JPH10268531A - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置 - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置

Info

Publication number
JPH10268531A
JPH10268531A JP6798997A JP6798997A JPH10268531A JP H10268531 A JPH10268531 A JP H10268531A JP 6798997 A JP6798997 A JP 6798997A JP 6798997 A JP6798997 A JP 6798997A JP H10268531 A JPH10268531 A JP H10268531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoreceptor
image
belt
charge transport
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6798997A
Other languages
English (en)
Inventor
Mieko Tooyama
美詠子 遠山
Fumitaka Mochizuki
文貴 望月
Kenichi Yasuda
憲一 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP6798997A priority Critical patent/JPH10268531A/ja
Publication of JPH10268531A publication Critical patent/JPH10268531A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期の繰り返し折り曲げ使用においても強
く、クラックや膜剥がれなどを発生せず、駆動時、静止
時のテンションによる応力にも強く、画像欠陥のないベ
ルト状電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 ベルト状支持体上に感光層を有する感光
体であって、且つ感光層が少なくとも電荷発生層および
電荷輸送層からなる電子写真感光体において、電荷輸送
層単独の膜物性が式(1)及び式(2)を満たすことを
特徴とする電子写真感体。 式(1) 1.5mm<L1 式(2) 0.5mm/Kgf<L2 L1;幅15mm、長さ80mmの電荷輸送層単独の膜
に長さ方向に引張荷重を加えた時の、破断までの延び L2;幅15mm、長さ80mmの電荷輸送層単独の膜
に長さ方向に引張荷重を加えた時の、単位力Kgfあた
りの延び

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ
ー、軽印刷装置等の画像形成に用いられる電子写真感光
体及びそれを用いた画像形成方法と装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機およびプリンター用の電子
写真技術では、無公害で、より高速、高画質、小型かつ
低コスト化する技術が求められている。これに応えるべ
く、従来から様々な電子写真技術が提案され実用化され
ているが、いずれもこれらの需要を十分に満たしてはい
ない。
【0003】これまで電子写真感光体は主にセレン、酸
化亜鉛などの無機物質が用いられてきたが、高速性、機
械的耐久性などに優れる反面、高コスト、有毒性などの
欠点があった。
【0004】有機光導電層を有する有機感光体は低コス
トかつ無公害で取り扱いやすく、加工性、量産性などに
優れているものがあることから、盛んに開発が行われ、
近年その性能向上は著しい。
【0005】しかし、有機感光体では、電子写真画像形
成装置内での帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニ
ングの一連のプロセスにおいて、感光体が受ける様々な
機械的、化学的ダメージに対する強度は十分とはいえな
い。
【0006】有機感光体では、電荷の発生と電荷輸送の
両方を単独の層が担うものと、電荷発生層と電荷輸送層
の二層からなる機能分離型の積層構成からなるものとが
ある。いずれの場合も電荷発生物質および電荷輸送物質
の単独では成膜不可能な場合が多いため、一般的には結
着材料として高分子バインダー樹脂を併用して成膜す
る。
【0007】複写機内で感光体が受ける機械的ダメージ
に対する抗力は、このバインダー樹脂の特性によるとこ
ろが多く、従来からバインダー樹脂の高分子量化、架橋
化、硬化、あるいはクリーニングブレードとの摩擦抵抗
を下げるためにフッ素樹脂のような低摩擦係数セグメン
トを導入するなどにより感光体の高耐久化が試みられて
きた。
【0008】しかし、無機感光体に匹敵するレベルの機
械的強度を有する有機感光体は未だ開発されていない。
【0009】また、最近とくに小型化が進むプリンター
では、ドラム形状の感光体よりもフレキシブルにレイア
ウトできるベルト形状の感光体が用いられるようになっ
てきている。このときベルト感光体は先に述べたダメー
ジ以外にも、ベルト駆動ローラなど当接する各種ローラ
部の曲率による応力や、駆動時、静止時のテンションに
よる応力などドラム状感光体よりもはるかに過酷な外力
を受けるため、繰り返し使用において感光体表面にクラ
ックが生じたり感光層が剥がれるなどして画像欠陥を生
じやすい。しかし、現時点では、これらの機械的ダメー
ジに十分に耐えうるベルト感光体は見いだされていな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな電子写真感光体の諸問題を解決する為になされた。
すなわち、長期の繰り返し折り曲げ使用においても強
く、クラックや膜剥がれなどを発生せず、駆動時、静止
時のテンションによる応力にも強く、画像欠陥のないベ
ルト状電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成された。
【0012】〔1〕 ベルト状支持体上に感光層を有す
る感光体であって、且つ感光層が少なくとも電荷発生層
および電荷輸送層からなる電子写真感光体において、電
荷輸送層単独の膜物性が式(1)及び式(2)を満たす
ことを特徴とする電子写真感体。
【0013】式(1) 1.5mm<L1 式(2) 0.5mm/Kgf<L2 ただし、 L1;幅15mm、長さ80mmの電荷輸送層単独の膜
に長さ方向に引張荷重を加えた時の、破断までの延び L2;幅15mm、長さ80mmの電荷輸送層単独の膜
に長さ方向に引張荷重を加えた時の、単位力Kgfあた
りの延び 〔2〕 ベルト状支持体上に感光層を有する電子写真感
光体において、感光体に当接するローラの半径r1と支
持体の膜厚d1及び感光層の膜厚d2の間に、式(3)
が成り立つことを特徴とする電子写真感光体。
【0014】 式(3) π(r1+d1+d2)/π(r1+d1)<1.0099 〔3〕 ベルト状支持体上に感光層を有する電子写真感
光体において、支持体の表面が粗面化加工されており、
