JPH1027747A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JPH1027747A
JPH1027747A JP8182982A JP18298296A JPH1027747A JP H1027747 A JPH1027747 A JP H1027747A JP 8182982 A JP8182982 A JP 8182982A JP 18298296 A JP18298296 A JP 18298296A JP H1027747 A JPH1027747 A JP H1027747A
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JP
Japan
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stage
substrate
reticle
silicate glass
titanium silicate
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JP8182982A
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Saburo Kamiya
三郎 神谷
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光装置に使用されるレチクルやステージ装
置等の露光用の照明光の照射による熱変形を抑え、重ね
合わせ精度を向上する。 【解決手段】 露光用の照明光ILのもとで、レチクル
1に形成されたパターンが投影光学系2を介して、フォ
トレジストが塗布されたウエハ3上の各ショット領域に
転写される。レチクル1の基板1a、レチクルステージ
4、ウエハ3を吸着保持するウエハホルダ7、及びウエ
ハホルダ7を載置するZチルトステージ8を常温におけ
る線膨張率が0.4ppm/K以下のチタン珪酸ガラス
より形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィー工程
でマスク上のパターンを感光基板上に転写するための露
光装置に関し、特に露光用の照明光として水銀ランプの
i線(波長365nm)を使用する投影露光装置に適用
して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば半導体素子を製造する
際に、露光用の照明光でマスクとしてのレチクル(又は
フォトマスク等)を照明し、そのレチクルのパターンを
投影光学系を介して感光基板としてのフォトレジスト等
が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写
する投影露光装置(ステッパー等)が使用されている。
近年は、その露光用の照明光として水銀ランプのi線
(波長365nm)を用いた投影露光装置が、16Mビ
ットDRAM及び64MビットDRAM等の、最小回路
線幅が約0.35μm〜0.5μmの超LSIの量産用
として広く使用されている。
【0003】半導体素子は、ウエハ上に多数の層(レイ
ア)を所定の位置関係で積み重ねて形成されるため、層
間の重ね合わせを高精度に行う必要がある。このような
重ね合わせ精度に影響するものとして露光用の照明光に
よる投影露光装置の各部材の熱変形がある。即ち、投影
露光装置では、露光用の照明光による熱エネルギーがレ
チクル、及びウエハ等を介してレチクルを支持するレチ
クルステージ、及びウエハを支持するウエハホルダ等に
直接又は間接的に伝えられて、それらの部材を熱変形さ
せる。この場合、レチクルやウエハの熱変形は、重ね合
わせ誤差の直接の要因となる。また、レチクルステージ
やウエハホルダの熱変形も、レチクルやウエハの位置ず
れを起こし、ひいては重ね合わせ精度を低下させる。
【0004】このため、従来から、レチクルの基板材料
としては、低線膨張率の石英ガラス(常温付近の線膨張
率は約0.5ppm/K)が使用され、レチクルステー
ジやウエハホルダの材料としては、低線膨張率のセラミ
ックス(常温付近の線膨張率は約1.5〜2.5ppm
/K)が主に用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の投影
露光装置によれば、露光用の照明光の照度(パワー)が
あまり高くなかったため、石英ガラスやセラミックスを
使用することで、必要な重ね合わせ精度が得られてい
た。しかしながら、近年、露光時間を短縮して高いスル
ープット(生産性)を得るため、露光用の照明光の照度
