【0015】この問題は次のように説明される。すなわ
ち、復水脱塩装置で混合して使用されるアニオン交換樹
脂の一部は、一般に再生時にカチオン交換樹脂の再生剤
(硫酸)と接触してSO4 形(以下「R−SO4 形」と
いう)になり、通水復帰初期にSO4 が漏出するが、そ
の程度は、R−SO4 形となるアニオン交換樹脂の割合
(%)が装置構成などによって一律でないことの影響を
受けることにある。このため、一つの装置で得た再生処
理毎のアニオン漏出量の変化履歴データに基づいての判
断を他の装置には単純に適用できないのが実情である。
【0016】なお上記のようにカチオン交換樹脂再生剤
である硫酸が本来は接触すべきでないアニオン交換樹脂
に接触して一部がR−SO4 形となる理由は次ぎのこと
による。すなわち、復水脱塩装置ではアニオン交換樹脂
とカチオン交換樹脂を比重差で分離しそれぞれに再生剤
を通薬する操作を行うが、分離面近傍では両イオン交換
樹脂の混在が避けられず、一方、再生後のカチオン交換
樹脂におけるNa形分率はこれを極めて少なくすること
が一般に求められるため、カチオン交換樹脂がアニオン
交換樹脂再生剤である苛性ソーダと接触するのを極力防
止する再生方法,装置構成が通常採用されるからであ
る。この問題は一塔再生方式、別塔再生方式のいずれに
おいても存在する。なお酸再生剤が塩酸の場合にはアニ
オン交換樹脂の一部はR−Cl形となる。
【0017】また、アニオン交換樹脂から漏出する再生
処理毎のアニオン漏出量の変化履歴に注目した前記特開
平4−220562号公報の方法は、近時の復水脱塩装
置に求められる極めて高度な脱塩性能、例えば復水中の
イオン濃度がNaイオンで0.1μg/リットル以下、
Clイオンで0.1μg/リットル以下という高脱塩性
能が求められることに対処するのに十分でないという問
題もある。すなわち、イオン交換樹脂の交換時期を決め
る指標となる上記アニオン漏出の変化履歴には、上述の
ように個々の発電所付属の設備の規模や構成あるいは運
用の状況などが影響するので、交換時期の予測範囲はあ
る程度の幅をもって推定することは避けられない。かか
る状況下で脱塩塔に高い脱塩性能を確保するためには、
予測される交換時期の範囲内でも早めの樹脂交換を行う
運用傾向となり、したがって、より正確な評価方法が求
められている。
【0018】以上のように、復水脱塩装置に使用されて
いるイオン交換樹脂の経時的な劣化の度合を測定しよう
とする提案は従来からあるが、工業的にはいずれも不十
分、ないし一層の改善が求められているのが現状であ
る。
【0019】本発明は、以上のような従来技術では克服
困難な問題を解決しようとする観点から、アニオン交換
樹脂の性質と、イオン交換装置、特に上記復水脱塩装置
の運転サイクルを詳細に検討し、アニオン交換樹脂の性
能劣化の状態をできるだけ正確に反映し、かつ精度の高
いアニオン交換樹脂の性能評価を有効に行うことができ
る方法、及びイオン交換樹脂の交換時期を事前に予測す
るのに有効な方法、更にこれらの方法の実施に使用でき
る性能評価のための装置の提供を目的としてなされたも
のである。
【0020】また本発明の別の目的は、復水脱塩装置等
のイオン交換装置において実際に使用されているアニオ
ン交換樹脂を、当該装置から外部に取り出すことなくイ
ンラインの状態で性能評価することを可能とし、これに
よって測定作業の労力や時間の無駄をなくした方法、及
び装置を提供するところにある。
【0021】更に本発明の別の目的は、実際のイオン交
換樹脂を当該装置から外部に取り出すことなくその装置
内(インライン)で性能評価することにより、樹脂の粒
径分布等による性能劣化の違いの影響を少なくして、正
確で精度の高い性能評価等を行なうことができる方法及
び装置を提供することにある。
【0022】本発明は、以上のような種々の目的の達成
を通して、特には、実装置で様々な理由で個別的に設計
され、その結果構造が異なり運用状況も異なる様々な実
際の発電設備に付属して稼働されている復水脱塩装置の
アニオン交換樹脂の性能劣化状態を、また個別的に運用
される各設備に固有の要素の影響を軽減ないし解消して
アニオン交換樹脂の性能、ひいては該樹脂の交換時期を
できるだけ正確に評価,判定できる方法を提供し、また
この方法を実施できる装置を提供するところにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記の目的は本願の特許
請求の範囲の各請求項に記載した発明により達成され
る。
【0024】本願請求項1のイオン交換装置で使用した
アニオン交換樹脂の性能評価方法の発明は、再生処理し
たアニオン交換樹脂に性能評価水を通水し、この性能評
価水に漏出するアニオン量を測定して得た測定値に基づ
いて、当該アニオン交換樹脂の物質移動係数(Mass Tra
nsfar Coefficient :MTC)値を推定することを特徴
とする。
【0025】また、本願請求項2の発明は、アニオン交
換樹脂により不純物イオンを除去するように設けられた
通水系統と、このアニオン交換樹脂を薬品再生し通水系
統に戻す再生系統とを有する装置において、再生処理後
のアニオン交換樹脂に性能評価水を通水し、該通水中に
漏出するアニオン量を測定して得た測定値に基づいて該
アニオン交換樹脂のMTC値を推定することを特徴とす
る。
【0026】また更に、本願請求項3の発明は、アニオ
ン交換樹脂とカチオン交換樹脂により不純物イオンを除
去するように設けられた通水系統と、少なくともカチオ
ン交換樹脂を薬品再生する再生系統とを有する装置にお
いて、再生処理後のカチオン交換樹脂とアニオン交換樹
脂の混合イオン交換樹脂に性能評価水を通水し、該通水
中に漏出するアニオン量を測定して得た測定値に基づい
て当該アニオン交換樹脂のMTC値を推定することを特
徴とする。
【0027】前記した「物質移動係数(MTC)」は、
イオン交換樹脂のイオン交換反応速度を示す指標数値で
あり、正確には、アニオン交換樹脂については、測定対
象のアニオン交換樹脂(OH形)と新品のカチオン交換