粗面ピークの頂点からピークの斜面に沿って支持体表面
まで降ろした線と支持体表面との接点における接線とで
なす角をθとすると、θ=5〜30°であるピークが1
〜40%含まれることを特徴とする電子写真感光体。
【0015】〔4〕 支持体の表面が粗面化加工されて
おり、粗面ピークの頂点からピークの斜面に沿って支持
体表面まで降ろした線と支持体表面との接点における接
線とでなす角をθとすると、θ=5〜30°であるピー
クが1〜40%含まれることを特徴とする〔1〕又は
〔2〕記載の電子写真感光体。
【0016】〔5〕 感光層が少なくとも電荷発生層お
よび電荷輸送層からなることを特徴とする〔2〕又は
〔3〕記載の電子写真感光体。
【0017】〔6〕 レーザー光による感光体上への書
き込みにより形成した静電潜像を現像し、感光体上へ多
色の重ね合わせトナー像を形成した後に、一括して転写
する方式をとる画像形成装置において、該画像形成装置
は〔1〕記載の電子写真感光体を搭載したことを特徴と
する画像形成装置。
【0018】〔7〕 レーザー光による感光体上への書
き込みにより形成した静電潜像を現像し、感光体上へ多
色の重ね合わせトナー像を形成した後に、一括して転写
する方式をとる画像形成装置において、該画像形成装置
は〔2〕記載の電子写真感光体を搭載したことを特徴と
する画像形成装置。
【0019】〔8〕 レーザー光による感光体上への書
き込みにより形成した静電潜像を現像し、感光体上へ多
色の重ね合わせトナー像を形成した後に、一括して転写
する方式をとる画像形成装置において、該画像形成装置
は〔3〕記載の電子写真感光体を搭載したことを特徴と
する画像形成装置。
【0020】
〔9〕 レーザー光による感光体上への書
き込みにより形成した静電潜像を現像する工程、感光体
上へ多色の重ね合わせトナー像を形成する工程後に、一
括して転写する工程を経る画像形成方法において、該画
像形成方法は〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の電子写真
感光体を用いて画像形成したことを特徴とする画像形成
方法。
【0021】以下本発明を詳しく説明する。
【0022】本発明で用いられる感光層の形成は、無機
光導電体層を蒸着等により形成しても良いが、有機光導
電体層、特に電荷輸送物質と電荷発生物質を双方含有す
る機能分離型、特に各々を別々に重層したタイプの有機
感光体を塗布して形成することが望ましい。
【0023】電荷輸送層のバインダー樹脂や電荷輸送物
質は上記要件を満たすものであれば特に制限はなく公知
の材料を用いることができる。
【0024】以下にその具体例を挙げるが、バインダー
樹脂、電荷輸送物質とも、ここに示す限りではない。
【0025】例えばバインダー樹脂としてはビスフェノ
ールA型ポリカーボネート、ビスフェノールZ型ポリカ
ーボネート、その他のポリカーボネート、有機金属化合
物、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポ
リプロピレン、ポリウレタン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリケトン、ポリ
ビニルホルマール、ポリアリレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリふっ化ビニリデン、ポリふっ化ビニ
ル、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアセ
タール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアセチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレンなどを単独あるいは2種以上の混合物または
2種以上の共重合体の形で用いることができる。
【0026】電荷輸送物質としてはオキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、
フルオレノン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチ
リル誘導体、ヒドラゾン化合物、ブタジエン誘導体、ト
リフェニルメタン、ピラゾリン化合物、アミン誘導体、
オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズ
イミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ジフェノキノ
ン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フ
ェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−
9−ビニルアントラセンなどが挙げられる。
【0027】これらの電荷輸送物質は、単独で用いても
あるいは2種以上の混合物として用いても良い。また、
電荷輸送層のバインダー樹脂に対する電荷輸送物質の重
量比も、上記本発明の要件を満たすように任意に設定す
ることができる。さらに、電荷輸送層の膜厚も本発明の
要件を満たすように任意に決めることができる。
【0028】また、本発明において中間層を設ける場合
は、ナイロン等ポリアミド系の化合物を用いた樹脂系中
間層、あるいは有機金属化合物及び/又はシランカップ
リング剤を用いるいわゆるセラミック系中間層(硬化性
中間層ともいう)が好ましい。
【0029】電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じ
てバインダー樹脂中に分散させて形成される。電荷発生
物質としては、金属または無金属フタロシアニン化合
物、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ化合
物、スクエアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリ
レン系化合物、インジコ化合物、キナクリドン化合物多
環キノン系化合物、シアニン色素、キサンテン染料、ポ
リ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノン
などからなる電荷移動錯体等が挙げられるがこれらに限
定されるわけではない。またこれらは必要に応じて二種
以上混合して用いてもよい。
【0030】ただし本発明の目的を最も高いレベルで達
成するためには、ペリレン化合物の一種、イミダゾール
ペリレン化合物や金属フタロシアニン化合物の一種、チ
タニルフタロシアニン(TiOPc)が好ましい。ここ
で、チタニルフタロシアニンを電荷発生物質として使用
する場合は,Cu−Ka線に対するX線回折スペクトル
がブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピークを
有するチタニルフタロシアニンであることが好ましい。
さらに該チタニルフタロシアニンのその他の顕著なピー
クとしては24.1±0.2°、9.5±0.2°があ
るものがよい。
【0031】電荷発生層に使用可能なバインダー樹脂と
