JPH10280503A - 流量限定器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効果的な流量限定を行い、且つ大流量を可能
にする。 【解決手段】 器具１は、通常の使用においては、可動
制御部材に設けられた受面により、液体の入口と出口と
の間に置かれた室内の弁の高さを制御することにより流
量の制限を確保する。制御部材を移動させると、弁が前
記受面から離されてその下降運動が許され、大流量を与
える。弾性手段が、弁と制御部材との双方を、流量を限
定するその安定位置に自動的に戻す。受面の輪郭によ
り、制御部材のその軸まわりの回転がある範囲の流量限
界を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液体送出装置又は供給装
置の流量を制限するための器具に関し、より特別には、
通常の使用中に水栓、混合弁などの流量を限定するとと
もに要求があれば、最大流量ともなし得る大流量を許す
器具に関する。

【０００２】

【従来技術及びその課題】水道の分野においては、経費
の増大及び推奨された水の節約の両者は使用者を無駄に
対してより敏感にさせる筈である。しかし、節水につい
ては、使用者はあまり注意を払っていなく、習慣におけ
るいかなる変化もどちらかと言えばゆっくりであり、又
は課せられ費用には直接関係しないため、節水の結果は
強い印象を与えない。他方では、大多数の場合、人々
は、水を、実際に必要とするより多く消費することが一
般的である。

【０００３】かかる節水を容易にするため、又は誘導す
るために、次のような方法を組み入れることが既に提案
されている。

【０００４】−ドイツ出願ＤＥ ４３１０７３８号にお
いて説明されたような適宜の水道管の内部の停止弁又は
停止器具。しかし、制限は永久的なものであり、従って
必要なときに大きい流量を得ることは不可能である。

【０００５】−片手水栓における、日本特願２９０９６
１／９０号において説明されたような可動停止手段。し
かし、かかる手段は製造中に組み入れねばならないの
で、その応用は新しい水栓に厳密に限定され、かつこれ
は、この形式の既設の水栓に後付けすることもまた追加
することもできず、更に総ての別形式の水栓についての
解答は出していない。

【０００６】フランス特許１１８６７５８号に明らかに
されたような機械式制限器具。しかし、この器具は使用
者により与えられる値に留まるため、節水はごく限られ
又はないであろう。使用者は、流量を調整した度に組織
的に器具を最小流量の位置に戻すことはないであろう。

【０００７】−ＥＰ−Ａ−０７３１３０６号に明らかに
された器具。この器具では、予め定められかつ調整不能
なだた２個の流量限界があるだけである。

【０００８】本発明の目的は、常に効果的な流量限界を
確保しかつ必要なときはいつでも最大流量ともなし得る
大流量を容易に得られる器具を提案して、これらの欠点
を克服することである。

【０００９】更なる目的は、既存のいかなる水栓にも、
その形式にかかわらず、水の消費装置に並んで、何らか
の技術又は特殊な援助あるいは製造業者による組込みを
要することなく容易に追加できる器具を提案することで
ある。

【００１０】本発明の更なる目的は、その単純な操作、
自然的な動きのために、教育及び練習を何も必要としな
い器具を提供することである。

【００１１】本発明の更なる目的は、製造費が極めて少
なく、従って広範囲に使用し得る簡単で安価な器具を提
供することである。

【００１２】

【実施例】本発明のその他の特性、利点、特徴は、以下
与えられる３種の実施例の説明より明らかになるであろ
う。本発明の範囲から離れることなく、これらを変更す
ることができる。

【００１３】図１−９に示される器具は、水栓、混合
弁、弁のような適宜の水消費装置に追加される独立した
部材であり、円筒状の本体１、水の入口２を提供してい
る上方部分、水の出口４を提供している下方部分を備
え、これら２個の部分はパイプ１０で連結され、その入
口２が適宜の水栓、混合弁などの出口にネジ結合され、
そしてその出口４にフィルターを受け入れるように、各
がそれぞれ雄ネジ、雌ネジである標準ネジ３を備える。

【００１４】第１の実施例（図２ないし５） この例では、パイプ１０は２個の隣接した室５、８を有
し、最小断面を持った上の室５は２個の開口部６を介し
て水の入口２に連結され、大きい断面の室８は水の出口
４に連なる。