樹脂(H形)とを所定比率で混合してカラム内に充填
し、このカラムに一定濃度のアンモニアと硫酸ナトリウ
ムを通水した時の樹脂層内の硫酸イオン移動速度として
下記式(i)により求めることができる(以下これを
「MTC値算出法」という)。なお、新品アニオン交換
樹脂のK値は一般に2.0×10-4m/sec程度の値
を示す。
【0028】
【数1】
【0029】本発明者が前記構成を採用した理由は次の
ことによる。すなわち、MTC値はイオン交換樹脂の有
するイオン交換反応速度を示す指標であって、樹脂のイ
オン交換能力(性能)を直接的に表す。したがって有機
物汚染等によって生ずるアニオン交換樹脂の性能劣化は
樹脂のイオン交換能力の低下であるから、このMTC値
が分かれば当該アニオン交換樹脂のイオン交換能力、あ
るいは経時的なその低下(劣化)の程度を判断すること
ができる。
【0030】しかしながら、MTC値の測定は上記のよ
うに特別な評価水(アンモニアと硫酸ナトリウム)を用
いる必要があり、これを実装置に通水することはでき
ず、したがってMTC値の測定はいわゆる樹脂サンプリ
ングを行って数日程度の時間をかけて測定することが必
要になる。しかしこれでは従来のサンプリング方式の問
題を解決できない。
【0031】そこで本発明者等は、更に検討を進め、実
装置において再生後通水系に戻したアニオン交換樹脂に
通水したときに、この通水中にアニオン(酸基)が漏出
する量が、当該アニオン交換樹脂の有するイオン交換反
応速度に依存し、一方、アニオン交換樹脂のMTC値は
イオン交換反応速度と相関性を有するものであって、ア
ニオン漏出量の測定値(検出値)データに基づいて当該
アニオン交換樹脂のMTC値を推定できることに着目し
て上記構成の発明をなすに至ったのである。なお、本発
明において用いられる性能評価水としては、請求項4の
イオンを含まない純水、超純水等の高純度水、又は復水
を挙げることができ、一般的には復水が好適に用いられ
る。また、再生処理後のアニオン交換樹脂への性能評価
水の通水は、該樹脂を通水塔に戻した後に行う場合、再
生塔内で行う場合、樹脂貯槽内で行う場合、のいずれに
よっても行うことができる。
【0032】なお、通水系統と再生系統とを有する復水
脱塩装置の再生方法として、復水の通水処理が終了した
際に、再生系統においてアニオン交換樹脂の薬品再生を
行うことなく、カチオン交換樹脂のみを薬品再生し、し
かる後に両イオン交換樹脂を通水系統に移送して復水の
通水を再開する方法が提案(特開平6−170362号
公報)されているが、本発明のアニオン交換樹脂の性能
評価方法はこのような場合にも好適に適用できる。
【0033】前記アニオン漏出量の測定値データに基づ
くMTC値推定の具体的操作としては、例えば請求項6
〜10の方法を挙げることができ、これについては後述
する。
【0034】この発明によれば、アニオン交換樹脂のM
TC値を推定することによって実質的に当該アニオン交
換樹脂の測定時点におけるイオン交換能力を求めること
ができるので、交換時期を正確に事前予測することがで
きる。
【0035】なお、サンプリング方式による前記「MT
C算出法」の操作を、適宜必要な時期に行ってもよい。
【0036】本願請求項6の発明は、前記の各発明にお
けるMTC値の推定を、MTCの値が既知であってかつ
その値が異なる複数のアニオン交換樹脂を準備し、これ
らの各アニオン交換樹脂毎に性能評価水を通水すること
で、MTC値が異なる各アニオン交換樹脂別にMTCの
値と性能評価水中に漏出したアニオン量の相関関係を予
め調べて、両者の相関関係データを得ておき、測定対象
のアニオン交換樹脂に性能評価水を通水したときに漏出
するアニオン量の測定値から、前記予め調べて得ている
前記相関関係データに基づいて当該測定対象のアニオン
交換樹脂のMTC値を推定することを特徴とする。
【0037】この発明においていうMTC値既知のアニ
オン交換樹脂としては、例えば新品樹脂、及び使用によ
り性能が劣化した状態が異なる複数のアニオン交換樹脂
につき、前記「MTC算出法」によりMTC値を求めた
ものを挙げることができる。MTC値が既知のものとし
ては、限定されるものではないが、例えば0.5,1.
0,1.5,2.0(×10-4m/sec)の4種類を
用いる場合などを例示できる。
【0038】この発明によれば、前記した所定のMTC
値既知のアニオン交換樹脂毎に性能評価水(好ましくは
実装置で用いられる高純度水又は復水)を通水する模擬
試験を行うことで、各MTC値毎のアニオン交換樹脂別
に性能評価水中に漏出したアニオン量の関係を予め調
べ、MTC値と模擬試験通水中に漏出したアニオン量の
一定の相関関係を得ることができるので、例えば実際の
装置で再生後通水塔に戻したアニオン交換樹脂から通水
中に漏出したアニオン量からその相関関係に基づいてM
TC値を推定することができる。
【0039】本願請求項7の発明は、前記請求項6の発
明において、予め調べるMTC値既知のアニオン交換樹
脂についての物質移動係数の値と該アニオン交換樹脂か
ら漏出するアニオン量の相関関係データを、アニオン交
換樹脂の一部が酸再生剤に接触する割合(%)別に求め
たことを特徴とする。
【0040】アニオン交換樹脂の一部が酸再生剤に接触
する割合(%)は、装置の構成、特にアニオン交換樹脂
とカチオン交換樹脂を比重差で上下に分離したときの分
離面近傍に配置するコレクタ(再生薬剤の排出手段)の
位置等により決まるものであり、一般的には5%〜30
%程度の範囲である。そして通水系統に戻されたアニオ
ン交換樹脂に含まれているアニオン(再生剤が硫酸の場
合はSO4 2- 、塩酸の場合はCl- )の割合(以下これ
を「R−SO4 %」又は「R−Cl%」といい、以下の
説明では「R−SO4 %」で代表して説明する)によっ
て、漏出アニオン量も異なるので、上述したMTC値既
知のアニオン交換樹脂について、各R−SO4 %毎に、
各MTC値が異なるアニオン交換樹脂別のMTC値と性
能評価水中に漏出したアニオン量の測定値の相関関係デ
ータを予め調べる模擬試験を行なうことでR−SO4