しては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリシリコ
ーン樹脂、ポリメラミン樹脂、並びにこれら樹脂の繰り
返し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、また高分子有機
半導体、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げ
られるがこれらに限定されるわけではない。
【0032】上記の中、電荷発生物質としてイミダゾー
ルペリレン化合物を用いた場合に好ましいバインダーと
しては、ポリビニルブチラール樹脂が、TiOPcを用
いた場合に好ましいバインダーとしては、ポリシリコー
ン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、あるいは両方を
混合したものなどが挙げられる。
【0033】支持体には公知のエンジニアリングプラス
チックシートや透明プラスチック基体に導電性微粒子を
分散したもの、導電性中間層を設けたものなどが使用で
きる。
【0034】導電層の形成法としてはアルミニュウムや
ITO(インジュウム・ティン・オキサイド)等、金属
あるいは金属酸化物の蒸着又はスパッタリングによるも
のや、ITOやアルミナ導電性微粒子と樹脂とを混合し
たものによる導電性樹脂を塗膜形成したものなどが挙げ
られる。
【0035】また、繰り返し使用した際の疲労劣化を少
なくするために、あるいは耐久性をさらに向上させるた
めに、感光体の各層いずれにでも公知の酸化防止剤(ヒ
ンダートフェノール類、ヒンダートアミン類等)、耐熱
剤、紫外線吸収剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑
剤等、環境依存性低減剤などを、必要に応じて適当量添
加して用いることができる。
【0036】さらに耐久性向上のために、必要に応じて
感光層以外に保護層等を設けてもよい。保護層にはさら
に無機微粒子、有機微粒子等を含有させることもでき
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の各実施例の説明に先立
ち、各発明に共通する代表的なカラー画像形成装置の構
成及び画像形成プロセスについて、図1〜図5を用いて
説明する。図1は、本発明のカラー画像形成装置の一例
を示す断面構成図であり、図2は、本発明に用いられる
現像器ユニットの着脱の仕方を示す図であり、図3は、
本発明に用いられるベルト感光体ユニットを示す図であ
り、図4は、図3のベルト感光体ユニットの保護カバー
を示す図であり、図5は、現像器ユニットと現像器ユニ
ットの保護カバーを示す図である。
【0038】本発明のカラー画像形成装置は、ベルト状
像形成体であるベルト感光体の基体が透明の素材によっ
て形成され、該透明基体の外周面に感光体層が設けられ
たベルト感光体を用い、ベルト感光体が上下のローラに
張架されて縦型に配設され、ベルト感光体に対し内部に
像露光手段が、また外側に帯電器、現像器、転写器、ク
リーニング装置等の画像形成プロセス手段が配置された
構造である。
【0039】ベルト状像形成体であるベルト感光体10
は、例えば、内側に透明ポリイミド樹脂等によって形成
されるエンドレスのベルト状の基体を設け、該基体の外
周に透明導電層,a−Si層あるいは有機感光層(OP
C)等の感光体層をベルト上に形成したものであり、ベ
ルト感光体10の透明基体を内面とし駆動ローラ1、従
動ローラ2,3、テンションローラ4及び駆動ローラ1
と従動ローラ2との間に設けられた支持部材50に張架
されて縦型に配置される。帯電、露光、現像プロセスが
行われるベルト感光体10が内面を支持部材50に押圧
された状態で時計方向に駆動回転される。支持部材50
には、露光光走査用の穴51Y,51M,51C及び5
1Kが設けられている。
【0040】本実施例では、画像露光用の露光光の結像
点であるベルト感光体の光導電体層において、光導電体
層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコン
トラストを付与できる波長の露光光量を有していればよ
い。従って、本実施例におけるベルト感光体の透明基体
の光透過率は、100%である必要はなく、露光光の透
過時にある程度の光が吸収されるような特性があっても
構わない。透光性基体の素材としては、前述したごとく
ポリイミド、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、などの各種透光性樹
脂が使用可能である。また、透光性導電層としては、イ
ンジウム・スズ・酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、
酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Al
などからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成
膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパ
ッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗
布法などが利用される。また、光導電体層としては、各
種有機感光層(OPC)が使用可能である。
【0041】帯電手段であるスコロトロン帯電器11
Y,11M,11C及び11Kはイエロー(Y),マゼ
ンタ(M),シアン(C)及び黒色(K)の各色の画像
形成プロセスに用いられ、ベルト感光体10の前述した
有機感光体層に対し所定の電位に保持された制御グリッ
ドと放電ワイヤによるコロナ放電とによって帯電作用を
行い、ベルト感光体10に対し一様な電位を与える。
【0042】像露光手段である露光光学系12(Y),
12(M),12(C),及び12(K)は、ベルト感
光体10の幅方向に配列した発光素子をアレイ状に並べ
た線状のFL(蛍光体発光),EL(エレクトロルミネ
ッセンス),PL(プラズマ放電),LED(発光ダイ
オード)や、光シャッタ機能をもつ素子を並べた線状の
LISA(光磁気効果光シャッタアレイ),PLZT
(透過性圧電素子シャッタアレイ),LCS(液晶シャ
ッタ)等の露光素子と、等倍結像素子としてのセルフォ
ックレンズとによりユニットとして構成され、ベルト感
光体10に内包されて設けられた保持部材20に取り付
けられており、別体の画像読み取り装置によって読み取
られた各色の画像信号がメモリより順次取り出されて露
光光学系12(Y),12(M),12(C)及び12
(K)にそれぞれ電気信号として入力される。この実施
例で使用される発光素子の発光波長は600〜900n
mの範囲のものである。
【0043】イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン
(C)及び黒色(K)の一成分あるいは二成分の現像剤
をそれぞれ収容する非接触現像法を用いた現像手段であ
る現像器13Y,13M,13C及び13Kは、縦型に