【００１５】これは、更に、室５の断面に近い直径を有
する弁のような可動手段１７を有し、この手段は、両開
口部６の間に設けられた穴１３により案内される軸１５
上に取り付けられ、そしてこれを室５の方に押している
圧縮バネ１８のような弾性手段の作用を受ける（図
３）。バネ１８は、パイプ１０の内側で出口４を通って
設定された案内部材２０（図４）上に置かれ、ショルダ
ー１９により案内される。この部材２０は、弁１７の軸
１５を軸方向で案内するように穴１３と揃えられたポー
ト孔２２を持つ。これは、更に、圧縮バネ２８のような
弾性手段の作用を受けている可動部材２６を案内する長
手方向通路２４を有し、可動部材２６の上面２７は弁１
７の軸１５に対する受面として作用し、その運動を限定
する。

【００１６】本体１は、パイプ１０に接続されかつ管３
１を支持している横方向の開口部３０を有し、この管３
１の中で制御ボタン３２が滑り、その軸３４は可動部材
２６の横方向の端部のための受面として作用する。２個
のＯリング４０が管３１を通って水が流れることを防止
する。

【００１７】標準的な使用の際、即ち流量限定作動時に
おいては、上述の部材の総ては図１ないし４に示された
安定位置にある。即ち、バネ２８の作用下にあるが軸３
４により拘束される可動部材２６の上面２７が軸１５の
下方にある位置、従って弁１７が室５内に保持される位
置にある。本体１は給水源に連結されていて、水は、図
４に矢印で示されるように、入口２、開口部６、室５を
通って流れて出口４に達する。水栓を制御している弁、
ハンドルが作動位置にあるときに、得られる流量は、弁
１７の外周と小断面の室５の内周との間の空間に限ら
れ、この実施例においては、これは約０.１mm であり、
即ち、最大流量の約１／４である。

【００１８】使用者がこの限度を超えた流量を希望する
ときは、使用者は単に制御ボタン３２を本体１の方に
（図４、矢印Ｆ）押さねばならないだけである。部材２
６、従ってその上面２７が軸３４によりバネ２８の作用
に対抗して動かされ、弁１７の軸１５を解放し、液体の
圧力を受けている弁１７の軸１５は、ばね１８に対抗し
て下方に動いて（図５）部材２６に入り、この部材をバ
ネ２８の作用に対抗してこの位置に固定する。室８は覆
われず（図５の矢印を参照）、最大流量にも達する大流
量が得られる。

【００１９】円筒状の案内部材２０の中心のネジのよう
な手段４５を調整し、弁１７の最大下降運動、従って最
大流量値を調整できることが予測できる。

【００２０】この器具は、使用者が弁の制御ハンドルを
作動させることにより給水を減らし又は中止させるまで
この状態に留まる。給水を減らし又は中止させたとき
は、弁１７上の圧力が低下し、これが圧縮バネ１８の圧
力以下になったときに、このバネが弁１７を自動的に室
５内に戻す。同時に、バネ２８は、可動部材２６と制御
ボタン３２とを、図４に示されたそれらの停止位置に戻
す（図５、矢印Ｇ）。この位置においては、面２７が再
び軸１５の下に置かれ、弁１７を小断面の室５内に保持
する。従って、この器具は、使用者が制御ボタン３２を
作動させない限り、流量を限定しているその安定位置に
戻される。

【００２１】第２の実施例（図６） これにおいては、第１の実施例と同じ物理特性を有する
２個の室５及び８が横方向で互いに隣接して設定され、
より特別には小断面の室５は弁１７内に設けられる。弁
１７は、その下方位置（図６）においては、最大流量に
も達する大流量を得るために液体を大断面の室８も経て
流す。ネジ４５がこの最大流量の調整を可能とする。弁
１７は、その上方位置においては、大断面の室８を覆
い、室５を通る液体の流れのみを許す。

【００２２】両実施例において、使用される給水装置の
形式及び／又は特性に適合した流量限度の範囲を得るた
めの手段を設けることができる。例えば、室５（図６）
又は小さい別の室５０（図２、３）にニードル弁５１が
設けられる。或いは、部材２６に、少し離れて設定され
た２個の水平面２７、２７ｂを持つことができる（図
４）。この場合は、制御ボタン３２の外周がネジと協働
しこれが管３１内に設けられた噛合い溝と噛み合って調
整手段を提供し、一方、その軸３４は、前記制御ボタン
３２に関して可動でありかつ前記ボタンから突き出てい
る独立部品で作られる。このため、使用者が制御ボタン
３２を回したときは（図２、矢印Ｒ）、部材２６の面２
７ｂが軸１５の下に位置するようにその軸３４がこの部
材を動かして、弁１７が更に少し下方に動くことを許
し、僅かに増加した流量限度を提供する。