を高める傾向が強まっている。その結果として、ウエハ
やレチクル等に照射される露光用の照明光の単位面積当
たりのエネルギー量が増大し、投影露光装置の上記各部
材が熱変形して重ね合わせ精度が低下するという不都合
があった。この対策として、レチクルやウエハ等から直
接的又は間接的に蓄積された熱エネルギーを除去して、
それらの部材の温度を制御する機構も種々提案されてい
るが、このような機構は複雑であり、且つ高価である。
【0006】本発明は斯かる点に鑑み、露光用の照明光
の照度を高めた場合でも、簡単な構成で高い重ね合わせ
精度が得られる露光装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による露光装置
は、例えば図1に示すように、マスクステージ(4)上
に保持されたマスク(1)を露光用の照明光(IL)で
照明し、そのマスク(1)に形成されたパターンを基板
ステージ(8,11)上に保持された感光基板(3)上
に転写露光する露光装置において、その露光用の照明光
(IL)が照射される部材(1a,3)、及びこの部材
に直接的又は間接的に接する部材(4,7〜9,12)
の少なくとも一方を常温で線膨張率が実質的に0.4p
pm/K以下のチタン珪酸ガラスより形成したものであ
る。
【0008】この場合の常温とは、露光装置が通常使用
される環境の温度である20℃〜25℃程度の温度範囲
を示す。この常温での石英ガラスの線膨張率は約0.5
ppm/Kであるため、線膨張率が石英ガラスより小さ
い、即ち0.4ppm/K以下の材料があれば、この材
料の使用によって当該部材の変形量を少なくして、重ね
合わせ精度を高めることができる。これに関して、常温
付近で線膨張率がほぼ0の材料として、ガラスセラミッ
クス(例えばショット社製の商品名ゼロデュア)が知ら
れているが、そのガラスセラミックスは通常の露光用の
照明光に対する透過率が低くマスク用の基板としては使
用しにくい。そこで、本発明者は種々の材料について検
討した結果、常温付近で線膨張率を0.4ppm/K以
下にできると共に、露光用の照明光に対する透過率も良
好な材料として、チタン珪酸ガラスに着目したものであ
る。
【0009】チタン珪酸ガラスは、二酸化珪素(SiO
2 )に二酸化チタン(TiO2 )を加えることにより形
成するが、特にTiO2 が8重量%含まれたチタン珪酸
ガラスは、線膨張率が常温でほぼ0になることが知られ
ている。また、このチタン珪酸ガラス中にTiO2 が約
3〜10重量%含まれたものであれば、常温での線膨張
率が約0.1ppm/K以下となるため、このようにT
iO2 が約3〜10重量%、更に望ましくはTiO2
約7〜9重量%含まれたチタン珪酸ガラスであれば、本
発明で使用できる。但し、要は線膨張率が0.4ppm
/K以下であれば石英ガラスよりも熱変形が少なくなる
ため、TiO2 の重量%が約3〜10重量%から外れた
範囲にあっても、常温で線膨張率が0.4ppm/K以
下となるチタン珪酸ガラスは本発明で使用できる。
【0010】更に、チタン珪酸ガラスは、透過率も波長
320nm付近の紫外光まで石英ガラスと同等であると
いう光学的に優れた特性を持っている。そこで、露光用
の照明光として水銀ランプのi線(波長365nm)の
ように波長が320nmより長い光を使用する露光装置
においては、チタン珪酸ガラスはマスク用の基板として
も好適である。また、露光用の照明光の波長が320n
mより短い場合でも、マスク以外の部材の材料としてチ
タン珪酸ガラスを使用することで熱変形量を少なくでき
る。更に、チタン珪酸ガラスはガラスセラミックスに比
べて均一性、研磨加工性に優れると共に、溶接が可能で
比較的大型の構造物も作れるため、露光装置の各種の部
材に使用できる。
【0011】この場合、そのチタン珪酸ガラスより形成
される部材の一例は、そのマスク(1)、及びこのマス
クを支持するそのマスクステージ(4)のそのマスク
(1)と接する部分の少なくとも一部である。これによ
り、マスク(1)やマスクステージ(4)の熱変形が抑
えられる。マスク(1)上には、露光用の照明光(I
L)が直接照射されるため、マスク(1)やマスクステ
ージ(4)の熱変形が生じ易い。しかし、本発明によれ
ば、マスク(1)及びマスクステージ(4)の少なくと
も一部を低い線膨張率のチタン珪酸ガラスで形成してい
るため、熱変形量が少なくなる。そのため、露光用の照
明光の照度を高めても高い重ね合わせ精度が得られる。
【0012】また、その感光基板(3)はその基板ステ
ージ(8,11)上にその感光基板(3)を吸着する基