配設されたベルト感光体10の一方の側にベルト感光体
10の移動方向と直交してベルト面に平行に複数組みの
現像器13Y,13M,13C及び13Kを上下に配設
され、それぞれベルト感光体10の周面に対し所定の間
隙を保って同方向に回転する現像スリーブ131Y,1
31M,131C及び131Kを備えている。
【0044】前記の現像器13Y,13M,13C及び
13Kは、前述したスコロトロン帯電器11Y,11
M,11C及び11Kによる帯電,露光光学系12Y,
12M,12C及び12Kによる像露光によって形成さ
れるベルト感光体10上の静電潜像を現像バイアス電圧
の印加により非接触の状態で反転現像する。
【0045】原稿画像は本装置とは別体の画像読み取り
装置において、撮像素子により読み取られた画像あるい
は、コンピュータで編集された画像を、Y,M,C及び
Kの各色別の画像信号として一旦メモリに記憶し格納さ
れる。
【0046】画像記録のスタートにより感光体駆動モー
タが回動してベルト感光体10を時計方向へと回転し、
同時にスコロトロン帯電器11Yの帯電作用によりベル
ト感光体10に電位の付与が開始される。
【0047】ベルト感光体10は電位を付与されたあ
と、前記の露光光学系12(Y)において第1の色信号
すなわちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号
による露光が開始され、ベルトの回転(副走査)によっ
てその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像
に対応する静電潜像を形成する。
【0048】前記の潜像は現像器13Yにより現像スリ
ーブ上の現像剤が非接触の状態で反転現像されベルト感
光体10の回転に応じイエロー(Y)のトナー像が形成
される。
【0049】次いでベルト感光体10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上にさらにスコロトロン帯電器11
Mの帯電作用により電位を付与され、露光光学系12
(M)の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信
号に対応する電気信号による露光が行われ、現像器13
Mによる非接触の反転現像によって前記のイエロー
(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が順
次重ね合わせて形成される。
【0050】同様のプロセスによりスコロトロン帯電器
11C、露光光学系12(C)及び現像器13Cによっ
てさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー
像が、またスコロトロン帯電器11K、露光光学系12
(K)及び現像器13Kによって第4の色信号に対応す
る黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、
ベルト感光体10の一回転以内にその周面上にカラーの
トナー像が形成される。
【0051】これ等露光光学系12(Y),12
(M),12(C)及び12(K)によるベルト感光体
10の有機感光層に対する露光はドラムの内部より前述
した透明の基体を透して行われる。従って第2,第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像の影響を全く受けることなく行われ、第
1の色信号に対応する画像と同等の静電潜像を形成する
ことが可能となる。
【0052】また、各色の補給用の現像剤が補給器であ
る補給槽21Y,21M,21C及び21Kより現像器
13Y,13M,13C及び13Kに補給される。現像
器13Y,13M,13C及び13Kによる現像作用に
際しては、それぞれ現像スリーブ131Y,131M,
131C及び131Kに対し直流あるいはさらに交流を
加えた現像バイアスが印加され、現像器の収容する一成
分或いは二成分現像剤によるジャンピング現像が行われ
て、透明電導層を接地するベルト感光体10に対してト
ナーと同極性の直流バイアスを印加して、露光部にトナ
ーを付着させる非接触の反転現像が行われるようになっ
ている。
【0053】かくして、ベルト感光体10の周面上に形
成されたカラーのトナー像は、転写部において、給紙装
置である給紙カセット15より送り出され、タイミング
ローラ16へ搬送され、タイミングローラ16の駆動に
よって、ベルト感光体10上のトナー像と同期して給紙
される転写材である転写紙Pに、ベルト感光体10の駆
動用の駆動ローラ1の下部に配置された転写器としての
転写ローラ14aにより転写される。また、転写ローラ
14aはタイミングローラ16によって転写部に給送さ
れる転写紙Pとの同期がとられ、ベルト感光体10の周
方向に転写紙Pの長さ分の転写が行われる間のみベルト
感光体10に圧接され、転写プロセスが行われない状態
の時はベルト感光体10と離間された状態が取られるよ
うに、不図示の画像形成装置に設けられた制御部と転写
ローラの圧接解除機構とによって作動される。
【0054】トナー像の転写を受けた転写紙Pは、駆動
ローラ1の曲率によりベルト感光体10周面より分離さ
れたのち、搬送ベルト14eにより定着装置17へ搬送
され、定着装置17において加熱・圧着されトナーが転
写紙P上に溶着・定着されて、定着装置17より排出さ
れ、排紙搬送ローラ対18a,18bにより搬送されて
排紙ローラ18を介して上部に設けられた排紙部に転写
紙P上のトナー像面を下面にして排出される。
【0055】一方、転写紙Pを分離したベルト感光体1
0はクリーニング装置19においてクリーニングブレー
ド19a及びクリーニングローラ19bによってベルト
感光体10面を摺擦され残留トナーを除去、清掃されて
原稿画像のトナー像の形成を続行するかもしくは一旦停
止して新たな原稿画像のトナー像の形成にかかる。クリ
ーニングブレード19a及びクリーニングローラ19b
によって掻き落とされた廃トナーは、トナー搬送スクリ
ュウ19c及びトナー搬送パイプ19dを通して、廃ト
ナー容器22へと排出される。クリーニング終了後、ク
リーニングブレード19a及びクリーニングローラ19
bはベルト感光体10の損傷を防止するために、ベルト
感光体10より離間した状態に保たれる。
【0056】イエロー(Y)の画像形成が行われるため
のスコロトロン帯電器11Y、現像器13Y及び補給槽
21Yとが一体とされ現像器ユニット30Yとして設け
られる。他のマゼンタ(M),シアン(C)及び黒色
(K)についても同様にスコロトロン帯電器11M,1
1C,11K、現像器13M,13C,13K及び補給
槽21M,21C,21Kとがそれぞれ一体とされ現像
器ユニット30M,30C及び30Kとしてそれぞれ設
けられる。
【0057】メンテナンス、交換に際して、現像器ユニ
ット30Yが、図2の右側に設けられた現像器ユニット
着脱用の開閉扉8Yが開口され、現像器13Yに設けら
れた不図示の2本の案内溝が案内溝に係合される装置本
体に設けられた前後のガイドレール41Y,42Y(不
図示)上を引き出され、更に開閉扉8Yに設けられガイ