別の両者の相関関係を得ることができる。予め調べるR
−SO4 %としては、限定されるものではないが、例え
ば0%,5%,10%,15%,20%,25%,30
%の各別に分けて行う場合を代表的に挙げることができ
る。
【0041】この発明によれば、例えば復水脱塩装置の
装置毎にR−SO4 %が異なる場合でも、該当するR−
SO4 %について予め調べたデータを用いて、実際の装
置で通水中に漏出するアニオン量から当該アニオン交換
樹脂の測定時点でのMTC値をより正確に推定すること
ができる。
【0042】本願請求項8の発明は、MTC値既知のア
ニオン交換樹脂についての物質移動係数の値と、該アニ
オン交換樹脂から漏出するアニオン量の測定値との相関
関係データを、アニオン交換樹脂を再生処理した後、性
能評価水を通水するまでの時間長さ(「ねかし時間」と
呼ぶ)別に求めたことを特徴とする。
【0043】前記ねかし時間は、一般的には、再生処
理、すなわち例えば再生剤通薬−薬剤押出し−洗浄の再
生処理が終了した時点から、通水塔に戻して通水を再開
するまでの時間長さをいうが、本発明では、再生処理後
から性能評価水の通水開始までの時間長さをいう。ねか
せ時間の長短は、アニオン交換樹脂の移送や貯溜保持の
状態いかんによらず、樹脂中のアニオンが樹脂外に拡散
することによって通水再開後のアニオン漏出量に影響す
る。したがって、より正確なMTC値を求めるために
は、この影響を考慮して上記発明の構成を採用すること
が好ましい。なお、ねかし時間の影響は比較的小さく、
またR−SO4 %が異なる場合でもねかし時間の影響は
近似傾向が認められるので、一つのR−SO4 %のアニ
オン交換樹脂について調べたデータを利用して他のR−
SO4 %の場合の補正をするようにしてもよい。
【0044】この発明によれば、例えば復水脱塩装置の
アニオン交換樹脂再生から通水塔に戻して通水を再開す
るまでの時間長さ(ねかし時間)が異なる場合でも、実
際の装置で通水中に漏出するアニオン量の測定値から当
該アニオン交換樹脂の測定時点でのMTC値をより正確
に推定することができる。
【0045】本願請求項9の発明は、前記の各発明にお
いて、MTC値の推定は、既知MTC値と漏出アニオン
量の相関関係データに基づいて、漏出アニオン量とMT
C値の関係を示す検量線データを予め求め、測定対象の
アニオン交換樹脂に性能評価水を通水した際に得られた
漏出アニオン量の測定値から、該検量線データを用いて
測定対象のアニオン交換樹脂のMTC値を求めることを
特徴とする。
【0046】この発明によれば、検量線データを用い
て、測定対象のアニオン交換樹脂から漏出するアニオン
量に相関するMTC値を簡単に求めることができる。
【0047】なお、上記検量線を用いることに代えて、
MTC値と漏出アニオン量との相関関係データを示す実
験式を求め、測定対象のアニオン交換樹脂に性能評価水
を通水した際に得られた漏出アニオン量の測定値をこの
実験式に代入してMTC値を求めるようにすることもで
きる。
【0048】本願請求項10の発明は、前記の各発明に
おいて、アニオン交換樹脂から漏出するアニオン漏出量
を測定する時点を、通水する性能評価水中に含まれるア
ニオン漏出値の変化が微小となった時点としたことを特
徴とする。
【0049】前記において、アニオン漏出値の「変化が
微小」というのは、単位時間当たりのアニオン漏出量の
変化が0〜0.5μg/リットル/30分間、好ましく
は0〜0.1μg/リットル/30分間の場合をいい、
一般的にはアニオンの漏出がいわゆるコンスタントリー
クと呼ばれる点に達した状態である場合を挙げることが
できる。
【0050】この発明によれば、漏出量の変化度合が小
さくなった時点で測定(検出)を行うので、測定誤差の
影響を少なくすることができる。
【0051】本願請求項11の発明は、前記の各発明に
おいて、再生後通水塔に戻したアニオン交換樹脂から漏
出するアニオン漏出量を測定する時点を、アニオン交換
樹脂に対して性能評価水を通水開始してから所定時間、
一般的には10分〜180分、好ましくは30分〜12
0分の範囲の時間経過した時点としたことを特徴とし、
この発明によれば、測定作業を簡易化できる。
【0052】以上の各発明は、イオン交換樹脂を再生し
て使用するイオン交換装置のアニオン交換樹脂の性能評
価に用いることができ、特に、発電所の復水循環系統に
設置された復水脱塩装置で使用されたアニオン交換樹脂
の性能評価、及び交換時期の事前予測に有効である。
【0053】本願請求項13のアニオン交換樹脂の性能
評価装置の発明は、MTC値が既知であってかつその値
が異なる複数のアニオン交換樹脂に性能評価水を通水し
てその通水中に漏出するアニオン量を測定することで各
アニオン交換樹脂別のMTC値と漏出アニオン量の相関
関係データを予め調べた結果を記録した記録手段と、再
生処理後のアニオン交換樹脂に通水した性能評価水中に
漏出するアニオン量を測定する測定手段と、該測定した
アニオン量と前記記録手段の記録情報とから該測定した
アニオン交換樹脂のMTC値を演算する演算手段とを備
えたことを特徴とする。
【0054】前記構成における性能評価水中に漏出する
アニオン量を測定する測定手段としては、上述したイオ
ンクロマト分析装置(イオンクロマトアナライザーIC
−7000を搭載したプロセス用イオンクロマト測定装
置(AU−10):横河電機(株)製)などを用いるこ
とができる。
【0055】前記記録手段及び演算手段は、一般的には
コンピュータ技術を用いて構成することができ、記録手
段としては内部記憶手段(メモリー)や外部記憶手段な
どを用いることができる。
【0056】この発明によれば、再生処理後のアニオン
交換樹脂に通水した性能評価水に漏出するアニオン量を
測定手段で測定(検出)し、その測定結果を、予め記録
手段に記録しておいたMTC値と漏出アニオン量の相関
関係データに照らして測定対象のアニオン交換樹脂のM
TC値を推定することができる。
【0057】本願請求項14の発明は、前記の演算手段
で得たアニオン交換樹脂の物質移動係数(MTC)値