板ホルダ(7)を介して保持されると共に、その基板ス
テージ(8,11)上にこの基板ステージの位置を検出
するための干渉計(10)の移動鏡(9)、及び所定の
基準マークが形成された基準マーク部材(12)が固定
されている場合、そのチタン珪酸ガラスより形成される
部材の一例は、その基板ホルダ(7)、その基板ステー
ジ(8,11)のその基板ホルダ(7)に接する部分、
その基準マーク部材(12)、及びその移動鏡(9)の
内の少なくとも一部である。
【0013】この場合、感光基板(3)には露光用の照
明光(IL)が直接照射されるため、感光基板(3)及
びこれに接する部材の温度が上昇する。本発明では、感
光基板(3)に直接又は間接的に接する部材、例えば基
板ホルダ(7)、感光基板(3)の位置合わせ精度に関
係する移動鏡(9)や基準マーク部材(12)等の少な
くとも一部の部材をチタン珪酸ガラスで形成するため、
少なくとも一部の部材の熱変形が抑えられ、重ね合わせ
精度が向上する。
【0014】また、例えば図2に示すように、その基板
ホルダ(7A)、その基準マーク部材(12A)、及び
その移動鏡(18X,18Y)を一体の部材としてその
チタン珪酸ガラスより形成するようにしてもよい。これ
により、基板ホルダ(7A)、基準マーク部材(12
A)、及び移動鏡(18X,18Y)は一体的に低線膨
張率のチタン珪酸ガラスで形成されるため、熱膨張によ
る基板ホルダ(7A)、移動鏡(18X,18Y)、及
び基準マーク部材(12A)間の相対位置の変動が抑え
られ、感光基板(3)の位置の計測誤差及びベースライ
ン量の誤差が減少して重ね合わせ精度が向上する。チタ
ン珪酸ガラスは加工性が良好であるため、このような一
体的な構造が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による露光装置の実
施の形態の一例につき図1を参照して説明する。本例
は、露光用の照明光として水銀ランプのi線を使用する
ステッパー型の投影露光装置に本発明を適用したもので
ある。図1は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、
この図1において、光源、フライアイレンズ、視野絞
り、及びコンデンサレンズ等を含む照明光学系ELから
射出された露光用の照明光ILによりレチクル1のパタ
ーン面(下面)のパターンが照明され、その照明光IL
のもとで、そのパターンの像が投影光学系2を介して投
影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で縮小され
て、ウエハ3上の各ショット領域に転写される。照明光
ILとしては、本例では水銀ランプの紫外域の輝線であ
るi線(波長365nm)を使用する。それ以外に、照
明光ILとしてはg線(波長436nm)、h線(波長
405nm)等も使用できる。以下、投影光学系2の光
軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な2次元平面内
で図1の紙面に平行にX軸、図1の紙面に垂直にY軸を
取って説明する。
【0016】レチクル1は、基板1a、及びその基板1
aの下面に被着され、転写用のパターンが形成されたク
ロム薄膜層1bから構成されている。レチクル1は真空
吸着によってレチクルステージ4上に載置されている。
また、レチクルステージ4は、複数のボールベアリング
(図1では、その内4個のボールベアリング5A〜5D
を示す)を介して、不図示の送りねじ方式等の駆動機構
によりガイド6上をX方向、Y方向及び回転方向に微動
可能に構成されている。なお、ボールベアリング5A〜
5Bに代えて、エアベアリング機構を使用してもよい。
レチクルステージ4(レチクル1)の位置は、レチクル
ステージ4上の不図示の移動鏡及び外部のレーザ干渉計
により計測されており、レチクルステージ4は、そのレ
ーザ干渉計の計測値に基づいて位置決めされる。
【0017】一方、ウエハ3はウエハホルダ7上に真空
吸着により固定されており、ウエハホルダ7はZ方向へ
の移動及び傾斜角の調整が可能なZチルトステージ(試
料台)8上に固定され、Zチルトステージ8はXYステ
ージ11上に固定されている。XYステージ11はX方
向及びY方向へ移動可能に構成されており、露光時には
そのXYステージ11によりウエハ3上の各ショット領
域の中心を投影光学系2の露光中心へステッピングする
動作と、露光動作とを繰り返す、所謂ステップ・アンド
・リピート方式によりレチクル1のパターンの像がウエ