ドレール43Y,44Y(不図示)により装置本体外に
開閉扉8Yに設けられた不図示のストッパに当接するま
で引き出されて着脱され、スコロトロン帯電器の清掃、
交換や現像器、補給槽のメンテナンス、交換や補給槽へ
の現像剤、トナーの補給が行われる。
【0058】スコロトロン帯電器の清掃、交換や現像
器、補給槽のメンテナンス、交換や補給槽への現像剤、
トナーの補給は現像器ユニット30Yを装置本体より外
さず開閉扉8Yに設けられたガイドレール43Y,44
Yに乗った状態でも行うことが可能でありメンテナンス
作業が容易となる。特に補給槽21Yの交換が容易とな
る。現像器ユニット30M,30C及び30Kついても
同様に着脱、メンテナンスが行われる。
【0059】さらに、現像器ユニット30Y,30M,
30C及び30Kは、同一の形状構造とすることが容易
であり、現像器ユニット30Y,30M,30C及び3
0Kを全て同一の形状構造とし、相互に交換可能とする
ことができる。
【0060】また、図5に示すように、スコロトロン帯
電器11Y、現像器13Y及び補給槽21Yとが一体と
された現像器ユニット30Yに保護カバー32Yを設け
現像器ユニット30Yの装着時に保護カバー32Yを一
点鎖線で示す位置に開口して現像器ユニット30Yを装
置本体に装着することも可能である。
【0061】ベルト感光体10及び露光光学系12のメ
ンテナンス、交換に際しては、図2に点線にて示すベル
ト感光体ユニット100が、各現像器13Y,13M,
13C及び13Kとスコロトロン帯電器11Y,11
M,11C及び11Kとが図2の右側方にそれぞれ退避
されてから上部の開閉蓋7を開口して上方に取り出され
る。この際トナー搬送パイプ19dに設けられた廃トナ
ー容器22との不図示の結合部が切り離される。
【0062】ベルト感光体ユニット100には、筺体1
01が設けられ、筺体101の内部に、駆動ローラ1、
従動ローラ2,3及びテンションローラ4が筺体101
に固定されて設けられ、各ローラにベルト感光体10が
張架されている。ベルト感光体10の外側にクリーニン
グ装置19が、内側にベルト感光体10を支持する支持
部材50がそれぞれ筺体101の内部に固定されてお
り、更にベルト感光体10に内包された状態で保持部材
20に固定された露光光学系12(Y),12(M),
12(C),及び12(K)が支持部材50に設けられ
た露光用の穴51Y,51M,51C及び51Kと対峙
して取り付けられる。また筺体101の外部には、画像
形成装置の本体に設けられた不図示の駆動モータの不図
示のピニオンに噛み合い駆動モータの駆動を受けるため
の駆動ローラ1に結合した歯車G1が設けられる。
【0063】さらに、筺体101には現像器ユニット3
0Y,30M,30C,30Kの接合部の穴103Y,
103M,103C,103K、転写ローラ14a作動
用の逃げ穴104及び露光光学系12(Y),12
(M),12(C),及び12(K)が固定された保持
部材20の着脱用の穴102が設けられている。保持部
材20が筺体101に装着されると不図示の係止部材に
よって係止される。
【0064】露光光学系12(Y),12(M),12
(C)及び12(K)が固定された保持部材20が筺体
101の穴102より着脱される際には、保持部材20
に設けられた穴210,220が筺体101に設けられ
た支柱105,106にそれぞれ嵌合されて着脱され、
露光光学系12(Y),12(M),12(C)及び1
2(K)と支持部材50に張架されたベルト感光体10
とが位置出しされる。
【0065】図3に示すように、ベルト感光体10とベ
ルト感光体10に内包された状態で露光光学系12
(Y),12(M),12(C)及び12(K)が固定
された保持部材20とが一体とされたベルト感光体ユニ
ット100に、保護カバー108Y,108M,108
C及び108Kを設けベルト感光体ユニット100の装
着時に保護カバー103Y,103M,103C及び1
03Kが一点鎖線で示す位置に開口されて装置本体に装
着されることも可能であり、この場合ベルト感光体ユニ
ット100が装着されたのち現像器ユニット30Y,3
0M,30C及び30Kが装着される。
【0066】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0067】実施例1 ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製、ユーピロン
Z−200(BPZ1))16重量部、1,2−ジクロ
ロエタン100重量部および電荷輸送物質として下記A
−1に示す化合物を、ポリカーボネート樹脂に対して7
5重量部混合溶解して得た電荷輸送層塗工液を得た。
【0068】この塗工液をポリエステルベースに浸漬塗
布し、100℃、90分乾燥した後にベースから剥離し
て35μmの引張試験用の電荷輸送層単独の膜を形成し
た。繰返し折曲試験用の感光体はこの電荷輸送層塗工液
を、アルミを蒸着したポリエステル樹脂上に中間層、電
荷発生層をこの順に積層して形成した上に塗工し、上記
と同様に乾燥して得た。
【0069】ここで中間層は、ポリアミド(東レ製、C
M−8000)3重量部とメタノール80重量部および
1−ブタノール20重量部を混合溶解した塗工液を用
い、厚さ1.0μmになるように浸漬塗布形成した。
【0070】電荷発生層塗工液は、下記B−1に示すY
型チタニルフタロシアニン化合物20重量部とシリコー
ン樹脂(信越化学社製、KR−5240)10重量部、
2−ブタノン800重量部を混合し、サンドミルにて1
0時間分散して得た。これを前記中間層上に浸漬塗布し
て厚さ0.25μmの電荷発生層を作製した。
【0071】
【化1】
【0072】実施例2 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200の代わ
りにZ−300(BPZ2)を用いた以外は実施例1と
同様にして、繰返し折曲試験用電荷輸送層単独の膜およ
び引張試験用感光体を得た。
【0073】実施例3 実施例1において折曲試験用感光体の中間層にチタンキ
レート化合物(松本製薬製、TC−750)20重量
部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM−5
03)13重量部、および2−プロパノール100重量
部を混合して得た中間層塗工液を用い、浸漬塗布した後
100℃90分間で乾燥して形成した以外は実施例1と
同様にして、21μmの繰返し折曲試験用電荷輸送層単
独の膜および引張試験用感光体を得た。
【0074】実施例4 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200の代わ
りにZ−800(BPZ3)を用いた以外は実施例1と
同様にして、繰返し折曲試験用電荷輸送層単独の膜およ
び引張試験用感光体を得た。
【0075】実施例5 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200の代わ
りに出光社製、変成ポリカーボネートA1(分子量30
000)を用いた以外は実施例1と同様にして、繰返し
折曲試験用電荷輸送層単独の膜および引張試験用感光体