と、予め定めたMTCの閾値とを比較してアニオン交換
樹脂の交換時期を判定する判定手段を有することを特徴
とし、これによればアニオン交換樹脂の交換時期を予測
することができ、イオン交換樹脂の準備など運用,管理
が容易となる。
【0058】本願請求項15の装置発明は、前記発明に
おいて、各アニオン交換樹脂のMTC値と各アニオン交
換樹脂に性能評価水を通水したときに漏出するアニオン
量との相関関係データを記録した記録手段は、アニオン
交換樹脂の一部が酸再生剤に接触する割合(%)別、及
び/又は再生処理後に性能評価水を通水するまでの時間
長さ別に相関関係データを記録していることを特徴と
し、請求項16の発明は、前記記録手段に記録された相
関関係データのうちから、測定対象のアニオン交換樹脂
に該当する相関関係データを特定する例えばキーボード
等の外部入力手段を有することを特徴とする。
【0059】この発明によれば、例えばR−SO4 %や
ねかし時間が異なる様々な場合のMTC値と漏出アニオ
ン量の相関関係データを記録した記録手段を準備するこ
とで、装置の構造や運用の状況が異なるイオン交換装置
に共通して用いることができるアニオン交換樹脂の性能
評価装置を提供できる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施例に
基づいて説明する。
【0061】実施形態1 図1は、本発明方法を実施するために構成された復水脱
塩装置の構成概要をフロー図として示したものであっ
て、この復水脱塩装置は三つの脱塩塔(通水塔)1を備
えている。
【0062】この図において、1はそれぞれ塔内にH形
(又はNH4 形)のカチオン交換樹脂とOH形のアニオ
ン交換樹脂を混合イオン交換樹脂2として充填した脱塩
塔を示し、各脱塩塔1の上部には、それぞれ入口弁3を
介して復水流入管4が連結され、また下部にはそれぞれ
出口弁5を介して復水流出管6が連結されている。
【0063】7は通水終点に達した脱塩塔1から混合イ
オン交換樹脂2を取出して逆洗分離及び再生するための
一塔再生方式の再生塔を示し、8はこの再生塔7で再生
したカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂を一時貯溜
するための樹脂貯槽を示している。再生塔7の上部は、
上記各脱塩塔1の下部と点線で示した樹脂移送管9でそ
れぞれ連結され、また再生塔7の下部は、樹脂貯槽8の
上部と同じく点線で示した樹脂移送管10で連結され、
更に、樹脂貯槽8の下部と上記三つの脱塩塔1の上部と
はそれぞれ樹脂移送管11で連結されている。なおこれ
らの樹脂移送管9,10,11を必要時にのみ開路する
ようにそれぞれ付設されている弁類については、図が複
雑となるため便宜的に省略している。
【0064】以上の構成において、復水脱塩装置を通常
運転し、いま図の左側の脱塩塔1の混合イオン交換樹脂
2が通水終点に達したとすると、他の二つの脱塩塔1,
1の通水脱塩処理を継続したまま、上記脱塩塔1の入口
弁3及び出口弁5を閉じ、他方図示しない樹脂移送管9
の常閉弁を開いて、該脱塩塔1の混合イオン交換樹脂2
をスラリー状で再生塔7に移送させる。
【0065】また通水終点に達した樹脂2の再生塔7へ
の移送が終了した時点で、樹脂貯槽8に一時貯溜されて
いた再生済混合イオン交換樹脂2を、樹脂移送管11で
上記脱塩塔1にスラリー状で移送させ、移送の完了に伴
って上記入口弁3及び出口弁5を開き、再び通水脱塩処
理を行なう状態に復帰させる。
【0066】一方、再生塔7に脱塩塔1から送られた混
合イオン交換樹脂2は、通常の再生処理により再生が行
なわれる。すなわち、再生塔7内に移送された混合イオ
ン交換樹脂は逆洗分離等によりアニオン交換樹脂とカチ
オン交換樹脂が上下二層に分離され、それぞれの樹脂に
対して再生剤が通薬される(カチオン交換樹脂に対して
は例えば硫酸が酸再生剤として通薬され、アニオン交換
樹脂に対しては例えば苛性ソーダがアルカリ再生剤とし
て通薬される)。そしてこれに続き、通薬された薬液の
押し出し、樹脂の洗浄を行なって再生処理を終了する。
【0067】再生の終了した混合イオン交換樹脂は樹脂
移送管10を通して樹脂貯槽8に移送され、貯溜待機さ
れる。
【0068】再生塔7における樹脂の再生処理の概要は
図2に示される。すなわち、塔701内で逆洗され、沈
静により比重分離された下部のカチオン交換樹脂702
と上部のアニオン交換樹脂703は、分離面704を形
成して分離する。そしてカチオン交換樹脂がアルカリ再
生剤(例えばNaOH溶液)に接触しないようにするた
めに、再生剤廃液を塔外に抜出すコレクタ705はこの
分離面704の上側の一定位置(例えば100mm程
度)に配置されている。この状態で、まず塔上部からア
ニオン交換樹脂再生のためのアルカリ再生剤(NaOH
溶液)を通薬してコレクタ705から塔外に抜出し、次
いで、塔下部からカチオン交換樹脂再生のための酸再生
剤(例えば硫酸溶液)をカチオン交換樹脂に通薬してコ
レクタ705から塔外に抜出して各樹脂の再生を行う。
これにより前記分離面704からコレクタ705のやや
上側に至る一定範囲706に存在しているアニオン交換
樹脂は硫酸溶液に接触してR−SO4 形となり、このR
−SO4 形となったアニオン交換樹脂のアニオン交換樹
脂全体に対する割合が例えば5%であればR−SO4
%となる。以上の構成及び操作は従来の復水脱塩装置の
場合と同様である。
【0069】上述の説明で明らかな如く、カチオン交換
樹脂再生時に硫酸溶液と接触してR−SO4 形となるア
ニオン交換樹脂の割合は、コレクタ705の付設位置と
形成される分離面704との間の距離によってほぼ決ま
ると言ってよく、分離面704の位置がコレクタ705
の位置から下方に離れるほど硫酸溶液と接触するアニオ
ン交換樹脂の割合は多くなり、逆に分離面704の位置
がコレクタ705の位置に近づけば近づくほどその割合
は少なくなる。
【0070】なお、復水脱塩装置の再生設備における再
生方法には、上述の如くカチオン交換樹脂とアニオン交
換樹脂とを同一の再生塔内で再生するいわゆる一塔再生