ハ3上の各ショット領域に転写される。また、Zチルト
ステージ8上には、外部のレーザ干渉計10からのレー
ザビームを反射する移動鏡9が固定されており、レーザ
干渉計10及び移動鏡9によりZチルトステージ8のX
方向、Y方向の位置が計測され、この計測結果に基づい
てXYステージ11の動作が制御される。
【0018】また、投影光学系2の側面部にウエハ3上
の各ショット領域のウエハマークの位置を検出するため
のオフ・アクシス方式で画像処理方式のアライメントセ
ンサ13が備えられている。更に、Zチルトステージ8
上には、レチクル1のパターンの像の中心位置(露光中
心)と、アライメントセンサ13の検出中心との間隔で
あるベースライン量を計測するための基準マークが形成
された基準マーク部材12が設置されている。なお、説
明を分かり易くするため、図1では、X軸用の移動鏡9
のみが示されているが、同様にY軸用の移動鏡も備えら
れている。
【0019】ここで、本例の投影露光装置の一部の部材
を構成する材料について説明する。先ず、通常は、投影
露光装置が設置される環境の温度範囲は余裕を見て20
℃〜25℃であるため、この20℃〜25℃の範囲を常
温とする。本例においては、レチクル1の基板1a、レ
チクルステージ4、ウエハホルダ7、及びZチルトステ
ージ8は、全てチタン珪酸ガラスより形成されている。
このチタン珪酸ガラスは、少量の二酸化チタン(TiO
2 )を含む二酸化珪素(SiO2 )からなり、常温付近
での線膨張率が極めて小さくなるように設計されたもの
である。チタン珪酸ガラスは、その中に含まれるTiO
2 の含有量により線膨張率が異なっており、TiO2
約8重量%含まれたチタン珪酸ガラスは常温付近におけ
る線膨張率がほぼ0に近い値を示す。そこで本例では、
TiO2 が3〜10重量%、更に望ましくは7〜9重量
%含まれたチタン珪酸ガラスを使用する。また、TiO
2が3〜10重量%含まれたチタン珪酸ガラスの常温で
の線膨張率は約0.1ppm/K以下である。
【0020】また、本例で使用できるチタン珪酸ガラス
としては、コーニング社より商品名ULEで販売されて
いるチタン珪酸ガラスがある。表1に、その商品名UL
Eで販売されているチタン珪酸ガラスと、合成石英ガラ
スとの特性を比較したカタログの一部を示す。
【0021】
【表1】
【0022】この表1のカタログデータに示すように、
常温を含む5〜35℃の温度範囲では、チタン珪酸ガラ
スの線膨張率は0.3×10-7/K以下、即ち0.03
ppm/K以下と極めて小さい。これは常温付近での合
成石英ガラスの線膨張率(約0.5ppm/K)と比較
して1桁低い線膨張率である。その上、他の熱伝導率や
熱拡散率等の熱特性も合成石英ガラスと実質的に変わら
ない。
【0023】更に、チタン珪酸ガラスは、可視光から波
長が320nm付近の紫外光までの光に対する透過率が
合成石英ガラスと同等に高いという光学的に優れた特性
を有しているため、本例のように露光用の照明光として
i線を使用する場合には、レチクル1の基板1aでの照
明光の吸収が少ないという利点がある。また、チタン珪
酸ガラスは、酸水素炎による溶接が可能なので、比較的
大型の構造物を作ることもできる。但し、チタン珪酸ガ
ラスはArFエキシマレーザ光やKrFエキシマレーザ
光等の波長が320nm程度以下の照明光に対する透過
率が低いので、このような波長の短い光を露光用の照明
光として使用する場合に、レチクル1の基板1aを石英
ガラスより形成し、それ以外のレチクルステージ4、ウ
エハホルダ7等をチタン珪酸ガラスより形成するように
してもよい。
【0024】次に、本例の投影露光装置における熱的な
特徴を説明する。露光時において、レチクル1が照明光
学系ELからの露光用の照明光ILにより照明される
と、先ずレチクル1のクロム薄膜層1b中の不透過域に
照射された照明光ILの光エネルギーの約60%程度が
クロム薄膜層1bに吸収され、熱エネルギーに変換され
る。残りの約40%の光エネルギーは上方に反射され
る。そして、その熱エネルギーの大部分は、クロム薄膜
層1bから基板1aに伝わるが、基板1aの材料である
チタン珪酸ガラスは、熱伝導率や熱拡散率もそれほど小
さい値ではないため、熱エネルギーは基板1aにそれほ
ど蓄積されることなく、一部が真空吸着部を介してレチ
クルステージ4等に伝達され、残りの大部分が周囲の雰
囲気気体(空気)中に伝達される。また、その雰囲気気
体の温度は空調システムによって常温内のほぼ一定の値
に設定されているため、基板1aの温度はその常温から
大きく外れることはない。そして、その常温付近におい