を得た。
【0076】実施例6 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200の代わ
りに出光社製、変成ポリカーボネートA2(分子量70
000)を用いた以外は実施例1と同様にして、繰返し
折曲試験用電荷輸送層単独の膜および引張試験用感光体
を得た。
【0077】実施例7 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200の代わ
りに帝人社製、K−1300(BPA)を用いた以外は
実施例1と同様にして、繰返し折曲試験用電荷輸送層単
独の膜および引張試験用感光体を得た。
【0078】実施例8 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200の代わ
りに出光社製、変成ポリカーボネートB(分子量300
00)を用いた以外は実施例1と同様にして、繰返し折
曲試験用電荷輸送層単独の膜および引張試験用感光体を
得た。
【0079】実施例9 実施例1において電荷輸送層塗工液の電荷輸送物質のポ
リカーボネート樹脂に対する重量部を30重量部にした
以外は実施例1と同様にして、繰返し折曲試験用電荷輸
送層単独の膜および引張試験用感光体を得た。
【0080】比較例1 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200、16
重量部の代わりにZ−200、3重量部とZ−800、
13重量部を混合して用いた以外は実施例1と同様にし
て、繰返し折曲試験用電荷輸送層単独の膜および引張試
験用感光体を得た。
【0081】比較例2 実施例1において電荷輸送層塗工液のポリカーボネート
樹脂に三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ−200、16
重量部の代わりにZ−200、8重量部とZ−800、
8重量部を混合して用いた以外は実施例1と同様にし
て、繰返し折曲試験用電荷輸送層単独の膜および引張試
験用感光体を得た。
【0082】比較例3 実施例1において電荷輸送層塗工液の電荷輸送物質のポ
リカーボネート樹脂に対する重量部を130重量部にし
た以外は実施例1と同様にして、繰返し折曲試験用電荷
輸送層単独の膜および引張試験用感光体を得た。
【0083】作製した電荷輸送層単独の膜は縦120m
m横15mmの大きさに切断し、引張り試験機(東洋精
機社製)にチャック間の長さが80mmになるように装
着し、以下の条件で引張った時の破断までに延びた長さ
L1および単位引張力(1Kgf)あたりに延びた長さ
をそれぞれ測定した。
【0084】 測定環境:20℃、20% 引張り速度:10mm/min 一方、作製した感光層は、塗膜屈曲試験機(東洋精機社
製)を用いて繰り返し数10回折曲げ試験を行い、感光
体表面のクラックやクリープの有無を確認した(○:確
認出来ず、問題なし、×:肉眼で明らかに確認出来、実
用化出来ない)。測定結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】実施例1〜9はいずれも実用上問題ない特
性を示したが、比較例1〜3はいずれも良い特性を持ち
得なかった。
【0087】実施例10 実施例2においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の代わり
に、図6に示すように粗面ピークがθ=5°〜30°の
ものを1.5%含むように粗面加工したポリエステル樹
脂上にアルミを蒸着させたものを使用した以外は実施例
2と同様にして画像評価用感光体を得た。
【0088】実施例11 実施例10においてθ=5°〜30°のピークを30%
含むように粗面加工したポリエステル樹脂上にアルミを
蒸着させたものを使用した以外は実施例10と同様にし
て画像評価用感光体を得た。
【0089】比較例4 実施例10において粗面ピークがすべてθ=5°以下に
なるように粗面加工したポリエステル樹脂上にアルミを
蒸着させたものを使用した以外は実施例2と同様にして
画像評価用感光体を得た。
【0090】比較例5 実施例10においてθ=5°〜30°のピークを0.5
%含むように粗面加工したポリエステル樹脂上にアルミ
を蒸着させたものを使用した以外は実施例10と同様に
して画像評価用感光体を得た。
【0091】比較例6 実施例10においてθ=5°〜30°のピークを50%
含むように粗面加工したポリエステル樹脂上にアルミを
蒸着させたものを使用した以外は実施例10と同様にし
て画像評価用感光体を得た。
【0092】比較例7 実施例10においてθ=30°以上のピークを含むよう
に粗面加工したポリエステル樹脂上にアルミを蒸着させ
たものを使用した以外は実施例10と同様にして画像評
価用感光体を得た。
【0093】作製に使用した粗面加工されたポリエステ
ル樹脂の面粗度は、表面粗さ計(小坂研究所製サーフコ
ーダSE−30)にて測定した。又、作製した感光体を
図1に示すプリンターにて5000枚連続プリントした
後、バイアスが標準条件と標準−50Vの条件で画像欠
陥評価を行った。いずれも肉眼にてモアレの有無、黒ポ
チ有無、クラックの有無のチェックを行い、黒ポチはバ
イアス電位により差異のあるものもあったので、双方を
記載した。
【0094】 いずれの特性も ○:全く認識出来ない ×:認識出来、実用上問題 ××:明らかに認識出来、全く実用化出来ない にて評価した。
【0095】結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】実施例10、11はいずれの特性も優れて
いるか、比較例4〜7は少くもいずれかの特性に問題が
あることがわかる。
【0098】また、実施例10で作製した感光体を図1
の画像形成装置にてプリントしたところ良好な画像が得
られた。
【0099】実施例12 実施例2においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚が
50μmのものを使用し、感光層の膜厚を30μmにな
るように浸漬塗布形成してベルト駆動試験用感光体を得
た。
【0100】これをベルト駆動試験機にて、直径40m
mのベルト駆動ローラを用いて繰り返し5000回駆動
させた時の感光体表面のクラックやクリープの発生を観
察した。
【0101】実施例13 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を100μm、感光層の膜厚を20μmにし、直径6m
mのベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同様
にして繰り返し駆動試験を行った。
【0102】実施例14 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を75μm、感光111層の膜厚を25μmにし、直径
8mmのベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と
同様にして繰り返し駆動試験を行った。