方式の他に、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを
分離兼カチオン再生塔で比重分離した後、上層に分離さ
れたアニオン交換樹脂をアニオン再生塔に移送して両イ
オン交換樹脂をそれぞれ別の再生塔で再生する方法があ
るが、この場合は、アニオン交換樹脂移送後に分離兼カ
チオン再生塔内に残留しているアニオン交換樹脂がカチ
オン交換樹脂の再生剤である硫酸と接触することによっ
てR−SO4 形の樹脂が生成される。この場合、分離兼
カチオン再生塔内に残留するアニオン交換樹脂の量、す
なわち、硫酸と接触してR−SO4 形となるアニオン交
換樹脂の量は、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂と
の分離面形成位置と、上層に分離されたアニオン交換樹
脂を分離兼カチオン再生塔外に抜出してアニオン再生塔
に移送するために該分離兼カチオン再生塔に付設されて
いるアニオン交換樹脂の移送口の付設位置との関係によ
って決まる。
【0071】次に本例における特徴的な構成、操作につ
いて説明する。
【0072】上記のように、再生塔7に移送された混合
イオン交換樹脂2について所定の再生処理を行ない、一
塔再生方式ではこの再生処理が済んだ混合イオン交換樹
脂2を樹脂貯槽8に移送し、次の脱塩塔への移送まで貯
溜待機させる。そして、樹脂貯槽8に貯溜していた再生
済混合イオン交換樹脂2は、上記イオン交換樹脂を抜い
た脱塩塔1に移送され、混合,ブロー,再循環などの操
作を行った後、入口弁3及び出口弁5を開いて再び通水
脱塩処理を行なう状態に復帰させる。なお、本例の場合
は再生塔7での再生処理の終了時点から、樹脂を樹脂貯
槽8から脱塩塔1に戻して混合を終了し、ブロー操作を
開始する時点までの時間長さがねかし時間となる。
【0073】そして本例においては、再生済混合イオン
交換樹脂2を樹脂貯槽8から脱塩塔1に戻し所定の混合
操作を行った後、この脱塩塔に対して例えば、純水供給
管12から当該脱塩塔に純水(例えば5μS/cm以
下)をSV10〜50で所定時間供給する。その際に生
ずる排水(純水)を、常閉型弁15を開路して送水管1
4を介し、図1で示したイオンクロマト分析装置13に
送水し、この排水中に漏出したSO4 イオン濃度の測定
を行なってアニオン交換樹脂に対するMTC値推定のた
めの測定データを得る。得られた測定データは演算制御
装置16に送られる。なお上記イオンクロマト分析装置
としては、イオン種を特定してそのイオン量を検出でき
る装置として知られる上述のイオンクロマトアナライザ
ーIC−7000(横河電機(株)社製)を用いること
ができる。
【0074】図3は、前記演算制御装置の概要を示し、
本例では次のように構成されている。すなわち、MPU
(マイクロコンピュータユニット)で構成される主演算
装置161には、図1の脱塩塔1及び再生処理設備の構
成,操作で決まる当該装置の混合イオン交換樹脂2に特
有のR−SO4 %(本例では例えばR−SO4 5%)と
ねかし時間の情報を、操作者が予めキーボード等の外部
入力装置162により入力し、この入力情報により、記
憶(記録)装置163から該当するR−SO4%及びね
かし時間に固有のMTC値と漏出アニオン量の相関関係
を示すデータを読み出す。なお、このR−SO4 %及び
ねかし時間に固有のMTC値と漏出アニオン量の相関関
係データは、後述する操作により予め調べて例えばRO
Mとして記憶装置163に記憶させておくことができ
る。
【0075】次に、上述した図1のイオンクロマト分析
装置13で、脱塩塔に戻した混合イオン交換樹脂に純水
を供給した際にブロー(排出)される純水中に漏出する
SO4 イオンを測定(検出)し、純水ブロー開始から一
定時間(例えば120分)経過した時点での漏出SO4
イオン量を検出し、この情報を測定情報として主演算装
置161に入力する。
【0076】そして、図1の装置に固有のR−SO4
及びねかし時間に該当するMTC値と漏出アニオン量の
相関関係データに基づいて、上記測定情報の漏出SO4
イオン量から対応するMTC値を算出する。これが測定
対象となっている当該混合イオン交換樹脂中のアニオン
交換樹脂のMTC推定値となる。
【0077】算出されたアニオン交換樹脂のMTC推定
値は、適宜のCRT等の表示手段164に表示する。ま
た本例ではこのMTC推定値をアニオン交換樹脂の寿命
予測演算装置165の入力とし、当該アニオン交換樹脂
の交換時期を予測する。この寿命予測演算装置165は
例えば比較回路として構成することができる。すなわ
ち、アニオン交換樹脂が所定の脱塩能力を発揮できない
イオン交換能力レベルに該当するMTC値の第1閾値、
次ぎの再生処理によって前記第1閾値に達すると予想さ
れるイオン交換能力レベルに該当するMTC値の第2閾
値、数回程度の再生処理を繰り返すことで前記第2閾値
に達すると予想されるイオン交換能力レベルに該当する
MTC値の第3閾値、などの各閾値を設定し、前述した
測定により算出したアニオン交換樹脂のMTC推定値と
これら閾値を比較することで、当該アニオン交換樹脂の
交換時期を予測できる。
【0078】予測されたアニオン交換樹脂の交換時期の
情報は、必要に応じて表示手段166で表示することが
できる。
【0079】次に、MTC値が既知のアニオン交換樹脂
を用いて漏出アニオン量とMTC値の相関関係データを
予め調べる操作一例を、発電所の復水脱塩装置で使用さ
れる混合イオン交換樹脂の場合を例にして説明する。
【0080】まず、新品(未使用)のカチオン交換樹脂
と、新品(未使用)のアニオン交換樹脂、及び発電所の
復水脱塩装置で使用された結果イオン交換性能(能力)
が劣化(低下)した程度が異なる複数種類のアニオン交
換樹脂を準備し、これらのアニオン交換樹脂について、
上述した(アンモニアと硫酸ナトリウム)を評価水とし
て用いる「MTC値算出法」によりそのMTC値を正確
に求める。なお、本例においてはこれにより求められた
前記準備した各アニオン交換樹脂のMTC値を、0.