【００２３】第３の実施例（図７ないし１１） この例においては、出口４に向いた円錐状又はベルの口
状の断面を有する室５が一つあるだけであるある（図
８、９）。弁１７は、室５の頂部断面の直径より少し小
さい直径を持つ。

【００２４】更に、制御部材３３（図８、１０）は、円
柱状でありかつ軸３４上に次の諸部分を持っている１個
の部品から作られる。即ち、制御ボタン３２、水密性を
確保するためにＯリング４０を支持している溝３５、本
実施例においては総数７個の長手方向の溝３７を支持し
ている筒状部分３６、軸３４に関して偏心して設置され
たカム３８、及び案内部材２０内に設けられた穴２４と
組み合っている円柱状部分３９の諸部分である。この円
柱状部分３９と筒状部分３６とが、管３１内及び制御部
材３３の部材２０内の支持と案内とを確保する。弾性手
段５７の作用を受けているボール５５が部材２０により
支持され案内され、溝３７のどれか一つと共同作用す
る。

【００２５】図８は、軸１５がカム３８の輪郭に当たっ
たときに前記弁１７と室５の周囲との間の空間への流量
（２本の矢印を参照）の限定に作用する上記の総ての部
材を示す。このカムが室５内の弁１７の下降運動を限定
する。

【００２６】この実施例により、制御部材３３は、ここ
ではその主軸線に直角な第２の平面内で動くことができ
る。適宜のときの適宜の方向（図７の矢印Ｒ）の制御ボ
タン３２の回転のときは、使用者がカム３８を回転さ
せ、その輪郭（図１０Ａ）が弁１７の高さを変更させ、
前記弁と室５の周囲との間の空間を増加又は減少させ、
ある範囲の流量限定を与える。同時に、ボール５５が溝
３７と組み合うことにより、制御部材３３を、使用者に
より回されない限り安定位置に保持し、従って、流量を
使用者により設定された値に保つ。始めの２種の実施例
におけると同様に、使用者が大きい流量を得たいとき
は、使用者の行うことの総ては、制御ボタン３２をバネ
２８に対抗して単にその軸方向（図４、矢印Ｆ）に押す
ことだけである。このとき、弁１７の軸１５はカム３８
の面から離れ、図９に示されたように、カム３８の直径
より小さい直径の軸３４上に下がり、最大流量にも達す
る大きい流量を得ることができる。制御部材３３は、カ
ム３８の横方向側面に当たっている軸１５により、バネ
２８の作用に対抗して固定される。

【００２７】制御ボタン３２の適切な標示が、例えば制
御ボタン３２を回すべき方向を明示するように太さの変
わる矢印により容易に行うことができる。

【００２８】ボール５５及びバネ５７の代わりに適宜の
溝３７に入る軸５８を設けることができる（図１１）。
このときは、ボタン３２は、開口部３０の直径より少し
小さい直径を有し、管３１はもはや不必要であり、一
方、ボタンの正面はネジまわしの先端を受け入れるため
の小さい溝を持つ。カム３８の角度位置を調整するため
には、使用者はネジまわしを押し付け、部材３３全体を
左に動し、次いで、軸５８の別の溝３７に正対するよう
に位置決めするために制御部材３３をネジまわしを回
し、次いでネジまわしを外すだけである。このため、選
択された溝３７が軸５８のまわりで滑るので、バネ２８
が制御部材を図８の位置に戻し、軸５８は部材３３のい
かなる回転も防止し、流量限度を使用者の設定した値に
保持する。この解決法は、流量限度を客が変更できない
ように作業員が設定できるので、ホテル用に適してい
る。

【００２９】容易に理解できるように、上述の実施例
は、いかなる製造業者も、これを水栓、弁、コックなど
に付加することができる。これらは、水栓などの出口に
標準化された方法によりネジで取り付けることを要する
だけであり、或いは水栓の注ぎ口がパイプ１０であるよ
うにして出口に直接組み込むこともできる。

【００３０】本発明の実施態様は以下の通りである。

【００３１】１．液体の入口（２）と出口（４）との間
に置かれた室（５、８）を有する流量限定器具（１）で
あって、前記室（５、８）内で可動手段（１７）を位置
決めするために使用者操作式の制御部材（２６、３２；
３３）と組み合わせられた前記可動手段を有する前記流
量制限器具にして、該手段（１７）と該制御部材（２
６、３２；３３）とが独立していて、該手段（１７）は
液体の流れにより動かされ、該制御部材（２６、３２；
３３）は、受面（２７、３８）を支持し、かつ室（５、
８）内の前記手段（１７）の運動、従って流量を限定す
る位置と前記手段（１７）から離れる位置との間を動き
得ることを特徴とする前記流量限定器具。