【0103】実施例15 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を100μm、感光層の膜厚を25μmにし、直径20
mmのベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同
様にして繰り返し駆動試験を行った。
【0104】実施例16 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を100μm、感光層の膜厚を30μmにし、直径20
mmのベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同
様にして繰り返し駆動試験を行った。
【0105】実施例17 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を75μm、感光層の膜厚を25μmにし、直径40m
mのベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同様
にして繰り返し駆動試験を行った。
【0106】比較例8 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を75μm、感光層の膜厚を25μmにし、直径4mm
のベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同様に
して繰り返し駆動試験を行った。
【0107】比較例9 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を50μm、感光層の膜厚を34μmにし、直径6mm
のベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同様に
して繰り返し駆動試験を行った。
【0108】比較例10 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を100μm、感光層の膜厚を35μmにし、直径6m
mのベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同様
にして繰り返し駆動試験を行った。
【0109】比較例11 実施例12においてアルミ蒸着ポリエステル樹脂の膜厚
を75μm、感光層の膜厚を43μmにし、直径8mm
のベルト駆動ローラを用いた以外は実施例12と同様に
して繰り返し駆動試験を行った。
【0110】実施例16で作製した感光体を、図1に示
すプリンターを用い、ベルト駆動ローラの径を直径20
mmにしてプリントを行ったところ良好な画像が得られ
た。
【0111】繰り返し駆動試験の結果を表3に示す。
【0112】
【表3】
【0113】実施例12〜17はいずれも特性上問題が
ないが、比較例8〜11は問題があることがわかる。
【0114】
【発明の効果】本発明により、長期の繰り返し折り曲げ
使用においても強く、クラックや膜剥がれなどを発生せ
ず、駆動時、静止時のテンションによる応力にも強く、
画像欠陥のないベルト状電子写真感光体を提供すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカラー画像形成装置の
断面構成図である。
【図2】本発明に用いられる現像器ユニットの着脱の仕
方を示す図である。
【図3】本発明に用いられるベルト感光体ユニットを示
す図である。
【図4】図3のベルト感光体ユニットの保護カバーを示
す図である。
【図5】現像器ユニットと現像器ユニットの保護カバー
を示す図である。
【図6】θを説明する図。
【符号の説明】
1 駆動ローラ 2,3 従動ローラ 4 テンションローラ 1a 外ローラ 1b 内ローラ 10 ベルト感光体 11Y,11M,11C,11K スコロトロン帯電器 12(Y),12(M),12(C),12(K) 露
光光学系 13Y,13M,13C,13K 現像器 20 保持部材 30Y,30M,30C,30K 現像器ユニット 50 支持部材 P 転写紙

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト状支持体上に感光層を有する感光
    体であって、且つ感光層が少なくとも電荷発生層および
    電荷輸送層からなる電子写真感光体において、電荷輸送
    層単独の膜物性が式(1)及び式(2)を満たすことを
    特徴とする電子写真感光体。 式(1) 1.5mm<L1 式(2) 0.5mm/Kgf<L2 ただし、 L1;幅15mm、長さ80mmの電荷輸送層単独の膜
    に長さ方向に引張荷重を加えた時の、破断までの延び L2;幅15mm、長さ80mmの電荷輸送層単独の膜
    に長さ方向に引張荷重を加えた時の、単位力Kgfあた
    りの延び
  2. 【請求項2】 ベルト状支持体上に感光層を有する電子
    写真感光体において、感光体に当接するローラの半径r
    1と支持体の膜厚d1及び感光層の膜厚d2の間に、式
    (3)が成り立つことを特徴とする電子写真感光体。 式(3) π(r1+d1+d2)/π(r1+d1)<1.0099
  3. 【請求項3】 ベルト状支持体上に感光層を有する電子
    写真感光体において、支持体の表面が粗面化加工されて
    おり、粗面ピークの頂点からピークの斜面に沿って支持
    体表面まで降ろした線と支持体表面との接点における接
    線とでなす角をθとすると、θ=5〜30°であるピー
    クが1〜40%含まれることを特徴とする電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 支持体の表面が粗面化加工されており、
    粗面ピークの頂点からピークの斜面に沿って支持体表面
    まで降ろした線と支持体表面との接点における接線とで
    なす角をθとすると、θ=5〜30°であるピークが1
    〜40%含まれることを特徴とする請求項1又は2記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 感光層が少なくとも電荷発生層および電
    荷輸送層からなることを特徴とする請求項2又は3記載
    の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 レーザー光による感光体上への書き込み
    により形成した静電潜像を現像し、感光体上へ多色の重
    ね合わせトナー像を形成した後に、一括して転写する方
    式をとる画像形成装置において、該画像形成装置は請求
    項1記載の電子写真感光体を搭載したことを特徴とする
    画像形成装置。
  7. 【請求項7】 レーザー光による感光体上への書き込み
    により形成した静電潜像を現像し、感光体上へ多色の重
    ね合わせトナー像を形成した後に、一括して転写する方
    式をとる画像形成装置において、該画像形成装置は請求
    項2記載の電子写真感光体を搭載したことを特徴とする
    画像形成装置。
  8. 【請求項8】 レーザー光による感光体上への書き込み
    により形成した静電潜像を現像し、感光体上へ多色の重