ては、チタン珪酸ガラスの線膨張率はほぼ0に近いた
め、基板1aの熱変形は殆ど生じない。従って、パター
ンが形成されたクロム薄膜層1bの変形も低く抑えられ
る。
【0025】次に、レチクル1の基板1aから真空吸着
部を介してレチクルステージ4に伝達された熱エネルギ
ーの一部は、ボールベアリング5A〜5Dを介してガイ
ド6に伝達され、残りの大部分が周囲の雰囲気気体中に
伝達される。この場合、レチクルステージ4もレチクル
1の基板1aと同じチタン珪酸ガラスで形成されている
ため、レチクルステージ4は殆ど熱膨張せず、レチクル
1の基板1aに応力を与えることもない。レチクル1の
クロム薄膜層1bに吸収された照明光ILの熱エネルギ
ーの大部分は、結局基板1a及びレチクルステージ4の
回りの雰囲気気体中に伝達されるか、又はガイド6に伝
えられる。しかし、レチクルステージ4とボールベアリ
ング5A〜5D、及びボールベアリング5A〜5Dとガ
イド6との接触面積は非常に小さいため、ガイド6への
熱エネルギーの伝導量は非常に小さい。なお、ボールベ
アリング5A〜5Dの代わりにエアべアリングが使用さ
れる場合も同様である。
【0026】また、熱エネルギーが或る程度ガイド6へ
伝達されても、ガイド6のサイズや材料を適当に選択す
ることにより、ガイド6の熱容量を大きくすることも、
放熱性を改善することも可能である。従って、レチクル
ステージ4から伝達される熱エネルギーによるガイド6
の温度変化は小さく、熱変形量も僅かである。また、ガ
イド6が熱によって変形したとしても、その変形が直接
レチクル1の光軸AXに対する位置ずれとならないよう
な構成をとれるため、ガイド6に対する熱エネルギーの
影響を支障ないレベルに抑えることは比較的容易であ
る。
【0027】次に、レチクル1のクロム薄膜層1bの透
過域を通って、投影光学系2を介してウエハ3に照射さ
れた露光用の照明光ILの光エネルギーは、その大半が
ウエハ3上のフォトレジスト層で吸収され熱エネルギー
に変換される。このフォトレジスト層に吸収された熱エ
ネルギーの大部分はウエハ3を介してチタン珪酸ガラス
で作られたウエハホルダ7に伝達される。この場合、ウ
エハ3の線膨張率はウエハホルダ7に比べて大きいが、
ウエハ3自体はウエハホルダ7上に真空吸着されている
ため、ウエハ3のウエハホルダ7に対する相対的な変位
は僅かである。また、ウエハホルダ7に伝わった熱エネ
ルギーの一部は周辺の雰囲気気体中及びZチルトステー
ジ8に伝達されるため、ウエハホルダ7の温度はそれほ
ど上昇しない。従って、チタン珪酸ガラスからなるウエ
ハホルダ7の熱膨張は殆どなく、ウエハ3の変形も抑え
られる。ウエハホルダ7からZチルトステージ8に伝達
された熱エネルギーは、周辺の雰囲気気体中及びXYス
テージ11に伝達され、Zチルトステージ8の温度はウ
エハホルダ7と同様にそれほど上昇しない。Zチルトス
テージ8もチタン珪酸ガラスから作られているため、熱
膨張量は殆ど0に近い。従って、Zチルトステージ8か
らウエハホルダ7への熱変形応力は殆ど生じない。これ
らによって、重ね合わせ精度が向上し、露光用の照明光
ILの照度を高めても高い重ね合わせ精度が得られる。
【0028】また、Zチルトステージ8上には、移動鏡
9が固定されている。Zチルトステージ8が熱変形した
場合、移動鏡9とレーザ干渉計10との間隔が変化し、
ウエハ3の各ショット領域を位置決めする際、レーザ干
渉計10の計測値が変動して重ね合わせ誤差の要因とな
る。しかし、本例ではZチルトステージ8の熱膨張量は
殆ど0に近いため、Zチルトステージ8の熱膨張による
重ね合わせ誤差が抑えられる。
【0029】次に、Zチルトステージ8からXYステー
ジ11に伝わった熱エネルギーの一部は、XYステージ
11の熱変形の要因となるが、XYステージ11に伝達
される熱エネルギー量も上記各部材を経由して減少して
いると共に、XYステージ11の熱容量はかなり大きい
ため、XYステージ11をそれほど熱変形させることは
ない。但し、更に精密な重ね合わせ精度が要求される場
合には、XYステージ11の材料としてチタン珪酸ガラ
スを使用するようにしてもよい。
【0030】なお、本例ではレチクル1の基板1a、レ
チクルステージ4、ウエハホルダ7、及びZチルトステ
ージ8は、全てチタン珪酸ガラスで構成しているが、以
上の部材の全てがチタン珪酸ガラスでなくてもよい。以
上の部材の内少なくとも1つの部材の材料としてチタン
珪酸ガラスを使用すれば、重ね合わせ精度が向上する。
また、移動鏡9や基準マーク部材12をチタン珪酸ガラ
スより形成してもよい。