5、1.0、1.5(以上使用済)、2.0(新品)と
する。
【0081】次ぎに、アルカリ再生剤としてNaOHを
用いて前記アニオン交換樹脂について再生処理を行い、
その後、再生後のアニオン交換樹脂に所定量の硫酸を通
薬することによって、図2で説明したアニオン交換樹脂
の酸再生剤と接触する割合(%)が一定(例えばR−S
4 5%)の再生済イオン交換樹脂とし、各MTC値の
アニオン交換樹脂と予め硫酸を用いて再生した新品のカ
チオン交換樹脂を各別に混合した混合イオン交換樹脂2
1として、それぞれ図5に示した脱塩塔を模擬したイオ
ン交換樹脂カラム20に充填し、カラム20上部から純
水を所定のSVで通水しながら、排出水の一部をイオン
クロマト分析装置に導いて、純水通水開始から120分
経過していわゆるコンスタントリークと呼ばれる状態に
達した時点で該排出水に含まれているアニオン(SO4
2- )量を測定する。
【0082】この操作を、アニオン交換樹脂のR−SO
4 を0%,5%,10%,15%,20%,25%,3
0%としてそれぞれ行う。図6は、以上の一例としてM
TC値1.5×10-4m/secの場合の上記各R−S
4 %のアニオン交換樹脂から漏出するアニオン(SO
4 2- )量を測定したときの経時的な変化を示している。
【0083】以上により、MTC値が既知のアニオン交
換樹脂の複数(本例では4種類の)を再生処理した後に
純水(性能評価水)を通水した120分後におけるSO
4 2-漏出量が各R−SO4 %別に得られ、これらの結果
から得られたデータをまとめたのが図7である。これに
より、各R−SO4 %別に漏出SO4 2- 量とMTC値の
相関関係データが得られる。
【0084】図8は、上記で説明した漏出SO4 2- 量と
MTC値の相関関係データを得るのと同じ条件で実際の
発電所の復水脱塩装置の脱塩塔に純水をブローした場合
の漏出SO4 2- 量の通水開始からの変化を測定した結果
を示したものであり、その通水開始後120分時点での
SO4 2- 漏出量を検出し、この検出値を図7の相関関係
データに照らせば、MTC値が推定できることが分か
る。
【0085】なお以上の説明は、ねかし時間の影響を除
外しているが、一般にねかし時間は多くの装置において
同じである場合が多いので、その場合には、そのねかし
時間に合わせて上記模擬試験を行えばよいし、ねかし時
間が異なる場合には、予め装置の運用状況は設計時点で
決まるので、それに合わせた模擬試験を行って対応する
相関関係データを準備しておくことができる。
【0086】図9は、寿命予測演算装置165における
アニオン交換樹脂の交換時期を予測する場合の判定方法
の一例を示している。
【0087】再生処理毎に測定されるMTC値の変化
を、MTC値と時間(日数)の関係で経時的にプロット
すると、これらの関係は一般的には傾き一定の一次関数
となるのが普通であり、したがって、実機で用いるのに
は限界となるイオン交換能力のMTC値を、予め定めた
交換時期の閾値とし、あるいはその閾値に近づいて交換
準備の必要が生ずる別の閾値を設定して、これとの比較
により交換時期を予測できる。図9では、例えばMTC
値1.00×10-4m/secを交換時期を示す閾値と
して示している。
【0088】実施形態2 上述の実施形態1では、再生処理によって生成するR−
SO4 %を装置特有の一定値とした場合の例について説
明したが、R−SO4 %の生成量は、図2の説明から分
かるように再生時に再生塔7内に形成される分離面70
4の形成位置によって決まり、分離面704が常に一定
位置に形成される場合は、R−SO4 %を装置固有の一
定値として運用してよい。
【0089】しかしながら、復水脱塩装置のごとく複数
の脱塩塔(通常3塔以上)を有しているイオン交換装置
の場合は、これら複数の脱塩塔に充填されるカチオン交
換樹脂とアニオン交換樹脂の容量を厳密に同一とするこ
とは難しく、各脱塩塔ごとにその充填量が多少相違して
いる場合が多い。このような場合には、各脱塩塔に充填
されているイオン交換樹脂ごとに、再生塔内において形
成される分離面の位置が異なるので、再生処理によって
生成するR−SO4 %の量もその都度異なり、したがっ
てこの場合は同一の装置であってもR−SO4 %を一定
値としてMTC値を推定することには無理がある。
【0090】このような場合には、再生処理毎に、再生
塔内において形成される分離面の位置を自動的に計測
し、この計測された分離面位置と予め装置設計時に設定
された基準分離面位置との関係から、生成されるR−S
4 %を求め、このR−SO4%に基づいて、前記図7
のようなグラフからMTC値を推定することが好まし
い。
【0091】図10は、基準分離面の位置と生成するR
−SO4 の割合(R−SO4 %)との関係の一例を示す
グラフであり、横軸は基準分離面と実際に形成される分
離面との距離を基準分離面位置を「0」として示したも
のである。(+)は実際の分離面が基準分離面より上方
に形成された場合であり、(−)は分離面が基準分離面
の下方に形成された場合を意味する。このようなグラフ
を予め求めておけば、再生塔内に形成される分離面の位
置を計測するだけでその時のR−SO4 %を求めること
ができる。上記基準分離面は、例えばコレクタの下側1
00mm程度の位置に設定される。
【0092】なお、分離面の位置を計測する方法として
は、例えば特開昭58−88038号公報に提案されて
いるごとく、再生塔内に形成される分離面の位置を再生
塔の覗き窓に付設したCCDカメラ等の撮像手段により
撮影し、得られた撮影情報から、カチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂の色の違いに基づいて分離面の形成位置
を検出する方法や、特開平4−83538号公報で提案
されているように、撮像手段によって得られた撮影情報
から、分離面付近に存在するカチオン交換樹脂とアニオ
ン交換樹脂の粒径の相違に基づいて分離面の形成位置を
検出する方法などを用いることができる。
【0093】実施形態3 本例は、酸再生剤として塩酸を使用する場合を例示する
ものであるが、この場合にも、前記実施形態1と全く同
様に、まず、新品(未使用)のカチオン交換樹脂と、新
品(未使用)のアニオン交換樹脂、及び発電所の復水脱
塩装置で使用された結果イオン交換性能(能力)が劣化
(低下)した程度が異なる複数種類のアニオン交換樹脂
を準備し、これらのアニオン交換樹脂について、上述し
た「MTC値算出法」によりそのMTC値を正確に求め
る。
【0094】次ぎに、アルカリ再生剤としてNaOHを
用いて前記アニオン交換樹脂について再生処理を行い、
その後、再生後のアニオン交換樹脂に所定量の塩酸を通
薬することによって、図2で説明したアニオン交換樹脂
の酸再生剤と接触する割合(%)が一定の再生済イオン
交換樹脂とし、各MTC値のアニオン交換樹脂と予め塩
酸を用いて再生した新品のカチオン交換樹脂を各別に混
合した混合イオン交換樹脂21として、それぞれ図5に
示した脱塩塔を模擬したイオン交換樹脂カラム20に充
填し、カラム20上部から純水を所定のSVで通水しな