【００３２】２．手段（１７）が弾性手段（１８）の作
用を受けている弁であることを特徴とする実施態様１に
よる器具。

【００３３】３．制御部材（２６、３２：３３）が弾性
手段（２８）の作用を受けることを特徴とする実施態様
１又は２による器具。

【００３４】４．可動手段（１７）と制御部材（２６、
３２；３３）とが互いに直角な平面内で動くことを特徴
とする先行実施態様のいずれかによる器具。

【００３５】５．室（５、８）が異なった寸法の２個の
隣接部分で作られ、手段（１７）が小さい方の部分
（５）の寸法に近い寸法のものであることを特徴とする
先行実施態様のいずれかによる器具。

【００３６】６．室（５）が円錐状輪郭を有し、手段
（１７）が円錐状輪郭の頂部の寸法に近い寸法のもので
あることを特徴とする実施態様１ないし４のいずれかに
よる装置。

【００３７】７．室（５、８）が２個の別の室で作ら
れ、最小断面の室（５）が可動手段（１７）内に組み入
れられることを特徴とする実施態様１ないし４のいずれ
かによる装置。

【００３８】８．制御部材（２６、３２；３３）がある
範囲の流量限界を得るために数個の受面（２７、２７
ｂ、３８）を提供することを特徴とする先行実施態様の
いずれかによる装置。

【００３９】９．制御部材（２６、３２）が横移動可能
に取り付けられ、そして異なった高さに設定されたその
受面（２７、２７ｂ）を有することを特徴とする実施態
様８による装置。

【００４０】１０．制御部材（３３）がその横移動平面
に直角な平面内で運動するように更に取り付けられるこ
とを特徴とする実施態様８による装置。

【００４１】１１．制御部材（３３）がその軸（３４）
まわりで回転するように取り付けられ、受面（３８）が
前記制御部材（３３）の軸（３４）に関して偏心したカ
ムにより提供されることを特徴とする実施態様１０によ
る装置。

【００４２】１２．制御部材（３３）の回転を防ぐ手段
（５５、５７、３７；５８、３７）を有することを特徴
とする実施態様１１による装置。

【００４３】１３．手段（１７）の低い高さ位置、従っ
て最大流量を調整するためにネジのような手段（４５）
を有することを特徴とする先行実施態様のいずれかによ
る装置。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による器具の正面図である。

【図２】図１に示された器具の第１の実施例の部分平面
図である。

【図３】図２の器具の面Ａ−Ａに沿った部分断面図であ
る。

【図４】図２の器具の面Ｂ−Ｂに沿った断面図である。

【図５】流量限定器具が非作動であるときの図４と同様
な図面である。

【図６】図５と同様であるが第２の実施例を示す。

【図７】図２と同様であるが第３の実施例を示す。

【図８】図４と同様であるが図７の実施例についての図
面である。

【図９】図８と同様であるが流量限定器具が組み込まれ
ているものについての図面である。

【図１０】第３の実施例の特別な部材の詳細正面図及び
面Ｃ−Ｃに沿った断面図Ａである。

【図１１】図７ないし１０の１部材の別の構造の部分断
面図である。

【符号の説明】

１ 円筒状本体／器具 ２ 上方部分／入力 ３ ネジ ４ 下方部分／出力 ５ 室 ６ 開口部 ８ 室 １０ パイプ １３ 穴 １５ 軸 １７ 弁 １８ バネ １９ ショルダー ２０ 円筒状案内部材 ２２ ポート孔（開口） ２４ 通路（開口部） ２６ 可動部材 ２７ 上面 ２７ｂ 水平面 ２８ バネ ３０ １の横方向開口部 ３１ 管 ３２ 制御ボタン ３３ 制御部材 ３４ 軸 ３５ 溝 ３６ 筒状部分 ３７ 長手方向の溝 ３８ 偏心カム ３９ 円柱 ４０ Ｏリング ４５ ネジ ５０ 室 ５１ ニードル弁 ５５ ボール ５７ 弾性手段 ５８ 軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体の入口と出口との間に置かれた室を
   有する流量限定器具であって、前記室内で可動手段を位
   置決めするために使用者操作式の制御部材と組み合わせ
   られた前記可動手段を有する流量制限器具にして、 該手段と該制御部材とが独立していて、該手段は液体の
   流れにより動かされ、該制御部材は、受面を支持し、か
   つ室内の前記手段の運動、従って流量を限定する位置と
   前記手段から離れる位置との間を動き得ることを特徴と
   する前記流量限定器具。