    ね合わせトナー像を形成した後に、一括して転写する方
    式をとる画像形成装置において、該画像形成装置は請求
    項3記載の電子写真感光体を搭載したことを特徴とする
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 レーザー光による感光体上への書き込み
    により形成した静電潜像を現像する工程、感光体上へ多
    色の重ね合わせトナー像を形成する工程後に、一括して
    転写する工程を経る画像形成方法において、該画像形成
    方法は請求項1、2又は3記載の電子写真感光体を用い
    て画像形成したことを特徴とする画像形成方法。
JP6798997A 1997-03-21 1997-03-21 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置 Pending JPH10268531A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6798997A JPH10268531A (ja) 1997-03-21 1997-03-21 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6798997A JPH10268531A (ja) 1997-03-21 1997-03-21 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10268531A true JPH10268531A (ja) 1998-10-09

Family

ID=13360898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6798997A Pending JPH10268531A (ja) 1997-03-21 1997-03-21 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10268531A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7358014B2 (en) 2001-08-10 2008-04-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrophotographic organophotoreceptors with novel charge transport compounds
US7778556B2 (en) 2006-03-27 2010-08-17 Sharp Kabushiki Kaisha Toner supply device, image forming apparatus and toner shortage detecting method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7358014B2 (en) 2001-08-10 2008-04-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrophotographic organophotoreceptors with novel charge transport compounds
US7778556B2 (en) 2006-03-27 2010-08-17 Sharp Kabushiki Kaisha Toner supply device, image forming apparatus and toner shortage detecting method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3823344B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真装置及び装置ユニット
US7258958B2 (en) Organic photoreceptor, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
JPH10268531A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び装置
JP4792853B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP4483700B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JPH10268543A (ja) 電子写真感光体
JPH0915983A (ja) 画像形成方法
JP2000098643A (ja) ベルト状電子写真感光体、画像形成方法及び画像形成装置
JP2002328564A (ja) エンドレスベルト
JP2000267506A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法とそれに用いるベルト状感光体
JP2018155913A (ja) 画像形成装置及び電子写真感光体
JP4487877B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP3713986B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3791023B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真装置及び装置ユニット
JP2006337633A (ja) 画像形成装置、画像形成方法及び該画像形成装置に用いられる有機感光体、プロセスカートリッジ
JP3653831B2 (ja) 画像形成装置
JP2000010319A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP3702680B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いたプロセスカートリッジと画像形成装置
JP2002107981A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JPH0950143A (ja) 電子写真感光体、電子写真装置及び装置ユニット
JP2000019762A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JPH096019A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット
JP2007003678A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JPH09138517A (ja) 静電荷像形成体用透明基体と製造方法、それを用いた電子写真用感光体、画像形成方法及び装置
JP2007108480A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置