がら、排出水の一部をイオンクロマト分析装置に導い
て、純水通水開始から120分経過していわゆるコンス
タントリークと呼ばれる状態に達した時点で該排出水に
含まれているアニオン(Cl- )量を測定する。
【0095】この操作を、アニオン交換樹脂のR−Cl
- を0%,5%,10%,15%,20%,25%,3
0%としてそれぞれ行う。図11は、以上の一例として
MTC値1.6×10-4m/secの場合の上記各R−
Cl%のアニオン交換樹脂から漏出するアニオン(Cl
- )量を測定したときの経時的な変化を示している。以
上により、MTC値が既知のアニオン交換樹脂の複数
(本例では4種類の)を再生処理した後に純水(性能評
価水)を通水した120分後におけるCl- 漏出量が各
R−Cl%別に得られ、これらの結果から得られたデー
タをまとめたのが図12である。これにより、各R−C
l%別に漏出Cl- 量とMTC値の相関関係データが得
られる。
【0096】図13は、上記で説明した漏出Cl- 量と
MTC値の相関関係データを得るのと同じ条件で実際の
発電所の復水脱塩装置の脱塩塔に純水をブローした場合
の漏出Cl- 量の通水開始からの変化を測定した結果を
示したものであり、その通水開始後120分時点でのC
- 漏出量を検出し、この検出値を図11の相関関係デ
ータに照らせば、MTC値が推定できることが分かる。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、工業的にはいずれも不
十分、ないし一層の改善が求められている従来のアニオ
ン交換樹脂の経時的な劣化度合の判定、ひいては交換時
期の事前予測を正確に測定できる方法、装置を提供でき
るという効果がある。
【0098】また本発明によれば、復水脱塩装置等のイ
オン交換装置において実際に使用されているアニオン交
換樹脂を、当該装置から外部に取り出すことなくインラ
インの状態で性能評価でき、これによって測定作業の労
力や時間の無駄をなくした方法、及び装置を提供できる
という効果がある。
【0099】更に本発明によれば、装置内(インライ
ン)で性能評価することにより、樹脂の粒径分布等によ
る性能劣化の違いの影響を少なくして、正確で精度の高
い性能評価等ができるという効果がある。
【0100】更にまた本発明によれば、特に、実装置で
様々な理由で個別的に設計され、その結果構造が異なり
運用状況も異なる様々な実際の発電設備に付属して稼働
されている復水脱塩装置のアニオン交換樹脂の性能劣化
状態を、また個別的に運用される各設備に固有の要素の
影響を軽減ないし解消してアニオン交換樹脂の性能、ひ
いては該樹脂の交換時期をできるだけ正確に評価,判定
できるという効果があり、イオン交換樹脂の有効利用、
廃棄物量の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための構成を備えたイオ
ン交換装置の構成概要一例を示した図。
【図2】再生処理の操作一例を説明するための再生塔を
示した図。
【図3】本発明方法を実施するための信号処理装置の構
成概要を示した図。
【図4】図3の操作一例をフローチャートで示した図。
【図5】MTC値既知のアニオン交換樹脂を用いて行う
SO4 2- 漏出量を測定する模擬試験装置を示した図。
【図6】図5の試験の結果の一例を示した図であり、横
軸は時間、縦軸は処理水中のSO4 イオン漏出量を示し
た片対数グラフである。
【図7】MTC値とSO4 2- 漏出量の相関関係データを
R−SO4 %別に示した図。
【図8】実機におけるSO4 2- 漏出量の測定例を示した
図。
【図9】アニオン交換樹脂の交換時期を予測する場合の
判定方法の一例を示した図であり、横軸は通水サイクル
(日)、縦軸は再生処理毎に測定されるMTC値を示し
たグラフである。
【図10】再生塔内において形成される分離面の位置
と、生成R−SO4 %との関係を示した図。
【図11】MTC値既知のアニオン交換樹脂を用いて行
うCl- 漏出量を測定する試験の結果の一例を示した図
であり、横軸は時間、縦軸は処理水中のSO4 イオン漏
出量を示した片対数グラフである。
【図12】MTC値とCl- 漏出量の相関関係データを
R−Cl%別に示した図。
【図13】実機におけるCl- 漏出量の測定例を示した
図。
【符号の説明】
1:脱塩塔 2:混合イオン交
換樹脂 3:入口弁 4:復水流入管 5:出口弁 6:復水流出管 7:再生塔 8:樹脂貯槽 9,10,11:樹脂移送管 12:純水供給管 13:イオンクロマト分析装置 14:送水管 15:常閉型弁 16:演算制御装
置 20:カラム 21:混合イオン
交換樹脂 161:主演算装置 162:外部入力
装置 163:記憶(記録)装置 164:表示手段 165:寿命予測演算装置 166:表示手段 701:塔 702:カチオン
交換樹脂 703:アニオン交換樹脂 704:基準分離
面 705:コレクタ 706:一定範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 哲之 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オルガ ノ株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生処理したアニオン交換樹脂に性能評
    価水を通水し、この性能評価水に漏出するアニオン量を
    測定して得た測定値に基づいて、当該アニオン交換樹脂
    の物質移動係数(MTC)値を推定することを特徴とす
    るイオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂の性能評
    価方法。
  2. 【請求項2】 アニオン交換樹脂により不純物イオンを
    除去するように設けられた通水系統と、このアニオン交
    換樹脂を薬品再生し通水系統に戻す再生系統とを有する
    装置において、再生処理後のアニオン交換樹脂に性能評
    価水を通水し、該通水中に漏出するアニオン量を測定し
    て得た測定値に基づいて該アニオン交換樹脂の物質移動
    係数(MTC)値を推定することを特徴とするイオン交
    換装置で使用したアニオン交換樹脂の性能評価方法。
  3. 【請求項3】 アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂に
    より不純物イオンを除去するように設けられた通水系統
    と、少なくともカチオン交換樹脂を薬品再生する再生系
    統とを有する装置において、再生処理後のカチオン交換
    樹脂とアニオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂に性能評
    価水を通水し、該通水中に漏出するアニオン量を測定し
    て得た漏出アニオン量の測定値に基づいて当該アニオン
    交換樹脂の物質移動係数(MTC)値を推定することを
    特徴とするイオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂
    の性能評価方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    アニオン交換樹脂に通水する性能評価水が、イオンを含
    まない純水、超純水等の高純度水、又は復水であること
    を特徴とするイオン交換装置で使用したアニオン交換樹
    脂の性能評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかにおいて、
    再生処理後のイオン交換樹脂を通水系統に戻した後、性
    能評価水を通水することを特徴とするイオン交換装置で
    使用したアニオン交換樹脂の性能評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    物質移動係数(MTC)値の推定は、物質移動係数の値
    が既知であってかつその値が異なる複数のアニオン交換
    樹脂を準備し、これらの各アニオン交換樹脂毎に性能評
    価水を通水することで、物質移動係数値が異なる各アニ
    オン交換樹脂別に当該物質移動係数の値と性能評価水中
    に漏出したアニオン量の測定値の相関関係を予め調べ
    て、両者の相関関係データを得ておき、測定対象のアニ
    オン交換樹脂に性能評価水を通水したときに漏出するア
    ニオン量の測定値から、前記予め調べて得た前記相関関
    係データに基づいて当該測定対象のアニオン交換樹脂の
    物質移動係数(MTC)値を推定することを特徴とする
    イオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂の性能評価
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、予め調べる物質移動
    係数(MTC)値既知のアニオン交換樹脂についての物
    質移動係数の値と該アニオン交換樹脂から漏出するアニ
    オン量の相関関係データを、該アニオン交換樹脂の一部
    が酸再生剤に接触する割合(%)別に求めたことを特徴
    とするイオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂の性
    能評価方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、物質移動係数
    (MTC)値既知のアニオン交換樹脂についての物質移
    動係数の値と、該アニオン交換樹脂から漏出するアニオ
    ン量との相関関係データを、アニオン交換樹脂を再生処
    理した後、性能評価水を通水するまでの時間長さ別に求
    めたことを特徴とするイオン交換装置で使用したアニオ
    ン交換樹脂の性能評価方法。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかにおいて、
    物質移動係数(MTC)値の推定は、物質移動係数(M
    TC)値と漏出アニオン量の相関関係データに基づいて
    漏出アニオン量と物質移動係数(MTC)値の関係を示
    す検量線データを予め求め、測定対象のアニオン交換樹
    脂に性能評価水を通水した際に得られた漏出アニオン量
    の測定値から、該検量線データを用いて測定対象アニオ
    ン交換樹脂の物質移動係数(MTC)値を求めることを
    特徴とするイオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂
    の性能評価方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかにおい
    て、アニオン交換樹脂から漏出するアニオン漏出量を測
    定する時点が、通水する性能評価水中に含まれるアニオ
    ン漏出値の変化が微小となった時点であることを特徴と
    するイオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂の性能
    評価方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかにおい
    て、アニオン交換樹脂から漏出するアニオン漏出量を測
    定する時点が、アニオン交換樹脂に対して性能評価水を
    通水開始してから所定時間経過した時点であることを特
    徴とするイオン交換装置で使用したアニオン交換樹脂の
    性能評価方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかにおい
    て、物質移動係数(MTC)値を推定する対象が、発電
    所の復水循環系統に設置された復水脱塩装置で使用され
    たアニオン交換樹脂であることを特徴とするイオン交換
    装置で使用したアニオン交換樹脂の性能評価方法。
  13. 【請求項13】 物質移動係数(MTC)値が既知であ
    ってかつその値が異なる複数のアニオン交換樹脂に性能
    評価水を通水してその通水中に漏出するアニオン量を測
    定することで各アニオン交換樹脂別の物質移動係数(M
    TC)値と漏出アニオン量の相関関係データを予め調べ
    た結果を記録した記録手段と、再生処理後のアニオン交
    換樹脂に通水した性能評価水中に漏出するアニオン量を
    測定する測定手段と、該測定したアニオン量と前記記録
    手段の記録情報とから該測定したアニオン交換樹脂の物
    質移動係数(MTC)値を演算する演算手段と、を備え
    たことを特徴とするアニオン交換樹脂の性能評価装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、演算手段で得た
    アニオン交換樹脂の物質移動係数(MTC)値と、予め
    定めたMTCの閾値とを比較してアニオン交換樹脂の交
    換時期を判定する判定手段を有することを特徴とするア
    ニオン交換樹脂の性能評価装置。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14において、各アニ
    オン交換樹脂別の物質移動係数(MTC)値と各アニオ
    ン交換樹脂に性能評価水を通水したときに漏出するアニ
    オン量との相関関係データを記録した記録手段は、アニ
    オン交換樹脂の一部が酸再生剤に接触する割合(%)
    別、及び/又は再生処理後に性能評価水を通水するまで
    の時間長さ別に相関関係データを記録していることを特
    徴とするアニオン交換樹脂の性能評価装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、測定対象のアニ
    オン交換樹脂に該当する相関関係データを特定する外部
    入力手段を有することを特徴とするアニオン交換樹脂の
    性能評価装置。
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