【0031】次に、本発明の露光装置の実施の形態の他
の例について図2を参照して説明する。本例の投影露光
装置は、ウエハホルダ、移動鏡、及び基準マーク部材を
一体化した構成にしたものである。他の構成は図1の投
影露光装置と同様である。図2は、本例の投影露光装置
の要部の概略構成を示し、この図2において、ウエハ3
は、ウエハホルダ7A上の上面に設けられた複数のY方
向に伸びた凸部上に真空吸着されている。ウエハホルダ
7Aの近傍には基準マーク部材12Aが設けられてお
り、その基準マーク部材12Aの表面の反射膜中に、2
個の十字型の開口パターンよりなるレチクル用の基準マ
ーク17R、及び十字型の開口パターンよりなる図1の
アライメントセンサ13用の基準マーク17Aが形成さ
れている。基準マーク部材12Aの表面はウエハ3の表
面と同じ高さに設定されている。ウエハホルダ7A及び
基準マーク部材12Aは共にZチルトステージ8A上に
一体化されている。また、Zチルトステージ(試料台)
8A上の端部にはX軸用の移動鏡18X及びY軸用の移
動鏡18YがZチルトステージ8Aと一体化した状態で
形成されている。本例では、Zチルトステージ8A、並
びにこのZチルトステージ8A上に一体化されたウエハ
ホルダ7A、基準マーク部材12A、及び移動鏡18
X,18Yは共に図1の実施の形態で使用されているの
と同様のチタン珪酸ガラスで形成されており、この状態
で図1のXYステージ11上に載置される。また、移動
鏡18Xの反射面18Xa、及び移動鏡18Yの反射面
18Yaには、それぞれ計測用のレーザビームを反射す
る反射膜が形成され、上述のように基準マーク部材12
Aの表面に反射膜が形成されている。
【0032】本例では、ウエハホルダ7A、基準マーク
部材12A、及び移動鏡18X,18YがZチルトステ
ージ8A上に一体化され、それらの部材が全てチタン珪
酸ガラスにより形成されているため、露光用の照明光I
Lの熱エネルギーによる熱膨張は殆どなく、ウエハホル
ダ7A上に真空吸着されたウエハ3と移動鏡18X,1
8Yとの間の間隔がほぼ一定に保たれ、且つ基準マーク
部材12A上の基準マークの間隔もほぼ一定に保たれる
ため、ウエハ3の位置の計測精度及びベースライン量の
計測精度が更に向上する。また、全て同じ材料で形成さ
れるため、膨張に伴う変形歪みの発生が抑えられる。ま
た、チタン珪酸ガラスは加工性が良好であるため、その
ような一体的な構造物を容易に製造できる。そして、一
体化により部品点数が減少し、製造コストを下げること
もできる。
【0033】なお、本発明はステッパー方式の投影露光
装置に限らず、レチクルのパターンの一部を投影光学系
を介してウエハ上に投影した状態で、レチクルとウエハ
とを投影光学系に対して同期走査して、レチクルのパタ
ーンの像をウエハの各ショット領域に逐次転写するステ
ップ・アンド・スキャン方式等の走査露光型の投影露光
装置にも同様に適用できる。また、投影光学系を使用し
ないプロキシミティ方式等の露光装置にも適用すること
ができる。
【0034】このように、本発明は上述の実施の形態に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0035】
【発明の効果】本発明の露光装置によれば、露光用の照
明光が照射される部材、及びこの部材に直接的又は間接
的に接する部材の少なくとも一方を常温における線膨張
率が実質的に0.4ppm/K以下のチタン珪酸ガラス
で形成している。即ち、露光用の照明光が照射される部
材、及びこの部材に接する部材の少なくとも一方が常温
で石英ガラスや低膨張率のセラミックスより小さい線膨
張率の材料より形成されているため、従来例に比べて熱
変形量が少なくなり、その照明光の照度(パワー)を高
めたときでも高い重ね合わせ精度が得られる。また、チ
タン珪酸ガラスは可視光から波長320nm程度の紫外
光まで石英ガラスと同程度の透過率を有するため、露光
用の照明光として水銀ランプのi線のような波長が32
0nmより長い光を使用する場合には、マスク用の基板
としてもチタン珪酸ガラスが使用できて、重ね合わせ精
度を更に高めることができるため、本発明の効果は特に
大きい。
【0036】また、チタン珪酸ガラスより形成される部
材が、マスク、及びこのマスクを支持するマスクステー
ジのマスクと接する部分の少なくとも一部である場合に
は、照明光の熱エネルギーによる影響が特に大きいマス
クやマスクステージの熱変形が抑えられ、重ね合わせ精
度がより向上する利点がある。但し、上述のようにマス
クの基板材料としてチタン珪酸ガラスを用いるときに
は、露光用の照明光の波長は320nmより長いことが
望ましい。
【0037】また、感光基板が基板ステージ上に感光基
板を吸着する基板ホルダを介して保持されると共に、基
板ステージ上にこの基板ステージの位置を検出するため
の干渉計の移動鏡、及び所定の基準マークが形成された
基準マーク部材が固定されており、チタン珪酸ガラスよ
り形成される部材が、基板ホルダ、基板ステージの基板
ホルダに接する部分、基準マーク部材、及び移動鏡の内
の少なくとも一部である場合には、露光用の照明光が最
終的に照射される感光基板に直接又は間接的に接する部
材の少なくとも一部の熱変形が抑えられ、重ね合わせ精
度が更に向上する。
【0038】また、基板ホルダ、基準マーク部材、及び
移動鏡を一体の部材としてチタン珪酸ガラスより形成す
る場合には、熱変形量が全体として最も小さくなるため
重ね合わせ精度がより向上する。また、同じ材料で一体
化されているため、熱膨張による変形歪みの発生が抑え
られると共に、部品点数が減少する利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の実施の形態の一例を示す概
略構成図である。
【図2】本発明の露光装置の実施の形態の他の例の要部
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 レチクル 1a 基板 1b クロム薄膜層 2 投影光学系 3 ウエハ 4 レチクルステージ 7,7A ウエハホルダ 8,8A Zチルトステージ 9,18X,18Y 移動鏡 11 XYステージ 12,12A 基準マーク部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクステージ上に保持されたマスクを
    露光用の照明光で照明し、前記マスクに形成されたパタ
    ーンを基板ステージ上に保持された感光基板上に転写露
    光する露光装置において、 前記露光用の照明光が照射される部材、及び該部材に接
    する部材の少なくとも一方を常温で線膨張率が実質的に
    0.4ppm/K以下のチタン珪酸ガラスより形成した
    ことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光装置であって、 前記チタン珪酸ガラスより形成される部材は、前記マス
    ク、及び該マスクを支持する前記マスクステージの前記
    マスクと接する部分の少なくとも一部であることを特徴
    とする露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の露光装置であって、 前記感光基板は前記基板ステージ上に前記感光基板を吸
    着する基板ホルダを介して保持されると共に、前記基板
    ステージ上に該基板ステージの位置を検出するための干
    渉計の移動鏡、及び所定の基準マークが形成された基準
    マーク部材が固定され、 前記チタン珪酸ガラスより形成される部材は、前記基板
    ホルダ、前記基板ステージの前記基板ホルダに接する部
    分、前記基準マーク部材、及び前記移動鏡の内の少なく
    とも一部であることを特徴とする露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の露光装置であって、 前記基板ホルダ、前記基準マーク部材、及び前記移動鏡
    が一体の部材として前記チタン珪酸ガラスより形成され
    ることを特徴とする露光装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001235616A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Toppan Printing Co Ltd 液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法およびそれに用いるフォトマスク

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JP2001235616A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Toppan Printing Co Ltd 液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法およびそれに用いるフォトマスク

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